(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管制装置は、前記位置情報と前記画像情報とを受信する定置受信機と、それらから前記軌道修正信号を演算し出力する目標算出装置と、前記軌道修正信号を送信する信号送信機と、を有し、
前記目標算出装置は、
(A)前記位置情報と前記画像情報とから、前記目標の現在位置を求め、
(B)前記目標の現在位置の変化、前記画像情報の検出時における前記目標の前記予想位置と該検出時における前記目標の現在位置との差、又は先行の無誘導弾の弾着時の前記目標の現在位置とその弾着位置との差、から前記軌道修正信号を演算し出力し、
前記信号送信機は、各群に前記軌道修正信号を送信する、ことを特徴とする請求項1に記載の無誘導弾システム。
前記目標算出装置は、前記(B)において、前記目標の現在位置の変化、前記画像情報の検出時における前記目標の前記予想位置と該検出時における前記目標の現在位置との差、又は先行の無誘導弾の弾着時の前記目標の現在位置とその弾着位置との差、から前記目標の移動方向と移動速度とを求め、
前記移動方向と前記移動速度から、前記無誘導弾の弾着時刻に目標が存在すると予想される予想存在位置を演算し、該予想存在位置に基づき決定された無誘導弾の新たな目標弾着位置を修正位置とし、該修正位置を前記軌道修正信号として出力する、ことを特徴とする請求項2に記載の無誘導弾システム。
目標の予想位置に向けて投射される先行群及び後続群の無誘導弾と、前記先行群又は後続群に軌道修正信号を送信する管制装置と、を備えた無誘導弾システムの使用方法であって、
前記先行群の無誘導弾と、該無誘導弾と共に飛翔するセンサ弾とを前記予想位置に向けて投射し、
次いで前記予想位置に向けて前記後続群の無誘導弾を投射し、
前記センサ弾が前記予想位置の上空に到達したときに、前記センサ弾によるその位置情報とその位置における画像情報との検出を開始し、それらを前記管制装置に送信し、
前記管制装置で、前記センサ弾から受信した前記位置情報と前記画像情報とから前記軌道修正信号を演算し出力し、前記先行群又は後続群に軌道修正信号を送信し、
前記軌道修正信号に従い前記無誘導弾の軌道を修正する、ことを特徴とする無誘導弾システムの使用方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の誘導弾は、その飛翔体の中にセンサを搭載し、そのセンサで目標を捕捉、追尾し、弾着に至るため、誘導弾が弾着により爆発し、それと共にセンサは破壊される。誘導弾は、センサで目標か否かを判別するため、おとりやフレア等を目標と誤認し、それらに弾着することもある。
そのため実際に誘導弾が目標に弾着できたか否か、つまり目標に弾着してセンサが破壊されたのか、それともおとりやフレアに弾着したのか、自爆したのか、等については、確認する術がなかった。
【0007】
また特許文献1の誘導弾がおとりやフレアを目標と誤認し、その情報を目標情報として、管制装置や他の誘導弾に無線ネットワークを介して提供するおそれがあった。
【0008】
したがって誘導弾がおとりやフレアに惑わされることなく実際に目標に弾着できる精度は、あまり高くはなかった。
【0009】
また誘導弾は、その飛翔体の内部にセンサを搭載するため、その飛翔速度があまりに速すぎると、センサが空気の加熱や電離等の影響を受けてしまう。そのため誘導弾は、目標への突入時であっても、一定以上の飛翔速度で飛翔することが難しかった。
【0010】
また誘導弾は、いわば精巧なコンピュータを搭載した弾丸であるため、高価である。そのため特許文献1の誘導弾システムを実施する費用は高かった。
【0011】
また発射装置から数百km離れた位置(以下、遠隔地)で移動する目標に向けて弾丸を投射する場合、発射から弾着までには数十分かかる。そのため弾丸に掛かる費用を抑えるべく、遠隔地で移動する目標に向けて無誘導弾を投射した場合、先に投射した無誘導弾が目標に弾着したか否かを確認した後に次の無誘導弾を投射したのでは、それが弾着するまでの数十分の間に目標が逃避してしまう。
そのため遠隔地で移動する目標に対し、単に無誘導弾を使用しようとしても、その実現は難しかった。
【0012】
また位置精度の低い民生用GPSを用いて割り出した遠隔地に所在する固定目標に対して無誘導弾を使用した場合、先に投射した無誘導弾が目標に弾着したか否かを確認した後に次の無誘導弾を投射したのでは、目的を達成するのに時間が掛かり過ぎてしまう。そのため固定目標であっても、その位置精度が悪い場合には、無誘導弾を使用することが難しかった。
【0013】
また、目標が大型の艦船である場合、艦船には複数の防御区画が設定されている。そのため、大型弾頭や精度の良い誘導弾を使用しても、1発で同時に複数の防御区画に被害を与える事はできず、目的を達成することが出来なかった。
【0014】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、おとりやフレアに影響されずに目標の位置情報を取得でき、弾着させる弾丸が無誘導弾であっても、遠隔地の目標に弾着でき、目標への弾着の精度を向上させることができ、高速で弾丸を目標に突入させることができ、実際に弾着したか否かを確認できる無誘導弾システムとその使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、目標の予想位置に向けて投射される先行群及び後続群の無誘導弾と、前記先行群又は後続群に軌道修正信号を送信する管制装置と、を備えた無誘導弾システムであって、
前記先行群の無誘導弾と共に投射されるセンサ弾を有し、
前記センサ弾は、その位置情報とその位置における画像情報とを検出する検出装置と、それらを前記管制装置に送信する情報送信装置と、を有しており、
前記先行群及び前記後続群の前記無誘導弾は、前記軌道修正信号に従いその軌道を修正する軌道修正装置を有しており、
前記管制装置は、センサ弾から受信した前記位置情報と前記画像情報とから前記軌道修正信号を演算し出力する、ことを特徴とする無誘導弾システムが提供される。
【0016】
また前記管制装置は、前記位置情報と前記画像情報とを受信する定置受信機と、それらから前記軌道修正信号を演算し出力する目標算出装置と、前記軌道修正信号を送信する信号送信機と、を有し、
前記目標算出装置は、
(A)前記位置情報と前記画像情報とから、前記目標の現在位置を求め、
(B)前記目標の現在位置の変化、前記画像情報の検出時における前記目標の前記予想位置と該検出時における前記目標の現在位置との差、又は先行の無誘導弾の弾着時の前記目標の現在位置とその弾着位置との差、から前記軌道修正信号を演算し出力し、
