特許第6340038号(P6340038)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6340038溶接面を改善した部品を有する時計構成要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6340038
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】溶接面を改善した部品を有する時計構成要素
(51)【国際特許分類】
   G04B 17/06 20060101AFI20180528BHJP
   G04B 15/14 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   G04B17/06 Z
   G04B15/14 Z
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-116914(P2016-116914)
(22)【出願日】2016年6月13日
(65)【公開番号】特開2017-9602(P2017-9602A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2016年6月13日
(31)【優先権主張番号】15172319.4
(32)【優先日】2015年6月16日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599040492
【氏名又は名称】ニヴァロックス−ファー ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ピエール・キュザン
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィ・クレトネ
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ストランツル
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル・ギャレ
【審査官】 藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】 スイス国特許発明第698677(CH,B5)
【文献】 実公昭49−022221(JP,Y1)
【文献】 特開2014−174125(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02107433(EP,A1)
【文献】 特開2008−122389(JP,A)
【文献】 実開昭63−116193(JP,U)
【文献】 特開2011−094793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00−49/04
G04C 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略水平面(23)及び略垂直面(21)を備える部材(27)に嵌合され、溶接される部品(35、45、55、65)を含む時計構成要素であって、前記部品(35、45、55、65)は、確実に、前記部品(35、45、55、65)を前記部材(27)に平衡構成で嵌合させて、前記部材(27)との溶接を向上させるように、傾斜壁(31、41、61)に隣接する略直線状壁(30、40、50、60)を有する少なくとも1面(30、31、32、36、40、41、42、46、50、52、56、60、61、62、66)を含み、
前記部品(35、45、55、65)は、前記略水平面(23)に溶接される
ことを特徴とする時計構成要素。
【請求項2】
略水平面(23)及び略垂直面(21)を備える部材(27)に嵌合され、溶接される部品(35、45、55、65)を含む時計構成要素であって、前記部品(35、45、55、65)は、確実に、前記部品(35、45、55、65)を前記部材(27)に平衡構成で嵌合させて、前記部材(27)との溶接を向上させるように、一部分に貫通するように穿孔された略直線状壁(30、40、50、60)を有する少なくとも1面(30、31、32、36、40、41、42、46、50、52、56、60、61、62、66)を含み、
前記一部分に貫通するように穿孔された略直線状壁(30、40、50、60)は前記部材(27)に接する
ことを特徴とする時計構成要素。
【請求項3】
前記部品(35、45、55、65)の前記少なくとも1面を、前記部材(27)の前記略垂直面(21)に嵌合することを特徴とする、請求項1又は2に記載の時計構成要素。
【請求項4】
前記部品(35、45、55、65)の前記少なくとも1面を、前記部材(27)の前記略水平面(23)に嵌合することを特徴とする、請求項1又は2に記載の時計構成要素。
【請求項5】
前記部品(35、45、55、65)を、シリコン製又はセラミック製とすることを特徴とする、請求項1乃至4の何れかに記載の時計構成要素。
【請求項6】
前記部品(35、45、55、65)は、金属、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素又は炭素の同素体の部分コーティングも少なくとも含むことを特徴とする、請求項1乃至5の何れかに記載の時計構成要素。
