特許第6339936号(P6339936)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6339936
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】潤滑油組成物
(51)【国際特許分類】
   C10M 169/04 20060101AFI20180528BHJP
   C10M 107/02 20060101ALI20180528BHJP
   C10M 129/68 20060101ALI20180528BHJP
   C10M 135/22 20060101ALI20180528BHJP
   C10M 143/00 20060101ALI20180528BHJP
   C10M 159/04 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   C10M169/04
   C10M107/02
   C10M129/68
   C10M135/22
   C10M143/00
   C10M159/04
【請求項の数】8
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-510125(P2014-510125)
(86)(22)【出願日】2013年4月3日
(86)【国際出願番号】JP2013060202
(87)【国際公開番号】WO2013154005
(87)【国際公開日】20131017
【審査請求日】2014年10月9日
【審判番号】不服2016-10471(P2016-10471/J1)
【審判請求日】2016年7月11日
(31)【優先権主張番号】特願2012-91458(P2012-91458)
(32)【優先日】2012年4月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】金重 良輔
(72)【発明者】
【氏名】阿部 昌太
【合議体】
【審判長】 冨士 良宏
【審判官】 原 賢一
【審判官】 日比野 隆治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−190377(JP,A)
【文献】 特開2005−126709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10M101/00-177/00
C10N10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記(A−1)〜(A−3)の要件を全て満たすエチレン・αオレフィン共重合体と、
(A−1)エチレン構造単位含有率が30〜70モル%
(A−2)100℃動粘度が20〜3000mm2/s
(A−3)GPCで測定したMw/Mnが1〜2.5
(F)硫黄に隣接する少なくとも一つの炭化水素基が、2級もしくは3級の炭化水素基である硫黄含有化合物と
(B)下記(B−1)〜(B−3)の要件を全て満たす成分(B)と、
(B−1)100℃における動粘度が3〜120mm2/s
(B−2)粘度指数が90以上
(B−3)流動点が−10℃以下
を含み、
(G)炭素数3〜6のαオレフィンの重合体を含まないか、または前記(G)成分の含有率が12重量部以下であり
40℃動粘度が962〜4570mm2/sであり、
硫黄の含有率が、0.1〜5重量部であることを特徴とする潤滑油組成物。
(但し、潤滑油組成物の総量を100重量部とする。)
【請求項2】
前記成分(B)が、下記(C−1)〜(C−3)の要件を全て満たす合成油(C)であることを特徴とする請求項に記載の潤滑油組成物。
(C−1)100℃における動粘度が20〜120mm2/sであること
(C−2)粘度指数が120以上であること
(C−3)流動点が−30℃以下であること
【請求項3】
前記成分(B)が、下記(D−1)〜(D−3)の要件を全て満たす合成油(D)であることを特徴とする請求項に記載の潤滑油組成物。
(D−1)100℃における動粘度が3〜10mm2/sであること
(D−2)粘度指数が120以上であること
(D−3)流動点が−40℃以下であること
【請求項4】
前記成分(B)が、下記(E−1)〜(E−3)の要件を全て満たす鉱物油(E)であることを特徴とする請求項に記載の潤滑油組成物。
(E−1)100℃における動粘度が3〜40mm2/sであること
(E−2)粘度指数が90以上であること
(E−3)流動点が−10℃以下であること
【請求項5】
前記成分(C)および/または成分(D)が、炭素数8〜20のαオレフィン重合体および/またはエステル化合物からなる合成油である請求項またはに記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
前記成分(E)がAPI品質分類のグループ(I)、(II)および(III)から選ばれる1種類以上の鉱物油であることを特徴とする請求項に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
前記成分(B)が、下記(C−1)〜(C−3)の要件を全て満たす合成油(C)、下記(D−1)〜(D−3)の要件を全て満たす合成油(D)、および下記(E−1)〜(E−3)の要件を全て満たす鉱物油(E)から選ばれる1種類以上であり、
成分(A)〜(E)全体に対する飽和炭化水素含有率が80重量%以上である
ことを特徴とする請求項に記載の潤滑油組成物。
(C−1)100℃における動粘度が20〜120mm2/sであること
(C−2)粘度指数が120以上であること
(C−3)流動点が−30℃以下であること
(D−1)100℃における動粘度が3〜10mm2/sであること
(D−2)粘度指数が120以上であること
(D−3)流動点が−40℃以下であること
(E−1)100℃における動粘度が3〜40mm2/sであること
(E−2)粘度指数が90以上であること
(E−3)流動点が−10℃以下であること
【請求項8】
前記潤滑油組成物が、ギヤ油組成物である請求項1〜の何れかに記載の潤滑油組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油組成物に関する。更に詳しくは、特定の成分を含み、主として産業用機械、輸送用機械に用いられる潤滑油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球規模で環境問題がクローズアップされる中、対応手段の一つとして、工場、輸送事業者などにおいては、産業機械や輸送機械における電力消費量や燃料消費量の削減が挙げられる。上記の問題解決の一つの方策として、これらに使用される各種潤滑油により一層の省電力および省燃費効果が要求されている。
【0003】
潤滑油製品は一般に温度が変わると粘度が大きく変化する、いわゆる粘度の温度依存性を有している。潤滑油が使用される機器は、使用温度が大きく変わる場合があるので、粘度の温度依存性は小さいことが好ましいとされている。そこで潤滑油には、粘度の温度依存性を小さくする目的で、潤滑油基剤に可溶な、ある種のポリマーが粘度改良剤として用いられている。近年では、このような粘度改良剤としてαオレフィン重合体が広く用いられており、潤滑油の性能バランスを更に改善するため、種々の更なる改良がなされている。(特許文献1)
上記のような粘度指数向上剤は、一般に高温時に適正な粘度を保持するために用いられる。一方、最近では、環境負荷低減の一環として省エネ・省資源が強く思考される中で、特に低温時の粘度上昇を低く抑え(低温特性に優れる)、更には耐久性に優れる粘度改良剤が求められている。一般の潤滑油用途においては、優れた低温特性を得るためには、含まれる重合体の濃度をできるだけ低く抑えることが、経済性の面も含めて有利であることなどから、できるだけ高分子量のポリマーを用いる方法が知られている。しかしながら、分子量の高いαオレフィン重合体は剪断安定性の面では不利な傾向がある。
【0004】
