(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アーム部は、前記他端部に前記一端部に比べて前記延伸方向に交差する方向に窪んだ凹部が形成され、前記第2回転軸を中心に前記凹部を通って回動可能に前記操作対象を支持する請求項1〜6のいずれか1項に記載の駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の実施形態においては、駆動装置2を有する装置の一例としての照明装置1について図面を参照して説明する。例えば、駆動装置2は、操作対象として、光源(発光素子101)と調整部32を有する光源部30を有する。以下では、光源部30を備える照明装置1を駆動装置2の一例として説明する。なお、以下に説明する実施形態により駆動装置2の用途が限定されるものではない。駆動装置2は、照明装置1に限らず、操作対象の向きを所望の方向に変更する構成であれば、目的に応じてどのような装置に適用されてもよい。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0010】
(実施形態)
まず、
図1及び
図2を用いて、照明装置1の構成の概要を説明する。
図1は、照明装置1の正面図である。また、
図2は、照明装置1の光源部30側から見た斜視図である。
【0011】
以下では、後述するアーム部20の回転軸(以下、「第1回転軸」ともいう)に沿う方向をY軸とし、X軸およびZ軸は、Y軸に直交する面内において直交する軸とする。例えば、X軸は、照明装置1の取付け時の位置(初期位置)における光源部30の回転軸(以下、「第2回転軸」ともいう)に沿う方向である。
【0012】
照明装置1は、支持部10と、アーム部20と、光源部30とを有する駆動装置2を備える。
【0013】
支持部10は、矩形箱状の筐体部11と、円筒状の連結部12と、第1回動部40(
図3参照)とを有する。例えば、支持部10は、どのような材料により形成されてもよく、例えばアルミニウムにより形成されてもよい。
【0014】
また、支持部10においては、筐体部11内には後述する第1モータ42や第2モータ56や発光素子101等に電力を供給する電源装置(図示省略)が収納され、支持部10は、筐体部11の一面に設けられた係止部13により、天井等の所定の対象(構造物)に取り付けられる。例えば、支持部10は、係止部13により、天井面に設けられたレール(図示省略)の所望の位置に脱着可能に取り付けられる。
【0015】
以下では、Y軸正方向を上方向とし、Y軸負方向を下方向とし、Y軸に直交する方向を水平方向とする。この場合、例えば、Y軸負方向が重力方向となり、Y軸に直交する平面が水平面となる。なお、
図2では3つの係止部13を図示するが、係止部13の数が照明装置1を所定の対象に取り付け可能であれば、どのような数や形状であってもよい。また、
図1及び
図2の例では、係止部13のうち、
図2中の左端の係止部13から筐体部11内の電源装置に電力が供給されてもよい。
【0016】
また、支持部10の連結部12の一端部(
図1中の下端)からは、アーム部20が延びる。連結部12内には、第1モータ42を有する第1回動部40が配置され、第1回動部40にアーム部20内に設けられた補強部50(
図5参照)が回動可能に軸支されることにより、支持部10はアーム部20を第1回転軸に沿って回動可能に支持する。例えば、第1回動部40は、ねじ止め等の所定の機構により連結部12に取り付けられる。
【0017】
ここで、
図3〜
図5を用いて、第1回動部40の構成及び第1回動部40と補強部50との関係について説明する。
図3は、実施形態に係る照明装置の支持部の要部を示す斜視図である。具体的には、
図3は、支持部10の連結部12を除き、第1回動部40をアーム部20の反対側から見た斜視図である。
【0018】
第1回動部40は、外周壁が円筒状の基部41を有する。基部41の中央部には、基部41の軸に軸を沿わせて円筒状の挿通孔411が形成される。第1回動部40は、挿通孔411から基部41の外周壁に向かって放射状に延びる複数の壁部412を有する。壁部412は、第1回転軸に沿う方向に立設される。壁部412により、第1回動部40の機械的強度が補強される。
【0019】
また、第1回動部40は、第1駆動源としての第1モータ42を有する。第1モータ42は、基部41の外周壁に取り付けられる。例えば、第1モータ42の出力回転軸(図示省略)は、基部41の平面部分に設けられた貫通孔(図示省略)に挿通され反対側(
図3中の下側)に突出する。すなわち、第1モータ42の出力回転軸は、アーム部20側へ延び、第1回転軸を中心にアーム部20を回動させる。例えば、第1モータ42にはステッピングモータが用いられ、第1モータ42から延びるリード線(図示省略)により駆動回路57(
図7参照)に接続される。駆動回路57はBluetooth(登録商標)等の無線通信機能を有し、無線通信機能により外部から第1モータ42や第2モータ56への駆動の指示を受け付けてもよい。
【0020】
図4を用いて、第1回転軸を中心とするアーム部20の回動について説明する。
図4は、実施形態に係る照明装置の補強部の一部を示す斜視図である。具体的には、
図4は、第1回動部40の基部41を除き、第1モータ42から補強部50へ駆動力を伝達する機構を示す。
【0021】
図4に示すように、第1モータ42の出力回転軸には、ギア421が取り付けられる。第1モータ42の出力回転軸に装着されたギア421は、大径ギア422と噛み合う。大径ギア422が取り付けられた回転軸423には、小径ギア424が装着されている。すなわち、大径ギア422と小径ギア424とは、回転軸423を中心に回転する。
【0022】
また、小径ギア424は、補強部50の一端部51の内周面に形成される内歯511に噛み合わされる。これにより、第1モータ42の出力に応じて、補強部50が第1回転軸を中心に水平方向に回転する。なお、補強部50は、アーム部20内に取り付けられているため、補強部50が第1回転軸を中心に回動することにより、アーム部20全体が第1回転軸を中心に回動する。また、
図4に示す例では、補強部50の内歯511は、一端部51の内周面の全周に亘って形成される。また、補強部50の一端部51の中央部には円筒状の挿通部52が形成されるが、詳細は後述する。
【0023】
ここで、
図5を用いて、補強部50の回転範囲の規制について説明する。
図5は、実施形態に係る照明装置の補強部の一部を示す斜視図である。具体的には、