【請求項7】
前記部材(27)は、鉄合金、銅合金、ニッケル又はその合金、チタニウム又はその合金、金又はその合金、銀又はその合金、プラチナ又はその合金、ルテニウム又はその合金、ロジウム又はその合金、パラジウム又はその合金を含むことを特徴とする、請求項1乃至6の何れかに記載の時計構成要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接面を改善した部品、特に、その表面を、溶接の改善に適合可能にした部品を有する時計構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許第WO2015/185423号(特許文献1)から、例えば、金属又は金属合金等の別の部品に直接電磁放射して溶接する、シリコン系材料又はセラミック系材料から成る部品から、どのように時計構成要素を形成するかについて知られている。
【0003】
この開発を行う中で、該部品の間隔が0.5ミクロン以下であることが重要で、そうでなければ、両部品は、互いに溶接できない可能性があることが明らかになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許第WO2015/185423号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、確実に溶接により別の部材に組付けられるように幾何学的に適合可能にした少なくとも1つの接触面を有する新たな部品を含む時計構成要素を提案することによって、上記欠点の全て又は一部を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、第1実施形態によると、本発明は、略水平面及び略垂直面を備える部材に嵌合し、溶接する部品を含む時計構成要素であって、部品は、確実に、該部品を部材に平衡構成(isostatic configuration)で嵌合させて、部材との溶接を向上するように、傾斜壁に隣接する略直線状壁を有する少なくとも1面を含むことを特徴とする時計構成要素に関する。
【0007】
第1実施形態によると、部品は、有利には、間隔を、確実に該部品を部材に溶接できる値に減少させるために、部品を平衡構成で嵌合できると共に、溶接面を縮小した面を提供する。
【0008】
また、第2実施形態によると、本発明は、略水平面及び略垂直面を備える部材に嵌合し、溶接する部品を含む時計構成要素であって、部品は、確実に、該部品を部材に平衡構成で嵌合させて、部材との溶接を向上するように、部分的に穿孔した略直線状壁を有する少なくとも1面を含むことを特徴とする時計構成要素に関する。
【0009】
第2実施形態によると、部品は、有利には、間隔を、確実に該部品を部材に溶接できる値に減少させるために、部品を平衡構成で嵌合できると共に、部材の幾何学形状に適合可能な可撓性部分を提供する。
【0010】
本発明の他の有利な変形例によると:
−部品の上記少なくとも1面を、部材の略垂直面に、又は略水平面に嵌合する;
−部品を、シリコン製又はセラミック製とする;
−部品はまた、金属、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素又は炭素の同素体の部分コーティングも少なくとも含む;
−部材は、鉄合金、銅合金、ニッケル又はその合金、チタニウム又はその合金、金又はその合金、銀又はその合金、プラチナ又はその合金、ルテニウム又はその合金、ロジウム又はその合金、パラジウム又はその合金を含む。
【0011】
他の特徴及び効果については、添付図を参照して非限定的な説明目的で示した、以下の記述から明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】調速共振器の斜視図である。
図2】本発明によるひげぜんまいの斜視図である。
図3】本発明によるてん真の斜視図である。
図4】特許文献1による組立体の断面図である。
図5】本発明の第1実施形態による組立体の断面図である。
図6】本発明の第1実施形態の変形例による組立体の断面図である。
図7】本発明の第2実施形態による組立体の断面図である。
図8】本発明の第2実施形態による部品の斜視図である。
図9】本発明による第1実施形態と第2実施形態の組合せによる組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、使用可能な塑性域を全く持たない材料製の部品、即ち、極めて限定された塑性域を有する材料製の部品と、同じ種類の材料又は異なる種類の材料から成る別の部品を用いて形成する構成要素に関する。
【0014】
この構成要素は、時計分野における用途に対して考案されたもので、シリコン系又はセラミック系材料等の破損し易く脆い材料が果たす役割が大きくなるにつれて必要とされている。例えば、全体的又は部分的に、破損し易い若しくは脆い材料から、ケース、文字盤、フランジ、時計ガラス、ベゼル、押しボタン、クラウン、ケース裏面、針、ブレスレット又はストラップ、ひげぜんまい、てん輪、アンクル、ブリッジ又は棒、振動錘又は、がんぎ車等の車さえも形成することを想定できる。
【0015】
