(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6340498
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】水素浴ユニット
(51)【国際特許分類】
A61H 33/14 20060101AFI20180604BHJP
A47K 3/022 20060101ALI20180604BHJP
A61H 33/02 20060101ALI20180604BHJP
C25B 1/04 20060101ALI20180604BHJP
C25B 15/08 20060101ALI20180604BHJP
C02F 1/68 20060101ALI20180604BHJP
C02F 1/42 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
A61H33/14 B
A47K3/022
A61H33/02 A
C25B1/04
C25B15/08 302
C02F1/68 510B
C02F1/68 510H
C02F1/68 520B
C02F1/68 530L
C02F1/68 540C
C02F1/42 A
C02F1/68 530K
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-60838(P2016-60838)
(22)【出願日】2016年3月8日
(65)【公開番号】特開2017-158987(P2017-158987A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2016年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】515204384
【氏名又は名称】有限会社きこりたち
(73)【特許権者】
【識別番号】516088950
【氏名又は名称】株式会社AIDIA
(73)【特許権者】
【識別番号】516089201
【氏名又は名称】株式会社YGP
(74)【代理人】
【識別番号】100169775
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 祐史
(72)【発明者】
【氏名】宮原 保雄
(72)【発明者】
【氏名】吉盛 文博
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 和義
【審査官】
山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−122750(JP,A)
【文献】
特開2007−228936(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3163836(JP,U)
【文献】
特開平10−005306(JP,A)
【文献】
特開2011−219411(JP,A)
【文献】
特開2013−221733(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3163837(JP,U)
【文献】
特開2015−213569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 33/14
A47K 3/022
A61H 33/02
C02F 1/42
C02F 1/68
C25B 1/04
C25B 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素浴を行う水素浴ユニットであって、水素ガス及び空気が満たされている円筒状の水素カプセルとする容器と、前記容器の上壁において利用者が顔を露出させるための円形状の孔と利用者が水素ガスを吸引するための円形状の孔とを一部重複させながら一定の方向に連ねて長孔状に形成した瓢箪型の開口部と、水源から供給された水を電気分解することにより前記容器に供給される水素ガスを発生させる水素発生装置と、前記水素発生装置には前記電気分解による水素ガスの生成により生成される酸素を前記容器の外部となる大気中に排出する酸素排出口とを有すること、を特徴とする水素浴ユニット。
【請求項2】
前記容器の外部に設けられ、利用者が飲料する飲料用水素水を生成する水素水生成装置と、該生成装置から供給される飲料用水素水を供給する水素水供給口とを更に有することを特徴とする請求項1に記載の水素浴ユニット。
【請求項3】
前記容器の外部となる大気中における水素ガス濃度が既定値よりも高いと判断されたときに、前記水素発生装置を停止させる制御信号を生成する制御装置を有することを特徴とする請求項2に記載の水素浴ユニット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素浴ユニットに関し、特に水素が供給される容器を有する水素浴ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の健康ブームから健康増進効果や美容効果を高める目的で、例えば酸素浴を行う酸素浴ユニットが提案されている。このような酸素浴ユニットは、例えば、特許文献1および特許文献2に示す技術が参照される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−75482号