図5は、後述するアーム部20の第1フレーム21及び第2フレーム22を除き、第1回転軸を中心とする回動を規制する機構を示す。また、
図5は、補強部50の一端部51の第1回動部40との対向面の反対面側を示す。
【0024】
図5に示すように、一端部51の第1回動部40との対向面の反対面には、リミットスイッチ53が設けられる。例えば、一端部51の第1回動部40との対向面の反対面には、リミットスイッチ53がレバー531を一端部51の外周方向に突出させて設けられる。
【0025】
また、補強部50の一端部51の外周壁を覆うように配置される第1回動部40の基部41の外周壁の端部には突出部44が突設される。ここに、第1回動部40の突出部44によってリミットスイッチ53のレバー531が回動されることにより、設定した回転角度のリミットを検出し、第1モータ42の作動を停止するなど、モータ制御に利用する。本実施形態において、第1回動部40は、リミットスイッチ53と第1回動部40の突出部44とにより、水平方向への回転角度を略360°の範囲にするものとする。
【0026】
次に、第1回動部40が補強部50を軸支する機構について説明する。
図3に戻って、第1回動部40の挿通孔411には、第1軸棒43が挿入される。また、第1軸棒43は、第1回転軸の方向の端部に抜け止め機構を有する。
図3に示す例では、第1回動部40の挿通孔411に挿通された第1軸棒43の端部には、Cリング431が取り付けられており、第1軸棒43は、Cリング431により、第1回動部40の挿通孔411から抜けることが抑制される。
【0027】
また、
図4及び
図5に示すように、第1軸棒43は、補強部50の挿通部52に挿入される。例えば、第1軸棒43は、補強部50の挿通部52に圧入固定される。このように、第1軸棒43は、補強部50の挿通部52に圧入固定され、第1回動部40の挿通孔411に回転可能に嵌る。すなわち、第1軸棒43は、第1回動部40の挿通孔411により支持され、第1モータ42の駆動に応じて、補強部50とともに回転する。
【0028】
また、
図5に示すように、補強部50の挿通部52に挿通された第1軸棒43の端部には、Cリング432が取り付けられており、第1軸棒43は、Cリング432により、補強部50の挿通部52から抜けることが抑制される。このように、第1回動部40は、第1回転軸を中心として回転可能に補強部50を軸支する。また、
図3に示すように、第1回動部40の挿通孔411とCリング431との間には、摺動部材433が配置される。また、
図4に示すように、補強部50の挿通部52と第1回動部40の挿通孔411(
図3参照)との間には、摺動部材433が配置される。これにより、補強部50の回転による第1回動部40と補強部50との間の摩擦を抑制する。例えば、摺動部材433には、ポリスライダー(登録商標)等の種々の摩擦を低減するワッシャが用いられる。例えば、補強部50は、摺動部材433により第1回動部40に対して滑らかに回動することができる。
【0029】
図2及び
図6に示すように、アーム部20は、第1フレーム21と、第2フレーム22と、補強部50と、第2回動部60(
図7参照)とを有する。
図6は、実施形態に係る照明装置の補強部を示す斜視図である。例えば、アーム部20は、第1フレーム21と第2フレーム22とにより外形が形成される。例えば、第1フレーム21内に補強部50や第2回動部60を収納した後、第2フレーム22の爪部220が第1フレーム21の係止部(図示省略)に係止されることにより、第1フレーム21と第2フレーム22とがアーム部20の外形を形成する。また、アーム部20は、延伸方向の一端部(第1フレーム21の一端部211及び第2フレーム22の一端部221)が支持部10に支持され、第1モータ42の駆動により第1回転軸を中心に回動可能である。例えば、アーム部20は、第1フレーム21の一端部211に設けられた挿通孔(図示省略)に、補強部50の突起部540(
図6参照)が挿通されることにより、支持部10に支持される。
【0030】
図1に示すように、第2フレーム22の一端部221に比べて、第2フレーム22の他の箇所は、
図1中の左右方向に薄く形成される。具体的には、第2フレーム22の他端部222の幅(
図1中の左右方向の長さ)は、第2フレーム22の一端部221の幅(
図1中の左右方向の長さ)よりも小さく形成される。このように、第2フレーム22の他端部222の幅を小さく形成することにより、アーム部20に回転可能に支持される光源部30の重心を第1回転軸に近づけることが可能となる。これにより、アーム部20における光源部30の支持部分に係る負荷を低減することができ、照明装置1の破損を抑制することができる。
【0031】
また、アーム部20は、第2駆動源としての第2モータ56を有する。アーム部20は、第1フレーム21及び第2フレーム22に囲まれる領域に第2モータ56を収納する。例えば、
図6に示すように、第2モータ56は、補強部50において第1フレーム21(
図2参照)の他端部212に覆われる部分(以下、「補強部50の他端部」ともいう)に取り付けられる。例えば、第2モータ56の出力回転軸560(
図8参照)は、補強部50の他端部の平面部分に設けられた貫通孔(図示省略)に挿通され反対側に突出する。すなわち、第2モータ56の出力回転軸560は、第1回転軸に直交する方向へ延びる第2回転軸を中心に光源部30を回動させる。例えば、第2モータ56にはステッピングモータが用いられ、第2モータ56から延びるリード線(図示省略)により駆動回路57(
図7参照)に接続される。
【0032】
補強部50は、第1フレーム21及び第2フレーム22に囲まれる領域に配置され、第1フレーム21及び第2フレーム22に囲まれる領域の形状に応じた形状を有する外周壁54を有する。例えば、外周壁54は、第1フレーム21及び第2フレーム22に囲まれる領域の幅(
図1中の左右方向の長さ)に応じた高さ(
図1中の上下方向の長さ)を有する。例えば、第2回転軸に沿う方向(
図1中のX軸方向)からの平面視においては、第1フレーム21(
図2参照)の一端部211に覆われる部分(以下、「補強部50の一端部」ともいう)は、一対の外周壁54が平行に補強部50の他端部側に延び、補強部50の他端部に対応する円弧状に形成された外周壁54に連続する。例えば、第2回転軸に沿う方向(
図1中のX軸方向)からの平面視においては、補強部50の一端部から補強部50の他端部側へ延びる一対の外周壁54の間には、一対の外周壁54に沿って補強部50の一端部から補強部50の他端部側へ延びる壁部541が形成される。壁部541は、第2回転軸に沿う方向に立設される。これにより、アーム部20の機械的強度が補強され、照明装置1の破損を抑制することができる。
