(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
請求項によってカバーされるものから逸脱することなく、取るに足らない変更をここに記載する実施態様に行い得る。
【0021】
リアクチュエータ(Reactuator)と呼ぶこともある本装置の実施態様は、電圧又は他の種類の電気若しくは電子信号によって励磁されるときに膨張し且つ/或いは収縮する何らかの材料の変形を用いて、材料のリングを円形の外側レースの内径(ID)に対して押し付け得る。この接触部がレースの周りの1つ又はそれよりも多くの位置で創り出されるとき、そして、接触部の前縁で膨張している材料の領域を励磁することによって並びに接触領域の後端で膨張している材料の領域を消磁することによって接触領域が円周的に移動させられるならば、接触領域を外側レースの周りの両方向において円形のパターンにおいて移動させ得る。各接点の間の牽引リングの非接触領域は、外側リングの接触表面に沿って測定される隣接する接触領域の中心間の弧距離よりも短い(牽引リングの外側表面に沿って測定される)周距離を有する。結果的に、接触領域が外側レースに沿って進行すると、外側レースは回転させられる。
【0022】
全ての実施態様は、接触表面を備える出力部材と、基準部材と、基準部材に取り付けられるアクチュエータ部材とを含む。アクチュエータ部材は、牽引表面を有し、アクチュエータゾーンを含む。各アクチュエータゾーンは、開示されるもののような様々な手段によって励磁されて、牽引表面の対応する部分を移動させ、アクチュエータゾーンの励磁状態に応じて接触表面との牽引表面の接触状態を変える。接触状態は接触していてよく、或いは接触していなくてもよい(休止又は収縮位置)。励磁は材料を膨張させ或いは収縮させ、よって、接触状態を変える。アクチュエータゾーンの励磁状態を順次的に変えるために、エネルギ源がアクチュエータゾーンに動作的に結合される。アクチュエータゾーンが順次的に励磁されると、波内の水分子が水を通じて移動するように、波によって引き起こされる材料中の粒子の円形経路又は楕円形経路の故に、波がアクチュエータ部材を移動させる。波は牽引表面に外側部材を移動させる。接触表面上の地点より下の材料又はチャンバが波の山の(進行中ではなく)形成中に励磁されると、アクチュエータ部材の移動は、その接触表面上の地点のほぼ径方向の(或いはリニアアクチュエータのためには表面に対して垂直の−或いは円形の)移動を引き起こす。
【0023】
一部の実施態様において、アクチュエータ部材は、基準部材と出力部材との間にトルク伝導経路をもたらす。しかしながら、他の実施態様では、他の材料がトルク伝導経路内にあり得る。
【0024】
一部の実施態様において、出力部材は軸を有し、円形である。他の実施態様では、それは線形、球形、又は円筒形である。基準部材は軸と同心であり得るし、さもなければ外側部材の形状に従う形状を有する。アクチュエータ部材を、内側又は外側、上又は下のいずれかで、基準部材の周りに或いは基準部材に沿って或いは基準部材に取り付け得る。アクチュエータ部材を、少なくとも部分的に、牽引表面を接触表面に押し付けるよう励磁されるときに膨張可能又は収縮可能な材料で作製し得る。アクチュエータ部材の円周的に離間する部分の順次的な励磁及び作動のために、エネルギ源をアクチュエータ部材に動作的に結合させ得る。基準部材は出力部材の内側又は外側にあり得るが、牽引表面は常に基準部材と出力部材との間にある。実施態様に依存して、膨張可能又は収縮可能な材料は、牽引表面が接触表面から分離される位置から牽引表面が接触表面と接触する位置又は接触表面が牽引表面と連続的に接触し得る位置に、牽引表面を接触表面に押し付けるよう励磁されるときに膨張可能又は収縮可能である。励磁されるときに収縮する材料のために、アクチュエータ部材は初期的に外側部材と接触し、励磁されると外側部材との接触を失う。これは励磁されていないときにアクチュエータが常に接触し、次に、伝搬する波から離れる或いは伝搬する波中に減少させられた接触圧力を有する領域を励磁することによって回転出力を創り出すように作動することを可能にする。
【0025】
実施態様に依存して、アクチュエータ部材は、例えば、液圧作動又は膨張可能な材料内の膨張可能なチャンバの圧縮可能な流体作動又は作動部材内の膨張可能なチャンバの電気機械的作動によって、材料の移動によって膨張する封止チャンバを有し得る。シリコンのような励磁されるときに多量の熱を生成しない材料の内側ライニングでチャンバを封止し得る。
【0026】
ここで
図1に示す1つの実施例は、ナイロン66のような材料で作製される牽引リング14によって形成される牽引表面を有する(しかしながら、多くの異なる種類のプラスチック及び/又は金属及び/又はセラミクス及び/又はポリアミド及び/又は他の種類の材料を用い得る)。別個のリング(図示せず)の代わりに(外側レースと接触する)アクチュエータ表面の外側の牽引塗膜も用い得る。
図1に示すように、アクチュエータ部材は、内側基準リングと出力リングとの間のトルク伝導経路をもたらす。アクチュエータリングが所望のトルクをもたらす摩擦係数のような所望の特性を有するならば、塗膜及び/又は別個の牽引リングは不要であり得る。この牽引リングの他の所望の特性は、牽引リングと外側レースとの間の不適切な滑りを防止するのに十分なように回転の方向における剪断において僅かに変形する能力を含む。滑りが起こるときには、この材料又は塗膜又は材料の組み合わせが有意なeach又は摩耗を創り出さないことが好ましい。
【0027】
ここに開示するアクチュエータは、電気反応性の材料によって加え得る高力並びにこれらの材料が反応して広範囲の出力速度と共に高いトルク出力をもたらす高速を活用する。それを極めて低プロファイル及び軽量の装置としても解釈し得る。低量の材料の材料の使用を可能にすることによって、一部の構成においては比較的安価な材料の使用を可能にすることによって、本装置の特定の構成は極めて費用効果的であるとも考えられる。
