(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に示された機器管理装置では、取得した複数種類のフィールド機器の特性情報から、1つのグループとして取り扱うべき一部のフィールド機器の特性情報をピックアップして比較・確認するのには都合が良いが、全てのフィールド機器の特性情報について、正常にフィールド機器に正しく設定されたものであるのかなどを確認するためには、1グループずつ何回も表示選択する必要があり、面倒である。例えば、同じ型番のフィールド機器を1つのグループとした場合、型番毎に違うフィールド機器を選択し、同じ型番のフィールド機器の特性情報を一々画面に表示させなければならない。
【0006】
また、全てのフィールド機器の特性情報を単純に一覧表示する方法では、オペレータがどのフィールド機器同士が比較・確認対象であるのか理解していなければならず、習熟度の低いオペレータでは使いこなせない。
【0007】
また、管理対象の複数種類のフィールド機器に対して、1つの観点(例えば、フィールド機器の型番)でのグループ化しか考慮されておらず、別の観点(例えば、フィールド機器の設置系統(プロセス)、メンテナンス年度など)でグループ化したいような場合は、現在のグループ化を解消して、新たな観点でのグループ化の定義設定を変更しなければならない。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、習熟度の低いオペレータであっても、グループ化の観点を選択的に変えながら、取得した全てのフィールド機器の特性情報の中から問題のあるフィールド機器の特性情報を素早く抽出し、確認することが可能なフィールド機器特性情報管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために本発明は、管理対象を複数種類のフィールド機器とし、この複数種類のフィールド機器に設定されている特性情報を取得し管理するフィールド機器特性情報管理装置であって、フィールド機器の各々からそのフィールド機器に設定されている
フィールド機器の型番情報を含む特性情報を複数の観点情報と共に取得するフィールド機器特性情報取得部と、複数の観点情報の中から所望の1つの観点情報
としてフィールド機器の型番情報を指定しての一括表示指令を受けた場合、フィールド機器特性情報取得部が取得した全てのフィールド機器の特性情報を対象とし、この対象とされる全てのフィールド機器の特性情報を
観点情報として指定されたフィールド機器の型番情報に基づいてグループ分けし、そのグループ分けしたフィールド機器の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して表示部に表示する表示処理部とを
備え、表示処理部は、フィールド機器の型番情報に基づいてグループ分けしたフィールド機器の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して表示部に表示する際、同一のグループに属するフィールド機器の特性情報同士を比較し、他の特性情報とは異なる特性情報の数が他の特性情報と同数以下であった場合、その特性情報を他の特性情報とは異なる表示形態で表示することを特徴とする。
【0010】
本発明では、複数の観点情報の中から所望の1つの観点情報を指定しての一括表示指令を受けると、フィールド機器特性情報取得部が取得した全てのフィールド機器の特性情報を対象として、その対象とされる全てのフィールド機器の特性情報が指定された観点情報に基づいてグループ分けされ、そのグループ分けされたフィールド機器の特性情報がグループ毎にリスト化され、一括して表示部に表示される。
【0011】
これにより、オペレータは、観点情報が同一のフィールド機器毎に、観点情報が同一のフィールド機器の特性情報同士を画面上で容易に比較・確認することができる。すなわち、同一の観点情報のフィールド機器の特性情報は同一または密接な関連を持っているはずであるが、観点情報が同一のフィールド機器間で特性情報が異なっていれば、その観点情報が同一のグループに特性情報が正しく設定されていないものが存在する可能性があることが分かる。
【0012】
本発明では、複数の観点情報の中から所望の1つの観点情報を指定して、観点情報が同一のフィールド機器の特性情報同士の画面上での比較・確認を行うことができる。これにより、グループ化の観点を選択的に変えながら、取得した全てのフィールド機器の特性情報の中から問題のあるフィールド機器の特性情報の抽出を行うことが可能となる。
