(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
管理対象を複数の調節弁とし、この複数の調節弁に各個に装着されているポジショナから、そのポジショナに設定されている調節弁の特性情報を取得し管理する調節弁特性情報管理装置であって、
前記ポジショナの各々からそのポジショナに設定されている調節弁の特性情報をその調節弁が属するグループを示すキー情報と共に取得する調節弁特性情報取得部と、
前記調節弁のグループ分けを行う際に用いる識別情報として予め登録されたグループ識別情報を記憶するグループ識別情報登録記憶部と、
前記調節弁特性情報取得部が取得した全ての調節弁の特性情報を対象とし、この対象とされる全ての調節弁の特性情報を前記グループ識別情報登録記憶部に登録されているグループ識別情報と前記調節弁の特性情報と共に取得されたキー情報とに基づいてグループ分けし、そのグループ分けした調節弁の特性情報をグループ毎にリスト化し、このリスト化した全てのグループの調節弁の特性情報を一括して表示部に表示する表示処理部と
を備えることを特徴とする調節弁特性情報管理装置。
【背景技術】
【0002】
従来より、調節弁の開度を制御する調節弁開度制御システムでは、調節弁にポジショナを装着して、調節弁の弁(バルブ)の開度を制御するようにしている。この調節弁開度制御システムにおいて、調節弁は、弁とこの弁を駆動する操作器とを有し、ポジショナは、弁の実開度と設定開度との差に応じた空気圧を操作器に与えて、弁の開度を制御する。
【0003】
このような調節弁開度制御システムにおいて、調節弁とポジショナとは組み合わせて使用されるものであるが、一体化しておらず、独立した機器である場合が多い。ポジショナの機能の中には、調節弁の仕様など組み合わされる調節弁の特性情報を必要とするものもあり、近年、異常診断などポジショナの機能が高機能になるにつれ、 必要となる調節弁の特性情報も増加している。
【0004】
例えば、特許文献1に示されたポジショナ(バルブポジショナ)では、キーボードやボタンなどのマン・マシン・インタフェースを介して、組み合わされる調節弁の仕様データ(例えば、バルブの容量、バルブのスプリングレンジ、バルブのヒステリシス、操作器への供給圧)をその調節弁の特性情報として、ポジショナに手入力するようにしている。
【0005】
この場合、ポジショナは、マン・マシン・インタフェースを介して入力された調節弁の仕様データ(特性情報)より、この仕様データに応じた制御パラメータをデータベースから読み出して、バルブ制御演算部に設定する。例えば、比例ゲイン、積分時間、微分時間などのバルブの開度制御に用いられる制御パラメータの値をデータベースから読み出して、バルブ制御演算部に設定する。
【0006】
調節弁とポジショナとは、それぞれ異なるベンダーから購入して組み合わされる場合が多く、ポジショナの出荷時点ではどの調節弁と組み合わされるかという情報が無い場合がほとんどである。そのため、ポジショナの出荷時に組み合わされる調節弁の特性情報を得て、その特性情報に応じたパラメータ値をポジショナに予め設定しておくということは難しい。
【0007】
このような理由から、特許文献1では、調節弁とポジショナとが組み合わされた時点で、キーボードやボタンなどのマン・マシン・インタフェースを介して、調節弁の仕様データ(特性情報)をポジショナに人手で入力するようにしている。例えば、ハンディコミュニケータを使って、一つひとつ調節弁の特性情報を手入力するようにしている。このため、調節弁の特性情報の入力作業が煩雑となり、非常に手間がかかる。
【0008】
ポジショナへの調節弁の特性情報の入力は、機器管理システムなどを利用して行うことも可能である。しかし、調節弁の特性情報は様々であることや、必要な調節弁の特性情報はポジショナ(機種・型)によって異なるため、機器管理システムを利用したとしても一括で設定することができない場合が多く、入力に手間がかかるという問題は依然として残る。
【0009】
仮に、多くの調節弁の特性情報を一括して管理しているデータベースが存在したとしても、機器管理システムなどではポジショナと調節弁との紐付けができていない。よって、それぞれのポジショナに組み合わされている調節弁の特性情報を計装情報から参照し、ポジショナに入力するという作業が発生し、入力の手間がかかることに変わりはない。
【0010】
また、手間がかかるというだけではなく、組み合わされる調節弁を確認し(
図9に示す矢印(1))、確認した調節弁の特性情報をデータベースから読み取り(
図9に示す矢印(2))、読み取った調節弁の特性情報をポジショナに入力する(
図9に示す矢印(3))とい
う作業が人手によって行われるため、ヒューマンエラーが発生する可能性が高い。
【0011】
そこで、本出願人は、ポジショナへの調節弁の特性情報の入力作業の手間を軽減するとともに、ヒューマンエラーの発生の可能性を低減することを目的として、
図10に示すような調節弁開度制御システムを先に提案した(特許文献2)。
【0012】