【0033】
補強部50の他端部の中央部には、円筒状の挿通部550が形成される。アーム部20は、補強部50の挿通部550の軸に沿う第2回転軸を中心に光源部30を回動させるが詳細は後述する。補強部50は、挿通部550から補強部50の他端部に対応する外周壁54に向かって放射状に延びる複数の壁部542を有する。壁部542は、第2回転軸に沿う方向に立設される。これにより、アーム部20の機械的強度が補強され、照明装置1の破損を抑制することができる。
【0034】
ここで、
図7及び
図8を用いて、光源部30を回動させる部分の構成について説明する。
図7は、実施形態に係る照明装置のアーム部の要部を示す斜視図である。
図8は、実施形態に係る照明装置のアーム部の要部を示す正面図である。具体的には、
図7及び
図8は、第1フレーム21や補強部50の外周壁54等を除き、第2モータ56から光源部30へ駆動力を伝達する機構を示す。
【0035】
なお、本実施形態においては、第2モータ56からの駆動力は、光源部30がねじ止め等の機構により固定される第2回動部60に伝達される。
【0036】
第2回動部60は、外周壁が円筒状の基部61を有する。第2回動部60は、第2フレーム22の他端部222に設けられた円形の挿通孔223(
図2参照)に、基部61よりも小径に形成され基部61に連続する嵌合部66が回転可能に挿通されることにより、アーム部20に保持される。
【0037】
例えば、光源部30に取付けられた取付部材651が第2回動部60の取付用孔65に取り付けられることにより、光源部30が第2回動部60に固定される。例えば、取付部材651は、ボルトとナットとによるねじ止め機構であってもよい。すなわち、光源部30は、第2回動部60の回動に応じて、第2回動部60とともに回動する。例えば、第2回動部60が第2回転軸を中心に回動する場合、光源部30は、第2回動部60とともに第2回転軸を中心に回動する。そのため、第2回転軸を中心とする第2回動部60の回動について説明する。
【0038】
図8に示すように、第2モータ56の出力回転軸560には、ギア561が取り付けられる。また、
図7に示すように、ギア561の中央部には軸挿入孔562が設けられており、第2モータ56の出力回転軸560がギア561の軸挿入孔562に挿入されることにより、第2モータ56の出力回転軸560にギア561が装着される。第2モータ56の出力回転軸560に装着されたギア561は、大径ギア563と噛み合う。大径ギア563が取り付けられた回転軸564には、小径ギア565が装着されている。すなわち、大径ギア563と小径ギア565とは、回転軸564を中心に回転する。
【0039】
小径ギア565は、第2回動部60の基部61の内周面に形成される内歯611に噛み合わされる。これにより、第2モータ56の出力に応じて、第2回動部60が第2回転軸を中心に垂直方向に回転する。なお、第2回動部60には、光源部30が取り付けられているため、第2回動部60が第2回転軸を中心に回動することにより、光源部30が第2回転軸を中心に回動する。また、
図7に示す例では、第2回動部60の内歯611は、基部61の内周面の一部に形成される。
【0040】
ここで、第2回動部60の回転範囲の規制について説明する。
図7に示すように、第2回動部60の基部61には、周端部612から周端部613までの間が切り欠かれ、他の部分よりも低く形成される。例えば、基部61の周端部612と周端部613との間は、基部61の中心と周端部612を結ぶ直線、及び基部61の中心と周端部613を結ぶ直線のなす角が90°になるように切り欠かれる。また、第2回動部60の基部61の外側には、リミットスイッチ62が設けられる。例えば、リミットスイッチ62は、補強部50の他端部の裏面(
図6中に図示する面の反対面)に取り付けられ、リミットスイッチ62のレバー621を基部61の周端部612と周端部613との間から基部61の内側に突出させて設けられる。
【0041】
これにより、基部61の周端部612または周端部613によってリミットスイッチ62のレバー621が回動されることにより、設定した回転角度のリミットを検出し、第2モータ56の作動を停止するなど、モータ制御に利用する。本実施形態において、第2回動部60は、リミットスイッチ62と基部61の周端部612及び周端部613とにより、垂直方向への回転角度を90°の範囲にするものとする。
【0042】
次に、
図6〜
図8を用いて、アーム部20が光源部30を軸支する機構について説明する。具体的には、補強部50が第2回動部60を軸支する機構について説明する。
図6に示すように、補強部50の挿通部550には、第2軸棒55が挿入される。また、第2軸棒55は、第2回転軸の方向の端部に抜け止め機構を有する。
図6に示す例では、補強部50の挿通部550に挿通された第2軸棒55の端部には、Cリング551が取り付けられており、第2軸棒55は、Cリング551により、補強部50の挿通部550から抜けることが抑制される。このように、補強部50は、第2回転軸を中心として回転可能に第2軸棒55及び第2回動部60を軸支する。
【0043】
また、補強部50の挿通部550とCリング551との間には、摺動部材553が配置される。これにより、第2回動部60の回転による第2回動部60と補強部50との間の摩擦を抑制する。例えば、摺動部材553には、ポリスライダー等の種々の摩擦を低減する材料が用いられる。例えば、第2回動部60は、摺動部材553により補強部50に対して滑らかに回動することができる。
【0044】
また、
図7に示すように、第2回動部60の平面部分の中央部には、円筒状の挿通孔63が形成される。例えば、挿通孔63は、一端が第2回動部60の平面部分の臨む向きに開口した大径部分と、大径部分よりも小径に形成され、大径部分の他端に連続する小径部分とを有する。第2軸棒55は、第2回動部60の挿通孔63に挿入される。例えば、第2軸棒55は、第2回動部60の挿通孔63の小径部分に圧入固定される。例えば、第2回動部60の挿通孔63の小径部分は、第2軸棒55の外径に応じた形状に形成される。これにより、
図8に示すように、第2軸棒55は、第2回動部60の挿通孔63の小径部分を通り、第2回動部60の補強部50との対向面の反対面側、すなわち嵌合部66側に突出する。このように、第2軸棒55は、第2回動部60の挿通孔63に圧入固定され、補強部50の挿通部550に回転可能に嵌る。すなわち、第2軸棒55は、補強部50の挿通部550により支持され、第2モータ56の駆動に応じて、第2回動部60とともに回転する。