【0013】
本発明では、複数の観点情報の中から所望の1つの観点情報としてフィールド機器の型番情報を指定しての一括表示指令を受けると、フィールド機器特性情報取得部が取得した全てのフィールド機器の特性情報を対象として、その対象とされる全てのフィールド機器の特性情報が観点情報として指定されたフィールド機器の型番情報に基づいてグループ分けされ、そのグループ分けされたフィールド機器の特性情報がグループ毎にリスト化され、一括して表示部に表示される。
【0014】
この際、同一のグループに属するフィールド機器の特性情報同士が比較され、他の特性情報とは異なる特性情報の数が他の特性情報と同数以下であった場合、その特性情報が他の特性情報とは異なる表示形態で表示される。
【0015】
また、本発明において、フィールド機器に設定されている特性情報と共に取得される複数の観点情報にフィールド機器の特性情報の設定予定時期が含まれているものとした場合、表示処理部は、所望の1つの観点情報としてフィールド機器の特性情報の設定予定時期を指定しての一括表示指令を受けると、フィールド機器特性情報取得部が取得した全てのフィールド機器の特性情報を対象とし、この対象とされる全てのフィールド機器の特性情報を観点情報として指定されたフィールド機器の特性情報の設定予定時期に基づいてグループ分けし、そのグループ分けしたフィールド機器の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して表示部に表示する。
【0016】
この場合、フィールド機器の特性情報は定期メンテナンスの際に再設定されるが、その定期メンテナンスは予めスケジュールに基づいて行われるので、定期メンテナンスの予定時期が同じフィールド機器は前回の特性情報の設定日時が同じはずであると考えられる。したがって、定期メンテナンスの予定時期(フィールド機器の特性情報の設定予定時期)が同じフィールド機器の前回の特性情報の設定日時同士を比較して食い違いが存在するか否かを確認することによって、問題のあるフィールド機器の特性情報が存在するか否かを容易に推定できる。
【0017】
また、本発明において、フィールド機器に設定されている特性情報と共に取得される複数の観点情報にフィールド機器の設置系統が含まれているものとした場合、表示処理部は、所望の1つの観点情報としてフィールド機器の設置系統を指定しての一括表示指令を受けると、フィールド機器特性情報取得部が取得した全てのフィールド機器の特性情報を対象とし、この対象とされる全てのフィールド機器の特性情報を観点情報として指定されたフィールド機器の設置系統に基づいてグループ分けし、そのグループ分けしたフィールド機器の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して表示部に表示する。
【0018】
例えば、同じ設置系統に属するフィールド機器の特性情報に設置系統に関係する共通情報が付加されているような場合、同じ設置系統に属するフィールド機器同士でその特性情報に付加されている設置系統に関係する共通情報を比較して食い違いが存在するか否かを確認することによって、問題のあるフィールド機器の特性情報が存在するか否かを容易に推定できる。この場合、設置系統に関係する共通情報としては、フィールド機器の設置エリアなどが挙げられる。
【0019】
また、本発明では、グループ分けしたフィールド機器の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して表示部に表示するが、1つの画面に収まらない場合にはその画面にスクロール可能に表示する場合もある。また、複数ページに分けて表示する場合もある。このような表示形態も本発明でいう一括して表示することに相当する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、フィールド機器の各々からそのフィールド機器に設定されている特性情報を複数の観点情報と共に取得し、複数の観点情報の中から所望の1つの観点情報を指定しての一括表示指令を受けた場合、取得した全てのフィールド機器の特性情報を指定された観点情報に基づいてグループ分けし、そのグループ分けしたフィールド機器の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して表示部に表示するようにしたので、習熟度の低いオペレータであっても、グループ化の観点を選択的に変えながら、取得したフィールド機器の特性情報の中から問題のあるフィールド機器の特性情報を素早く抽出し、確認することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るフィールド機器特性情報管理装置の一実施の形態を含むシステムの要部を示す図である。
