(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、排水口部材やその奥に位置する配管の内部の清掃を行う際に、より容易な清掃を可能とすべく、栓蓋や機構部を排水口から取外した上で、清掃を行うことが考えられる。しかしながら、上記両特許文献に記載の技術では、栓蓋や機構部を取外すことができても、排水口部材の内部に支持橋や支持座が存在することとなってしまう。そのため、支持橋や支持座が邪魔となり、排水口部材や配管の清掃に支障が生じてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、極めて良好な清掃性を実現することができる排水栓装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0007】
手段1.槽体に取付けられるとともに、自身の内周空間が排水流路を構成する排水口部材と、
上下動可能な支持軸を有し、前記排水口部材及び前記槽体の少なくとも一方の内周に配置される支持体と、
前記支持軸の上端部に取付けられる栓蓋とを備え、
前記支持体は、前記栓蓋の上面に対する押動により、前記支持軸を所定の上方位置にて保持することと、前記支持軸を所定の下方位置にて保持することとを交互に行うことが可能な排水栓装置であって、
前記支持体は、前記槽体又は前記排水口部材に対して取外可能な状態で取付けられ、前記支持軸を前記排水口部材及び前記槽体の少なくとも一方の内周にて保持する取付部を具備し、
前記支持体に対して上方側に向けた力を加えることで、前記槽体又は前記排水口部材から前記取付部を取外すとともに、上方から前記栓蓋及び前記支持体を引抜可能であり、
前記栓蓋及び前記支持体を引抜いた状態において、前記排水口部材の内周面は滑面状であり、かつ、前記排水口部材の内部が空の状態とな
り、
前記支持軸の軸方向に沿って前記栓蓋及び前記支持軸を離間させる力を加えることで、前記支持軸から前記栓蓋を取外可能であり、
前記槽体又は前記排水口部材から前記取付部を取外す際に必要な前記上方側に向けた力が、前記支持軸から前記栓蓋を取外す際に必要な力よりも小さいことを特徴とする排水栓装置。
【0008】
尚、「前記排水口部材の内周面は滑面状である」とあるのは、基本的には排水口部材の内周面に段差や突起が存在していないことを意味するが、排水口部材の内周面に、径方向内側に向けて突出する突起等が全く存在せず、排水口部材の内周面が厳密な滑面となっている場合に限らず、排水口部材の内周面に、径方向内側に向けて若干突出する微小な(例えば、径方向に沿った突出量が3mm以下の、より好ましくは2mm以下の)突起や段差が存在する場合も含む。
【0009】
上記手段1によれば、支持体に対して上方側に向けた力を加えることで、排水口部材等から取付部を取外しつつ、上方から栓蓋及び支持体を引抜くことができる。そして、栓蓋及び支持体を引抜いた状態において、排水口部材の内周面は滑面状とされており、大きな突起等が存在しない状態とされている。従って、排水口部材やその奥に位置する配管の内部を非常に容易に清掃することができ、極めて良好な清掃性を実現することができる。
【0010】
さらに、上記手段1によれば、排水口部材等から取付部を取外す際に必要な力が、支持軸から栓蓋を取外す際に必要な力よりも小さくなるように構成されている。従って、排水口部材等から取付部を取外す際には、栓蓋を上方側へと引き上げることで、支持軸から栓蓋が外れることなく、取付部(支持体)を取外すことができる。その結果、栓蓋や支持体の取外しが非常に容易なものとなり、清掃性をより向上させることができる。
【0011】
手段2.槽体に取付けられるとともに、自身の内周空間が排水流路を構成する排水口部材と、
上下動可能な支持軸を有し、前記排水口部材及び前記槽体の少なくとも一方の内周に配置される支持体と、
前記支持軸の上端部に取付けられる栓蓋とを備え、
前記支持体は、前記栓蓋の上面に対する押動により、前記支持軸を所定の上方位置にて保持することと、前記支持軸を所定の下方位置にて保持することとを交互に行うことが可能な排水栓装置であって、
前記支持体は、前記槽体又は前記排水口部材に対して取外可能な状態で取付けられ、前記支持軸を前記排水口部材及び前記槽体の少なくとも一方の内周にて保持する取付部を具備し、
前記支持体に対して上方側に向けた力を加えることで、前記槽体又は前記排水口部材から前記取付部を取外すとともに、上方から前記栓蓋及び前記支持体を引抜可能であり、
前記栓蓋及び前記支持体を引抜いた状態において、前記排水口部材の内周面は滑面状であり、かつ、前記排水口部材の内部が空の状態となり、
前記支持体は、前記支持軸の外周に配置される筒状部を備え、
