(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用する場合、袋は軟質エンクロージャである。袋は1つの開口部を有し;1つ又は複数の物体を袋の内側に置き、次いで開口部を閉じることが可能である。袋がその内部の物体(1つ又は複数)の重量を支えることが可能であることは必要ではない。
【0012】
プラスチック袋は、その組成が袋の重量を基準として50重量%以上のポリマーを含有する袋である。
【0013】
「長方形の」袋は、平面上に袋を置くことが可能であり、一方の層が他方の層の上にある2つの同一の平坦な層として存在するように、またそれらの2つの層の水平における形状が長方形であるように、袋を平らにすることが可能であるような袋である。長方形の袋がそのように置かれる場合、開口部の縁は長方形の一辺を成し;その縁は本明細書において袋の上部として知られる。袋の上部と反対側の縁は本明細書において袋の底部として知られる。袋の「ゾーン」は以下のように決定できる:袋の上部に平行であり袋の底部に平行である仮想線を考える;長方形は仮想線、袋の側部、及び袋の上部によって形成され;その長方形に包含される袋の部分は、袋の両方の層を含めて、本明細書において袋の上部ゾーンとして知られる。第1の仮想線に平行であり第1の仮想線と袋の底部の間に位置しているさらなる仮想線も考えることができる。袋の底部に最も近い仮想線、袋の側部、及び袋の底部により形成される長方形によって包含される袋の部分は、本明細書において底部ゾーンとして知られる。2本の仮想線及び袋の側部によって形成される各長方形は、「中間」ゾーンを包含する。中間ゾーン(もしあれば)及び底部ゾーンは、集合的に下側ゾーンとして知られる。
【0014】
袋が長方形ではない場合、ゾーンは以下のように決定される。袋の開口部は袋を閉じるために互いに寄せ集められる。次いで袋を閉じ部からつるし、自由にぶら下げる。袋の閉じ部と最低の点の間にある仮想水平面を考える。その平面より上の袋の部分が袋の上部ゾーンである。第1の仮想水平面と袋の最低の点の間にあるさらなる仮想水平面も考えることができる。その結果、中間ゾーン、底部ゾーン、及び下側ゾーンが長方形の袋の場合のように決定される。
【0015】
本明細書で使用する「バナナ」とは、例えばバナナ及びプランテーン(plantain)を含めたバショウ(Musa)属の各種を指す。
【0016】
本明細書で使用する「フィルム」とは、1つの寸法(「厚さ」)が他の2つの寸法よりもはるかに小さく比較的均一な厚さを有するポリマーでできている物体である。フィルムは1mm以下の厚さを有する。本明細書で使用するポリマーフィルムは、その組成がフィルムの重量を基準として50重量%以上のポリマーを含有するフィルムである。
【0017】
本明細書で使用する「モノマー」は、重合反応(すなわち、ポリマーを形成するモノマーの間の化学反応)に関与することが可能な1つ又は複数の炭素−炭素二重結合を有する化合物である。本明細書で使用する「オレフィンモノマー」は、モノマーの分子が炭素及び水素の原子のみを含有するモノマーである。本明細書で使用する「極性モノマー」は、モノマーの分子が1つ又は複数の極性基を含有するモノマーである。
【0018】
本明細書で使用する「ポリマー」は、モノマーの反応生成物の繰り返し単位で構成される比較的大きい分子である。ポリマーは、直鎖、分岐、星型、ループ、超分岐、架橋、又はそれらの組合せである構造を有していてもよい;ポリマーは、単一の種類の繰り返し単位を有していてもよく(「ホモポリマー」)、又はポリマーは、1種類を超える種類の繰り返し単位を有していてもよい(「コポリマー」)。コポリマーは、ランダム状、順序通り、ブロック状、他の配置、又はそれらの任意の混合物若しくは組合せで配置された、様々な種類の繰り返し単位を有していてもよい。
【0019】
本明細書で使用する穿孔は、フィルムを貫通する孔である。穿孔のサイズは、マイクロメートル
2若しくはmm
2などの実際の面積の単位でその開口面積によって、又は同じ面積を有する円の直径によって、最も良く表される。穿孔のサイズはいくつかの方法で測定できる。そのような1つの方法は、50×などの既知の倍率の顕微鏡を使用した穿孔のデジタル写真、及び同じ倍率における対物ミクロメーターなどの較正治具の写真を得ることである。ImageJなどのピクセルカウントプログラムを使用して、個々のピクセルのサイズを較正するために較正写真を使用でき、穿孔面積内のピクセル数をカウントするためにImageJソフトウェアを使用できる。別のより直接的な方法は、小さい物体の面積を測定するために特に設計された器具、例えばKeyence Corporation又はMicro−Vuにより販売されるものなどを使用することである。これらのシステムは、楕円パラメーター「a」及び「b」によって表される、穿孔に最も良く適合する楕円を与える。
【0020】
