(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6340055
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】光学レンズ組立体及びその光学レンズ組立体を有する照明装置
(51)【国際特許分類】
G02B 3/08 20060101AFI20180528BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20180528BHJP
F21V 14/06 20060101ALI20180528BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20180528BHJP
G02B 7/02 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
G02B3/08
F21V5/00 510
F21V14/06
F21V5/04 650
G02B7/02 Z
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-208246(P2016-208246)
(22)【出願日】2016年10月25日
(65)【公開番号】特開2018-36617(P2018-36617A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2016年10月25日
(31)【優先権主張番号】105213171
(32)【優先日】2016年8月29日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】512092597
【氏名又は名称】浚洸光學科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100128923
【弁理士】
【氏名又は名称】納谷 洋弘
(74)【代理人】
【識別番号】100180297
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 裕子
(72)【発明者】
【氏名】黄 新傑
(72)【発明者】
【氏名】王 舜
(72)【発明者】
【氏名】▲トウ▼ 舜文
【審査官】
井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−286615(JP,A)
【文献】
特開2010−092700(JP,A)
【文献】
特開2004−126422(JP,A)
【文献】
特開2011−253658(JP,A)
【文献】
特開2011−175817(JP,A)
【文献】
特開2016−004705(JP,A)
【文献】
特開昭60−129779(JP,A)
【文献】
特開2014−110121(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0152153(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 1/00−1/08、3/00−3/14
G02B 5/00−5/136
F21V 5/00
F21V 5/04
F21K 9/00−9/90
F21S 2/00
F21V 8/00
F21V 14/06
G02B 7/02
Science Direct
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出光部及び入光部を有するリフレクタを有すると共に、前記リフレクタの内部における前記入光部に隣接する位置に収容空間が設けられている、インナーレンズと、
導光柱及び前記導光柱の頂端に接続されて板状に形成された外出光部を有し、前記インナーレンズの一側に設けられると共に、前記導光柱が前記収容空間に対応的に位置して前記外出光部の平面部に対して略直角をなすように立設され、前記外出光部は前記導光柱の外周部の内側の第1領域および前記導光柱の外周部の外側の第2領域を有し、前記外出光部が前記出光部を対応的に被覆可能であり、前記インナーレンズと互いに相対的に接近又は離間すると、前記導光柱が前記収容空間において前記入光部と互いに相対的に接近または離間する方向に移動する、アウターレンズと、
を含み、
前記導光柱に進入した光は前記外出光部から射出され、前記入光部に進入した光は前記出光部から射出され、
前記導光柱が前記収容空間において前記入光部と互いに相対的に接近する方向に移動すると、前記導光柱に進入して前記外出光部の前記第1領域から射出する光が、前記第2領域から射出する光よりも多くなるように構成されるとともに、