前記信号送信機は、各群に前記軌道修正信号を送信する。
【0017】
また前記目標算出装置は、前記(B)において、前記目標の現在位置の変化、前記画像情報の検出時における前記目標の前記予想位置と該検出時における前記目標の現在位置との差、又は先行の無誘導弾の弾着時の前記目標の現在位置とその弾着位置との差、から前記目標の移動方向と移動速度とを求め、
前記移動方向と前記移動速度から、前記無誘導弾の弾着時刻に目標が存在すると予想される予想存在位置を演算し、該予想存在位置に基づき決定された無誘導弾の新たな目標弾着位置を修正位置とし、該修正位置を前記軌道修正信号として出力する。
【0018】
また前記先行群と前記後続群とは、分散して弾着する複数の前記無誘導弾を含む。
【0019】
また複数の前記後続群を備え、
複数の前記後続群のそれぞれは、間欠的に投射される。
【0020】
また前記センサ弾は、前記予想位置の上空で開傘するパラシュートを有し、
前記検出装置は、前記センサ弾の現在位置を前記位置情報として検出するセンサ位置検出装置と、
前記目標の周辺を撮影し前記画像情報として検出する撮影装置と、を有する。
【0021】
また前記後続群は、該後続群の無誘導弾と共に投射される前記センサ弾を有する。
【0022】
また前記軌道修正装置は、前記無誘導弾の弾位置情報を検出する弾位置検出装置と、
前記軌道修正信号を受信する信号受信機と、
前記無誘導弾の軌道を修正可能な修正手段と、
前記修正手段を駆動するアクチュエータと、
前記軌道修正信号に従い該アクチュエータの駆動を制御する軌道制御装置と、を有し、
前記軌道制御装置は、前記軌道修正信号が示す修正位置に前記弾位置情報を近づけるように前記アクチュエータの駆動を制御する。
【0023】
また前記目標算出装置は、前記位置情報と前記画像情報を表示する操作画面を有し、
操作画面上の位置と実際の位置とは相関関係があり、
前記操作画面は、前記予想位置と、前記予想存在位置と、前記操作画面上で移動可能なコマンドと、を表示し、
前記操作画面上の位置が確定された前記コマンドの前記操作画面上の位置に相関する実際の位置の緯度と経度とを演算し、該緯度と経度とが表す位置を前記修正位置とし、該修正位置を前記軌道修正信号として出力する。
【0024】
また前記無誘導弾と前記センサ弾とを内部に搭載し前記先行群として投射される先行群用ロケットと、
前記無誘導弾を内部に搭載し前記後続群として投射される後続群用ロケットと、を備え、
前記先行群用ロケットと前記後続群用ロケットとは、その軌道上で、内部に搭載した前記無誘導弾又は前記センサ弾を散布する。
【0025】
また本発明によれば、目標の予想位置に向けて投射される先行群及び後続群の無誘導弾と、前記先行群又は後続群に軌道修正信号を送信する管制装置と、を備えた無誘導弾システムの使用方法であって、
前記先行群の無誘導弾と、該無誘導弾と共に飛翔するセンサ弾とを前記予想位置に向けて投射し、
次いで前記予想位置に向けて前記後続群の無誘導弾を投射し、
前記センサ弾が前記予想位置の上空に到達したときに、前記センサ弾によるその位置情報とその位置における画像情報との検出を開始し、それらを前記管制装置に送信し、
前記管制装置で、前記センサ弾から受信した前記位置情報と前記画像情報とから前記軌道修正信号を演算し出力し、前記先行群又は後続群に軌道修正信号を送信し、
前記軌道修正信号に従い前記無誘導弾の軌道を修正する、ことを特徴とする無誘導弾システムの使用方法が提供される。
【発明の効果】
【0026】
上述した本発明の無誘導弾システムとその使用方法によれば、目標に弾着しないセンサ弾に検出装置を搭載するので、無誘導弾が弾着した後に、実際に無誘導弾が目標に弾着できたか否かを検出装置で確認できる。
また検出装置が検出する情報が画像情報であるため、おとりやフレアに影響されずに目標の位置情報を取得できる。それにより無誘導弾を目標自体に弾着させることができる。
そのため目標への弾着の精度を従来のものより向上させることができる。
【0027】
また無誘導弾が検出装置を搭載しないため、速い飛翔速度で無誘導弾を目標に突入させることができる。そのため目標からの迎撃を回避でき、目標への弾着への精度をさらに向上させることができる。
【0028】
また本発明の無誘導弾システムに使用する弾丸が無誘導弾であるため、センサを搭載しない分、弾丸の製造費用を抑えることができる。
【0029】
さらに本発明の無誘導弾システムは、先行群と後続群に分けて無誘導弾を投射するため、先行群の無誘導弾が弾着したか否かについてセンサ弾で確認したときには、後続群の無誘導弾が目標の近く(例えば弾着まで数十秒から十数分の位置)まで飛翔している。そのため先に投射した無誘導弾が目標に弾着したか否かを確認した後に後続の無誘導弾の軌道を修正すれば、目標が逃避又は回避する前に、後続の無誘導弾を目標に弾着させることができる。
それにより無誘導弾であっても、遠隔地で移動する目標に弾着させることができる。
【0030】
また、先行群の無誘導弾が弾着したか否かについてセンサ弾で確認したときには、後続群の無誘導弾が目標の近く(例えば弾着まで数十秒から十数分の位置)まで飛翔しているので、目標が位置精度の低い民生用GPSを用いて割り出した遠隔地に所在する固定目標である場合も、修正射撃を短時間で完了することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0033】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の無誘導弾システムの説明図である。(A)はセンサ弾10がその検出を開始する前の図であり、(B)は、その検出を開始した後の図である。
なお
図1の説明図は、目標Xが移動するものである場合を例としている。
【0034】
本発明の無誘導弾システム1は、遠隔地の目標Xの予想位置A1に向けて投射される先行群G1及び後続群G2の無誘導弾20と、先行群G1又は後続群G2に軌道修正信号を送信する管制装置30と、を備えた防衛システムである。目標Xは、移動するものであっても、移動しない固定目標であってもよい。
第1実施形態の無誘導弾システム1は、先行群G1と後続群G2の2つの群に分けて、無誘導弾20を間欠的に投射する。1つの群(先行群G1、後続群G2)に含まれる無誘導弾20の数は、単数でも複数でもよい。
【0035】
ここで「遠隔地」とは、例えば無誘導弾20やセンサ弾10の発射装置から数百km離れた位置、若しくは無誘導弾20やセンサ弾10の投射から弾着まで数十分を要する程の位置を意味する。