直径500マイクロメートル以下の孔は本明細書において微小穿孔として知られる。複数の微小穿孔を有するフィルムは本明細書において微小穿孔フィルムとして知られる。直径1ミリメートル以上の孔は本明細書において大穿孔(macroperforation)として知られる。複数の大穿孔を有するフィルムは本明細書において大穿孔フィルムとして知られる。
【0021】
複数の穿孔を有するフィルム又はフィルムの一部は、フィルムの単位表面積当たりの穿孔の数である穿孔密度によって特徴づけてもよい。
【0022】
本明細書で使用される場合に、比が「X:1以上」であると言う場合、比がY:1であり、YがX以上であることを意味する。例えば、本明細書において比が「5:1以上」であると述べる場合、その比は例えば、5:1又は6:1又は100:1であってもよいが、例えば、4:1又は0.1:1ではないことを意味する。同様に、比が「W:1以下」であると言う場合、比がZ:1であり、ZがW以下であることを意味する。例えば、本明細書において比が「20:1以下」であると述べる場合、その比は例えば、20:1又は19:1又は1:1であってもよいが、例えば、21:1又は90:1ではないことを意味する。
【0023】
通常の外気以外の雰囲気中で生産物(すなわち、果物又は野菜)を入れるように設計されているエンクロージャを「調整気相包装」(MAP)と呼ぶ。パッシブMAPは、一部の生産物(例えばバナナ)が収穫後に呼吸するという事実を利用する。したがってそのような生産物は、エンクロージャ内に置かれる場合、他のプロセスの間で、酸素を消費し二酸化炭素を生成する。MAPの固体外面を通した拡散、及びMAPの外面に存在していてもよい任意の穿孔を通したガスの通過が、酸素、二酸化炭素、及び場合により他のガス(例えば、水蒸気、若しくはエチレン、又はその両方など)の好ましいレベルを維持するように、MAPを設計することができる。
【0024】
ポリマーフィルムの固有のガス透過性を特徴づけることが有用である。「固有の」とは、穿孔又は他の代替物の非存在下におけるフィルム自体の特性を意味する。業界標準の方法であるO2に関するASTM D3985 、CO2に関するASTM 1434、及びH2Oに関するASTM F1249は、ポリマーフィルムのガス透過性を特徴づけるのに容易に使用できる。
【0025】
本明細書で使用する、シクロプロペン化合物は、式
【0026】
【化1】
を有する任意の化合物であり、式中、各R
1、R
2、R
3、及びR
4は独立に、H並びに置換及び非置換のヒドロカルビル基から成る群から選択される。
【0027】
雰囲気中の物質の濃度は本明細書において、百万体積部の雰囲気当たりの物質の体積部(ppm)として、又は10億体積部の雰囲気当たりの物質の体積部(ppb)として特徴づけられる。
【0028】
本発明はプラスチック袋を含む。好ましくは、袋はバナナのパッシブMAPとして機能することが可能である。
【0029】
好ましくは、プラスチック袋の組成はポリマーフィルムである。好ましいポリマーフィルムは5マイクロメートル以上;より好ましくは10マイクロメート以上;より好ましくは15マイクロメートル以上の平均厚さを有する。好ましいポリマーフィルムは200マイクロメートル以下;より好ましくは100マイクロメートル以下;より好ましくは50マイクロメートル以下の平均厚さを有する。
【0030】
好ましくは、袋の組成は、袋の重量を基準として75重量%以上;より好ましくは85重量%以上;より好ましくは90重量%以上の量でポリマーを含有する。
【0031】
いくつかの適切なポリマー組成物には、例えば、ポリオレフィン、ポリビニル、ポリスチレン、ポリジエン、ポリシロキサン、ポリアミド、塩化ビニリデンポリマー、塩化ビニルポリマー、それらのコポリマー、それらのブレンド、及びそれらの積層物が挙げられる。適切なポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、それらのコポリマー、それらのブレンド、及びそれらの積層物が挙げられる。適切なポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒ポリエチレン、エチレンと極性モノマーとのコポリマー、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、それらのコポリマー、及びそれらのブレンドが挙げられる。適切なポリプロピレンとしては、例えば、ポリプロピレン及び配向ポリプロピレンが挙げられる。いくつかの実施形態において、低密度ポリエチレンが使用される。いくつかの実施形態において、スチレン及びブタジエンのコポリマーが使用される。
【0032】
