特許第6340090号(P6340090)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6340090
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】自動変速機の制御装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/16 20060101AFI20180528BHJP
   F16H 59/18 20060101ALI20180528BHJP
【FI】
   F16H61/16
   F16H59/18
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-573203(P2016-573203)
(86)(22)【出願日】2015年12月16日
(86)【国際出願番号】JP2015085136
(87)【国際公開番号】WO2016125402
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2017年7月3日
(31)【優先権主張番号】特願2015-18082(P2015-18082)
(32)【優先日】2015年2月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジヤトコ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】古口 幸司
(72)【発明者】
【氏名】奥谷 翔
(72)【発明者】
【氏名】小松 真琴
(72)【発明者】
【氏名】野田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】井上 拓市郎
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 雄司
(72)【発明者】
【氏名】田中 寛康
(72)【発明者】
【氏名】若山 英史
【審査官】 岡澤 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−159609(JP,A)
【文献】 特開2006−258125(JP,A)
【文献】 特開2010−286042(JP,A)
【文献】 特開2013−133836(JP,A)
【文献】 特開2013−194858(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/050453(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 61/16
F16H 59/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速前ギヤ段にて締結されていた第1摩擦締結要素を解放することでダウンシフトする変速制御手段を備えた自動変速機の制御装置において、
アクセルペダル開度変化に対するエンジントルク変化が他の領域に比べて小さいことを表す領域であって、エンジントルクが所定範囲内、かつ、エンジン回転数が所定範囲内となる所定領域内か否かを判定するエンジン特性判定手段と、
アクセルペダル開度が所定値以上、かつ、アクセルペダル開速度の絶対値が所定値以下の所定アクセル操作状態か否かを判定する運転状態判定手段と、
前記エンジン特性判定手段により前記所定領域内と判定され、かつ、前記運転状態判定手段により前記所定アクセル操作状態と判定された場合には、ダウンシフトを禁止するダウンシフト禁止手段と、
を備えた自動変速機の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、
前記ダウンシフトは、車速とプライマリ回転速度とアクセルペダル開度により設定された変速線に基づいて制御される自動変速機の制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の自動変速機の制御装置において、
前記ダウンシフト禁止手段によりダウンシフトを禁止後、前記運転状態判定手段により前記所定アクセル操作状態ではないとの判定継続時間が所定時間未満のときは、前記ダウンシフトの禁止を継続する自動変速機の制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか一つに記載の自動変速機の制御装置において、
前記自動変速機は、ロックアップクラッチを備えたトルクコンバータを有し、