前記支持軸の軸方向に沿って前記筒状部及び前記支持軸を離間させる力を加えることで、前記筒状部から前記支持軸を取外可能であり、
前記槽体又は前記排水口部材から前記取付部を取外す際に必要な前記上方側に向けた力が、前記筒状部から前記支持軸を取外す際に必要な力よりも小さいことを特徴とする排水栓装置。
【0012】
上記手段2によれば、支持体に対して上方側に向けた力を加えることで、排水口部材等から取付部を取外しつつ、上方から栓蓋及び支持体を引抜くことができる。そして、栓蓋及び支持体を引抜いた状態において、排水口部材の内周面は滑面状とされており、大きな突起等が存在しない状態とされている。従って、排水口部材やその奥に位置する配管の内部を非常に容易に清掃することができ、極めて良好な清掃性を実現することができる。
【0013】
さらに、上記手段2によれば、排水口部材等から取付部を取外す際に必要な力が、筒状部から支持軸を取外す際に必要な力よりも小さくなるように構成されている。従って、排水口部材等から取付部を取外す際には、栓蓋を上方側へと引き上げることで、筒状部から支持軸が外れることなく、取付部(支持体)を取外すことができる。その結果、栓蓋や支持体の取外しが一層容易なものとなり、清掃性を一段と向上させることができる。
【0014】
手段
3.前記支持軸に対して前記栓蓋が着脱可能であることを特徴とする手段1
又は2に記載の排水栓装置。
【0015】
上記手段
3によれば、支持体と栓蓋とを別体とすることができるため、栓蓋や支持体を個別に清掃することができる。その結果、清掃性を一層高めることができる。
【0016】
手段
4.前記支持体は、前記支持軸の外周に配置される筒状部を備え、
前記筒状部に対して前記支持軸が着脱可能であることを特徴とする手段1
乃至3のいずれかに記載の排水栓装置。
【0017】
上記手段
4によれば、筒状部及び支持軸を個別に清掃することができる。その結果、清掃性をより高めることができる。
【0018】
手段
5.前記槽体又は前記排水口部材に対する前記取付部の取付は、前記槽体上又は前記排水口部材上に前記取付部を載置することでなされ、
少なくとも前記支持軸を上方位置にて保持しているときにおいて、前記槽体上又は前記排水口部材上に前記取付部が載置されていることを特徴とする手段1乃至
4のいずれかに記載の排水栓装置。
【0019】
上記手段
5によれば、排水口部材等に対する取付部の取付は、排水口部材等の上に取付部を載置することでなされている。そのため、排水口部材等から取付部を取外す際に必要な力が極めて小さなものとなり、取付部(支持体)の取外しが非常に容易なものとなる。その結果、清掃性をより一層向上させることができる。
【0020】
また、上記手段
1の構成を合わせて採用した場合には、排水口部材等から取付部を取外す際に必要な力が極めて小さいことから、支持軸から栓蓋を取外す際に必要な力を大きなものとする必要がない。従って、支持軸から栓蓋を容易に取外すことができ、清掃性の更なる向上を図ることができる。
【0021】
さらに、上記手段
2の構成を合わせて採用した場合には、排水口部材等から取付部を取外す際に必要な力が極めて小さいことから、筒状部から支持軸を取外す際に必要な力を比較的小さくすることができる。従って、筒状部から支持軸を容易に取外すことができ、清掃性をより一層向上させることができる。
【0022】
手段
6.
前記支持体は、前記支持軸の外周に配置される筒状部を備え、
前記取付部は、
外周に位置する環状の円環部と、
前記筒状部及び前記円環部間に位置するネット部とを備えるヘアキャッチャーであり、
少なくとも前記支持軸を上方位置にて保持しているときにおいて、前記円環部の外周部分が全周に亘って前記槽体又は前記排水口部材の内周面とほぼ接触していることを特徴とする手段1乃至
5のいずれかに記載の排水栓装置。
【0023】
尚、「前記円環部の外周部分が全周に亘って前記槽体又は前記排水口部材の内周面とほぼ接触する」とあるのは、円環部の外周部分全域が槽体等の内周面に接触している場合のみならず、円環部の外周部分と槽体等の内周面との間に若干(例えば、径方向に沿った幅が1mm以下)の隙間が形成されている場合も含む。
【0024】
上記手段
6によれば、支持軸を上方位置にて保持しているときにおいて(つまり、排水口が開状態であるときにおいて)、円環部の外周部分が全周に亘って槽体等の内周面にほぼ接触するように構成されている。そのため、取付部(ヘアキャッチャー)の外側から毛髪やゴミ等が流れてしまうことを抑制でき、毛髪やゴミ等をより確実に捕集することができる。また、取付部の外周と槽体等との間に汚れが付着してしまうことをより確実に防止できる。
【0025】
手段
7.
