特許第6340429号(P6340429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6340429D2D通信をサポートする無線接続システムにおいてD2D通信のためにD2D信号を送信する端末及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6340429
(24)【登録日】2018年5月18日
(45)【発行日】2018年6月6日
(54)【発明の名称】D2D通信をサポートする無線接続システムにおいてD2D通信のためにD2D信号を送信する端末及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20180528BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20180528BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20180528BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20180528BHJP
   H04W 72/08 20090101ALI20180528BHJP
   H04W 48/12 20090101ALI20180528BHJP
【FI】
   H04W72/04 131
   H04L27/26 113
   H04W56/00 130
   H04W92/18
   H04W72/08
   H04W48/12
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-548730(P2016-548730)
(86)(22)【出願日】2015年3月19日
(65)【公表番号】特表2017-511994(P2017-511994A)
(43)【公表日】2017年4月27日
(86)【国際出願番号】KR2015002670
(87)【国際公開番号】WO2015142074
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2016年7月27日
(31)【優先権主張番号】61/955,776
(32)【優先日】2014年3月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】リ,ソンミン
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ハンビュル
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジヒュン
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/061251(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/177179(WO,A1)
【文献】 特開2013−150301(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/129448(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
H04L27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいてD2D(Device to Device)通信のために第1端末がD2D信号を送信する方法であって、
前記D2D通信のために構成された複数のリソース集合のうち、特定のリソース集合を選択するステップと、
前記特定のリソース集合に対応する少なくとも一つの無線リソースを用いてD2D信号を送信するステップとを備えてなり、
前記D2D信号が、前記複数のリソース集合に関連しているセルのうち、RRC(Radio Resource Control)接続が設定されるか否かに基づいて選択される特定のセルの同期にしたがって送信される、方法。
【請求項2】
前記D2Dリソース領域上における前記複数のリソース集合の構成が、前記複数のリソース集合のそれぞれに関連しているセルのID(Identifier)によって決定されるものである、請求項1に記載のD2D信号を送信する方法。
【請求項3】
前記D2Dリソース領域上における前記複数のリソース集合の構成が、SIB(System Information Block)、端末−特定D2D制御情報及びD2Dグループ−特定D2D制御情報の少なくとも一つに含まれて基地局から受信されてなるものである、請求項1に記載のD2D信号を送信する方法。
【請求項4】
前記特定のリソース集合が、前記複数のリソース集合に関連しているセルのRSRP(Reference Signal Received Power)に基づいて選択される、請求項1に記載のD2D信号を送信する方法。
【請求項5】
前記特定のリソース集合が、RRC接続が設定されるか否かにしたがって、セル再選択のために測定されたRSRPと測定報告のトリガのために測定されたRSRPの一つに基づいて選択される、請求項4に記載のD2D信号を送信する方法。
【請求項6】
前記第1端末に対してRRC接続が設定された場合、
前記選択された特定のリソース集合が、前記第1端末のサービングセルに関連しているリソース集合であり、
前記D2D信号は、前記第1端末のサービングセルの時間同期にしたがって送信される、請求項1に記載のD2D信号を送信する方法。
【請求項7】
前記選択された特定のリソース集合が、前記複数のリソース集合に関連しているセルのうち、RSRPとオフセット(offset)との和が最大であるセルに関連しているリソース集合である、請求項1に記載のD2D信号を送信する方法。
【請求項8】
前記複数のリソース集合に関連している各セルのオフセットが、前記セルのカバレッジ(coverage)の大きさに反比例する、請求項7に記載のD2D信号を送信する方法。
【請求項9】
前記複数のリソース集合に関連している各セルのオフセットが、SIB(System Information Block)、端末−特定D2D制御情報及びD2Dグループ−特定D2D制御情報の少なくとも一つに含まれて基地局から受信されてなるものである、請求項7に記載のD2D信号を送信する方法。
【請求項10】
無線通信システムにおいて、D2D(Device to Device)通信のためにD2D信号を送信する端末であって、
無線周波数ユニットと、プロセッサとを備えてなるものであり、
前記プロセッサが、
前記D2D通信のために構成された複数のリソース集合のうち、特定のリソース集合を選択し、
前記特定のリソース集合に対応する少なくとも一つの無線リソースを用いてD2D信号を送信し、
前記D2D信号が、前記複数のリソース集合に関連しているセルのうち、RRC(Radio Resource Control)接続が設定されるか否かに基づいて選択される特定のセルの同期にしたがって送信される、端末。
【請求項11】
前記特定のリソース集合が、前記複数のリソース集合に関連しているセルのRSRP(Reference Signal Received Power)に基づいて選択される、請求項10に記載のD2D信号を送信する端末。
【請求項12】
前記特定のリソース集合が、RRC接続が設定されるか否かにしたがって、セル再選択のために測定されたRSRPと測定報告のトリガのために測定されたRSRPの一つに基づいて選択される、請求項11に記載のD2D信号を送信する端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線接続システムに関し、特に、D2D(Device to Device)通信をサポートする無線通信システムにおいてD2D端末のリソース集合(resource set)の選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン及びタブレットPCが普及され、高容量マルチメディア通信が活性化されることにより、モバイルトラフィックが急増している。今後、モバイルトラフィックは毎年約2倍も増加すると予想される。このようなモバイルトラフィックの大部分が基地局を介して送信されていることから、通信サービス事業者達は深刻なネットワーク負荷の問題に直面している。そこで、通信事業者達は、増加するトラフィックを処理するためにネットワーク設備を増加し、モバイルWiMAX、LTE(Long Term Evolution)のように多量のトラフィックを効率的に処理可能な次世代移動通信標準の商用化を急いできた。しかしながら、今後より一層急増するトラフィックの量を処理するためには、更なる解決策が必要な時点である。