図10において、1は調節弁、2は調節弁1に装着されたポジショナであり、調節弁1とポジショナ2とで調節弁開度制御システム100が構成されている。この調節弁開度制御システム100において、調節弁1は、流体が流れる通路を開閉する弁(バルブ)11と、空気圧Poutを受けて弁11を駆動する操作器12とを備えている。また、調節弁1は、調節弁1の特性情報を保持する調節弁特性情報保持部13を備えている。
【0013】
調節弁1において、調節弁特性情報保持部13には、調節弁1の特性情報が読み取り可能に保持されている。例えば、弁のタイプ(Type)、動作方向(Direction)、弁の口径(Size)などが調節弁1の特性情報として、調節弁1の型番(バルブ型番)などと合わせて、調節弁特性情報保持部13に読み取り可能に保持されている。
【0014】
ポジショナ2は、バルブ制御演算部21に加え、調節弁特性情報読取部22と情報変換設定部23とを備えている。ポジショナ2において、バルブ制御演算部21は、調節弁1の弁11の実開度θpvと、上位装置(図示せず)からの設定開度θspとを入力とし、実開度θpvと設定開度θspとの差に応じた空気圧Poutを生成し、調節弁1の操作器12へ与える。これにより、θpv=θspとなるように、弁11の開度が制御される。
【0015】
ポジショナ2において、調節弁特性情報読取部22は、外部より送られてくる読取開始指令を受けて、調節弁特性情報保持部13に保持されている調節弁1の特性情報の読み取りを開始する。例えば、オペレータからの操作指令として、上位装置より読取開始指令が送られてくると、この読取開始指令を受けて、調節弁特性情報読取部22が調節弁特性情報保持部13にアクセスし、調節弁1の特性情報の読み取りを開始する。
【0016】
調節弁特性情報読取部22によって読み取られた調節弁1の特性情報は情報変換設定部23に送られる。情報変換設定部23は、調節弁特性情報読取部22から送られてきた調節弁1の特性情報を、すなわち調節弁特性情報読取部22が読み取った調節弁1の特性情報を、この特性情報に応じたパラメータ値(比例ゲイン、積分時間、微分時間など)に変換し、バルブ制御
演算部21に設定する。
【0017】
このようにして、この調節弁開度制御システム100では、調節弁1にポジショナ2を装着し、ポジショナ2の調節弁特性情報読取部22に読取開始指令を送るのみで、調節弁特性情報保持部13からの調節弁1の特性情報の読み取り(ポジショナ2への調節弁1の特性情報の設定)、読み取った特性情報のパラメータ値への変換、変換されたパラメータ値の設定が自動的に行われるものとなる。
【0018】
なお、調節弁特性情報保持部13からの調節弁1の特性情報の読み取り方式としては、通信線を介して調節弁1の特性情報を読み取る方式(有線通信で読み取る方式)、無線通信によって調節弁1の特性情報を読み取る方式、光学的に非接触で調節弁1の特性情報を読み取る方式など種々の方式が採用される。また、大規模なプラントを想定した場合、このような調節弁開度制御システム100がプラント内の各所に設置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上述した調節弁開度制御システム100は、ポジショナ2への調節弁1の特性情報の入力作業の手間を軽減するとともに、ヒューマンエラーの発生の可能性を低減することができる点で優れている。
【0021】
しかしながら、調節弁特性情報保持部13に調節弁1の特性情報が正しく登録されていなかったような場合、バルブ制御演算部21に適切なパラメータ値が設定されず、トラブルが発生する虞がある。また、調節弁特性情報保持部13からの調節弁1の特性情報の自動読み取りに際し、その読み取りに誤りが生じたような場合にも、バルブ制御演算部21に適切なパラメータ値が設定されず、トラブルが発生する虞がある。
【0022】
なお、特許文献3には、一覧表示された複数の機器の中から1つの機器に対応するパラメータ情報の履歴情報を表示するように指示された場合に、その指示された1つの機器と同じグループに属する機器のパラメータ情報を記憶されているパラメータ情報から抽出し、その抽出した同じグループに属する機器のパラメータ情報を画面に表示する機器管理装置が示されている。
【0023】
この特許文献3に示された技術を調節弁の特性情報の管理に適用した場合、複数の調節弁に各個に装着されているポジショナから、そのポジショナに設定されている調節弁の特性情報を取得し、この特性情報を取得した複数の調節弁を一覧表示すると共に、この一覧表示された複数の調節弁の中から1つの調節弁の特性情報が指定された場合、その指定された調節弁と同じグループに属する調節弁の特性情報を記憶されている特性情報から抽出し、その抽出した同じグループに属する調節弁の特性情報を画面に表示するようにすることが考えられる。
【0024】
しかしながら、この方式では、取得した複数の調節弁の特性情報から、1つのグループとして取り扱うべき一部の調節弁の特性情報をピックアップして比較・確認するのには都合が良いが、全ての調節弁の特性情報について、正常に調節弁から読み取られたか否かや調節弁に正しく登録されたものであるのかを確認するためには、1グループずつ何回も表示選択する必要があり、面倒である。すなわち、例えば、同じ型番の調節弁を1つのグループとした場合、型番毎に違う調節弁を選択し、同じ型番の調節弁の特性情報を一々画面に表示させなければならない。
【0025】