工業用潤滑油の中でも、特にギヤ油用途では高度な耐久性(剪断安定性)が要求され、粘度特性とのバランスを考慮した性能が求められている。また、各種潤滑油の内、ギヤ油は、特に過酷な条件で使用されるため、高性能化、長寿命化の要求が強く、安定した油膜の形成に影響する成分である極圧剤についても一層の性能向上が望まれている。
【0005】
潤滑油基剤としては、API品質分類により、鉱物油はグループ(I)〜(III)の3段階に分類され、更に、ポリ・αオレフィン(PAO)がグループ(IV)、その他がグループ(V)に分類されている。自動車用の各種潤滑油用途では、要求性能の高度化および環境負荷低減に対応するため、従来から広く使用されているグループ(I)鉱油から、グループ(II)および(III)鉱油、或いはポリ・αオレフィンの如く合成油の使用率が高まっている。一方、工業用潤滑油用途においても、長寿命や高耐久性が求められ、前記のグループ(III)鉱油或いはポリ・αオレフィンが使用されている。特に近年の工業用ギヤ油においては、耐久性の主要パラメータとして剪断安定性が強く求められている。ここに求められる剪断安定性は、従来の高分子量タイプの粘度調整剤での対応は困難であり、ポリブテンなどの比較的低分子量のαオレフィン重合体が使用されている。しかしながら、用途によってはポリブテンの粘度特性、とりわけ低温での十分な流動性に改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開00/34420号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記の極圧剤は、例えば、機械などの摩擦面を形成する材料と化学的に反応して、摩擦面上に耐圧性被膜を形成する成分である。これらの摩擦面の材料は金属であることが多いので、極圧剤は極性の高い成分となる傾向にある。
【0008】
一方、ポリ・αオレフィンなど、合成油の基油は極性が低いことが多いので、特に高粘度要求の高い工業用ギヤ油用途においては、極性の高い極圧剤の相溶性が悪いという問題に直面した。
【0009】
従って、本発明が解決しようとする課題は、極圧剤との相溶性に優れ、粘度特性および剪断安定性のバランスに優れ、かつ、耐久性にも優れる工業用潤滑油を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、このような状況において鋭意研究の結果、エチレン含量、粘度、分子量分布が特定の範囲にある1種類以上のエチレン・α−オレフィン共重合体と、必要に応じて用いられる特定の粘度、粘度指数、流動点を有する1種以上の合成油および/または鉱物油を基剤とに、特定の極圧剤を組み合わせることにより、上記のような問題を解決することを見出して、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、
(A)下記(A−1)〜(A−3)の要件を全て満たすエチレン・αオレフィン共重合体と、
(A−1)エチレン構造単位含有率が30〜70モル%
(A−2)100℃動粘度が20〜3000mm2/s
(A−3)GPCで測定したMw/Mnが1〜2.5
(F)硫黄に隣接する少なくとも一つの炭化水素基が、2級もしくは3級の炭化水素基である硫黄含有化合物と、
任意成分として(G)炭素数3〜6のαオレフィンの重合体とを含み、
40℃動粘度が450〜51,000mm2/sであり、
硫黄の含有率が、0.1〜5重量部であり、
前記(G)成分の含有率が0〜15重量部であることを特徴とする潤滑油組成物である。
【0012】
(但し、潤滑油組成物の総量を100重量部とする。)
本発明の潤滑油組成物は、更に下記(B−1)〜(B−3)の要件を全て満たす成分(B)を含むことが好ましい。
【0013】
(B−1)100℃における動粘度が3〜120mm2/s以下であること
(B−2)粘度指数が90以上であること
(B−3)流動点が−10℃以下であること
本発明の潤滑油組成物は、前記成分(B)が、下記(C−1)〜(C−3)の要件を全て満たす合成油(C)であることが好ましい。
【0014】
(C−1)100℃における動粘度が20〜120mm2/s以下であること
(C−2)粘度指数が120以上であること
(C−3)流動点が−30℃以下であること
本発明の潤滑油組成物は、前記成分(B)が、下記(D−1)〜(D−3)の要件を全て満たす合成油(D)であることが好ましい。
【0015】
(D−1)100℃における動粘度が3〜10mm2/s以下であること
(D−2)粘度指数が120以上であること
(D−3)流動点が−40℃以下であること
本発明の潤滑油組成物は、前記成分(B)が、下記(E−1)〜(E−3)の要件を全て満たす鉱物油(E)であることが好ましい。
【0016】
(E−1)100℃における動粘度3〜40mm2/s以下であること
(E−2)粘度指数が90以上であること
(E−3)流動点が−10℃以下であること
本発明の潤滑油組成物は、前記成分(C)および/または成分(D)が、炭素数8〜20のαオレフィン重合体および/またはエステル化合物からなる合成油であることが好ましい。
【0017】
本発明の潤滑油組成物は、前記成分(E)がAPI品質分類のグループ(I)、(II)および(III)から選ばれる1種類以上の鉱物油であることが好ましい。
【0018】
本発明の潤滑油組成物は、成分(A)〜(E)全体に対する飽和炭化水素含有率が80重量%以上であることが好ましい。
【0019】
本発明は、前記潤滑油組成物が、ギヤ油組成物であることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の潤滑油組成物は、極圧剤として好適とされる硫黄化合物を含みながらも相溶性に優れ、すなわち、透明性に優れる液状を示し、粘度特性と剪断安定性にも優れることから、省エネ・省資源などに優れる潤滑油組成物である。その為、工業用潤滑油、特にギヤ油として好適である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の潤滑油組成物は、特定のエチレン・αオレフィン共重合体(A)と特定の要件を満たす硫黄化合物(F)とを含むことを特徴とする。以下、各成分について説明する。
[エチレン・αオレフィン共重合体(A)]
本発明におけるエチレン・αオレフィン共重合体(A)は、以下のような特性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体からなり、潤滑油組成物の粘度を好適に調整することができる。
[(A−1)エチレン構造単位含量]
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のエチレン含量は、通常30〜70モル%の範囲にある。粘度特性と耐熱性とのバランスの点から、好ましくは40〜70モル%、更に好ましくは45〜65モル%である。
【0022】
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)のエチレン含量は、後述する条件で実施される13C−NMR法で測定され、例えば「高分子分析ハンドブック」(朝倉書店 発行 P163〜170)に記載の方法に従ってピークの同定と定量とを行うことができる。
【0023】
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を構成するα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、エイコセン−1などの炭素数3〜20のα−オレフィンなどを例示することができる。エチレン・α−オレフィン共重合体(A)中には、これらα−オレフィンを2種以上併用してもよい。これらα−オレフィンの内では、潤滑油組成物に対して良好な粘度特性、剪断安定性、耐熱性を与える点で、炭素数3〜10のαオレフィンが好ましく、特にプロピレンが好ましい。
[(A−2)動粘度(100℃)]