前記支持体は、前記支持軸の外周に配置される筒状部を備え、
前記取付部は、
外周に位置する環状の円環部と、
前記筒状部及び前記円環部間に位置するネット部とを備えるヘアキャッチャーであり、
前記槽体及び前記排水口部材の少なくとも一方、又は、前記槽体から前記排水口部材に至る連続体は、下方に向けて内径が減少する縮径部を有し、
前記槽体又は前記排水口部材に対する前記取付部の取付は、前記縮径部上に前記取付部を載置することでなされ、
少なくとも前記支持軸を前記上方位置にて保持しているときにおいて、前記円環部の外周部分が全周に亘って前記縮径部に対して接触していることを特徴とする手段1乃至
6のいずれかに記載の排水栓装置。
【0026】
上記手段
7によれば、取付部は縮径部上に載置されているに過ぎないため、排水口部材等から取付部(支持体)を取外す際に必要な力
を極めて小さなものとすることができる。従って、取付部(支持体)の取外しが非常に容易なものとなり、清掃性を一層向上させることができる。
【0027】
さらに、上記手段
7によれば、排水口部材等のうち取付部の取付けられる部位が、凹凸のない滑らかな面である縮径部とされている。そのため、排水口部材等のうち取付部が取付けられる部位の清掃をより容易に行うことが可能となる。
【0028】
加えて、上記手段
7によれば、支持軸を上方位置にて保持しているときにおいて(つまり、排水口が開状態であるときにおいて)、円環部の外周部分が全周に亘って縮径部に接触するように構成されている。そのため、取付部(ヘアキャッチャー)の外側から毛髪やゴミ等が流れてしまうことを防止でき、毛髪やゴミ等をより確実に捕集することができる。
【0029】
手段
8.前記支持体は、前記支持軸のうち前記栓蓋が取付けられる側の端部とは反対側の端部に取付けられる第2ヘアキャッチャーを備え、
前記支持軸に対して前記第2ヘアキャッチャーが着脱可能であることを特徴とする手段1乃至
7のいずれかに記載の排水栓装置。
【0030】
上記手段
8によれば、第2ヘアキャッチャーにより、毛髪やゴミ等をより一層確実に捕集することができる。また、排水口部材のうち第2ヘアキャッチャーよりも上方側に、オーバーフロー口からの排水管(オーバーフロー管)が接続される場合には、オーバーフロー口からの排水に含まれる毛髪やゴミ等も捕集することができる。
【0031】
さらに、支持軸に対して第2ヘアキャッチャーが着脱可能であるため、支持軸等と第2ヘアキャッチャーとを個別に清掃することができる。その結果、清掃性を一段と高めることができる。
【0032】
手段
9.前記支持体は、前記支持軸の上下方向に沿った移動可能範囲を調節可能なストローク量調節部を有することを特徴とする手段1乃至
8のいずれかに記載の排水栓装置。
【0033】
上記手段
9によれば、ストローク調節部により支持軸の移動可能範囲を調節することができ、ひいては排水口を開状態としたときにおける栓蓋の上下方向に沿った位置を調節することができる。これにより、排水口を開状態としたときに栓蓋と槽体等との間に形成される隙間(排水時に水が流れる隙間)の大きさを調節することができ、排水速度の調節を図ることができる。
【0034】
手段
10.前記栓蓋は、前記排水口の閉時に前記槽体又は前記排水口部材と接触する環状のシール部を有し、
前記支持軸の軸方向に沿った前記支持軸に対する前記栓蓋の相対位置を調節可能なシール位置調節部を有することを特徴とする手段1乃至
9のいずれかに記載の排水栓装置。
【0035】
上記手段
10によれば、シール位置調節部により、支持軸の軸方向に沿った、支持体に対する栓蓋の相対位置を調節することができ、ひいては槽体や排水口部材に対するシール部の上下方向に沿った相対位置を調節することができる。これにより、槽体の厚みや形状等が種々異なる場合であっても、排水口の閉時に、シール部を槽体や排水口部材に対してより確実に密着させることができ、良好な水密性を確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、排水栓装置1は、槽体としての洗面ボール100に形成された排水口101に挿設されている。本実施形態において、洗面ボール100は、下方に向けて延びる筒状の垂下部102と、垂下部102の下端から径方向内側に向けて突出する環状の張出部103とを備えている。そして、張出部103の内周に、前記排水口101が形成されている。
【0038】
排水栓装置1は、排水口101に挿通される排水口部材2と、洗面ボール100の背面に設けられる環状部材3と、排水口部材2及び洗面ボール100の少なくとも一方(本実施形態では、双方)の内周に配置される支持体4と、支持体4に取付けられた栓蓋5とを備えている。
【0039】
排水口部材2は、所定の樹脂(例えば、POM等)により筒状に形成されており、自身の中心軸と前記排水口101の中心軸とがほぼ一致するように排水口101に挿通されている。そして、排水口部材2の内周空間は、洗面ボール100に貯留された水等を排出するための排水流路を構成している。
【0040】