【0036】
また予想位置A1とは、無誘導弾20の弾着時に、移動する目標Xが存在すると予想される位置である。
図1(A)(B)における先行群G1の無誘導弾20の予想位置A1は、図で左側の予想位置A1aであり、後続群G2の無誘導弾20の予想位置A1は、図で右側の予想位置A1bである。
【0037】
無誘導弾20は、目標Xに弾着して爆発することを目的とする弾丸であり、例えばロケット弾である。無誘導弾20は、その機体28の中に弾頭を有するが、目標Xを捕捉、追尾する手段は有さない。
【0038】
また本発明の無誘導弾20は、管制装置30から送信される軌道修正信号に従い、その軌道Hを修正する軌道修正装置21を有する。
図1(A)において、先行群G1の無誘導弾20は、予想位置A1a(図で左側)に向かうべく、軌道H1a(図で左側)を飛翔する。同様に後続群G2の無誘導弾20は、予想位置A1b(図で右側)に向かうべく、軌道H2a(図で右側)を飛翔する。
【0039】
先行群G1は、その無誘導弾20と共に投射されるセンサ弾10を有する。
センサ弾10は、先行群G1の無誘導弾20と共に、予想位置A1(A1a)に向けて飛翔する。そして予想位置A1の上空Sで、その位置情報K(
図5〜9参照)とその位置における画像情報J(
図5〜9参照)との検出を開始する。
【0040】
図1(B)に示すように、センサ弾10はその位置情報Kとその位置における画像情報Jとを検出する検出装置11と、それらを管制装置30に送信する情報送信装置15と、を有する。
【0041】
図1に示すように例えばセンサ弾10は、無誘導弾20と共に飛翔する飛翔体であり、検出装置11と情報送信装置15とを搭載する子弾19を予想位置A1の上空Sで放出し、その子弾19で位置情報Kと画像情報Jを検出するものであってよい。その子弾19は、
図1(B)に示すように、パラシュート17を有していることが好ましい。
【0042】
もしくはセンサ弾10は、検出装置11と情報送信装置15をセンサ弾10の機体18(
図3参照)に搭載し、その機体18に連結したパラシュート17を予想位置A1の上空Sで開傘してもよい。
【0043】
また、センサ弾10の子弾19や機体18、もしくはパラシュート17に、センサ弾10の落下する方向を制御する制御機構を設けてもよい。
この構成により、本発明のセンサ弾10は、予想位置A1の上空Sで無誘導弾20の軌道Hから外れ、その上空Sを俯瞰しながら位置情報Kと画像情報Jを検出する。
【0044】
管制装置30は、目標Xから距離を隔てた場所に位置し、センサ弾10から受信した位置情報Kと画像情報Jとから軌道修正信号を演算し出力する装置である。すなわち管制装置30は、目標Xから数百km離れた位置にあってもよく、目標Xに近接した位置にあってもよい。管制装置30は、発射装置や、目標Xの近傍のセンサ弾10と通信が可能な場所であれば、発射装置の近くに所在する必要はない。
【0045】
つまり
図1の無誘導弾システム1は、先行群G1の無誘導弾20と、無誘導弾20と共に飛翔するセンサ弾10とを予想位置A1(A1a)に向けて投射し、次いで予想位置A1(A1b)に向けて後続群G2の無誘導弾20を投射する。
そしてセンサ弾10が予想位置A1(A1a)の上空Sに到達したときに、センサ弾10によるその位置情報Kとその位置における画像情報Jとの検出を開始し、それらを管制装置30に送信する(
図1(B))。
【0046】
管制装置30は、センサ弾10から受信した位置情報Kと画像情報Jとから軌道修正信号を演算し出力する。具体的には、センサ弾10の位置情報Kと画像情報Jから、目標Xの現在位置B(
図1(B))を算出する。そして目標Xの現在位置Bから目標Xの移動速度や移動方向を算出し、その移動速度や移動方向から、先行群G1と後続群G2が弾着するときに目標Xが存在すると予想される位置(以下、修正位置A2)を算出する。
図1において、修正位置A2に位置する目標Xを細線で表示している。例えば
図1(B)の例では、先行群G1が弾着するときに目標Xが存在すると予想される位置は、修正位置A2a(図で左側)であり、後続群G2が弾着するときに目標Xが存在すると予想される位置は、修正位置A2b(図で右側)である。管制装置30は、この修正位置A2(A2a,A2b)に無誘導弾20を向かわせるための信号(軌道修正信号)を先行群G1又は後続群G2の各無誘導弾20に送信する。
【0047】
各無誘導弾20は、軌道修正信号に従い、無誘導弾20の軌道Hを修正する。つまり
図1(B)の場合、先行群G1の無誘導弾20は、予想位置A1aに向かう軌道H1aから、修正位置A2aに向かう軌道H1bに軌道修正する。同様に後続群G2の無誘導弾20は、予想位置A1bに向かう軌道H2aから、修正位置A2bに向かう軌道H2bに軌道修正する。
【0048】
これにより無誘導弾システム1で遠隔地に投射する弾丸が、目標Xを捕捉、追尾するセンサをその機体28に搭載していない無誘導弾20あっても、目標Xに弾着させることができる。
【0049】
また無誘導弾20に検出装置11を搭載せずに、センサ弾10に検出装置11を搭載するため、検出装置11が無誘導弾20の弾着で破壊されることはない。そのためセンサ弾10は、予想位置A1の上空Sで目標Xの周囲を俯瞰しながら、無誘導弾20の弾着後も画像情報Jを管制装置30に送信し続けられる。それにより管制装置30は、画像情報Jを確認することで、無誘導弾20が目標Xに弾着できたか否かを確認することができる。
【0050】
また管制装置30が画像情報Jに基づき目標Xの位置や状態を把握するので、目標Xから放出されるおとりやフレアに惑わされずに目標Xの位置情報を取得でき、それに基づいた軌道修正信号を出力できる。そのため特許文献1の誘導弾システムよりも精度良く、弾丸(無誘導弾20)を目標Xに弾着させることができる。
【0051】
さらに無誘導弾20がその機体28内に、シーカ等の目標Xを捕捉、追尾するセンサを搭載しないため、たとえ高速の飛翔により機体28が加熱し、電離が発生しても、無誘導弾20の機能には影響がない。つまりセンサへの影響を考慮して無誘導弾20の飛翔速度を抑える必要が無い。そのため目標Xへの突入時には、無誘導弾20を加速させて高速で突入させることができる。それにより目標Xからの迎撃を困難にでき、対処時間を短くすることができる。
【0052】
