特許第6340023号(P6340023)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6340023
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】止血器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/132 20060101AFI20180528BHJP
【FI】
   A61B17/132
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-35169(P2016-35169)
(22)【出願日】2016年2月26日
(65)【公開番号】特開2017-148356(P2017-148356A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2017年5月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】596183321
【氏名又は名称】メディキット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】中島 弘明
(72)【発明者】
【氏名】田中 保臣
【審査官】 吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/179830(WO,A1)
【文献】 特開2000−253909(JP,A)
【文献】 特開2007−260293(JP,A)
【文献】 特開2011−147606(JP,A)
【文献】 特開平08−140990(JP,A)
【文献】 特開2003−220066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/132
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕を圧迫して止血することに利用可能な止血器であって、
第1の方向に沿って互いに接近することにより前記腕を挟む第1および第2の顎部と、
前記第1および第2の顎部を前記第1の方向に沿って直線的に可動なように支持する支持部と、
前記第1および第2の顎部の少なくとも一に結合して前記第1および第2の顎部を互いに引き離すべく付勢力を付与する弾性体と、
前記付勢力に抗して前記第1および第2の顎部を任意の位置に一時的に留めるラチェット機構と、
前記ラチェット機構を解除するボタンと、
それぞれ前記第1および第2の顎部に脱着可能に結合し、または一体的に固定され、それぞれ第2の方向に延びて前記腕を挟むべく寸法付けられた第1および第2の嘴部と、
を備えた止血器であって、
前記第1の顎部を前記第2の顎部に対して対称的に前記第1の方向に沿って動かすギア機構を、
さらに備え、
前記ギア機構は、前記支持部に回転可能に支持されたピニオンと、それぞれ前記第1および第2の顎部から前記第1の方向に延びて前記ピニオンに噛合するラックと、を備え、
前記ラチェット機構は、前記ピニオンまたは前記ラックに形成されたラチェット歯と、前記ラチェット歯に係合するべく前記ボタンから突出した爪と、を備える、止血器。
【請求項2】
請求項1の止血器であって、
前記第1または第2の嘴部は、前記腕に接する部分にパッドを備える、止血器。
【請求項3】
請求項の止血器であって、
前記パッドは、ゴム、エラストマ、ウレタンフォームの何れか一以上よりなる、止血器。
【請求項4】
請求項またはの止血器であって、
前記パッドは、前記腕の特定の箇所を圧迫するべく一以上の突起を備える、止血器。
【請求項5】
請求項ないしの何れか1項の止血器であって、
前記パッドは取り外し可能である、止血器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療行為に伴う一時的な止血に利用される止血器に関する。
【背景技術】
【0002】
採血、注射、輸血、あるいは輸液等を行う目的で、患者の例えば腕を圧迫し、一時的に止血を行うことがある。かかる止血は、典型的には、止血バンドと呼ばれるゴム等よりなるバンドを腕に巻き、適宜に絞めた上で留め具でこれを固定することによる。止血バンドの締め具合が不足すれば止血は不十分になり、行き過ぎれば患者に苦痛を与えかねないが、締め具合は医療技術者個々の勘に依存している。
【0003】
止血において多くの場合、特定の血管のみを圧迫すれば事足りるが、止血バンドは腕の全周を圧迫する点で合理的とは言えない。また締め具合の調整も容易かつ簡便とは言えない。かかる欠点を克服するべく幾つかの提案がなされている。特許文献1ないし3は、関連する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61−82609号公報
【特許文献2】特開2004−267629号公報
【特許文献3】特開2009−148484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