また、排水口部材2の上端部には、外周側に突出形成された環状の鍔部21が形成されており、当該鍔部21よりも下方側の外周面には、雄ねじ部22が形成されている。鍔部21は、張出部103上に配置されており、また、鍔部21の外周面と垂下部102の内周面との間には、弾性変形可能な材料(例えば、樹脂やゴム等)により形成された環状の封止部材6が設けられている。封止部材6は、鍔部21及び垂下部102で挟み込まれた状態となっており、封止部材6により、洗面ボール100及び排水口部材2間に対する水の浸入防止が図られている。
【0041】
また、排水口部材2のうち前記雄ねじ部22よりも下方側には、筒状の枝分かれ管104が連結されている。枝分かれ管104は、洗面ボール100に形成されたオーバーフロー口(図示せず)からの排水が流れるオーバーフロー管105と接続されており、オーバーフロー口からの排水は、オーバーフロー管105及び枝分かれ管104を通って排水口部材2の前記排水流路へと流れ込むようになっている。
【0042】
また、本実施形態において、排水口部材2の内周面は、径方向内側に向けて突出する突起や段差が存在しない滑面状とされている。さらに、本実施形態において、排水口部材2の下端部には、筒状の配管(図示せず)が接続されており、排水口部材2の内周を通過した排水は前記配管を通って排出されるようになっている。尚、排水口部材2の下方に排水パンなどを設ける場合、前記配管を設けないこととしてもよい。
【0043】
環状部材3は、所定の樹脂により形成されており、その内周に、前記雄ねじ部22を螺合可能な雌ねじ部31を備えている。そして、前記雄ねじ部22が雌ねじ部31に螺合され、鍔部21及び環状部材3により張出部103を挟み込むことにより、排水口部材2が洗面ボール100に取付けられている。
【0044】
支持体4は、所定の樹脂からなる棒状の支持軸41と、当該支持軸41の外周に配置された筒状部42と、筒状部42の外周から径方向外側に延びる取付部43とを備えている。
【0045】
支持軸41は、その上端部が栓蓋5の背面中央に設けられた筒状の嵌合部51に嵌合されており、栓蓋5が着脱可能な状態で取付けられている。また、支持軸41の上端部外周には、環状の溝が形成されており、当該溝には、径方向に沿って弾性変形可能な環状のOリング7が配置されている。当該Oリング7は、支持軸41の外周面から径方向外側に若干突出しており、嵌合部51に支持軸41を嵌合した際に、支持軸41の外周面及び嵌合部51の内周面に挟み込まれる。その結果、支持軸41の軸方向に沿って栓蓋5及び支持軸41を離間させる方向に力を加えることで、支持軸41から栓蓋5を取外すことができるものの、支持軸41から栓蓋5を取外す際に必要な力が比較的大きなものとなっている。尚、支持軸41から栓蓋5を取外す際に必要な力は、支持軸41に対するOリング7の径方向外側に向けた突出量を調節することで、変更することができる。
【0046】
筒状部42は、支持軸41を上下動可能に保持しており、その内部に、栓蓋5の上面に対する押動により、支持軸41を所定の上方位置にて保持することと、支持軸を所定の下方位置にて保持することとを交互に行うことが可能な図示しない機構部(例えば、スラストロック機構など)を備えている。尚、本実施形態において、支持軸41の上下方向に沿った移動可能範囲は、一定とされている。
【0047】
取付部43は、外周に位置する円環状の円環部43Aと、筒状部41及び円環部43A間に位置するネット部43Bとを備えている。円環部43Aは、少なくとも支持軸41を上方位置にて保持しているときに排水口部材2の上端部に載置されている。これにより、取付部43は、排水口部材2に対して取外し可能な状態で取付けられている。尚、「円環部43Aが、少なくとも支持軸41を上方位置にて保持しているときに排水口部材2の上端部に載置される」と規定しているのは、排水口101を閉鎖すべく、支持軸41を前記下方位置にて保持しているときに、栓蓋5の後述するシール部53が洗面ボール100に接触し、その結果、円環部43Aが排水口部材2の上端部から離間することがあるためである。
【0048】
さらに、支持軸41を上方位置にて保持しているときにおいて(つまり、排水口101が開状態であるときにおいて)、円環部43Aは、垂下部102の内径とほぼ等しい外径を有しており、円環部43Aの外周部分が全周に亘って垂下部102の内周面にほぼ接触するように構成されている。尚、「ほぼ接触」とあるのは、円環部43Aの外周部分全域と垂下部102の内周面と接触している場合のみならず、円環部43Aの外周部分と垂下部102との間に微小な(例えば、径方向に沿った幅が1mm以下の)隙間が存在している場合も含む。
【0049】
ネット部43Bは、上下に貫通する多数の孔部(図示せず)を有しており、当該孔部を通して水が排出されるようになっている。その一方で、個々の孔部の大きさは十分に小さくされており、ネット部43Bにより、排水とともに流れてくるゴミや毛髪等が捕集されるようになっている。すなわち、本実施形態における取付部43は、ヘアキャッチャーとなっている。
【0050】
栓蓋5は、POM等の樹脂からなる円板部52と、当該円板部52の外周下方側に設けられた弾性変形可能な素材(例えば、樹脂やゴム等)からなる環状のシール部53とを備えている。前記円板部52は、その表面がなだらかに湾曲する形状をなしており、当該表面は、外観品質の向上を図るべく、金属製の被覆部52Aで覆われている。また、シール部53は、外周側に向けて徐々に薄くなるように構成されており、排水口101の閉時には、その外周部分の全周が洗面ボール100に対して接触するようになっている。