【0003】
上述した問題点を解決するために、D2D(Device to Device)通信が研究されている。D2D通信は、基地局のような基盤施設を利用しないで、隣接したノード間にトラフィックを直接伝達する分散型通信技術である。D2D通信環境で携帯端末などの各ノードは自ら物理的に隣接した他の端末を探し、通信セッションを設定した後、トラフィックを送信する。このように、D2D通信は、基地局に集中するトラフィックを分散させて、トラフィック過負荷の問題を解決できる点から、4G以降の次世代移動通信技術の要素技術として脚光を浴びている。このため、3GPP又はIEEEなどの標準団体はLTE−A又はWi−Fiに基づいてD2D通信標準の制定を推進しており、クアルコムなどでも独自のD2D通信技術を開発している。
【0004】
D2D通信は、移動通信システムの性能を高めることに寄与する他、新しい通信サービスを創出するとも期待される。また、隣接性ベースのソーシャルネットワークサービスやネットワークゲームなどのサービスをサポートすることができる。D2Dリンクをリレーとして活用して陰影地域端末の接続性の問題を解決することもできる。このように、D2D技術は様々な分野で新しいサービスを提供すると予想される。
【0005】
実際に、赤外線通信、ZigBee、RFID(radio frequency identification)とこれに基づくNFC(near field communications)などの機器間通信技術は、既に広く用いられている。しかしながら、これらの技術はごく制限的な距離(1m内外)内で特殊な目的の通信だけをサポートするため、厳密には基地局のトラフィックを分散させるD2D通信技術として分類することは困難である。
今までD2D通信について説明したが、D2D通信の通信リソースの分配のための方法については具体的に提案されたことがない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題は、D2D(Device to Device)通信をサポートする無線通信システムにおいて複数のリソース集合で構成されたD2Dリソース領域を用いて通信を行う方法を提供することである。
本発明の技術的課題は、D2D通信をサポートする無線通信システムにおいて隣接セル間の無線リソースの分配方法を提供することである。
本発明の技術的課題は、D2D通信をサポートする無線通信システムにおいて端末のD2D信号の同期化方法を提供することである。
本発明で遂げようとする技術的課題は、上記の技術的課題に制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題を達成するための一実施の形態であり、無線通信システムにおいてD2D(Device to Device)通信のために第1端末がD2D信号を送信する方法は、前記D2D通信のために構成されたD2Dリソース領域上で特定のリソース集合を選択するステップと、前記特定のリソース集合に対応する少なくとも一つの無線リソースを用いてD2D信号を送信するステップとを有し、前記D2Dリソース領域は、複数のリソース集合で構成され、前記複数のリソース集合は、それぞれ別個のセル(cell)に関連しており、時間ドメイン上で別個のリソース領域に対応してもよい。
【0008】
本発明の技術的課題を達成するための本発明の一実施の形態であり、無線通信システムにおいてD2D(Device to Device)通信のためにD2D信号を送信する端末は、無線周波数ユニットと、プロセッサとを備え、前記プロセッサは、前記D2D通信のために構成されたD2Dリソース領域上で特定のリソース集合を選択し、前記特定のリソース集合に対応する少なくとも一つの無線リソースを用いてD2D信号を送信し、前記D2Dリソース領域は、複数のリソース集合で構成され、前記複数のリソース集合はそれぞれ、別個のセル(cell)に関連しており、時間ドメイン上で別個のリソース領域に対応してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施例によれば、D2D通信システムにおいてシステムリソースの利用効率が向上し、インバンド放射(inband emission)を減少させることができる。
また、本発明の実施例によれば、D2D端末の空間的な分離によって、より改善されたD2D通信品質を提供することができる。
本発明から得られる効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していない他の効果は、以下の記載から、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれる添付の図面は、本発明に関する実施例を提供し、詳細な説明と共に本発明の技術的思想を説明する。
図1図1は、無線通信システムにおける基地局及び端末の構成を示すブロック図である。
図2図2は、下りリンク無線フレームの構造を示す図である。
図3図3は、下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。
図4図4は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。
図5図5は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
図6図6は、SRSシンボル(Sounding Reference Signal Symbol)を含む上りリンクサブフレーム構成の一例を示す図である。
図7図7は、一例示によるD2Dリソース割り当てを示す図である。
図8図8は、一実施例に係るD2Dリソース集合の選択を示す図である。
図9図9は、一実施例に係るD2Dリソース集合の選択及びサービングセル(serving cell)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的言及がない限り、選択的なものとして考慮することができる。各構成要素又は特徴は、他の構成要素又は特徴と組み合わせない形態で実施してもよく、一部の構成要素及び/又は特徴を組み合わせて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明する動作の順序は変更してもよい。ある実施例の一部の構成又は特徴は、他の実施例に含めてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に置き換えてもよい。
【0012】
本明細書で、基地局は端末と通信を直接行うネットワーク終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本明細書で基地局で行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)で行われてもよい。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)で構成されるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又はその他のネットワークノードで行うことができることは自明である。
【0013】
本明細書で「基地局(BS: Base Station)」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代えてもよい。中継機は、中継ノード(Relay Node:RN)、中継局(Relay Station:RS)などの用語に代えてもよい。また、「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。
【0014】
以下の説明で使われる特定の用語は、本発明の理解を助けるために提供されたものであり、このような特定の用語は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態のものを使用してもよい。
