【実施例】
【0014】
本発明の実施例に係るガス絶縁スイッチギヤを
図1〜
図4を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例に係る本発明の実施例に係るガス絶縁スイッチギヤの配置単線接続図、
図2は、本発明の実施例に係るガス絶縁スイッチギヤの受電盤の構成を示す側面図、
図3は、本発明の実施例に係るガス絶縁スイッチギヤの受電盤の構成を示す正面図、
図4は、本発明の実施例に係るガス絶縁スイッチギヤの主変一次盤の構成を示す側面図である。なお、従来と同様の構成部分は、同一符号を付した。
【0015】
図1に示すように、常用線と予備線の受電側機器を一括収納した2回線収納受電盤20aと、常用線と予備線の負荷側機器を一括収納するとともに、変成器を収納した2回線収納主変一次盤20bの2面列盤で2回線受電を構成している。
【0016】
2回線収納受電盤20aには、金属製の受電盤隔壁21が縦方向に設けられ、常用線受電室22aと予備線受電室22bにガス区分されている。受電盤隔壁21には、受電盤絶縁スペーサ23が気密に設けられている。
【0017】
常用線受電室22aには、従来と同様に、常用線受電ケーブルヘッド2a、常用線一次接地開閉器3a、常用線一次断路器4a、常用線受電遮断器5a、常用線二次断路器6a、常用線二次接地開閉器7aが順に配置接続されている。予備線受電室22bにも、従来と同様に、予備線受電ケーブルヘッド2b、予備線一次接地開閉器3b、予備線一次断路器4b、予備線受電遮断器5b、予備線二次断路器6b、予備線二次接地開閉器7bが順に配置接続され、受電盤T形ブッシング24で主回路が天井部に導出されている。常用線二次接地開閉器7aと予備線二次接地開閉器7bの主回路は、受電盤絶縁スペーサ23を介して接続されている。
【0018】
2回線収納主変一次盤20bには、金属製の主変盤隔壁25が縦方向に設けられるとともに、VCT隔壁26が横方向に設けられ、左右方向の予備線主変室27aと常用線主変室27b、および下部のVCT室27cにガス区分されている。主変盤隔壁25には、主変盤絶縁スペーサ28が気密に設けられ、VCT隔壁26には、VCT絶縁スペーサ29a、29bが気密に設けられている。
【0019】
予備線主変室27aには、従来と同様に、予備線負荷断路器11a、予備線負荷遮断器12a、予備線負荷接地開閉器13a、予備線負荷ケーブルヘッド14aが順に配置接続され、図示しない予備線変圧器に接続されている。予備線負荷断路器11aの一次側は、VCT絶縁スペーサ29aの主回路に接続されている。常用線主変室27bにも、従来と同様に、常用線負荷断路器11b、常用線負荷遮断器12b、常用線負荷接地開閉器13b、常用線負荷ケーブルヘッド14bが順に配置接続され、図示しない常用線変圧器に接続されている。常用線負荷断路器11bの一次側と予備線負荷断路器11aの一次側の主回路は、主変盤絶縁スペーサ28を介して接続されている。
【0020】
VCT室27cには、電力用計器用変成器9が収納され、一方の主回路(例えば、出力側)がVCT絶縁スペーサ29aに接続されている。他方の主回路(例えば、入力側)は、VCT絶縁スペーサ29bを介して、天井部に設けられた主変盤T形ブッシング30に接続されている。なお、VCT絶縁スペーサ29bと主変盤T形ブッシング30は、常用線主変室27bに設けて主回路を接続してもよい。2回線収納受電盤20aと2回線収納主変一次盤20bの天井部では、受電盤T形ブッシング24と主変盤T形ブッシング30の主回路が接続されている。
【0021】
天井部を除く常用線受電室22a、予備線受電室22b、予備線主変室27a、常用線主変室27bの各室には、SF6ガスのような絶縁ガスが封入されている。電力用計器用変成器9がガス絶縁の場合には、VCT室27cにも絶縁ガスが封入される。電力用計器用変成器9が気中絶縁であれば、VCT室27cは、乾燥空気などが封入される。
【0022】
次に、予備線受電室22bを例にとり、収納機器の配置を
図2を参照して説明する。常用線受電室22aも配置は同様である。
【0023】
図2に示すように、箱体31は、縦方向の隔壁32a、32bで左右に3分割されており、更に中央部が横方向の隔壁32cで上下に分割され、ケーブル室33a、遮断器室33b、母線室33c、制御室33dに分かれて構成されている。遮断器室33bと母線室33cに絶縁ガスが封入されている。
【0024】
ケーブル室33aには、予備線受電ケーブルヘッド2bが設けられ、隔壁32aに固定されている。遮断器室33bには、予備線一次接地開閉器3bと予備線一次断路器4bが設けられ、隔壁32bに固定されている。予備線一次接地開閉器3bと予備線一次断路器4bは、一体化されており、以下、同様に一体化されている。この上方向には、予備線受電遮断器5bが設けられており、主回路が隔壁32cに固定された絶縁スペーサ34に接続されている。母線室33cには、予備線二次断路器6bと予備線二次接地開閉器7bが設けられ、隔壁32bに固定されている。予備線二次接地開閉器7bの主回路は、受電盤T形ブッシング24と受電盤絶縁スペーサ23に接続されている。受電盤絶縁スペーサ23の裏側には、常用線受電室22aが設けられている。