長時間の止血、特に止血バンドのごとく腕の全周を圧迫することによる止血は、腕の血流を阻害して好ましくない結果をもたらす。それゆえ必要な処置を終えたならば速やかに圧迫を解除する必要がある。その一方、圧迫を解除する段になっても、処置によっては注射針やカテーテル等の医療器具を一方の手で保持し続ける必要があり、あるいはその操作を継続する必要がある。それゆえ圧迫の解除は残る他方の手のみで行わねばならない。従来の止血バンドあるいは止血クランプは、片手で圧迫を解除するには必ずしも簡便なものではない。また注射針やカテーテル等の医療器具が患者の腕に穿刺されたままの場合、解除に手間取れば患者に相応の苦痛ないし不快感を与えかねない。特に解除の際に腕に振動、衝撃ないし力が加わることは問題である。
【0006】
また例えば一対のアームが支点を中心に回動して腕を挟む形式の止血クランプにおいては、これらのアームが及ぼす圧迫力は必然的に互いにオフセットを有する。かかるオフセットのために、特に腕の太い患者の場合に、圧迫力を加えるに従って止血クランプがずれてしまいがちである。これは目的の血管をピンポイントに圧迫することを困難にする。従って回動によらずに、直線的に圧迫力を発生し得る器具が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上述の課題の発見に基づいて為されたものである。本発明の一局面によれば、腕を圧迫して止血することに利用可能な止血器は、第1の方向に沿って互いに接近することにより前記腕を挟む第1および第2の顎部と、前記第1および第2の顎部を前記第1の方向に沿って直線的に可動なように支持する支持部と、前記第1および第2の顎部の少なくとも一に結合して前記第1および第2の顎部を互いに引き離すべく付勢力を付与する弾性体と、前記付勢力に抗して前記第1および第2の顎部を任意の位置に一時的に留めるラチェット機構と、前記ラチェット機構を解除するボタンと、それぞれ前記第1および第2の顎部に脱着可能に結合し、または一体的に固定され、それぞれ第2の方向に延びて前記腕を挟むべく寸法付けられた第1および第2の嘴部と、を備え、前記第1の顎部を前記第2の顎部に対して対称的に前記第1の方向に沿って動かすギア機構を、さらに備え、前記ギア機構は、前記支持部に回転可能に支持されたピニオンと、それぞれ前記第1および第2の顎部から前記第1の方向に延びて前記ピニオンに噛合するラックと、を備え、前記ラチェット機構は、前記ピニオンまたは前記ラックに形成されたラチェット歯と、前記ラチェット歯に係合するべく前記ボタンから突出した爪と、を備える。
【0008】
好ましくは、止血器において、前記第1または第2の嘴部は、前記腕に接する部分にパッドを備える。さらに好ましくは、止血器において、前記パッドは、ゴム、エラストマ、ウレタンフォームの何れか一以上よりなる。あるいは好ましくは、止血器において、前記パッドは、前記腕の特定の箇所を圧迫するべく一以上の突起を備える。また好ましくは、止血器において、前記パッドは取り外し可能である。
【発明の効果】
【0009】
目的の血管を正確に圧迫してずれにくく、且つ簡便に圧迫を解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施形態による止血器の立面図である。
図2図2は、止血器の一部を切断してその内部を見せる立面図である。
図3図3は、止血器の内部のラックアンドピニオン機構であって、図1の矢印IIIから見た側面図である。
図4図4は、止血器の内部のラチェット機構であって、図1の矢印IVから見た側面図である。
図5図5は、図4と同じ方向から見た止血器の内部の側面図であって、両顎部を閉じた状態を示す。
図6図6は、図4と同じ方向から見た止血器の内部の側面図であって、ボタンを押してラチェット機構を解除した状態を示す。
図7図7は、止血器を手に持った態様を表す斜視図である。
図8図8は、患者の腕を止血器により圧迫した態様を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面を参照して以下に本発明の幾つかの例示的な実施形態を説明する。
【0012】
図8を参照するに、本実施形態による止血器は、上顎部1と下顎部3とで腕43を挟むことによりこれを圧迫し、以って止血に利用することができる。以下の説明および特許請求の範囲を通じて、止血器の縦方向を第1の方向X、横方向を第2の方向Y、腕43に沿う方向を第3の方向Zとする。方向X,Y,Zは互いに直交するものと理解し得るが、実施形態は必ずしもこれに限られない。また説明の便宜のために第1の方向Xに沿って上下を区別するが、実施形態は必ずしもこれに限られない。
【0013】
図1を参照するに、上下の顎部1,3が第1の方向Xに沿って互いに接近することにより腕43を挟む。上下顎部1,3がそれぞれ直接に腕43を挟むよう第2の方向Yに延びていてもよいし、図示のごとく腕を挟むための上下嘴部11,13を備えてもよい。
【0014】