【0045】
また、
図8に示すように、第2回動部60の挿通孔63に挿通された第2軸棒55の端部には、Cリング552が取り付けられており、第2軸棒55は、Cリング552により、第2回動部60の挿通孔63から抜けることが抑制される。
【0046】
また、
図7に示すように、補強部50と第2回動部60との間には、第2軸棒55に沿ってばね部材64が設けられる。例えば、ばね部材64には、コイルばねが用いられる。
図7に示す例では、ばね部材64は、一端部が第2回動部60の挿通孔63の小径部分の端部に対向し、他端部が補強部50の他端部の裏面に対向するように配置される。これにより、ばね部材64は、補強部50と第2回動部60とを第2回転軸に沿って互いに離れる方向に付勢する。また、ばね部材64の他端部と補強部50の他端部の裏面間には、ワッシャ641が設けられる。
【0047】
例えば、第2軸棒55を補強部50に対して回転可能とするためには、補強部50の挿通部550の内周面の径を第2軸棒55の外径よりも大きくする必要がある。そのため、挿通部550の内周面の径と第2軸棒55の外径との差により生じる隙間により光源部30にガタつきを引き起こす場合がある。その場合、アーム部20と光源部30との連結部分の破損に繋がる可能性がある。そのため、照明装置1においては、補強部50と第2回動部60との間にばね部材64を設けることにより、ばね部材64の付勢により、照明装置1の回動による振動や風などの影響によるガタつきを抑制することが可能となる。これにより、照明装置1の破損を抑制することができる。
【0048】
ここから、光源部30の構成について説明する。
図1及び
図2に示すように、光源部30は、筐体部31と、調整部32と、カバー部33と、放熱部34とを有する。また、光源部30においては、筐体部31により、調整部32と、カバー部33と、放熱部34等が保持される。また、光源部30は、向きを変更させる対象となる電子部品として、例えば基板100に配置されたLED(Light Emitting Diode)等の発光素子101(
図11参照)を有する。すなわち、光源部30は、照射方向を変更可能な灯体である。発光素子101が配置された基板100は、放熱部34の取付面36(
図15参照)に取り付けられるが、詳細は後述する。
【0049】
筐体部31は、円筒状に形成され、外周面の一部に円筒状の突出部311が設けられる。
図1中においては、筐体部31の外周面には、右側に突出部311が設けられる。例えば、筐体部31の突出部311に第2回動部60の嵌合部66が挿入され、ねじ止め等の取付機構により、筐体部31が第2回動部60に取り付けられる。このように、光源部30は、アーム部20の他端部側に取り付けられ、第2モータ56により第2回動部60とともに第2回転軸を中心に回動する。例えば、光源部30は、第2モータ56の駆動に応じて、第2回転軸を中心に垂直方向に回動する。
【0050】
次に、
図9を用いて光源部30の筐体部31内の構成について説明する。
図9は、実施形態に係る照明装置の光源部を示す斜視図である。具体的には、
図9は、筐体部31内の構成を示すために、筐体部31を除いた光源部30を示す斜視図である。
図9に示すように、放熱部34は、いわゆるヒートシンクであり、基部35と、複数の放熱フィン341と、リブ342とを有する。
図9に示す例では、基部35は、円板の対向する周壁の一部を切り欠いた形状に形成される。また、6枚の放熱フィン341が基部35から立設される。リブ342は、放熱フィン341の並ぶ方向に沿って放熱フィン341間を連結するように設けられる。
【0051】
また、
図9に示す例では、放熱部34は、リブ342の両端部に設けられた挿通孔343によるねじ止め等の取付機構により、筐体部31に取り付けられる。例えば、放熱部34は、挿通孔343と、挿通孔343に対応する筐体部31の挿通孔(図示省略)とをねじ止めすることにより、筐体部31に取り付けられる。なお、上記は一例であり、放熱部34の筐体部31への取付機構は、どのような取付機構であってもよい。
【0052】
また、基部35の放熱フィン341が立設される面(以下、「裏面」ともいう)の中央部には、球冠状に突出する突出部351が設けられる。また、基部35の裏面の反対面(以下、「表面」ともいう)の中央部には、基板100(
図15参照)が配置される。このように、基部35の裏面において、光源部30の熱源となる発光素子101が配置された基板100と重なる位置に突出部351を設けることにより、基板100からの熱を裏面の放熱フィン341へ効率的に伝熱することができる。なお、基部35の表面側の構成についての詳細は後述する。
【0053】
また、調整部32は、円筒状に形成された第1筒部320と、第1筒部320よりも小径に形成され第1筒部320に連続する第2筒部321とを有する。
図1及び
図2に示すように、調整部32は、第2筒部321が筐体部31内に配置され、第1筒部320を露出させて設けられる。また、調整部32の第1筒部320の開口部分には、円板状のカバー部33が円環状の取付部材331により取り付けられる。カバー部33により、調整部32内が保護される。
【0054】
また、
図9に示すように、調整部32は、基部35の発光素子101の取付側に重ねて設けられる。例えば、調整部32は、第2筒部321の開口部分を基部35の発光素子101の取付側に重ねて設けられる。
【0055】
照明装置1はズーム機能を有しており、例えば、照明装置1の操作者は、調整部32の第1筒部320を手動で回転させることにより、光源部30から照射される光の焦点を変更する。このズーム機構に関する構成について、
図10〜
図14を用いて、以下説明する。
図10は、実施形態に係る照明装置の光源部の要部を示す平面図である。具体的には、
図10は、ズーム機構を示すために、放熱部34を除き、放熱部34側から見た平面図である。例えば、
図10は、基板100の放熱部34に取り付けられる面側を示す。
【0056】
図11は、実施形態に係る照明装置のズーム機構を示す斜視図である。具体的には、
図11は、ズーム機構を示すために、調整部32を除き、調整部32内の構成を示す斜視図である。また、
図12は、実施形態に係る照明装置の照準部を示す斜視図である。また、
図13は、実施形態に係る照明装置の回転部を示す斜視図である。また、
図14は、実施形態に係る照明装置のズーム機構を示す一部透視図である。