【0028】
ここに開示するアクチュエータをその独自の軸受支持体としても用いることもでき、追加的な軸受の費用及び重量及び複雑さを減少させる。円周的に外側レースに沿う接触波形進行の速度と無関係に電圧(又は他の励磁信号)を増大させ或いは減少させることによって、出力速度の変化とは別個に、移転されるトルクの量を異ならせ得る。
【0029】
図1は、本設計の実施態様の低プロファイルアクチュエータの例示的な実施態様を示している。アクチュエータは、アルミニウム製の外側出力レース又は部材12(しかしながら、多くの他の材料も用い得る)、アルミニウム製の内側基準レース22(しかしながら、多くの他の材料も用い得る)、内側レース22に固定される、好ましくはポリマ製の電気反応性のアクチュエータリング又は部材16(しかしながら、他の実施態様では他の電気反応性の材料も用い得る)、及びナイロン66製の牽引リング14(しかしながら、他の材料も用い得る)を使用し、牽引リング14はアクチュエータリング16の外側に固定され、アクチュエータリングが励磁される場所ではどこでも外側レース12の内径と接触する。一部の電気反応性材料によって生成される高い膨張力の故に、並びにナイロン66のような比較的高い可撓性の材料の故に、外側レース14と牽引リング14との間に多数の接触部をもたらし得る。これらの接触部の表面積は(例えば、極めて薄い線であるレース上のローラの接触部と比べて)極めて高くあり得る。よって、高い表面積及び高い接触圧力の組み合わせは、類似の大きさ及び重量の特定の従来的なアクチュエータシステムを超え得る出力トルクをもたらし或いはより低い費用オプションをもたらし得ると考えられる。
【0030】
図2は、アクチュエータリング16が1つ又はそれよりも多くの(好ましくは3つ又はそれよりも多くの)均等に離間したゾーン内で励磁されるときに牽引リング14の外径(OD)と牽引接触する。牽引リング14はアクチュエータリング16に機械的に固定され且つ/或いは結合される。アクチュエータリング16は内側レース22に機械的に固定され且つ/或いは結合される。電極18がアクチュエータリング16と電気接触して、アクチュエータリングに亘る電荷を他の側にもたらす。牽引リング14と外側レース12との間の接点20の各々の間には、非接触間隙24がある。
【0031】
1つの実施態様において、牽引リング14は、弾性的に変形させられていないとき、3.98インチの外径を有する。外側レース12は、この例示的な実施態様において、4インチの内径を有し、(電気反応性の作動リングが励磁されないならば並びに/或いは中立位置にあるならば)、2つの直径の間に、0.01インチの間隙を残すが、有意により大きい間隙又は有意により小さい間隙も用い得る。(10フィート以上から1インチ以下に及ぶ或いはMEMS製造技法を用いて顕微鏡的に小さい、この種類のアクチュエータのための有意により大きい及び有意により小さい直径も可能である。この例示的な実施態様において、電気反応性の作動リングの両方の軸側で好ましくは均等に離間した電極の10組の(1つの「組」は、各側に1つある並びに/或いはこれらの電極(しかしながら、より小さい数又はより大きい数も用い得る)の間の電流によって荷電される領域の、2つの電極を指す)に電圧が印可されるとき、材料は径方向において膨張し、牽引リング14の外径と外側レース12の内径との間に接触表面20の配列(アレイ)を創り出す。この例示的な実施態様では、牽引リングの両側に100個の電極がある(しかしながら、異なる効果を伴って、より多い数の又はより少ない数の電極も用い得る)。アクチュエータリングの両側に100個の電極を備えるならば、牽引リングと外側レースとの間に2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上、15個以上、20個以上、25個以上、30個以上、35個以上、40個以上、45個以上、又は50個の接触部を有し、こららの接触部の各々の間に非接触間隙を備えることが可能である。この実施例において示すように、100個の接触部を用いるならば、接触部の数よりも多い数の電極を用いることは、牽引リングと外側レースとの間の接触表面が、各接触部の前縁に沿って接触から非接触に漸進的に進行することを可能にする。それは各接触部の後縁が接触の状態から非接触に漸進的に進行することも可能にする。
図3は、外側レースに沿って反時計回りに進行し、内側基準レースが固定されているならば、それが次に外側レースの時計周りの回転をもたらす、接触表面の実施例を示している。
図3に示すように、電圧が「1」と印された電極18に印可される。電圧は「0」と印された電極18に印可されない。電圧は、「<」と印された電極で、低又はゼロから増大された電圧に移動させられる。「>」と印された電極は、電圧が励磁された状態からより低い又はゼロの電圧に減少させられることを示している。電圧はエネルギ源の励磁状態に対応する。接触領域の前縁26で(
図3では各接触部の左側で)より多くの電極及び電気反応性リングの部分を進行的に(順次的に)励磁するならば、外側リングは時計回り(矢印A)に経典させられる。
【0032】
図4は、運動生成装置(motion producing device)の実施態様の簡略化された実施例の断面図を示している。この断面図は、アクチュエータゾーンを定める外側レース又は部材12、内側リング又は基準部材22、牽引リング14、アクチュエータリング又は部材16、及び電極18を含む、基本的な動作原理にとって必要な構成部品を例示しているが、追加的な好適な機能(図示せず)は、外側レースのための軸方向位置決め手段を含み得る。径方向及び/又は軸方向ローラ又は滑り軸受も用い得るが、アクチュエータの作動原理によってもたらされる有意な径方向荷重を伴い、追加的な軸受は多くの用途のために不要であると考えられる。