【0023】
図1において、1(1−1〜1−n)は各種のフィールド機器(ポジショナ、流量計、圧力発信器など)であり、大規模なプラントの各所に設けられている。
【0024】
本実施の形態では、このプラント内の各所に設けられた各種のフィールド機器1(1−1〜1−n)に対して、機器管理システム2を設けている。この機器管理システム2が本発明に係るフィールド機器特性情報管理装置に相当する。この機器管理システム2は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現される。
【0025】
本実施の形態において、機器管理システム2は、フィールド機器1の各々からそのフィールド機器1に設定されている特性情報(パラメータ)を複数の観点情報と共に取得するフィールド機器特性情報取得部21と、複数の観点情報の中から所望の1つの観点情報を指定しての一括表示指令を受けた場合、フィールド機器特性情報取得部21が取得した全てのフィールド機器1の特性情報を対象とし、この対象とされる全てのフィールド機器1の特性情報を指定された観点情報に基づいてグループ分けし、そのグループ分けしたフィールド機器1の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して表示部23に表示する表示処理部22と、液晶ディスプレイなどの表示部23とを備えている。
【0026】
図2にフィールド機器特性情報取得部21がプラント内のフィールド機器1の各々から取得した情報を例示する。
図2(a)はポジショナ(Positioner)から取得した情報を示し、
図2(b)は流量計(Flowmeter)から取得した情報を示し、
図2(c)は圧力発信器(Transmitter)から取得した情報を示す。
【0027】
この実施の形態において、フィールド機器特性情報取得部21は、ポジショナに設定されている特性情報(パラメータ)として、弁のタイプ(Type)、動作方向(Direction)、弁の口径(Size)を取得する。また、この特性情報と合わせて、ポジショナの識別子(システム上のデバイス識別子)と、ポジショナの型番と、ポジショナのベンダー名と、ポジショナのメンテナンス年度(メンテナンスの時期(年月))と、ポジショナが用いられるプロセス(ポジショナの設置系統)と、ポジショナの設置エリアと、ポジショナのパラメータ設定日時(ポジショナへの特性情報の設定日時)とを取得する。
【0028】
また、フィールド機器特性情報取得部21は、流量計に設定されている特性情報(パラメータ)と合わせて、流量計の識別子(システム上のデバイス識別子)と、流量計の型番と、流量計のベンダー名と、流量計のメンテナンス年度(メンテナンスの時期(年月))と、流量計が用いられるプロセス(流量計の設置系統)と、流量計の設置エリアと、流量計のパラメータ設定日時(流量計への特性情報の設定日時)とを取得する。
【0029】
また、フィールド機器特性情報取得部21は、圧力発信器に設定されている特性情報(パラメータ)と合わせて、圧力発信器の識別子(システム上のデバイス識別子)と、圧力発信器の型番と、圧力発信器のベンダー名と、圧力発信器のメンテナンス年度(メンテナンスの時期(年月))と、圧力発信器が用いられるプロセス(圧力発信器の設置系統)と、圧力発信器の設置エリアと、圧力発信器のパラメータ設定日時(圧力発信器への特性情報の設定日時)とを取得する。
【0030】
本実施の形態では、このフィールド機器特性情報取得部21がプラント内のフィールド機器1の各々から取得する情報のうち「型番」と「メンテナンス年度」と「プロセス」をフィールド機器1に設定されている特性情報と共に取得される観点情報とする。この複数の観点情報において、「型番」が本発明でいうフィールド機器の型番情報に相当し、「メンテナンス年度」が本発明でいうフィールド機器の特性情報の設定予定時期に相当し、「プロセス」が本発明でいうフィールド機器の設置系統に相当する。また、フィールド機器特性情報取得部21がプラント内のフィールド機器1の各々から取得した情報は、データベースDBに記憶される。
【0031】
