【発明が解決しようとする課題】
【0006】
システアミンを配合した毛髪処理剤、例えばシステアミンを還元剤として利用した毛髪
変形(デザイン形成)剤は、毛髪に良好なウエーブデザイン形成、カールデザイン形成、
あるいはストレートデザインを形成し、かつダメージが少ないという利点を持つこと、お
よびシステアミンの配合量を増加させれば、よりしっかりとしたデザイン形成が可能なこ
とが知られている。しかしながら、毛髪処理剤中にシステアミンを高濃度に配合した場合
、施術中あるいは施術後にシステアミンに基づく不快なにおいが発生するのが問題であっ
た。したがって、本願発明はシステアミンを配合した毛髪処理剤において、該システアミ
ンの濃度を低濃度として、システアミンに基づく不快なにおいの問題を解決しても、高濃
度の場合と同様の目的とする処理効果を奏することができる毛髪処理剤および毛髪処理方
法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、システアミン(HS−CH
2−CH
2−NH
2)あるいはその毛髪化粧
料として許容される塩、例えば塩酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩等を配合した
毛髪処理剤はそのpHを高く設定すること、特にシステアミンの濃度に応じて特定の範囲
のpHを設定することで、ウエーブデザインやカールデザイン、あるいはストレートデザ
イン形成剤等の毛髪変形(デザイン形成)剤、毛髪柔軟化剤、毛髪浸透促進剤等の毛髪処
理剤として使用する場合、システアミンの配合量が低濃度でも高濃度で配合したときと同
等のデザイン形成効果、毛髪柔軟化効果、毛髪浸透促進効果を奏することができることを
見出し本発明に到達することができた。さらに、本発明の前記毛髪処理剤を使用した毛髪
処理方法においては、システアミンが低濃度であるため、施術後のダメージが少なく、施
術中あるいは施術後の不快臭も低減され、アルカリカラーあるいはヘアマニキュア等の施
術後の毛髪に前記毛髪処理剤を使用した際の色落ちも少ないという良好な結果を達成する
ことができた。
【0008】
前記のような従来技術の課題を解決するために採用されるシステアミン濃度とpH要件
は、下記実施例の実施結果から以下の通りである。
システアミン濃度が0.5〜3重量%でpHが8.0〜11およびシステアミン濃度が
2〜3重量%でpHが7.5〜11のものは、下記評価方法によるデザイン形成、におい
、毛髪柔軟化およびアルカリカラーの濃染(毛髪浸透促進性)の評価が◎あるいは○であ
る効果を奏することができた。
【0009】
また、システアミン濃度が0.5〜3重量%でpHが8.0〜10およびシステアミン
濃度が2〜3重量%でpHが7.5〜10のものは、下記評価方法によるデザイン形成、
におい、毛髪柔軟化、アルカリカラーの濃染(毛髪浸透促進性)、アルカリカラーの色落
ち、ヘアマニキュアの色落ち、ダメージ等の評価が◎あるいは○である効果を奏すること
ができた。
【0010】
さらに、システアミン濃度が0.5〜2.0重量%でpHが9.2〜9.5、システア
ミン濃度が1.3〜2.5重量%でpHが8.5〜9.2、およびシステアミン濃度が2
〜2.5重量%でpHが8.0〜9.2のものは、デザイン形成効果、におい、アルカリ
カラーの色落ち、ヘアマニキュアの色落ち、ダメージ、毛髪柔軟化、アルカリカラーの濃
染(毛髪浸透促進性)等全ての効果の点で下記の評価方法による評価がすべて◎である特
に優れた効果を奏することができた。
【0011】
本発明の毛髪変形(デザイン形成)剤は、そのまま使用する1剤式、あるいは該毛髪処
理剤と酸化2剤を構成成分とする2剤式が考えられる。また、本発明の毛髪変形(デザイ
ン形成)剤の効果を損なわなければ、さらに他の剤と組合せて使用する3剤式、あるいは
多剤式であってもよい。同様に本発明の毛髪変形(デザイン形成)剤の効果を損なわなけ
れば、該毛髪変形(デザイン形成)剤、あるいは該毛髪変形(デザイン形成)剤と組合せ
て使用する酸化2剤が他の剤と使用直前に混合する用時調整式であってもよい。また、こ
れら毛髪変形(デザイン形成)剤には、前記システアミン以外に、様々な添加成分を加え
ることができる。例えば反応調整剤としてジチオジグリコール酸等のジスルフィド、毛髪
保護剤としてPPT等を組合せて使用してもよい。
本発明の毛髪変形(デザイン形成)剤を使用してウエーブデザイン、カールデザインあ
るいはストレートデザインの形成等の毛髪変形(デザイン形成)を行う際には、ロッド、
高温整髪用アイロン、こて等のデザイン形成ツールを使用して行われるが、これらのデザ
イン形成ツールは必ずしも使用しなくてもよい。また、本発明の毛髪変形(デザイン形成
)剤を使用して毛髪変形(デザイン形成)を行った場合、ウエーブもしくはカールあるい
はストレート状態を半永久的に持続させる毛髪変形(デザイン形成)を行うことができる
。なお、前記半永久的に持続させる毛髪変形(デザイン形成)とは、通常のパーマネント
ウエーブと同等に、数回の洗髪操作では前記のような毛髪の変形状態が取れない事を意味
する。
【0012】
また、本発明のシステアミン(HS−CH
2−CH
2−NH
2)あるいはその化粧料と
して許容される塩を配合した毛髪柔軟化剤は、システアミンは低濃度であるが、システア
ミンを高濃度に配合したと同等な硬い髪を柔らかくするなどの柔軟化機能を示し、システ
アミンが低濃度であるので、においをより低減できる点で有用な毛髪柔軟化剤を提供でき
る。
【0013】
また、本発明のシステアミン(HS−CH
2−CH
2−NH
2)あるいはその化粧料と
して許容される塩を配合した毛髪浸透促進剤は、システアミンが低濃度であるが、システ
アミンを高濃度に配合した毛髪処理剤と同等の毛髪に浸透させる機能(毛髪浸透機能)を
奏することができるので、よりにおいを低減できる点で有用な毛髪浸透促進剤を提供でき
る。
【0014】
本発明の毛髪処理剤のpH調整は、例えばアンモニア、モノエタノールアミンやジエタ
ノールアミン等のアミノアルコール、アルギニン等の塩基性アミノ酸、炭酸ナトリウムや
炭酸水素ナトリウム等の中性塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどによって行うこ
とができる。ただし、本発明の毛髪処理剤のpH調整に使用されるアルカリ剤としては、
化粧料製造上、許容されるものであれば特にその種類は制限されない。また、本発明の毛
髪処理剤の剤型は特定のものに限定されるものではなく、例えばクリーム、ジェル、フォ
ーム、スプレー、ミスト等の形状であってもよい。