また検出装置11を搭載したセンサ弾10は、検出装置11に加熱の影響がない速度で、無誘導弾20とは別箇に飛翔させることができるため、機体28の加熱や電離の発生から検出装置11を保護することができる。また無誘導弾20とは別箇にセンサ弾10を設けるため、センサ弾10に自由に回避運動を行わせることができ、目標Xからセンサ弾10への迎撃を困難にすることができる。
【0053】
さらに本発明の無誘導弾システム1は、先行群G1と後続群G2に分けて無誘導弾20を投射するので、先行群G1の無誘導弾20が弾着したか否かについてセンサ弾10で確認したときには、後続群G2の無誘導弾20が目標Xの近く(例えば弾着まで数十秒から十数分の位置)まで飛翔している。そのため先に投射した無誘導弾20が目標Xに弾着したか否かを確認した後に後続の無誘導弾20の軌道Hを修正すれば、目標Xが逃避又は回避する前に、後続の無誘導弾20を目標Xに弾着させることができる。
それにより無誘導弾20であっても、遠隔地で移動する目標Xに弾着させることができる。また目標Xが位置精度の低い民生用GPSを用いて割り出した遠隔地に所在する固定目標である場合も、修正射撃を短時間で完了することができる。
【0054】
図2は、本発明の無誘導弾の説明図である。(A)は、無誘導弾20の模式図であり、(B)は
図1のA−A矢視図である。
無誘導弾20は、機体28を前方に推進させる推力発生装置26と、管制装置30から送信される軌道修正信号に従いその軌道Hを修正する軌道修正装置21とを備える。
【0055】
推力発生装置26は、例えばロケットモータであり、目標Xへの突入時に加速するよう、段階的に速度が変更されるデュアル推力モータの固体ロケットであることが好ましい。しかし推力発生装置26は、これに限らず、シングル推力モータの固体ロケットでも、一液推進薬や二液推進薬を使用する液体ロケット、ジェットエンジン、ラムジェットエンジン、ハイブリッドロケットであってもよく、その他の推進装置であってもよい。
【0056】
軌道修正装置21は、例えば弾位置検出装置27、信号受信機22、修正手段23、アクチュエータ24、及び軌道制御装置25を有する装置であってもよい。
【0057】
弾位置検出装置27は、無誘導弾20の弾位置情報を検出する検出装置であり、例えば人工衛星から受信したGPS座標から現在位置を算出して特定するGPS受信機であってもよい。もしくは弾位置検出装置27は、地磁気から現在位置を算出する地磁気センサであってもよく、その他の現在位置を特定するセンサであってもよい。
【0058】
信号受信機22は、軌道修正信号を受信する電波の受信機であり、受信した軌道修正信号を軌道制御装置25に出力する。
【0059】
修正手段23は、搭載された無誘導弾20の軌道Hを修正可能な手段であり、例えば
図2(A)に示すような機体28に対する角度を調整できる尾翼である。
図2(A)の尾翼(修正手段23)は、可動式に機体28に取り付けられており、アクチュエータ24の駆動によりその機体28に対する角度を変更する。しかしこれに限らず、修正手段23は、例えば無誘導弾20に重心を中心とした力のモーメントを生じさせ、姿勢を制御するものであってもよい。また修正手段23は、その他の方法で無誘導弾20の軌道Hを修正するものであってもよい。
【0060】
アクチュエータ24は、修正手段23に連結し、修正手段23を駆動する駆動装置である。アクチュエータ24は、例えば電動モータやシリンダが好ましいが、その他のものでもよい。
【0061】
軌道制御装置25は、軌道修正信号に従い、軌道修正信号が示す修正位置A2に弾位置情報を近づけるようにアクチュエータ24の駆動を制御する制御装置である。軌道制御装置25は、弾位置検出装置27、信号受信機22、及びアクチュエータ24と連結している。そして弾位置検出装置27から入力した弾位置情報と、信号受信機22から入力した軌道修正信号とから、弾位置情報が示す無誘導弾20の現在位置を軌道修正信号が示す修正位置A2に近づけるために必要な軌道H(
図1の軌道H1b,H2b)を演算し、それに基づき、アクチュエータ24を制御する。
しかし軌道修正装置21は、上記の構成に限らず、他の構成のものであってもよい。
【0062】
目標Xが複数の防御区画が設定されている大型の艦船である場合には、複数弾を分散させて命中させる事が必要であるため、複数のロケット弾等で弾幕を形成し、目標Xを包む様に攻撃する事が有効となる。そのため、
図1、
図2(B)に示すように、本発明の先行群G1と後続群G2とは、複数の無誘導弾20を含むことが好ましい。
先行群G1と後続群G2とが複数の無誘導弾20を含む場合、複数の無誘導弾20は、予想位置A1を中心として分散して弾着する。つまり先行群G1と後続群G2は、修正位置A2(または軌道修正信号が発せられない場合は予想位置A1)に弾着する軌道Hを飛翔する無誘導弾20a(
図1(B)の中心の無誘導弾20)と、その弾着位置Pの周囲に弾着するべく中心の無誘導弾20aの周囲を飛翔する複数の無誘導弾20bとを有する。この場合、無誘導弾20bの数は、いくつであってもよい。
【0063】
複数の無誘導弾20を、予想位置A1を中心として分散して弾着させるために、例えば中心の無誘導弾20aの周囲を飛翔する複数の無誘導弾20bの軌道制御装置25に、予め、軌道修正信号が示す修正位置A2からオフセットする距離を入力することが好ましい。例えば中心の無誘導弾20aの周囲を飛翔する複数の無誘導弾20bのうち、一の無誘導弾20bの軌道制御装置25には、オフセット量として「北に30m」を予め入力し、他の無誘導弾20bの軌道制御装置25には、「東に50m」を予め入力する。この場合、一の無誘導弾20bの軌道制御装置25は、軌道修正信号が示す修正位置A2より「北に30m」の位置に弾着するようにアクチュエータ24の駆動を制御することとなる。同様に、他の無誘導弾20bの軌道制御装置25は、軌道修正信号が示す修正位置A2より「東に50m」の位置に弾着するようにアクチュエータ24の駆動を制御することとなる。なお、この場合、中心を飛翔する無誘導弾20aの軌道制御装置25に入力されたオフセット量は0(ゼロ)である。
【0064】
これにより軌道修正信号が示す修正位置A2に、中心を飛翔する無誘導弾20aが弾着すると共に、修正位置A2の周囲に、予め設定されたオフセット量で分散した周囲の無誘導弾20bが弾着することができる。
【0065】
もしくは複数の無誘導弾20を、修正位置A2を中心として分散させて弾着させる方法として、管制装置30の目標算出装置33が、各無誘導弾20に、異なる位置を示す軌道修正信号をそれぞれ送信してもよい。つまり目標算出装置33が、修正位置A2の緯度と経度だけでなく、「修正位置A2より北に30mの位置」の緯度と経度や「修正位置A2より東に50mの位置」の緯度と経度も演算し、それぞれの位置を示す複数の軌道修正信号を別々の無誘導弾20に送信してもよい。