【0051】
また、
図2に示すように、前記上方位置にて支持軸41が保持されることにより、シール部53が洗面ボール100から離間し、排水口101が開放されるようになっている。一方で、
図1に示すように、前記下方位置にて支持軸41が保持されることにより、シール部53の外周全域が洗面ボール100に接触し、その結果、排水口101が閉鎖されるようになっている。
【0052】
また、支持体4は、支持軸41のうち栓蓋5が取付けられる側の端部とは反対側の端部(下端部)に取付けられた、所定の樹脂からなる第2ヘアキャッチャー44を備えている。第2ヘアキャッチャー44は、オーバーフロー管104に接続された枝分かれ管104の前記排水流路側の開口よりも常に下方に配置されており、第2ヘアキャッチャー44により、オーバーフロー口からの排水に含まれるゴミや毛髪等を捕集できるようになっている。また、第2ヘアキャッチャー44は、外周に設けられた円環状のリング部44Aと、排水口部材2の軸方向に沿って延びる軸部44Bと、リング部44A及び軸部44B間に設けられた第2ネット部44Cとを備えている。
【0053】
軸部44Bは、その上端部に筒状の嵌合部44Dを備えており、当該嵌合部44Dに対して支持軸41の下端部が嵌合されている。尚、支持軸41の下端部外周には、その上端部外周と同様に、環状の溝が形成されており、当該溝には、弾性変形可能な環状のOリング8が配置されている。当該Oリング8は、支持軸41の外周面から径方向外側に若干突出しており、嵌合部44Dに支持軸41を嵌合した際に、支持軸41の外周面及び嵌合部44Dの内周面に挟み込まれる。そのため、支持軸41の軸方向に沿って第2ヘアキャッチャー44及び支持軸41を離間させる方向に力を加えることで、支持軸41から第2ヘアキャッチャー44を取外すことができるものの、支持軸41から第2ヘアキャッチャー44を取外す際に必要な力が比較的大きなものとなっている。尚、支持軸41から第2ヘアキャッチャー44を取外す際に必要な力は、支持軸41に対するOリング8の径方向外側に向けた突出量を調節することで、変更することができる。
【0054】
また、本実施形態において、取付部43(円環部43A)は、上述の通り、排水口部材2の上端部に載置されている。そのため、支持体4に対して上方側に向けた力を加えることで、
図3に示すように、排水口部材2から取付部43を容易に取外すことができるとともに、上方から栓蓋5及び支持体4を引抜くことができるようになっている。
【0055】
さらに、本実施形態では、排水口部材2から取付部43を取外す際に必要な前記上方側に向けた力が、支持軸41から栓蓋5を取外す際に必要な力よりも小さくされている。そのため、栓蓋5を上方側へと引上げることで、栓蓋5が支持体4から外れることなく、栓蓋5及び支持体4の双方を引抜くことができるようになっている。
【0056】
そして、栓蓋5及び支持体4を引抜いた状態において、排水口部材2の内周面は、径方向内側に向けて非突出状、つまり、径方向内側に向けて突出する部位が存在しない滑面状となっている。
【0057】
以上詳述したように、本実施形態によれば、栓蓋5及び支持体4を引抜いた状態において、排水口部材2の内周面は滑面状とされている。従って、排水口部材2やその奥に位置する前記配管の内部を非常に容易に清掃することができ、極めて良好な清掃性を実現することができる。
【0058】
さらに、支持軸41に対して栓蓋5が着脱可能であり、支持体4と栓蓋5とを別体とすることができる。そのため、栓蓋5や支持体4を個別に清掃することができ、清掃性を一層高めることができる。
【0059】
加えて、排水口部材2から取付部43を取外す際に必要な力が、支持軸41から栓蓋5を取外す際に必要な力よりも小さくなるように構成されている。従って、排水口部材から取付部43を取外す際には、栓蓋5を上方側へと引きあげることで、支持軸41から栓蓋5が外れることなく、取付部43(支持体4)を取外すことができる。その結果、栓蓋5や支持体4の取外しが非常に容易なものとなり、清掃性をより向上させることができる。
【0060】
また、排水口部材2に対する取付部43の取付は、排水口部材2上に取付部43を載置することでなされている。そのため、排水口部材2から取付部43を取外す際に必要な力が極めて小さなものとなり、取付部43(支持体4)の取外しが非常に容易なものとなる。その結果、清掃性をより一層向上させることができる。
【0061】
さらに、排水口部材2から取付部43を取外す際に必要な力を、支持軸41から栓蓋5を取外す際に必要な力よりも小さくなるように構成するにあたり、本実施形態では、排水口部材2から取付部43を取外す際に必要な力が極めて小さくなることから、支持軸41から栓蓋5を取外す際に必要な力をさほど大きなものとする必要がない。従って、支持軸41から栓蓋5を容易に取外すことができ、清掃性の更なる向上を図ることができる。
【0062】