好ましいポリマー組成物は1つ又は複数のポリオレフィンを含有し;ポリエチレンがより好ましく;メタロセン触媒ポリエチレンがより好ましい。より好ましいポリマー組成物は、1つ又は複数のポリオレフィン、及びオレフィンモノマーと極性モノマーとの1つ又は複数のコポリマーを含有する。好ましい極性基は、ヒドロキシル、チオール、カルボニル、炭素−硫黄二重結合、カルボキシル、スルホン酸、エステル結合、及びそれらの組合せである。オレフィンモノマーと極性モノマーとの適切なコポリマーとしては、例えば、DuPontから入手可能なElvax(商標)樹脂と呼ばれるポリマーが挙げられる。好ましいコポリマーはエチレンと1つ又は複数の極性モノマーとのコポリマーである。好ましい極性モノマーは、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸、メタクリル酸、及びそれらの混合物であり;酢酸ビニルがより好ましい。
【0033】
cm
30Cmil/(m
2日)の単位で、2,000以上;より好ましくは4,000以上;より好ましくは6,000以上の固有の酸素透過係数を有するポリマーフィルムが好ましい。cm
30Cmil/(m
2日)の単位で、50,000以下;より好ましくは25,000以下;より好ましくは15,000以下の固有の酸素透過係数を有するポリマーフィルムが好ましい。
【0034】
cm
30Cmil/(m
2日)の単位で、10,000以上;より好ましくは20,000以上;より好ましくは30,000以上の固有の二酸化炭素透過係数を有するポリマーフィルムが好ましい。cm
30Cmil/(m
2日)の単位で、100,000以下;より好ましくは75,000以下;より好ましくは60,000以下の固有の二酸化炭素透過係数を有するポリマーフィルムが好ましい。
【0035】
穿孔を有するポリマーフィルムが使用される。好ましくは、孔は5マイクロメートル以上;より好ましくは10マイクロメートル以上;より好ましくは20マイクロメートル以上;より好ましくは50マイクロメートル以上;より好ましくは100マイクロメートル以上の平均径を有する。好ましくは、孔は300マイクロメートル以下;より好ましくは200マイクロメートル以下の平均径を有する。
【0036】
穿孔は直線、複数の直線、ランダムなパターン、又はそれらの組合せで配置されていてもよい。穿孔が1つ又は複数の直線で配置されている場合、穿孔の間隔は、直線全体において同じであってもよく、又は直線に沿って様々であってもよい。穿孔が1つ又は複数の直線で配置されている場合、直線は袋の中心及び/若しくは中心付近、袋の縁及び/若しくは縁付近、又はそれらの任意の組合せに位置していてもよい。
【0037】
ポリマーフィルムの孔は任意の方法により作ってもよい。適切な方法としては、例えば、レーザー穿孔、熱針(hot needle)、火炎、低エネルギー放電、及び高エネルギー放電が挙げられる。1つの好ましい方法はレーザー穿孔である。レーザー穿孔を使用する実施形態の中で、レーザー穿孔に良く適しているポリマーフィルムを設計又は選択することが好ましい。すなわち、円形であり予測可能なサイズを有する孔をレーザーが容易に作るように、ポリマーフィルムが設計又は選択される。好ましいレーザーは二酸化炭素レーザーである。異なるポリマーフィルム組成に対して、適切な波長のレーザー光を選択することができる。ポリエチレン及び/又はエチレンと1つ若しくは複数の極性モノマーとのコポリマーを含有するポリマーフィルムについては、波長が10.6マイクロメートルの赤外線を含む赤外線を生成する二酸化炭素レーザーを選択することが好ましい。
【0038】
最初に筒状物を作り、次いで筒状物の一方の端部を封止して袋を形成することにより、袋を作ってもよい。
【0040】
19kgの平均サイズのバナナを
図1に図示されるような形態で入れるのに十分な容量を有する袋(本明細書において「B40」袋と呼ばれる)が好ましい。
【0041】
有孔袋のゾーンを穿孔密度によって特徴づけることが有用であり、穿孔密度は、そのゾーンにおけるすべての穿孔の総面積をそのゾーンの表面積で割ると得られる商である。
【0042】
B40袋の中で、上部ゾーンが、袋の表面積の1m
2当たりの穿孔のmm
2の単位で、2以上;より好ましくは4以上の穿孔密度を有する袋が好ましい。B40袋の中で、上部ゾーンが、袋の表面積の1m
2当たりの穿孔のmm
2の単位で、12以下;より好ましくは10以下の穿孔密度を有する袋が好ましい。
【0043】
B40袋の中で、下側ゾーンの穿孔密度対上部ゾーンの穿孔密度の比が1.01:1以上;より好ましくは1.1:1以上;より好ましくは1.2:1以上である、1つ又は複数の下側ゾーンを有する袋が好ましい。B40袋の中で、下側ゾーンの穿孔密度対上部ゾーンの穿孔密度の比が6:1以下;より好ましくは5:1以下である、1つ又は複数の下側ゾーンを有する袋が好ましい。
【0044】
B40袋の中で、ちょうど2つのゾーンを有する袋が好ましい。2ゾーン袋は、ゾーンを分割する仮想線(又は平面)から袋の底部までの距離に対する、袋の上部からゾーンを分割する仮想線(又は平面)までの距離の比(「分割比」)によって特徴づけてもよい。好ましくは、分割比は1:1以上;より好ましくは1.5:1以上;より好ましくは1.8:1以上である。好ましくは、分割比は3:1以下;より好ましくは2.5:1以下である。
【0045】