この実施の形態において、表示処理部22は、オペレータからの複数の観点情報の中から所望の1つの観点情報を指定しての一括表示指令を受けると、データベースDBに記憶されているフィールド機器特性情報取得部21が取得した全てのフィールド機器1の特性情報を対象とし、この対象とされる全てのフィールド機器1の特性情報を指定された観点情報に基づいてグループ分けし、そのグループ分けしたフィールド機器1の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して表示部23に表示する。
【0032】
〔観点情報として「型番」が指定された場合〕
表示処理部22は、観点情報として「型番」を指定しての一括表示指令を受けると、データベースDBに記憶されているフィールド機器特性情報取得部21が取得した全てのフィールド機器の特性情報を対象とし、この対象とされる全てのフィールド機器1の特性情報を「型番」に基づいてグループ分けし、このグループ分けしたフィールド機器1の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して表示部23に表示する。
【0033】
図3に観点情報として「型番」が指定された場合のフィールド機器1の特性情報の表示部23における表示例を示す。この場合、表示処理部22は、プラント内の各所にフィールド機器1として設けられているポジショナ、流量計、圧力発信器の各機器について、型番が同一である機器同士を同一グループとし、グループ毎に各グループに属する機器の特性情報をリスト化し、一括して表示部23に表示する。
【0034】
なお、このグループ分けに際して、表示処理部22は、フィールド機器特性情報取得部21が取得した情報のうち「システム上のデバイス識別子」、「ベンダー名」、「メンテナンス年度」、「プロセス」、「設置エリア」、「パラメータ設定日時」などの情報は、フィールド機器1の特性情報に付加されている情報として取り扱う。
【0035】
これにより、オペレータは、表示部23の画面上で、型番が同一のフィールド機器1毎に、型番が同一のフィールド機器1の特性情報同士を付加情報を含めて容易に比較・確認することができる。すなわち、この例において、同一型番のフィールド機器1の特性情報は同一でなければならないが、他の特性情報とは異なる特性情報の数が他の特性情報と同数以下であれば、その特性情報がフィールド機器1に正しく設定されたものではない可能性があると推定される。
【0036】
図3の例では、型番「P10A」のデバイス識別子「PO_A003」のポジショナの特性情報が同一型番の他の2つのポジショナの特性情報とは異なっている。これにより、デバイス識別子「PO_A003」のポジショナの特性情報が、そのポジショナに正しく設定されたものではないと推定される。
【0037】
なお、
図3の例では、デバイス識別子「PO_A003」のポジショナの特性情報のうち他とは異なる情報について、その表示エリアの色を変えるなどして他とは区別して表示するようにしている。
【0038】
また、
図3に示されるように、例えば、同一グループとして型番「A700」のポジショナが2つあり、その2つのポジショナの特性情報が異なっていたような場合には、すなわち同一型番のフィールド機器1で異なる特性情報の数が同数であったような場合には、どちらに問題があるか分からないので、どちらのフィールド機器1の特性情報も問題がある可能性があるとみなして、両者とも区別して表示するようにする。
【0039】
この場合、表示処理部22は、同一グループに属するポジショナの特性情報同士を比較し、他の特性情報とは異なる特性情報の数が他の特性情報と同数以下であった場合、その特性情報を他の特性情報とは異なる表示形態で表示部23に表示するという処理を行う。
【0040】
〔観点情報として「メンテナンス年度」が指定された場合〕
表示処理部22は、観点情報として「メンテナンス年度」を指定しての一括表示指令を受けると、データベースDBに記憶されているフィールド機器特性情報取得部21が取得した全てのフィールド機器の特性情報を「メンテナンス年度」に基づいてグループ分けし、そのグループ分けしたフィールド機器1の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して表示部23に表示する。
【0041】
図4に観点情報として「メンテナンス年度」が指定された場合のフィールド機器1の特性情報の表示部23における表示例を示す。この場合、表示処理部22は、プラント内の各所にフィールド機器1として設けられているポジショナ、流量計、圧力発信器の各機器について、メンテナンス年度が同一である機器同士を同一グループとし、グループ毎に各グループに属する機器の特性情報をリスト化し、一括して表示部23に表示する。