前記導光柱が前記収容空間において前記入光部と互いに相対的に離間する方向に移動すると、前記入光部に進入して前記出光部から射出しさらに前記第2領域に進入して当該第2領域から射出する光が、前記離間する方向に移動する前の前記第2領域から射出する光よりも多くなるように構成されている、
ことを特徴とする光学レンズ組立体。
【請求項2】
前記リフレクタの外表面には前記入光部から進入した光を前記出光部に反射するための全反射面が形成され、
前記出光部は、階段状である内出光部と、前記内出光部から外部に延在された環状出光部とを含み、
前記リフレクタの内部における前記入光部に隣接する位置には、前記リフレクタを貫通する貫通孔が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ組立体。
【請求項3】
前記外出光部は円盤状であり、
前記導光柱は円柱又は円錐台であり、
前記導光柱の底端には内側に凹むように集光溝が形成されており、
前記集光溝を形成する側壁は環状部として構成され、前記環状部は全反射面を有し、前記環状部に進入した光を前記外出光部に反射する、
ことを特徴とする請求項2に記載の光学レンズ組立体。
【請求項4】
前記環状部は、傾斜状であって前記導光柱の外表面から下に向かってテーパー状となると共に全反射面である外壁面と、前記導光柱に対して平行又は所定の角度をなす内壁面と、を有することを特徴とする請求項3に記載の光学レンズ組立体。
【請求項5】
前記導光柱の前記頂端が前記外出光部の底面の中心に接続されることを特徴とする請求項4に記載の光学レンズ組立体。
【請求項6】
出光部及び入光部を有するリフレクタを有すると共に、前記リフレクタの内部における前記入光部に隣接する位置に収容空間が設けられている、光学部材と、
導光柱及び前記導光柱の頂端に接続されて板状に形成された外出光部を有し、前記光学部材の一側に設けられると共に、前記導光柱が前記収容空間に対応的に位置して前記外出光部の平面部に対して略直角をなすように立設され、前記外出光部は前記導光柱の外周部の内側の第1領域および前記導光柱の外周部の外側の第2領域を有し、前記外出光部が前記出光部を対応的に被覆可能であり、前記光学部材と互いに相対的に接近又は離間すると、前記導光柱が前記収容空間において前記入光部と互いに相対的に接近または離間する方向に移動する、アウターレンズと、
を含み、
前記導光柱に進入した光は前記外出光部から射出され、前記入光部に進入した光は前記出光部から射出され、
前記導光柱が前記収容空間において前記入光部と互いに相対的に接近する方向に移動すると、前記導光柱に進入して前記外出光部の前記第1領域から射出する光が、前記第2領域から射出する光よりも多くなるように構成されるとともに、
前記導光柱が前記収容空間において前記入光部と互いに相対的に離間する方向に移動すると、前記入光部に進入して前記出光部から射出しさらに前記第2領域に進入して当該第2領域から射出する光が、前記離間する方向に移動する前の前記第2領域から射出する光よりも多くなるように構成されている、
ことを特徴とする光学レンズ組立体。
【請求項7】
出光部及び入光部を有するリフレクタを有すると共に、前記リフレクタの内部における前記入光部に隣接する位置に収容空間が設けられている、インナーレンズと、
導光柱及び前記導光柱の頂端に接続されて板状に形成された外出光部を有し、前記インナーレンズの一側に設けられると共に、前記導光柱が前記収容空間に対応的に位置して前記外出光部の平面部に対して略直角をなすように立設され、前記外出光部は前記導光柱の外周部の内側の第1領域および前記導光柱の外周部の外側の第2領域を有し、前記外出光部が前記出光部を対応的に被覆可能であり、前記インナーレンズと互いに相対的に接近又は離間すると、前記導光柱が前記収容空間において前記入光部と互いに相対的に接近または離間する方向に移動する、アウターレンズと、
前記入光部に隣接して設けられる光源と、
前記アウターレンズと前記インナーレンズとの間の距離を変えるように前記アウターレンズを移動させるのに用いられる、駆動装置と、
を含み、
前記導光柱に進入した光は前記外出光部から射出され、前記入光部に進入した光は前記出光部から射出され、
前記導光柱が前記収容空間において前記入光部と互いに相対的に接近する方向に移動すると、前記導光柱に進入して前記外出光部の前記第1領域から射出する光が、前記第2領域から射出する光よりも多くなるように構成されるとともに、