200リットル以上;より好ましくは300リットル以上の容量を有するB40袋が好ましい。2,000リットル以下;より好ましくは1,500リットル以下の容量を有する袋が好ましい。
【0046】
本発明のプラスチック袋の好ましい実施形態は、
図2を参照することにより説明できる。好ましくは、袋Lは穿孔の複数の線9、10、11、12、13、及び14を有する。穿孔の線9、10、13、及び14は、袋Lの長さの90%以上にわたって伸び;袋Lの長さは上部7から底部8までの距離である。袋Lは好ましくは、筒状物を底部8から上部7へ(又は上部7から底部8へ)向かう方向に押出及びブローすることにより作られる。押出成形及びフィルムブローイングのプロセスであるために、側部15及び16は閉じている。穿孔の線11及び12は線9、10、13、及び14よりも短い。仮想線17は好ましくは穿孔の線11及び12が終わる場所に引かれる。距離DT対距離DBの比は好ましくは2.5:1〜1.5:1である。
【0047】
好ましい実施形態において、本発明のプラスチック袋は
図1に示すように、以下のように利用される。
【0048】
最初に、19kgの平均サイズのバナナを入れるのに十分に大きい厚紙箱BXを準備する。厚紙箱BXは通気を可能にするための直径20mm以上の複数の孔を有する。クラフト紙ライナーKを箱の中に挿入する;好ましくはクラフト紙ライナーKは、通気を実現するために直径が6mm〜14mmの孔によって大穿孔が施されている。次いで本発明のプラスチック袋Lが箱の中でクラフト紙ライナーKの上に挿入される。次いで、箱BXの長さにわたっている2つのバナナの列(B1及びB2)を箱BXの中央に置く。次いでプラスチック袋Lを、2つのバナナの列B1及びB2の上で箱BXの中央に向かって閉じるように折りたたみ、クラフト紙ライナーKの短手端部を、2つのバナナの列B1及びB2の上で箱BXの中央に向かって閉じるように折りたたむ。クラフト紙ライナーKの長さは好ましくはおよそ90cmであり、好ましくは2つの端部の重なりOLが存在するように配置される。この重なりは輸送中に上層のバナナのスカッフィングを防ぐのに役立つ。次いでプラスチック袋Lをクラフト紙ライナーKの短手端部の上で開いた状態で折りたたむ。次いで、バナナの列T1をプラスチック袋Lの上に置く。次いでクラフト紙ライナーKの長手端部をバナナT1の上部の列のクラウン又は先端の上で閉じるように折りたたみ、プラスチック袋Lをクラフト紙ライナーKの長手側部の上で開いた状態で引っ張る。次いで別のバナナの列T2を、このクラフト紙ライナーの長手側部の上のプラスチック袋Lの上に置く。プラスチック袋LをT1及びT2の上で閉じるように引っ張りねじって閉じ;次いで把持デバイスGを使用して閉鎖を保持する。好ましくは、Gは輪ゴム;テープ閉じ具;又は何らかの他の適切な閉鎖デバイスである。微小穿孔プラスチック袋Lの閉鎖は、バナナの輸送、熟成、及び保存の間、プラスチック袋Lの内部で調整気相(MA)が生じるのを可能にする。
【0049】
クラフトライナーの重なりOLは、ガス移動に対する十分なバリアをもたらすので、1枚の閉じたプラスチック袋Lが箱の中に2つの異なるMAを作り出す;1つのMAは底層のバナナ;B1及びB2におけるものであり;1つのMAは上層のバナナ;T1及びT2におけるものである。
【0050】
本発明のプラスチック袋を使用しなければ、箱の底部及び上部におけるこれらの異なるMAはバナナの熟成の進行及び保存期間に望ましくないほど大きな違いを生じさせる場合がある。本発明のプラスチック袋を使用しなければ、箱の底部のMAにおいて酸素レベルが低すぎる場合にガス移動のバリアは箱の底部のバナナが嫌気性となる原因にもなることがあり、嫌気性になるとバナナを傷める。
【0051】
クラフト紙ライナーKの長さは
図1に示すような長さとして定義される。すなわち、クラフト紙ライナーKの長さは本明細書において、クラフト紙ライナーKの重なった端部の一方から、箱BXの一方の側面を下り、箱BXの底部を横切り、箱BXの他方の側面を上がり、クラフト紙ライナーKの重なった端部の他方までの、クラフト紙ライナーKに沿った距離であると解釈される。
【0052】
箱BXの底部及び箱BXの上部において、プラスチック袋Lの長さは異なっていてもよい。箱BXの底部における袋Lの長さは、
図1に示すように袋Lがクラフト紙ライナーKに隣接している場合、プラスチック袋Lの表面に沿って引かれた仮想線の長さであると解釈される。好ましくは、クラフト紙ライナーKの長さに対する、箱BXの底部におけるプラスチック袋Lの長さの比は、0.5:1以上;より好ましくは0.75:1以上;より好ましくは0.9:1以上である。好ましくは、クラフト紙ライナーKの長さに対する、箱BXの底部におけるプラスチック袋Lの長さの比は、2:1以下;より好ましくは1.3:1以下;より好ましくは1.1:1以下である。
【0053】
好ましくは、プラスチック袋Lは
図2に示すように箱BXの底部におけるプラスチック袋Lの長さが2*DBであるように使用される。
【0054】
バナナの列T1及びT2を入れるプラスチック袋Lの部分を考えることが有用であり;この部分は本明細書においてプラスチック袋Lの「上部エンクロージャ」として知られる。例えば、