【特許文献2】特開2008−5916号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近時は需要者の嗜好の多様化から斬新な発想で健康増進効果や美容効果を高めることができる技術の提案が強く求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、健康増進効果や美容効果を高めることができる水素浴ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、水素浴ユニットに係る請求項1の発明は、水素浴を行う水素浴ユニットであって、水素が供給される容器と、容器に供給される水素を発生させる水素発生装置と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、水素が供給される容器と、容器に供給される水素を発生させる水素発生装置と、を有することとしたので、利用者が容器内に入り水素浴を行うことができる。これにより、身体の外部からより詳しくは皮膚から水素を摂取することができ、水素の還元効果によって健康増進効果や美容効果を高めることができる。
【0006】
容器の外部に設けられ水素水が供給される水素水供給口を更に有することとすれば、利用者が、水素水供給口から供給される水素水を飲料しながら容器内に入り水素浴を行うことができる。これにより、身体の外部より詳しくは皮膚からのみならず身体の内部からも水素を摂取することができ、水素の還元効果によって健康増進効果や美容効果を更に高めることができる。
【0007】
水素水供給口から供給される
飲料用水素水を生成する水素水生成器を有することとすることができる(
請求項2)。
【0008】
水素発生装置は、水素の発生により生成される酸素を排出する酸素排出口を有することとすれば、発生する水素ガスの純度を高純度(高濃度)に設定することができる(
請求項1)。
【0009】
水素発生装置により発生される水素は、水素ガスとし、容器に供給される水素は、水素ガスとすることができる(
請求項1)。
【0010】
水素ガスが満たされている容器は、上壁が設けられ、上壁に開口が形成されることとすることができる(
請求項1)。
【0011】
開口は、利用者が顔を露出させるための孔と、水素が流出し利用者が水素を吸引するための孔と、を有することとすれば(
請求項1)、より詳しくは、開口は、孔を連ねて長孔状に形成することとすれば(
請求項1)、例えば、利用者が開口から顔を露出させる場合にあっても、開口から確実に水素を吸引することができる。
【0012】
容器の外部における水素濃度が規定値よりも
高いと判断されたときに水素発生装置を停止させる制御信号を生成する制御装置を有することとすれば、容器の外部において水素濃度が高濃度となる場合にあっても、水素発生装置を停止させることができ、安全性を向上させることができる(請求項1、請求項3)。
【発明の効果】
【0013】
水素には、水素還元効果、すなわち、悪玉活性酸素を除去する働きがあることが一般的に知られている。本発明によれば、身体の外部からだけではなく、内部からも水素を摂取することができ、それによって、
利用者は水素還元効果をより効率的に享受することが出来るようになり、健康増進効果や美容効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る水素浴ユニットの構成を示す系統図である。
【
図2】同水素浴ユニットにおける制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】同水素浴ユニットにおける水素カプセルの構成を示す平面図である。
【
図4】
同水素浴ユニットにおける水素カプセルの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について
図1、
図3及び
図4を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態の水素浴ユニット200は、容器280を備えた構成となっており、純水生成装置120、水素発生装置130、自然水供給器140、水素水生成器150、水素水供給口160、水素吹き出し口270、容器280、換気ファン190、検出器193、および制御装置195を有している。
【0016】
つまり、本実施形態においては、容器280は、水素カプセル280としており、水素カプセル280には、気体、より詳しくは水素ガスが満たされている。
水素カプセル280は、筒状より詳しくは円筒状に形成されており、底部280aより詳しくは底壁280a、側部280bより詳しくは側壁280b、および上部280cより詳しくは上壁280cからなる。水素カプセル280は、一般的な体格を有する利用者が無理なく入ることができる寸法、形状に形成されている。
【0017】
上壁280cは、側壁280bに対し開閉自在に形成されており、上壁280cの中央部には、開口280dが形成されている。