また、支持軸41を上方位置にて保持しているときにおいて、円環部43Aの外周部分が全周に亘って垂下部102の内周面にほぼ接触するように構成されている。そのため、取付部43(ヘアキャッチャー)の外側から毛髪やゴミ等が流れてしまうことを抑制でき、毛髪やゴミ等をより確実に捕集することができる。また、取付部43の外周と洗面ボール100との間に汚れが付着してしまうことをより確実に防止できる。
【0063】
加えて、第2ヘアキャッチャー44により、排水口101やオーバーフロー口から流れてくる毛髪やゴミ等をより一層確実に捕集することができる。また、支持軸41に対して第2ヘアキャッチャー44が着脱可能であるため、支持軸41等と第2ヘアキャッチャー44とを個別に清掃することができる。その結果、清掃性を一段と高めることができる。
〔第2実施形態〕
次いで、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。上記第1実施形態において、取付部43は、排水口部材2の上端部に載置されることで、排水口部材2に取付けられている。これに対して、本第2実施形態では、
図4に示すように、第2ヘアキャッチャー44の外周に、下方に向けて延びるとともに下端部が外周側に突出し、かつ、径方向に沿って弾性変形可能な爪部44Eが設けられており、爪部44E及びリング部44Aにより、取付部45が構成されている。そして、爪部44E及びリング部44A(つまり、取付部45)により、排水口部材2の内周に設けられた小突起部24を挟み込むことで、取付部45が排水口部材2に取付けられている。
【0064】
また、支持体4に対して上方側に向けた力を加えることで、爪部44Eが径方向内側に弾性変形し、その結果、取付部45を排水口部材2から取外すことができるようになっている。さらに、取付部45を排水口部材2から取外す際に必要な力は、支持軸41から栓蓋5を取外す際に必要な力よりも小さなものとされている。そのため、栓蓋5に対して上方側に向けた力を加えることで、
図5に示すように、排水口部材2から取付部45を取外すことができるとともに、栓蓋5が支持体4から外れることなく、上方から栓蓋5及び支持体4を引抜くことができるようになっている。
【0065】
また、前記小突起部24は、径方向内側に突出しているが、その突出量は非常に小さなもの(例えば、3mm以下であり、より好ましくは、2mm以下)とされている。そのため、栓蓋5及び支持体4を引抜いた状態において、排水口部材2の内周面は滑面状となっている。
【0066】
以上、本第2実施形態によれば、基本的には上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。すなわち、栓蓋5に対して上方側に向けた力を加えることで、排水口部材2から取付部45を取外しつつ、栓蓋5が支持体4から外れることなく、栓蓋5及び支持体4を引抜くことができる。そして、栓蓋5及び支持体4を引抜いた状態において、排水口部材2の内周面は大きな突起が存在しない滑面状となるため、排水口部材2やその奥に位置する配管の内部を非常に容易に清掃することができる。その結果、極めて良好な清掃性を実現することができる。
〔第3実施形態〕
次いで、第3実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図6に示すように、本第3実施形態において、槽体としての洗面ボール110は、下方に向けて延び、排水口部材120が接続される筒状の垂下部111を備えており、当該垂下部111の内周面に、下方に向けて内径が徐々に減少するテーパ状の縮径部112が形成されている。そして、支持体4の取付部43は、前記縮径部112上に載置されることで、洗面ボール110に取付けられている。尚、取付部43は、少なくとも支持軸41を前記上方位置にて保持しているときにおいて、前記縮径部112上に載置される。排水口101を閉鎖すべく、支持軸41を前記下方位置にて保持しているときには、栓蓋5のシール部53が洗面ボール110に接触し、その結果、取付部43が縮径部112から離間することがあるためである。
【0067】
また、少なくとも支持軸41を前記上方位置にて保持しているとき(つまり、取付部43が縮径部112上に載置されているとき)において、円環部43Aの外周部分が全周に亘って縮径部112に対して接触するように構成されている。
【0068】
尚、本第3実施形態において、排水口部材120は、例えば、ねじ止めなどにより、洗面ボール110の背面に取付けられている。また、上記第1実施形態と同様に、排水口部材112の内周面は、径方向内側に向けて非突出状、つまり、径方向内側に向けて突出する突起等が存在しない滑面状となっている。
【0069】
さらに、支持体4又は栓蓋5に対して上方側に向けた力を加えることで、洗面ボール110から取付部43を取外すとともに、上方から栓蓋5及び支持体4を引抜くことができるようになっている。そして、
図7に示すように、栓蓋5及び支持体4を引抜いた状態において、排水口部材120の内周面は滑面状となっている。
【0070】
以上、本第3実施形態によれば、基本的には上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0071】
加えて、本第3実施形態によれば、洗面ボール110のうち取付部43の取付けられる部位が、凹凸のない滑らかな面である縮径部112とされている。そのため、洗面ボール110のうち取付部43が取付けられる部位の清掃をより容易に行うことが可能となる。