また、全ての調節弁の特性情報を単純に一覧表示する方法では、オペレータがどの調節弁同士が比較・確認対象であるのか理解していなければならず、習熟度の低いオペレータでは使いこなせない。
【0026】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、習熟度の低いオペレータであっても、取得した全ての調節弁の特性情報の中から問題のある調節弁の特性情報を素早く抽出し、確認することが可能な調節弁特性情報管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
このような目的を達成するために本発明は、管理対象を複数の調節弁とし、この複数の調節弁に各個に装着されているポジショナから、そのポジショナに設定されている調節弁の特性情報を取得し管理する調節弁特性情報管理装置であって、ポジショナの各々からそのポジショナに設定されている調節弁の特性情報をその調節弁が属するグループを示すキー情報と共に取得する調節弁特性情報取得部と、調節弁のグループ分けを行う際に用いる識別情報として予め登録されたグループ識別情報を記憶するグループ識別情報登録記憶部と、調節弁特性情報取得部が取得した全ての調節弁の特性情報を対象とし、この対象とされる全ての調節弁の特性情報をグループ識別情報登録記憶部に登録されているグループ識別情報と調節弁の特性情報と共に取得されたキー情報とに基づいてグループ分けし、そのグループ分けした調節弁の特性情報をグループ毎にリスト化
し、このリスト化した全てのグループの調節弁の特性情報を一括して表示部に表示する表示処理部とを備えることを特徴とする。
【0028】
例えば、本発明において、登録されているグループ識別情報を調節弁の型番情報とし、ポジショナの各々から調節弁の特性情報と共に取得した調節弁が属するグループを示すキー情報に調節弁の型番情報が含まれていたものとした場合、ポジショナの各々から取得した全ての調節弁の特性情報が調節弁の型番毎にグループ分けされ、この型番毎にグループ分けされた調節弁の特性情報が型番毎にリスト化され、
このリスト化された全てのグループの調節弁の特性情報が一括して表示部に表示される。
【0029】
これにより、オペレータは、同一型番の調節弁毎に、同一型番の調節弁の特性情報同士を画面上で容易に比較・確認することができる。すなわち、同一型番の調節弁の特性情報は同一でなければならないと考えられるので、同一型番の調節弁の特性情報同士を比較して食い違いが存在するか否かを確認することによって、取得した全ての調節弁の特性情報の中から問題のある調節弁の特性情報を素早く抽出し、確認することができるようになる。
【0030】
本発明において、表示処理部に、同一グループに属する調節弁の特性情報同士を比較し、他の特性情報とは異なる特性情報の数が他の特性情報と同数以下であった場合、その特性情報を他の特性情報とは異なる表示形態で表示部に表示する処理を行う機能を設けるようにしてもよい。このようにすると、調節弁の特性情報の表示形態によって、読み取り処理の失敗の可能性があるなど、問題のある調節弁の特性情報の存在および特定を視覚的に素早く行うことが可能となる。
【0031】
また、本発明において、ポジショナの各々からそのポジショナに設定されている調節弁の特性情報と共にその特性情報が手動で変更されたか否かの情報を取得するようにし、表示処理部に、調節弁特性情報取得部が取得した調節弁の特性情報がポジショナにおいて手動で変更されたものであった場合、その特性情報を他の調節弁の特性情報と区別して表示する機能を設けるようにしてもよい。
【0032】
このようにすると、手動で変更された結果、その調節弁の特性情報が同一グループの他の調節弁の特性情報とは異なるような場合、その特性情報は異常ではないとオペレータに注意を喚起することが可能となる。なお、この場合、手動で変更されたか否かの情報に、手動で変更された日時を含ませるようにしてもよい。
【0033】
また、本発明において、ポジショナの各々からそのポジショナに設定されている調節弁の特性情報と共にその特性情報が設定された日時を取得するようにし、表示処理部に、同一グループに属する調節弁の特性情報が設定された設定日時同士を各日時が属する設定日時範囲で比較し、他の設定日時範囲とは異なる設定日時範囲の数が他の設定日時範囲と同数以下であった場合、その設定日時範囲に属する設定日時を他の設定日時範囲に属する設定日時とは異なる表示形態で表示部に表示する機能を設けるようにしてもよい。
【0034】
このようにすると、例えば、調節弁が設置されているエリア毎など、調節弁の特性情報の自動読み取り(ポジショナへの調節弁の特性情報の自動設定)の日時が同一であるはずのグループ毎に調節弁の特性情報を表示するようにした場合、調節弁の特性情報が設定された日時の表示形態によって、問題のある調節弁の特性情報の存在および特定を視覚的に素早く行うことが可能となる。
【0035】