前記ダウンシフト禁止手段によりダウンシフト禁止中に、所定の駆動力要求があるときは、前記ロックアップクラッチを解放する自動変速機の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動変速機の制御装置として、例えば特許文献1に記載のようなものが知られている。この公報には、例えばダウンシフト時等、ハイ&ローリバースクラッチ(以下、第1摩擦締結要素と記載する。)の滑り締結によりドライブ側からドリブン側へのトルク伝達容量を増大させる変速中、第1摩擦締結要素の締結力作用方向に対して反対方向に作用する反力を与えるように、ドリブン側に連結されたローコーストブレーキ(以下、第2摩擦締結要素と記載する。)の締結容量を増大させ、変速時のジャダーを低減させている。言い換えると、第1摩擦締結要素の締結力が比較的高い状態で掛け替え変速を行う際にジャダーが生じやすいことから、ドリブン側に連結された第2摩擦締結要素の締結容量を増大させて第1摩擦締結要素の分担力を低減している。
【0003】
しかしながら、第2摩擦締結要素の締結容量を増大させるとインターロック気味となるため、駆動力が落ち込むおそれがある。また、第2摩擦締結要素の締結容量を増大させるため、第2摩擦締結要素のジャダー対策も必要となるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−286042号公報
【発明の概要】
【0005】
本発明は上記課題に着目し、ダウンシフトに伴うジャダーを回避可能な自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
この目的のため、本発明による自動変速機の制御装置は、変速前ギヤ段にて締結されていた第1摩擦締結要素を解放することでダウンシフトする変速制御手段を備えた自動変速機の制御装置において、アクセルペダル開度変化に対するエンジントルク変化が他の領域に比べて小さいことを表す領域であって、エンジントルクが所定範囲内、かつ、エンジン回転数が所定範囲内となる所定領域内か否かを判定するエンジン特性判定手段と、アクセルペダル開度が所定値以上、かつ、アクセルペダル開速度の絶対値が所定値以下の所定アクセル操作状態か否かを判定する運転状態判定手段と、前記エンジン特性判定手段により前記所定領域内と判定され、かつ、前記運転状態判定手段により前記所定アクセル操作状態と判定された場合には、ダウンシフトを禁止するダウンシフト禁止手段と、を備えた。
【0007】
よって、エンジンが所定領域内にて作動し、かつ、運転状態が所定アクセル操作状態のときは、ダウンシフトを禁止することで、ダウンシフトに伴うジャダーを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1の車両の駆動系およびその全体制御システムを示す概略系統図である。
図2】実施例1の車両において、(a)は、当該車両の駆動系およびその全体制御システムを示す概略系統図であり、(b)は、当該車両の駆動系におけるVベルト式無段変速機に内蔵された副変速機内におけるクラッチの締結論理図である。
図3】実施例1の変速機コントローラに格納される変速マップの一例である。
図4】実施例1のキックダウン禁止制御処理を表すフローチャートである。
図5】実施例1のキックダウントルク変化判定処理を表すフローチャートである。
図6】実施例1のキックダウン開度判定処理を表すフローチャートである。
図7】実施例1の領域判定処理を表すフローチャートである。
図8】実施例1のゆっくり踏み判定処理を表すフローチャートである。
図9】エンジントルク特性を表す特性図である。
図10】実施例1のキックダウン禁止制御処理を表すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施例1〕
図1は、実施例1の自動変速機の制御装置を備えた車両の駆動系およびその全体制御システムを示す概略系統図である。図1の車両は、エンジン1を動力源として搭載し、エンジン1は、スタータモータ3により始動する。エンジン1は、Vベルト式の無段変速機4を介して駆動輪5に適宜切り離し可能に駆動結合する。
【0010】
無段変速機4のバリエータCVTは、プライマリプーリ6と、セカンダリプーリ7と、これらプーリ6,7間に掛け渡したVベルト8(無端可撓部材)とからなるVベルト式無段変速機構である。尚、Vベルト8は複数のエレメントを無端ベルトによって束ねる構成を採用したが、チェーン方式等であってもよく特に限定しない。プライマリプーリ6はトルクコンバータT/Cを介してエンジン1のクランクシャフトに結合し、セカンダリプーリ7はクラッチCLおよびファイナルギヤ組9を順次介して駆動輪5に結合する。尚、本実施例にあっては、動力伝達経路を断接する要素(クラッチやブレーキ等)を総称してクラッチと記載する。図1は、動力伝達経路を概念的に示すものであり、後述する副変速機31内に設けられたハイクラッチH/C,リバースブレーキR/B及びローブレーキL/Bを、総称してクラッチCLと記載している。クラッチCLが締結状態のとき、エンジン1からの動力はロックアップクラッチL/Uを備えたトルクコンバータT/Cを経てプライマリプーリ6へ入力され、その後Vベルト8、セカンダリプーリ7、クラッチCLおよびファイナルギヤ組9を順次経て駆動輪5に伝達し、走行する。