【0033】
図5は、運動生成装置の実施態様の誇張した部分図であり、変形させられた牽引リング30と出力レースとの間の4つの接触地点を示している。同様に示されているのは、弛緩した状態32における同じ牽引リングの90°区画であり、作動リングの励磁から何らの力もそれに作用していない。
【0034】
弛緩状態及び変形状態の両方における牽引リングの90°区画を今や参照すると、弛緩状態の内部弧長(3.06インチ)及び変形状態の内部弧長(0.62インチ+2.46インチ=3.06インチ)は等しい。両方の状態において、90°牽引リング区画の各々の区画の内表面は、0.06インチの弧長の51個の等しい区画に分割される。
【0035】
その弛緩状態において、牽引リングの外側表面を分割することは、51個の区画をもたらし、各々の区画は0.07568インチの弧長を備える。
図5に示すように、牽引レースが出力レースの内径と接触するように、作動リングが4つの均等に離間した位置で励磁されるとき、接触領域間の区画は、0.07568インチから0.07103インチの圧縮された長さへの弧長における変化だけ
図5に示すように(牽引リングが弛緩状態にあるときと比べて)圧縮された外側表面を示す。より重要なことには、運動移転原理のこの説明の目的のために、出力レースとの接触地点での牽引リング接触表面のより小さい半径区画は、(それが弛緩状態にあるときよりも)小さい半径への牽引リングの変形を必要とし、そにより、牽引リングの外側表面は、0.09676インチの弧長への各接触区画の増大させられた長さだけ、ここに示すように細長くなければならない。
【0036】
これは
図6に示されており、そこでは、より引き締まった半径に変形される51個の区画の各々は、0.06インチの同じ根弧長と0.09676の外側表面弧長とを有する。外側ロータ接触表面の90度区画も51個のセグメントに分割される。これらのセグメントの0.07849インチは、(牽引リングが弛緩状態にあるとき、牽引リング接触表面セグメントの弧長よりも長いが)、牽引リング接触表面セグメントの0.09676インチの弧長よりも短い。結果的に、牽引リング接触表面のより小さい半径の変形の進行は、1つの方向又は他の方向における各電極の活性化によって生成される励磁された「波」の進行によって定められるような牽引リング変形及び作動リングの回転方向に対して反対の方向において接触レースに沿って「転動」する。
【0037】
(牽引リング接触表面が出力レースと接触する)牽引リング接触表面のこの伸長の結果、牽引リング接触表面は、それが弛緩状態にあるときよりもそれが出力レースと接触するときに、所与の根弧長のために(この例示において、根長(root arc length)は0.06インチである)より大きい表面長(surface length)を有する。この効果は十分に有意であるので、接触表面が出力レースと接触するためにより小さい半径に変形させられるときの、牽引リングの接触表面の表面速度は、牽引リングの接触表面が弛緩状態にあるならば、並びに(例示的な目的のために仮定的に)牽引リングの接触表面が全ての方向において出力レース接触表面と同じ直径に減少させられ、外径の周りの全周に一貫した接触表面を備えるとするならば、牽引リングの接触表面が有するであろう根弧長のための表面長よりも大きい、根弧長のための表面長を有する。これは
図7に示されており、そこでは、弛緩状態の牽引リングのセグメントが出力レースまで広げられ、その場合、牽引リング直径での弧距離は、0.07849インチである。
【0038】
図3中の湾曲した矢印は、時計回り方向におけるアクチュエータリングの隣接領域の励磁に由来するような(回転の外観を有する)接触表面進行の方向の実施例、結果として生じる牽引リング接触表面の接触表面の移動の反時計回りの相対的な方向の動作、及び結果として生じる出力リングの時計回りの相対的な動作を示している。
【0039】
図5−7に示される全てのセグメント化は、厳密には様々な構成部品の表面長を例示するためであり、本開示の実際の物理的な装置の構造又は機能の一部ではない。実際の装置の変形は
図5−7に示される例示よりもより一層それほど目立たない可能性が高い。原理を例示するために、これらは誇張された幾何で示されている。
【0040】
図8に示されているのは、電圧及び/又は信号を電気反応性アクチュエータリング16に供給し且つ電気反応性アクチュエータリング16から供給するために用い得る多くの方法のうちの1つの実施例としての電気回路の配列の簡略図である。簡潔性のために、この実施例では、アクチュエータリングの1つの区画のみへの回路がここで示されている。この実施例において、単一の入力ワイヤの各々がアクチュエータリングの1つの側で10個の均等に離間した電極18に接続され、10個の出力ワイヤの各々がこれらの入力電極の反対側で電極18に接続されるように、これらの接続部40又は42の全ては、装置への10個の入力ワイヤ44(ここで10という数字は一例として用いられているに過ぎず、より少ない入力及び/又は出力ワイヤ、より多い数の入力及び/又は出力ワイヤも用い得る)と、装置からの10個の出力ワイヤ46とに行くのが好ましい。
図8に示されるように、10組の入力ワイヤ及び出力ワイヤを用いるならば、10番目毎の正電極は、共通回路42を通じて装置への同じ入力ワイヤに接続されるのが好ましく、10番目毎の負電極は、共通回路40を通じて装置への同じ出力ワイヤに接続されるのが好ましい。
【0041】
コンピュータ化されたコントローラがどの電極が励磁されているかを決定する。電極は(好ましくは、必ずしも必要ではないが、速度及び他の可変物に依存し得る所定の電圧増加及び減少機能に従って)順次的に単に励磁され且つ消磁されるので、この装置のための制御システムは比較的簡単であると考えられる。その最も簡単な形態において、制御アルゴリズムはフィードバックをコントローラに提供することを必要としない。電極の励磁及び消磁の速度及び/又は周波数は、出力の速度を増大させ或いは減少させる。増大された電圧が電極に供給されるならば、装置の最大トルク出力は増大する。この電圧の大きさをスイッチング周波数と無関係に制御し得る。