開口280dは、一般的な体格を有する利用者が頭から首を外部に露出させることができるようにその寸法が設定されており、利用者の首の周りに十分な寸法の開口が形成されるようにしている。
【0018】
すなわち、
図3に示すように、開口280dは、長孔状に形成されており、円形の孔を一定の方向に複数連ねて形成される。より詳しくは、開口280dは、2つの等しい大きさの円形の孔280e、280fを有し、これらの孔280a,280bを一部重複させながら一定の方向に連ねて形成されており、瓢箪型をなしている。これにより、例えば、利用者が一方の円形の孔280eにより形成される開口から顔を露出させる場合にあっても、利用者の周囲により詳しくは利用者の前方側に他方の円形の孔280fにより形成される開口を更に有するようにすることができ、利用者は孔280fにより形成される開口から容易に水素ガスを吸引することができる。つまり、孔280eおよび孔280fのうちいずれか一方は、利用者が首から顔を露出させる孔として機能し、孔280eおよび孔280fのうちいずれか他方は、水素ガスが流出し利用者が水素ガスを吸引するための孔として機能する。孔280e,280fは、それぞれ一般的な体格を有する利用者の顔や首の寸法に対応した寸法に設定されている。
【0019】
水素カプセル280には、水素吹き出し口270が設けられている。すなわち、水素吹き出し口270は、水素カプセル280の底壁280a
および/又は側壁280bに設けられ、水素発生装置130により発生した水素ガスを底壁280a
および/又は側壁280bから水素カプセル280内に吹き出す機能を有している。水素吹き出し口270は、接続ライン150bからの分岐ライン150cと接続されており、水素発生装置130により発生した水素ガスは、ポンプ135を介して水素吹き出し口270に供給される。
【0020】
次に、純水生成装置120は、接続ライン120aを介して水源105と接続されており、水源105から供給された水道水から純水を生成する機能を有している。純水生成装置120は、イオン交換樹脂を有しており、イオン交換樹脂によるイオン交換処理により水道水から不純物を除去して純水を生成することができる。なお、接続ライン120aは、接続ライン110aからの分岐されたラインとなる。
【0021】
水素発生装置130は、接続ライン130aを介して純水生成装置120と接続されており、純水生成装置120により生成された純水から水素より詳しくは水素ガスを発生させる機能を有している。水素発生装置130は、純水を電気分解することにより水素ガスを発生させることができる。水素発生装置130は、酸素排出口130bを有しており、酸素排出口130bにより、水素ガスの発生により生成された酸素ガスを分離して外部に排出することができ、発生する水素ガスの純度を高純度(高濃度)に設定することができる。本発明においては、水素発生装置130により発生する水素ガスの純度は、99%以上100%未満、より詳しくは99,9%以上100%未満、更に詳しくは99.995%に設定される。水素発生装置130により発生した水素ガスは、浴槽180および水素水生成器150に供給される。つまり、水素発生装置130は、水素カプセル280に供給するための水素ガスおよび水素水供給口160から供給される水素水を生成するための水素ガスを発生させる。
【0022】
自然水供給器140は、自然水の水源に接続されることにより、または、自然水を貯蔵する貯蔵容器に接続されることにより、自然水を供給する機能を有している。自然水供給器140により供給される自然水は、水素水供給口160から供給される
飲料用水素水を生成するために用いられる。
【0023】
すなわち、水素水生成器150により、自然水供給器140からの自然水と水素発生装置130からの水素ガスとを混合して水素水として生成し、該生成した水素水を、水素水供給口160から外部に供給する。このように、水素水に自然水を混合させることにより、健康増進効果や美容効果を更に付加することができる。なお、自然水には、湧水、井戸水、河川水、地下水等が含まれる。
【0024】
水素水生成器150は、接続ライン150aを介して自然水供給器140と接続されるとともに、接続ライン150bを介して水素発生装置130と接続されており、自然水供給器140から供給された自然水と水素発生装置130により発生した水素ガスとを混合して水素水を生成する機能を有している。水素発生装置130により発生した水素ガスは、接続ライン150bに設けられたポンプ135を介して水素水生成器150に供給される。水素水生成器150により生成された水素水は、利用者の飲料用として生成される。
【0025】
水素水供給口160は、接続ライン160aを介して水素水生成器150と接続されており、水素水生成器150により混合して生成された水素水を外部に供給する機能を有している。すなわち、水素水供給口160は、水素カプセル280の外部に設けられており、飲料用の水素水を供給する。
【0026】
