(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記搬送装置に関する教示動作時に、前記保持部を前記基板支持部の初期位置に移動させて前記基板支持部に基板を渡すように前記搬送装置を制御し、前記基板支持部により支持された基板が第2の角度だけ回転されるように前記基板支持部を制御し、前記保持部を前記初期位置に移動させて前記基板支持部により支持された基板を受け取るように前記搬送装置を制御し、前記基板支持部へ基板を渡す前における前記保持部と基板との位置関係および前記基板支持部から基板を受け取った後における前記保持部と基板との位置関係に基づいて前記初期位置と前記基準位置とのずれ量を補正情報として取得し、前記取得された補正情報に基づいて前記初期位置が前記基準位置に一致するように前記初期位置を補正し、補正された初期位置を前記目標位置として取得する、請求項2記載の基板処理装置。
前記制御部は、前記位置ずれ検出動作時に、前記保持部を前記目標位置に移動させて前記基板支持部の前記基準位置で支持された基板を受け取るように前記搬送装置を制御し、前記位置検出部により検出された位置関係に基づいて前記基準位置を取得する、請求項1記載の基板処理装置。
前記制御部は、前記搬送装置に関する教示動作時に、前記保持部を前記基板支持部の初期位置に移動させて前記基板支持部の前記基準位置で支持された基板を受け取るように前記搬送装置を制御し、前記位置検出部により検出された位置関係に基づいて前記初期位置と前記基準位置とのずれ量を補正情報として取得し、前記取得された補正情報に基づいて前記初期位置が前記基準位置に一致するように前記初期位置を補正し、補正された初期位置を前記目標位置として取得する、請求項5記載の基板処理装置。
前記制御部は、前記搬送装置に関する教示動作時に、前記保持部を前記基板支持部により前記基準高さで支持された基板の下方から上昇させるように前記搬送装置を制御し、前記保持検出部による検出時点での前記保持部の高さに基づいて前記目標高さを取得する、請求項10記載の基板処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置および基板処理方法について図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板またはフォトマスク用基板等をいう。
【0044】
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の模式的平面図である。
【0045】
図1および
図2以降の所定の図には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。
【0046】
図1に示すように、基板処理装置100は、インデクサブロック11、第1の処理ブロック12、第2の処理ブロック13、洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bを備える。洗浄乾燥処理ブロック14Aおよび搬入搬出ブロック14Bにより、インターフェースブロック14が構成される。搬入搬出ブロック14Bに隣接するように露光装置15が配置される。露光装置15においては、液浸法により基板Wに露光処理が行われる。
【0047】
図1に示すように、インデクサブロック11は、複数のキャリア載置部111および搬送部112を含む。各キャリア載置部111には、複数の基板Wを多段に収納するキャリア113が載置される。
【0048】
搬送部112には、制御部114および搬送機構115が設けられる。制御部114は、基板処理装置100の種々の構成要素を制御する。搬送機構115は、基板Wを保持するためのハンド116を有する。搬送機構115は、ハンド116により基板Wを保持しつつその基板Wを搬送する。
【0049】
搬送部112の側面には、メインパネルPNが設けられる。メインパネルPNは、制御部114に接続されている。使用者は、基板処理装置100における基板Wの処理状況等をメインパネルPNで確認することができる。メインパネルPNの近傍には、例えばキーボードからなる図示しない操作部が設けられている。使用者は、操作部を操作することにより基板処理装置100の動作設定等を行うことができる。
【0050】
第1の処理ブロック12は、塗布処理部121、搬送部122および熱処理部123を含む。熱処理部123は、移動可能に設けられる。基板処理時には、熱処理部123は、搬送部122を挟んで塗布処理部121と対向するように配置される。このときの熱処理部123の位置を定常位置と呼ぶ。一方、基板処理装置100のメンテナンス時には、熱処理部123は、定常位置から離間した位置に配置される。このときの熱処理部123の位置をメンテナンス位置と呼ぶ。これにより、作業スペースを確保することができる。以下の基板処理装置100の説明では、熱処理部123は定常位置に配置されている。
【0051】
搬送部122とインデクサブロック11との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS1および後述する基板載置部PASS2〜PASS4(
図4参照)が設けられる。搬送部122には、基板Wを搬送する搬送機構127および後述する搬送機構128(
図4参照)が設けられる。
【0052】
第2の処理ブロック13は、現像処理部131、搬送部132および熱処理部133を含む。熱処理部133は、移動可能に設けられる。基板処理時には、熱処理部133は、搬送部132を挟んで現像処理部131と対向するように配置される。このときの熱処理部133の位置を定常位置と呼ぶ。一方、基板処理装置100のメンテナンス時には、熱処理部133は、定常位置から離間した位置に配置される。このときの熱処理部133の位置をメンテナンス位置と呼ぶ。以下の基板処理装置100の説明では、熱処理部133は定常位置に配置されている。
【0053】
搬送部132と搬送部122との間には、基板Wが載置される基板載置部PASS5および後述する基板載置部PASS6〜PASS8(
図4参照)が設けられる。搬送部132には、基板Wを搬送する搬送機構137および後述する搬送機構138(
図4参照)が設けられる。
【0054】
洗浄乾燥処理ブロック14Aは、洗浄乾燥処理部161,162および搬送部163を含む。洗浄乾燥処理部161,162は、搬送部163を挟んで対向するように設けられる。搬送部163には、搬送機構141,142が設けられる。
【0055】
搬送部163と搬送部132との間には、載置兼バッファ部P−BF1および後述の載置兼バッファ部P−BF2(
図4参照)が設けられる。載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2は、複数の基板Wを収容可能に構成される。
【0056】
また、搬送機構141,142の間において、搬入搬出ブロック14Bに隣接するように、基板載置部PASS9および後述の載置兼冷却部P−CP(
図4参照)が設けられる。載置兼冷却部P−CPにおいて、基板Wが露光処理に適した温度に冷却される。
【0057】
搬入搬出ブロック14Bには、搬送機構146が設けられる。搬送機構146は、露光装置15に対する基板Wの搬入および搬出を行う。露光装置15には、基板Wを搬入するための基板搬入部15aおよび基板Wを搬出するための基板搬出部15bが設けられる。
【0058】
(2)塗布処理部および現像処理部の構成
図2は、主として
図1の塗布処理部121、現像処理部131および洗浄乾燥処理部161を示す基板処理装置100の模式的側面図である。
【0059】
図2に示すように、塗布処理部121には、塗布処理室21,22,23,24が階層的に設けられる。現像処理部131には、現像処理室31,32,33,34が階層的に設けられる。塗布処理室21〜24の各々には、塗布処理ユニット129が設けられる。現像処理室31〜34の各々には、現像処理ユニット139が設けられる。
【0060】
各塗布処理ユニット129は、基板Wを保持するスピンチャック25およびスピンチャック25の周囲を覆うように設けられるカップ27を備える。本実施の形態では、各塗布処理ユニット129に2組のスピンチャック25およびカップ27が設けられる。スピンチャック25は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ)に着脱可能に設けられる。基板処理時には、スピンチャック25は、駆動装置により回転駆動される。一方、メンテナンス時には、スピンチャック25は、駆動装置から取り外される。また、
図1に示すように、各塗布処理ユニット129は、処理液を吐出する複数の処理液ノズル28およびそれらの処理液ノズル28を移動させるノズル搬送機構29を備える。
【0061】
塗布処理ユニット129においては、図示しない駆動装置によりスピンチャック25が回転されるとともに、複数の処理液ノズル28のうちのいずれかの処理液ノズル28がノズル搬送機構29により基板Wの上方に移動され、その処理液ノズル28から処理液が吐出される。これにより、基板W上に処理液が塗布される。また、図示しないエッジリンスノズルから、基板Wの周縁部にリンス液が吐出される。それにより、基板Wの周縁部に付着する処理液が除去される。
【0062】
塗布処理室22,24の塗布処理ユニット129においては、反射防止膜用の処理液が処理液ノズル28から基板Wに供給される。塗布処理室21,23の塗布処理ユニット129においては、レジスト膜用の処理液が処理液ノズル28から基板Wに供給される。
【0063】
現像処理ユニット139は、塗布処理ユニット129と同様に、スピンチャック35およびカップ37を備える。また、
図1に示すように、現像処理ユニット139は、現像液を吐出する2つの現像ノズル38およびその現像ノズル38をX方向に移動させる移動機構39を備える。
【0064】
現像処理ユニット139においては、図示しない駆動装置によりスピンチャック35が回転されるとともに、一方の現像ノズル38がX方向に移動しつつ各基板Wに現像液を供給し、その後、他方の現像ノズル38が移動しつつ各基板Wに現像液を供給する。この場合、基板Wに現像液が供給されることにより、基板Wの現像処理が行われる。また、本実施の形態においては、2つの現像ノズル38から互いに異なる現像液が吐出される。それにより、各基板Wに2種類の現像液を供給することができる。
【0065】
洗浄乾燥処理部161には、複数(本例では4つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD1が設けられる。洗浄乾燥処理ユニットSD1においては、露光処理前の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0066】
図1および