図1において、プラスチック袋Lの上部エンクロージャは、バナナの列T1及びT2を取り囲むプラスチック袋Lの部分である。上部エンクロージャは、把持部Gによって閉じられているプラスチック袋Lの部分と、バナナの列B1及びB2の上並びにバナナの列T1及びT2の下にある折りたたみ部分に関与するプラスチック袋Lの部分との間の、プラスチック袋Lの部分である。
【0055】
バナナの列B1及びB2を入れるプラスチック袋Lの部分を考えることも有用であり;この部分は本明細書においてプラスチック袋Lの「底部エンクロージャ」として知られる。例えば、
図1において、プラスチック袋Lの底部エンクロージャは、バナナの列B1及びB2を取り囲むプラスチック袋Lの部分である。底部エンクロージャは、プラスチック袋Lの底部8と、バナナの列B1及びB2の上並びにバナナの列T1及びT2の下にある折りたたみ部分に関与するプラスチック袋Lの部分との間の、プラスチック袋Lの部分である。
【0056】
プラスチック袋Lの上部エンクロージャの表面積は本明細書においてATOPとして知られる。プラスチック袋Lの底部エンクロージャの表面積は本明細書においてABOTとして知られる。好ましくは、ATOP対ABOTの比は3:1以下;より好ましくは2.5:1以下である。好ましくは、ATOP対ABOTの比は1:1以上;より好ましくは1.2:1以上である。
【0057】
好ましくは、プラスチック袋Lの上部エンクロージャ内に入っているバナナの重量、対プラスチック袋Lの底部エンクロージャ内に入っているバナナの重量の比(すなわち、B1プラスB2の重量に対するT1プラスT2の重量の比)は0.6:1以上;より好ましくは0.8:1以上である。好ましくは、プラスチック袋Lの上部エンクロージャ内に入っているバナナの重量、対プラスチック袋Lの底部エンクロージャ内に入っているバナナの重量の比は、3:1以下;より好ましくは2:1以下;より好ましくは1.5:1以下である。
【0058】
好ましくは、
図1に示すバナナの列B1及びB2を入れるプラスチック袋Lの部分は、プラスチック袋Lの底部ゾーンである。すなわち、好ましくは
図2に示す底部8と穿孔の短い線11及び12の最高点に引かれる線17との間の袋Lの部分は、プラスチック袋Lの底部エンクロージャを成す。好ましくは、
図1に示すバナナの列T1及びT2を入れるプラスチック袋Lの部分は、プラスチック袋Lの上部ゾーンである。すなわち、好ましくは
図2に示す上部7と穿孔の短い線11及び12の最高点に引かれる線17との間の袋Lの部分は、プラスチック袋Lの上部エンクロージャを成し、一方上部7の付近のプラスチック袋Lの小さい部分は、閉鎖デバイスGの下で互いに寄せ集められることが想定される。
【0059】
好ましくは、クラフト紙ライナーKは穿孔が施されている。好ましくは、クラフト紙ライナーKの穿孔は、箱BXの底部にあるクラフト紙ライナーKの部分、バナナの底部の列B2とバナナの上部の列T2との間に置かれているクラフト紙ライナーKの部分並びにバナナの底部の列B1とバナナの上部の列T1との間に置かれているクラフト紙ライナーKの部分の両方に位置している。
【0060】
好ましくは、クラフト紙ライナーの穿孔は、0.5cm以上;より好ましくは1cm以上の平均径を有する。好ましくは、クラフト紙ライナーの穿孔は、30cm以下;より好ましくは10cm以下;より好ましくは3cm以下の平均径を有する。
【0061】
バナナの底部の列B2とバナナの上部の列T2との間に置かれているクラフト紙ライナーKの部分に位置しているクラフト紙ライナーKの孔の数に、バナナの底部の列B1とバナナの上部の列T1との間に置かれているクラフト紙ライナーKの部分に位置しているクラフト紙ライナーKの孔の数を加えた和は、本明細書において「NSIDES」として知られる。好ましくは、NSIDESは10以上であり;より好ましくは20以上であり;より好ましくは35以上である。好ましくは、NSIDESは600以下であり;より好ましくは500以下である。
【0062】
クラフト紙ライナーの長さを短くすること;通気孔をクラフト紙ライナーに加えること;又はクラフト紙ライナーの縁に円形の切り込みを加えることも、ガスの流れの制約を減らす又はバナナの底層と上層との間に「煙突」を作ることによって、箱BXの底部と上部との間でガス環境を等しくすることに役立つ場合があると考えられる。
【0063】
図1は好ましい実施形態を図示しており、他の実施形態も想定される。例えば、バナナ以外の生産物の使用が想定される。好ましくは生産物は果物及び野菜から選択される。生産物はクライマクテリック又は非クライマクテリックであってもよい。非クライマクテリックの生産物の中で、アスパラガス、ブロッコリ、芽キャベツ、オクラ、葉物野菜、生のエンドウ豆、及びスイートコーンが好ましい。クライマクテリックの生産物が好ましい。好ましいクライマクテリックの生産物は、バナナ、アボカド、及びメロンであり、バナナがより好ましい。