好適には、補償性ひげぜんまいを作製するのに使用するシリコン系材料は、結晶方位に関係なく、単結晶シリコン、結晶方位に関係なく、ドープ処理した単結晶シリコン、結晶方位に関係なく、非晶質シリコン、多孔質シリコン、多結晶シリコン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、水晶、又は酸化ケイ素とすることができる。勿論、ガラス、セラミック、陶性合金(cermet)、金属又は金属合金等の他の材料も想定できる。更に、第1シリコン系部品は、意図する時計構成要素の用途に応じて、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素又は炭素の同素体の中の少なくとも1つを部分コーティングとして、任意に含むこともできる。
【0016】
以上で説明したように、もう一方の部品は、同じ種類の材料又は別の種類の材料を含むことができる。従って、好適には、もう一方の部品は、金属系であり、鉄合金、銅合金、ニッケル又はその合金、チタニウム又はその合金、金又はその合金、銀又はその合金、プラチナ又はその合金、ルテニウム又はその合金、ロジウム又はその合金、パラジウム又はその合金を含むことができる。
【0017】
簡素化するために、以下の説明は、ひげぜんまいとてん真との組立体に関して行う。図1は、共振器1を示しており、ひげぜんまい5を、共振器組立体1全体、即ち全部品及び、特に同じてん真7に取付けたてん輪3の温度を補償するのに使用する。共振器1は、例えば、てん真7にも取付けたテーブルローラ11の振り石9と協働するスイスレバー脱進機(図示せず)等のメンテナンスシステムと協働する。
【0018】
補償用ひげぜんまい15について、図2においてより明確に示す。補償用ひげぜんまい15は、ひげ玉17と一体化した内側コイル19と、ひげ持ちにピンアップするよう意図した端部14を備える外側コイル12との間で巻回する単条片16を含む。図2から分かるように、ひげぜんまい15を使用する共振器の等時性を向上させるために、ひげぜんまい15は、グロースマン曲線部を備える内側コイル19、及びひげぜんまい15の他の部分に対して厚くした部分13を備える外側コイル12を含む。最後に、ひげ玉17は略三角形の形で延伸する単条片から成り、それによりひげ玉をてん真に嵌合する際に、ひげ玉が弾性を示して、特にひげ玉をてん真に対して中心に置けるようになるのが分かる。
【0019】
てん真27について、図3でより明確に示す。てん真27は、特に、複数の直径部分22、24、26を含み、該部分は其々、ひげぜんまい、てん輪、及びテーブルローラを受容することを意図している。図3に示すように、直径部分22は、円筒軸21を含み、該軸の下部を肩部23で縁取りしている。
【0020】
図4に示すように、直径部分22では、軸21と肩部23との間で、ひげぜんまい15のひげ玉17を受容することを意図する。より詳細には、ひげ玉17の内面20を、軸21の外面に弾発的に押圧し、ひげ玉17の下面18を肩部23に押圧する。最後に、参照番号28に見られるように、軸21及び/又は肩部23を、特許文献1の教示に従い、ひげ玉17に溶接する。
【0021】
しかしながら、特許文献1の教示を進展させる中で、部品間の差が0.5ミクロン以下でなくてはならず、さもなければ部品は互いに溶接できないことが直ぐに明らかになった。
【0022】
第1実施形態によると、時計構成要素は、縮小した接触面、又は接触線に限定した面を有する部品を含み、部材との間隙を0.5マイクロメートル以下の値に減少させるように、確実に該部品を部材に平衡構成で嵌合させる。
【0023】
従って、第1実施形態では、ひげぜんまい35を形成する、溶接面を改善した部品は、略水平面23及び略垂直面21を備える部材27と協働するように配置するひげ玉37を特に形成する、本体を含む。第1実施形態によると、部品35は、該部品の溶接面を縮小するように、傾斜壁31に隣接する略直線状壁30を有する少なくとも1面を含む。
【0024】
図5から分かるように、図4と比べると、部品の上記少なくとも1面は、下面32(略水平面23に取付けるよう意図した)から始まる傾斜壁31及びその後上面36にまで至る隣接する略直線状壁30(下面32と略垂直な)を形成する。従って、下面32の幅が、図4の下面18より狭くなることが理解できる。従って、傾斜壁31は、円錐面を形成する。
【0025】
この第1効果を、ひげ玉37をてん真27に平衡構成で嵌合させることに加える。確かに、略直線状面30が軸21に接触する面を縮小することで、ひげ玉37の下面32は、肩部23の幾何学形状に適合可能になる、即ち、下面32と肩部23との間隙を、0.5マイクロメートル以下の値まで小さくするために、より高い自由度で肩部23の幾何学形状に追従できる。この説明は、略直線状壁30と軸21との間でも、有効である点に注意されたい。
【0026】
図6に示した変形例によると、傾斜壁41は、事実上、下面42と上面46との間に存在する上記少なくとも1面全体を意図的に形成してもよく、それにより略直線状壁40が、図5に示した幅狭な壁30の代わりに、軸21との接触線を略形成するようにする。ひげ玉47の傾斜壁41はここでもまた、円錐面を形成し、ひげぜんまい45は、図5の第1実施形態と同じ組合せ効果を維持することが理解できる。