本発明において、登録するグループ識別情報は調節弁の型番情報に限られるものではなく、調節弁が設置されているエリア情報などとしてもよい。例えば、本発明において、登録されているグループ識別情報を調節弁が設置されているエリア情報とし、ポジショナの各々から調節弁の特性情報と共に取得した調節弁が属するグループを示すキー情報に調節弁が設置されているエリア情報が含まれていたものとした場合、ポジショナの各々から取得した全ての調節弁の特性情報が調節弁が設置されているエリア毎にグループ分けされ、このエリア毎にグループ分けされた調節弁の特性情報がエリア毎にリスト化され、
このリスト化された全てのグループの調節弁の特性情報が一括して表示部に表示されるものとなる。
【0036】
また、本発明では、グループ分けした調節弁の特性情報をグループ毎にリスト化
し、このリスト化した全てのグループの調節弁の特性情報を一括して表示部に表示するが、1つの画面に収まらない場合にはその画面にスクロール可能に表示する場合もある。また、複数ページに分けて表示する場合もある。このような表示形態も本発明でいう一括して表示することに相当する。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、ポジショナの各々からそのポジショナに設定されている調節弁の特性情報をその調節弁が属するグループを示すキー情報と共に取得し、この取得した全ての調節弁の特性情報を予め登録されているグループ識別情報と調節弁の特性情報と共に取得されたキー情報とに基づいてグループ分けし、そのグループ分けした調節弁の特性情報をグループ毎にリスト化
し、このリスト化した全てのグループの調節弁の特性情報を一括して表示するようにしたので、習熟度の低いオペレータであっても、取得した全ての調節弁の特性情報の中から問題のある調節弁の特性情報を素早く抽出し、確認することが可能となる。
【0038】
また、本発明において、同一グループに属する調節弁の特性情報同士を比較し、他の特性情報とは異なる特性情報の数が他の特性情報と同数以下であった場合、その特性情報を他の特性情報とは異なる表示形態で表示部に表示するようにすると、調節弁の特性情報の表示形態によって、読み取り処理の失敗の可能性があるなど、問題のある調節弁の特性情報の存在および特定を視覚的に素早く行わせるようにすることが可能となる。
【0039】
また、本発明において、ポジショナの各々からそのポジショナに設定されている調節弁の特性情報と共にその特性情報が手動で変更されたか否かの情報を取得するようにし、調節弁特性情報取得部が取得した調節弁の特性情報がポジショナにおいて手動で変更されたものであった場合、その特性情報を他の調節弁の特性情報と区別して表示するようにすると、手動で変更された結果、その調節弁の特性情報が同一グループの他の調節弁の特性情報とは異なるような場合、その特性情報は異常ではないとオペレータに注意を喚起することが可能となる。
【0040】
また、本発明において、ポジショナの各々からそのポジショナに設定されている調節弁の特性情報と共にその特性情報が設定された日時を取得するようにし、同一グループに属する調節弁の特性情報が設定された設定日時同士を各日時が属する設定日時範囲で比較し、他の設定日時範囲とは異なる設定日時範囲の数が他の設定日時範囲と同数以下であった場合、その設定日時範囲に属する設定日時を他の設定日時範囲に属する設定日時とは異なる表示形態で表示部に表示するようにすると、例えば、調節弁が設置されているエリア毎など、調節弁の特性情報の自動読み取りの日時が同一であるはずのグループ毎に調節弁の特性情報を表示するようにした場合、、調節弁の特性情報が設定された日時の表示形態によって、問題のある調節弁の特性情報の存在および特定を視覚的に素早く行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る調節弁特性情報管理装置の一実施の形態を含むシステムの要部を示す図である。
【0043】
図1において、1は調節弁、2は調節弁1に装着されたポジショナであり、この調節弁1とポジショナ2との組み合わせが調節弁開度制御システム100として大規模なプラントの各所に設けられている。この調節弁1とポジショナ2とを組み合わせた調節弁開度制御システム100の構成は
図10に示したものと同じであるのでここでの説明は省略する。
【0044】
本実施の形態では、このプラントの各所に設けられた調節弁1(1−1〜1−n)とポジショナ2(2−1〜2−n)とを組み合わせた調節弁開度制御システム100(100−1〜100−n)に対して機器管理システム3を設けている。この機器管理システム3が本発明に係る調節弁特性情報管理装置に相当する。この機器管理システム3は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現される。
【0045】
本実施の形態において、機器管理システム3は、ポジショナ2の各々からそのポジショナ2に設定されている調節弁1の特性情報(この例では、調節弁1から自動で読み取られた特性情報)をその調節弁1が属するグループを示すキー情報と共に取得する調節弁特性情報取得部31と、プラント内の調節弁1のグループ分けを行う際に用いる識別情報として予め登録されたグループ識別情報を記憶するグループ識別情報登録記憶部32と、調節弁特性情報取得部31が取得した全ての調節弁1の特性情報を対象とし、この対象とされる全ての調節弁1の特性情報をグループ識別情報登録記憶部32に登録されているグループ識別情報と調節弁1の特性情報と共に取得されたキー情報とに基づいてグループ分けし、そのグループ分けした調節弁1の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して