【0042】
(接触領域の1つ又はそれよりも多くのために)極めて軽い接触又は最小の接触であるように或いは接触がないように接触部への電圧を制御することによって、例えば、ロボット継手の「後方駆動」が望ましいとき、アクチュエータ継手の自由な動きを可能にすることが可能である。1つの実施例は、人の形をしたロボットが滑らかで人間のような動作をもたらすことである。高いトルクの衝撃をアクチュエータ部材に並びにアクチュエータ部材を通じて適用することができ、よって、アクチュエータ部材はトルク伝導経路として作用し、次に、それが最大の所望の速度まで加速するや否や、アクチュエータが牽引リング/出力リングインターフェースの摩擦及び接触部への入力電圧によって決定されるような予荷重の量に依存する速度で減速するよう、アクチュエータへの電圧を構成部品が牽引リング上を単に滑動するところまで減少させ得る。
【0043】
アクチュエータ材料は、電気活性ポリマ又は電気非活性トランスデューサであり得る。電気活性ポリマの実施例は、電気エラストマ(例えば、アクリル性又はシリコン)、電歪ポリマ(例えば、P(VDF−TrFE−CFE)
2又はグラフトエラストマ)、電気化学機械的伝導ポリマ(例えば、ポリアニリン)、電気化学ポリマ/ゲル(例えば、高分子電解質)、又は圧電ポリマ(例えば、PVDF)を含む。電気非活性トランスデューサの実施例は、静電装置(例えば、統合力配列(integrated force array))、電磁的(例えば、ボイスコイル、圧電的(例えば、セラミクス(PZT)又は単一結晶(PZN−PT))、形状記憶合金(例えば、TiNi)、形状記憶ポリマ、熱的(膨張)、磁歪(例えば、Terfenol-D、Etrema製品、及び天然筋(例えば、人間の骨格)を含む(Kornbluh, R. et al., 2002, Electroactive polyers: An emerging technology for MEMS, MEMS/MOEMS Components and Their Applications, Proc. Of SPIE Vol. 5344, pp.13-27から)。
【0044】
電気活性材料は極めて速く作用し得るし、それらの一部はそれらが膨張するときに極めて高い力も生成し得る。これらの材料の欠点はそれらの多くが高い排除量(displacement)に亘って力を伝導し得ないことである。圧電セラミクスは、例えば、約1%〜2%の膨張比に概ね限定される。このアクチュエータは、それらに電圧が印可されるときに膨張し且つ/或いは収縮する、圧電及び/又はポリマ及び/又は他の電気反応性材料の高速及び高力を活用する。
【0045】
電気反応性材料の電気特性に依存して、あるレベルの絶縁を各組の電極によって励磁されるアクチュエータリングの領域の間に設けることが必要であり得る。電極の各々の間で個別に分離された電気反応性の材料片を用いることが可能であるが、アクチュエータリングに対する回転剪断荷重は相当であり得、この理由のために一体形のアクチュエータリングの使用が望ましい。様々な効果をもたらすために、互いに正反対にないアクチュエータリングの両側にある接続電極のような他の変形を用い得る。
【0046】
この基本的な動作原理を構成してアクチュエータ、モータ、又は他の回転装置にする極めて多くの方法がある。他の実施態様は、回転する内側リングを出力として備える外側リングに取り付けられるアクチュエータを含む(外側リングが固定又は「基準」リングである)。
【0047】
図9は、出力リング又は部材52のための軸方向安定性をもたらすような方向において構成される二組のアクチュエータリング又は部材56と牽引リング又は部材14とを備える運動生成装置の実施態様に従ったアクチュエータの簡略化された実施例の断面図である。アクチュエータ部材56を軸方向に整列させるのを助けるために基準部材上の肩部(ショルダ)を用い得る。中央突起の両側に中心配置される肩部及びそれぞれの横方向突起の横方向肩部によって、アクチュエータ部材56及びそのセグメント56A,56Bも軸方向に制約される。この実施態様において、アクチュエータ部材は、軸方向に離間する第1のアクチュエータセグメント56Aと、第2のアクチュエータセグメント56Bとを含む。牽引リング54はアクチュエータリング56に機械的に固定され且つ/或いは結合される。アクチュエータリング56は内側レース62に機械的に固定され且つ/或いは結合される。
図9には電気接触部が示されていない。
【0048】
内側リング及び外側リングへの付着物は、この開示における図面の一部には示されていない。ボルト締め、接着、溶接、及び他の構成部品との一体形として製造することを含む、基準部材及び出力部材を外部構成部品に接続する多くの方法がある。
【0049】
図10は、アクチュエータレース16及び牽引リング14が外側リング12に機械的に固定され且つ/或いは結合される奔走値に従った回転式アクチュエータの実施態様の概略の断面図を示している。この例示的な実施態様において、内側リングは出力レースとしての機能を果たす。
【0050】
図11は、運動生成装置の例示的な実施態様の簡略化された断面図を示しており、内側リング22は出力であり、アクチュエータリング16の内径表面64は内側リングとの接触表面としての機能を果たす。
【0051】
図12は、運動生成装置の例示的な実施態様の簡略化された断面図を示しており、外側リング212は出力であり、アクチュエータリング16の外径表面66は外側リングとの接触表面としての機能を果たす。
【0052】