図14は、ズーム機構の各構成の位置関係を示すために、調整部32を除き、回転部90を透視した斜視図である。
【0057】
図10に示すように、調整部32における第2筒部321の開口部分の中央部に、発光素子101が配置された基板100が位置する。上述したように、基板100は、放熱部34の表面側に取り付けられているものとする。また、基板100の周囲には保持部材102が設けられ、発光素子101には配線103により電力が供給される。
【0058】
また、調整部32は、回転規制部70と、反射部75と、照準部80と、回転部90とを有する。
【0059】
回転規制部70は、中心に開口を有する円板状の基部71と、基部71の周壁から基部71の軸方向に突出する複数の爪部72、73、74とを有する。
図11に示す例では、3本の爪部72、73、74が、基部71の周壁から基部71の軸方向に突出する。例えば、3本の爪部72、73、74が、基部71の外周に沿って120°間隔で設けられる。また、基部71の開口部分に発光素子101や基板100や保持部材102が配置される。すなわち、発光素子101は回転規制部70の基部71において、爪部72、73、74の突出方向に露出して配置される。例えば、保持部材102は、COB(Chip On Board)ホルダ等であってもよい。また、保持部材102の外周部には、シール部材105が設けられる。例えば、シール部材105が設けられることにより、筐体部31等の小さい隙間から侵入した羽虫などの虫が、発光素子101や基板100、反射部75の反射面751、及び光学部材104などで囲まれた光を照射するエリアに入り込むのを防ぐことができる。このように、シール部材105は、例えば、虫よけや防塵等の機能を有する。例えば、シール部材105には、ボロン(スポンジ質のゴム)や発泡ゴムなどが用いられる。
【0060】
また、
図10に示す例では、回転規制部70は、基部71に設けられた挿通孔(図示省略)によるねじ止め等の取付機構により、筐体部31に取り付けられる。例えば、回転規制部70は、基部71に設けられた挿通孔と、その挿通孔に対応する筐体部31の挿通孔(図示省略)とをねじ部材710によりねじ止めすることにより、筐体部31に取り付けられる。なお、上記は一例であり、回転規制部70の筐体部31への取付機構は、どのような取付機構であってもよい。
【0061】
また、回転規制部70は、基部71の外径が調整部32における第2筒部321の開口部分よりも大きく形成されており、基部71が第2筒部321内に挿入され、第2筒部321の開口部分に当接する。これにより、調整部32は筐体部31に取り付けられた回転規制部70により、回転可能に支持される。すなわち、照明装置1の操作者が調整部32の第1筒部320を手動で回転させた場合、第2筒部321の開口部分が回転規制部70の基部71に対して摺動可能に設けられる。
【0062】
上述のように、第1筒部320は人間の手によって手動で回転させるため、ガタつく場合があるため、第2筒部321の開口部分と回転規制部70の基部71との間に円環状の板バネ(図示省略)が設けられてもよい。これにより、照明装置1の操作者が調整部32の第1筒部320を手動で回転させた場合における、ガタつきを抑制することができる。なお、回転規制部70はアルミニウム等の金属材料が用いられる場合、板バネと回転規制部70との間に摺動材としてのスペーサを配置してもよい。これにより、板バネと回転規制部70とが直接接触、すなわち金属同士が直接接触することを抑制することができる。例えば、スペーサには、ポリスライダー等の種々の摩擦を低減する材料が用いられてもよい。
【0063】
ここで、調整部32の第1筒部320及び第2筒部321の回転範囲の規制について説明する。
図10に示すように、第2筒部321の開口部分は、周端部322から周端部323までの間が切り欠かれ、他の開口部分よりも外径が大きく形成される。例えば、第2筒部321の開口部分の周端部322と周端部323との間は、第2筒部321の開口面の中心と周端部322を結ぶ直線、及び第2筒部321の開口面の中心と周端部323を結ぶ直線のなす角が60°になるように切り欠かれる。また、第2筒部321の開口面の中心を挟んで周端部322及び周端部323に対向する位置に、周端部324及び周端部325が形成される。例えば、第2筒部321の開口部分は、周端部324から周端部325までの間が切り欠かれ、他の開口部分よりも外径が大きく形成される。例えば、第2筒部321の開口部分の周端部324と周端部325との間は、第2筒部321の開口面の中心と周端部324を結ぶ直線、及び第2筒部321の開口面の中心と周端部325を結ぶ直線のなす角が60°になるように切り欠かれる。
【0064】
また、回転規制部70の基部71における第2筒部321の周端部322と周端部323との間には、ねじ取付部711が第2筒部321の開口部分から外部へ突設される。また、回転規制部70の基部71における第2筒部321の周端部324と周端部325との間には、ねじ取付部712が第2筒部321の開口部分から外部へ突設される。
【0065】
これにより、第2筒部321の周端部322または周端部323にねじ取付部711が当接することにより、調整部32の第1筒部320及び第2筒部321の回転規制部70に対する回転範囲が規制される。また、第2筒部321の周端部324または周端部325にねじ取付部712が当接することにより、調整部32の第1筒部320及び第2筒部321の回転規制部70に対する回転範囲が規制される。なお、ねじ取付部711、712の挿通孔に挿通されたねじ部材(図示省略)により、調整部32の第1筒部320及び第2筒部321の回転規制部70に対する回転範囲が規制されてもよい。例えば、ねじ取付部711の挿通孔に挿通されたねじ部材が第2筒部321の周端部322または周端部323に当接することにより、調整部32の第1筒部320及び第2筒部321の回転規制部70に対する回転範囲が規制されてもよい。
【0066】
また、反射部75は、反射面751を発光素子101の臨む向きに向けて回転規制部70の基部71に重ねて配置される。
図11に示す例では、反射部75は、回転規制部70の基部71に爪部72、73、74の突出方向に重ねて配置される。
【0067】
また、
図12に示すように、照準部80は、円筒状の筒部81を有し、筒部81を回転規制部70及び反射部75に重ねて配置される。例えば、照準部80の筒部81は、取付部材331により支持される。照準部80の筒部81は、反射部75に臨む周端部から軸方向に切り欠かれた複数の規制溝82、83、84を有する。