(リスト化した全てのグループの調節弁1の特性情報を一括して)表示部34に表示する表示処理部33と、液晶ディスプレイなどの表示部34とを備えている。
【0046】
〔実施の形態1:型番情報をもとにグループ分けする例〕
大規模なプラントにおいて、調節弁1は同型のものが複数ずつ設置されている可能性が高い。また、型番により調節弁1の特性情報が同一である可能性が高い。
【0047】
このような点に着眼し、実施の形態1では、調節弁特性情報取得部31が取得した全ての調節弁1の特性情報を調節弁1の型番(型番情報)をもとにグループ分けし、そのグループ分けした調節弁1の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して表示部34に表示するようにする。
【0048】
図2に実施の形態1において調節弁特性情報取得部31がポジショナ2の各々から取得した情報を例示する。実施の形態1において、調節弁特性情報取得部31は、ポジショナ2に設定されている調節弁1の特性情報として、弁のタイプ(Type)、動作方向(Direction)、弁の口径(Size)を取得する。また、この調節弁1の特性情報と合わせて、ポジショナ2の識別子(ポジショナ識別子)と、調節弁1の型番(バルブ型番)とを取得する。この調節弁特性情報取得部31がポジショナ2の各々から取得した情報はデータベースDBに記憶される。
【0049】
また、実施の形態1では、調節弁特性情報取得部31が取得する情報のうち調節弁1の型番を調節弁1が属するグループを示すキー情報として用いる。また、実施の形態1では、調節弁1の特性情報は型番が同じであれば全て同一であるとみなし、プラント内の調節弁1のグループ分けを行う際に用いる識別情報(グループ識別情報)として、プラントで使用している調節弁1の型番をグループ識別情報登録記憶部32に登録し記憶させておく。
【0050】
なお、型番が違っていても特性情報は同じであるということもあるので、調節弁1の型番がそのままグループ識別情報登録記憶部32に登録するグループ識別情報とならない場合もある。例えば、特性情報が同じ型番の組み合わせで、グループ識別情報を登録するというような場合もある。実施の形態1では、説明を簡単とするために、単純にプラントで使用している調節弁1の全種類の型番をグループ識別情報としている。
【0051】
実施の形態1において、表示処理部33は、オペレータからの特性情報の読み取り確認の操作指令(特性情報読取確認指令)を受けると、調節弁特性情報取得部31に調節弁の特性情報の取得指令を送る。
【0052】
この調節弁の特性情報の取得指令を受けて、調節弁特性情報取得部31は、プラント内の各ポジショナ2から、そのポジショナ2に設定されている調節弁1の特性情報と、そのポジショナ2が装着されている調節弁1の型番と、そのポジショナ2の識別子(ポジショナ識別子)とを含む情報を取得し、データベースDBに記憶する。
図2はこの時に調節弁特性情報取得部31が取得した情報を例示している。
【0053】
なお、この特性情報読取確認指令を受ける前に、各ポジショナ2は、オペレータからの特性情報読取開始指令を受けて、装着されている調節弁1の特性情報の自動読み取り(ポジショナ2への調節弁1の特性情報の自動設定)を行っているものとする。
【0054】
次に、表示処理部33は、データベースDBに記憶されている調節弁特性情報取得部31が取得した全ての調節弁1の特性情報を対象とし、この対象とされる全ての調節弁1の特性情報をグループ識別情報登録記憶部32に登録されているグループ識別情報(型番)と調節弁1の特性情報と共に取得されたキー情報(型番)とに基づいてグループ分けし、そのグループ分けした調節弁1の特性情報をグループ毎(型番毎)にリスト化して一括して表示部34に表示する。なお、このグループ分けに際して、表示処理部33は、調節弁特性情報取得部31が取得した情報のうちポジショナ識別子は、調節弁1の特性情報に付加されている情報として取り扱う。
【0055】
図3に表示部34における型番毎にグループ分けされリスト化された調節弁1の特性情報の表示例を示す。この例において、表示処理部33は、調節弁特性情報取得部31が取得したポジショナ識別子を含む全ての調節弁1の特性情報をバルブ型番A,B,C,Dでグループ分けし、そのグループ分けした調節弁1の特性情報をバルブ型番A,B,C,D毎にリスト化し、一括して表示部34に表示させている。
【0056】
これにより、オペレータは、表示部34の画面上で、同一型番の調節弁1毎に、同一型番の調節弁1の特性情報同士を容易に比較・確認することができる。すなわち、この例において、同一型番の調節弁1の特性情報は同一でなければならないが、他の特性情報とは異なる特性情報の数が他の特性情報と同数以下であれば、その特性情報が調節弁1から正常に読み取られなかったり、調節弁1に正しく登録されたものではないという可能性があることが分かる。
【0057】