図13は、外側リング62及び内側リング72を備える運動生成装置の例示的な実施態様の簡略された断面図を示しており、アクチュエータリング76は、基準レースとの間の安定性をもたらすようテーパを備えて構成されている。よって、第1のアクチュエータセグメント及び第2のアクチュエータセグメントは軸方向にテーパが付けられた牽引表面を有し、この実施態様において、それぞれの第1のアクチュエータセグメント及び第2のアクチュエータセグメントは反対にテーパが付けられている。
【0053】
運動生成装置の実施態様の効果的な動作を達成するために、アクチュエータリングを通じて内側リングへの牽引表面の間の直接的な接続がありながら、内側リングに対して回転する外側リングの結果として、アクチュエータリング及び/又は牽引リングが剪断において弾性的に変形することを可能にすることが必要である。牽引リング及び/又はアクチュエータリングのこの剪断変形が大きければ大きいほど、アクチュエータの効率はより低い。何故ならば、これらの構成部品を弾性的に変形するようになるエネルギは回復されず、各接触部の前縁及び/又は後縁で外側レースに対して牽引リングの滑りを引き起こし得る(或いは別個の牽引リング材料のない牽引表面が用いられる)からである。
【0054】
(円周方向における)より長い接触表面がより高いトルク伝導容量を備える経路をもたらすが、より大きい剪断及びより大きい非効率をもたらす。この理由のために、システムが低トルクで動作しているときには、各接触部で可能な限り最短の接触リンクを伴う必要なトルクをもたらすために、各接触部でより少ない電極を励磁することが好ましい。より高いトルクが必要とされるときには、接触部の数を変更せずに、各接触部の幅を増大させ得る。
【0055】
アクチュエータが休止しているときには、或いはアクチュエータが異なる効果のために作動中であるときでさえも、接触部(波の頂)の数を変更し得る。接触部の間のアクチュエータリングの剪断変位(shear displacement)を減少させるが、トルクを依然として最大限化することに関して、より大きい数の波がより良好であると考えられる。接触部が共により近接すればするほど、接触部中心の間の固定レース及び接触中心の間の牽引リングの周長に沿う円周方向の距離の長さに関して、各接触部の間により少ない差の長さがある。これは所与の波回転速度のために出力リングの回転速度を減少させる効果を有する。
【0056】
圧電セラミクス又は他の超音波トランスデューサに適した材料が用いられるならば、アクチュエータ出力の回転位置及び/又は速度を決定するために、アクチュエータリングのこれらの異なる領域の作動中に生成される信号を分析することが可能であり得る。外側レース材料中の1つ又はそれよりも多くの変態(anomalies)が(好ましくは接触表面から径方向に外向きにどこかで)システム中に設計されるならば、接触表面を通じて外側レースに転送される超音波フィードバックを用いて、内側リングに対するこれらの変態の相対的な位置を感知することが可能であり得る。これらの超音波信号は変態から離れて反射し、信号を生成したアクチュエータリングの同じ区画又はその異なる区画によって読取り可能であり得る。
【0057】
ここに記載したようなトルク及び運動を伝導するように構成される電気反応性材料と共に、追加的な超音波及び/又は他の種類のセンサを用い得る。(荷重されるときの高い摩擦係数のような、そして、一部の用途のためには、過剰トルクシナリオの間のような或いは作動される部材が自由に移動することが望ましいときのような、荷重が減少させられるときの及び/又は滑りが望ましいときの、最小摩耗及び非粘着滑りインターフェースのような)所望の牽引接触特性をもたらす材料又は所望の接触特性をもたらす電気反応性材料でアクチュエータリングを塗装し得るし、牽引リングなしで或いは牽引表面上の異なる材料の塗膜なしで用い得る。
【0058】
純粋な牽引の代わりに、一部の用途では、アクチュエータ及び/又は牽引リングと他のレースとの間でギア付きインターフェースを用いるのが有益であり得る。
【0059】
歯付き係合実施態様の実施例:
図14は、牽引リング86(この場合には牽引に依存せず、好ましくは低摩擦表面である)と出力部材との間の歯付きインターフェース80を用いる本発明の運動生成装置の実施態様を示している。この実施態様において、出力部材は出力リング82であり、形状変更層は内側基準リング92に取り付けられる。従来的なギヤ歯を用い得るが、従来的なローラ調和駆動装置において用いられるものにより類似する丸められたギア歯を用いるのが好ましい。この簡略化された断面図では、4つの膨張領域が互いに90度で用いられる。内側歯付き部材が各接触ゾーンの間において外側歯付き部材から少なくとも1つの歯の差を有する限り、より多い又はより少ない数の膨張(収縮)領域(又はゾーン)を用い得る。
【0060】
図15は、牽引リング106と出力部材との間の歯付きインターフェース110を用いる類似の歯付きインターフェース実施態様を示しており、外側リング102に形状変更層104を備える。この実施態様において、出力部材は内側リング112である。
【0061】
球形/半球形表面実施態様の実施例:
図16は、運動生成装置の球状実施態様の簡略化された概略的な断面を示しており、内側球120と、外側球122と、作動層124とを備える。
【0062】
図17は、作動入力126を提示する円の配列と部分的に分解される概略的な球状実施態様を示す、
図16中の窓の詳細を示している。これらは作動材料が形状をどのように変化させるかに依存する種類であり得る。ここに示す球状アクチュエータ124では、作動層材料が出力球に近づくために膨張するように作動層を変形させることによって、出力球との接触を創り出し得る。代替的に(そして、この開示中の他の実施態様に当て嵌まるように、作動層を出力部材に予荷重し且つ所望の接触地点を除きどこでも作動層を収縮させ得る)、異なる領域での材料の同時の膨張及び収縮は、材料がこの組合わせ作動方法を許容するならば、この開示中の装置のいずれかを作動させる好適な方法である。アクチュエータ部材が予荷重されるこの実施態様において、出力部材の接触表面は、アクチュエータ部材の牽引表面と連続的に接触し、作動後に収縮し得る。