図2に示すように、塗布処理部121において現像処理部131に隣接するように流体ボックス部50が設けられる。同様に、現像処理部131において洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接するように流体ボックス部60が設けられる。流体ボックス部50および流体ボックス部60内には、塗布処理ユニット129および現像処理ユニット139への薬液の供給ならびに塗布処理ユニット129および現像処理ユニット139からの廃液および排気等に関する流体関連機器が収納される。流体関連機器は、導管、継ぎ手、バルブ、流量計、レギュレータ、ポンプおよび温度調節器等を含む。
【0067】
(3)熱処理部の構成
図3は、主として
図1の熱処理部123,133および洗浄乾燥処理部162を示す基板処理装置100の模式的側面図である。
図3に示すように、熱処理部123は、上方に設けられる上段熱処理部301および下方に設けられる下段熱処理部302を有する。上段熱処理部301および下段熱処理部302には、複数の熱処理ユニットPHP、複数の密着強化処理ユニットPAHPおよび複数の冷却ユニットCPが設けられる。
【0068】
熱処理ユニットPHPにおいては、基板Wの加熱処理が行われる。密着強化処理ユニットPAHPにおいては、基板Wと反射防止膜との密着性を向上させるための密着強化処理が行われる。具体的には、密着強化処理ユニットPAHPにおいて、基板WにHMDS(ヘキサメチルジシラサン)等の密着強化剤が塗布されるとともに、基板Wに加熱処理が行われる。冷却ユニットCPにおいては、基板Wの冷却処理が行われる。
【0069】
熱処理部133は、上方に設けられる上段熱処理部303および下方に設けられる下段熱処理部304を有する。上段熱処理部303および下段熱処理部304には、冷却ユニットCP、複数の熱処理ユニットPHPおよびエッジ露光部EEWが設けられる。
【0070】
エッジ露光部EEWは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック98およびスピンチャック98上に保持された基板Wの外周縁部を露光する光出射器99を備える。スピンチャック98は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ)に着脱可能に設けられる。基板処理時には、スピンチャック98は、駆動装置により回転駆動される。一方、メンテナンス時には、スピンチャック98は、駆動装置から取り外される。
【0071】
エッジ露光部EEWにおいては、基板W上に形成されたレジスト膜の周縁部の一定幅の領域に露光処理(エッジ露光処理)が行われる。上段熱処理部303および下段熱処理部304において、洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣り合うように設けられる熱処理ユニットPHPは、洗浄乾燥処理ブロック14Aからの基板Wの搬入が可能に構成される。
【0072】
洗浄乾燥処理部162には、複数(本例では5つ)の洗浄乾燥処理ユニットSD2が設けられる。洗浄乾燥処理ユニットSD2においては、露光処理後の基板Wの洗浄および乾燥処理が行われる。
【0073】
(4)搬送部の構成
図4は、主として
図1の搬送部122,132,163を示す側面図である。
図4に示すように、搬送部122は、上段搬送室125および下段搬送室126を有する。搬送部132は、上段搬送室135および下段搬送室136を有する。上段搬送室125には搬送機構127が設けられ、下段搬送室126には搬送機構128が設けられる。また、上段搬送室135には搬送機構137が設けられ、下段搬送室136には搬送機構138が設けられる。
【0074】
図4に示すように、搬送部112と上段搬送室125との間には、基板載置部PASS1,PASS2が設けられ、搬送部112と下段搬送室126との間には、基板載置部PASS3,PASS4が設けられる。上段搬送室125と上段搬送室135との間には、基板載置部PASS5,PASS6が設けられ、下段搬送室126と下段搬送室136との間には、基板載置部PASS7,PASS8が設けられる。
【0075】
上段搬送室135と搬送部163との間には、載置兼バッファ部P−BF1が設けられ、下段搬送室136と搬送部163との間には載置兼バッファ部P−BF2が設けられる。搬送部163において搬入搬出ブロック14Bと隣接するように、基板載置部PASS9および複数の載置兼冷却部P−CPが設けられる。
【0076】
搬送機構127は、基板載置部PASS1,PASS2,PASS5,PASS6、塗布処理室21,22(
図2)および上段熱処理部301(
図3)の間で基板Wを搬送可能に構成される。搬送機構128は、基板載置部PASS3,PASS4,PASS7,PASS8、塗布処理室23,24(
図2)および下段熱処理部302(
図3)の間で基板Wを搬送可能に構成される。
【0077】
搬送機構137は、基板載置部PASS5,PASS6、載置兼バッファ部P−BF1、現像処理室31,32(
図2)および上段熱処理部303(
図3)の間で基板Wを搬送可能に構成される。搬送機構138は、基板載置部PASS7,PASS8、載置兼バッファ部P−BF2、現像処理室33,34(
図2)および下段熱処理部304(
図3)の間で基板Wを搬送可能に構成される。
【0078】
搬送部122,132には、搬送機構127,128,137,138をそれぞれ制御する複数の制御部500が設けられる。複数の制御部500の一部または全部が
図1の制御部114により実現されてもよい。
【0079】
(5)基板処理装置の動作
図1〜
図4を参照しながら基板処理装置100の動作を説明する。インデクサブロック11のキャリア載置部111(
図1)には、未処理の基板Wが収容されたキャリア113が載置される。搬送機構115は、キャリア113から基板載置部PASS1,PASS3(
図4)に未処理の基板Wを搬送する。また、搬送機構115は、基板載置部PASS2,PASS4(
図4)に載置された処理済みの基板Wをキャリア113に搬送する。
【0080】
第1の処理ブロック12において、搬送機構127(
図4)は、基板載置部PASS1に載置された基板Wを密着強化処理ユニットPAHP(
図3)、冷却ユニットCP(
図3)および塗布処理室22(
図2)に順に搬送する。次に、搬送機構127は、塗布処理室22により反射防止膜が形成された基板Wを塗布処理室22(
図2)、熱処理ユニットPHP(
図3)、冷却ユニットCP(
図3)および塗布処理室21(
図2)に順に搬送する。続いて、搬送機構127は、塗布処理室21によりレジスト膜が形成された基板Wを、熱処理ユニットPHP(
図3)および基板載置部PASS5(
図4)に順に搬送する。
【0081】
この場合、密着強化処理ユニットPAHPにおいて、基板Wに密着強化処理が行われた後、冷却ユニットCPにおいて、反射防止膜の形成に適した温度に基板Wが冷却される。次に、塗布処理室22において、塗布処理ユニット129(
図2)により基板W上に反射防止膜が形成される。続いて、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われた後、冷却ユニットCPにおいて、レジスト膜の形成に適した温度に基板Wが冷却される。次に、塗布処理室21において、塗布処理ユニット129(
図2)により、基板W上にレジスト膜が形成される。その後、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われ、その基板Wが基板載置部PASS5に載置される。
【0082】
また、搬送機構127は、基板載置部PASS6(
図4)に載置された現像処理後の基板Wを基板載置部PASS2(
図4)に搬送する。
【0083】
搬送機構128(
図4)は、基板載置部PASS3に載置された基板Wを密着強化処理ユニットPAHP(
図3)、冷却ユニットCP(
図3)および塗布処理室24に順に搬送する。続いて、搬送機構128は、塗布処理室24により反射防止膜が形成された基板Wを熱処理ユニットPHP(
図3)、冷却ユニットCP(
図3)および塗布処理室23に順に搬送する。続いて、搬送機構128は、塗布処理室23によりレジスト膜が形成された基板Wを熱処理ユニットPHP(
図3)および基板載置部PASS7(
図4)に順に搬送する。
【0084】
また、搬送機構128(
図4)は、基板載置部PASS8(
図4)に載置された現像処理後の基板Wを基板載置部PASS4(
図4)に搬送する。塗布処理室23,24(
図2)および下段熱処理部302(
図3)における基板Wの処理内容は、上記の塗布処理室21,22(
図2)および上段熱処理部301(
図3)における基板Wの処理内容と同様である。
【0085】
第2の処理ブロック13において、搬送機構137(
図4)は、基板載置部PASS5に載置されたレジスト膜形成後の基板Wをエッジ露光部EEW(
図3)および載置兼バッファ部P−BF1(
図4)に順に搬送する。この場合、エッジ露光部EEWにおいて、基板Wにエッジ露光処理が行われる。エッジ露光処理後の基板Wが載置兼バッファ部P−BF1に載置される。
【0086】
また、搬送機構137(
図4)は、洗浄乾燥処理ブロック14Aに隣接する熱処理ユニットPHP(
図3)から露光処理後でかつ熱処理後の基板Wを取り出す。搬送機構137は、その基板Wを冷却ユニットCP(
図3)、現像処理室31,32(
図2)のいずれか一方、熱処理ユニットPHP(
図3)および基板載置部PASS6(
図4)に順に搬送する。
【0087】
この場合、冷却ユニットCPにおいて、現像処理に適した温度に基板Wが冷却された後、現像処理室31,32のいずれか一方において、現像処理ユニット139により基板Wの現像処理が行われる。その後、熱処理ユニットPHPにおいて、基板Wの熱処理が行われ、その基板Wが基板載置部PASS6に載置される。
【0088】
搬送機構138(
図4)は、基板載置部PASS7に載置されたレジスト膜形成後の基板Wをエッジ露光部EEW(
図3)および載置兼バッファ部P−BF2(
図4)に順に搬送する。
【0089】
また、搬送機構138(
図4)は、インターフェースブロック14に隣接する熱処理ユニットPHP(
図3)から露光処理後でかつ熱処理後の基板Wを取り出す。搬送機構138は、その基板Wを冷却ユニットCP(
図3)、現像処理室33,34(
図2)のいずれか一方、熱処理ユニットPHP(
図3)および基板載置部PASS8(
図4)に順に搬送する。現像処理室33,34および下段熱処理部304における基板Wの処理内容は、上記の現像処理室31,32および上段熱処理部303における基板Wの処理内容と同様である。
【0090】
洗浄乾燥処理ブロック14Aにおいて、搬送機構141(
図1)は、載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2(
図4)に載置された基板Wを洗浄乾燥処理部161の洗浄乾燥処理ユニットSD1(