【0072】
さらに、支持軸41を上方位置にて保持しているときにおいて、円環部43Aの外周部分が全周に亘って縮径部112に接触するように構成されている。そのため、取付部43(ヘアキャッチャー)の外側から毛髪やゴミ等が流れてしまうことを防止でき、毛髪やゴミ等をより確実に捕集することができる。
〔第4実施形態〕
次いで、第4実施形態について、上記実施形態との相違点を中心に説明する。本第4実施形態では、
図8に示すように、支持体130は、栓蓋5を支持する支持軸131と、支持軸131の外周に配置される筒状部132と、筒状部132の内周において上下動可能に支持される下軸133と、下軸133の下方において下軸133と直列的に配置された機構部134(例えば、スラストロック機構など)とを備えている。支持軸131は、上下動可能であるとともに、その下端部が下軸133の上端部に接触している。そのため、下軸133が上下動することで、下軸133とともに上下動するようになっている。
【0073】
また、栓蓋5の上面を押した際に、その力が機構部134に伝達されるようになっている。そして、機構部134は、栓蓋5の上面の押動により、下軸133を上方にて保持することと、下方にて保持することとを交互に行うことができるようになっている。また、下軸133の上下動に伴い、支持軸131は、所定の上方位置にて保持されることと、所定の下方位置にて保持されることとが交互に行われるようになっている。
【0074】
さらに、本第4実施形態において、支持軸131は、下軸133の上端部に載置されており、また、その上下方向に沿った移動が何ら規制されない状態では筒状部132に挿通されている。そのため、筒状部132に対して支持軸131が着脱可能であり、支持軸131を筒状部132からスムーズに引き抜くことができるようになっている。
【0075】
加えて、本第4実施形態において、排水口部材140は、洗面ボール110の背面に対してねじ止め等により固定される筒状の第1構成部141と、自身の内周に設けられた雌ねじ部142Aが第1構成部141の外周に設けられた雄ねじ部141Aに螺合されることで、第1構成部141と直列的に接続される第2構成部142とを備えている。そして、第1構成部141の内周面は、径方向内側に若干突出しているが、その突出量は非常に小さなもの(例えば、3mm以下であり、より好ましくは、2mm以下)とされている。すなわち、排水口部材140の内周面は滑面状とされている。
【0076】
また、本第4実施形態において、円環部135A及びネット部135Bを有する取付部135は、第1構成部141に載置されることで、排水口部材140に取付けられている。そして、支持体130に対して上方側に向けた力を加えることで、排水口部材140から取付部135を取外すとともに、上方から栓蓋5及び支持体130を引抜くことができるようになっている。そして、
図9に示すように、栓蓋5及び支持体130を引抜いた状態において、排水口部材140の内周面は滑面状となっている。
【0077】
以上、本第4実施形態によれば、基本的には上記第1実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0078】
加えて、本第4実施形態では、筒状部132に対して支持軸131が着脱可能である。そのため、筒状部132及び支持軸131を個別に清掃することができ、清掃性をより高めることができる。
【0079】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0080】
(a)上記第4実施形態では、栓蓋5を上方へと引上げた際に、栓蓋5及び支持軸131がともに上方へと引抜かれ、筒状部132や取付部135等が残存するように構成されている。これに対して、栓蓋5を上方へと引上げた際に、栓蓋5及び支持軸131とともに、筒状部132や取付部135が外れるように構成してもよい。
【0081】
具体的には、
図10に示すように、筒状部132の内周に、径方向内側に突出する被係止部132Aを設ける一方で、支持軸131の外周に、径方向外側に突出し前記被係止部132Aに係止可能であるとともに、径方向に沿って弾性変形可能な係止部131Aを設ける。そして、排水口部材140から取付部135を取外す際に必要な力を、筒状部132から支持軸131を取外す(引抜く)際に必要な力よりも小さくする。これにより、栓蓋5を上方へと引上げた際に、支持軸131とともに筒状部132や取付部135が外れることとなる。従って、栓蓋5や支持体130の取外しが一層容易なものとなり、清掃性を一段と向上させることができる。
【0082】
尚、筒状部132や支持軸131に対して、支持軸131の軸方向に沿って両者を離間させる力を加えることで、筒状部132から支持軸131を取外すことができる。ここで、取付部135は、排水口部材140に載置されることで排水口部材140に取付けられているため、排水口部材140から取付部135を取外す際に必要な力は極めて小さい。そのため、排水口部材140から取付部135を取外す際に必要な力を、筒状部132から支持軸131を取外す際に必要な力よりも小さくしつつ、筒状部132から支持軸131を取外す際に必要な力を十分に小さくすることができる。従って、筒状部132から支持軸131を容易に取外すことができ、清掃性をより一層向上させることができる。