【0066】
本発明の無誘導弾システム1では、このように無誘導弾20が分散して弾着することにより、同時に目標Xの複数箇所に無誘導弾20を弾着させることができる。それによりたとえ目標Xが、巨大で複数の防御区画を有する大型の艦船であったとしても、複数の防御区画に無誘導弾20を弾着させることができる。
【0067】
図3は、本発明のセンサ弾の説明図である。(A)はセンサ弾10がその検出を開始する前の図であり、(B)は、その検出を開始した後の図である。
センサ弾10は、無誘導弾20と共に投射され、センサ弾10がその検出を開始するまでは、予想位置A1に向けて無誘導弾20と共に飛翔する飛翔体である。つまりセンサ弾10も、検出開始まで使用する軌道修正装置21と、機体18を前方に推進させる推力発生装置26とをその内部に有し、検出開始までは、軌道修正信号に従い、修正位置A2に向けてその軌道Hを修正する。
【0068】
センサ弾10の推力発生装置26は、無誘導弾20の推力発生装置26と同様のものであってもよい。
しかしセンサ弾10は目標Xに突入しないため、センサ弾10の推力発生装置26はデュアル推力モータの固体ロケットであってもよいが、それである必要はない。センサ弾10の推力発生装置26は、シングル推力モータの固体ロケットでも、一液推進薬や二液推進薬を使用する液体ロケット、ジェットエンジン、ラムジェットエンジン、ハイブリッドロケットであってもよく、その他の推進装置であってもよい。
【0069】
例えばセンサ弾10は、
図3に示すように無誘導弾20とほぼ同じ構成の弾丸であり、検出装置11と情報送信装置15を備える。この場合、センサ弾10は、予想位置A1(又は修正位置A2)の上空Sで放出する子弾19をその機体18の内部に有し、その子弾19に検出装置11と情報送信装置15を備える。また子弾19は、予想位置A1の上空Sで開傘するパラシュート17を有することが好ましい。
【0070】
しかしセンサ弾10の構成は、これに限らず、無誘導弾20と共に飛翔できれば、どのような構成の飛翔体であってもよい。
【0071】
またセンサ弾10は、子弾19を有さず、機体18そのものに検出装置11と情報送信装置15を備えるものであってもよい。その場合は、機体18に、パラシュート17が取り付けられ、機体18が、予想位置A1(又は修正位置A2)を上空Sから俯瞰する。
【0072】
検出装置11は、センサ弾10(
図3の例では、子弾19)の位置情報Kとその位置における画像情報Jとを検出する装置である。
【0073】
検出装置11は、センサ弾10の現在位置を位置情報Kとして検出するセンサ位置検出装置12と、目標Xの周辺を撮影し画像情報Jとして検出する撮影装置13と、を有する。
【0074】
センサ位置検出装置12は、人工衛星から受信したGPS座標から現在位置を算出して特定するGPS受信機であってもよい。もしくはセンサ位置検出装置12は、地磁気から現在位置を算出する地磁気センサであってもよく、その他の現在位置を特定するセンサであってもよい。
【0075】
撮影装置13は、静止画又は動画を撮影するカメラ、例えばデジタルカメラ、ビデオカメラ、もしくは赤外線カメラである。撮影装置13は、そのレンズを下方に向け、上空S(例えば高度500m〜1500m)からその位置(つまり位置情報Kを取得した位置)における画像情報Jを取得する。つまり予想位置A1(もしくは修正位置A2)の上空Sで位置情報Kと画像情報Jの検出を開始することから、目標Xの上空Sで画像情報Jを検出することとなる。そのため画像情報Jには、目標Xとその周囲が含まれる。また無誘導弾20が弾着した後では、撮影装置13は、無誘導弾20の弾着位置Pをも撮影することが好ましい。
【0076】
またセンサ弾10に管制装置30からの指令を受信する受信機を搭載し、管制装置30の指令により撮影装置13の撮影箇所を調整してもよい。
なお、以下の説明において、静止画又は動画を「画像」とする。
【0077】
情報送信装置15は、センサ位置検出装置12から出力された位置情報Kと撮影装置13から出力された画像情報Jとを管制装置30に送信する送信機である。
【0078】
図4は、本発明の管制装置の説明図である。
図4に示すように管制装置30は、位置情報Kと画像情報Jとを受信する定置受信機31と、それらから軌道修正信号を演算し出力する目標算出装置33と、軌道修正信号を各群に送信する信号送信機32と、を有する。管制装置30は、目標Xから数百km離れた位置にあってもよく、目標Xに近接した位置にあってもよい。また管制装置30は、陸地に固定されていてもよく、陸地を走行する車両や、飛行機、もしくは船舶等の移動するものに搭載されていてもよい。
【0079】
目標算出装置33は、操作画面34を有し、位置情報Kや画像情報Jから目標Xの位置を算出し、そこから軌道修正信号を演算、出力できる演算装置である。目標算出装置33は、例えばパーソナルコンピュータであるが、その他のものでもよい。目標算出装置33は、定置受信機31と信号送信機32に接続され、定置受信機31から位置情報Kと画像情報Jを入力し、軌道修正信号を信号送信機32に出力する。
【0080】
図5〜9は、本発明の目標算出装置33の操作画面34を表した説明図である。以下、管制装置30が、位置情報Kと画像情報Jから軌道修正信号を送信するまでの手順を
図5〜9で説明する。
図5〜9の画像情報Jは、移動する1つの目標Xをその上空Sから撮影したものである。
操作画面34上の位置と実際の位置とは、相関関係がある。
【0081】
管制装置30が位置情報Kと画像情報Jを受信すると、目標算出装置33の操作画面34には、位置情報K、画像情報J、及び現在時刻が表示される(
図5〜9)。
【0082】
例えば位置情報Kは、センサ弾10(子弾19)の緯度、経度、高度、飛翔方位、飛翔速度である。また位置情報Kは、次の無誘導弾20(
図5の場合は先行群G1の無誘導弾20)の弾着時刻までの残り時間を残時間として表示することが好ましい。例えば
図5で、先行群G1の無誘導弾20が弾着するまでの時間は40秒である。
【0083】
画像情報Jは、センサ弾10(子弾19)の撮影装置13で撮影した静止画又は動画である。
図5は、画像情報Jが静止画である場合を示している。画像情報Jは、センサ弾10が予想位置A1の上空S(例えば高度500m〜1500m)に位置して、その下方を撮影装置13で撮影したものであるため、一つの画像に目標Xとその周辺が広く写し出される。