【0025】
制御室33dには、それぞれの機器の操作機構35a、35b、35cが設けられている。36aは、正面扉、36bは、背面扉である。操作機構35a、35b、35cは、
図3に示すように、常用線のものと予備線のものが同様に配置されている。符号を付したものは予備線である。
【0026】
次に、2回線収納主変一次盤20bの予備線主変室27aを例により、収納機器の配置を
図4を参照して説明する。常用線主変室27bも配置は同様である。
【0027】
図4に示すように、箱体37は、縦方向の隔壁38a、38bで上部左右に3分割されており、更に下部が横方向の隔壁38cで分割され、主回路室39a、VCT室39b、制御室39c、39dに分かれて構成されている。主回路室39aに絶縁ガスが封入されている。
【0028】
主回路室39aには、予備線負荷断路器11aが設けられ、隔壁38aに固定されている。これに対向して予備線負荷遮断器12aと予備線負荷接地開閉器13aが設けられ、隔壁38bに固定されている。予備線負荷接地開閉器13aの主回路は、天井部に設けた予備線負荷ケーブルヘッド14aに接続されている。予備線負荷断路器11aの一次側は、主変盤絶縁スペーサ28に接続されている。主変盤絶縁スペーサ28の裏側には、常用線主変室27bが設けられている。天井部には、主変盤T形ブッシング30が設けられている。
【0029】
VCT室39bには、電力用計器用変成器9が設けられている。制御室39cには、予備線負荷遮断器12aと予備線負荷接地開閉器13aの操作機構40a、40b、制御室39dには、予備線負荷断路器11aの操作機構40cが設けられている。41aは、正面扉、41bは、背面扉である。
【0030】
これらにより、2回線収納受電盤20aを受電室隔壁21で仕切って常用受電室22aと予備線受電室22bにガス区分し、それぞれの室22a、22bに、それぞれ一次接地開閉器3a、3b、一次断路器4a、4b、受電遮断器5a、5b、二次断路器6a、6b、二次接地開閉器7a、7bの受電側機器を収納し、受電室隔壁21に設けた受電盤絶縁スペーサ23で常用線と予備線の主回路を接続しているので、従来、2面で構成していたものを1面で構成することができる。
【0031】
また、一次接地開閉器3a、3bから二次接地開閉器7a、7bまでの受電側機器を下部から上部に向かって縦一列配置するとともに、これらの機器の操作軸を横配置とし主回路を短距離で接続しているので、常用受電室22aと予備線受電室22bのボリュームを小さくすることができ、封入する絶縁ガスの使用量を削減することができる。また、据付面積の縮小化を図ることができる。更に、受電系統を2回線収納受電盤20aで独立させているので、負荷側への混触防止ができ、信頼性を向上させることができる。
【0032】
2回線収納主変一次盤20bにおいても、主変盤隔壁25で仕切って予備線主変室27aと常用線主変室27bにガス区分し、それぞれの室27a、27bに、それぞれ負荷断路器11a、11b、負荷遮断器12a、12b、負荷接地開閉器13a、13bの負荷側機器を収納し、主変盤隔壁25に設けた主変盤絶縁スペーサ28で予備線と常用線の主回路を接続しているので、従来、2面で構成していたものを1面で構成することができる。また、絶縁ガスの使用量の削減、および据付面積の縮小化を図ることができる。更に、電力用計器用変成器9を含む負荷系統を2回線収納主変一次盤20bで独立させているので、電源側への混触防止ができる。
【0033】
なお、電力用計器用変成器9を収納するVCT室27cを1面で独立させ、2回線収納受電盤20a、2回線収納主変一次盤20bと列盤する3面構成とすることができる。
【0034】
上記実施例のガス絶縁スイッチギヤによれば、常用線と予備線の受電系統を1面で構成し、また、電力用計器用変成器9を含む負荷系統も1面で構成しているので、絶縁ガスの使用量を削減することができ、据付面積の縮小化を図ることができる。
【0035】
上記実施例では、受電室22a、22bに収納する受電側機器を一次接地開閉器3a、3b、一次断路器4a、4b、受電遮断器5a、5b、二次断路器6a、6b、二次接地開閉器7a、7bで説明したが、少なくとも受電遮断器5a、5bを用いれば、常用線と予備線の切替えを行うことができる。また、主変室27a、27bに収納する負荷側機器を負荷断路器11a、11b、負荷遮断器12a、12b、負荷接地開閉器13a、13bを用いて説明したが、少なくとも負荷断路器11a、11bを用いれば、常用線と予備線の変圧器の切替えを行うことができる。この場合、変圧器は、小容量となる。
【0036】
また、バイパス回路やループ回路を設けた2回線受電にも、常用線と予備線の受電系統を1面で構成し、また、電力用計器用変成器9を含む負荷系統を1面で構成することができる。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。