図11及び
図14に示すように、3つの規制溝82、83、84が、筒部81の反射部75に臨む周端部から軸方向に切り欠かれる。例えば、3つの規制溝82、83、84が、筒部81の外周に沿って120°間隔で設けられる。
【0068】
ここで、照準部80の筒部81の外径は、回転規制部70の基部71の外径と同様に形成されており、回転規制部70の爪部72、73、74は、照準部80の規制溝82、83、84に各々挿入される。例えば、規制溝82、83、84の長さは、爪部72、73、74の長さと同様に形成され、規制溝82、83、84の幅は、爪部72、73、74が規制溝82、83、84の切欠きの底に対して進退可能な幅に形成されるものとする。例えば、
図14の場合、爪部72は、規制溝82に対して上下方向に進退可能である。
【0069】
照準部80の筒部81の外周面には、らせん状に形成される複数の凸部811が設けられる。例えば、照準部80の筒部81の外周面には、3つの凸部811が、筒部81の外周に沿って等間隔で設けられる。例えば、3つの凸部811が、筒部81の外周に沿って120°間隔で設けられる。
【0070】
また、
図13に示すように、回転部90は、円筒状の筒部91を有し、照準部80及び回転規制部70の基部71の一部を覆うように配置される。例えば、回転部90の筒部91は、取付部材331により支持される。また、例えば、回転部90の筒部91の内径は、照準部80の筒部81の外径よりも大きく形成される。
【0071】
また、回転部90の筒部91の内周面には、らせん状に形成される複数の溝92が設けられる。例えば、回転部90の筒部91の内周面には、3つの溝92が、筒部91の内周に沿って等間隔で設けられる。例えば、3つの溝92が、筒部91の内周に沿って120°間隔で設けられる。
【0072】
例えば、回転部90の各溝92に照準部80の各凸部811が嵌るように回転部90の筒部91内に照準部80の筒部81が螺合されることにより、回転部90の筒部91内に照準部80の筒部81が回転可能に位置する。
【0073】
また、回転部90の筒部91の軸方向の一端部(
図13においては上端部)には、複数の突出片93が設けられる。例えば、回転部90の筒部91の軸方向の一端部には、3つの突出片93が、筒部91の外周に沿って等間隔で設けられる。例えば、3つの突出片93が、筒部91の外周に沿って120°間隔で設けられる。
【0074】
また、調整部32における第2筒部321の開口面の外周端には、複数の切欠孔326が設けられる。例えば、第2筒部321の開口面の外周端には、3つの切欠孔326が、第2筒部321の外周に沿って等間隔で設けられる。例えば、3つの切欠孔326が、第2筒部321の外周に沿って120°間隔で設けられる。
【0075】
例えば、切欠孔326の第2筒部321の周方向の長さは、回転部90の周方向の突出片93の長さと同様に形成され、第2筒部321の各切欠孔326に回転部90の各突出片93が嵌る。これにより、回転部90は、第1筒部320及び第2筒部321とともに回転する。例えば、照明装置1の操作者による調整部32の第1筒部320の手動での回転により、回転部90も第1筒部320及び第2筒部321とともに回転する。
【0076】
ここで、照準部80は、回転規制部70により筒部81の軸を中心とする回転が規制される。具体的には、照準部80は、規制溝82、83、84に、回転規制部70の爪部72、73、74が挿入されていることにより、回転規制部70に対して筒部81の軸を中心とする回転が規制される。例えば、
図14の場合、照準部80は、上下方向に移動可能であるが、上下方向に延びる軸を中心とする回転は規制される。一方、回転部90は、第1筒部320及び第2筒部321の回転に応じて、上下方向に延びる軸を中心に回転する。
【0077】
そのため、回転部90が回転することにより、回転部90の溝92の位置が変動することに応じて、照準部80の凸部811の回転方向の位置は規制され、凸部811の軸方向の位置が変動する。ここに、照準部80は、回転部90の軸を中心とする回転を、軸方向への移動に変換する。これにより、照準部80は、回転部90の軸を中心とする回転に応じて、軸方向へ進退する。この照準部80の軸方向への進退により、発光素子101と光学部材104との間の距離が変更され、ズーム機能が実現される。例えば、光学部材104は、拡散板やフレネルレンズ等であってもよい。なお、上述のようなズーム機能は、例えばカメラのレンズのズーム機能にも適応することができる。
【0078】
なお、本実施形態においては、回転部90の溝92が120°間隔に3条のみ、かつ照準部80が進退する範囲にのみ設けられている。また、回転部90の溝92と噛み合う照準部80の凸部811も120°間隔に3条のみ、所定の長さだけ設けられている。このように、回転部90の溝92と照準部80の凸部811とを各々3条にすることにより、3点支点でバランス良く照準部80を進退させることができる。また、照準部80の凸部811の長さを、回転部90の溝92と噛み合い進退に必要な長さにしてもよいし、照準部80の凸部811は筒部81の全周にわたって設けられてもよい。
【0079】
ここから、
図15〜
図17を用いて、発光素子101が配置された基板100の放熱部34への取り付けについて説明する。
図15〜
図17は、実施形態に係る照明装置の塗布剤グリス溜まりとしての凹部を示す平面図である。具体的には、
図15は、凹部としての溝37、38を示す平面図である。
図16は、凹部としての溝37、38を示す基板100を透視した平面図である。
図17は、基板100を除き、凹部としての溝37、38を示す平面図である。
【0080】
図15に示すように、基部35の表面の中央部には、他の領域よりも突出した取付面36が形成される。凹部は、複数の溝37、38を含み、複数の溝37、38は、基板100の周端部に沿って形成される。
【0081】
また、基部35の取付面36に発光素子101が配置された基板100が、塗布剤としてのグリスを介して、保持部材102により取り付けられる。例えば、グリスには、熱伝導率の高い材料が用いられる。すなわち、基部35の取付面36に基板100が配置され、放熱部34と基板100との接触面には熱伝導率の高いグリスが塗布される。基板100は、基部35の取付面36の平面視において、凹部の一部を露出させて取付面36に取り付けられる。
図15に示すように、基板100は、基部35の取付面36の平面視において、溝37、38の一部を露出させて取付面36に取り付けられる。なお、塗布剤は熱伝導性を有していればよく、接着剤等でもよい。