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)の動粘度(100℃)は、20〜3000mm2/s、好ましくは50〜2500mm2/s、特に好ましくは80〜2200mm2/sの範囲にある。
[分子量分布(Mw/Mn)]
エチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、分子量分布を示す指標であるMw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が2.5以下、好ましくは2.4以下、より好ましくは2.2以下の範囲にあることが望ましい。分子量分布が2.5を超えると潤滑油粘度の剪断安定性が低下する。
【0024】
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体(A)は、公知の方法を制限無く用いて製造することができる。例えば、バナジウム、ジルコニウム、チタニウムなどの遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合物(有機アルミニウムオキシ化合物)および/またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒の存在下にエチレンとαオレフィンとを共重合させる方法が挙げられる。このような方法は、例えば国際公開00/34420号パンフレット(特許文献1)に記載されている。
【0025】
本願のエチレン・αオレフィン共重合体は、動粘度(100℃)の異なる2種のエチレン・αオレフィン共重合体を併用してもよい。
【0026】
この中、相対的に動粘度の高いエチレン・αオレフィン共重合体(A1)の動粘度は、150〜3000mm2/sであることが好ましく、より好ましくは300〜2500mm2/s、更に好ましくは500〜2200mm2/sの範囲にある。
【0027】
一方、相対的に動粘度の低いエチレン・αオレフィン共重合体(A2)の動粘度は、20〜120mm2/sであることが好ましくは、より好ましくは30〜110mm2/s、更に好ましくは40〜100mm2/sの範囲にある。
【0028】
エチレン・αオレフィン共重合体(A1)、(A2)のエチレン構造単位含有率や分子量分布の好ましい範囲は、エチレン・αオレフィン共重合体(A)と同様である。また、エチレン・αオレフィン共重合体(A1)、(A2)の割合は、エチレン・αオレフィン共重合体(A)の規定を満たす限り、任意に変更することができる。
【0029】
本発明に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体を含有する潤滑油組成物は、粘度特性および剪断安定性のバランスに優れる。
[潤滑油基材]
本発明で必要に応じて他の潤滑油材料を使用することができる。好ましくは、下記(B−1)〜(B−3)の要件を全て満たす成分(B)を使用することができる。
【0030】
(B−1)100℃における動粘度が3〜120mm2/s、好ましくは4〜110mm2/sであること
(B−2)粘度指数が90以上、好ましくは95以上であること
(B―3)流動点が−10℃以下、好ましくは−15℃以下であること。
【0031】
なお(B)成分は、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)、炭素数3〜6のαオレフィン重合体(G)以外の成分である。
このような潤滑油材料の好ましい例としては、下記の(C)〜(E)成分のような合成油や鉱物油を挙げることができる。
【0032】
本発明に必要に応じて使用される鉱物油(E)は、所謂潤滑油基材として知られている。潤滑油基材は、API(米国石油協会)分類で規定され、各グループに分類される。潤滑油基材の特性を表1に示す。
【0033】
潤滑油基材としての鉱物油は、一般に脱ワックスなどの精製工程を経て用いられ、精製の仕方により3つの等級から構成される。
【0034】
【表1】
鉱物油(E)は、下記(E−1)〜(E−3)の特性を有するものであり、API品質分類のグループ(I)〜(III)、好ましくは(III)に属する水素化分解法などにより精製された高粘度指数鉱油であることが好ましい。
(E−1)100℃における動粘度が3〜40mm2/s、好ましくは5〜35mm2/sであること
(E−2)粘度指数が90以上、好ましくは95以上であること
(E−3)流動点が−10℃以下、好ましくは−15℃以下であること
本発明に必要に応じて用いられる合成油(D)は、下記(D−1)〜(D−3)の特性を有するものであり、比較的低粘度のポリα−オレフィン(PAO)および/またはポリオールエステルや脂肪酸エステルなどが好ましい。
【0035】
(D−1)100℃における動粘度が3〜10mm2/s、好ましくは4〜8mm2/sであること
(D−2)粘度指数が120以上、好ましくは125以上であること
(D−3)流動点が−40℃以下、好ましくは−50℃以下であること
表1におけるグループ(IV)に属するポリα−オレフィン(PAO)は、炭素数8以上のα−オレフィンを少なくとも原料モノマーとして重合して得られる炭化水素ポリマーであって、例えばデセン−1を重合して得られるポリデセンなどが例示される。このようなポリαオレフィンが、さらに好ましい合成油(D)の態様である。
【0036】
この様なα−オレフィンオリゴマーは、チーグラー触媒、ルイス酸を触媒としたカチオン重合、熱重合、ラジカル重合によって製造することができる。勿論、前述の特許文献1に記載の触媒の存在下に、対応するオレフィンを重合することで得ることもできる。
【0037】
第1表におけるグループ(V)に属する基油としては、アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類、エステル油などを例示できる。
【0038】
アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類は、通常大部分がアルキル鎖長が炭素原子数6〜14のジアルキルベンゼンまたはジアルキルナフタレンであり、このようなアルキルベンゼン類またはアルキルナフタレン類は、ベンゼンまたはナフタレンとオレフィンとのフリーデルクラフトアルキル化反応によって製造される。アルキルベンゼン類またはアルキルナフタレン類の製造において使用されるアルキル化オレフィンは、線状もしくは枝分かれ状のオレフィンまたはこれらの組み合わせでもよい。これらの製造方法は、例えば、米国特許第3909432号に記載されている。
【0039】
エステルとしては、一塩基酸とアルコールとから製造されるモノエステル;二塩基酸とアルコールとから、またはジオールと一塩基酸または酸混合物とから製造されるジエステル;ジオール、トリオール(例えば、トリメチロールプロパン)、テトラオール(例えば、ペンタエリスリトール)、ヘキサオール(例えば、ジペンタエリスリトール)などと一塩基酸または酸混合物とを反応させて製造したポリオールエステルなどが挙げられる。これらのエステルの例としては、トリデシルペラルゴネート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、トリメチロールプロパントリヘプタノエート、ペンタエリスリトールテトラヘプタノエートなどが挙げられる。
【0040】
本発明に必要に応じて用いられる合成油(C)としては、下記(C−1)〜(C−3)の特性を満たすものであり、グループ(IV)に属するポリα−オレフィン(PAO)が好ましいが、グループ(V)に属するエステルなどの合成油を含有してもよい。
【0041】
(C−1)100℃における動粘度が20〜120mm2/s、好ましくは30〜110mm2/sであること
(C−2)粘度指数が120以上、好ましくは130以上であること
(C−3)流動点が−30℃以下、好ましくは−35℃以下であること