図2)に搬送する。続いて、搬送機構141は、基板Wを洗浄乾燥処理ユニットSD1から載置兼冷却部P−CP(
図4)に搬送する。この場合、洗浄乾燥処理ユニットSD1において、基板Wの洗浄および乾燥処理が行われた後、載置兼冷却部P−CPにおいて、露光装置15(
図1)における露光処理に適した温度に基板Wが冷却される。
【0091】
搬送機構142(
図1)は、基板載置部PASS9(
図4)に載置された露光処理後の基板Wを洗浄乾燥処理部162の洗浄乾燥処理ユニットSD2(
図3)に搬送する。また、搬送機構142は、洗浄および乾燥処理後の基板Wを洗浄乾燥処理ユニットSD2から上段熱処理部303の熱処理ユニットPHP(
図3)または下段熱処理部304の熱処理ユニットPHP(
図3)に搬送する。この熱処理ユニットPHPにおいては、露光後ベーク(PEB)処理が行われる。
【0092】
インターフェースブロック14において、搬送機構146(
図1)は、載置兼冷却部P−CP(
図4)に載置された露光処理前の基板Wを露光装置15の基板搬入部15a(
図1)に搬送する。また、搬送機構146(
図1)は、露光装置15の基板搬出部15b(
図1)から露光処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS9(
図4)に搬送する。
【0093】
なお、露光装置15が基板Wの受け入れをできない場合、露光処理前の基板Wが載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に一時的に収容される。また、第2の処理ブロック13の現像処理ユニット139(
図2)が露光処理後の基板Wの受け入れをできない場合、露光処理後の基板Wが載置兼バッファ部P−BF1,P−BF2に一時的に収容される。
【0094】
本実施の形態においては、上段に設けられた塗布処理室21,22、現像処理室31,32および上段熱処理部301,303における基板Wの処理と、下段に設けられた塗布処理室23,24、現像処理室33,34および下段熱処理部302,304における基板Wの処理とを並行して行うことができる。それにより、フットプリントを増加させることなく、スループットを向上させることができる。
【0095】
(6)搬送機構の構成
次に、搬送機構127について説明する。
図5は、搬送機構127を示す斜視図である。搬送機構128,137,138は搬送機構127と同様の構成を有する。
図4および
図5に示すように、搬送機構127は、長尺状のガイドレール311,312を備える。
図4に示すように、ガイドレール311は、上段搬送室125内において上下方向に延びるように搬送部112側に固定される。ガイドレール312は、上段搬送室125内において上下方向に延びるように上段搬送室135側に固定される。
【0096】
図4および
図5に示すように、ガイドレール311とガイドレール312との間には、長尺状のガイドレール313が設けられる。ガイドレール313は、上下動可能にガイドレール311,312に取り付けられる。ガイドレール313に移動部材314が取り付けられる。移動部材314は、ガイドレール313の長手方向に移動可能に設けられる。
【0097】
移動部材314の上面には、長尺状の回転部材315が回転可能に設けられる。回転部材315には、基板Wを保持するためのハンドH1およびハンドH2が取り付けられる。本例においては、ハンドH1は、ハンドH2の上方に位置する。ハンドH1,H2は、回転部材315の長手方向に移動可能に設けられる。
【0098】
上記のような構成により、搬送機構127は、上段搬送室125内においてX方向およびZ方向に移動することができる。また、ハンドH1,H2を用いて塗布処理室21,22(
図2)、基板載置部PASS1,PASS2,PASS5,PASS6(
図4)および上段熱処理部301(
図3)に対して基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0099】
また、回転部材315には、センサ装置316が取り付けられる。センサ装置316は、投光部保持ケーシング316aおよび受光部保持ケーシング316bを含む。投光部保持ケーシング316aは回転部材315の上面に配置され、受光部保持ケーシング316bは投光部保持ケーシング316aの上方に配置される。
【0100】
図6(a),(b),(c)は、それぞれ搬送機構127を示す平面図、側面図および端面図である。
図6(a)に示すように、ハンドH1は、ガイド部Haおよびアーム部Hbからなる。ガイド部Haは略C字形状を有し、アーム部Hbは長方形状を有する。ガイド部Haの内周部には、ガイド部Haの内周部に沿って形成される円の中心に対して等角度間隔で、ガイド部Haの内側に向かうように複数(本例では3つ)の突出部prが形成されている。各突出部prの先端部に、吸着部smが設けられている。吸着部smは、図示しない吸気系に接続される。
【0101】
ハンドH1においては、3つの突出部prの3つの吸着部sm上に基板Wが載置される。
図6(a)〜(c)においては、ハンドH1により保持される基板Wが二点鎖線で示される。この状態で、3つの吸着部smに接続された吸気系が制御され、3つの吸着部sm上に位置する基板Wの3箇所の部分がそれぞれ3つの吸着部smにより吸着される。なお、ハンドH1は4つの吸着部smを有してもよい。この場合、4つの吸着部sm上に位置する基板Wの4箇所の部分がそれぞれ4つの吸着部smにより吸着される。
【0102】
複数の吸着部smが基板Wを吸着しているか否かを示す吸着信号が、ハンドH1から
図4の制御部500に与えられる。複数の吸着部smが基板Wを吸着している場合には吸着信号はオン状態となり、いずれかの吸着部smが基板Wを吸着していない場合には吸着信号はオフ状態となる。
【0103】
ハンドH2は、ハンドH1と同様の構成を有する。各ハンドH1,H2においては、保持される基板Wの中心が位置すべき正規の位置(以下、正規位置と呼ぶ。)が予め定められている。ハンドH1における正規位置は、例えばガイド部Haの内周部に沿って形成される円の中心位置である。ハンドH1における正規位置は、複数の吸着部smの中心位置であってもよい。
【0104】
以下、ハンドH1,H2の進退方向においてハンドH1,H2が後退可能な限界位置を進退基準位置と呼ぶ。
図6(a)〜(c)の例では、ハンドH1,H2はそれぞれ進退基準位置にある。
【0105】
回転部材315の上面における略中央部に投光部保持ケーシング316aが設けられる。投光部保持ケーシング316a内では、複数(本例では4つ)の投光部316tが保持されている。投光部保持ケーシング316aに対向するように、回転部材315の上方の位置に受光部保持ケーシング316bが設けられる。受光部保持ケーシング316b内では、投光部保持ケーシング316aにより保持される複数の投光部316tにそれぞれ対向するように複数(本例では4つ)の受光部316rが保持されている。互いに対向する投光部316tおよび受光部316rにより検出器316Dが構成される。
図6(c)に示されるように、本例では、センサ装置316は4つの検出器316Dを備える。
【0106】
4つの検出器316Dは、水平面内において、進退基準位置にあるハンドH1のガイド部Haの内側の領域に配置される。本例では、4つの検出器316Dがガイド部Haの内周部に同心の円弧ar上で一定の間隔をおいて配置される。
【0107】
4つの投光部316tから上方に向かってそれぞれ光が出射される。4つの受光部316rは、それぞれ対向する4つの投光部316tから出射される光を帰還光として受光することにより受光信号を出力する。各受光部316rから出力された受光信号は、制御部500に与えられる。
【0108】
4つの投光部316tは、ハンドH1の進退方向において、進退基準位置にあるハンドH1の複数の吸着部smのうち少なくとも1つの吸着部smよりも前方に配置されることが好ましい。この場合、搬送機構127による基板Wの搬送時に、ハンドH1により保持される基板Wの外周部の4つの部分が4つの投光部316tによりそれぞれ確実に検出される。
【0109】
図7は、搬送機構127の制御系の構成を示すブロック図である。他の搬送機構128,137,138の制御系の構成は、
図7の搬送機構127の制御系の構成と同様である。
【0110】
図7に示すように、制御部500は、CPU(中央演算処理装置)510およびメモリ520を含む。メモリ520には、後述する仮目標位置座標が記憶されるとともに、後述する補正情報が記憶される。CPU510は、搬送機構127のセンサ装置316から与えられる受光信号に基づいて種々の演算を行い、その結果をメモリ520に記憶する。また、メモリ520に記憶された情報に基づいて、搬送機構127の動作を制御する。
【0111】
(7)搬送機構に関する教示動作
搬送機構127,128,137,138のハンドH1,H2が基板支持部に移動する際の搬送機構に関する教示動作について説明する。基板処理装置100の設置時に、以下の教示動作が行なわれる。ここで、基板支持部は、例えば、冷却ユニットCP、熱処理ユニットPHPおよび密着強化処理ユニットPAHPの各々に設けられる。また、基板支持部は、例えば、塗布処理ユニット129、現像処理ユニット139およびエッジ露光部EEWの各々に設けられる。
【0112】
教示動作としては、垂直方向の教示動作および水平方向の教示動作がある。以下の説明では、搬送機構127の教示動作を説明する。他の搬送機構128,137,138の教示動作も搬送機構127の教示動作と同様である。
【0113】
基板支持部により支持された基板Wの高さを基準高さと呼ぶ。搬送機構127のハンドH1が基板支持部に基板Wを渡し、または基板支持部から基板Wを受け取るためにハンドH1が基板支持部WSの下方に移動したときのハンドH1の高さ目標高さと呼ぶ。垂直方向の教示動作により目標高さが決定される。
【0114】
また、基板支持部により基板Wが支持されるべき位置を基準位置と呼ぶ。水平方向の教示動作の前に搬送機構127のハンドH1により基板支持部に渡された基板Wの位置を仮目標位置と呼ぶ。水平方向の教示動作により基準位置と仮目標位置とのずれを示す補正情報が取得される。補正情報に基づいて仮目標位置が基準位置と一致するように仮目標位置が補正される。補正後の仮目標位置を真目標位置と呼ぶ。
【0115】
基板支持部が冷却ユニットCP、熱処理ユニットPHPまたは密着強化処理ユニットPAHPである場合、基板Wは、その中心が基準位置と一致するように基板支持部の案内機構により自動的に案内される。一方、基板支持部がスピンチャック25,35,98である場合、基板Wは、その中心が基準位置と一致するとは限らない。
【0116】
以下の説明では、X方向、Y方向およびZ方向の位置をそれぞれX座標、Y座標およびZ座標で表わす。
【0117】
図8は、垂直方向の教示動作を説明するための図である。
図8(a)〜(d)は、基板支持部WSおよび搬送機構127のハンドH1の略中央部の縦断面図を示す。