前記導光柱が前記収容空間において前記入光部と互いに相対的に離間する方向に移動すると、前記入光部に進入して前記出光部から射出しさらに前記第2領域に進入して当該第2領域から射出する光が、前記離間する方向に移動する前の前記第2領域から射出する光よりも多くなるように構成されている、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項8】
出光部及び入光部を有するリフレクタを有すると共に、前記リフレクタの内部における前記入光部に隣接する位置に収容空間が設けられている、光学部材と、
導光柱及び前記導光柱の頂端に接続されて板状に形成された外出光部を有し、前記光学部材の一側に設けられると共に、前記導光柱が前記収容空間に対応的に位置して前記外出光部の平面部に対して略直角をなすように立設され、前記外出光部は前記導光柱の外周部の内側の第1領域および前記導光柱の外周部の外側の第2領域を有し、前記外出光部が前記出光部を対応的に被覆可能であり、前記光学部材と互いに相対的に接近又は離間すると、前記導光柱が前記収容空間において前記入光部と互いに相対的に接近または離間する方向に移動する、アウターレンズと、
前記入光部に隣接して設けられる光源と、
前記アウターレンズの前記光学部材に対する距離を変えるように前記アウターレンズを移動させるのに用いられる、駆動装置と、
を含み、
前記導光柱に進入した光は前記外出光部から射出され、前記入光部に進入した光は前記出光部から射出され、
前記導光柱が前記収容空間において前記入光部と互いに相対的に接近する方向に移動すると、前記導光柱に進入して前記外出光部の前記第1領域から射出する光が、前記第2領域から射出する光よりも多くなるように構成されるとともに、
前記導光柱が前記収容空間において前記入光部と互いに相対的に離間する方向に移動すると、前記入光部に進入して前記出光部から射出しさらに前記第2領域に進入して当該第2領域から射出する光が、前記離間する方向に移動する前の前記第2領域から射出する光よりも多くなるように構成されている、
ことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズ組立体及びその光学レンズ組立体を有する照明装置に関し、特に、照明装置の光源によって形成される照明パターンを調整するのに用いることができる、2つのレンズから成る光学レンズ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(LED)の光源としての発光効率は、ますます向上する傾向にある。現在の市場においては、放熱材料、バックライト用インク又は各種パッケージ技術のいずれの開発においても、発光ダイオードが最少のエネルギーで最大の照度及びルーメン値を達成できるようにすることを目的としている。
【0003】
本願の出願人は、光学分析を通じて、様々な発光ダイオードの照明レンズを開発し、光学設計によって、発光ダイオードが最大の光取り出し効率及び最高の光束を得られるようにし、照明効果の最適化を達成することができるようにしてきた。
【0004】
既存の技術における照明装置では、異なる照明の状況又は照明対象物に合わせて照明パターンを変更しようとする場合、通常、照明器具を交換することで、異なる照明パターンを生成することになるが、こうした方法は、使用者にとって不便であり、コストを浪費する問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した問題に鑑み、本発明は、照明パターンを変更するためには照明器具を変更しなければならないという従来の問題を解決するために、照明装置の照明パターンを直接調整することができるように、インナーレンズ及び当該インナーレンズに対して移動可能なアウターレンズを有する、光学レンズ組立体及びその光学レンズ組立体を有する照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した技術課題を解決するために、1つの実施例において、本発明に係る光学レンズ組立体は、インナーレンズ及びアウターレンズを含む。インナーレンズは、出光部及び入光部を有するリフレクタを有する。リフレクタの内部における入光部に隣接する位置に、収容空間が設けられている。アウターレンズは、導光柱及び当該導光柱の頂端に接続された外出光部を有する。アウターレンズがインナーレンズの一側に設けられると共に、導光柱が収容空間に対応的に位置し、外出光部が出光部を対応的に被覆する。アウターレンズ及びインナーレンズは、互いに相対的に接近したり離間したりすることができる。導光柱は、収容空間において対応的に移動することができる。
【0007】