図3の例では、バルブ型番Aのポジショナ識別子「YYY.AVP.0003」の調節弁1の特性情報が同一型番の他の3つの調節弁1の特性情報とは異なっている。これにより、ポジショナ識別子「YYY.AVP.0003」の調節弁1の特性情報が、その調節弁1から正常に読み取られなかったり、その調節弁1に正しく登録されたものではないという可能性があることが分かる。
【0058】
なお、
図3の例では、型番Aのポジショナ識別子「YYY.AVP.0003」の調節弁1の特性情報のうち他とは異なる情報について、その表示エリアの色を変えるなどして他とは区別して表示するようにしている。この場合、表示処理部33は、同一グループに属する調節弁1の特性情報同士を比較し、他の特性情報とは異なる特性情報の数が他の特性情報と同数以下であった場合、その特性情報を他の特性情報とは異なる表示形態で表示部34に表示するという処理を行う。
【0059】
また、
図4に示すように、例えば、バルブ型番Cの調節弁1が2つあり、その2つの調節弁1の特性情報が異なっていたような場合、すなわち同一型番の調節弁1で異なる調節弁1の特性情報の数が同数であったような場合には、どちらに問題があるか分からないので、どちらの調節弁1の特性情報も問題がある可能性があるとみなして、その特性情報の表示色を変えるなど表示形態を異ならせて表示するようにする。
【0060】
このようにして、実施の形態1では、表示部34にグループ毎(型番毎)にリスト化して一括して表示された調節弁1の特性情報を見ることにより、習熟度の低いオペレータであっても、取得した全ての調節弁1の特性情報の中から問題のある調節弁1の特性情報を素早く抽出し、確認することができるようになる。また、同一型番の調節弁1の特性情報の中に他の特性情報とは異なる特性情報の数が他の特性情報と同数以下のものがあった場合、その特性情報が他の特性情報とは異なる表示形態で表示されるので、問題のある調節弁1の特性情報の存在および特定を視覚的に素早く行うことができるようになる。
【0061】
〔実施の形態2:エリア情報をもとにグループ分けする例〕
大規模なプラントでは、複数の調節弁1がエリアに分かれて設置されていることがある。また、複数の調節弁1がエリアに分かれて設置される場合、エリア毎に調節弁1の設置時期が異なることもある。
【0062】
このような点に着眼し、実施の形態2では、調節弁特性情報取得部31が取得した全ての調節弁1の特性情報を調節弁1が設置されているエリア(エリア情報)をもとにグループ分けし、そのグループ分けした調節弁1の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して表示部34に表示するようにする。
【0063】
図5に実施の形態2において調節弁特性情報取得部31がポジショナ2の各々から取得した情報を例示する。実施の形態2において、調節弁特性情報取得部31は、ポジショナ2に設定されている調節弁1の特性情報として、弁のタイプ(Type)、動作方向(Direction)、弁の口径(Size)を取得する。また、この調節弁1の特性情報と合わせて、ポジショナ2の識別子(ポジショナ識別子)と、調節弁1が設置されているエリア(プラントエリア)と、ポジショナ2に調節弁1の特性情報が設定された日時(調節弁1の特性情報の自動読み取りが行われた日時)とを取得する。この調節弁特性情報取得部31がポジショナ2の各々から取得した情報はデータベースDBに記憶される。
【0064】
また、実施の形態2では、調節弁特性情報取得部31が取得する情報のうち調節弁1が設置されているエリアを調節弁1が属するグループを示すキー情報として用いる。また、実施の形態2では、調節弁1が設置されているエリアが同じであれば、そのエリア内の調節弁1に装着されているポジショナ2への調節弁1の特性情報の設定日時(調節弁1の特性情報の自動読み取りが行われた日時)は全て同一であるとみなし、プラント内の調節弁1のグループ分けを行う際に用いる識別情報(グループ識別情報)として、プラントにおける調節弁1が設置されているエリアをグループ識別情報登録記憶部32に登録し記憶させておく。
【0065】
実施の形態2において、表示処理部33は、オペレータからの特性情報の読み取り確認の操作指令(特性情報読取確認指令)を受けると、調節弁特性情報取得部31に調節弁の特性情報の取得指令を送る。
【0066】
この調節弁の特性情報の取得指令を受けて、調節弁特性情報取得部31は、プラント内の各ポジショナ2から、そのポジショナ2に設定されている調節弁1の特性情報と、そのポジショナ2が装着されている調節弁1が設置されているエリアと、そのポジショナ2に調節弁1の特性情報が設定された日時と、そのポジショナ2の識別子(ポジショナ識別子)とを含む情報を取得し、データベースDBに記憶する。
図5はこの時に調節弁特性情報取得部31が取得した情報を例示している。
【0067】
なお、この特性情報読取確認指令を受ける前に、各ポジショナ2は、オペレータからの特性情報読取開始指令を受けて、装着されている調節弁1の特性情報の自動読み取り(ポジショナ2への調節弁1の特性情報の自動設定)を行っているものとする。
【0068】