【0083】
さらに、
図11に示すように、下軸133の上端部に、径方向に沿って弾性変形可能な筒状の被係止部133Aを設ける一方で、支持軸131の下端部に、前記被係止部133Aに挿通されるとともに被係止部133Aに係止可能な係止部131Bを設ける。そして、排水口部材140から取付部135を取外す際に必要な力を、筒状部132から支持軸131を取外す(引抜く)際に必要な力よりも小さくする。これにより、栓蓋5を上方へと引上げた際に、支持軸131とともに筒状部132や取付部135が外れることとなり、栓蓋5や支持体130の取外しがより容易なものとなる。
【0084】
尚、筒状部132や支持軸131に対して、支持軸131の軸方向に沿って両者を離間させる力を加えることで、筒状部132から支持軸131を引抜くことができる。また、取付部135は、排水口部材140に載置されることで排水口部材140に取付けられているため、排水口部材140から取付部135を取外す際に必要な力は極めて小さい。そのため、排水口部材140から取付部135を取外す際に必要な力を、筒状部132から支持軸131を取外す際に必要な力よりも小さくしつつ、筒状部132から支持軸131を取外す際に必要な力を十分に小さくすることができる。従って、筒状部132から支持軸131を容易に取外すことができる。
【0085】
また、
図12に示すように、支持軸131の外周に、径方向に沿って弾性変形可能なCリング136を設けることで、栓蓋5を上方へと引上げた際に、支持軸131とともに筒状部132や取付部135が外れるように構成してもよい。
【0086】
(b)
図12に示すように、機構部134の内周に、下軸133の下端部の上下方向に沿った位置を調節することで、機構部134の上端部の上下方向に沿った移動量(ストローク量)を調節し、ひいては支持軸131の上下方向に沿った移動可能範囲を調節することができる雄ねじ状のストローク調節部137を設けることとしてもよい。スト
ローク調節部137を設けることで、排水口113を開状態としたときに栓蓋5(シール部53)と洗面ボール110との間に形成される隙間(排水時に水が流れる隙間)の大きさを調節することができる。その結果、排水速度の調節を図ることができる。
【0087】
(c)上記第1実施形態において、栓蓋5は、自身の嵌合部51に支持軸41が嵌合されることで支持軸41に取付けられている。これに対して、
図13に示すように、嵌合部51の内周に雌ねじ部51Aを設け、支持軸41の先端部に設けられた雄ねじ部41Aを前記雌ねじ部51Aに螺合することで、支持軸41に栓蓋5が取付けられるように構成してもよい。この場合には、雌ねじ部51Aに対する雄ねじ部41Aの螺合量を調節することで、支持軸41の軸方向に沿った、支持軸41に対する栓蓋5の相対位置を調節することができる。これにより、洗面ボール100や排水口部材2に対するシール部53の上下方向に沿った相対位置を調節することができる。その結果、洗面ボール100等の厚みや形状等が種々異なる場合であっても、排水口101の閉時に、シール部53を洗面ボール100に対してより確実に密着させることができ、良好な水密性を確保することができる。すなわち、上記においては、雄ねじ部41A及び雌ねじ部51Aにより、本発明の「シール位置調節部」が構成されている。尚、
図13に示すように、支持軸41の外周にナット部材41Bを設け、当該ナット部材41Bにより支持軸41に対する栓蓋5の相対回転を規制することで、シール部53の上下方向に沿った位置に変動が生じてしまうことを防止してもよい。
【0088】
(d)上記第3実施形態では、洗面ボール100に縮径部112が設けられ、当該縮径部112上に取付部43が載置されている。これに対して、例えば、排水口部材や、洗面ボールから排水口部材に至る連続体(連続面)に縮径部を設け、当該縮径部上に取付部を載置することとしてもよい。
【0089】
(e)上記実施形態において、支持体は、排水口部材及び洗面ボール(浴槽)の双方の内周に配置されているが、支持体は、排水口部材の内周のみに配置されていてよいし、洗面ボール(浴槽)の内周のみに配置されていてもよい。
【0090】
(f)上記実施形態では、取付部43を構成するヘアキャッチャーや第2ヘアキャッチャー44が設けられているが、必ずしもヘアキャッチャーを設ける必要はない。
【0091】
(g)排水口部材や洗面ボール等に対する取付部の取付態様は、上記実施形態のものに限定されるものではない。従って、例えば、排水口部材の内周に窪み部を設け、当該窪み部に取付部を配置することで、排水口部材に対して取付部を取付けることとしてもよい。
【0092】
(h)上記実施形態では、排水口の閉時に、シール部53が洗面ボール100や洗面ボール110に接触するように構成されているが、排水口の閉時に、シール部53が排水口部材に接触するように構成してもよい。
【0093】
(i)上記実施形態において、排水栓装置1は、槽体として洗面ボール100(110
)に取付けられているが、排水栓装置1の取付対象は洗面ボールに限られるものではなく、その他の槽体(例えば、浴槽等)に排水栓装置1を取付けることとしてもよい。