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示すことができる。
【0015】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、及び3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の実施例において、本発明の技術的思想を明確にするために説明を省略した段階又は部分は、上記の文書によって裏付けることができる。また、本文書で開示している用語はいずれも上記の標準文書によって説明することができる。
【0016】
また、本発明の実施例は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などの様々な無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)又はCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、E−Utra(Evolved UTRA)などの無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(Long Term Evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進化である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び発展したIEEE 802.16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために以下では3GPP LTE及び3GPP LTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。
【0017】
また、以下の説明で使われる特定の用語は、本発明の理解を助けるために提供されたものであり、このような特定の用語は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態のものを使用してもよい。
【0018】
図1は、無線通信システム100における基地局105及び端末110の構成を示すブロック図である。
無線通信システム100を簡略化して示すために、1つの基地局105及び1つの端末110(D2D端末を含む。)を示しているが、無線通信システム100は、1つ以上の基地局及び/又は一つ以上の端末を含むことができる。
【0019】
図1を参照すると、基地局105は、送信(Tx)データプロセッサ115、シンボル変調器120、送信器125、送受信アンテナ130、プロセッサ180、メモリ185、受信器190、シンボル復調器195、受信データプロセッサ197を含むことができる。そして、端末110は、送信(Tx)データプロセッサ165、シンボル変調器170、送信器175、送受信アンテナ135、プロセッサ155、メモリ160、受信器140、シンボル復調器145、受信データプロセッサ150を含むことができる。同図では、基地局105及び端末110にそれぞれ一つの送受信アンテナ130,135が含まれているが、基地局105及び端末110は複数個の送受信アンテナを具備している。したがって、本発明に係る基地局105及び端末110は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムをサポートする。また、本発明に係る基地局105は、SU−MIMO(Single User−MIMO)方式も、MU−MIMO(Multi User−MIMO)方式もサポートすることができる。
【0020】
下りリンク上で、送信データプロセッサ115はトラフィックデータを受信し、受信したトラフィックデータをフォーマットして符号化(coding)し、符号化されたトラフィックデータをインタリーブして変調し(又は、シンボルマップし)、変調シンボル(”データシンボル”)を提供する。シンボル変調器120は、これらのデータシンボル及びパイロットシンボルを受信及び処理して、シンボルのストリームを提供する。
【0021】
シンボル変調器120は、データ及びパイロットシンボルを多重化し、それを送信器125に送信する。このとき、それぞれの送信シンボルは、データシンボル、パイロットシンボル、又はゼロの信号値であってもよい。それぞれのシンボル周期で、パイロットシンボルが連続して送信されてもよい。パイロットシンボルは、周波数分割多重化(FDM)、直交周波数分割多重化(OFDM)、時分割多重化(TDM)、又はコード分割多重化(CDM)シンボルであってもよい。
【0022】
送信器125は、シンボルのストリームを受信してそれを一つ以上のアナログ信号に変換し、また、このアナログ信号をさらに調整して(例えば、増幅、フィルタリング、及び周波数アップコンバート(upconverting)し、無線チャネルで送信するに適合した下りリンク信号を発生させる。すると、送信アンテナ130は、発生した下りリンク信号を端末に送信する。
【0023】
端末110の構成において、受信アンテナ135は、基地局からの下りリンク信号を受信し、受信された信号を受信器140に提供する。受信器140は、受信された信号を調整し(例えば、フィルタリング、増幅、及び周波数ダウンコンバート(downconverting))、調整された信号をデジタル化してサンプルを取得する。シンボル復調器145は、受信されたパイロットシンボルを復調し、これをチャネル推定のためにプロセッサ155に提供する。
【0024】
また、シンボル復調器145は、プロセッサ155から下りリンクに対する周波数応答推定値を受信し、受信されたデータシンボルに対してデータ復調を行って、(送信されたデータシンボルの推定値である)データシンボル推定値を取得し、データシンボル推定値を受信(Rx)データプロセッサ150に提供する。受信データプロセッサ150は、データシンボル推定値を復調(すなわち、シンボルデマップ(demapping))し、デインタリーブし、デコードして、送信されたトラフィックデータを復旧する。
【0025】
シンボル復調器145及び受信データプロセッサ150による処理はそれぞれ、基地局105におけるシンボル変調器120及び送信データプロセッサ115による処理に対して相補的である。
【0026】
端末110は上りリンク上で、送信データプロセッサ165がトラフィックデータを処理してデータシンボルを提供する。シンボル変調器170は、データシンボルを受信して多重化し、変調を行って、シンボルのストリームを送信器175に提供することができる。送信器175は、シンボルのストリームを受信及び処理して、上りリンク信号を発生させる。そして、送信アンテナ135は、発生した上りリンク信号を基地局105に送信する。
【0027】
基地局105で、端末110から上りリンク信号が受信アンテナ130を介して受信され、受信器190は、受信した上りリンク信号を処理してサンプルを取得する。続いて、シンボル復調器195はこのサンプルを処理して、上りリンクに対して受信されたパイロットシンボル及びデータシンボル推定値を提供する。受信データプロセッサ197は、データシンボル推定値を処理して、端末110から送信されたトラフィックデータを復旧する。
【0028】
端末110及び基地局105のそれぞれのプロセッサ155,180はそれぞれ、端末110及び基地局105における動作を指示(例えば、制御、調整、管理など)する。それぞれのプロセッサ155,180は、プログラムコード及びデータを保存するメモリユニット160,185などに接続することができる。メモリ160,185はプロセッサ180に接続して、オペレーティングシステム、アプリケーション、及び一般ファイル(general files)を保存する。
【0029】