【0042】
なお、このグループ分けに際して、表示処理部22は、フィールド機器特性情報取得部21が取得した情報のうち「システム上のデバイス識別子」、「型番」、「ベンダー名」、「プロセス」、「設置エリア」、「パラメータ設定日時」などの情報は、フィールド機器1の特性情報に付加されている情報として取り扱う。
【0043】
これにより、オペレータは、表示部23の画面上で、メンテナンス年度が同一のフィールド機器1毎に、メンテナンス年度が同一のフィールド機器1の特性情報同士を付加情報を含めて容易に比較・確認することができる。
【0044】
この場合、フィールド機器1の特性情報は定期メンテナンスの際に再設定されるが、その定期メンテナンスは予めスケジュールに基づいて行われるので、定期メンテナンスの予定時期が同じフィールド機器1は前回の特性情報の設定日時が同じはずであると考えられる。したがって、メンテナンス年度(フィールド機器の特性情報の設定予定時期)が同じフィールド機器1の特性情報の設定日時(パラメータ設定日時)同士を各日時が属する設定日時範囲で比較し、他の設定日時範囲とは異なる設定日時範囲の数が他の設定日時範囲と同数以下であった場合、その設定日時範囲に属する設定日時が付加されているフィールド機器1の特性情報に問題があることが容易に推定できる。
【0045】
図4の例では、メンテナンス年度が「2014年7月」であるデバイス識別子「MAG_002」の流量計のパラメータ設定日時が同一グループの他のフィールド機器1のパラメータ設定日時とは大きく異なっている。これにより、デバイス識別子「MAG_002」の流量計の特性情報に問題がある可能性があると推定される。この例では、デバイス識別子「MAG_002」の流量計のパラメータ設定日時が同一グループの他のフィールド機器1のパラメータ設定日時よりも古いので、前回の定期メンテナンスの際にメンテンス対象から外れた可能性があることが推定される。
【0046】
〔観点情報として「プロセス」が指定された場合〕
表示処理部22は、観点情報として「プロセス」を指定しての一括表示指令を受けると、データベースDBに記憶されているフィールド機器特性情報取得部21が取得した全てのフィールド機器の特性情報を対象とし、その対象とされる全てのフィールド機器1の特性情報を「プロセス」に基づいてグループ分けし、そのグループ分けしたフィールド機器1の特性情報をグループ毎にリスト化して一括して表示部23に表示する。
【0047】
図5に観点情報として「プロセス」が指定された場合のフィールド機器1の特性情報の表示部23における表示例を示す。この場合、表示処理部22は、プラント内の各所にフィールド機器1として設けられているポジショナ、流量計、圧力発信器の各機器について、プロセスが同一である機器同士を同一グループとし、グループ毎に各グループに属する機器の特性情報をリスト化し、一括して表示部23に表示する。
【0048】
なお、このグループ分けに際して、表示処理部22は、フィールド機器特性情報取得部21が取得した情報のうち「システム上のデバイス識別子」、「型番」、「ベンダー名」、「メンテナンス年度」、「設置エリア」、「パラメータ設定日時」などの情報は、フィールド機器1の特性情報に付加されている情報として取り扱う。
【0049】
これにより、オペレータは、表示部23の画面上で、プロセスが同一のフィールド機器1毎に、プロセスが同一のフィールド機器1の特性情報同士を付加情報を含めて容易に比較・確認することができる。
【0050】
この場合、同じプロセスに属するフィールド機器1の特性情報に付加されているプロセスに関係する共通情報(この例では、設置エリア)同士を比較することにより、他の共通情報とは異なる共通情報の数が他の共通情報と同数以下であった場合、その共通情報が付加されている特性情報に問題があることが容易に推定できる。
【0051】
図5の例では、プロセス「XXX_」のデバイス識別「MAG_001」の流量計の設置エリアが「2」となっており、同一のグループの他のフィールド機器1の設置エリア「1」とは異なっている。プロセス「XXX_」では、そのプロセス「XXX_」に属するフィールド機器1の設置エリアが全て「1」であるものとした場合、すなわちプロセス「XXX_」に関係する共通情報をエリア「1」とした場合、設置エリア「2」はプロセス「XXX_」の共通情報ではない。したがって、設置エリアが「2」であるデバイス識別「MAG_001」の流量計の特性情報に問題があると推定される。