【0011】
エンジン動力伝達中、プライマリプーリ6のプーリV溝幅を小さくしつつ、セカンダリプーリ7のプーリV溝幅を大きくすることで、Vベルト8とプライマリプーリ6との巻き掛け円弧径を大きくすると同時にセカンダリプーリ7との巻き掛け円弧径を小さくする。これにより、バリエータCVTはHigh側プーリ比(High側変速比)へのアップシフトを行う。High側変速比へのアップシフトを限界まで行った場合、変速比は最高変速比に設定される。
【0012】
逆にプライマリプーリ6のプーリV溝幅を大きくしつつ、セカンダリプーリ7のプーリV溝幅を小さくすることで、Vベルト8とプライマリプーリ6との巻き掛け円弧径を小さくすると同時にセカンダリプーリ7との巻き掛け円弧径を大きくする。これにより、バリエータCVTはLow側プーリ比(Low側変速比)へのダウンシフトを行う。Low側変速比へのダウンシフトを限界まで行った場合、変速は最低変速比に設定される。
【0013】
バリエータCVTは、プライマリプーリ6の回転数を検出するプライマリ回転数センサ6aと、セカンダリプーリ7の回転数を検出するセカンダリ回転数センサ7aとを有し、これら両回転数センサにより検出された回転数に基づいて実変速比を算出し、この実変速比が目標変速比となるように各プーリの油圧制御等が行われる。
【0014】
エンジンコントローラ22は、アクセルペダル踏み込み量(アクセルペダル開度)APOを検出するアクセルペダル開度センサ27からの信号が入力され、エンジン1を出力制御する。変速機コントローラ24は、アクセルペダル開度センサ27からの信号、車速センサ32からの信号(図2参照)、加速度センサ33(図2参照)からの信号及びエンジンコントローラ22からのトルク信号に基づいて、バリエータCVT(Vベルト式無段変速機構CVT)の変速制御および副変速機31の変速制御及びクラッチCLの締結、解放制御を行う。バリエータCVTや副変速機31の制御は、エンジン駆動される機械式オイルポンプO/Pから供給される油圧に基づいて制御される。
【0015】
図2(a)は、実施例1の車両の駆動系およびその全体制御システムを示す概略系統図であり、図2(b)は、実施例1の車両の駆動系における無段変速機4に内蔵された副変速機31内におけるクラッチCL(具体的には、H/C, R/B, L/B)の締結論理図である。図2(a)に示すように、副変速機31は、複合サンギヤ31s-1および31s-2と、インナピニオン31pinと、アウタピニオン31poutと、リングギヤ31rと、ピニオン31pin, 31poutを回転自在に支持したキャリア31cとからなるラビニョオ型プラネタリギヤセットで構成する。
【0016】
複合サンギヤ31s-1および31s-2のうち、サンギヤ31s-1は入力回転メンバとして作用するようセカンダリプーリ7に結合し、サンギヤ31s-2はセカンダリプーリ7に対し同軸に配置するが自由に回転し得るようにする。
【0017】
サンギヤ31s-1にインナピニオン31pinを噛合させ、このインナピニオン31pinおよびサンギヤ31s-2をそれぞれアウタピニオン31poutに噛合させる。
アウタピニオン31poutはリングギヤ31rの内周に噛合させ、キャリア31cを出力回転メンバとして作用するようファイナルギヤ組9に結合する。
キャリア31cとリングギヤ31rとをクラッチCLであるハイクラッチH/Cにより適宜結合可能となし、リングギヤ31rをクラッチCLであるリバースブレーキR/Bにより適宜固定可能となし、サンギヤ31s-2をクラッチCLであるローブレーキL/Bにより適宜固定可能となす。
【0018】
副変速機31は、ハイクラッチH/C、リバースブレーキR/BおよびローブレーキL/Bを、図2(b)に○印により示す組み合わせで締結させ、それ以外を図2(b)に×印で示すように解放させることにより前進第1速、第2速、後退の変速段を選択することができる。ハイクラッチH/C、リバースブレーキR/BおよびローブレーキL/Bを全て解放すると、副変速機31は動力伝達を行わない中立状態であり、この状態でローブレーキL/Bを締結すると、副変速機31は前進第1速選択(減速)状態となり、ハイクラッチH/Cを締結すると、副変速機31は前進第2速選択(直結)状態となり、リバースブレーキR/Bを締結すると、副変速機31は後退選択(逆転)状態となる。図2(a)の無段変速機4は、全てのクラッチCL(H/C, R/B, L/B)を解放して副変速機31を中立状態にすることで、バリエータCVT(セカンダリプーリ7)と駆動輪5との間を切り離すことができる。
【0019】
図2(a)の無段変速機4は、エンジン駆動される機械式オイルポンプO/Pからのオイルを作動媒体として制御されるもので、変速機コントローラ24がライン圧ソレノイド35、ロックアップソレノイド36、プライマリプーリ圧ソレノイド37-1、セカンダリプーリ圧ソレノイド37-2、ローブレーキ圧ソレノイド38、ハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧ソレノイド39およびスイッチバルブ41を介し、バリエータCVTの当該制御を以下のように制御する。