【0063】
螺旋状線形アクチュエータ実施態様の実施例:
図18は、(ここでは作動層接触表面と螺旋状シャフト接触表面との間に間隙を備える弛緩状態において示されている)運動生成装置の実施態様に従った(従来的なボールネジアクチュエータの代わりに用い得るような)断面で示されるハウジング/基準部材132を備える簡略化された概略的な螺旋状/線形駆動装置の実施態様を示している。この実施態様において、牽引表面及び出力部材の接触表面は、各々、出力部材の回転を線形運動に変換させるよう、協働する螺旋形状を有する。形状変更アクチュエーを変形させることによって、螺旋状シャフト132の円周の周りに1つ又はそれよりも多くの(好ましくは3つ又はそれよりも多くの)接触パッチを生成し、次に、これらの接触パッチをシャフトの表面に沿って接線方向に移動させることは、シャフトを回転させ、そして、螺旋状形状の結果、軸方向において移動させる。接触パッチは螺旋の軸と線平行であり得るし、且つ/或いはそららは螺旋の形状又は他の形状であり得る。接触パッチの動作は螺旋シャフトの軸に対して垂直な平面上で円形であり得るし、且つ/或いはそれに対する円形及び/又は線形(螺旋シャフトの軸と平行)の成分を有する螺旋運動及び/又は他の運動にあり得る。
【0064】
接触パッチを螺旋シャフトの長手軸の中心と整列させられる或いは殆ど整列させられる方向において移動させることによって、基準部材に対する螺旋シャフトのより高速の動作を達成し得る。接触パッチを螺旋シャフトの長手軸に対して(接線方向に或いは部分的に接線方向に)円形の又は主として円形の方向において移動させることによって、螺旋形状の傾斜平面を活用して、シャフトの中心軸方向に沿うより高い線形力を達成し得る。このようにして、1つの移動部分のみを備えるバックラッシュのない高トルク機構を精密な制御で構築し得る。
【0065】
円筒形アクチュエータ実施態様の実施例:
図19は、断面で示されるハウジング/基準部材142を備える簡略化された概略的な円筒形駆動装置の実施態様を示している。形状変更作動部材144を膨張させ、且つ1つ又はそれよりも多くの、好ましくは3つ又はそれよりも多くのパッチにおいて、形状変更作動部材にシリンダを膨張及び収縮させ、次に、線形及び/又は円形方向において励磁されるゾーンの位置を変更することによって、円筒形シャフト140を直線方向において及び/又は回転運動において移動させ得る。正方形、長方形、又は三角形のシャフトを用いることによって、線形運動を生成し得ると同時に、回転運動が起こらないことを保証する。無限の半径を備えるシリンダの一部が平面を形成し、次に、ここに開示する原理に従ってその平面内の線形部材を互いに並進させ得る。図示のように、パッチ又は励磁されるゾーンをグリッドとして形成し得る。
【0066】
強化された作動部材の実施態様の実施例:
図20は、運動生成装置の簡略された例示的な実施態様を示しており、出力リング又は出力部材152と、内側リング又は基準部材162と、径方向コンプライアンス(compliance)及び接線方向剛性(rigidity)の増大のために設計されるアクチュエータリング又は部材強化構造とを備える。強化部材156は、強化部材の間のチャンバ又は屈曲部154(flexures)内の形状変更材料よりも高い引張及び/又は圧縮強度並びに/或いは引張及び/又は圧縮剛性を備える材料で作製されるのが好ましい。これは発明者によって着想される多くの異なる可能な構造の一例であり、ここに示す原理から利益を享受し、それにより、形状変更作動材料を励磁することによる強化部材の弾性変形は、引張又は圧縮応力というよりもむしろ、主として曲げ応力を強化部材に適用する。角度付けられる強化機能154の結果として、接触表面に対する接線方向の荷重が、一層多くの圧縮及び/又は引張応力を強化部材に適用する。強化屈曲部154は径方向に外向きに延び、膨張可能な材料156を通じて円周方向に傾斜する。
【0067】
図21に示されるように、強化部材チャンバ154は、1つ又はそれよりも多くの電極158及び/又は他の励磁機能/接続部を有し得る。強化部材チャンバ内の形状変更材料の全部又は一部を励磁することは、強化部材接触表面と出力部材接触表面との間の間隙を閉じる。弛緩位置において
図21に示される、径方向に膨張可能な強化部材156は、強化部材162に機械的に接続され且つ/或いは結合され、好ましくは、出力部材152との接触表面としての機能も果たす。
【0068】
この構造において用い得る材料の非限定的な実施例は、アルミニウムの出力部材、アルミニウムの基準部材、ナイロンで作製される膨張可能な強化部材、及びシリコン電気活性材料で作製される強化部材チャンバ内の形状変更材料を含む。
【0069】
この実施例において、電気活性材料が両側に非励磁を備えるゾーン内で励磁されるとき(1つ又はそれよりも多くの組の電極を励磁することによってこれを達成し得る)、電気活性材料は径方向において膨張し、強化部材接触表面が径方向に移動して出力部材の接触表面と接触するときに強化部材接触表面の半径を減少させる。
【0070】
これは好適な構造と考えられる。何故ならば、それは形状変更材料が高い剪断応力強度又は剛性を示すことを必要としないからである。それは基準部材への強化部材及び作動形状変更材料の可撓な構成物の構造の極めて剛的で確実な取付けももたらす。
【0071】
出力部材を内側レースとして備える出力部材上に径方向に膨張可能な強化部材及び膨張可能な(そして可能であれば収縮可能な)形状変更作動材料を用いてもこの実施態様を構成し得る。
【0072】