これにより、利用者は、水素水を飲料しながら、水素カプセル280内で水素ガスと接触して水素浴を行うことができる。また、利用者の周囲に開口が形成されるので、開口から上昇する水素ガスにより利用者が呼吸しながら水素ガスを吸引することができる。
【0027】
以上説明したように、本発明によれば、水素が供給される水素カプセル280を有することとしたので、利用者が、水素カプセル280内に入り水素浴を行うことができる。これにより、身体の外部より詳しくは皮膚から水素を摂取することができ、水素の還元効果によって健康増進効果や美容効果を高めることができる。
また、本発明によれば、容器280の外部に設けられ水素水が供給される水素水供給口160を更に有することとしたので、利用者が、水素水供給口160から供給される水素水を飲料しながら水素浴ユニット200内に入り水素浴を行うことができる。
水素水供給口160を水素カプセル280の上壁の開口近辺に設ける。水素は気化しやすく、飲料用水素水として利用する場合には、水素水を生成した直後でないと気化して、水素還元効果を十分に得られないためである。これにより、身体の外部からのみならず身体の内部からも水素を摂取することができ、水素還元効果をより効率的に享受でき、よって健康増進効果や美容効果を更に高めることができる。
【0028】
換気ファン190は、
水素カプセル280が備えられる室の天井部分に設けられており、
水素カプセル室内の空気と外気とを換気より詳しくは発生した水素ガスと外気とを換気する機能を有している。
検出器193は、
水素カプセル280が備えられる室の天井部分に設けられており、容器
280の外部における水素濃度を検出する機能を有している。
【0029】
制御装置195は、水素カプセル
280の外部における水素濃度が規定値を超える場合に水素発生装置130を停止させる制御信号を生成する機能を有している。制御装置195は、
図2に示すように、入力部195a、判断部195b、および信号生成部195cからなる。すなわち、入力部195aは、検出器193により検出された水素濃度の信号データを入力する機能を有している。判断部195bは、入力部195aにより入力された水素濃度と所定の規定値とを比較し水素濃度が規定値よりも
高いか否かを判断する機能を有している。信号生成部195cは、判断部195bにより水素濃度が所定の規定値よりも高いと判断されたときに、水素発生装置130を停止させる制御信号を生成する機能を有している。なお、水素発生装置130の停止とは、水素発生装置130の水素発生機能の停止および水素発生装置130により発生させた水素ガスの供給機能の停止のうち少なくともいずれか一方を含み、水素発生装置130の停止(電源停止等)、水素発生装置130により発生させた水素ガスの外部への排出、ポンプ135の停止、接続ライン150b,150cに含まれるバルブの閉塞等が含まれる。
【0030】
ここで、本発明においては、浴室の天井部分に検出器193が設けられており、
水素カプセル280の外部における水素濃度を検出することができる。すなわち、検出器190により検出された水素濃度の信号データは、制御装置195の入力部195aに入力され、判断部195bにより、入力された水素ガス濃度が規定値よりも大きいと判断されたときは、信号生成部195cにより制御信号が生成され水素発生装置130を停止させることができる。これにより、容器180の外部において水素濃度が高濃度となる場合にあっても、水素発生装置130を停止させることができ、安全性を向上させることができる。
【0031】
更に、水素カプセル280および水素水供給口160に供給される水素水を生成するための水素を発生させる水素発生装置130を有することとしたので、水素を発生させながら水素カプセル280に水素を供給し、かつ、水素水を生成して水素水供給口160から水素水を供給することができ、水素の酸化等による水素濃度の低下を抑制することができる。
【0032】
なお、本発明は特許請求の範囲を逸脱しない範囲で各種の応用実施を行うことが可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、水素が高濃度の状態で供給され、かつ保持される容器を有すること、および、上壁に開口部を設けて水素ガスを口から摂取できるようなこうせいとしたことにより、身体の外部からより詳しくは皮膚から水素を摂取することができ、かつ、さらに身体の内部からも水素ガスの効果を得ることができるようにしたことから健康増進効果や美容効果を更に高めることができる水素浴ユニットを提供する。これにより水素浴ユニットの新たな価値を生み出し業界の発展に大きく貢献する。
【符号の説明】
【0034】
105:水源
120:純水生成装置
120a:接続ライン
130:水素発生装置
130a:接続ライン
130b:酸素排出口
135:ポンプ
140:自然水供給器
150:水素水生成器
150a:接続ライン
150b:接続ライン
150c:接続ライン
160:水素水供給口
160a:接続ライン
190:換気ファン
193:検出器
195:制御装置
200:水素浴ユニット
270:水素吹き出し口
280:水素カプセル(容器)
280a:底壁(底部)
280b;側壁(側部)
280c:上壁(上部)
280d:開口
280e:孔
280f:孔