尚、変速機コントローラ24には、図1につき前述した信号に加えて、車速VSPを検出する車速センサ32からの信号、および車両加減速度Gを検出する加速度センサ33からの信号を入力する。
【0020】
ライン圧ソレノイド35は、変速機コントローラ24からの指令に応動し、機械式オイルポンプO/Pからのオイルを車両要求駆動力対応のライン圧PLに調圧する。
ロックアップソレノイド36は、変速機コントローラ24からのロックアップ指令に応動し、ライン圧PLを適宜トルクコンバータT/Cに供給し、ロックアップクラッチL/Uの締結状態を制御することで、所要に応じて入出力要素間が直結されたロックアップ状態にする。
【0021】
プライマリプーリ圧ソレノイド37-1は、変速機コントローラ24からのCVT変速比指令に応動してライン圧PLをプライマリプーリ圧に調圧し、これをプライマリプーリ6へ供給することにより、プライマリプーリ6のV溝幅と、セカンダリプーリ7のV溝幅とを、CVT変速比が変速機コントローラ24からの指令に一致するよう制御して変速機コントローラ24からのCVT変速比指令を実現する。セカンダリプーリ圧ソレノイド37-2は、変速機コントローラ24からのクランプ力指令に応じてライン圧PLをセカンダリプーリ圧に調圧し、これをセカンダリプーリ7に供給することにより、セカンダリプーリ7がVベルト8をスリップしないよう挟圧する。
ローブレーキ圧ソレノイド38は、変速機コントローラ24が副変速機31の第1速選択指令を発しているとき、ライン圧PLをローブレーキ圧としてローブレーキL/Bに供給することによりこれを締結させ、第1速選択指令を実現する。
ハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧ソレノイド39は、変速機コントローラ24が副変速機31の第2速選択指令または後退選択指令を発しているとき、ライン圧PLをハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧としてスイッチバルブ41に供給する。
【0022】
第2速選択指令時はスイッチバルブ41が、ソレノイド39からのライン圧PLをハイクラッチ圧としてハイクラッチH/Cに向かわせ、これを締結することで副変速機31の第2速選択指令を実現する。
後退選択指令時はスイッチバルブ41が、ソレノイド39からのライン圧PLをリバースブレーキ圧としてリバースブレーキR/Bに向かわせ、これを締結することで副変速機31の後退選択指令を実現する。
【0023】
〔変速制御処理について〕
次に変速制御処理について説明する。図3は実施例1の変速機コントローラ24に格納される変速マップの一例である。変速機コントローラ24は、この変速マップを参照しながら、車両の運転状態(実施例1では車速VSP、プライマリ回転速度Npri、アクセルペダル開度APO)に応じて、無段変速機4を制御する。この変速マップでは、無段変速機4の動作点が車速VSPとプライマリ回転速度Npriとにより定義される。無段変速機4の動作点と変速マップ左下隅の零点を結ぶ線の傾きが無段変速機4の変速比(バリエータCVTの変速比に副変速機31の変速比を掛けて得られる全体の変速比、以下、「スルー変速比」という。)に対応する。
【0024】
この変速マップには、従来のベルト式無段変速機の変速マップと同様に、アクセルペダル開度APO毎に変速線が設定されており、無段変速機4の変速はアクセルペダル開度APOに応じて選択される変速線に従って行われる。なお、図3には簡単のため、全負荷線(アクセルペダル開度APO=8/8のときの変速線)、パーシャル線(アクセルペダル開度APO=4/8のときの変速線)、コースト線(アクセルペダル開度APO=0/8のときの変速線)のみが示されている。
【0025】
無段変速機4が低速モードのときは、無段変速機4はバリエータCVTの変速比を最Low変速比にして得られる低速モード最Low線とバリエータCVTの変速比を最High変速比にして得られる低速モード最High線の間で変速することができる。このとき、無段変速機4の動作点はA領域とB領域内を移動する。一方、無段変速機4が高速モードのときは、無段変速機4はバリエータCVTの変速比を最Low変速比にして得られる高速モード最Low線とバリエータCVTの変速比を最High変速比にして得られる高速モード最High線の間で変速することができる。このとき、無段変速機4の動作点はB領域とC領域内を移動する。
【0026】