プロセッサ155,180は、コントローラ(controller)、マイクロコントローラ(microcontroller)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコンピュータ(microcomputer)などと呼ぶこともできる。一方、プロセッサ155,180は、ハードウェア(hardware)又はファームウェア(firmware)、ソフトウェア、又はこれらの結合によって具現することができる。ハードウェアを用いて本発明の実施例を具現する場合には、本発明を実行するように構成されたASIC(application specific integrated circuit)、DSP(digital signal processor)、DSPD(digital signal processing device)、PLD(programmable logic device)、FPGA(field programmable gate array)などをプロセッサ155,180に具備することができる。
【0030】
一方、ファームウェア又はソフトウェアを用いて本発明の実施例を具現する場合には、本発明の機能又は動作を実行するモジュール、手続又は関数などを含むようにファームウェア又はソフトウェアを構成することができ、本発明を実行できるように構成されたファームウェア又はソフトウェアは、プロセッサ155,180内に設けられてもよく、メモリ160,185に保存されてプロセッサ155,180によって駆動されてもよい。
【0031】
端末及び基地局と無線通信システム(ネットワーク)との間の無線インターフェースプロトコルのレイヤは、通信システムで周知であるOSI(open system interconnection)モデルにおける下位の3層に基づいて、第1レイヤ(L1)、第2レイヤ(L2)、及び第3レイヤ(L3)に分類することができる。物理レイヤは、第1レイヤに属し、物理チャネルで情報伝送サービスを提供する。RRC(Radio Resource Control)レイヤは、第3レイヤに属し、UEとネットワーク間の制御無線リソースを提供する。端末及び基地局は無線通信ネットワークとRRCレイヤを介してRRCメッセージを交換することができる。
【0032】
本明細書で端末のプロセッサ155と基地局のプロセッサ180はそれぞれ、端末110及び基地局105が信号を受送信する機能及び保存する機能を除いて、信号及びデータを処理する動作を行うが、説明の便宜のために、以下では特別にプロセッサ155,180を言及しないものとする。プロセッサ155,180を特別に言及しなくても、プロセッサ155,180は、信号を受送信する機能及び保存する機能ではなく、データ処理などの一連の動作を行うといえる。
【0033】
LTE/LTE−Aリソース構造/チャネル
図2を参照して下りリンク無線フレームの構造について説明する。
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、上りリンク/下りリンクデータパケット伝送は、サブフレーム(subframe)単位で行われ、1サブフレームは複数のOFDMシンボルを含む一定時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム(radio frame)の構造と、TDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2無線フレームの構造をサポートする。
【0034】
図2の(a)は、タイプ1無線フレームの構造を示す図である。下りリンク無線フレーム(radio frame)は、10個のサブフレーム(subframe)で構成され、1サブフレームは時間ドメイン(time domain)で2個のスロット(slot)で構成される。1サブフレームの伝送にかかる時間をTTI(Transmission Time Interval)と定義し、例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5msであってもよい。1スロットは時間ドメインで複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で複数のリソースブロック(RB:Resource Block)を含む。3GPP LTEシステムでは下りリンクでOFDMAを用いるので、OFDMシンボルが1シンボル区間を示す。OFDMシンボルをSC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ぶこともできる。リソースブロック(RB)はリソース割り当て単位であり、1スロットで複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0035】
図2の(b)は、タイプ2無線フレームの構造を示す図である。タイプ2無線フレームは、2個のハーフフレーム(half frame)で構成され、各ハーフフレームは5個のサブフレーム、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(GP:Guard Period)、UpPTS(Uplink Pilot Time Slot)で構成され、ここで、1サブフレームは2個のスロットで構成される。DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定と端末の上り伝送同期化に用いられる。保護区間は、上りリンクと下りリンクとの間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。一方、無線フレームのタイプに関係なく、1サブフレームは2個のスロットで構成される。
【0036】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数を様々に変更することができる。
【0037】
図3は、下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。同図では、1個の下りリンクスロットが時間ドメインで7個のOFDMシンボルを含み、1個のリソースブロック(RB)が周波数領域で12個の副搬送波を含む例を示しているが、本発明がこれに制限されるものではない。例えば、一般CP(Cyclic Prefix)の場合には、1スロットが7個のOFDMシンボルを含むが、拡張CP(extended−CP)の場合には、1スロットが6個のOFDMシンボルを含むことができる。リソースグリッド上の各要素をリソース要素(resource element)と称する。1リソースブロックは12×7個のリソース要素を含む。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックのNDLの個数は下りリンク伝送帯域幅にしたがう。上りリンクスロットの構造は下りリンクスロットの構造と同一であってもよい。
【0038】
図4は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内で一番目のスロットの先頭部における最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared CHannel)が割り当てられるデータ領域に該当する。3GPP LTEシステムで用いられる下りリンク制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(PCFICH:Physical Control Format Indicator CHannel)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)、物理HARQ指示子チャネル(PHICH:Physical Hybrid automatic repeat request Indicator CHannel)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネルの伝送に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、上りリンク伝送の応答としてHARQ ACK(Acknowledgement)/NACK(Negative ACK)信号を含む。PDCCHで送信される制御情報を下りリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)と呼ぶ。DCIは、上りリンク又は下りリンクスケジューリング情報を含んだり、又は任意の端末グループに対する上りリンク伝送電力制御命令を含む。