上下嘴部11,13は、それぞれ上下顎部1,3に一体的に固定されていてもよく、あるいはこれらから脱着可能であってもよい。さらにあるいは、例えば上下嘴部11,13が溝ないしレールを備え、上下顎部1,3がこれに係合する爪を備え、以って上下嘴部11,13が上下顎部1,3に対して可動であってもよい。溝ないしレールは第1の方向Xに向けられたものでもよく、その場合には、例えば上下嘴部11,13を上下に移動して圧迫力を微調整することができる。また溝ないしレールは第2の方向Yに向けられたものでもよく、その場合には例えば左右に動くことで患者の腕43の太さに対する微調整の用途に利用できる。もちろん第3の方向Zに向けられていてもよい。
【0015】
上下嘴部11,13はそれぞれ一本のみであってもよいが、その一方あるいは両方が二本以上であってもよい。例えば一の嘴部を静脈に、他の嘴部を動脈に対応せしめ、両方の血流を同時に停止することができる。
【0016】
上下顎部1,3あるいは上下嘴部11,13は、真直でもよいが、図示のごとく腕を包み込むように適宜に湾曲していてもよい。上下顎部1,3あるいは上下嘴部11,13は、好ましくは、腕に接する部分にさらにパッドを備えてもよい。かかるパッドは腕に沿って湾曲していてもよく、その場合には上下顎部1,3は真直であってもよい。
【0017】
かかるパッドは、上下顎部1,3あるいは上下嘴部11,13よりも隆起していてもよい。かかる隆起は、特に腕の細い患者に対応するに十分な高さにすることができる。また、かかるパッドないし隆起部分は、取り外し可能であってもよい。
【0018】
さらにまた、上下顎部1,3あるいは上下嘴部11,13あるいはこれらが備えるパッドは、腕の特定の箇所を圧迫するべく一以上の突起を備えてもよい。例えば目標とする静脈に接する部位に、適当な大きさの突起を備えていれば、より確実に、あるいはより小さな圧迫力で、静脈の血流を停止することができる。言うまでもなく突起は二以上であってもよく、例えば一の突起を静脈に対応せしめ、他の突起を動脈に対応せしめることができる。
【0019】
これらは樹脂のごとき適当な素材よりなり、剛直であってもよいが、適宜に可撓性を有してもよい。かかる可撓性は過大な圧迫力が腕に印加されるのを防止するに有利である。これに代えて、あるいは加えて、圧迫力が過大になったときにこれらは外れ、あるいは折れ、あるいは回動するようになっていてもよい。
【0020】
あるいはまた、これらの素材に代えて、ゴム、エラストマ、ウレタンフォームのごとき柔軟な素材が利用できる。これらの柔軟な素材は、腕へのフィット感を向上し、あるいは止血器がずれることを防止することに役立つ。もちろん部位により異なる素材を適用してもよく、例えば上下嘴部11,13は硬質な樹脂よりなり、パッドはエラストマよりなるものでもよい。
【0021】
図1に組み合わせて図2ないし4を参照するに、支持部5が上下の顎部1,3を支持する。支持部5は箱型であってその上下端に開口を有するケース9を備え、上下顎部1,3から第1の方向Xにそれぞれ延びたラック21,23がケース9に嵌入することによりこれに支持される。ラック21,23はそれぞれケース9の開口の縁あるいはその内部構造に案内され、以って上下の顎部1,3が第1の方向Xに沿って直線的に移動しうる。ボタン7は圧迫を解除するためのトリガであるが、詳しくは後述する。
【0022】
図2に最もよく示されている通り、上下の顎部1,3を付勢するべく、コイルばね19のごとき弾性体がケース9内に収容される。図示の例では下顎部3から延びる下ラック23が一体的にピン29を備え、ケース9の内面から突出するピン31との間にばね19が介装されている。これに代えて、あるいは加えて、上顎部1から延びる上ラック21にばね19が結合していてもよい。
【0023】
ここで特に注意を要するが、図2においてばね19は引き伸ばされた状態であって、縮む方向に付勢力をラック23に及ぼすことにより、上下の顎部1,3を互いに引き離す方向に付勢する。もちろん縮むのに代えて、弾発して伸長することにより上下の顎部1,3を互いに引き離す方向に付勢する構成であってもよい。
【0024】
止血器は上下の顎部1,3をケース9に対して対称的に動かすギア機構を備えてもよい。図3はその一例であるラックアンドピニオン機構17であって、ラック21,23と、ピニオン25と、よりなる。ピニオン25は、ケース9からその内部に突出した軸受けに回転可能に支持されるが、あるいは軸受けは無くてもよい。ピニオン25はギア歯27を備え、ラック21,23はこれに対応するようにラック歯21T,23Tを備え、ラック21,23がピニオン25を挟むように互いに噛合し、以って上下の顎部1,3は対称的に動く。もちろんギア機構には、ラックアンドピニオン機構に限らず、他の適宜の機構を利用することができる。
【0025】
上述のごときギア機構を備えるときには、一のばね19のみにより上下の顎部1,3の両方に付勢力が及ぶ。既に述べた通り、これらの両方にばねが結合して両方に付勢力を与える構成であってもよく、あるいはこれらの何れか一方のみにばねが結合していてもよい。上下の顎部1,3に付勢力が与えられれば、これらはボタン7の操作と共に、同時に腕から離れる。これは、腕に振動、衝撃ないし力が加わらない点で有利である。
【0026】
また上述のごときギア機構なしに、上下の顎部1,3の何れか一方のみが駆動される構成であってもよく、かかる構成は構造が簡便になる点で有利である。
【0027】