副変速機31の各変速段の変速比は、低速モード最High線に対応する変速比(低速モード最High変速比)が高速モード最Low線に対応する変速比(高速モード最Low変速比)よりも小さくなるように設定される。これにより、低速モードでとりうる無段変速機4のスルー変速比の範囲(図中、「低速モードレシオ範囲」)と高速モードでとりうる無段変速機4のスルー変速比の範囲(図中、「高速モードレシオ範囲」)とが部分的に重複し、無段変速機4の動作点が高速モード最Low線と低速モード最High線で挟まれるB領域にあるときは、無段変速機4は低速モード、高速モードのいずれのモードも選択可能になっている。
【0027】
また、この変速マップ上には副変速機31の変速を行うモード切換変速線が低速モード最High線上に重なるように設定されている。モード切換変速線に対応するスルー変速比(以下、「モード切換変速比mRatio」という。)は低速モード最High変速比と等しい値に設定される。モード切換変速線をこのように設定するのは、バリエータCVTの変速比が小さいほど副変速機31への入力トルクが小さくなり、副変速機31を変速させる際の変速ショックを抑えられるからである。
【0028】
そして、無段変速機4の動作点がモード切換変速線を横切った場合、すなわち、スルー変速比の実際値がモード切換変速比mRatioを跨いで変化した場合は、変速機コントローラ24はバリエータCVTと副変速機31の両方で協調変速を行い、高速モード−低速モード間の切換えを行う。
【0029】
〔キックダウン禁止制御処理〕
次に、キックダウン禁止制御処理について説明する。キックダウンとは、例えば、副変速機31が第2速で走行中に、アクセルペダル開度APOが所定開速度閾値ΔAPO1以上で踏み込まれ、トルク変化が所定トルク変化量閾値ΔT1以上発生するとき、第2速から第1速にダウンシフトを行うことを言う。ここで、アクセルペダル19をゆっくり踏み込みながら走行している状態では、急加速意図を表すほどには踏み込まれていないものの、アクセルペダル開度APOは徐々に増大する。キックダウン判定を行う所定開速度閾値ΔAPO1は、車速VSPとアクセルペダル開度APOに基づいて決定される。具体的には、所定開速度閾値ΔAPO1は、アクセルペダル開度APOが高いほど、また車速VSPが高いほど小さな値に設定される。よって、アクセルペダル開速度ΔAPOはさほど大きくない状態を継続していたとしても、所定開速度閾値ΔAPO1の低下に伴ってキックダウン要求が行われる場面がある。
【0030】
キックダウンに伴うダウンシフトは、ある程度高いアクセルペダル開度APOにおいて行うこととなるため、ハイクラッチH/Cに供給されているハイクラッチ圧は、アクセルペダル開度APOに応じて比較的高められたライン圧が供給された状態である。この状態から、ハイクラッチ圧を棚圧まで低下させ、ローブレーキL/Bのローブレーキ圧を上昇させる。
このとき、エンジントルクTEは比較的高めに出力されているものの、エンジントルクの増大側への変化が少ないと、変速を進行させるためのトルクを十分に得られない場合がある。
【0031】
図9はエンジントルク特性を表す特性図である。例えば、図9のハッチングで示す領域でのアクセルペダル開度の3/8〜4/8への変化に対するエンジントルク変化量ΔT(b)は、ハッチングで示す領域よりも低エンジン回転側のΔT(a)もしくは高エンジン回転側の領域でのアクセルペダル開度変化に対するエンジントルク変化量ΔT(c)よりも小さい。すなわち、アクセルペダル開度APOが増大したとしても、あまり大きなエンジントルクTEの増大は見込めない。この傾向は、ターボエンジン等で顕著に表れる。そうすると、解放側であるハイクラッチH/Cは、高いハイクラッチ圧から低下させていること(十分に下がっていない場面も想定される)、エンジントルクの増大側への変化が十分でないこと、といった環境で掛け替え変速を行うこととなり、ハイクラッチH/Cの摩擦材表面において静止摩擦力と動摩擦力とが交互に繰り返すようなトルク変動に伴う振動、いわゆるジャダーが発生するおそれがあった。そこで、実施例1では、ジャダーが懸念される走行状態では、キックダウンを禁止することとした。尚、実施例1ではキックダウンを禁止する例を示すが、キックダウンに限らず、ジャダーが懸念される走行状態では、ダウンシフトを禁止する構成とすればよいことは言うまでもない。
【0032】
図4は実施例1のキックダウン禁止制御処理を表すフローチャートである。
(キックダウン判定処理:図4参照)
ステップS1では、キックダウントルク変化フラグFKDT(以下、FKDTと記載する。)がON、かつ、キックダウン開度フラグFKDA(以下、FKDAと記載する。)がONか否かを判定し、共にONの場合はステップS2に進み、それ以外のときはステップS3に進む。
ステップS2では、キックダウンフラグFKD(以下、FKDと記載する。)をONにセットする。
ステップS3では、FKDをOFFにセットする。
【0033】
ここで、FKDT及びFKDAの設定処理について説明する。図5は実施例1のキックダウントルク変化判定処理を表すフローチャート、図6は実施例1のキックダウン開度判定処理を表すフローチャートである。