図8(a)〜(d)の例では、搬送機構127のハンドH1が基板支持部WSの下方に移動する場合の目標高さが決定される。
【0118】
まず、
図8(a)に示すように、基板支持部WSにより基板Wが基準高さで支持される。次に、
図8(b)に示すように、制御部500は、ハンドH1を進退基準位置から基板支持部WSの下方の位置まで水平方向に移動させる。この時点では、ハンドH1の複数の吸着部smには基板Wが吸着されていない。そのため、吸着信号はオフ状態である。搬送機構127は、エンコーダを有する。制御部500は、搬送機構127のエンコーダの出力信号に基づいてハンドH1の位置を常時検出している。
【0119】
続いて、制御部500は、ハンドH1を上方に移動させる。この場合、
図8(c)に示すように、ハンドH1が上方に所定の距離だけ移動した時点で、複数の吸着部smが基板Wを吸着する。これにより、吸着信号がオン状態になる。制御部500は、吸着信号がオン状態になった時点のハンドH1のZ座標を基準高さのZ座標として決定する。また、制御部500は、基準高さのZ座標に垂直方向の所定のオフセット量を加算した座標を目標高さのZ座標として決定する。
【0120】
以下、基準高さのZ座標を基準高さ座標と呼び、目標高さのZ座標を目標高さ座標と呼ぶ。目標高さ座標および目標高さ座標から基準高さ座標までのオフセット量は、制御部500のメモリ520に記憶される。その後、
図8(d)に示すように、制御部500は、ハンドH1を基板支持部WSの上方まで移動させた後、進退基準位置まで水平方向に移動させる。
【0121】
図9は、水平方向の教示動作を説明するための図である。
図9(a)〜(c)は、基板支持部WSおよび搬送機構127のハンドH1の平面図を示す。
図9(a)〜(c)の例では、搬送機構127のハンドH1を用いて基板支持部WSについての補正情報を取得する。
【0122】
まず、
図9(a)に示すように、基板支持部WSに基板Wが支持される。ここで、基板Wは、その中心が基準位置に正確に一致する状態で支持される。一方、水平方向の教示動作の前においては、制御部500は基板支持部WSの基準位置を認識していない。そのため、仮目標位置は基準位置と一致するとは限らない。
【0123】
以下、基準位置の座標を基準位置座標と呼び、仮目標位置の座標を仮目標位置座標と呼ぶ。また、ハンドH1上での正規位置の座標を正規位置座標と呼ぶ。基準位置座標は(Xw,Yw)であり、仮目標位置座標は(Xb,Yb)であり、正規位置座標は(Xr,Yr)である。仮目標位置座標は、制御部500のメモリ520に記憶されている。
図9(a)の例では、基準位置座標(Xw,Yw)と仮目標位置座標(Xb,Yb)とは一致していない。
【0124】
図9(a)の状態で、制御部500は、図示しない複数のリフトピンを基板支持部WSの下方から上方に上昇させることにより、基板Wを基板支持部WSの上方に上昇させる。次に、ハンドH1の正規位置が仮目標位置と一致するようにハンドH1を進退基準位置から水平方向に移動させる。この時点で、ハンドH1は基板支持部WSの上方でかつ基板Wの下方に位置する。
【0125】
続いて、制御部500は、図示しない複数のリフトピン下降させることにより、基板Wを下降させる。これにより、
図9(b)に示すように、基板WがハンドH1の複数の吸着部smに吸着される。この場合、基板Wは、その中心が正規位置からずれた状態でハンドH1により保持される。
【0126】
その後、
図9(c)に示すように、制御部500は、ハンドH1を進退基準位置まで水平方向に移動させる。ここで、
図5および
図6の回転部材315上でハンドH1がセンサ装置316よりも前方の位置から進退基準位置まで後退することによりハンドH1に保持された基板Wの外周部の複数の部分がそれぞれ検出される。ハンドH1に保持された基板Wの外周部の検出方法についての詳細は後述する。
【0127】
制御部500は、基板Wの外周部の複数の部分の検出結果に基づいて、ハンドH1における基板Wの中心の位置(以下、検出位置と呼ぶ)を検出する。以下、検出位置の座標を検出位置座標と呼ぶ。検出位置座標は(Xwh,Ywh)である。次に、下記式(1),(2)に基づいて、X方向およびY方向における仮目標位置座標に対する基準位置座標のずれ(ΔX,ΔY)を補正情報として算出する。
【0128】
ΔX=Xr−Xwh (1)
ΔY=Yr−Ywh (2)
続いて、制御部500は、下記式(3),(4)に基づいて、真目標位置の座標(以下、真目標位置座標と呼ぶ。)を算出する。真目標位置座標は(Xrb,Yrb)である。真目標位置座標は(Xrb,Yrb)は、制御部500のメモリ520に記憶される。
【0129】
Xrb=Xb−ΔX (3)
Yrb=Yb−ΔY (4)
これにより、真目標位置座標(Xrb,Yrb)は基準位置座標(Xw,Yw)と一致する。
【0130】
基板Wの処理時には、制御部500は、ハンドH1が真目標位置に移動するように搬送機構127を制御する。その結果、基板Wの中心が基板支持部WSの基準位置と一致するようにハンドH1により基板Wが基板支持部WSに渡される。また、ハンドH1の正規位置に基板Wが保持されるようにハンドH1により基板支持部WSから基板Wが受け取られる。
【0131】
上記の例では、搬送機構127のハンドH1を用いた教示動作について説明したが、ハンドH2を用いた教示動作も、ハンドH1を用いた教示動作と同様である。また、搬送機構128,137,138は、搬送機構127と同様の構成および動作を有する。そのため、搬送機構128,137,138を用いた教示動作も、搬送機構127を用いた教示動作と同様である。
【0132】
(8)基板の外周部の検出方法
図10は、
図5および
図6のセンサ装置316による基板Wの外周部の複数の部分の検出方法を説明するための図である。
図10(a),(c),(e),(g)に、ハンドH1が進退基準位置に向かって後退する場合のハンドH1、回転部材315および複数の検出器316Dの状態の変化が平面図で示される。
図10(b),(d),(f),(h)に、
図10(a),(c),(e),(g)のQ−Q線における模式的断面図がそれぞれ示される。なお、ハンドH2についての説明は省略する。
【0133】
初めに、ハンドH1により基板Wが受け取られるタイミングでは、ハンドH1が4つの検出器316Dよりも前方に位置する。この場合、ハンドH1は4つの投光部316tと4つの受光部316rとの間に位置しない。したがって、4つの受光部316rはそれぞれ対向する4つの投光部316tからの光を受光する。それにより、制御部500に受光信号が与えられる。
【0134】
次に、ハンドH1が後退する。この場合、
図10(a),(b)に示すように、ハンドH1が4つの投光部316tと4つの受光部316rとの間の空間に進入する。このとき、4つの投光部316tから出射される光がハンドH1により遮られるので、4つの受光部316rはそれぞれ対向する4つの投光部316tからの光を受光しない。したがって、制御部500に受光信号は与えられない。
【0135】
次に、
図10(c),(d)に示すように、ハンドH1が4つの投光部316tと4つの受光部316rとの間の空間を通過する。ハンドH1が各投光部316tとその投光部316tに対向する受光部316rとの間の空間を通過するタイミングで、各受光部316rは対向する投光部316tからの光を受光する。それにより、制御部500に受光信号が与えられる。
【0136】
次に、
図10(e),(f)に示すように、ハンドH1により保持される基板Wが4つの投光部316tと4つの受光部316rとの間の空間に進入する。ハンドH1により保持される基板Wの外周部が各投光部316tとその投光部316tに対向する受光部316rとの間の空間に進入するタイミングで、各投光部316tから出射される光が基板Wの外周部により遮られる。この場合、各受光部316rは対向する投光部316tからの光を受光しない。したがって、制御部500に受光信号は与えられない。
【0137】
次に、
図10(g),(h)に示すように、ハンドH1が進退基準位置で停止する。このとき、ハンドH1により保持される基板Wが4つの投光部316tと4つの受光部316rとの間の空間に位置する。この場合、4つの受光部316rはそれぞれ対向する4つの投光部316tからの光を受光しない。したがって、制御部500に受光信号は与えられない。
【0138】
上記のように、ハンドH1により基板Wが受け取られた後、ハンドH1が進退基準位置に移動するまでの間に、制御部500には4つの検出器316Dの4つの受光部316rからそれぞれ断続的に受光信号が与えられる。
【0139】
制御部500は、基板Wの外周部により4つの受光部316rの各々から受光信号が与えられなくなるタイミング(
図10(e),(f)のタイミング)に基づいて、基板Wの外周部の4つの部分が検出される。ここで、制御部500のメモリ520には、正規データが予め記憶されている。正規データは、基板Wの中心がハンドH1の正規位置にある状態で、ハンドH1がセンサ装置316の前方の位置から進退基準位置に移動したときに得られる基板Wの外周部の4つの部分の検出結果を示すデータである。
【0140】
センサ装置316は回転部材315に対して固定されている。したがって、センサ装置316の複数の検出器316Dの座標上の位置は変化しない。そこで、制御部500は、基板Wの外周部の4つの部分の検出結果と正規データの4つの部分の検出結果との差分に基づいて、ハンドH1が進退基準位置にあるときの基板Wの外周部の4つの部分の位置を示す座標を算出する。算出された4つの部分の位置の座標に基づいて、ハンドH1が進退基準位置にあるときの基板Wの中心の位置の座標が算出される。
【0141】
ハンドH1における基板Wの中心の位置の座標は、基板Wの外周部の3つの部分の座標に基づいて算出することができる。本例では、基板Wの外周部の4つの部分の座標が得られる。それにより、例えば4つの部分のうちの1つの部分が基板Wの位置決め用の切り欠き(オリエンテーションフラットまたはノッチ)部分であった場合でも、切り欠き部分の座標を除く3つの部分の座標に基づいて基板Wの中心の位置の座標を算出することができる。基板Wの外径が既知である場合には、基板Wの外周部の2つの部分の座標に基づいて基板Wの中心の位置の座標を算出することが可能である。この場合、センサ装置316は、2つまたは3つの検出器316Dにより構成されてもよい。
【0142】
(9)基板支持部の基準位置
上記のように、教示動作においては、基板支持部WSが冷却ユニットCP、熱処理ユニットPHPまたは密着強化処理ユニットPAHPである場合、基板Wは、その中心が基板支持部WSの基準位置に正確に一致する状態で支持される。以下、基板支持部WSの基準位置を説明する。
【0143】
図11は、熱処理ユニットPHPの斜視図である。
図12は、
図11の熱処理ユニットPHPの平面図である。
図13は、