PDCCHは、下りリンク共有チャネル(DL−SCH)のリソース割り当て及び伝送フォーマット、上りリンク共有チャネル(UL−SCH)のリソース割り当て情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PD−SCH上で送信されるランダムアクセス応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割り当て、任意の端末グループ内の個別端末に対する伝送電力制御命令のセット、伝送電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHは制御領域内で送信されてもよく、端末は複数のPDCCHを監視することができる。PDCCHは、一つ以上の連続した制御チャネル要素(CCE:Control Channel Element)の組合せ(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づく符号化率(coding rate)でPDCCHを提供するために用いる論理割り当て単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHフォーマット及び利用可能なビット数は、CCEの個数とCCEによって提供される符号化率との相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって、無線ネットワーク臨時識別子(RNTI:Radio Network Temporary Identifier)という識別子でマスクされる。PDCCHが特定の端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子、例えば、P−RNTI(Paging−RNTI)をCRCにマスクしてもよい。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB:System Information Block))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクしてもよい。端末のランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)の伝送に対する応答であるランダムアクセス応答(random access response)を示すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクしてもよい。
【0039】
図5は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。上りリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別することができる。制御領域には、上りリンク制御情報を含む物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control CHannel)が割り当てられる。データ領域には、ユーザデータを含む物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared CHannel)が割り当てられる。単一搬送波の特性を維持するために、一つの端末はPUCCHとPUSCHを同時に送信しない。一つの端末に対するPUCCHはサブフレームでリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは2スロットに対して別個の副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホップ(frequency−hopped)するという。
【0040】
参照信号(RS:Reference Signal)
サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal;SRS)は、主に、基地局がチャネル品質を測定して上りリンク上で周波数−選択的(frequency−selective)スケジューリングを行うために用いるものであり、上りリンクデータ及び/又は制御情報の伝送と関連することはない。しかし、これに制限されるものではなく、SRSは、向上した電力制御の目的又は最近にスケジューリングされない端末の様々な開始機能(start−up function)をサポートする目的で用いられてもよい。開始機能は、例えば、初期変調及びコーディング技法(Modulation and Coding Scheme;MCS)、データ伝送のための初期電力制御、タイミング整列(timing advance)及び周波数半−選択的スケジューリング(サブフレームの一番目のスロットでは周波数リソースが選択的に割り当てられ、二番目のスロットでは他の周波数に疑似−無作為(pseudo−random)的にホップされるスケジューリング)などを含むことができる。
【0041】
また、SRSは、無線チャネルが上りリンクと下りリンクとの間に相互的(reciprocal)であるという仮定の下に下りリンクチャネル品質の測定のために用いられてもよい。このような仮定は、上りリンクと下りリンクが同じ周波数帯域を共有し、時間ドメインで区別される時分割デュプレックス(TDD:time division duplex)システムで特に有効である。
【0042】
セル内の任意の端末によってSRSが送信されるサブフレームは、セル−特定ブロードキャストシグナリングによって示される。4−ビットのセル−特定‘srsSubframeConfiguration’パラメータは、それぞれの無線フレーム内でSRS伝送が可能なサブフレームの15種の可能な構成を示す。このような構成によってネットワーク配置シナリオに応じてSRSオーバーヘッドを調整し得るという柔軟性を提供することができる。上記パラメータの残りの一つ(16番目)の構成は、セル内のSRS伝送を完全に消す(switch−off)ものであり、例えば、主に高速の端末にサービスを提供するセルに適する。
【0043】
図6に示すように、SRSは、常に、構成されたサブフレームの最後のSC−FDMAシンボル上で送信される。このため、SRSと復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)はそれぞれ別個のSC−FDMAシンボル上に位置する。PUSCHデータの伝送は、SRS伝送のために指定されたSC−FDMAシンボル上で許容されなく、このため、サウンディングオーバーヘッドが最も高い場合(すなわち、全サブフレームにSRS伝送シンボルが存在する場合)にもおおよそ7%を超えない。
【0044】
各SRSシンボルは、与えられた時間単位及び周波数帯域に対して基本シーケンス(ランダムシーケンス又はZC(Zadoff−Chu)ベースのシーケンス集合)によって生成され、セル内の全端末は同じ基本シーケンスを使用する。このとき、同じ時間単位及び同じ周波数帯域でセル内の複数個の端末からのSRS伝送は、これらの複数個の端末に割り当てられる基本シーケンスの別々の循環シフト(cyclic shifts)によって直交的に(orthogonally)区別される。各セルのSRSシーケンスは、セルごとに異なる基本シーケンスを割り当てることによって区別することができるが、別個の基本シーケンスの間に直交性は保障されない。
【0045】
参照信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)
RSRPは、測定される周波数帯域幅内のセル−特定参照信号(CRS:Cell−specific RS)を搬送する(carry)リソース要素の電力の線形平均と定義される。端末は、特定リソース要素上にマップされて送信されるセル−特定参照信号(CRS)を検出してRSRPを決定することができる。RSRPの計算には基本的に、アンテナポート0に対するセル−特定参照信号(R0)を用いることができ、端末がアンテナポート1に対するセル−特定参照信号(R1)を正確に検出できる場合には、R0に加えて、R1を用いてRSRPを決定してもよい。セル−特定参照信号に関する具体的な内容は、標準文書(例えば、3GPP TS 36.211)を参照することができる。
【0046】