(キックダウントルク変化フラグFKDT設定処理:図5参照)
ステップS101では、アクセルペダル開度APOと車速VSPを読み込む。
ステップS102では、所定トルク変化量閾値ΔT1を算出する。具体的には、アクセルペダル開度APOが大きいほど、車速VSPが高いほどΔT1は小さな値として算出される。これらは演算式を用いてもよいし、予め供えられたマップ等から算出してもよいし、各種パラメータに応じたゲインを用いて算出してもよく、特に限定しない。
ステップS103では、前回のエンジントルクTEと今回のエンジントルクTEとの差からトルク変化量ΔTを算出する。
ステップS104では、エンジントルク変化量ΔTが所定トルク変化量閾値ΔT1以上か否かを判定し、YESの場合はステップS105に進んでFKDTをONにセットする。一方、NOの場合はステップS106に進んでFKDTをOFFにセットする。
【0034】
(キックダウン開度フラグFKDA設定処理:図6参照)
ステップS201では、アクセルペダル開度APOと車速VSPを読み込む。
ステップS202では、所定開速度閾値ΔAPO1を算出する。具体的には、アクセルペダル開度APOが大きいほど、車速VSPが高いほどΔAPO1は小さな値として算出される。これらは演算式を用いてもよいし、予め供えられたマップ等から算出してもよいし、各種パラメータに応じたゲインを用いて算出してもよく、特に限定しない。
ステップS203では、アクセルペダル開度APOの開速度ΔAPOが所定開速度閾値ΔAPO1以上か否かを判定し、YESの場合はステップS204に進んでFKDAをONにセットする。一方、NOの場合はステップS205に進んでFKDAをOFFにセットする。尚、開速度ΔAPOは、前回のアクセルペダル開度APOと今回のアクセルペダル開度APOとの差分を制御周期で除した値であるが、単に前回のAPOと今回のAPOとの差分を用いてもよく、特に限定しない。
【0035】
すなわち、ステップS1からS3では、通常のキックダウン判定処理が行われ、キックダウン要求があるときはFKDがONにセットされ、キックダウン要求がないときはFKDがOFFにセットされる。
【0036】
(キックダウン禁止フラグFKDP設定処理:図4参照)
ステップS4では、アクセルペダル開度APOが予め設定された所定開度APO2以上か否かを判定し、APO2以上のときはステップS5に進み、それ以外のときはステップS9に進む。
ステップS5では、領域判定フラグFEA(以下、FEAと記載する。)がONか否かを判定し、ONのときはステップS6に進み、OFFのときはステップS8に進む。
ステップS6では、ゆっくり踏み判定フラグFSA(以下、FSAと記載する。)がONか否かを判定し、ONのときはステップS7に進み、OFFのときはステップS8に進む。
ステップS7では、キックダウン禁止フラグFKDP(以下、FKDPと記載する。)をONに設定する。
ステップS8では、FKDPの状態を維持する。すなわち、FKDP=ONであればONのままとし、FKDP=OFFであればOFFのままとする。
【0037】
ここで、FEA及びFSAの設定処理について説明する。図7は実施例1の領域判定処理を表すフローチャート、図8は実施例1のゆっくり踏み判定処理を表すフローチャートである。
(領域判定フラグFEA設定処理:図7参照)
ステップS301では、エンジントルクTEがトルク下限値TEmin以上、かつ、トルク上限値TEmax以下か否かを判定し、所定範囲内であればステップS302へ進み、それ以外はステップS304へ進む。
ステップS302では、エンジン回転数NEが回転数下限値NEmin以上、かつ、回転数上限値NEmax以下か否かを判定し、所定範囲内であればステップS303へ進み、それ以外はステップS304へ進む。
すなわち、現在のエンジントルクTEが図9で示すハッチング領域内にあるか否かを判定し、ハッチング領域内のときは、アクセルペダル開度APOの増加に対するエンジントルクTEの増加が見込めず、この領域がハイクラッチH/Cのジャダーを引き起こしやすい領域であることを示す。
【0038】
(ゆっくり踏み判定フラグFSA設定処理:図8参照)
ステップS401では、アクセルペダル開度APOがコースト走行状態を表す所定値APOC以上か否かを判定し、YESの場合はステップS402に進み、NOの場合はステップS410に進んでFSAをOFFにセットする。すなわち、コースト走行時であればジャダーの懸念がないため、キックダウンを禁止しない。
ステップS402では、アクセルペダル開速度ΔAPOの絶対値がゆっくり踏みを表す所定開速度閾値ΔAPO2以下か否かを判定し、YESの場合はステップS403に進み、NOの場合はステップS406に進む。すなわち、アクセルペダル開速度ΔAPOが小さければ、アクセルペダル19をゆっくりと踏み込んでいる、もしくはゆっくりと離している状態を表すことを意味する。