上述した技術課題を解決するために、他の実施例において、本発明に係る光学レンズ組立体は、光学部材及びアウターレンズを含む。光学部材は、出光部及び入光部を有するリフレクタを有する。リフレクタの内部における入光部に隣接する位置に、収容空間が設けられている。アウターレンズは、導光柱及び当該導光柱の頂端に接続された外出光部を有する。アウターレンズが光学部材の一側に設けられると共に、導光柱が収容空間に対応的に位置し、外出光部が出光部を対応的に被覆する。アウターレンズ及び光学部材は、互いに相対的に接近したり離間したりすることができる。導光柱は、収容空間において対応的に移動することができる。
【0008】
上述した技術課題を解決するために、1つの実施例において、本発明に係る照明装置は、光学部材、アウターレンズ、光源及び駆動装置を含む。光学部材は、出光部及び入光部を有するリフレクタを有する。リフレクタの内部における入光部に隣接する位置に、収容空間が設けられている。アウターレンズは、導光柱及び当該導光柱の頂端に接続された外出光部を有する。アウターレンズが光学部材の一側に設けられると共に、導光柱が収容空間に対応的に位置し、外出光部が出光部を対応的に被覆する。アウターレンズ及び光学部材は、互いに相対的に接近したり離間したりすることができる。導光柱は、収容空間において対応的に移動することができる。光源は、入光部に隣接して設けられる。駆動装置は、アウターレンズと光学部材との間の相対距離を変えるように、アウターレンズを移動させるのに用いられる。
【0009】
上述した技術課題を解決するために、他の実施例において、本発明に係る照明装置は、インナーレンズ、アウターレンズ、光源及び駆動装置を含む。インナーレンズは、出光部及び入光部を有するリフレクタを有する。リフレクタの内部における入光部に隣接する位置に、収容空間が設けられている。アウターレンズは、導光柱及び当該導光柱の頂端に接続された外出光部。アウターレンズがインナーレンズの一側に設けられると共に、導光柱が収容空間に対応的に位置し、外出光部が出光部を対応的に被覆する。アウターレンズ及びインナーレンズは、互いに相対的に接近したり離間したりすることができる。導光柱は、収容空間において対応的に移動することができる。光源は、入光部に隣接して設けられる。駆動装置は、アウターレンズとインナーレンズとの間の相対距離を変えるように、アウターレンズを移動させるのに用いられる。
【発明の効果】
【0010】
使用者は、アウターレンズとインナーレンズ(光学部材)との互いの距離を変えることで、光学レンズ組立体を通過する光源或いは照明装置から投射される光パターンを簡単に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る光学レンズ組立体の組立斜視図である。
【
図2】本発明に係る光学レンズ組立体の分離斜視図である。
【
図3】本発明に係る光学レンズ組立体の
図2に基づく断面図である。
【
図4】本発明に係る光学レンズ組立体の
図1に基づく断面斜視図である。
【
図5】本発明に係る照明装置の第1の状態を示す断面図である。
【
図5A】本発明に係る照明装置の第1の状態の直角座標を示す配光曲線図である。
【
図5B】本発明の
図5の第1の状態に対応する光スポット図である。
【
図6】本発明に係る照明装置の第2の状態を示す断面図である。
【
図6A】本発明に係る照明装置の第2の状態の直角座標を示す配光曲線図である。
【
図6B】本発明の
図6の第2の状態に対応する光スポット図である。
【
図7】本発明に係る照明装置の第3の状態を示す断面図である。
【
図7A】本発明に係る照明装置の第3の状態の直角座標を示す配光曲線図である。
【
図7B】本発明の
図7の第3の状態に対応する光スポット図である。
【
図8】本発明に係る照明装置の他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、特定の具体的な実施例を用いて本発明の実施形態を説明する。当業者は、本明細書に開示された内容に基づいて本発明の利点及び効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施例に基づいて実施又は応用することが可能であり、本明細書に記載された各細部についても異なる観点及び応用に基づいて、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の修正及び変更を施すことができる。また、本発明の図面は、説明を簡単にするために用いるものに過ぎず、実際の寸法に基づいて描画されたものではない。以下の実施形態において、本発明の関連技術内容を更に詳しく説明するが、その記載内容は本発明の技術範囲を制限するものではない。