なお、本発明における低粘度の潤滑油基材として好適に用いられる成分(B)は、合成油(C)、(D)または鉱物油(E)から選ばれる1種類以上の成分からなり、合成油(C)、(D)および鉱物油(E)それぞれ1種類ないし2種類以上であってもよく、また、合成油(C)または(D)と鉱油(E)との混合物であってもよい。
【0042】
これらの(B)〜(E)成分は、エチレン・αオレフィン共重合体(A)と後述する硫黄化合物(F)との和を100重量部とすると、好ましくは2〜80重量部、更に好ましくは3〜60重量部、特に好ましくは4〜40重量部の割合で用いることができる。
【0043】
本発明の潤滑油組成物では、前記の成分(A)〜(E)の炭化水素成分全体に対する飽和炭化水素含有率は80重量%以上であることが好ましい。より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは、96%以上である。
【0044】
前記の飽和炭化水素比率が低過ぎると、潤滑油としての耐久性が不充分になる場合がある。
【0045】
本発明に必要に応じて用いられる炭素数3〜6のαオレフィン重合体(G)は炭素数3〜6のα−オレフィンから選ばれるα−オレフィンの構造単位が70モル%を超えるα−オレフィン重合体であり、潤滑油組成物全体を100重量部とした場合、15重量部以下、好ましくは12重量部以下、より好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下、特に好ましくは2重量部以下である。好ましい下限は0重量部である。
【0046】
炭素数3〜6のαオレフィン重合体(G)の含有率が高過ぎると剪断粘度が経時的に低下する場合がある。
[硫黄化合物(F)]
本発明に用いられる硫黄化合物(F)は、硫黄に隣接する炭素原子が、2級ないし3級炭素であることを特徴とする。このような炭素を含む置換基としては、イソプロピル基(i-Pr)、s-ブチル基(s-Bu)、t-ブチル基(t-Bu)、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、2-メチル-2-ペンチル基、3-メチル-3-ペンチル基などを挙げることができる。
【0047】
このような構造の置換基を有する硫黄化合物(F)は、一般的に極圧剤として用いられるものであり、驚くべきことに強い極性を保持しながらも前記のエチレン・αオレフィン共重合体(A)との相溶性がよく、透明性に優れた潤滑油組成物を形成することができる。また、硫黄化合物(F)は、各種の油剤が高粘度であっても相溶性が損なわれ難く、後述する潤滑油組成物として透明性の高い製品を得易い傾向がある。この相溶性と極性の両立は前記の嵩高い炭化水素含有置換基の構造に由来すると考えられる。
【0048】
本発明に用いられる硫黄化合物(F)は、硫黄に対する炭素の原子数比が、好ましくは1.5〜20、更に好ましくは1.8〜15、特に好ましくは2〜10である。このような範囲を満たす硫黄化合物は、強い極性を有するため、例えば金属機器のギヤなどの表面との強い相互作用を有し、強固な被膜を形成することができると考えられる。
【0049】
前記原子数比が高過ぎると極性が不足する場合がある一方、前記原子数比が低過ぎるとエチレン・αオレフィン共重合体(A)との相溶性が低下することがある。
【0050】
上記の様な硫黄化合物は、例えば硫黄の連鎖の両端に前記の2級ないし3級構造の炭化水素置換基を持つ構造の化合物を好ましい例として挙げることができる。例えば、t-Bu2-S、s-Bu2-S、i-Pr2-S、t-Bu-S-S-t-Bu、s-Bu-S-S-s-Bu、i-Pr-S-S-i-Pr、t-Bu-S-S-S-t-Bu、s-Bu-S-S-S-s-Bu、i-Pr-S-S-S-i-Pr、t-Bu-S-S-S-S-t-Bu、s-Bu-S-S-S-S-s-Bu、i-Pr-S-S-S-S-i-Pr構造を有する化合物などを挙げることができる。(ここでBuはブチル基、Prはプロピル基を示し、s-は2級(セカンダリー)、t-は三級(ターシャリー)を示す。Sは、勿論、硫黄である。)
本発明の潤滑油組成物は、硫黄の含有率が、潤滑油組成物の総量を100重量部とした場合、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量部、更に好ましくは1〜3重量部である。
【0051】
上記の様な範囲を満たすと、透明感があり、かつ、被膜形成などの潤滑性能とを高いレベルで両立させることができる。硫黄の含有率が低過ぎると潤滑油性能が不充分になる場合があり、硫黄の含有率が高過ぎると、潤滑油としての透明感が損なわれる場合がある。
[潤滑油組成物]
本発明の潤滑油組成物は、前記エチレン・α−オレフィン共重合体(A)を含み、必要に応じて合成油(C)、合成油(D)および、鉱物油(E)などから選ばれる1種類以上を含む成分(B)を含むことが好ましい。また本発明の潤滑油組成物は、前記硫黄化合物(F)が含まれる。これらの含有比率は、前述の通りである。
【0052】
本発明の潤滑油組成物は、必要に応じ、流動点降下剤、極圧剤、摩擦調整剤、油性剤、酸化防止剤、錆止め剤、腐食防止剤などの公知の添加剤を前記組成物100重量部に対して、20重量部以下の割合で配合することができる。
【0053】
このような潤滑油組成物は、優れた粘度特性と剪断安定性とをバランスよく発現することを特徴としている。
[流動点降下剤]
流動点降下剤としては、メタクリル酸アルキルの重合体または共重合体、アクリル酸アルキルの重合体または共重合体、フマル酸アルキルの重合体または共重合体、マレイン酸アルキルの重合体または共重合体、アルキル芳香族系の化合物などを挙げることができる。この中でも特にメタクリル酸アルキルの重合体または共重合体を含む流動点降下剤であるポリメタクリレート系流動点降下剤が好ましく、メタクリル酸アルキルのアルキル基の炭素数は12〜20が好ましく、その含有量は組成物全量の0.05〜2重量%である。これらは、流動点降下剤として市販されているものを入手することができる。例えば市販の銘柄名としては三洋化成社製アクルーブ146、アクルーブ136、東邦化学社製ルブラン141、ルブラン171などが挙げられる。
【0054】
これらの成分は、鉱油やエステルなどに溶解させたり、希釈させたりして用いることができる。好ましい濃度は10〜80%、更に好ましくは30〜70%である。
[極圧剤]
極圧剤としては、前述の硫黄化合物の他に、硫化オレフィン、硫化油脂、スルフィド類、リン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン塩などが挙げられる。
【0055】
これらの成分は、エステルや前述のオレフィン重合体を含む溶媒などに溶解させたり、希釈させたりして用いることができる。好ましい濃度は10〜80%、更に好ましくは30〜70%である。
[摩擦調整剤]
摩擦調整剤としては、モリブデンジチオホスフェート、モリブデンジチオカーバメートなどの有機モリブデン化合物に代表される有機金属系摩擦調整剤が挙げられる。
【0056】
これらの成分は、エステルなどに溶解させたり、希釈させたりして用いることができる。好ましい濃度は10〜80%、更に好ましくは30〜70%である。
【0057】
また、油性剤としては、炭素数8〜22のアルキル基を有する脂肪酸、脂肪酸エステル、高級アルコールなどが挙げられる。
[酸化防止剤]
酸化防止剤として具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4メチルフェノールなどのフェノール系酸化防止剤;ジオクチルジフェニルアミンなどのアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0058】
また、消泡剤としては、ジメチルシロキサン、シリカゲル分散体などのシリコン系消泡剤;アルコール、エステル系消泡剤など挙げることができる。
【0059】
これらの成分は、エステルなどに溶解させたり、希釈させたりして用いることができる。好ましい濃度は10〜80%、更に好ましくは30〜70%である。