【0039】
ステップS403では、ゆっくり踏みタイマTSLOW(以下、TSLOWと記載する。)のカウントアップを行う。
ステップS404では、TSLOWが、継続的にアクセルペダルがゆっくり踏まれていることを表す所定時間TSLOW1以上か否かを判定し、YESの場合はステップS405に進んでFSAをONにセットする。NOの場合はステップS409に進んで現在のFSAを維持する。すなわち、ゆっくり踏みのときは、ジャダーが発生する領域に入りやすく、さほど加速意図もないことからジャダーを回避することが優先される。
【0040】
ステップS406では、解除タイマTOFF(以下、TOFFと記載する。)のカウントアップを行う。
ステップS407では、TOFFが、継続的にアクセルペダルが踏み込まれていることを表す所定時間TOFF1以上か否かを判定し、YESの場合はステップS408に進んでFSAをOFFにセットする。NOの場合はステップS409に進んで現在のFSAを維持する。この解除シーンは、例えば高速道路の合流シーン等で、アクセルペダルをしっかりと踏み込みながら走行車線に進入する場合を想定したものである。このような場面ではキックダウンを禁止すべきではないからである。
【0041】
(キックダウン禁止フラグFKDP解除処理:図4参照)
ステップS9では、エンジン回転数NEが予め設定された所定回転数NE1以上か否かを判定し、YESのときはステップS5に進み、NOのときはステップS10に進む。
ステップS10では、FKDPをOFFに設定する。
すなわち、ステップS4でアクセルペダル開度APOが所定開度APO2より小さいと判定され、かつ、エンジン回転数も低い場合は、エンジントルクTEも十分低下しており、次回のアクセルペダルの踏み込みや踏み増しに伴うエンジントルク変化量ΔTが大きいと見込まれるため、キックダウン禁止を解除する。
【0042】
(キックダウン非禁止時処理)
ステップS11では、FKDPがONか否かを判定し、ONの場合はステップS17に進み、OFFの場合はステップS12に進む。
ステップS12では、ロックアップOFFフラグFL/UOFF(以下、FL/UOFFと記載する。)をOFFにセットする。尚、FL/UOFFの詳細については後述する。
ステップS13では、ロックアップクラッチL/Uを通常ロックアップ制御により制御する。走行状態に応じてロックアップクラッチL/Uを完全締結状態、スリップロックアップ状態、解放状態に制御する。
ステップS14では、FKDがONか否かを判定し、ONの場合はキックダウン要求があるため、ステップS15に進んでキックダウンを実行する。NOの場合はキックダウン要求が無いため、ステップS16に進んで現変速段(実施例1の場合は第2速)を維持する。
【0043】
(ロックアップ解放要求制御処理)
ステップS17では、路面勾配θroadが予め設定された所定勾配θ1以上か否かを判定し、YESの場合は登坂路であり負荷が大きいと判定してステップS18に進む。NOの場合はステップS20に進んでFL/UOFFの状態を維持する。尚、路面勾配θroadは、APOやVSP及び加速度センサ33により検出された前後加速度に基づいて推定してもよいし、ナビゲーション情報や他のセンサを用いて検出してもよく特に限定しない。ロックアップOFFフラグFL/UOFFとは、通常ロックアップ制御によるロックアップクラッチL/Uの制御状態がどのような状態であってもロックアップクラッチL/Uの完全開放を要求するフラグであり、FL/UOFF=ONでロックアップクラッチL/Uを解放する。
ステップS18では、アクセルペダル開度APOが運転者の駆動力要求を表す所定値APO3以上か否かを判定し、YESの場合は路面勾配があり、かつ、駆動力を要求しているシーンであると判断してステップS19に進み、FL/UOFFをONに設定する。NOの場合はステップS20に進み、FL/UOFFの状態を維持する。
すなわち、FKDPがONの場合、キックダウン要求があったとしてもキックダウンが禁止された状態である。このとき、登坂路で加速を要求したとしても、ダウンシフトによる駆動力確保が望めない。そこで、登坂路で加速要求があると判断した場合には、ロックアップクラッチL/Uに解放を要求し、トルクコンバータT/Cのトルク増幅作用によって駆動力を確保する。
【0044】
(キックダウン禁止制御処理の作用)
次に、上記キックダウン禁止制御処理の作用について説明する。図10は実施例1のキックダウン禁止制御処理を表すタイムチャートである。このタイムチャートの最初の走行シーンでは、車両が路面勾配θroad以上の登坂路を第2速で走行しているものとする。
時刻t0において、運転者がアクセルペダル19を踏み込むと、エンジン回転数NE,エンジントルクTE共に増大する。
時刻t1において、エンジントルクTEがTEmin以上となり、時刻t2において、エンジン回転数NEがNEmin以上となると、領域判定フラグFEAがONとなる。