【0064】
さらに、クラフト紙ライナーKを使用しない実施形態が想定される。箱BXを使用しない実施形態も想定される。バナナ以外の生産物を使用する実施形態が想定される。さらに、
図1に示す配置とは異なって生産物が配置される実施形態が想定される。少なくとも2つの生産物の層があり、プラスチック袋Lの一部が生産物の層の間に存在している生産物の配置が好ましい。
【0065】
クラフト紙ライナーKを使用せずプラスチック袋Lを折りたたまない実施形態(本明細書において「非折りたたみ」実施形態と呼ばれる)も想定される。非折りたたみ実施形態において、生産物の別々の層の間に袋材料の層が存在しない。非折りたたみ実施形態において、プラスチック袋Lの上部分と比較して、プラスチック袋Lの底部分の比較的大きい割合の表面積が箱BXの側部及び/又は底部と接触していてもよい;したがって、箱BXとプラスチック袋Lの底部分との接触は、箱BXとプラスチック袋Lの上部分との接触よりも、プラスチック袋Lの内外のガス輸送を制限し得る。したがって、プラスチック袋Lが非折りたたみ実施形態において有益性をもたらすことになることを意図している。非折りたたみ実施形態は、バナナ以外の生産物に使用することを意図している。
【0066】
本発明のプラスチック袋内のバナナの総量が4kg以上;より好ましくは10kg以上;より好ましくは15kg以上である実施形態が好ましい。本発明のプラスチック袋内のバナナの総量が30kg以下;より好ましくは25kg以下;より好ましくは22kg以下である実施形態が好ましい。
【0067】
バナナが入る本発明のプラスチック袋の部分を、袋のその部分にある孔の総面積(例えば、平方ミリメートルの単位)をプラスチック袋のその部分に入っているバナナの質量(例えば、キログラムの単位)で割ったものとして定義される、バナナ固有穿孔によって特徴づけることが有用である。
【0068】
バナナが入る本発明のプラスチック袋の上部エンクロージャの好ましいバナナ固有穿孔は0.025mm
2/kg以上;より好ましくは0.05mm
2/kg以上;より好ましくは0.075mm
2/kg以上である。バナナが入る本発明のプラスチック袋の上部エンクロージャの好ましいバナナ固有穿孔は3mm
2/kg以下;より好ましくは2.5mm
2/kg以下;より好ましくは2mm
2/kg以下である。
【0069】
好ましくは、バナナが入る本発明のプラスチック袋において、底部エンクロージャのバナナ固有穿孔対上部エンクロージャのバナナ固有穿孔の比は6:1以下;より好ましくは5:1以下;より好ましくは4:1以下である。好ましくは、バナナが入る本発明のプラスチック袋において、底部エンクロージャのバナナ固有穿孔対上部エンクロージャのバナナ固有穿孔の比は0.3:1以上;より好ましくは0.4:1以上;より好ましくは0.6:1以上である。
【0070】
いくつかの実施形態において、バナナを収穫し直ちに本発明の袋の中に置く。好ましい実施形態において、収穫から本発明の袋の中に置くまでの時間は14日以下、より好ましくは7日以下、より好ましくは2日以下である。好ましい実施形態において、収穫したバナナを輸送前に本発明の袋の中に置き、収穫したバナナは輸送の間本発明の袋の中にとどまる。いくつかの実施形態において、バナナは意図する消費者への販売場所に近い目的地へ輸送される。本明細書で使用する「消費者への販売場所に近い」とは、トラック又は他の陸上輸送によって5日以内でバナナを消費者への販売場所へ輸送することが可能である場所を意味する。
【0071】
いくつかの実施形態において、梱包の時点で、手持ち型真空ポンプを使用して空気をボイド領域から吸い出し、次いでパッシブMAPの発生を助けるためにすぐに封止することができる。あるいは、いくつかの実施形態において、長期の輸送及び保存の間、袋をアクティブMAPとしても知られる所定の雰囲気組成にさらす又は制御雰囲気(CA)条件下で保持することもできる。アクティブMAP又はCAにおいて一般的に使用される雰囲気は、雰囲気の重量を基準としてO
2が3〜5重量%、CO
2が3〜5重量%である。
【0072】
いくつかの有用なカテゴリーの生産物を定義することができる。本明細書において定義される、「低温に弱い」生産物は、12℃以下の温度に長時間曝露されると望ましい品質を失う生産物である。例えば、バナナ及びいくつかの他の熱帯産品は低温に弱い。本明細書において定義される、「EE」生産物は、外生エチレンに曝露されるまで望ましい熟成をしない生産物である。例えば、通常の収穫時に緑色のバナナはEE生産物である。本明細書において定義される、「HT」生産物は、10℃未満で保存される限りは望ましい熟成をせず通常は20℃以上のより高い温度に曝露した後で熟成する生産物である。例えば、アボカド及びマンゴーはHT生産物である。
【0073】