次に、表示処理部33は、データベースDBに記憶されている調節弁特性情報取得部31が取得した全ての調節弁1の特性情報を対象とし、この対象とされる全ての調節弁1の特性情報をグループ識別情報登録記憶部32に記憶されているグループ識別情報(エリア)と調節弁1の特性情報と共に取得されたキー情報(エリア)とに基づいてグループ分けし、そのグループ分けした調節弁1の特性情報をグループ毎(エリア毎)にリスト化して一括して表示部34に表示する。なお、このグループ分けに際して、表示処理部33は、調節弁特性情報取得部31が取得した情報のうちポジショナ識別子および調節弁1の特性情報が設定された日時は、調節弁1の特性情報に付加されている情報として取り扱う。
【0069】
図6に表示部34におけるエリア毎にグループ分けされリスト化された調節弁1の特性情報の表示例を示す。この例において、表示処理部33は、調節弁特性情報取得部31が取得したポジショナ識別子や調節弁1の特性情報が設定された日時を含む全ての調節弁1の特性情報をプラントエリアAR1,AR2でグループ分けし、そのグループ分けした調節弁1の特性情報をプラントエリアAR1,AR2毎にリスト化し、一括して表示部34に表示させている。
【0070】
これにより、オペレータは、表示部34の画面上で、同一エリアに設置されている調節弁1毎に、同一エリアの調節弁1の特性情報同士を容易に比較・確認することができる。すなわち、この例において、同一エリアに設置されている調節弁1の特性情報の設定日時は同一でなければならないが、同一エリアに設置されている調節弁1の特性情報の設定日時同士を各日時が属する設定日時範囲で比較し、他の設定日時範囲とは異なる設定日時範囲の数が他の設定日時範囲と同数以下であった場合、その設定日時が付加されている特性情報が調節弁1から正常に読み取られなかったり、調節弁1に正しく登録されたものではないという可能性があることが分かる。
【0071】
図6の例では、プラントエリアAR1のポジショナ識別子「YYY.AVP.0001」の調節弁1の特性情報の設定日時が同一エリアの他の5つの調節弁1の特性情報の設定日時とは大きく異なっている。これにより、ポジショナ識別子「YYY.AVP.0001」の調節弁1の特性情報が、その調節弁1から正常に読み取られなかったり、その調節弁1に正しく登録されたものではないという可能性があることが分かる。
【0072】
なお、
図6の例では、プラントエリアAR1のポジショナ識別子「YYY.AVP.0001」の調節弁1の特性情報の設定日時について、その表示エリアの色を変えるなどして区別して表示するようにしている。この場合、表示処理部33は、同一グループに属する調節弁1の特性情報の設定日時同士を各日時が属する設定日時範囲で比較し、他の設定日時範囲とは異なる設定日時範囲の数が他の設定日時範囲と同数以下であった場合、その設定日時範囲に属する設定日時を他の設定日時範囲に属する設定日時とは異なる表示形態で表示部34に表示するという処理を行う。
【0073】
また、
図7に示すように、例えば、エリアAR3に調節弁1が2つあり、その2つの調節弁1の特性情報の設定日時が異なっていたような場合、すなわち同一エリアの調節弁1でその特性情報の設定日時が異なる数が同数であったような場合には、どちらに問題があるか分からないので、どちらの調節弁1の特性情報も問題のある可能性があるとみなし、その設定日時の表示色を変えるなど表示形態を異ならせて表示するようにする。
【0074】
このようにして、実施の形態2では、表示部34にグループ毎(エリア毎)にリスト化して一括して表示された設定日時を含む調節弁1の特性情報を見ることにより、習熟度の低いオペレータであっても、取得した全ての調節弁1の特性情報の中から問題のある調節弁1の特性情報を素早く抽出し、確認することができるようになる。また、同一エリアに設置されている調節弁1の特性情報の設定日時の中に他の設定日時範囲とは異なる設定日時範囲の数が他の設定日時範囲と同数以下であった場合、その設定日時範囲に属する設定日時が他の設定日時範囲に属する設定日時とは異なる表示形態で表示されるので、問題のある調節弁1の特性情報の存在および特定を視覚的に素早く行うことができるようになる。
【0075】
〔実施の形態3:調節弁の特性情報の手動変更日時を表示する例〕
図1において、ポジショナ2は、オペレータからの特性情報読取開始指令を受けて調節弁1からの特性情報の自動読み取りを行うが、この自動読み取りが行われた特性情報が手動で変更される場合もある。
【0076】
このような点に着眼し、実施の形態3では、調節弁1の特性情報と合わせて、その特性情報が手動で変更された日時を取得するものとし、グループ分けした調節弁1の特性情報とともに表示部34に表示するようにする。
【0077】
実施の形態3において、表示処理部33は、オペレータからの特性情報の読み取り確認の操作指令(特性情報読取確認指令)を受けると、調節弁特性情報取得部31に調節弁の特性情報の取得指令を送る。
【0078】
この調節弁の特性情報の取得指令を受けて、調節弁特性情報取得部31は、プラント内の各ポジショナ2から、そのポジショナ2に設定されている調節弁1の特性情報と、そのポジショナ2が装着されている調節弁1の型番と、そのポジショナ2の識別子(ポジショナ識別子)と、そのポジショナ2に設定されている調節弁1の特性情報が手動で変更された特性情報であるか否かの情報を取得し、データベースDBに記憶する。