【0013】
図1及び
図2は、本発明に係る光学レンズ組立体の組立斜視図及び分離斜視図である。
図1及び
図2に示すように、本発明に係る照明パターンを調整することができる光学レンズ組立体100は、インナーレンズ10及びアウターレンズ20を含む。インナーレンズ10又はアウターレンズ20は、それぞれ一体成形の方法により単一の光透過部材又は透明部材として製作することができ、例えば、プラスチック、ガラス、シリカゲル又はその他の光透過材料によって製作することができる。以下、光学レンズ組立体10にインナーレンズ10及びアウターレンズ20が含まれることを例として説明するが、実際の応用においては、インナーレンズ10は、反射材質を有する光学部材であってもよい。
【0014】
インナーレンズ10は、リフレクタ12を有する。リフレクタ12の両端は、入光部12a及び出光部12bとして構成される。リフレクタ12の内部における入光部12aに隣接する位置には、リフレクタ12を貫通する貫通孔120が形成されている。貫通孔120によって、リフレクタ12の内部に収容空間が対応的に設けられる。本実施例において、貫通孔120は、リフレクタ12の中央部分に位置する。貫通孔120は、形状が円形であってもよく、リフレクタ12の下半部を貫通する。インナーレンズ10には、第1の出光面S1が形成される(
図3を参照)。
【0015】
更に言えば、上述したリフレクタ12は、貫通孔120の内側に環状の入光面121が形成される。リフレクタ12の外表面には、弧形面123が形成される。弧形面123は、全反射面を形成する。弧形面123は、貫通孔120の内側(即ち入光面121)から進入した光を収斂させることができる。リフレクタ12の頂端には、円環状の環状出光部14が外方向に延在される。環状出光部14の頂面には、環状出光面140が形成される。環状出光面140は、平面、凸面又は凹面であってもよい。
図2に示すように、本実施例において、環状出光面140は、平面を例に説明するが、これに限定されない。環状出光面140は、第1の出光面S1の一部と見做すことができる。
【0016】
図2に示すように、リフレクタ12の内側には、多層階段状の内出光部122を有する。内出光部122は、リフレクタ12の上半部に位置する。内出光部122は、環状出光部14の内縁から貫通孔120の頂縁まで下に向かって延在される。本実施例において、内出光部122は、複数の微出光面1222及び複数の微反射面1221を有する。各微反射面1221は、導光柱21に対して略平行である。各微出光面1222は、環状出光面140に対して傾斜してもよく、環状出光面140に対して略平行であってもよい。微出光面1222は、平面、凸面又は凹面であってもよい。本実施例において、光は、貫通孔120の内側から進入し、弧形面123によって上述した内出光部122及び環状出光部14に向けて反射される。複数の微出光面1222は、第1の出光面S1の一部と見做すことができる。変更可能な実施例において、本発明は、環状出光部14を省略することができる。その場合、複数の微出光面1222は、第1の出光面S1と見做すことができる。
【0017】
本実施例において、内出光部122は、らせん状に延在されている。即ち、内出光部122は、環状出光部14の内縁から貫通孔120の頂縁まで下に向かって延在される。従って、微出光面1222は、環状出光面140に対して若干傾斜している。しかしながら、本発明は、これに限定されず、例えば、内出光部は、同心円状に配列された囲繞構造としてもよい。
【0018】
続いて、
図2及び
図4を用いて、アウターレンズ20を説明する。アウターレンズ20は、導光柱21と導光柱21の頂端に接続された外出光部22とを有する。アウターレンズ20は、インナーレンズ10の一側に対応的に設けられる。アウターレンズ20の導光柱21は、貫通孔120(収容空間)内に対応的に位置する。アウターレンズ20の外出光部22は、リフレクタ12の出光部12bを対応的に被覆することができる。アウターレンズ20がインナーレンズ10に対して移動すると、導光柱21は、貫通孔120(収容空間)内に対応的に移動することができる。本実施例において、外出光部22は平坦な頂面220を有する。頂面220は、第2の出光面S2と見做すことができる。他の実施例において、頂面220は、凸面又は凹面であってもよく、又は、頂面220には、微細構造が形成されていてもよい。
【0019】