好ましくは、生産物を入れた本発明のプラスチック袋は比較的長期間、好ましくは低温で保存される。そのような保存は、例えばある場所から別の場所への生産物の輸送の間に行ってもよい。好ましくは、生産物を入れた本発明のプラスチック袋は、7日以上;より好ましくは10日以上保存される。好ましくは、生産物を入れた本発明のプラスチック袋は、20日以下保存される。好ましくは、低温に弱い生産物を入れた本発明のプラスチック袋は、13℃以上の温度で保存される。好ましくは、生産物を入れた本発明のプラスチック袋は、20℃以下;より好ましくは15℃以下の温度で保存される。
【0074】
好ましくは、EE生産物を入れた本発明のプラスチック袋を、エチレンを含有する雰囲気に曝露する。エチレンへの曝露を行うのに好ましい温度は13.5℃以上;より好ましくは14℃以上である。エチレンへの曝露を行うのに好ましい温度は18.3℃以下である。
【0075】
EE生産物を入れた本発明のプラスチック袋をエチレンに曝露する好ましい方法では、生産物を入れた本発明の袋を、エチレンの分子を含有する雰囲気に曝露する。雰囲気中のエチレンの好ましい濃度は20ppm以上;より好ましくは50ppm以上;より好ましくは100ppm以上である。雰囲気中のエチレンの好ましい濃度は1,000ppm以下;又は500ppm以下;又は300ppm以下である。
【0076】
EE生産物を入れた本発明のプラスチック袋を、エチレンを含有する雰囲気に曝露する好ましい時間は8時間以上;より好ましくは16時間以上;より好ましくは20時間以上である。EE生産物を入れた本発明のプラスチック袋をエチレンを含有する雰囲気に曝露する好ましい時間は48時間以下;より好ましくは36時間以下;より好ましくは24時間以下である。
【0077】
HT生産物を使用する実施形態の中で、小売店へ卸す直前まで生産物を15℃未満に維持することが好ましく、小売店へ卸す時点では生産物は好ましくは20〜22℃で24〜48時間保たれる。
【0078】
好ましくは、生産物を入れた本発明のプラスチック袋を、1つ又は複数のシクロプロペン化合物に曝露する。好ましいシクロプロペン化合物において、R
2、R
3、及びR
4は水素である。好ましくは、R
1は置換又は非置換のC1〜C8アルキル基であり;より好ましくはR
1はメチルである。好ましくは、生産物を入れた本発明の袋を、1つ又は複数のシクロプロペン化合物のガス状分子を含有する雰囲気に曝露する。好ましくは、シクロプロペン化合物の濃度は0.5ppb以上であり;より好ましくは1ppb以上であり;より好ましくは10ppb以上であり;より好ましくは100ppb以上である。好ましくは、シクロプロペン化合物の濃度は100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、より好ましくは10ppm以下、より好ましくは5ppm以下である。
【0079】
シクロプロペン化合物への曝露を行うのに好ましい温度は8℃以上;より好ましくは11℃以上である。シクロプロペン化合物への曝露を行うのに好ましい温度は18.3℃以下である。
【0080】
生産物を入れた本発明のプラスチック袋を、シクロプロペン化合物を含有する雰囲気に曝露する好ましい時間は4時間以上;より好ましくは8時間以上;より好ましくは10時間以上である。生産物を入れた本発明のプラスチック袋を、シクロプロペン化合物を含有する雰囲気に曝露する好ましい時間は24時間以下;より好ましくは18時間以下である。
【0081】
好ましくは、バナナが7段階スケールで2.5〜3.5の評価である皮の色を有する場合、バナナを入れた本発明のプラスチック袋を、シクロプロペン化合物を含有する雰囲気に曝露する。7段階スケールは以下のように説明される:
【0082】
7段階評価スケールに従いバナナの皮の色を評価する:段階1(暗緑色);段階2(全体が薄緑色);段階3(半分が緑色で半分が黄色);段階4(緑色より黄色に近い);段階5(先端及び首が緑色);段階6(全体が黄色;首は薄緑色でもよく、先端は緑色ではない);段階7(茶色の斑点のある黄色)。消費者は一般に段階5又は段階6でバナナを食べるのを好む。
【実施例】
【0083】
以下は本発明の実施例である。
【0084】
Pac Check(商標)325(Mocon,Inc.)又は同等の装置を使用して酸素濃度を測定した。
【0085】
Pac Check(商標)325(Mocon,Inc.)又は同等の装置を使用して二酸化炭素濃度を測定した。
【0086】
Micro−Vu Corporationの目視装置を使用して、最も良く適合する楕円の軸を使用し、次いで楕円の面積を計算し、次いで同じ直径を有する円の直径を計算して、穿孔径を測定した。
【0087】
以下の略称を使用する:
P’O2=cm
30Cmil/(m
2日)の単位における酸素透過係数
P’CO2=cm
30Cmil/(m
2日)の単位における二酸化炭素透過係数
Bottom=袋の底部45.7cm(18インチ)
Top=袋の上部91.4cm(36インチ)
PE=ELITE(商標)5400Gエンハンスドポリエチレン樹脂(Dow Chemical Co.)
EVA=EB502AAエチレン/酢酸ビニルコポリマー(Westlake Chemical Co.)