渦巻き弧結合(spiral arc coupling):液体内であれ或いは固体内であれ、いかなる波も表面を幾分円形又は楕円形の経路において進行させる。この円形の経路はリアクチュエータ(Reactuator)の運動伝導原理の1つであり、少なくとも一定の程度までそれが起こるのを可能にすることが好ましい。同時に、膨張可能な材料強化構造は、トルクが作動部材の外径の接触表面から内側基準部材に移転させることを可能にしなければならない。この結合部材構造は:
1.波が伝搬するときに、作動部材の外径が幾分円形又は楕円形の経路において進行することを可能にしなければならない。
2.トルクを作動部材の外側表面から基準部材に伝導させなければならない。
【0073】
この結合の固有の特性は、波が伝搬するときに、それが接触表面上で或る地点の幾分円形又は楕円形の経路を引き起こし、(波が伝搬するときとは対照的に)波が形成されるときに、励磁される作動部材ゾーン(又は励磁される作動部材ゾーンの群)から径方向に外向きの並びにその中心付近の接触表面上の或る地点のほぼ径方向の動作を引き起こすことである。
【0074】
図22に示されるような非放射状の屈曲部164は、作動部材156の外側表面が外向きに移動するのを可能にする。それらは牽引接触表面インターフェースから内側基準部材162へのトルクの移転も可能にする。非放射状の直線的な屈曲部は、屈曲部の内側取付け地点の概ね周りで作動部材の外側表面の回転を引き起こす。これは理想的でない。何故ならば、それは1つのセル(cell)が励磁されるときに外側表面の自然な動作を径方向に外向きに可能にせず或いは波が伝搬するときに幾分円形又は幾分楕円形の運動において可能にしないからである。
【0075】
図22に示されるような弧形状を備える強化屈曲部を用いることによって、ER材料が励磁されるときにER材料によって或いはチャンバ材料の外部加圧によって(各チャンバの中心から概ね径方向に外向きに)全ての方向において生成される圧力は、それを収容するポケット/セル/チャンバの全ての内部表面に作用する。この実施例において、1つのチャンバが励磁され、点線は結果として得られる強化屈曲部の撓みを示している。チャンバ内の圧力は、(加圧される材料に対して凸状の)左側の屈曲部164が真っ直ぐになるときに、それに対する増大する機械的利点を有し、(加圧される材料に対して凹状の)右側の屈曲部166が撓むときに、それに対する減少する機械的利点を有する。結果的に、左側の凸状の屈曲部は(湾曲から直線への)より大きな変位を経験し、これは結合部(coupling)の最外側の材料に作用して、作動部材が内部圧力によって引き起こされる膨張力から径方向に外向きに移動するときに非放射状の屈曲部が作動部材の外径を回転させる傾向を相殺する。線形及び他の運動経路形状を含む開示される実施態様のいずれかと共に、この膨張可能な強化部材構造を様々な構成において用い得る。
【0076】
本発明者は、この開示中の運動生成装置の異なる実施態様の実施例において示される異なる機能の変形を、様々な効果及び利益のためにこの開示中の他の実施態様の異なる機能の変形と組み合わせ得ることを予期する。
【0077】
少なくとも一部の実施態様の最も有意な機能のうちの1つは、基準部材との基準部材の接触表面の間の直接的且つ非回転の接続である。本質的には、これは最小の可動部品を備える(特定の構成においては発電機としてさえも使用可能であり得る)(モータとして用い得る)アクチュエータを達成する。出力部材の回転又は他の種類の動作を達成するために必要とされる動作の残余は、基準部材接触表面の形状を変更することによって達成される。
【0078】
ここに開示する1つの実施態様における運動生成装置は、高速作動形状変更材料を活用し、これらの材料を高い表面接触面積及び圧力を達成する方法と組み合わせて、簡単で費用効率的な装置から回転及び/又は他の種類の運動を生成する。
【0079】
出力部材に対する接触経路の移動の速度を増大させることは、出力部材の速度を増大させる。電流(又は作動部材のために用いられる形状変更材料の種類に依存する作動エネルギ)を増大させることは、牽引及び出力トルクを増大させる。
【0080】
(牽引のためにヤモリが用いるマイクロファイバ又はマイクロフィラメントのような)極めて細い毛のような高い表面接触材料の使用又は表面準備を一方又は両方の接触表面に用いて、牽引を増大させ且つ所要の圧縮力及び接触面積を減少させ得る。このアクチュエータは多くの極めて大きな用途のために並びにMEMsを含む多くの小さい用途のために理想的であると考えられる。
【0081】
出力部材の統合的な軸受支持のために対向するテーパ付き壁で構成されるならば、非滑り接触を可能にするために、僅かに異なるテーパが剛的なリング及び可撓なリングに対して必要であり得る。
【0082】
作動形状変更材料のための他の作動方法は、マトリクス状の電気ワイヤが2つ又はそれよりも多くの励磁されるワイヤが交差する場所に接続される、材料の臨界的な閾電圧を超え得る、マトリクス状の電気ワイヤを含むが、それらに限定されない。好適な材料又は塗膜はこの電圧より下の限定的な反応を有するので、球の表面上で或いは平坦な平面上で如何なる方向においても、或いはシリンダ内のロッドの回転及び/又は軸方向運動を生成するために、反応ゾーンを操作し得る。
【0083】
運動生成装置の実施態様では、出力部材の接触表面に沿って1つ又はそれよりも多くの方向において移動させ得る出力部材に対する1つ又はそれよりも多くの接触地点を生成するために作動部材の部分を励磁し且つ/或いは消磁することによって出力表面から離れる方向に引っ張られ且つ/或いは出力表面と接触するように作製される得る接触表面の使用が開示されている。
【0084】
反応性材料又は表面も、励磁されるときに出力部材の接触表面から離れる方向に引っ張られ或いは接触するように構成し得る。
【0085】