図11の熱処理ユニットPHPの側面図である。
図11および
図12に示すように、熱処理ユニットPHPは、冷却部410、加熱部420および搬送機構430を含む。冷却部410および加熱部420は、並ぶように配置されている。搬送機構430は、冷却部410と加熱部420との間で基板Wを搬送可能に配置される。
【0144】
冷却部410は、基板載置プレート411および昇降可能な複数(本例では3つ)の支持ピン412を含む。基板載置プレート411は、例えばクーリングプレートである。基板載置プレート411には、複数(本例では3つ)の支持ピン挿入孔が形成されている。後述する搬送機構430の搬送アーム434が基板載置プレート411の上面に接触することにより、搬送アーム434により保持される基板Wを搬送アーム434とともに冷却することができる。
【0145】
複数の支持ピン412は、上下方向に移動することにより基板載置プレート411の複数の支持ピン挿入孔にそれぞれ挿入可能に配置される。冷却部410への基板Wの搬入時および搬出時には、複数の支持ピン412の上端部がそれぞれ複数の支持ピン挿入孔を通して基板載置プレート411の上方の位置と基板載置プレート411の上面よりも下方の位置との間で移動する。
【0146】
加熱部420は、基板載置プレート421、昇降可能な複数(本例では3つ)の支持ピン422および複数(本例では6つ)のガイド部材423を含む。基板載置プレート421は、例えば基板Wに加熱処理を行うホットプレートである。基板載置プレート421には、複数(本例では3つ)の支持ピン挿入孔が形成されている。複数の支持ピン422は、複数の支持ピン412と同様の構成を有する。
【0147】
複数のガイド部材423は、基板載置プレート421の縁に沿って略等間隔で設けられる。本例では、6個のガイド部材423が略60°間隔で設けられる。
図13に示すように、各ガイド部材423は円錐台形状を有する。複数のガイド部材423により囲まれる領域に基板Wが配置される場合、ガイド部材423の傾斜した側面に沿って基板Wが下方に導かれる。これにより、基板載置プレート421の中心と基板Wの中心とが一致する。
【0148】
搬送機構430は、上下方向に延びるように設けられた2本の長尺状のガイドレール431,432を備える。ガイドレール431,432は、冷却部410および加熱部420を挟んで対向するように配置される。ガイドレール431とガイドレール432との間には、長尺状のガイドレール433が設けられる。ガイドレール433は、上下動可能にガイドレール431,432に取り付けられる。ガイドレール433に搬送アーム434が取り付けられる。搬送アーム434は、ガイドレール433の長手方向に移動可能に設けられる。
【0149】
図13に示すように、搬送アーム434には、冷却部410の複数の支持ピン412および加熱部420の複数の支持ピン422と干渉しないように切り込み(スリット)435が設けられている。また、搬送アーム434には、複数のガイド部材436が設けられる。複数のガイド部材436は、複数のガイド部材423と同様の構成を有する。基板処理時には、搬送アーム434は、冷却部410と加熱部420との間で基板Wを搬送する。本例では、搬送アーム434が基板支持部WSであり、複数のガイド部材436が案内機構である。
【0150】
図14は、基板支持部WSが熱処理ユニットPHPに設けられる場合における基準位置を説明するための図である。以下、熱処理ユニットPHPの搬送アーム434が基板支持部WSである場合における基準位置を説明する。冷却ユニットCPおよび密着強化処理ユニットPAHPにおける基準位置は、熱処理ユニットPHPにおける基準位置と同様である。
【0151】
教示動作時には、まず、
図14(a)に示すように、冷却部410の複数の支持ピン412が上昇する。次に、
図14(b)に示すように、搬送機構127はハンドH1により基板Wを保持し、上昇した複数の支持ピン412の上端に搬送する。これにより、基板Wは、その中心が仮目標位置にある状態で、複数の支持ピン412により支持される。
【0152】
その後、
図14(c)に示すように、複数の支持ピン412が下降する。ここで、仮目標位置と基準位置とが一致していない場合、
図14(c)に矢印で示すように、搬送アーム434上の複数のガイド部材436の傾斜した側面に沿って、基板Wが下方に導かれる。これにより、搬送アーム434の中心と基板Wの中心とが一致する。
【0153】
次に、
図14(d)に示すように、複数の支持ピン412が上昇する。続いて、
図14(e)に示すように、搬送機構127はハンドH1により複数の支持ピン412から基板Wを受け取る。
図14(d)において、複数の支持ピン412により支持された基板Wの中心の位置が基準位置となる。すなわち、複数のガイド部材436により導かれた基板Wの中心の位置が基準位置となる。
【0154】
(10)スピンチャックにおける教示動作
スピンチャック25,35,98が基板支持部WSである場合において、スピンチャック25,35,98の回転中心の位置が既知である場合には、回転中心の位置を基準位置として水平方向の教示動作が行われてもよい。一方で、スピンチャック25,35,98の回転中心の位置が未知である場合には、以下の手順により水平方向の教示動作が行われてもよい。
【0155】
図15は、スピンチャック25,35,98が基板支持部WSである場合における水平方向の教示動作を説明するための図である。
図15(a)〜(d)は、搬送機構127およびスピンチャック25の模式的平面図を示す。
図15の例においては、基板支持部WSはスピンチャック25である。スピンチャック35,98における教示動作は、スピンチャック25における教示動作と同様である。
【0156】
まず、
図15(a)に示すように、搬送機構127はハンドH1により正規位置に基板Wを保持する。ここで、基板Wの中心の座標を算出する。算出された基板Wの中心の座標は(X1,Y1)である。次に、
図15(b)に示すように、搬送機構127は基板Wをスピンチャック25に搬送する。スピンチャック25は、基板Wの中心が仮目標位置に一致するように基板Wを保持する。続いて、
図15(c)に示すように、スピンチャック25は、基板Wを所定の角度だけ回転させる。スピンチャック25による基板Wの回転角度は180°であることが好ましい。
【0157】
その後、
図15(d)に示すように、搬送機構127は、基板Wをスピンチャック25から受け取る。ここで、基板Wの中心の座標を算出する。算出された基板Wの中心の座標は(X2,Y2)である。次に、算出された座標(X1,Y1)および座標(X2,Y2)に基づいて、仮目標位置座標に対する基準位置座標のずれ(ΔX,ΔY)を算出する。ここで、
図15(b),(c)の処理において、基板Wの回転角度が180°であった場合には、仮目標位置座標に対する基準位置座標のずれ(ΔX,ΔY)は下記式(5),(6)により与えられる。
【0158】
ΔX=(X1+X2)/2 (5)
ΔY=(Y1+Y2)/2 (6)
続いて、真目標位置座標(Xrb,Yrb)を算出する。X方向における真目標位置Xrbは、下記式(7)で与えられる。ここで、X1<X2である場合には正号が適用され、X1>X2である場合には負号が適用される。また、Y方向における真目標位置Yrbは、下記式(8)で与えられる。ここで、Y1<Y2である場合には正号が適用され、Y1>Y2である場合には負号が適用される。算出された真目標位置座標(Xrb,Yrb)は、補正情報として制御部500のメモリ520に記憶される。
【0159】
Xrb=Xb±ΔX (7)
Yrb=Yb±ΔY (8)
上記の例では、搬送機構127のハンドH1を用いた教示動作について説明したが、ハンドH2を用いた教示動作も、ハンドH1を用いた動作と同様である。また、
搬送機構128,137,138を用いた教示動作も、搬送機構127を用いた教示動作と同様である。
【0160】
(11)位置ずれ検出動作
(a)水平方向の位置ずれ検出動作
教示動作が行なわれた後でかつ基板処理装置100のメンテナンスが行なわれた後には、基板支持部WSの位置ずれ検出動作が行なわれる。位置ずれ検出動作は、水平方向の位置ずれ検出動作と垂直方向の位置ずれ検出動作とを含む。
【0161】
図16は、基板支持部WSがスピンチャックに設けられる場合における水平方向の位置ずれ検出動作を説明するための図である。
図16(a)〜(d)は、搬送機構127およびスピンチャック25の模式的平面図を示す。
図16の例においては、基板支持部WSはスピンチャック25である。スピンチャック35,98における位置ずれ検出動作は、スピンチャック25における位置ずれ検出動作と同様である。
【0162】
基板処理時には、メモリ520に記憶された補正情報に基づいてハンドH1が真目標位置に移動されることにより、ハンドH1により基板支持部WSに基板Wが渡され、または基板支持部WSから基板Wが受け取られる。それにより、基準位置で基板Wが支持されるようにハンドH1により基板Wを基板支持部WSに渡すことができ、または基準位置で支持された基板Wを受け取るようにハンドH1を基板支持部WSに移動させることができる。
【0163】
基板処理装置100のメンテナンスが行なわれた後には、メンテナンス時に取り外されていたスピンチャック25が図示しない駆動装置に取り付けられる。ここで、
図16(a)に示すように、スピンチャック25が、その基準位置がずれた状態で駆動装置に取り付けられる可能性がある。
図16(a)においては、取り外される前におけるスピンチャック25が一点鎖線で示されている。
【0164】
この場合には、
図16(b)に示すように、正規位置で基板Wを保持したハンドH1を真目標位置に移動させても、基準位置で基板Wが支持されるように基板Wをスピンチャック25に渡すことができなくなる。同様に、ハンドH1を真目標位置に移動させても、スピンチャック25の基準位置で支持された基板WをハンドH1の正規位置で受け取ることができなくなる。
【0165】
そこで、位置ずれ検出動作時には、
図16(c)に示すように、スピンチャック25は、支持した基板Wを所定の角度だけ回転させる。スピンチャック25による基板Wの回転角度は180°であることが好ましい。その後、
図16(d)に示すように、ハンドH1は、その正規位置を真目標位置に移動させて、基板Wをスピンチャック25から受け取る。ここで、基板Wの中心の座標を算出する。算出された基板Wの中心の座標は(x1,y1)である。
【0166】
正規位置の座標(X1,Y1)と算出された座標(x1,y1)との中点から正規位置の座標(X1,Y1)までの距離は、基準位置座標(Xw,Yw)から真目標位置座標(Xrb,Yrb)までの距離に等しい。ここで、正規位置の座標(X1,Y1)と算出された座標(x1,y1)とのずれ量が予め定められたしきい値よりも大きい場合には、警報が出力される。これにより、スピンチャック25に位置ずれが生じたことが作業者に通知される。
