技術分野
所定の幅に形成されている複数個のブロックからなり、これらのブロックが突き合わせ端面または側面において互いに連結されると建物の壁や柱を支持する立上がり部すなわち基礎梁が形成されるようになっている、プレキャストコンクリート製基礎材に関するものである。
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
特許文献1に記載のプレキャストコンクリート製基礎材51、52によっても、あるいは説明はしていないが他の特許文献において提案されている他のプレキャストコンクリート製基礎材によっても、建築現場において型枠を設置する必要がないので、作業工程は少なく施工の費用は安価に済む。しかしながら、改良の余地も認められる。具体的には、隣接するプレキャストコンクリート製基礎材51、52同士の接合について、せん断抵抗に関するより大きな接合強度を得たいという要求がある。プレキャストコンクリート製基礎材はシアコッターによって接合されるので、その接合強度にはシアコッターの強度が関係しているが、これについて説明する。
図5の(ア)には、シンプルな形状の2個のプレキャストコンクリート製の基礎材60、60の一部が示されており、これらはそれぞれの端面で互いに接合されている。そして、その接合部分に形成されているシアコッター61にグラウト材が充填されて、基礎材60、60が一体化されている。シアコッター61に充填されたグラウト材からなる固化体61は、図5の(イ)に示されている形状になっており、垂直断面すなわちX−X断面が図5の(ウ)に、そして水平断面すなわちY−Y断面が図5の(エ)に示されている。基礎材60、60の接合強度には、シアコッター61の強度が関係しているが、シアコッター61の強度は、接合部における許容せん断力を意味しており、次式で与えられる。
Q
j =min(Q
A 、N
A ) 1式
ここで、Q
j : 接合部の許容せん断力(N)
Q
A :シアコッターの垂直断面における許容せん断力(N)
N
A :シアコッターの水平断面における許容圧縮力(N)
そしてシアコッター61の垂直断面の面積がS1(=a×b)とするとQ
A は、次式によって与えられる。
Q
A =S1×グラウト材の許容せん断応力度
また、水平断面の面積がS2とするとN
A は次式によって与えられる。
N
A =S2×グラウト材の許容圧縮応力度
ところで、セメント系の硬化体は許容圧縮応力度が許容せん断応力度よりはるかに大きいことを考えれば、面積S2についてはある程度の大きさがあれば、シアコッターの水平断面垂における許容圧縮力N
A は十分に大きな値が得られる。従って、シアコッター61の強度Q
j を大きくするには、1式において、接合部の許容せん断力Q
j を大きくすることが重要であり、面積S1を大きくすることが重要であることが分かる。面積S1を大きくするには、シアコッター61の高さbを大きくすればよい。図5の(オ)には、図5の(ア)に示されているシアコッター61よりも高さが大きいシアコッター61’を備えた基礎材60’、60’が示されている。このようなシアコッター61’はその強度Q
j が大きくなっているので基礎材60’、60’の接合強度は大きくなるはずである。しかしながら、シアコッター61’を大きくすると基礎材60’、60’の強度に悪影響を及ぼしてしまう。基礎材60’、60’にせん断力が作用するとき、基礎材60’、60’自体にも内部にせん断力が作用するが、その最大せん断応力が作用する面63、63は、シアコッター61’の上端と下端とから延びる45°の面になる。シアコッター61’が高さ方向に大きくなると、この作用面63、63の面積が小さくなって破断し易くなってしまう。基礎材60’、60’が破断するとシアコッター61’が抜けたり破断してしまう。つまりシアコッター61’の高さが高すぎると、基礎材60’、60’の強度に悪影響を与えることになるので結果的に基礎材60’、60’の接合強度は弱くなってしまう。このような観点から、シアコッター61の高さは、基礎材60の高さ、つまり基礎の梁せいに対して、略1/3以下とせざるを得ない。このような制約があるので、必ずしも十分に大きな接合強度は得られないという問題がある。
したがって、本発明は、基礎が施工されるプレキャストコンクリート製の基礎材において、互いに接合される基礎材の接合強度が十分に大きく、それによって強固な基礎が得られるプレキャストコンクリート製基礎材を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