時刻t3において、アクセルペダル開速度ΔAPOがゆっくり踏みを表す所定開速度閾値ΔAPO2以下となると、ゆっくり踏みタイマTSLOWがカウントアップされ、TSLOW1が経過すると、ゆっくり踏み判定フラグFSAがONとなり、キックダウン禁止フラグFKDPがONとなる。これにより、キックダウン要求が禁止される。
よって、時刻t5において、キックダウントルク変化フラグFKDTがONとなり、時刻t6において、キックダウン開度フラグFKDAがONとなってキックダウンフラグFKDがONになったとしても、キックダウン禁止フラグFKDPがONであるため、キックダウンは行われない。これにより、ジャダーを抑制できる。
【0045】
キックダウン禁止中の時刻t7において、アクセルペダル開度APOがAPO3以上となると、ロックアップOFFフラグFL/UOFFがONとなり、登坂路での駆動力確保のため、ロックアップクラッチL/Uの解除要求を出力する。このとき、通常ロックアップ制御でどのような制御が行われていたとしても、強制的にロックアップ解除を行う。これにより、キックダウンによるダウンシフトが禁止されたとしても、駆動力を確保できる。
【0046】
また、時刻t8において、キックダウン禁止中にアクセルペダル19を急踏みし、アクセルペダル開速度ΔAPOがゆっくり踏みを表す所定開速度閾値ΔAPO2より大きくなったとしても、解除タイマTOFFのタイマ値が所定時間TOFF1未満の場合は、キックダウン禁止フラグFKDPが解除されることはなく、エンジントルクTEの上昇が見込めない場面での不用意なキックダウンを回避できる。
【0047】
以上説明したように、実施例1にあっては下記に列挙する作用効果が得られる。
(1)第2速(変速前ギヤ段)にて締結されていたハイクラッチH/C(第1摩擦締結要素)を解放することでダウンシフトする変速機コントローラ24(変速制御手段)を備えた自動変速機の制御装置において、
アクセルペダル開度変化ΔAPOに対するエンジントルク変化量ΔTが他の領域に比べて小さいことを表す領域であって、エンジントルクが所定範囲内、かつ、エンジン回転数が所定範囲内となる所定領域内か否かを判定する領域判定フラグFEA(エンジン特性判定手段)と、
アクセルペダル開度APOがAPOC(所定値)以上、かつ、アクセルペダル開速度ΔAPOの絶対値がΔAPO2(所定値)以下のゆっくり踏み状態(所定アクセル操作状態)か否かを判定するゆっくり踏み判定フラグFSA(運転状態判定手段)と、
領域判定フラグFEAがON(エンジン特性判定手段により所定領域内と判定され)、かつ、ゆっくり踏み判定フラグFSAがON(運転状態判定手段により所定アクセル操作状態と判定され)の場合には、キックダウン(ダウンシフト)を禁止するキックダウン禁止フラグFKDP(ダウンシフト禁止手段)と、
を備えた。
よって、ダウンシフトに伴うジャダーを回避できる。
【0048】
(2)キックダウン禁止フラグFKDPがON後、アクセルペダル開速度ΔAPOの絶対値がΔAPO2より大きい(運転状態判定手段により所定アクセル操作状態ではない)との判定継続時間である解除タイマTOFFのカウント値がTOFF1(所定時間)未満のときは、キックダウン禁止フラグFKDPをONのままとする(ダウンシフトの禁止を継続する)こととした。
よって、キックダウン禁止中に運転者が急にアクセルペダル19を踏み込んだとしても、すぐにキックダウンを許可することがなく、ジャダーを抑制できる。
【0049】
(3)自動変速機は、ロックアップクラッチL/Uを備えたトルクコンバータT/Cを有し、キックダウン禁止フラグFKDPがON中に、路面勾配θroadが所定勾配θ1以上、アクセルペダル開度APOがAPO3以上といった所定の駆動力要求があるときは、ロックアップクラッチL/Uを解放する。
よって、キックダウンが禁止され、ダウンシフトによる駆動力が確保できない場合であっても、ロックアップクラッチL/Uを解放し、トルクコンバータT/Cのトルク増幅作用を用いることで駆動力を確保できる。
【0050】
(他の実施例)
実施例1では、エンジンを動力源として走行する車両に適用した例を示したが、駆動用モータ等を備えたハイブリッド車両に適用してもよい。また、実施例1では、バリエータCVTと副変速機31を備えた車両に適用した例を示したが、通常の有段式自動変速機に適用してもよい。また、実施例1では、ダウンシフトの一例としてキックダウン要求を禁止したが、他のダウンシフト要求であっても、ジャダーが懸念される場合には、変速制御に基づくダウンシフトを禁止してもよい。具体的には、ダウンシフトは、車速VSP、プライマリ回転速度Npri、アクセルペダル開度APOにより設定された変速線に基づいて制御されるため、この変速線に基づくダウンシフトを禁止すればよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10