LTE搬送波受信信号強度指示子(RSSI:Received Signal Strength Indicator)
RSSIは、端末によって観測された測定帯域内の共同−チャネルサービング(serving)及び非−サービングセル、隣接チャネルの干渉及び列雑音をなどを含む全ソースからの受信広帯域電力の総和と定義することができる。RSSIは、後述する参照信号受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)に対する入力として用いることができる。
【0047】
参照信号受信品質(RSRQ:Reference Signal Received Quality)
RSRQは、セル−特定信号品質特性を提供するためのものであり、RSRPに類似しているが、RSRQは、各セルの信号品質にしたがって別個のLTE候補セルの順位を付けるために主に用いることができる。例えば、RSRP測定が安定した移動性決定を行うのに十分でない情報を提供する場合に、RSRQ測定値をハンドオーバー(handover)及びセル再選択決定のための入力として用いることができる。RSRQは、測定される周波数帯域幅内のリソースブロックの個数(N)をRSRPに乗じた値を’LTE搬送波RSSI(LTE carrier RSSI)’で割った値と定義される(すなわち、RSRQ=N×RSR/(E−UTRA carrier RSSI))。分子(N×RSRP)と分母(E−UTRA carrier RSSI)は同じリソースブロックセットに対して測定される。RSRPが所望の信号強度の表示子であるのに比べて、RSRQは、RSSIに含まれた干渉レベルを考慮することによって信号強度と干渉とが組み合わされた効果を効率的な方法で報告できるようにすることができる。
【0048】
以下、端末が端末間直接通信(device to device communication;以下、D2D通信又はD2D直接通信という。)を行う様々な実施の態様について説明する。以下では詳細な説明のために、3GPP LTE/LTE−Aを取り上げてD2D通信を説明するが、他の通信システム(IEEE 802.16、WiMAXなど)でもD2D通信を適用することができる。
【0049】
D2D通信タイプ
D2D通信は、ネットワークの制御下にD2D通信を行うか否かによって、ネットワーク協調D2D通信タイプ(Network coordinated D2D communication)と自律D2D通信タイプ(Autonomous D2D communication)とに区別することができる。ネットワーク協調D2D通信タイプはさらに、ネットワーク介入の程度によって、D2D端末がデータだけを送信するタイプ(Data only in D2D)、ネットワークが接続制御だけを行うタイプ(Connection control only in network)とに区別することができる。説明の便宜のために、以下では、D2D端末がデータだけを送信するタイプを’ネットワーク集中型D2D通信タイプ’といい、ネットワークが接続制御だけを行うタイプを’分散型D2D通信タイプ’という。
【0050】
ネットワーク集中型D2D通信タイプでは、D2D端末間にデータだけを互いに交換し、D2D端末間の接続制御(connection control)及び無線リソース割り当て(grant message)はネットワークで行う。D2D端末は、ネットワークによって割り当てられた無線リソースを用いてデータ送受信又は特定の制御情報を送受信することができる。例えば、D2D端末間のデータ受信に対するHARQ ACK/NACKフィードバック、又はチャネル状態情報(Channel State Information;CSI)は、D2D端末間に直接交換されず、ネットワークを介して他のD2D端末に送信される。具体的に、ネットワークがD2D端末間のD2Dリンクを設定し、設定されたD2Dリンクに無線リソースを割り当てると、送信D2D端末及び受信D2D端末は、割り当てられた無線リソースを用いてD2D通信を行うことができる。すなわち、ネットワーク集中型D2D通信タイプにおいて、D2D端末間のD2D通信はネットワークによって制御され、D2D端末は、ネットワークによって割り当てられた無線リソースを用いてD2D通信を行うことができる。
【0051】
分散型D2D通信タイプにおけるネットワークは、ネットワーク集中型D2D通信タイプにおけるネットワークに比べて限定的な役割を担うことになる。分散型D2D通信タイプにおいてネットワークはD2D端末間の接続制御を行うが、D2D端末間の無線リソース割り当て(grant message)は、ネットワークを介さずにD2D端末同士が自ら競合して占有することができる。例えば、D2D端末間のデータ受信に対するHARQ ACK/NACKフィードバック、又はチャネル状態情報を、ネットワークを介入せずにD2D端末間で直接交換することができる。
【0052】
上述した例のように、D2D通信は、ネットワークのD2D通信への介入程度によって、ネットワーク集中型D2D通信タイプと分散型D2D通信タイプとに分類することができる。このとき、ネットワーク集中型D2D通信タイプ及び分散型D2D通信タイプの共通した特徴は、ネットワークがD2D接続制御を行うことができるという点である。
【0053】
具体的に、ネットワーク協調D2D通信タイプのネットワークは、D2D通信を行おうとするD2D端末間にD2Dリンクを設定することによって、D2D端末間接続(connection)を構築することができる。D2D端末間にD2Dリンクを設定するとき、ネットワークは、設定されたD2Dリンクにフィジカル(physical)D2DリンクID(Link Identifier;LID)を与えることができる。フィジカルD2DリンクIDは、複数のD2D端末間に複数のD2Dリンクが存在する場合、それぞれを識別するための識別子(Identifier)として用いることができる。
【0054】
自律D2D通信タイプでは、ネットワーク集中型及び分散型D2D通信タイプと違い、ネットワークの介入無しでD2D端末同士が自由にD2D通信を行うことができる。すなわち、自律D2D通信タイプでは、ネットワーク集中型及び分散型D2D通信と違い、接続制御及び無線リソースの占有などをD2D端末が独自で行う。必要な場合、ネットワークはD2D端末に、該当のセルで使用可能なD2Dチャネル情報を提供することもできる。
【0055】
D2D端末の探索(discovery)
本明細書では、説明の便宜のために、端末間直接通信であるD2D通信を実行する端末又は実行可能な端末を、D2D端末と呼ぶ。送信端と受信端を区別する必要がある場合、D2D通信時にD2Dリンクに与えられた無線リソースを用いて他のD2D端末にデータを送信する或いは送信しようとするD2D端末を、送信D2D端末と呼び、送信D2D端末からデータを受信する或いは受信しようとする端末を受信D2D端末と呼ぶものとする。送信D2D端末からデータを受信する或いは受信しようとする受信D2D端末が複数個である場合、複数個の受信D2D端末は、’第1乃至N’の接頭辞を付けて区別することもできる。さらに、説明の便宜のために、以下では、D2D端末間の接続制御又はD2Dリンクへの無線リソースの割り当てを行う基地局、D2Dサーバー及び接続/セッション管理サーバーなどを含む、ネットワーク端の任意のノードを’ネットワーク’と呼ぶものとする。
【0056】
D2D通信を行うD2D端末は、D2D通信を用いて他のD2D端末にデータを送信するとき、データを送受信可能な周辺のD2D端末の存在をあらかじめ確認する必要があり、そのために、D2Dピア探索(D2D peer discovery)を行う。D2D端末は探索区間(discovery interval)内でD2D探索を行い、全D2D端末は探索区間を共有する。D2D端末は探索区間内で探索領域の論理チャネル(logical channel)を監視して、他のD2D端末の送信するD2D探索信号を受信することができる。他のD2D端末の伝送信号を受信したD2D端末は、受信した信号を用いて、隣接したD2D端末のリストを作成する。また、探索区間内で自身の情報(すなわち、識別子)を放送し、他のD2D端末は、この放送されたD2D探索信号を受信することによって、当該D2D端末がD2D通信を実行可能な範囲内に存在するということが分かる。
【0057】