本実施例における導光柱21は、等直径の円柱であってもよいが、これに限定されず、円錐台であってもよい。外出光部22は、略円盤状であり、導光柱21は、外出光部22の底面の略中心に位置する。
【0020】
本実施例において、アウターレンズ20を移動させると、導光柱21がインナーレンズ10の貫通孔120(収容空間)内で移動し、それによって、元々インナーレンズ10に進入していた光束を変えることができる。アウターレンズ20とインナーレンズ10との互いの距離が相対的に近い場合、光源から発せられた光は、大部分がアウターレンズ20の導光柱21に進入し、その後、大部分の光が導光柱21から狭い範囲で第2の出光面S2を介して外に投射される。アウターレンズ20とインナーレンズ10との互いの距離が相対的に遠い場合、光源から発せられた光は、大部分がインナーレンズ10の入光部12aに進入し、その後、大部分の光がリフレクタ12の内出光部122及び環状出光部14を介して外に投射される。
【0021】
図3は、本発明に係る光学レンズ組立体の
図2に基づく平面断面図である。
図4は、本発明に係る光学レンズ組立体の
図1に基づく断面斜視図である。
図3及び
図4に示すように、導光柱21の底端には、内側に凹むように集光溝210が形成されている。集光溝210を形成す側壁は、環状部214として構成される。集光溝210を形成する底壁は、凸レンズ部212として構成される。凸レンズ部212は、環状部214によって対応的に包囲されている。凸レンズ部212は、凸レンズ状である。光は、凸レンズ部212から導光柱21に進入する。
【0022】
環状部214は、内壁面2141及び外壁面2142を有する。外壁面2142は、傾斜状であり、導光柱21の外表面から下に向かってテーパー状となり全反射面を形成する。内壁面2141は、円錐面であってよく、凸レンズ部212から環状部214の底縁に向かって漸次外側に拡大する。光は、内壁面2141から進入し、外壁面2142を介して全反射され、導光柱21に沿って外部に投射される。内壁面2141は、導光柱21の上下方向に対して、平行であってもよく、又は所定の角度をなしてもよい。
【0023】
図3から分かるように、上述した内出光部122の複数の微出光面1222及び環状出光部14の環状出光面140は、いずれもアウターレンズ20の外出光部22の底面下方に位置する。
図4に示すように、アウターレンズ20はインナーレンズ10の一側に設けられると共に、アウターレンズ20とインナーレンズ10との互いの距離が相対的に大きい場合、入光部12aに対応的に設けられる光源から発せられた大部分の光は、リフレクタ12の入光面121を介して進入し、複数の微出光面1222及び環状出光面140を上向きに通過した後、更に外出光部22の底面を通過して出て行く。従って、この場合は小さい光スポットを形成することができる。これに対し、アウターレンズ20とインナーレンズ10との互いの距離が相対的に小さい場合(即ち使用者が
図4におけるアウターレンズ20をインナーレンズ10の方向へ移動させた場合)、光源から発せられた大部分の光は、導光柱21に進入し、外出光部220を通過して外部に射出される。従って、この場合は相対的に大きい光スポットを形成することができる。換言すれば、本発明に係る光学レンズ組立体によれば、使用者は、アウターレンズ20とインナーレンズ10との互いの距離を調整することによって、光源からの光が光学レンズ組立体を通過して射出される光スポットの大きさを変えることができる。
【0024】
図5は、本発明に係る照明装置の第1の状態を示す断面図である。
図5に示すように、照明装置は、光学レンズ組立体100、光源30、及び駆動装置40を含む。光源30は、貫通孔120の下方に配置される。光源30は、発光ダイオードであってもよい。駆動装置40は、アウターレンズ20のインナーレンズ10に対する距離を変えるように、アウターレンズ20を移動させるのに用いられる。第1の状態において、アウターレンズ20の外出光部22は、インナーレンズ10の環状出光部14に当接される。外出光部22の底面と、環状出光部14の頂面即ち環状出光面140との間には、間隙を有しない。光源30からの光は、大部分が導光柱21の集光溝210からアウターレンズ20に進入し、極一部のみがインナーレンズ10に進入する。ここでいう照明装置に含まれる光学レンズ組立体100において、インナーレンズ10は、反射材質を有する光学部材であってもよい。
【0025】
本実施例において、凸レンズ部212の焦点距離の長さは貫通孔120の高さに略等しい。光源30のインナーレンズ10に対する設置位置は、凸レンズ部212の焦点Fに対応的に位置していない。
【0026】
図6は、本発明に係る照明装置の第2の状態を示す断面図である。