ラック21,23は、それぞれその可動方向に延びたスロット21S,23Sを備えてもよく、図5,6に示すごとく、これらはケース9からその内部に突出したコラム33に摺動可能に嵌合してもよい。これはラック21,23を直線的に案内するに役立つ。
【0028】
止血器は、ばね19による付勢力に抗して上下の顎部1,3を任意の位置に一時的に留めるラチェット機構15を備える。ラチェット機構15は、例えば図4に示すごとく、ピニオン25の裏側が備えるラチェット歯35と、ボタン7が備える爪37と、よりなる。ピニオン25に代えてラック21,23の何れかがラチェット歯35を備えてもよい。爪37がラチェット歯35に係合することにより、上下の顎部1,3を任意の位置に一時的に留める。
【0029】
あるいはラチェット歯と爪との組み合わせに代えて、摩擦により顎部1,3を留める機構(トゥースレスラチェット機構)を利用してもよい。前者ではラチェット歯に応じた飛び飛びの位置にしか顎部1,3を留められないが、摩擦によるラチェット機構では無段階な停止が可能である。
【0030】
ボタン7は、図1に最もよく示されているごとく、ケース9の外にその頭部をのぞかせており、これを指等で押すことによりラチェット機構15の係合を解除することができる。図1,4の例ではボタン7はラック21,23に直交する向きに押されるが、他の方向に可動であってもよい。
【0031】
指等を離したときにボタン7を係合位置に戻すべく、戻りばね39がケース9とボタン7との間に介在していてもよい。あるいはボタン7またはケース9の一部がそのような弾性を有してもよい。
【0032】
図5,6に組み合わせて図7,8を参照して本実施形態による止血器の動作を説明する。
【0033】
図7より理解される通り、止血器の全体は片手で操作できるようにコンパクトである。使用に先立ち、図6に示すごとく、ボタン7を押してラチェット機構15を解除する。上下の顎部1,3はばね19に付勢されて互いに引き離され、その間に腕43を挿入することができる。目的の血管が上下の顎部1,3に(あるいは上下の嘴部11,13に)挟まれるよう位置を調整した上で、片手で上下の顎部1,3を接近せしめることにより、図8に示すごとく、腕43は止血器に挟まれる。上下の顎部1,3をさらに適宜に接近せしめることにより、腕43は圧迫されて止血される。
【0034】
ラチェット機構15により上下の顎部1,3は任意の位置に留まるので、圧迫力の調整は極めて容易であり、また微妙な調整が可能である。爪37がラチェット歯35を乗り越えるごとに爪37はクリック音ないしクリック感を発するので、使用者はこれを目安として圧迫力を調整することができる。あるいはラック21,23は目安のためのゲージを備えてもよい。さらにケース9は、かかるゲージを覗き込むための窓を備えてもよい。
【0035】
特に注意すべきは、圧迫力はばね等の弾発力によらず、ラチェット機構15によることである。圧迫力はばねの強さや腕の太さによらずに任意かつ微妙に調整することができる。また一旦調整した後には、ラチェット機構15はその状態を保持し続けるので、圧迫力は安定的である。
【0036】
さらには、上下の顎部1,3は直線的に動くので、圧迫力はオフセットを持たず、従って腕が極端に太くても止血器がずれることがない。
【0037】
必要な処置を終えた後には、ボタン7を押すことによりラチェット機構15が解除され、ばね19の付勢力により止血器は開いた状態に復帰し、腕43を抜くことができる。止血器がギア機構を備えるならば、このとき、上下の顎部1,3が同時に腕43から離脱するので、腕43に振動、衝撃ないし力が加わることはない。
【0038】
上述の説明より理解される通り、本実施形態による止血器によれば、目的の血管を正確に圧迫してずれにくく、且つ簡便に圧迫を解除することができ、さらには患者に苦痛ないし不安感を与えることもない。また上下の顎部1,3を接近せしめる時と、ボタン7を押す時とでは、使用者は止血器を持ち替えねばならない。これは誤操作を防ぐのに極めて有効である。
【0039】
好適な実施形態により本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記開示内容に基づき、当該技術分野の通常の技術を有する者が、実施形態の修正ないし変形により本発明を実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
目的の血管を正確に圧迫してずれにくく、且つ簡便に圧迫を解除することができる止血器が提供される。
【符号の説明】
【0041】
1 上顎部
3 下顎部
5 支持部
7 ボタン
9 ケース
11 上嘴部
13 下嘴部
15 ラチェット機構
17 ギア機構
19 ばね
21 上ラック
21S スロット
21T ラック歯
23 下ラック
23S スロット
23T ラック歯
25 ピニオン
27 ギア歯
29 ピン
31 ピン
33 コラム
35 ラチェット歯
37 爪
39 戻りばね
41 手
43 腕
X 第1の方向
Y 第2の方向
Z 第3の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8