【0084】
目標算出装置33は、まず位置情報Kから画像の撮影時のセンサ弾10(子弾19)の位置を求める。予想位置A1(A1a,A1b)は、無誘導弾20の投射前に予め目標算出装置33に入力されている。目標算出装置33は、撮影時のセンサ弾10の位置と予め入力されている予想位置A1(A1a,A1b)の緯度及び経度とから画面上の予想位置A1の位置が算出され、操作画面34の画像に重ねて表示される。予想位置A1(A1a,A1b)の周囲には、無誘導弾20の数とそれが弾着する時刻が表示される。例えば
図5の例では、左側の円が先行群G1の予想位置A1aを示し、右側の円が後続群G2の予想位置A1bを示している。
図5の操作画面34は、先行群G1の5発の無誘導弾20が13時40秒の時刻に予想位置A1aに弾着し、後続群G2の5発の無誘導弾20が13時1分15秒の時刻に予想位置A1bに弾着することを表示している。
【0085】
次に
図6に示すように、操作画面34の操作者は、画面上の目標Xの位置をクリックする。この操作により、画像の撮影時における目標Xの現在位置Bが確定される。目標算出装置33は、画面上の目標Xの現在位置Bの位置座標と撮影時のセンサ弾10(子弾19)の緯度、経度、高度とを照らし合し、実際の目標Xの現在位置B(例えば実際の緯度と経度やGPS座標)を算出すると共に、画面上の目標Xの現在位置Bにプロットする(
図6のTGPを参照。以下、TGPプロットとする)。
また画面上のTGPプロットの周囲には、この画像情報Jの撮影時刻が表示される。例えば
図6の例では、TGPプロットの上に、13時5秒の時刻(130005と表示)が表示されている。
【0086】
画像情報Jが静止画である場合、センサ弾10の撮影装置13は、最初の撮影時から数秒の時間をあけて、再度、静止画を撮影する。そしてセンサ弾10は、それらの撮影時刻を画像情報Jとして管制装置30に送信する。
【0087】
管制装置30は、次の画像情報Jを受信し、
図7に示すようにその画像情報Jを最初の画像情報J(
図5、6の画像情報J)と重ねて表示する。
なお、最初の画像情報Jと次の画像情報Jとで、センサ弾10の撮影位置(位置情報K)が異なる場合、目標算出装置33は、センサ弾10の位置情報Kを基準として2つの画像情報Jを重ね合わせる。つまり例えば複数の画像情報Jの中に共通の緯度と経度がある場合は、目標算出装置33は、共通の緯度と経度が重なるように複数の画像情報Jを重ねる。
【0088】
次いで操作画面34の操作者は、操作画面34に新しく表示された目標X(
図7で右側の目標X)をクリックし、その目標Xの現在位置Bを確定させる。そのクリックにより新しく表示された目標Xの上には、新たなTGPプロットが表示される。
図7においてTGPプロットの上には、これが撮影された時刻(13時15秒の時刻。130015と表示)が表示される。
【0089】
それにより目標算出装置33は、目標Xの現在位置Bの変化から、目標Xの移動方向と移動速度とを求める。なお、「目標Xの現在位置Bの変化」は、最初の目標Xの現在位置B(TGPプロット130005)と次の目標Xの現在位置B(TGPプロット130015)の位置と時刻の差から求められる。
【0090】
なお、目標算出装置33が目標Xの移動方向と移動速度を求める方法は、これに限らない。
例えば目標算出装置33は、画像情報Jの検出時における目標Xの予想位置A1と、その検出時における目標Xの現在位置Bとの差から、予め想定していた推定移動方向又は推定移動速度に対する移動方向又は移動速度の誤差を求め、その誤差の分、推定移動方向又は推定移動速度を修正することにより、目標Xの移動方向と移動速度とを求めてもよい。
【0091】
なお、画像情報Jが動画である場合、目標算出装置33は、移動する目標Xからその移動方向と移動速度を自動で求めるものであることが好ましい。その場合、操作者が画面の目標Xの上を一度クリックするだけで、目標算出装置33は、目標Xの動きに追従し、目標Xを認識し続けることが好ましい。例えば目標算出装置33は、目標Xとその周囲の明度、彩度、輝度、色彩の差から、目標Xを認識し続けるものであってよい。しかしこれに限らず、その他の手段により、目標Xを認識してもよい。
【0092】
次いで目標算出装置33は、目標Xが移動速度も移動する方向も変化しないと仮定した場合の先行群G1と後続群G2の無誘導弾20の弾着時刻における目標Xの存在位置(以下、予想存在位置TOT)をその移動方向と移動速度から求める。
図7のG1TOTは、先行群G1の無誘導弾20の弾着時刻に目標Xが存在すると予想される位置(以下、予想存在位置G1TOT)であり、G2TOTは、後続群G2の無誘導弾20の弾着時刻に目標Xが存在すると予想される位置(以下、予想存在位置G2TOT)である。また目標算出装置33は、先行群G1と後続群G2の各予想位置A1(A1a,A1b)上に、画面上で移動可能なコマンドG1NAP、G2NAPを表示する。コマンドG1NAPは先行群G1の予想位置A1a上に表示され、コマンドG2NAPは後続群G2の予想位置A1b上に表示される。
なお、コマンドG1NAP、G2NAPは、予想位置A1上ではない画面上の場所に表示されてもよい。
【0093】
次いで、
図8に示すように、操作画面34の操作者は、予想存在位置TOTを参考にしながら、無誘導弾20を弾着させたい位置にコマンドG1NAP、G2NAPを画面上で移動し、確定する。目標算出装置33は、画面上のコマンドG1NAP、G2NAPの位置座標から、それが表す実際の緯度と経度(コマンドG1NAP、G2NAPの操作画面上の位置に相関する実際の位置の緯度と経度)を演算し、その緯度と経度が表す位置を修正位置A2(A2a,A2b)とする。つまり修正位置A2(A2a,A2b)は、予想存在位置TOTに基づき新たに求められた無誘導弾20の目標弾着位置である。
【0094】
そして目標算出装置33は、弾着位置Pを修正位置A2(A2a,A2b)に変更するための指令を軌道修正信号として出力する。この軌道修正信号は、信号送信機32を介して各無誘導弾20とセンサ弾10に送信される。
【0095】
例えば
図8の場合、操作者は、予想存在位置G1TOTの上にコマンドG1NAPを移動し、予想存在位置G2TOTの上にコマンドG2NAPを移動している。これにより目標Xの移動速度と移動方向が変わらなければ、先行群G1と後続群G2の無誘導弾20が目標Xに弾着できる。
【0096】