【0167】
警報の出力は、例えば音声であってもよいし、ブザー等による警報音の発生であってもよいし、ランプ等による警報表示であってもよい。あるいは、警報の出力は、画面上での文字または図形の表示であってもよい。
【0168】
図17は、基板支持部WSが熱処理ユニットPHPに設けられる場合における水平方向の位置ずれ検出動作を説明するための図である。
図17(a)〜(d)は、搬送機構127および熱処理ユニットPHPの一部の模式的平面図を示す。冷却ユニットCPおよび密着強化処理ユニットPAHPにおける位置ずれ検出動作は、熱処理ユニットPHPにおける位置ずれ検出動作と同様である。
【0169】
基板処理装置100のメンテナンスが行なわれた後には、熱処理部123,133(
図3参照)がメンテナンス位置から定常位置に移動される。ここで、熱処理部123,133が定常位置からずれた位置に移動される可能性がある。
図17(a)においては、熱処理部が定常位置にある場合における熱処理ユニットPHPが一点鎖線で示されている。
【0170】
この場合には、
図17(b)に示すように、正規位置で基板Wを保持したハンドH1を真目標位置に移動させても、基準位置で基板Wが支持されるように基板Wを熱処理ユニットPHPに渡すことができなくなる。同様に、ハンドH1を真目標位置に移動させても、熱処理ユニットPHPの基準位置で支持された基板WをハンドH1の正規位置で受け取ることができなくなる。
【0171】
そこで、位置ずれ検出動作時には、
図17(c)に示すように、熱処理ユニットPHPの基準位置で支持された基板Wを準備する。その後、
図17(d)に示すように、ハンドH1は、その正規位置を真目標位置に移動させて、基板Wを熱処理ユニットPHPから受け取る。ここで、基板Wの中心の座標を算出する。算出された基板Wの中心の座標は(x1,y1)である。
【0172】
正規位置の座標(X1,Y1)から算出された座標(x1,y1)までの距離は、基準位置座標(Xw,Yw)から真目標位置座標(Xrb,Yrb)までの距離に等しい。ここで、正規位置の座標(X1,Y1)と算出された座標(x1,y1)とのずれ量が予め定められたしきい値よりも大きい場合には、警報が出力される。これにより、熱処理ユニットPHPに位置ずれが生じたことが作業者に通知される。
【0173】
(b)垂直方向の位置ずれ検出動作
図18は、垂直方向の位置ずれ検出動作を説明するための図である。
図18(a)〜(d)は、搬送機構127および基板支持部WSの模式的断面図を示す。
【0174】
メモリ520に記憶された目標高さ座標に基づいてハンドH1が目標高さに移動されることにより、基板支持部WSに基板Wが渡され、または基板支持部WSから基板Wが受け取られる。それにより、基準高さで基板Wが支持されるようにハンドH1により基板Wを基板支持部WSに渡すことができ、または基準高さで支持された基板Wを受け取るようにハンドH1を基板支持部WSに移動させることができる。
図18(a)の例においては、目標高さにあるハンドH1の吸着部smの吸着面ssと基板支持部WSにより基準高さで支持される基板Wの下面との距離はZ1である。
【0175】
しかしながら、吸着部smは、基板Wを繰り返し吸着することにより、徐々に磨耗する。したがって、吸着部smを長期間にわたって使用した場合、
図18(b)に示すように、吸着部smの高さ方向の寸法が減少する。
図18(b)の例においては、目標高さにあるハンドH1の吸着部smの吸着面ssと基板支持部WSにより基準高さで支持される基板Wの下面との距離はZ2である。距離Z2は距離Z1よりも大きい。
【0176】
そのため、
図18(c)に示すように、ハンドH1を距離Z1だけ上方に移動させても、基板支持部WSにより基準高さで支持された基板Wを受け取ることができない。同様に、ハンドH1を距離Z1だけ下方に移動させても、基準高さで基板Wが支持されるように基板Wを基板支持部WSに渡すことができない。なお、距離Z1は、
図7のメモリ520に記憶されたオフセット量である。
【0177】
また、基板処理装置100のメンテナンスが行なわれた後には、水平方向と同様に、垂直方向に基板支持部WSの位置ずれが発生する可能性がある。この場合にも、ハンドH1を距離Z1だけ下方に移動させても、基準高さで基板Wが支持されるように基板Wを基板支持部WSに渡すことができないことがある。
【0178】
そこで、位置ずれ検出動作時には、
図18(d)に示すように、吸着部smが基準高さで支持される基板Wを吸着するまでハンドH1が目標高さから上方に移動する。
図18(d)の例では、ハンドH1が上方に距離Z2だけ移動したときに吸着部smが基板Wを吸着する。
【0179】
ハンドH1の移動距離と距離Z1とのずれ量が予め定められたしきい値よりも大きい場合には、警報が出力される。これにより、吸着部smが磨耗しているか、または基板支持部WSに位置ずれが生じたことが作業者に通知される。
【0180】
(c)位置ずれ検出処理
図19は、制御部500による位置ずれ検出処理の一例を示すフローチャートである。
図19の位置ずれ検出処理は、例えば基板処理装置100のメンテナンスの直後に実行される。
図19の例では、搬送機構127のハンドH1を用いた位置ずれ検出処理が実行される。
【0181】
制御部500は、メモリ520に記憶された目標高さ座標および補正情報に基づいて、ハンドH1を目標高さでかつ真目標位置に移動させる(ステップS1)。この場合、ハンドH1の正規位置が基板支持部WSの基準位置に一致する。この状態で、制御部500は、ハンドH1を上方に移動させることにより基板支持部WSに支持された基板WをハンドH1により保持させる(ステップS2)。
【0182】
ここで、制御部500は、ハンドH1が基板Wを保持するまでのハンドH1の上方への移動距離および基板Wの検出位置座標を算出する(ステップS3)。次に、制御部500は、算出された移動距離および検出位置座標が正常であるか否かを判定する(ステップS4)。ここで、ハンドH1の移動距離とメモリ520に記憶されたオフセット量とのずれ量が一のしきい値以下で、かつ正規位置座標と検出位置座標とのずれ量が他のしきい値以下である場合、移動距離および検出位置座標が正常であると判定される。
【0183】
ステップS4において、移動距離および検出位置座標が正常である場合、制御部500は、位置ずれ検出処理を終了する。一方、ステップS4において、Z座標または検出位置座標が正常ではない場合、制御部500は、警報を出力する(ステップS7)。その後、制御部500は位置ずれ検出処理を終了する。
【0184】
これにより、使用者は、メンテナンスにおいて、基準位置がずれた状態でスピンチャック25,35,98が駆動装置に取り付けられたか、または熱処理部123,133が定常位置からずれた位置に配置されたかを認識することができる。あるいは、使用者は、ハンドH1の長期間の使用により、吸着部smが磨耗していることを認識することができる。
【0185】
図20は、制御部500による位置ずれ検出処理の他の例を示すフローチャートである。
図20の位置ずれ検出処理は、例えば基板処理と並行して実行される。
図20のステップS11〜S14の処理は、
図19のステップS1〜S4の処理とそれぞれ同様である。
【0186】
ステップS14において、移動距離および検出位置座標が正常である場合、制御部500は、ハンドH1により保持した基板Wを次の搬送先へ搬送する(ステップS15)。その後、制御部500は、基板処理の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16において、基板処理の終了が指示されていない場合、制御部500はステップS11の処理に戻る。ステップS16において、基板処理の終了が指示された場合、制御部500は位置ずれ検出処理を終了する。
【0187】
一方、ステップS14において、Z座標または検出位置座標が正常ではない場合、制御部500は、警報を出力する(ステップS17)。その後、制御部500は位置ずれ検出処理を終了する。
【0188】
これにより、使用者は、基板処理中にスピンチャック25,35,98または熱処理部123,133に位置ずれ等の異常が発生したことを認識することができる。あるいは、使用者は、基板処理中に、吸着部smが磨耗していることを認識することができる。
【0189】
(12)搬送機構の一制御例
搬送機構127においては、センサ装置316により、ハンドH1により保持される基板Wの外周部が検出される。また、センサ装置316により、ハンドH2により保持される基板Wの外周部が検出される。
【0190】
図21および
図22は、1つのセンサ装置316により2つのハンドH1,H2に保持される2枚の基板Wの外周部を検出するための搬送機構127の一制御例を示す図である。
図21(a)〜(e)および
図22(a)〜(c)においては、ハンドH1,H2および1の検出器316Dの位置関係が縦断面図で示される。
【0191】
初期状態では、ハンドH1,H2にはそれぞれ基板Wが保持されていない。また、ハンドH1,H2は進退基準位置FBPにある。この場合、受光部316rは投光部316tから出射されかつハンドH1,H2のガイド部Ha(
図6(a),(b)参照)の内側を通過する光を受光する。
【0192】
図21(a)に示すように、まず下側のハンドH2が進退基準位置FBPから検出器316Dの前方へ前進し、所定の位置に配置された基板Wを受け取る。このとき、受光部316rは投光部316tから出射される光を受光する。
【0193】
次に、基板Wを保持するハンドH2が進退基準位置FBPに向かって後退する。この場合、
図21(b)に示すように、ハンドH2が進退基準位置FBPに移動するまでの間に、受光部316rは投光部316tから出射されかつ基板Wの外周部とハンドH2との間を通過する光を受光する。その後、ハンドH2が進退基準位置FBPに到達すると、ハンドH2により保持される基板Wが投光部316tと受光部316rとの間に位置する。それにより、
図21(c)に示すように、受光部316rは対応する投光部316tからの光を受光しない。
【0194】
上記のようにハンドH2が移動する。それにより、受光部316rから出力される受光信号に基づいてハンドH2により保持される基板Wの外周部の複数の部分が検出される。
【0195】
続いて、
図21(d)に示すように、上側のハンドH1が進退基準位置FBPから検出器316Dの前方へ前進し、所定の位置に配置された基板Wを受け取る。このとき、投光部316tから出射される光は、ハンドH2により保持される基板Wにより遮られる。したがって、受光部316rは投光部316tから出射される光を受光しない。
【0196】
次に、
図21(e)に示すように、基板Wを保持するハンドH1が進退基準位置FBPに向かって後退するとともに、基板Wを保持するハンドH2が進退基準位置FBPから前進する。その後、