【0082】
また、凹部は、基部35の取付面36の平面視において、基板100の中心に対し点対称に形成される。
図16に示すように、溝37、38は、基部35の取付面36の平面視において、基板100の中心CT11に対し点対称に形成される。
【0083】
また、
図15に示すように、基板100は、基部35の取付面36の平面視において外周が矩形状に形成され、複数の溝37、38は、基部35の取付面36の平面視における基板100の角から角を形成する両辺の各々に沿って延びる延伸部371、372、381、382を有する。例えば、
図17に示すように、溝37は、基部35の取付面36の平面視における基板100の角(
図17中では右上の角)から角を形成する両辺の各々に沿って延びる延伸部371、372を有する。また、例えば、
図17に示すように、溝38は、基部35の取付面36の平面視における基板100の角(
図17中では左下の角)から角を形成する両辺の各々に沿って延びる延伸部381、382を有する。なお、基部35の取付面36の平面視における基板100の外周の形状は、矩形状に限らず、円形や楕円形など、周端を形成する辺が曲線を含むような形状であってもよい。
【0084】
また、延伸部371、372、381、382のうち、基部35の取付面36の平面視における基板100の長手方向に沿って延びる延伸部372、382の端部373、383は、他の部分に比べて幅が大きく形成される。例えば、
図17に示すように、溝37の延伸部372の端部373は、他の部分に比べて取付面36の中心方向(
図17中では左方向)に幅が大きく形成される。また、例えば、
図17に示すように、溝38の延伸部382の端部383は、他の部分に比べて取付面36の中心方向(
図17中では右方向)に幅が大きく形成される。
【0085】
また、凹部は、基部35の取付面36の平面視において基板100の中心CT11以外と重なる取付面36の領域に形成される。
図16に示すように、溝37、38は、基部35の取付面36の平面視において基板100の中心CT11以外と重なる取付面36の領域に形成される。
【0086】
例えば、グリスが少し多めに塗布される場合、基部35の取付面36に配置した基板100の周端部からグリスが漏れ出す場合がある。この場合、基板100上にグリスが乗り上げ、基板100の発光素子101を設けた面(発光面)にグリスが付着してしまう虞がある。また、基板100の発光面にグリスが付着した場合、発光素子101の光量の低減や故障につながる虞がある。そのため、照明装置1においては、
図17に示すように、基部35の取付面36に塗布剤グリス溜まり用の溝37、38を設けた。溝37、38は、基板100に沿って形成された溝である。これにより、溝37、38にグリスが流れ込むことによって、基板100の発光面へのグリスの乗り上げを抑制することができる。なお、溝37、38は、
図17のように略L字状を有し、基板100の周端部の一部に沿って、少なくとも2カ所、基板100の中心CT11に対して点対称に設けられる。これにより、溝37、38を基板100の全周に設ける場合より、加工時間を短縮できる。また、基部35の取付面36において、溝37、38が形成される領域が少ないことにより、充分な放熱性を確保できる。また、溝37、38は、基板100の位置決めの目安とすることも可能であり、取付面36の平面視において、基板100の周端部の少なくとも一部が重なるように形成される。
【0087】
なお
図15〜
図17に示すように、基部35の取付面36には、複数(例えば4つ)のねじ穴が設けられる。例えば、基部35の取付面36には、一対のねじ穴361と一対のねじ穴362とが設けられる。一対のねじ穴361や一対のねじ穴362は、保持部材102を固定するためのねじ穴である。例えば、一対のねじ穴361は、小さい発光素子101や基板100が用いられた場合など、対応するサイズの保持部材102を固定するためのねじ穴として用いられる。また、例えば、一対のねじ穴362は、大きい発光素子101や基板100が用いられた場合など、対応するサイズの保持部材102を固定するためのねじ穴として用いられる。このように、
図15〜
図17に示す例において、照明装置1は、2種類(複数)の電子部品(発光素子101)にも対応することができる。すなわち、照明装置1は、電子部品の種類は問わず適用することができる。
【0088】
ここから、
図18〜
図20を用いて、電子部品としての発光素子101が配置される基板100と凹部としての溝37、38との関係を示す。
図18は、実施形態に係る照明装置の基板と凹部との関係を示す模式図である。なお、
図18においては、溝37、38の各構成については、各構成の符号の末尾に「−1」を付して、以下説明する。
【0089】
図18に示す例では、電子部品としての発光素子101が配置される基板100は、取付面36の平面視において、基板100の周端部の一部が溝37−1、38−1に重なり、溝37−1、38−1の一部を露出させて取付面36に取り付けられる。例えば、基板100は、取付面36の平面視において、基板100の周端部の一部が溝37−1に重なり、延伸部371−1、372−1の一部を露出させて取付面36に取り付けられる。また、例えば、基板100は、取付面36の平面視において、基板100の周端部の一部が溝38−1に重なり、延伸部381−1、382−1の一部を露出させて取付面36に取り付けられる。
【0090】
なお、基板100と溝37、38との関係は
図18に示すような関係に限らず、発光素子101及び基板100のサイズや、溝37、38の位置等に応じて、種々の関係であってもよい。例えば、基板100と溝37、38との関係は
図19に示すような関係であってもよい。
図19は、照明装置の基板と凹部との他の関係を示す模式図である。なお、
図19においては、溝37、38の各構成については、各構成の符号の末尾に「−2」を付して、以下説明する。
【0091】
図19に示す例では、電子部品としての発光素子101が配置される基板100は、取付面36の平面視において、基板100の周端部の一部が溝37−2、38−2に近接し、溝37−2、38−2の全体を露出させて取付面36に取り付けられる。例えば、基板100は、取付面36の平面視において、基板100の周端部の一部が溝37−2の端部373−2の一辺(
図19では左辺)に略重なり、溝37−2の全体を露出させて取付面36に取り付けられる。また、例えば、基板100は、取付面36の平面視において、基板100の周端部の一部が溝38−2の端部383−2の一辺(