[錆止め剤]
錆止め剤としては、カルボン酸、カルボン酸塩、エステル、リン酸などが挙げられる。また、腐食防止剤としては、ベンゾトリアゾールとその誘導体、チアゾール系化合物などを挙げることができる。
【0060】
また、腐食防止剤としては、ベンゾトリアゾール系、チアジアゾール系、イミダゾール系の化合物などが挙げられる。
【0061】
本発明の潤滑油組成物は、特に粘度特性と剪断安定性とに優れ、工業用潤滑油として有効である。
【0062】
本発明の潤滑油組成物は、40℃における動粘度が450〜51,000mm2/sの範囲内にある。好ましくは工業用潤滑油としてはISO-500〜ISO-46,000の粘度範囲のものが挙げられ、開放型ギヤ油として特に有効である。
【0063】
本発明の潤滑油組成物は、種々の産業用機械や輸送用機械の工業用潤滑油として好適に用いることができる。特にはギヤ油に好適である。更には建設用機械のギア油として好適に用いることができる。
【0064】
本発明の潤滑油組成物は、金属表面への被膜形成能力に優れることが予想され、高い潤滑性能を有すると共に、低温においても透明性に優れた潤滑油となりうる。継続使用することによって、次第に透明性は低下する傾向があるが、逆に透明度を劣化、交換時期の指標とすることもできる。このため、透明性も潤滑油にとっては重要な性能の一つである。
【実施例】
【0065】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、実施例における各種物性は以下のようにして測定した。
[エチレン含量]
日本電子LA500型核磁気共鳴装置を用い、オルトジクロルベンゼンとベンゼンーd6との混合溶媒(オルトジクロルベンゼン/ベンゼン−d6=3/1〜4/1(体積比))中、120℃、パルス幅45°パルス、パルス繰り返し時間5.5秒で測定した。繰り返し測定回数は、1000回以上、好ましくは10000回以上である。
[飽和炭化水素含有率]
日本電子(株)製ECX400型核磁気共鳴装置を用い、溶媒は重水素化オルトジクロロベンゼン、重水素化クロロホルム、重水素化ベンゼンを適宜使用した。
【0066】
試料濃度50〜60mg/0.5mL、測定温度は室温〜120℃を適宜選択した。観測核は1H(400MHz)、シーケンスはシングルパルス、パルス幅は5.12μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は7.0秒、積算回数は500回以上、7.10ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。ビニル基やメチル基などに由来する1Hなどのピークは、常法によりアサインし、前記のエチレン含量の結果と合わせて飽和炭化水素含有率を算出した。
【0067】
なお、本願の実験例で用いたポリオレフィン(重合体A100、重合体A2000、NEXBASE2006)には殆ど不飽和炭素-炭素結合に由来するピークは見られなかった。
[動粘度(40℃、100℃)]
ASTM D 445に基づいて測定を行った。なお、本実施例では配合油の粘度を各ISO分類に基づいて以下のように調整した。
【0068】
(1)ISO460:動粘度(40℃)が460±46mm2/sになるように配合調製した。
【0069】
(2)ISO1000:動粘度(40℃)が1000±100mm2/sになるように配合調製した。
【0070】
(3)ISO2200:動粘度(40℃)が2200±220mm2/sになるように配合調製した。
(4)ISO3200:動粘度(40℃)が3200±320mm2/sになるように配合調製した。
【0071】
(5)ISO4600:動粘度(40℃)が4600±460mm2/sになるように配合調製した。
【0072】
(6)ISO6800:動粘度(40℃)が6800±680mm2/sになるように配合調製した。
(7)ISO10000:動粘度(40℃)が10000±1000mm2/sになるように配合調製した。
【0073】
(8)ISO22000:動粘度(40℃)が22000±2200mm2/sになるように配合調製した。
[分子量分布(Mw/Mn)]
下記の液体クロマトグラフィー用ポンプ、サンプリング装置、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)用カラム、示差屈折率検出器(RI検出器)を連結し、GPC測定を行い決定した。
【0074】
液体クロマトグラフィー装置:Waters社製515 HPLC Pump
サンプリング装置:Waters社製717plus Autosampler装置
移動相:THF(安定剤含有、液体クロマトグラフィー用グレード)
カラム:PL社製MIXED-D 1本とPL社製500Å 1本とを直列連結した。
【0075】
サンプル濃度;5mg/mL
移動相流速;1.0mL/分
測定温度;常温
検量線用標準サンプル:PL社製EasiCal PS-1
[剪断安定性(粘度低下率%)]
KRL剪断試験機を用いてCEC−L−45(CEC:欧州の自動車用燃料・潤滑油試験法の管理機構)に基づいて試験を行い、40℃の粘度の低下率を評価した。
【0076】
剪断安定性は、潤滑油中の共重合体成分が金属摺動部で剪断を受け、分子鎖が切断することによる動粘度損失の尺度である。
[相溶性(極圧剤の溶解性)]
配合油を60℃の温度で加熱攪拌後、10日経過後の外観を観察し、以下の評点で評価した。
【0077】
評点○:透明、 評点△:やや濁る、 評点×:濁る
[極圧剤の分析(GC/MS法)]
極圧剤に含まれる硫黄化合物の構造をガスクロマトグラフィーと質量分析計とを併用した所謂GC/MS法で測定した。測定条件を下記した。
装置:日本電子製Jms−Q1000GC K9型装置
カラム:DB5MS+DG(内径:0.25mm、長さ:30m)
カラム温度制御パターン : 40℃で3分保持し、10℃/分の速度で昇温し、320℃に達した後、29分保持して終了とした。
【0078】
移動相 : ヘリウム(流速:0.7ml/分)
サンプル注入温度: 280℃、スプリット(1/20)
サンプル注入量 : 1μL(希釈溶媒:ヘキサン)
イオン化法 : EI(電子イオン化)、イオン化温度:200℃
[本発明で使用する成分]
実施例、比較例で使用する潤滑油基剤などの成分について、表2に纏めた。

【0079】
【表2】
実施例、比較例で使用する極圧剤は以下の通りである。
・AFTON社製HITEC(商標)-3339
硫黄含有率:32.6重量%、リン含有率:1.19重量%(カタログ値)
前記GC/MS法により、含硫黄成分としてジ−t−ブチルポリスルフィドが検出された。その他に鉱物油を示唆する成分が含まれていた。
・AFTON社製HITEC(商標)343
前記GC/MS法により、二級、三級のアルキル基を有する硫黄化合物を示唆するピークは検出されなかった。
[重合方法]
(重合例1)
充分窒素置換した容量2リットルの攪拌翼付連続重合反応器に、脱水精製したヘキサン1リットルを張り、96mmol/Lに調整した、エチルアルミニウムセスキクロリド(Al(C2H5)1.5・Cl1.5)のヘキサン溶液を500ml/hの量で連続的に1時間供給した後、更に触媒として16mmol/lに調整したVO(OC25)Cl2のヘキサン溶液を500ml/hの量で、ヘキサンを500ml/hの量で連続的に供給した。一方重合器上部から、重合液器内の重合液が常に1リットルになるように重合液を連続的に抜き出した。次にバブリング管を用いてエチレンガスを35L/hの量で、プロピレンガスを35L/hの量で水素ガスを80L/hの量で供給した。共重合反応は、重合器外部に取り付けられたジャケットに冷媒を循環させることにより35℃で行った。
【0080】
上記条件で反応を行うと、エチレン・プロピレン共重合体を含む重合溶液が得られた。得られた重合溶液は、塩酸で脱灰した後に、大量のメタノールに投入して、エチレン・プロピレン共重合体を析出させた後、130℃で24時間減圧乾燥を行った。(重合体A−100)得られたポリマーの分析結果を表3に示す。