図6に示すように、第2の状態において、アウターレンズ20の外出光部22は、インナーレンズ10の環状出光部14から若干離れる。外出光部22の底面と、環状出光部14の頂面即ち環状出光面140との間には、間隙G1を有する。光源30からの光は、大部分が依然として導光柱21の集光溝210からアウターレンズ20に進入するが、インナーレンズ10に進入する部分は
図5の状態に比べて多い。
【0027】
凸レンズ部212の集光焦点は、依然としてリフレクタ12の底端を超えて、光源30の下方に位置するが、
図5の状態に比べれば、より光源30に近くなる。従って、集光溝210から進入した光は、凸レンズ部212の発散作用の減少によって、
図5の状態よりも更に光を集める。光はアウターレンズ20の発散作用の減少によって
図5よりも小さな光スポットを形成する。
【0028】
図7は、本発明に係る照明装置の第3の状態を示す断面図である。第3の状態において、アウターレンズ20の外出光部22は、インナーレンズ10の環状出光部14から更に離れる。外出光部22の底面と、環状出光部14の頂面即ち環状出光面140との間には、間隙G2を有する。光源30からの光は、上向きに導光柱21の集光溝210からアウターレンズ20に進入する外、より多くの光がリフレクタ12の入光面121からインナーレンズ10に進入する。
【0029】
凸レンズ部212の集光焦点は、光源30に更に近くなる。集光溝210から進入した光線は、凸レンズ部212によって更に集められる。光がアウターレンズ20の導光柱21を介して略平行に外部に向けて投射されるため、中間部分の照明光度は更に増加する。
【0030】
図5、
図5A、
図6、
図6A、
図7及び
図7Aを併せて説明する。
図5A、
図6A及び
図7Aは、それぞれ照明装置が
図5、
図6及び
図7の状態にある場合の直角座標の配光曲線図である(
図5B、
図6B、
図7Bは、
図5、
図6、
図7に対応する光スポット図である)。図に示すように、使用者がアウターレンズ20をインナーレンズ10から漸次遠ざけた場合、照明装置によって形成される光スポットは、漸次小さくなり、光スポットの中心輝度が漸次増加する。これに対し、使用者がアウターレンズ20をインナーレンズ10の方向へ移動させた場合、照明装置によって形成される光スポットは、漸次大きくなる。従って、本発明に係る照明装置によれば、使用者は必要に応じて、アウターレンズ20とインナーレンズ10との互いの距離を調整することによって、照明装置が投射する光スポットの大きさ及びその中心輝度を変えることができる。
【0031】
図8は、本発明に係る照明装置及び光学レンズ組立体の他の実施形態を示す。
図3に示すように、導光柱21と外出光部22との間の夾角θ1は、略直角としてもよく、
図8に示すように、導光柱21と外出光部22との間の夾角θ2は、90度よりも大きくしてもよい。当然ながら、インナーレンズ10の貫通孔120の側壁は、導光柱21の異なる外形によって対応的に変更される。
【0032】
本発明の有益な効果をまとめると以下の通りとなる。即ち、本発明の実施例に係る照明装置及びその光学レンズ組立体によれば、使用者は、アウターレンズとインナーレンズ(光学部材)との互いの距離を調整することによって、照明装置が形成する照明パターンを対応的に変更することができる。
【0033】
本明細書における「略」等の表現は、微小に変化し得る如何なる関係をも範囲に含めるための用語である。例えば、加工において認められる誤差等の要因によって若干の不一致が生じることがあるが、こうした微小な変化によってその本質に変化が生じるわけではない。
【0034】
以上は本発明の好ましい実施例を説明したものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。本発明の明細書及び図面の内容に基づいて為された等価の技術的変更は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
100 光学レンズ組立体
10 インナーレンズ
12 リフレクタ
12a 入光部
12b 出光部
120 貫通孔
121 入光面
122 内出光部
1221 微反射面
1222 微出光面
123 弧形面
14 環状出光部
140 環状出光面
20 アウターレンズ
21 導光柱
210 集光溝
212 凸レンズ部
214 環状部
2141 内壁面
2142 外壁面
22 外出光部
220 頂面
S1 第1の出光面
S2 第2の出光面
30 光源
40 駆動装置
G1 間隙
G2 間隙
F 焦点
θ1、θ2 夾角