図19では右辺)に略重なり、溝38−2の全体を露出させて取付面36に取り付けられる。なお、
図19の例では、取付面36の平面視において、基板100の周端部の一部が溝37−2の端部373−2の一辺に略重なる場合を示したが、基板100の周端部の一部が溝37−2の端部373−2の一辺に重ならなくても、基板100の周端部の一部が溝37−2の端部373−2の一辺に近接していればよい。同様に、取付面36の平面視において、基板100の周端部の一部が溝38−2の端部383−2の一辺に略重なる場合を示したが、基板100の周端部の一部が溝38−2の端部383−2の一辺に重ならなくても、基板100の周端部の一部が溝38−2の端部383−2の一辺に近接していればよい。
【0092】
また、例えば、基板100と溝37、38との関係は
図20に示すような関係であってもよい。
図20は、照明装置の基板と凹部との他の関係を示す模式図である。なお、
図20においては、溝37、38の各構成については、各構成の符号の末尾に「−3」を付して、以下説明する。
【0093】
図20に示す例では、電子部品としての発光素子101が配置される基板100は、取付面36の平面視において、基板100の周端部の一部を溝37−3、38−3の全体に重ねて取付面36に取り付けられる。すなわち、
図20に示す例では、取付面36の平面視において、基板100が取付面36に取り付けられた状態において、溝37−3、38−3全体が基板100の周端部の一部に重なる。例えば、基板100は、取付面36の平面視において、基板100の周端部の一部が延伸部371−3、372−3、及び端部373−3の溝37−3全体に重ねて取付面36に取り付けられる。また、例えば、基板100は、取付面36の平面視において、基板100の周端部の一部が延伸部381−3、382−3、及び端部383−3の溝38−3全体に重ねて取付面36に取り付けられる。
【0094】
なお、上述したように、基部35の取付面36の平面視における基板100の外周の形状は、矩形状に限らず、円形や楕円形など、周端を形成する辺が曲線を含むような形状であってもよい。また、基板100の外周の形状に応じて、取付面36に形成される凹部である溝も適宜の形状に形成されてもよい。この点について、
図21及び
図22を用いて説明する。
図21及び
図22は、他の基板と凹部との関係を示す模式図である。具体的には、
図21は、基部35の取付面36の平面視における外周の形状が円形である基板100−1と、凹部である溝39−1との関係を示す模式図である。また、具体的には、
図22は、基部35の取付面36の平面視における外周の形状が楕円形である基板100−2と、凹部である溝39−2との関係を示す模式図である。
【0095】
例えば、
図21に示すように、基板100−1が基部35の取付面36の平面視における外周の形状が円形である場合、基板100−1の周端部の一部が4つの溝39−1と重なるように、4つの溝39−1が形成されてもよい。
図21に示す例では、4つの溝39−1は、基板100−1の外周の周方向に沿って等間隔に設けられる。例えば、基板100−1は、取付面36の平面視において、基板100−1の周端部の一部が溝39−1の一部に重なり、溝39−1の一部を露出させて取付面36に取り付けられる。なお、溝39−1は、等間隔に設けられれば、2つや3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0096】
また、例えば、
図22に示すように、基板100−2が基部35の取付面36の平面視における外周の形状が楕円形である場合、基板100−2の周端部の一部が2つの溝39−2と重なるように、2つの溝39−2が形成されてもよい。
図22に示す例では、2つの溝39−2は、基板100−2の外周の周方向に沿って等間隔に設けられる。例えば、2つの溝39−2は、基板100−2の長軸を挟む位置に設けられる。例えば、基板100−2は、取付面36の平面視において、基板100−2の周端部の一部が溝39−2の一部に重なり、溝39−2の一部を露出させて取付面36に取り付けられる。
【0097】
上述のように、照明装置1は、アーム部20が水平方向へ回転して、その結果、照射方向(照射軸)を鉛直線に対する傾斜角度を維持した状態で水平方向へ回転させることができる。なお、第1モータ42によるアーム部20の水平方向への回転動作と、第2モータ56による光源部30の鉛直方向への回転動作とを個別に説明したが、制御部は、オペレータによるリモートコントローラの操作によって、第1モータ42と第2モータ56とを制御することができる。例えば、照明装置1は、アーム部20の水平方向への回転動作と、光源部30の鉛直方向への回転動作とを同時に行うことが可能である。
【0098】
本実施形態によれば、第1回動部40に、アーム部20を水平方向へ回転駆動するための第1モータ42を配置し、補強部50に、光源部30を鉛直方向へ回転駆動するための第2モータ56を配置して照明装置1を構成する。
【0099】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0100】
例えば、次のように構成することができる。複数個の照明装置1を天井に設置して、各照明装置1を無線通信で接続することにより、1つのリモートコントローラで複数個の照明装置1を同時に遠隔操作するように制御部を構成することができる。また、制御部は、無線通信による遠隔操作に限定されるものではなく、例えば、オペレータによって操作される操作部と照明装置1とを有線で接続してもよい。
【0101】
また、実施形態においては天井吊り下げ型の照明装置1を例示したが、壁面から吊り下げるタイプ等への適応も可能である。第1モータ42や第2モータ56についてはステッピングモータに限らず、DCモータやDCブラシレスモータ、ACモータなどを適用することが可能である。この場合もアーム部20の水平方向への回転角(角度変位量)と、光源部30の垂直方向への回転角(角度変位量)とが一致あるいは同等とすることで、制御部による電流制御を簡易化することができる。また、光源は、LED等の発光素子に限定されるものではなく、例えば、クリプトン球等の他の光源であってもよい。また、駆動装置2は、光源部30に限らず、どのような操作対象の向きを変更するために用いられてもよい。例えば、操作対象は、監視カメラ等であってもよい。このように、操作対象は、所望の向きに変更することが望まれ、駆動装置2が適用可能な操作対象であれば、どのような操作対象であってもよい。