図22(a)に示すように、ハンドH2が投光部316tおよび受光部316rよりも前方に移動する。このようにして、ハンドH1が進退基準位置FBPに移動するまでの間に、受光部316rは投光部316tから出射されかつ基板Wの外周部とハンドH2との間を通過する光を受光する。
【0197】
ハンドH1が進退基準位置FBPまで移動すると、ハンドH1により保持される基板Wが投光部316tと受光部316rとの間に位置する。それにより、
図22(b)に示すように、受光部316rは対応する投光部316tからの光を受光しない。
【0198】
上記のようにハンドH1,H2が移動する。それにより、受光部316rから出力される受光信号に基づいてハンドH1により保持される基板Wの外周部の複数の部分が検出される。
【0199】
その後、
図22(c)に示すように、前進するハンドH2により保持された基板Wがいずれかの基板支持部WS上に載置された後、ハンドH2が進退基準位置FBPまで後退する。
【0200】
上記のように、本実施の形態では、ハンドH1,H2が互いに逆方向に進退動作することにより、1つのセンサ装置316により2つのハンドH1,H2により保持される2枚の基板Wの外周部の複数の部分を検出することが可能である。
【0201】
(13)効果
本実施の形態においては、位置ずれ検出動作時に、搬送機構127のハンドH1が基板支持部WSの真目標位置に移動する。これにより、基板支持部WSにより基準位置で支持された基板WがハンドH1により受け取られる。ハンドH1により受け取られた基板WとハンドH1との位置関係がセンサ装置316により検出される。検出された位置関係に基づいて基板支持部WSの基準位置と真目標位置とのずれ量が取得される。取得されたずれ量が予め定められたしきい値よりも大きい場合に警報が出力される。
【0202】
また、位置ずれ検出動作時に、搬送機構127のハンドH1が基板支持部WSにより基準高さで支持された基板Wの下方の目標高さから上昇する。これにより、ハンドH1の吸着部smの吸着面ssが基板Wの下面を吸着したことが検出される。基板Wの検出時点でのハンドH1の高さが取得される。取得された高さに基づいて目標高さにハンドH1が位置するときの吸着面ssと基準高さとの間の距離のずれ量が取得される。取得されたずれ量がしきい値よりも大きい場合に警報が出力される。
【0203】
この構成によれば、基板処理装置100のメンテナンス等の後に基板支持部WSに位置ずれが生じた場合には、警報が出力される。また、吸着部smの吸着面ssの磨耗により吸着部smの厚みが減少している場合には、警報が出力される。これにより、基板支持部WSに位置ずれが生じたこと、または吸着部smの吸着面ssが磨耗していることが作業者に通知される。その結果、基板支持部WSに位置ずれが生じた状態で基板処理を行なうこと、および吸着部smの吸着面ssが磨耗した状態で基板Wの搬送を行なうことが防止される。
【0204】
(14)他の実施の形態
(a)上記実施の形態において、各ハンドH1,H2についての補正情報は、上記の方法により独立に取得されるが、これに限定されない。一方のハンドについての補正情報は上記の方法により取得され、他方のハンドについての補正情報は一方のハンドについての補正情報に基づいて取得されてもよい。
【0205】
図23は、他の実施の形態における他方のハンドの補正情報の取得手順を説明するための図である。
図23(a)〜(c)は、搬送機構127および基板支持部WSの模式的平面図を示す。ハンドH1,H2は垂直方向に重なるように設けられるが、
図23の例においては、理解を容易にするために、ハンドH1,H2を水平方向に並ぶように図示している。
図23の例では、ハンドH1についての補正情報に基づいてハンドH2についての補正情報を取得することを考える。
【0206】
まず、
図23(a)に示すように、搬送機構127はハンドH1により正規位置に基板Wを保持する。ここで、ハンドH1における基板Wの中心の座標を算出する。算出されたハンドH1における基板Wの中心の座標は(X3,Y3)である。次に、
図23(b)に示すように、ハンドH1は基板Wを基板支持部WSに搬送する。基板支持部WSは、基板Wの中心が仮目標位置に一致する状態で基板Wを保持する。ここで、ハンドH1に対応付けられた基板支持部WSにおける仮目標位置座標を(Xb3,Yb3)とする。
【0207】
その後、
図23(c)に示すように、ハンドH2は基板Wを基板支持部WSから取り出す。ここで、ハンドH2に対応付けられた基板支持部WSにおける仮目標位置座標を(Xb4,Yb4)とする。ハンドH1に対応付けられた仮目標位置とハンドH2に対応付けられた仮目標位置とは異なるので、
図23(c)において、ハンドH2は、正規位置とは異なる位置に基板Wを保持することとなる。ここで、ハンドH2における基板Wの中心の座標を算出する。算出されたハンドH2における基板Wの中心の座標は(X4,Y4)である。
【0208】
制御部500は、ハンドH1における基板Wの中心の座標(X3,Y3)とハンドH2における基板Wの中心の座標(X4,Y4)とのずれを算出する。また、制御部500は、算出されたずれとハンドH1についての補正情報とに基づいて、ハンドH2についての補正情報を算出する。ハンドH2についての補正情報は、制御部500のメモリ520に記憶される。
【0209】
同様の手順により、制御部500は、ハンドH1,H2の基準高さのずれとハンドH1についての目標高さとに基づいて、ハンドH2についての目標高さを決定する。決定された目標高さ座標は、制御部500のメモリ520に記憶される。
【0210】
(b)上記実施の形態において、基板支持部WSが熱処理ユニットPHPに設けられる場合には、搬送機構430の複数のガイド部材436により導かれた基板Wの中心の位置が基準位置となるが、これに限定されない。熱処理ユニットPHPに搬送機構430が設けられない場合には、加熱部420の複数のガイド部材423により導かれた基板Wの中心の位置が基準位置となってもよい。
【0211】
(c)上記実施の形態において、
図15の教示動作時に基板Wがスピンチャック25により180°回転されるが、これに限定されない。
図15の教示動作時に基板Wがスピンチャック25により任意の角度だけ回転されてもよい。この場合、幾何学的な演算により、基板Wの回転前の中心の位置と基板Wの回転後の中心の位置とに基づいて、仮目標位置座標に対する基準位置座標のずれを算出することができる。
【0212】
同様に、
図16の位置ずれ検出動作時に基板Wがスピンチャック25により180°回転されるが、これに限定されない。
図16の位置ずれ検出動作時に基板Wがスピンチャック25により任意の角度だけ回転されてもよい。
【0213】
(15)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0214】
上記実施の形態では、基板Wが基板の例であり、基板処理装置100が基板処理装置の例であり、基板支持部WSが基板支持部の例であり、ハンドH1が保持部の例である。搬送機構127,128,137,138が搬送装置の例であり、センサ装置316が位置検出部の例であり、制御部500が制御部および保持検出部の例である。
【0215】
塗布処理ユニット129,現像処理ユニット139、エッジ露光部EEW、冷却ユニットCP、熱処理ユニットPHPまたは密着強化処理ユニットPAHPが処理ユニットの例である。ガイド部材423,436が案内機構の例であり、吸着面ssが保持面の例であり、吸着部smが吸着部の例である。
【0216】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
(16)参考形態
(16−1)第1の参考形態に係る基板処理装置は、基板に処理を行う基板処理装置であって、予め設定された基準位置を有し、基板を支持可能に構成される基板支持部と、基板を保持するように構成された保持部を有し、保持部を移動させることにより基板を搬送する搬送装置と、保持部により保持された基板と保持部との位置関係を検出する位置検出部と、基板処理時に、基板支持部の基準位置に基板を渡しまたは基準位置から基板を受け取るために目標位置に保持部を移動させるように搬送装置を制御する制御部とを備え、制御部は、位置ずれ検出動作時に、保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部により支持された基板を受け取るように搬送装置を制御するとともに、位置検出部により検出された位置関係に基づいて基準位置と目標位置とのずれ量を取得し、取得されたずれ量が予め定められた第1のしきい値よりも大きい場合に警報を出力する。
この基板処理装置においては、基板処理時に、搬送装置の保持部が目標位置に移動する。これにより、基準位置で基板が支持されるように保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準位置で支持された基板を受け取ることができる。ここで、メンテナンス時における基板支持部の取り外しおよび取り付けまたは部品の経年劣化等により、基板支持部に位置ずれが生じることがある。
本参考形態の構成によれば、位置ずれ検出動作時に、搬送装置の保持部が基板支持部の目標位置に移動する。これにより、基板支持部により基準位置で支持された基板が保持部により受け取られる。保持部により受け取られた基板と保持部との位置関係が検出される。検出された位置関係に基づいて基板支持部の基準位置と目標位置とのずれ量が取得される。取得されたずれ量が予め定められた第1のしきい値よりも大きい場合に警報が出力される。これにより、基板支持部に位置ずれが生じたことが作業者に通知される。その結果、基板支持部に位置ずれが生じた状態で基板処理を行なうことが防止される。
(16−2)基板支持部は、基板を水平姿勢で保持して基準位置の周りで回転可能に構成され、制御部は、位置ずれ検出動作時に、保持部を目標位置に移動させて基板支持部に基板を渡すように搬送装置を制御し、基板支持部により支持された基板が第1の角度だけ回転されるように基板支持部を制御し、保持部を目標位置に移動させて基板支持部により支持された基板を受け取るように搬送装置を制御し、基板支持部へ基板を渡す前における保持部と基板との位置関係および基板支持部から基板を受け取った後における保持部と基板との位置関係に基づいて基準位置を取得してもよい。
この場合、位置ずれ検出動作時に、搬送装置の保持部が基板支持部に基板を渡して回転後の基板を受け取ることにより基準位置が取得される。これにより、簡単な動作で基準位置を取得することができる。
(16−3)制御部は、搬送装置に関する教示動作時に、保持部を基板支持部の初期位置に移動させて基板支持部に基板を渡すように搬送装置を制御し、基板支持部により支持された基板が第2の角度だけ回転されるように基板支持部を制御し、保持部を初期位置に移動させて基板支持部により支持された基板を受け取るように搬送装置を制御し、基板支持部へ基板を渡す前における保持部と基板との位置関係および基板支持部から基板を受け取った後における保持部と基板との位置関係に基づいて初期位置と基準位置とのずれ量を補正情報として取得し、取得された補正情報に基づいて初期位置が基準位置に一致するように初期位置を補正し、補正された初期位置を目標位置として取得してもよい。