本発明の目標算出装置33は、コマンドG1NAP、G2NAPの位置を操作者が確定することにより無誘導弾20の弾着位置Pが決定されるという構成を有する。それにより、無誘導弾20をどこに弾着させるかについての決断は、操作者が行うことができる。そのため目標Xが逃避行動又は回避行動を開始した場合でもそれを予測して弾着位置Pを決定できるので、目標Xの移動の変化に柔軟に対応することができる。それにより、単に目標算出装置33が機械的に弾着位置Pを確定するよりも、目標Xへの弾着率を上げることができる。
【0097】
センサ弾10は、無誘導弾20の弾着時刻後も画像情報Jの取得を継続する。
図9は、無誘導弾20の弾着時に撮影された画像情報Jを反映した目標算出装置33の操作画面34の説明図である。操作画面34上には、先行群G1の弾着位置P(G1)が表示され、その横に新しい目標Xが表示されている。この表示から、目標Xが移動方向と移動速度を変化させたため、先行群G1の無誘導弾20が目標Xに弾着できなかったことを確認できる。
また後続群G2の修正位置A2bは、新たに「予想位置A1b」として表示される。
【0098】
操作者が再び画面上の目標Xをクリックすることにより、目標算出装置33は、その撮影時における目標Xの現在位置Bを確定する(
図9のTGPプロット130040)。目標算出装置33は、新たな目標Xの現在位置B(TGPプロット130040)を最初の目標Xの現在位置B(TGPプロット130005)や次の目標Xの現在位置B(TGPプロット130015)と比較して、新たに予想存在位置G2TOTを算出しなおすことが好ましい。それにより、操作者は、上書きされた新たな予想存在位置G2TOTを参考にし、新たな予想位置A1b(元修正位置A2b)の上に表示されたコマンドG2NAPをドラッグし、新しい修正位置A2bの位置を確定することができる。
【0099】
なお上記説明においては、目標算出装置33は、目標Xの現在位置Bの変化から予想存在位置TOTを求めていたが、実際の無誘導弾20の弾着位置P(すなわち修正位置A2(A2a))と無誘導弾20の弾着時刻における目標Xの現在位置Bとから予想存在位置TOTを求めてもよい。先行群G1の弾着位置Pと先行群G1の弾着時刻における目標Xの現在位置Bとのずれは、目標Xの移動方向と移動速度の推定誤差を表している。
【0100】
本発明の無誘導弾システム1は、弾頭(無誘導弾20)と検出装置11(センサ弾10)とが別の弾丸に搭載されているため、無誘導弾20の弾着後にも目標Xの情報を取得できる。そのため先行群G1の弾着位置Pと先行群G1の弾着時刻における目標Xの現在位置Bとのずれ(以下、推定誤差)を正確に取得できるので、推定誤差を、後続の群(後続群G2)の弾着時刻における目標Xの現在位置Bの推定に反映させることができる。つまりその推定誤差の分、予め想定していた推定移動方向又は推定移動速度を修正し、目標Xの移動方向と移動速度とを求めることにより、後続の群の弾着時刻における目標Xの現在位置Bをさらに正確に求めることができ、弾着の精度を向上させることができる。
【0101】
なお、第1実施形態の無誘導弾システム1は、後続群G2もセンサ弾10を有していてもよい。その場合、後続群G2のセンサ弾10は、後続群G2の無誘導弾20と共に、予想位置A1b又は修正位置A2bに向けて飛翔する。後続群G2のセンサ弾10のその他の構成は、先行群G1のセンサ弾10と同様である。
また後続群G2がセンサ弾10を有する場合の無誘導弾システム1の使用方法は、後述する第2実施形態のそれと同様である。
【0102】
また後続群G2の弾丸(無誘導弾20又はセンサ弾10)は、先行群G1の弾丸(無誘導弾20及びセンサ弾10)と管制装置30との通信を中継する中継器を有していてもよい。中継器は、例えば電波の送受信機である。
それにより例えば管制装置30から直接には電波が届かない場所を先行群G1の弾丸が飛翔していたとしても、後方の軌道H上を飛翔する後続群G2の弾丸を介することで、先行群G1の弾丸が管制装置30と通信することができる。
なお「直接には電波が届かない場所」とは、例えば管制装置30から見たときの地平線より管制装置30から離れた位置や、軌道修正信号や位置情報K、画像情報Jの電波が届かない位置である。
【0103】
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態の無誘導弾システムの説明図である。(A)はセンサ弾10がその検出を開始する前の図であり、(B)は、その検出を開始した後の図である。
なお
図10の説明図は、目標Xが移動するものである場合を例としている。
【0104】
第2実施形態の無誘導弾システム1は、複数の後続群G2,G3,G4を備える。それらの複数の後続群G2,G3,G4は、間欠的に軌道H上に投射される。第2実施形態の後続群G3は、先行群G1と後続群G2を先行群として扱う。後続群G4は、先行群G1と後続群G2,G3を先行群として扱う。この場合、後続群の数はいくつであってもよい。
【0105】
また後続群G2,G3,G4は、後続群G2,G3,G4の無誘導弾20と共に投射され飛翔するセンサ弾10を有していても、有していなくてもよい。
【0106】
後続群G2,G3,G4がセンサ弾10を有していない場合、後続群G2,G3,G4でも先行群G1のセンサ弾10を使用する。つまり後続群G2,G3,G4の全てが弾着し終わるまで、先行群G1のセンサ弾10で目標Xの情報を取得し続ける。
【0107】
図10に示すように後続群G2,G3,G4がセンサ弾10を有する場合、各後続群G2,G3,G4につき、一つのセンサ弾10を設ければよい。しかしこれに限らず、各後続群G2,G3,G4が複数のセンサ弾10を有していてもよい。
【0108】
後続群G2,G3,G4がセンサ弾10を有する場合、無誘導弾システム1は、以下のように複数の画像情報Jを使用する。
図11は、後続群がセンサ弾を有する場合の複数の画像情報を表示する本発明の目標算出装置33の操作画面34を表した説明図である。
図11は、
図10(B)に示す時点の操作画面34を表している。
図10(B)に示す時点とは、先行群G1と後続群G2のセンサ弾10のみが目標Xの情報の取得を開始しており、後続群G3,G4のセンサ弾10は、各群の目標Xの予想位置A1に向けて無誘導弾20と共に飛翔している時点である。
図11に示すように、この時点の操作画面34には、先行群G1と後続群G2のセンサ弾10が取得した2つの位置情報K1、K2と2つの画像情報J1、J2が表示される。
なお
図10(B)に示す時点に次いで、後続群G3,G4のセンサ弾10が情報の取得を開始した際には、先行群G1の画像情報J1に後続群G2の画像情報J2が重なりながら追加されたのと同様に、後続群G3,G4の画像情報J3、J4が画像情報J1、J2に重なりながら追加される。