(重合例2)
エチレンガス量47L/h、プロピレンガス量47L/h、水素ガス仕込み量を20L/hに変えた以外は、重合例1と同様に行い重合体A−2000を得た。得られたポリマーの分析結果を表3に示す。
【0081】
【表3】
(実施例1)
粘度調整剤としてのエチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例1で得られた共重合体を93.0重量%、APIグループ(V)に分類されるポリオールエステル(BFS社製TMTC)を5.0重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いてISO1000相当粘度に配合調製した。配合油の潤滑油物性を表4に示す。
(実施例2)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られたエチレン・プロピレン共重合体を9.5重量%、重合例1で得られた共重合体を83.5重量%、合成油()としてポリオールエステル(BFS社製TMTC)を5.0重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いてISO2200相当粘度に配合調製した。配合油の潤滑油物性を表4に示す。
(実施例3)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られた共重合体を28.0重量%、重合例1で得られた共重合体を65.0重量%用いた以外は実施例2と同様に配合してISO3200相当粘度に調整した。配合油の潤滑油物性を表4に示す。
(実施例4)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られた共重合体を48.0重量%、重合例1で得られた共重合体を45.0重量%用いた以外は実施例2と同様に配合してISO6800相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表4に示す。
(実施例5)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られた共重合体を64.0重量%、重合例1で得られた共重合体を29.0重量%用いた以外は実施例2と同様に配合してISO10000相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表4に示す。
(実施例6)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られた共重合体を83.7重量%、重合例1で得られた共重合体を9.3重量%用いた以外は実施例2と同様に配合してISO22000相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表4に示す。
(実施例7)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られた共重合体を93.0重量%、ポリオールエステル(BFS社製TMTC)を5.0重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いて配合調製した。配合油の潤滑油物性を表4に示す。
(実施例8)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られた共重合体を4.0重量%、重合例1で得られた共重合体を84.0重量%、合成油(D)としてポリα−オレフィン(CHEVRON社製NEXBASE2006)を10.0重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いてISO1000相当粘度に配合調製した。配合油の潤滑油物性を表4に示す。
(実施例9)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られた共重合体を30.0重量%、重合例1で得られた共重合体を58.0重量%用いた以外は実施例8と同様に配合してISO3200相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表4に示す。
(実施例10)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られた共重合体を10.0重量%、重合例1で得られた共重合体を73.0重量%、合成油(D)としてポリα−オレフィン(CHEVRON社製NEXBASE2006)を10.0重量%およびポリオールエステル(BFS社製TMTC)を5.0重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いてISO1000相当粘度に配合調製した。配合油の潤滑油物性を表4に示す。
(実施例11)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られたエチレン・プロピレン共重合体を30.0重量%、重合例1で得られたエチレン・プロピレン共重合体を53.0重量%用いた以外は実施例10と同様に配合してISO2200相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表4に示す。
【0082】
【表4】
(実施例12)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られたエチレン・プロピレン共重合体を17.5重量%、合成油(C)として高粘度ポリα−オレフィン(INEOS社製DURASYN180)を80.5重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いてISO2200相当粘度に配合調製した。配合油の潤滑油物性を表5に示す。
(実施例13)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られたエチレン・プロピレン共重合体を27.0重量%、合成油(C)として高粘度ポリα−オレフィン(INEOS社製DURASYN180)を71.0重量%用いた以外は実施例12と同様に配合し、ISO3200相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表5に示す。
(実施例14)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られたエチレン・プロピレン共重合体を20.0重量%、合成油(C)として高粘度ポリα−オレフィン(INEOS社製DURASYN180)を73.0重量%、合成油(D)としてポリオールエステル(BFS社製TMTC)を5.0重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いてISO2200相当粘度に配合調製した。配合油の潤滑油物性を表5に示す。
(実施例15)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られたエチレン・プロピレン共重合体を30.0重量%、合成油(C)として高粘度ポリα−オレフィン(INEOS社製DURASYN180)を63.0重量%用いた以外は実施例14と同様に配合し、ISO3200相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表5に示す。
(実施例16)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られたエチレン・プロピレン共重合体を30.0重量%、合成油(C)として高粘度ポリα−オレフィン(INEOS社製DURASYN180)を53.0重量%、合成油()として低粘度ポリα−オレフィン(CHEVRON社製NEXBASE2006)を10.0重量%、合成油(D)としてポリオールエステル(BFS社製TMTC)を5.0重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いてISO2200相当粘度に配合調製した。配合油の潤滑油物性を表5に示す。