Slip=Ampacet 101797
Anti−Block=Ampacet 10063
P−面積=穿孔の総面積(mm2)
S−面積=袋のその部分の表面積(m2)
P−密度=P−面積をS−面積で割ったもの(mm2毎m2)
P−比=底部のP−密度対上部のP−密度
Av=平均
【0088】
比較例C1〜C4:国内向け包装の単室型袋
比較例C1及び比較例C2の単層フィルムは、従来の上向きブローンフィルム(upward blown film)ラインで直径94cm(37インチ)の筒状物を押出することにより製造された。比較例C3及び比較例C4の単層フィルムは、従来の上向きブローンフィルムラインで直径99.7cm(39.25インチ)の筒状物を押出することにより製造された。フィルムの組成及びフィルムの特性を表1A及び1Bに示す。フィルムライン上で筒状フィルムを封止し切り取りのための切り込み線を入れて、ロール上で袋を製造した。ビーム圧縮レーザー穿孔システムを使用して以下のように表2Aで詳細に示すように筒状フィルムに穿孔を施した。
【0089】
比較例C1〜C4において、各袋は
図2の線9、10、13、及び14と同様の4本の穿孔の線を有していた。すべての穿孔の線は袋の長さにわたっており;
図2の線11及び12と同様の省略された穿孔の線はなかった。比較例C1及びC2において、袋の左側部から穿孔の各線までの距離は3.8cm、45.7cm、83.8cm、及び89.9cmであった。比較例C3及びC4において、袋の左側部から穿孔の各線までの距離は4.1cm、50.5cm、92.1cm、及び96.4cmであった。
【0090】
表2Bにおいて、穿孔面積はmm
2の単位であり;底部については45.7cm(18インチ)の袋の長さ、上部については91.4cm(36インチ)の袋の長さとする。
【0091】
図1に示すように従来の方法で、グアテマラで有孔袋を使用してバナナを包装し、熟成のため米国に輸送した。バナナを以下のように熟成させた。示される温度は果肉温度である;必要に応じて、バナナにおいて生じる呼吸にかかわらず果肉温度が所望の温度のままであるように、サーモスタットを下げた。
0日目:17.8℃(64°F)、通常の空気中
1日目:17.8℃(64°F)、200ppmのエチレン、24時間
2日目:17.8℃(64°F)、部屋を30分間換気し、次いで再度封止した。
3日目:17.8℃(58°F)
4日目:14.4℃(58°F)
5日目:14.4℃(58°F)
【0092】
袋の中のままで、次いでバナナを1−メチルシクロプロペン(1−MCP)で5日目に以下のように処理した。内部にバナナがある袋を13.3℃(56°F)の密閉空間内に置き、その空間内に十分な1−MCPを放出して1000ppbの濃度とした。空間を密閉したままで、13.3℃で12時間保持した。次いでバナナを熟成室から取り出し、21.7℃(71°F)で保存した。袋の底部分及び上部分のガス雰囲気を1−MCP処理後の2日目、3日目、及び4日目に測定し、結果を表3に示す。
【0093】
袋の雰囲気中の望ましい酸素濃度は5.5%〜11.5重量%であった。比較例C1〜C4における袋の底部の酸素濃度は許容できないほど低かった。また、比較例C3及びC4ではバナナの味に嫌気性の特徴があった。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【0098】
【表5】
【0099】
本発明の実施例1〜4
国内向け包装の二室型袋
本発明の実施例1から本発明の実施例4の単層フィルムは、従来のフィルムラインで直径99.7cm(39.25インチ)の筒状物を押出することにより製造された。フィルムの組成及びフィルムの特性を表4A及び4Bに示す。フィルムライン上で筒状フィルムを封止し切り取りのための切り込み線を入れて、ロール上で袋を製造した。ビーム圧縮レーザー穿孔システムを使用して、表5A及び5Bで詳細に示すように
図2に示すパターンで筒状フィルムに穿孔を施した。距離は以下の通りであった:
【0100】
【表6】
【0101】
表5において、穿孔面積はmm
2の単位であり;底部については45.7cm(18インチ)の袋の長さ、上部については91.4cm(36インチ)の袋の長さとする。袋上の目玉模様及び穿孔装置の目玉模様読み取り機を使用して、袋の底部にある短いレーンの穿孔を所定位置に施した。
図1に示すように従来の方法で、グアテマラで有孔袋を使用してバナナを包装し、熟成のため米国に輸送した。上記のような従来の5日の熟成サイクルを使用してバナナを熟成させ、次いで上記のように5日目に1000ppbの1−MCPで処理した。次いでバナナを熟成室から取り出し、21.7℃(71°F)で保存した。袋の底部分及び上部分のガス雰囲気を1−MCP処理後の2日目、3日目、及び4日目に測定し、結果を表6に示す。
【0102】
バナナ袋の底部45.7cm(18インチ)における酸素濃度は、望ましい目標値である5.5%以上を上回り、一方バナナ袋の上部91.4cm(36インチ)における酸素濃度は11.5%以下の目標値以内である。
【0103】
【表7】
【0104】
【表8】
【0105】
【表9】
【0106】
【表10】
【0107】
【表11】