D2D伝送リソースの割り当て
一例として、D2D端末はあらかじめ設定された(或いはシグナルされた)D2Dリソース領域上でD2D送信(及び/又は受信)を行うため、D2D伝送リソースの適切な分配が必要である。D2D伝送リソースの分配のために、基地局は、D2D端末が送信するD2D指示/要求信号又はD2Dデータバッファ状態情報を受信して、セル内で特定D2D端末とD2D通信を行おうとするD2D端末の数(N)を把握することができる。D2D通信を行おうとするD2D端末の数を把握した基地局は、各D2D端末がD2D通信要求信号を送信するためのリソースを割り当て、割り当てられたリソース領域の構成情報をD2D端末に放送することができる。
【0058】
図7は、一例示によるD2Dリソース割り当てを示す図である。
図7で、D2Dリソース領域はそれぞれ、50個のリソースブロック(RB)を有する9個のサブフレーム(SF:Subframe)で構成され、D2D信号の伝送に450個のリソース領域が割り当てられる。また、D2D信号は1秒に1回ずつ送信される。D2D信号は、D2D通信の送受信に用いる信号であり、例えば、D2D通信リソース上のデータの送受信、D2D探索信号の送受信などに用いることができる。図7に示すD2Dリソース領域の構造及び送信周期は例示的なものであり、例えば、D2Dリソース領域は、図2と関連して上述したように、10個のサブフレームで構成してもよい。
【0059】
図7の(a)に示すように、D2D端末に全D2Dリソース領域区間が割り当てられ、D2D端末は全D2Dリソース領域区間でD2D信号伝送のための無線リソースを選択することもできる。また、D2D端末は、選択された伝送リソース上でD2D信号を放送してもよい。例えば、D2D信号はD2D端末のIDを含むことができる。しかし、例えば、別個のD2D端末が同一の時間ドメイン(domain)上で互いに直交する周波数を有する伝送リソースを選択する場合、周波数ドメイン上の直交性(orthogonality)にもかかわらず、インバンド放射(inband emission)によって性能低下が発生しうる。
【0060】
インバンド放射を減少させるために、D2Dリソース領域を複数のリソース集合(resource set)で構成することができる。例えば、図7の(b)に示すように、D2D伝送リソース領域を3個のリソース集合で構成することができる。また、各リソース集合は時間ドメイン上で別個のリソース領域に対応してもよい。D2Dリソース領域を時間ドメイン(time domain)上で分割して、それぞれのリソース集合を形成することができる。また、各D2D端末が、定められたリソース集合内でのみD2Dリソース領域を選択するように設定することもできる。したがって、別個のリソース集合を選択した各D2D端末は時間ドメイン上で別個のD2D信号を放送することができる。例えば、D2D信号はD2D端末のIDを含むことができる。D2D伝送リソースを時間ドメイン上で分割することによって、それぞれ別個のリソース集合を選択したD2D端末の間においてインバンド放射を減少させることができる。
【0061】
また、各D2Dリソース集合は別個のセルに関連してもよい。基地局は、上述したD2D伝送リソース内のリソース集合の情報を有していてもよい。例えば、各セルに関連しているD2Dリソース集合は、あらかじめ決定されたものであってもよい。特に、セル配置(cell deployment)を考慮して隣接したセル間に時分割多重化(TDM)が適用されたD2Dリソース集合が割り当てられるように設定することによって、インバンド放射又は干渉による性能低下を緩和させることができる。
【0062】
各セルに関連しているD2Dリソース集合の構成を直接的又は間接的な方式で各D2D端末に知らせることができる。例えば、セルID(Identifier)に基づいて、当該セルに関連しているD2Dリソース集合を導出することができる。また、セルIDに含まれた数字とD2Dリソース領域の個数に基づいて、各セルに関連するD2Dリソース集合を決定してもよい。例えば、既に設定されたD2Dリソース集合の数とセルIDのモジューロ(modulo)演算によって、該当のセルに関連するD2Dリソース集合を決定してもよい。例えば、セルIDの数字は7であり、5個のD2Dリソース集合が存在してもよい。この場合、セルIDの数字7をD2Dリソース集合の数で割った余、すなわち、該当のセルを2番目のD2Dリソース集合に関連させることができる。また、例えば、セルID内に該当のセルのD2Dリソース集合と関連しているコードを挿入することによって、D2D端末はセルIDから該当のセルのD2Dリソース集合を間接的に導出することができる。また、D2Dリソース集合の構成に関する情報は、SIB(System Information Block)のような放送情報、端末特定D2D制御情報、又はD2Dグループ特定D2D制御情報に直接的に含めてD2D端末に伝達してもよい。
【0063】
一方、後述するように、D2D端末のD2Dリソース集合の決定において、各セルのオフセット(offset)を考慮してもよい。各セルのオフセットは、あらかじめ決定された値であってもよい。例えば、各セルのオフセットは、各セルの類型及び/又は各セルのIDによってあらかじめ決定された値であってもよい。また、各セルのオフセットは、各セル別に再設定又は設定可能(configurable)なように定義してもよい。また、各セルのオフセットは、各セルの類型及び/又は各セルのIDから導出してもよい。また、各セルのオフセットは、SIBのような放送情報、端末特定D2D制御情報、又はD2Dグループ特定D2D制御情報に直接含めてD2D端末に伝達してよい。
【0064】
D2Dリソース集合(resource set)の決定
D2Dリソース領域が複数のD2Dリソース集合で構成された場合、D2D端末は、自身のサービングセル(serving cell)が指定するD2Dリソース集合にそのまましたがうことができる。サービングセルは、通常の方法によって決定することができる。例えば、サービングセルをRSRP測定値に基づいて決定することができる。
【0065】
また、D2D端末は、最も優れた無線リンク品質を有するセルに関連しているD2Dリソース集合を選択してもよい。すなわち、D2D端末は、RSRPのような無線リンク品質をD2Dリソース集合選択の基準として用いることもできる。例えば、D2D端末は、最高のRSRP測定値を有するセルに関連しているD2Dリソース集合を選択してもよい。最高のRSRP測定値を有するセルは、D2D端末のサービングセルであってもよい。
【0066】
また、D2D端末は、セル特定オフセット(offset)を適用してRSRPの測定を行ったり、D2Dリソース集合を決定してもよい。図8は、一実施例に係るD2Dリソース集合の選択を示す図である。
【0067】
図8の(a)で、第1端末(UE #0)のサービングセルは、マクロeNB(Macro eNB)によるマクロセルであってもよい。また、第2D2D端末(UE #1)のサービングセルは、ピコeNB(picoeNB)によるピコセルであってもよい。図8の(a)では、マクロセルのRSRPとピコセルのRSRPとが一致する地域を曲線で示している。第1D2D端末(UE #0)は、マクロセルとピコセルのRSRPが一致する地域を中心に、ピコeNBよりもマクロeNBに近い地域に位置している。このため、第1D2D端末(UE #0)によって測定されたマクロセルのRSRP測定値が、ピコセルのRSRP測定値よりも大きくてもよい。この場合、第1D2D端末(UE #0)は、マクロセルに関連しているD2Dリソース集合にしたがってD2D伝送リソースを決定することができる。また、第2D2D端末(UE #1)は、マクロセルとピコセルのRSRPが一致する地域を中心に、マクロeNBよりもピコeNBに近い地域に位置している。このため、第2D2D端末(UE #1)によって測定されたピコセルのRSRP測定値がマクロセルのRSRP測定値よりも大きくてもよい。この場合、第2D2D端末(UE #1)は、ピコセルに関連しているD2Dリソース集合にしたがってD2D伝送リソースを決定してもよい。
【0068】