(実施例17)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られたエチレン・プロピレン共重合体を40.0重量%、合成油(C)として高粘度ポリα−オレフィン(INEOS社製DURASYN180)を43.0重量%用いた以外は実施例16と同様に配合し、ISO3200相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表5に示す。
(実施例18)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られたエチレン・プロピレン共重合体を20.0重量%、鉱物油(E)としてブライトストック(JX社製N460)を78.0重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いてISO2200相当粘度に配合調製した。配合油の潤滑油物性を表5に示す。
(実施例19)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られたエチレン・プロピレン共重合体を40.0重量%、鉱物油(E)としてブライトストック(JX社製N460)を58.0重量%用いた以外は実施例18と同様に配合し、ISO4600相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表5に示す。
(実施例20)
エチレン・プロピレン共重合体(A)として、重合例2で得られた共重合体を60.0重量%、鉱物油(E)としてブライトストック(JX社製N460)を38.0重量%用いた以外は実施例18と同様に配合し、ISO10000相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表5に示す
【0083】
【表5】
(比較例1)
粘度調整剤としてポリブテン(JX社HV−1900)を20.0重量%、エチレン・プロピレン共重合体(A)として重合例1の共重合体を78.0重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いてISO2200相当粘度に配合調製した。配合油の潤滑油物性を表6に示す。
(比較例2)
ポリブテン(JX社HV−1900)を42.0重量%、エチレン・プロピレン共重合体(A)として重合例1の共重合体を56.0重量%用いた以外は比較例1と同様に配合し、ISO6800相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表6に示す。
(比較例3)
ポリブテン(JX社HV−1900)を50.0重量%、エチレン・プロピレン共重合体(A)として重合例1の共重合体を48.0重量%用いた以外は比較例1と同様に配合し、ISO10000相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表6に示す。
(比較例4)
ポリブテン(JX社HV−1900)を20.0重量%、エチレン・プロピレン共重合体(A)として重合例1の共重合体を73.0重量%、合成油(D)としてポリオールエステル(BFS社製TMTC)を5.0重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いてISO2200相当粘度に配合調製した。配合油の潤滑油物性を表6に示す。
(比較例5)
ポリブテン(JX社HV−1900)を40.0重量%、エチレン・プロピレン共重合体(A)として重合例1の共重合体を53.0重量%用いた以外は比較例4と同様に配合し、ISO4600相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表6に示す。
(比較例6)
ポリブテン(JX社HV−1900)を55.0重量%、エチレン・プロピレン共重合体(A)として重合例1の共重合体を38.0重量%用いた以外は比較例4と同様に配合し、ISO10000相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表6に示す。
(比較例7)
ポリブテン(JX社HV−1900)を1.0重量%、エチレン・プロピレン共重合体(A)として重合例1の共重合体を6.0重量%、合成油(D)として低粘度ポリα−オレフィン(CHEVRON社製NEXBASE2006)を10.0重量%、ポリオールエステル(BFS社製TMTC)を5.0重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いてISO1000相当粘度に配合調製した。配合油の潤滑油物性を表6に示す。
(比較例8)
ポリブテン(JX社HV−1900)を40.0重量%、エチレン・プロピレン共重合体(A)として重合例1の共重合体を43.0重量%用いた以外は比較例7と同様に配合し、ISO3200相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表6に示す。
(比較例9)
ポリブテン(JX社HV−1900)を65.0重量%、エチレン・プロピレン共重合体(A)として重合例1の共重合体を18.0重量%用いた以外は比較例7と同様に配合し、ISO10000相当粘度に調製した。配合油の潤滑油物性を表6に示す。
(比較例10)
ブライトストック(JX社N460)を98.0重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いてISO460相当粘度に配合調製した。配合油の潤滑油物性を表6に示す。
(比較例11)
粘度調整剤としてSV-251(シェル化学社製、スチレン系ブロック共重合体)を23.0重量%、エチレン・プロピレン共重合体(A)として重合例1の共重合体を75.0重量%、極圧剤HITEC(商標)−3339(AFTON社製)を2.0重量%用いてISO2200相当粘度に配合調製した。配合油の潤滑油物性を表6に示す。
【0084】
【表6】
(比較例12)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例1と同様に配合し、ISO1000相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表7に示す。
(比較例13)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例2と同様に配合し、ISO2200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表7に示す。
(比較例14)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例3と同様に配合し、ISO3200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表7に示す。
(比較例15)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例4と同様に配合し、ISO6800相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表7に示す。
(比較例16)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例5と同様に配合し、ISO10000相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表7に示す。
(比較例17)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例6と同様に配合し、ISO22000相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表7に示す。