【0027】
従って、ひげぜんまい35、45のひげ玉37、47を、てん真27の直径部分22に嵌合すると、下面32、42と肩部23との間でレーザ溶接が確実に行われるが、これは、ひげ玉37、47が、縮小した下面32、42を提供すると共に、てん真27との平衡構成における嵌合を提供することにより、てん真27との間隙を、下面32、42と肩部23との間で0.5マイクロメートル以下の値に減少させたためである。
【0028】
また、或いは又は加えて、図5の構成において、略直線状壁30を軸21に溶接することも可能である。
【0029】
第2実施形態によると、時計構成要素は、縮小した剛性面、又は接触線に限定した面を有する部品を含み、部材との間隙を0.5マイクロメートル以下の値に減少させるように、確実に該部品を部材に平衡構成で嵌合させる。
【0030】
そのために、第2実施形態では、ひげぜんまい55を形成する、溶接面を改善した部品は、略水平面23及び略垂直面21を備える部材27と協働するように配置するひげ玉57を特に形成する、本体を含む。第2実施形態によると、部品55は、確実に、該部品を部材に平衡構成で嵌合して、該部品の溶接を向上させるために、更なる弾性を提供する部分的に穿孔した略直線状壁50を有する少なくとも1面を含む。
【0031】
図7及び図8から分かるように、上記部品の少なくとも1面は、軸21と協働するよう意図した剛性部分と、下面52を肩部23の幾何学形状に適合可能にするよう意図したより弾性の部分とを分断するための貫通孔53、54を含む、下面52(略水平肩部23に取付けるよう意図した)から上面56までの略直線状壁50を形成する。従って、下面52の幅は、図4の下面18に対して狭くはないものの、肩部23の凹凸を補償するために変形できることが、理解できる。
【0032】
この第1効果を、ひげ玉57をてん真27に平衡構成で嵌合することに加える。確かに、剛性部分を軸21との接触面を縮小して形成することで、ひげ玉57の下面52を、肩部23の幾何学形状に一層良好に適合可能になる、即ち、下面52と肩部23との間隙を、0.5マイクロメートル以下の値まで減少するように、より高い自由度で肩部23の幾何学形状に追従できる。
【0033】
従って、ひげぜんまい55のひげ玉57を、てん真27の直径部分22に嵌合すると、下面52と肩部23との間でレーザ溶接が確実に行われるが、これは、ひげ玉57が、肩部23を追従するよう移動可能な縮小した下面52を提供すると共に、てん真27との平衡構成における嵌合を提供することにより、てん真27との間隙を、下面52と肩部23との間で0.5マイクロメートル以下の値に減少させたためである。
【0034】
この説明は、略直線状壁50と軸21との間でも、有効である点に注意されたい、というのも、下面52を変位させる際に、略直線状壁50のより弾性の部分が軸21から離隔するからである。その結果、或いは又は加えて、略直線状壁50の剛性部分を軸21に溶接することも可能である。
【0035】
勿論、本発明は、図示した実施例に限定されないだけでなく、当業者が想起する様々な変更又は変形も可能である。特に、第1実施形態と第2実施形態を組合せて、両実施形態の組合せ効果を利用することもできる。
【0036】
従って、図9から分かるように、ひげぜんまい65を形成する部品の上記少なくとも1面は、下面62(略水平面23に取付けるよう意図した)から始まる傾斜壁61、及びその後上面66にまで至る隣接する略直線状壁60(下面62と略垂直な)を含むことができる。従って、下面62の幅が、図4の下面18より狭くなることが理解できる。
【0037】
この第1効果を、ひげ玉67をてん真27に平衡構成で嵌合することに加える。確かに、軸21に対する略直線状面60の接触面を縮小することで、ひげ玉67の下面62は、肩部23の幾何学形状に適合可能になる、即ち、下面62と肩部23との間隙を、0.5マイクロメートル以下の値まで小さくするために、より高い自由度で肩部23の幾何学形状に追従できる。この説明は、略直線状壁60と軸21との間でも、有効である点に注意されたい。
【0038】
これらの第1及び第2効果は、ひげ玉67の弾性部分に加えて、てん真27にも及ぶことが、理解できる。確かに、ひげぜんまい65を形成する部品の上記少なくとも1面60、61は、軸21と協働するよう意図した剛性部分60と、下面62を肩部23の幾何学形状により良好に適合可能にするよう意図したより弾性の部分61とを分離するための貫通孔63を含むこともできる。確かに、より弾性の部分61は、肩部23の凹凸を補償するために変形できる。
【0039】
従って、ひげぜんまい65のひげ玉67を、てん真27の直径部分22に嵌合すると、下面62と肩部23との間でレーザ溶接が確実に行われるが、これは、ひげ玉67が、肩部23を追従するよう移動可能な縮小した下面62を提供すると共に、てん真27との平衡構成における嵌合を提供することにより、てん真27との間隙を、下面62と肩部23との間で0.5マイクロメートル以下の値に減少させたためである。
【0040】
勿論、或いは又は加えて、略直線状壁60の剛性部分を軸21に溶接することも可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9