しかし、上述したように、D2D端末は、セル特定オフセットをRSRP測定値と共に考慮してもよい。例えば、異種網配置(heterogeneous network deployment)が適用された場合、相対的に小さいセルに対してより高いオフセットが適用されてもよい。すなわち、セルのカバレッジ(coverage)領域の大きさと当該セルのオフセットとが反比例してもよい。図8の(b)で、例えば、ピコセルはマクロセルに比べて高いオフセットを有してもよい。図8の(b)を参照すると、各セルのRSRPとオフセットとの和が一致する地域は、第1D2D端末(UE #0)とマクロeNBとの間に位置している。このため、第1D2D端末(UE #0)によって測定されたマクロセルのRSRPとオフセットとの和は、ピコセルのRSRPとオフセットとの和よりも小さくてもよい。この場合、第1D2D端末(UE #0)は、ピコセルに関連しているD2Dリソース集合にしたがってD2D伝送リソースを決定することもできる。したがって、第1D2D端末(UE #0)と第2D2D端末(UE #1)は両方とも、ピコセルに関連しているD2Dリソース集合にしたがってD2D伝送リソースを決定することもできる。
【0069】
各セルのオフセットは、あらかじめ決定された値であり、各セルの類型及び/又は各セルのIDから導出されてもよい。D2D端末は、該当のセルの類型(例えば、マクロセル、ピコセルなど)及び/又はセルのIDを確認することによって、該当のセルのオフセットを導出することもできる。また、各セルのオフセットは、SIBのような放送情報、端末−特定D2D制御情報又はD2Dグループ特定D2D制御情報に直接含まれてD2D端末に伝達されてもよい。
【0070】
D2D端末のサービングセルと最も優れたRSRPを有するセルとが異なってもよい。例えば、隣接セルのRSRP値がサービングセルのRSRP値に比べて既に設定されたレベル以上と高い場合に測定報告がトリガされるようにしたり、又は、サービングセルのRSRP値が既に設定された閾値レベル以下に低下した時にセル再選択(又はハンドオーバー)を行うようにする場合には、隣接セルのRSRP値がサービングセルのRSRP値よりも高くてもよい。
【0071】
図9を参照すると、D2D端末(UE)のサービングセルは、Macro eNB 0である。しかし、図9に示すように、D2D端末(UE)の隣接セル(Macro eNB 1)がより一層優れたRSRPを有してもよい。サービングセルでないセル(例えば、隣接セル)のRSRPがサービングセルのRSRPよりも優れる場合に、D2D端末がD2Dリソース集合を選択する方法を提示する。
【0072】
隣接セルのRSRP値(又は、RSRPとオフセットとの和)がサービングセルのRSRP値(又は、RSRPとオフセットとの和)よりも大きい場合、D2D端末は次のようにD2D伝送リソース及びD2D信号伝送の同期化を決定することができる。
【0073】
まず、D2D端末は、最高のRSRP値(又は、RSRPとオフセットとの和)を有するセルに関連しているD2Dリソース集合内のD2D伝送リソースを選択することができる。このようにD2D端末が、最高のRSRP値(又は、RSRPとオフセットとの和)を有するセルに関連しているD2Dリソース集合を用いる場合、それぞれ別個のD2Dリソース集合を用いるD2D端末の地理的分布が分離されることがある。この場合、D2D端末は、最高のRSRP値(又は、RSRPとオフセットとの和)を有するセルの時間及び/又は周波数同期にしたがって、D2D信号の送信を行うことができる。
【0074】
しかし、D2D端末にRRC(Radio Resource Control)接続が設定された場合、D2D端末はサービングセルの同期にしたがって信号を送信するので、隣接セル(例えば、最も優れたRSRP値を有するセル)の同期にしたがってD2D信号を送信するには更なる同期回路が要求されることがある。したがって、RRC接続の設定されたD2D端末が伝送同期を変更することが相対的に容易でなく、そのために、更なる同期回路の具現のための費用及び/又は複雑度が発生しうるという点を考慮すれば、上述した方法は、RRC休止(RRC Idle)状態のD2D端末に有用であろう。
【0075】
また、D2D端末は、最高のRSRP値(又は、RSRPとオフセットとの和)を有するセルに関連しているD2Dリソース集合内のD2D伝送リソースを選択するが、時間及び/又は周波数同期はサービングセルにしたがってもよい。RRC接続の設定されたD2D端末が送信同期を変更することは相対的に容易でなく、そのために、更なる同期回路の具現のための費用及び/又は複雑度が発生しうるという点を考慮すれば、この方法は、RRC接続が設定されたD2D端末に有用であろう。
【0076】
したがって、D2D端末は、最高のRSRP値(又は、RSRPとオフセットとの和)を有するセルに関連しているD2Dリソース集合内のD2D伝送リソースを選択するが、RRC接続が設定されたか否かによって別々にD2D信号の時間及び/又は周波数同期を選択するように構成することができる。例えば、RRC休止状態のD2D端末は、最高のRSRP値(又は、RSRPとオフセットとの和)を有するセルの時間及び/又は周波数同期及び/又はD2Dリソース集合にしたがってD2D信号の送信を行うことができる。また、例えば、RRC接続が設定されたD2D端末は、最高のRSRP値(又は、RSRPとオフセットとの和)を有するセル(及び/又はサービングセル)に関連しているD2Dリソース集合にしたがって、且つサービングセルの時間及び/又は周波数同期にしたがって、D2D信号の送信を行うこともできる。
【0077】
しかし、隣接セルのRSRP値(又は、RSRPとオフセットとの和)がサービングセルのRSRP値(又は、RSRPとオフセットとの和)よりも高い場合にも、D2D端末(例えば、RRC接続が設定されたD2D端末)はサービングセルのD2Dリソース集合を用いて、且つサービングセルの時間及び/又は周波数同期にしたがって、D2D信号の伝送を行ってもよい。サービングセルの時間及び/又は周波数同期を用いてD2D信号の送信が行われた場合、これを受信するD2D端末は、既に設定されたり又はシグナルされた周波数及び/又は時間エラー範囲内でブラインド検出(blind search)を行うようにすることによって、他のD2D端末から送信されたD2D信号を検出/受信することもできる。
【0078】
以上説明した実施例は、D2D探索信号の送受信動作(及び/又はD2Dコミュニケーション信号の送受信動作)に限って適用されるように規則が定義されてもよい。また、以上説明した実施例は、ネットワークカバレッジ内でD2D通信が行われる場合(及び/又はネットワークカバレッジ外でD2D通信が行われる場合)に限って適用されるように規則が定義されてもよい。
【0079】
以上説明した実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素及び特徴は、他の構成要素及び特徴と結合しない形態で実施してもよい。また、一部の構成要素及び/又は特徴を組み合わせて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明する動作の順序は、変更してもよい。ある実施例の一部の構成又は特徴を、他の実施例に含めてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に置き換えてもよい。特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項を組み合わせて実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項として含めてもよいことは自明である。
【0080】
本発明は、本発明の精神及び必須の特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化可能であることは、通常の技術者に自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付する請求項の合理的解釈によって決定しなければならず、本発明の同等範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
上述したような本発明の実施の形態は、様々な移動通信システムに適用可能である。
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