【0052】
また、プロセスが同じフィールド機器1は、パラメータ設定日時が同じはずであると考えられる。したがって、プロセスが同じフィールド機器1のパラメータ設定日時同士を各日時が属する設定日時範囲で比較し、他の設定日時範囲とは異なる設定日時範囲の数が他の設定日時範囲と同数以下であった場合、その設定日時範囲に属する設定日時が付加されているフィールド機器1の特性情報に問題があることが推定される。
【0053】
図5の例では、プロセス「XXX_」において、識別子「AVP_004」と「PO_A003」のポジショナのパラメータ設定日時が同一グループの他のフィールド機器1のパラメータ設定日時とは大きく異なっている。また、プロセス「YYY_」において、識別子「POA_001」のポジショナのパラメータ設定日時が同一グループの他のフィールド機器1のパラメータ設定日時とは大きく異なっている。このため、
図5の例では、識別子「AVP_004」、「PO_A003」、「POA_001」のポジショナについて、そのパラメータ設定日時の表示エリアの色を変えるなどして他とは区別して表示している。
【0054】
また、同じプロセスで使用されるフィールド機器1は、その機器の種別毎に特性情報が同じとなる場合が多い。例えば、同じプロセスで使用されるポジショナは、その特性情報が全て同じとされる。流量計、圧力発信器も同様に、同じプロセスで使用されるものはその特性情報が全て同じとされる。このような場合、同じプロセスにおいて、フィールド機器1の種別毎にその特性情報を比較することによって、問題のある特性情報を推定することができる。
【0055】
図5の例では、プロセス「XXX_」において、識別子「AVP_004」と「PO_A003」のポジショナの特性情報が同一グループの他のポジショナの特性情報とは異なっている。また、プロセス「YYY_」において、識別子「AVP_003」のポジショナの特性情報が同一グループの他のポジショナの特性情報とは異なっている。このため、
図5の例では、識別子「AVP_004」、「PO_A003」、「AVP_003」のポジショナについて、その特性情報のうち他とは異なる情報の表示エリアの色を変えるなどして他とは区別して表示するようにしている。
【0056】
このようにして、本実施の形態では、フィールド機器特性情報取得部21が取得した全てのフィールド機器1の特性情報が指定された観点情報に基づいてグループ分けされ、そのグループ分けされたたフィールド機器1の特性情報がグループ毎にリスト化して一括して表示部23に表示されるものとなり、習熟度の低いオペレータであっても、グループ化の観点を選択的に変えながら、取得した全てのフィールド機器1の特性情報の中から問題のあるフィールド機器1の特性情報を素早く抽出し、確認することができるようになる。
【0057】
また、特許文献1に示された機器管理装置では、同じグループに属するフィールド機器1がどれであるかを把握する必要であったが、本実施の形態において、オペレータは、同じグループに属するフィールド機器1がどれであるかを把握しなくてもよい。
【0058】
また、本実施の形態において、オペレータは、1つの観点情報に基づいて全てのフィールド機器1の特性情報を一括表示させた状態で、別の観点情報に基づいて全てのフィールド機器1の特性情報を一括表示したいような場合、別の観点情報を指定して一括表示指令を与えるのみでよい。
【0059】
なお、本実施の形態では、
図3〜
図5に示されているように、表示部23に型番別の指定キーBT1、メンテナンス年度別の指定キーBT2、プロセス別の指定キーBT3を設け、この指定キーBT1,BT2,BT3をタッチすることによって、オペレータからの所望の観点情報を指定しての一括表示指令が表示処理部22に送られるようにしている。これにより、画面上での簡単な操作で、グループ化の観点を選択的に変えることができる。
【0060】
また、上述した実施の形態では、「型番」、「メンテナンス年度」、「プロセス」の3つをグループ分けする際の観点情報としたが、観点情報はこれらに限られるものでないことは言うまでもない。また、上述した実施の形態では、フィールド機器1としてポジショナ、流量計、圧力発信器を例示したが、フィールド機器1もこられに限られるものではない。
【0061】
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。