(比較例18)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例7と同様に配合調製した。配合油の相溶性評価結果を表7に示す。
(比較例19)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例8と同様に配合し、ISO1000相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表7に示す。
(比較例20)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例9と同様に配合し、ISO3200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表7に示す。
(比較例21)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例10と同様に配合し、ISO1000相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表7に示す。
(比較例22)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例11と同様に配合し、ISO2200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表7に示す。
【0085】
【表7】
(比較例23)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例12と同様に配合し、ISO2200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表8に示す。
(比較例24)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例13と同様に配合し、ISO3200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表8に示す。
(比較例25)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例14と同様に配合し、ISO2200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表8に示す。
(比較例26)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例15と同様に配合し、ISO3200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表8に示す。
(比較例27)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例16と同様に配合し、ISO2200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表8に示す。
(比較例28)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例17と同様に配合し、ISO3200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表8に示す。
(比較例29)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例18と同様に配合し、ISO2200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表8に示す。
(比較例30)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例19と同様に配合し、ISO4600相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表8に示す。
(比較例31)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は実施例20と同様に配合し、ISO10000相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表8に示す。
【0086】
【表8】
(比較例32)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は比較例1と同様に配合し、ISO2200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表9に示す。
(比較例33)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は比較例2と同様に配合し、ISO6800相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表9に示す。
(比較例34)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は比較例3と同様に配合し、ISO10000相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表9に示す。
(比較例35)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は比較例4と同様に配合し、ISO2200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表9に示す。
(比較例36)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は比較例5と同様に配合し、ISO4600相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表9に示す。
(比較例37)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は比較例6と同様に配合し、ISO10000相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表9に示す。
(比較例38)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は比較例7と同様に配合し、ISO1000相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表9に示す。
(比較例39)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は比較例8と同様に配合し、ISO3200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表9に示す。
(比較例40)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は比較例9と同様に配合し、ISO10000相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表9に示す。
(比較例41)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は比較例10と同様に配合し、ISO460相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表9に示す。
(比較例42)
極圧剤としてHITEC(商標)−3339(AFTON社製)をHITEC(商標)343(同社)に変えた以外は比較例11と同様に配合し、ISO2200相当粘度に調製した。配合油の相溶性評価結果を表9に示す。
【0087】
【表9】