本発明は、目的を達成するために、基礎の立上がり部が形成されるようになっているプレキャストコンクリート製の基礎材として構成する。基礎材は所定幅で所定高さの板状に形成し、その端面が、あるいは側面の一部が他の基礎材と接合される接合部になるようにする。接合部には、グラウト材が充填されるシアコッターを設ける。シアコッターは、横方向に一定の高さの突起が、等間隔で上下に複数個並べられた形状に形成し、そ・・・ 続きを
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【発明の効果】
以上のように本発明は、複数個が互いに接合されて、建物の壁や柱を支持する基礎の立上り部を形成するようになっているプレキャストコンクリート製の基礎材として構成され、基礎材は所定幅で所定高さの板状に形成され、その端面、あるいは側面の一部
に接合部が形成され、他の基礎材に形成されている接合部と接合されるように なっている。そして接合部には、グラウト材が充填されるシアコッターが設けられている。本発明によると、シアコッターは、横方向に一定の高さの突起が、等間隔で上下に複数個並べられた形状を呈
しており、基礎材と他の基礎材とがそれぞれの接合部において接合されるとき、一方のシアコッターの突起から形成される山部と谷部が、他方のシアコッターの突起から形成される谷部と山部とにそれぞれ整合し、それによってグラウト材が充填されるキャビティが、一定厚さの波状に形成されるようになっている。 このキャビティにグラウト材が充填されて基礎材と他の基礎材が接合されると、グラウト材からなる固化体は波状に形成されるので、後で詳しく説明するように、基礎材の内部に作用する最大せん断応力の作用面は複数面に分散される。そうすると最大せん断応力が小さくなって基礎材の破断が防止されることになる。これによって、従来のシアコッタの高さの制約、つまり基礎梁の梁せいの略1/3以下にしなければならない、という制約が不要になる。従って本発明は、シアコッタの高さを自由に選択することができ、接合強度が高い基礎材を提供することができる。他の発明によると、シアコッターは基礎材の高さ方向の略全体にわたって形成されている。これはシアコッターの高さが最も高い場合であるが、このとき最高の接合強度が得られる。そして他の発明によるとシアコッターは、複数個の突起を上下方向に横切る所定の深さの縦溝を備えている。そうするとグラウト材が充填されて固化すると、複数個の突起からなる波状の固化体において、縦溝によって縦方向のリブが形成されることになる。このリブによって捻れにも耐性を備えることになり、さらに接合強度が高くなることが保証される。また他の発明によると、接合部には所定の長さのジョイントレールが設けられ、他の基礎材に同様に設けられているジョイントレールと遊びをもった状態で互いに仮結合されるようになっている。従って、建築現場における基礎の施工が極めて容易になる。また、基礎材は遊びをもった状態で仮結合されるので、グラウト材の注入がし易い。他の発明によると、ジョイントレールは、基礎材と他の基礎材が仮結合されると、基礎材と他の基礎材の高さが揃うようになっているので、高さの調整が容易になるという効果が得られる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本実施の形態に係る基礎材を模式的に示す斜視図で、その(ア)は雌型基礎材を、その(イ)は雄型基礎材をそれぞれ示す斜視図である。
【図2】 本実施の形態に係る基礎材の接合部を拡大して示す図で、その(ア)は雌型基礎材の接合部を、その(イ)は雄型基礎材の接合部を、それぞれ示す斜視図である。
【図3】 互いに接合された2個の本実施の形態に係る基礎材の一部と、これらの接合部のシアコッターにグラウト材が充填された状態を示す断面図である。
【図4】 従来例の雌型基礎材と雄型基礎材とを示す斜視図である。
【図5】 従来例を示す図で、その(ア)は互いに接合された一対の基礎材の一部を示す断面図、その(イ)はシアコッターにグラウト材が充填されて固化した固化体の斜視図、その(ウ)(エ)はそれぞれ固化体のX−X断面とY−Y断面における断面図、その(オ)は互いに接合された一対の基礎材の一部を示す断面図である。
1 雌型基礎材 2 雄型基礎材
4 上面 6 側面
7 端面 8 接合部
10 雌型ジョイントレール 12 スリット
14 シアコッター 15 高さ調整用金具
17 雄型ジョイントレール 19 突起
21 グラウト材
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