【0079】
この場合、ポジショナ2に設定されている調節弁1の特性情報が手動で変更された特性情報であるか否かの情報として、ポジショナ2において調節弁1の特性情報が手動で変更された日時を取得するものとする。ポジショナ2から取得された調節弁1の特性情報のうち、手動で変更された日時が付加されてない特性情報は、自動で読み取られた特性情報であることを示す。
【0080】
次に、表示処理部33は、調節弁特性情報取得部31が取得した全ての調節弁1の特性情報を対象とし、この対象とされる全ての調節弁1の特性情報をグループ識別情報登録記憶部32に記憶されているグループ識別情報(型番)と調節弁1の特性情報と共に取得されたキー情報(型番)とに基づいてグループ分けし、そのグループ分けした調節弁1の特性情報をグループ毎(型番毎)にリスト化して一括して表示部34に表示する。なお、このグループ分けに際して、表示処理部33は、調節弁特性情報取得部31が取得した情報のうちポジショナ識別子や調節弁1の特性情報が手動で変更された日時(手動変更日時)は、調節弁1の特性情報に付加されている情報として取り扱う。
【0081】
図8に表示部34における型番毎にグループ分けされリスト化された調節弁1の特性情報の表示例を示す。この例において、表示処理部33は、データベースDBに記憶されている調節弁特性情報取得部31が取得したポジショナ識別子や手動変更日時を含む全ての調節弁1の特性情報をバルブ型番A,B,Cでグループ分けし、そのグループ分けした調節弁1の特性情報をバルブ型番A,B,C毎にリスト化し、一括して表示部34に表示させている。なお、この例において、調節弁1の特性情報は、弁のタイプ(Type)、動作方向(Direction)、弁の口径(Size)、弁のスプリングレンジ(Range)としている。
【0082】
これにより、オペレータは、表示部34の画面上で、同一エリアに設置されている調節弁1毎に、その特性情報が手動で変更されたものであるのか自動で読み取られたものであるのかを確認しながら、同一エリアの調節弁1の特性情報同士を容易に比較・確認することができる。この場合、手動変更日時が表示されているものは、自動で読み取られた特性情報ではないため、その値が他の同一型番の調節弁1の特性情報と異なっていたとしても読み取りの異常ではないことが分かる。
【0083】
図8の例では、バルブ型番Aのポジショナ識別子「YYY.AVP.0004」の調節弁1の特性情報に対して手動変更日時が付加されている。これにより、バルブ型番Aのポジショナ識別子「YYY.AVP.0004」の調節弁1の特性情報が同一型番の他の3つの調節弁1の特性情報と異なっていても、読み取りの異常ではないと考えられる。すなわち、オペレータによる意図的な変更であると考えられる。
【0084】
また、
図8の例では、バルブ型番Bのポジショナ識別子「XXX.AVP.00003」の調節弁1の特性情報が同一型番の他の3つの調節弁1の特性情報と異なっており、バルブ型番Bのグループの調節弁1には全て手動変更日時が付加されていない。これにより、ポジショナ識別子「XXX.AVP.00003」の調節弁1の特性情報は、オペレータによる意図的な変更ではなく、その調節弁1から正常に読み取られなかったり、その調節弁1に正しく登録されたものではないという可能性があることが分かる。
【0085】
なお、この実施の形態3では、手動変更日時を表示するものとしたが、必ずしも手動変更日時を表示しなくてもよく、手動変更されたものであるか否かのみを表示するようにしてもよい。すなわち、手動変更されたもので
あるのか、自動で読み取られたものであるのか、分かるように表示するのみでもよい。
【0086】
また、実施の形態3は、実施の形態1のタイプにおいて手動変更日時を表示する例として説明したが、実施の形態2のタイプにおいて手動変更日時を表示するようにしてもよい。
【0087】
また、実施の形態1においても、実施の形態2と同様にして、調節弁1の特性情報が設定された日時を表示するようにしてもよい。例えば、対象の調節弁1が全て同一エリアに設置されているような場合、その調節弁1の特性情報がポジショナ2に設定された日時を表示することによって、問題のある調節弁1を素早く抽出し、確認することが可能となる。
【0088】
また、上述した実施の形態1〜3では、オペレータからの特性情報読取開始指令によって調節弁1の特性情報がポジショナ2に自動的に読み取られるものとしたが、手入力によってポジショナ2に調節弁1の特性情報が設定されるものであってもよい。
【0089】
また、上述した実施の形態1〜3では、機器管理システム3が特性情報読取確認指令を受ける前にポジショナ2が特性情報読取開始指令を受けて、装着されている調節弁1の特性情報の自動読み取りが行われているものとしたが、機器管理システム3への特性情報読取確認指令と同時にポジショナ2において調節弁1の特性情報の自動読み取りが開始されるものとしてもよい。
【0090】
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、各実施の形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。