この場合、搬送装置に関する教示動作時に、搬送装置の保持部が基板支持部に基板を渡して回転後の基板を受け取ることにより、初期位置が目標位置に補正される。これにより、簡単な動作で目標位置を取得することができる。
(16−4)基板処理装置は、基板支持部を含み、基板処理時に基板支持部により回転される基板に処理を行う処理ユニットをさらに備えてもよい。
この場合、基板の中心と基板支持部の基準位置とが一致した状態で基板支持部により回転される基板に処理が行われる。これにより、基板の処理の精度を向上させることができる。
(16−5)制御部は、位置ずれ検出動作時に、保持部を目標位置に移動させて基板支持部の基準位置で支持された基板を受け取るように搬送装置を制御し、位置検出部により検出された位置関係に基づいて基準位置を取得してもよい。
この場合、位置ずれ検出動作時に、搬送装置の保持部が基板支持部に基板支持部の基準位置で支持された基板を受け取ることにより基準位置が取得される。これにより、簡単な動作で基準位置を取得することができる。
(16−6)制御部は、搬送装置に関する教示動作時に、保持部を基板支持部の初期位置に移動させて基板支持部の基準位置で支持された基板を受け取るように搬送装置を制御し、位置検出部により検出された位置関係に基づいて初期位置と基準位置とのずれ量を補正情報として取得し、取得された補正情報に基づいて初期位置が基準位置に一致するように初期位置を補正し、補正された初期位置を目標位置として取得してもよい。
この場合、搬送装置に関する教示動作時に、搬送装置の保持部が基板支持部の基準位置で支持された基板を受け取ることにより、初期位置が目標位置に補正される。これにより、簡単な動作で目標位置を取得することができる。
(16−7)基板支持部は、基板を基準位置に導く案内機構を含み、教示動作時に、案内機構により基板が基板支持部の基準位置に導かれてもよい。
この場合、基板が案内機構により水平基準位置に導かれる。これにより、教示動作時に、作業者が基板を基準位置に位置決めする作業が不要となる。したがって、作業者の負担がより低減される。また、基板処理時においても、基板が案内機構により基板支持部の基準位置に正確に位置決めされる。
(16−8)基板処理装置は、基板支持部を含み、基板処理時に基板支持部に支持される基板に処理を行う処理ユニットをさらに備え、目標位置は、処理ユニット内に設定され、制御部は、保持部を処理ユニット内の目標位置に移動させて処理ユニット内において基準位置で支持された基板を受け取るように搬送装置を制御してもよい。
この場合、基板は、処理ユニット内において、基準位置で支持される。これにより、基板の中心と基準位置とが一致した状態で基板支持部により支持される基板に処理が行われる。これにより、基板の処理の精度を向上させることができる。
(16−9)搬送装置の保持部は、基板の下面を保持する保持面を有し、基板処理装置は、保持部の保持面が基板の下面を保持したことを検出する保持検出部をさらに備え、制御部は、位置ずれ検出動作時に、保持部を基板支持部により基準高さで支持された基板の下方の目標高さから上昇させるように搬送装置を制御し、保持検出部による検出時点での保持部の高さを取得し、取得された高さに基づいて目標高さに保持部が位置するときの保持面と基準高さとの間の距離のずれ量を取得し、取得されたずれ量が第2のしきい値よりも大きい場合に警報を出力してもよい。
この構成によれば、目標高さに保持部が位置するときの保持面と基準高さとの間の距離のずれ量がしきい値よりも大きい場合に警報が出力される。これにより、基板支持部に位置ずれが生じたか、または保持部の保持面が磨耗していることが作業者に通知される。その結果、基板支持部に位置ずれが生じた状態で基板処理を行なうこと、および保持部の保持面が磨耗している状態で基板の搬送を行なうことが防止される。
(16−10)第2の参考形態に係る基板処理装置は、基板に処理を行う基板処理装置であって、基板を支持可能に構成される基板支持部と、基板の下面を保持する保持面を有する保持部を含み、保持部を移動させることにより基板を搬送する搬送装置と、保持部の保持面が基板の下面を保持したことを検出する保持検出部と、基板処理時に、基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るために保持部を移動させるように搬送装置を制御する制御部とを備え、制御部は、位置ずれ検出動作時に、保持部を基板支持部により基準高さで支持された基板の下方の目標高さから上昇させるように搬送装置を制御し、保持検出部による検出時点での保持部の高さを取得し、取得された高さに基づいて目標高さに保持部が位置するときの保持面と基準高さとの間の距離のずれを取得し、取得されたずれ量がしきい値よりも大きい場合に警報を出力する。
この基板処理装置においては、基板処理時に、搬送装置の保持部が目標高さに移動した後、上昇する。これにより、基準高さで基板が支持されるように保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準高さで支持された基板を受け取ることができる。ここで、メンテナンス時における基板支持部の取り外しおよび取り付けまたは部品の経年劣化等により、目標高さに保持部が位置するときの保持面と基準高さとの間の距離にずれが生じることがある。
本参考形態の構成によれば、位置ずれ検出動作時に、搬送装置の保持部が基板支持部により基準高さで支持された基板の下方の目標高さから上昇する。これにより、保持部の保持面が基板の下面を保持したことが検出される。基板の検出時点での保持部の高さが取得される。取得された高さに基づいて目標高さに保持部が位置するときの保持面と基準高さとの間の距離のずれ量が取得される。取得されたずれ量がしきい値よりも大きい場合に警報が出力される。
これにより、基板支持部に位置ずれが生じたか、または保持部の保持面が磨耗していることが作業者に通知される。その結果、基板支持部に位置ずれが生じた状態で基板処理を行なうこと、および保持部の保持面が磨耗している状態で基板の搬送を行なうことが防止される。
(16−11)制御部は、搬送装置に関する教示動作時に、保持部を基板支持部により基準高さで支持された基板の下方から上昇させるように搬送装置を制御し、保持検出部による検出時点での保持部の高さに基づいて目標高さを取得してもよい。
この場合、搬送装置に関する教示動作時に、搬送装置の保持部が基板支持部により基準高さで支持された基板の下面を下方から検出することにより目標高さが取得される。そのため、簡単な動作で目標高さを取得することができる。
(16−12)保持部は、基板の下面を吸着する吸着部を含み、吸着部は、保持面を有し、保持検出部は、吸着部により基板が吸着されているか否かに基づいて保持面が基板の下面を保持したことを検出するように構成されてもよい。
この場合、簡単な構成で保持部が基板の下面を保持したことを検出することができる。また、保持部は基板を確実に保持することができる。
(16−13)第3の参考形態に係る基板処理方法は、基板に処理を行う基板処理方法であって、基板処理時に、基板支持部の予め設定された基準位置に基板を渡しまたは基準位置から基板を受け取るために目標位置に搬送装置の保持部を移動させるステップと、位置ずれ検出動作時に、搬送装置の保持部を基板支持部の目標位置に移動させて基板支持部により基準位置で支持された基板を受け取るステップと、保持部により受け取られた基板と保持部との位置関係を検出するステップと、検出された位置関係に基づいて基板支持部の基準位置と目標位置とのずれ量を取得するステップと、取得されたずれ量が予め定められたしきい値よりも大きい場合に警報を出力するステップとを含む。
この基板処理方法によれば、基板処理時に、搬送装置の保持部が目標位置に移動する。これにより、基準位置で基板が支持されるように保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準位置で支持された基板を受け取ることができる。ここで、メンテナンス時における基板支持部の取り外しおよび取り付けまたは部品の経年劣化等により、基板支持部に位置ずれが生じることがある。
本参考形態の方法によれば、位置ずれ検出動作時に、搬送装置の保持部が基板支持部の目標位置に移動する。これにより、基板支持部により基準位置で支持された基板が保持部により受け取られる。保持部により受け取られた基板と保持部との位置関係が検出される。検出された位置関係に基づいて基板支持部の基準位置と目標位置とのずれ量が取得される。取得されたずれ量が予め定められた第1のしきい値よりも大きい場合に警報が出力される。これにより、基板支持部に位置ずれが生じたことが作業者に通知される。その結果、基板支持部に位置ずれが生じた状態で基板処理を行なうことが防止される。
(16−14)第4の参考形態に係る基板処理方法は、基板に処理を行う基板処理方法であって、基板処理時に、基板支持部に基板を渡しまたは基板支持部から基板を受け取るために搬送装置の保持部を移動させるステップと、位置ずれ検出動作時に、搬送装置の保持部を基板支持部により基準高さで支持された基板の下方の目標高さから上昇させるステップと、保持部の保持面が基板の下面を保持したことを検出するステップと、基板の検出時点での保持部の高さを取得するステップと、取得された高さに基づいて目標高さに保持部が位置するときの保持面と基準高さとの間の距離のずれを取得するステップと、取得されたずれ量がしきい値よりも大きい場合に警報を出力するステップとを含む。
この基板処理方法によれば、基板処理時に、搬送装置の保持部が目標高さに移動した後、上昇する。これにより、基準高さで基板が支持されるように保持部により基板を基板支持部に渡すことができ、または基準高さで支持された基板を受け取ることができる。ここで、メンテナンス時における基板支持部の取り外しおよび取り付けまたは部品の経年劣化等により、目標高さに保持部が位置するときの保持面と基準高さとの間の距離にずれが生じることがある。
本参考形態の方法によれば、位置ずれ検出動作時に、搬送装置の保持部が基板支持部により基準高さで支持された基板の下方の目標高さから上昇する。これにより、保持部の保持面が基板の下面を保持したことが検出される。基板の検出時点での保持部の高さが取得される。取得された高さに基づいて目標高さに保持部が位置するときの保持面と基準高さとの間の距離のずれ量が取得される。取得されたずれ量がしきい値よりも大きい場合に警報が出力される。
これにより、基板支持部に位置ずれが生じたか、または保持部の保持面が磨耗していることが作業者に通知される。その結果、基板支持部に位置ずれが生じた状態で基板処理を行なうこと、および保持部の保持面が磨耗している状態で基板の搬送を行なうことが防止される。