【0109】
このとき目標算出装置33は、各センサ弾10の位置情報K1、K2、K3、K4を元に、各画像情報J1、J2、J3、J4を重ね合わせる。つまり複数の画像情報J1、J2、J3、J4の中に共通の緯度と経度がある場合は、目標算出装置33は、共通の緯度と経度が重なるように複数の画像情報J1、J2、J3、J4を重ねる。複数の画像情報J1、J2、J3、J4の中に共通の緯度と経度がない場合でも、目標算出装置33は、複数の画像情報J1、J2、J3、J4におけるそれぞれの位置情報K1、K2、K3、K4から、それらの画像情報J1、J2、J3、J4の位置関係を算出し、画面上に画像情報J1、J2を配置する。
【0110】
それにより、無誘導弾システム1は、より広範囲にわたり予想位置A1の周辺の情報を取得することができる。また移動する目標Xに追従して各群G1〜G4の弾着位置Pが移動するため、常に目標Xの上空Sにセンサ弾10を配備することができる。そのため目標Xを見失わずに、目標Xの位置を把握し続けることができる。
【0111】
また第2実施形態の目標算出装置33は、実際の無誘導弾20の弾着位置Pと無誘導弾20の弾着時刻における目標Xの現在位置Bとから予想存在位置TOTを求め、軌道修正信号を演算して出力する場合、後続の群に送信する軌道修正信号は、先行の無誘導弾20の弾着時の目標Xの現在位置Bとその弾着位置Pとの差から演算する。つまり、後続群G3,G4に送信する軌道修正信号は、先行の無誘導弾20(先行群G1と後続群G2の無誘導弾20)のそれぞれの弾着時の目標Xの現在位置Bとそれらの弾着位置Pとの差から演算する。同様に後続群G4に送信する軌道修正信号は、先行の無誘導弾20(先行群G1と後続群G2,G3の無誘導弾20)のそれぞれの弾着時の目標Xの現在位置Bとそれらの弾着位置Pとの差から演算する。
【0112】
なお、その他の第2実施形態の無誘導弾システム1とその使用方法の構成は、第1実施形態と同様である。
【0113】
上述の第1実施形態、第2実施形態の無誘導弾システム1とその使用方法の説明は、目標Xが移動するものである場合を例として行ったが、目標Xが固定目標である場合の無誘導弾システム1とその使用方法も、目標Xが移動するものである場合と同様である。
また上述の第1実施形態、第2実施形態の無誘導弾システム1のセンサ弾10は、無誘導弾20と共に投射され、それと共に飛翔するが、それに限らず、無誘導弾20より先にセンサ弾10を目標Xの周囲に向けて投射してもよい。
【0114】
(第3実施形態)
図12は、本発明の第3実施形態の無誘導弾システムの説明図である。
第3実施形態の無誘導弾システム1は、各群(先行群G1、後続群G2)の無誘導弾20とセンサ弾10が、1つのロケットR1、R2に搭載されたものである。例えば先行群G1の無誘導弾20とセンサ弾10は、先行群用ロケットR1に搭載され、後続群G2の無誘導弾20は、後続群用ロケットR2に搭載される。各ロケットR1、R2に搭載される無誘導弾20は、1つでも複数でもよい。また後続群用ロケットR2にもセンサ弾10を搭載してもよい。
第3実施形態の発射装置は、各群につき1つのロケット(先行群用ロケットR1又は後続群用ロケットR2)を投射することにより、各群の無誘導弾20とセンサ弾10を投射する。
【0115】
先行群用ロケットR1と後続群用ロケットR2には、第1実施形態の無誘導弾20と同様の軌道修正装置21が設けられていることが好ましい。それにより先行群用ロケットR1と後続群用ロケットR2が無誘導弾20又はセンサ弾10を散布するまでの間、管制装置30からの軌道修正信号に従ってその軌道を修正することができる。
その他の第3実施形態の無誘導弾システム1の構成は、第1実施形態又は第2実施形態のそれと同様である。
【0116】
第3実施形態の各群の無誘導弾20とセンサ弾10は、ロケットR1、R2の軌道H上で、そのロケットR1、R2から分離し、投射される。つまり先行群用ロケットR1と後続群用ロケットR2とは、その軌道H上(軌道上)で、その内部に搭載した無誘導弾20又はセンサ弾10を散布する。例えばロケットR1、R2は、所定の位置にロケットR1、R2が到達したときにその内部の無誘導弾20又はセンサ弾10を散布するように設定されていてもよい。
その後の無誘導弾20とセンサ弾10の使用方法は、第1実施形態、第2実施形態のそれと同様である。
【0117】
上述した本発明の無誘導弾システム1とその使用方法によれば、目標Xに弾着しないセンサ弾10に検出装置11を搭載するので、無誘導弾20が弾着した後に、実際に無誘導弾20が目標Xに弾着できたか否かを検出装置11で確認できる。
また検出装置11が検出する情報が画像情報であるため、おとりやフレアに影響されずに目標Xの位置情報を取得できる。それにより無誘導弾20を目標X自体に弾着させることができる。
そのため目標Xへの弾着の精度を従来のものより向上させることができる。
【0118】
また無誘導弾20が検出装置11を搭載しないため、速い飛翔速度で無誘導弾20を目標Xに突入させることができる。そのため目標Xからの迎撃を回避でき、目標Xへの弾着への精度をさらに向上させることができる。
【0119】
また本発明の無誘導弾システム1に使用する弾丸が無誘導弾20であるため、センサを搭載しない分、弾丸の製造費用を抑えることができる。
【0120】
さらに本発明の無誘導弾システム1は、先行群G1と後続群G2に分けて無誘導弾20を投射するため、先行群G1の無誘導弾20が弾着したか否かについてセンサ弾10で確認したときには、後続群G2の無誘導弾20が目標Xの近く(例えば弾着まで数十秒から十数分の位置)まで飛翔している。そのため先に投射した無誘導弾20が目標Xに弾着したか否かを確認した後に後続の無誘導弾20の軌道Hを修正すれば、目標Xが逃避又は回避する前に、後続の無誘導弾20を目標Xに弾着させることができる。
それにより無誘導弾20であっても、遠隔地で移動する目標Xに弾着させることができる。
【0121】
また、先行群G1の無誘導弾20が弾着したか否かについてセンサ弾10で確認したときには、後続群G2の無誘導弾20が目標Xの近く(例えば弾着まで数十秒から十数分の位置)まで飛翔しているので、目標Xが位置精度の低い民生用GPSを用いて割り出した遠隔地に所在する固定目標である場合も、修正射撃を短時間で完了することができる。
【0122】
なお本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。