運動生成装置の一部の実施態様は、電圧における変化のような入力信号、及び/又は化学的入力、及び/又は光信号入力、及び/又は熱信号入力、及び/又は気体圧力、及び/又は液圧、及び/又は1つ又はそれよりも多くのの接触パッチを出力部材の接触表面に沿って移動させるローラ及び/又は球及び/又はギアのような機械的手段に反応する、現時点で既知の或いは既存の或いは将来的に知られ或いは存在する任意の種類の材料又は構成を用い得る。
【0086】
マイクロ又はミニチュアのためのmems技法を用いて或いはナノ機械のためのmems技法さえも用いて、この原理を用いるマイクロメカニクスを製造し得る。アクチュエータ部材上の可動ゾーンの位置及び励磁を制御するために、アクチュエータ部材上の位置で無線式に制御されるスイッチを用いる1つ又はそれよりも多くの有線又は無線方法を用い得る。
【0087】
形状変更材料の作動に有用であり得る他の種類の材料は、実施態様に応じて、以下のもの、即ち、ナノ繊維圧電材料、膨張する且つ/或いは収縮するゲル、圧電材料、磁歪材料(磁場が収縮/膨張を引き起こす)、光歪(露光が収縮/膨張を引き起こす)、形状記憶合金、形状記憶ポリマ、電気化学機械ポリマ、電気活性ポリマ、電歪ポリマ、機械化学ポリマ/ゲル、膨張する且つ/或いは収縮するメタ材料、静電作動材料、未知の有能材料又は他の材料、気体及び/又は圧縮不能な流体圧力によって励磁される材料又は構成を含むが、それらに限定されない。
【0088】
使用される材料並びに励磁パターン及び順序に依存して、出力レースは、一部の場合には、接触パッチの移動と同じ方向において進行し得る。
【0089】
出力部材の被駆動表面と相互作用する牽引又は歯付き表面は基準部材に固定され、形状変化部材材料(及び牽引/歯付きリング材料)の弾性変形の故に形状変化(作用)層の変形を可能にする。
【0090】
本装置は、圧電によって給電されるレバーアームの配列又は形状変化材料によって生成される径方向運動を増大させるよう空所を充填する反応性材料を備える接線方向に剛的な配列のような、誇張構造(exaggerating structure)を用い得る。
【0091】
セグメント化された或いは部分的にセグメント化された作動部材が、隣接する領域のより少ない変形を伴う径方向膨張を可能にする。
【0092】
基準から出力レースへのトルク又は力移転は径方向又は軸方向であり得るし、膨張可能なER材料が力移転の線に沿って配置される限り、ある角度にあり得るし、その膨張に起因する接触力、従って、牽引力を最小限化することが可能である。
【0093】
基準部材の直径に対する出力部材の直径の比は、好ましくは、2:1未満であり、より好ましくは、1.5:1であり、より一層好ましくは、1.1:1である。
【0094】
一部の実施態様において、牽引表面及び接触表面は(接触及び/又は僅かな予荷重圧縮の下で)常時100%接触を有し且つ2つ又はそれよりも多くの進行するより高い圧縮ゾーンを有し得る。これの利点は停電のときにそれが自動ロックすることを含む。負(又は反対の)電荷で径方向に収縮し得る材料が用いられるならば、所望であれば、円周の全てを同時に収縮させることによって、リアクチュエータも自由回転し得る。ここでは、僅かに予荷重される(伸張させられる)変形可能な表面部材が好ましく、その場合、この表面は(もし内側レースに取り付けられるならば)給電されないときに100%接触を達成するために休止時に外向きに伸張させられ、次に、2つ又はそれよりも多くの進行する領域において径方向に外向きに圧縮されて運動を引き起こし、次に、完全な円周の周りでER材料を収縮させることによって収縮させられる(収縮することが可能にされる)。
【0095】
特定の請求項によってアクチュエータ部材に限定されない一部の実施態様は、内径と外径との間の接触表面を長くするよう表面又は表面下部材を1つ又はそれよりも多くの場所において丸くしない任意の種類の作動の結果として表面を圧縮すし或いは変形させる任意の手段を用い得る。
【0096】
伸長のこの方法は、それが内側部材の外径で或いは内側部材の外径の表面下で外向きに押すように、材料を集めて変形させる磁性構成部品であり得る。外側部材の外径を変形させることによって同じことを達成し得る。
【0097】
直線アクチュエータのためにも運動生成原理を用い得る。管の内側又は少なくとも2つの対向する表面。高い(又は調節可能な)接触力が達成可能であるように、接触表面又は表面下の完全な膨張を防止する2つの剛性の(rigid)又は半剛性の(semi-rigid)対向する部材が必要である。
【0098】
図23は、液圧的に又は空圧的に作動させられるバージョンのリアクチュエータの好適な実施態様を示している。液圧的、空圧的、又は電磁的、及び他の実施態様において、膨張可能な材料は、膨張させられ、伸長させられ、或いはある表面から離れる方向に或いはある表面に向かう方向に外向きに移動させられ得る材料、よって、例えば、チャンバの閉込め壁及びチャンバの周りのアクチュエータ部材の材料である必要があるだけであり、電気活性材料のような固有に膨張可能な材料である必要はない。液圧流体のために或いは液圧流体の代わりに、圧縮不能であれ圧縮可能であれ、様々な流体を用い得る。液圧又は空圧バージョンは、場合によっては出力部材の接触表面へ或いは出力部材の接触表面から、作動部材の牽引表面を押圧し或いは収縮させるために、加圧することによって膨張させることによって或いは減圧することによって収縮させることによって作動し得る。
【0099】
中央部材170は、それが圧力又は力の下で変形するときに有意に圧縮しない、非限定的に0.48以上のウレタンのような高いポアソン比を備える、非限定的に40デュロメータのシリコン又はウレタンのような、低デュロメータの可撓な材料であるのが好ましい。側方プレート174は別個のセグメントとして示されているが、接続され得るし、金属又はプラスチックのような剛性の材料である。シール部材178は、高デュロメータで可撓な、しかしながら、好ましくは、非限定的に90Aシリコン又はウレタンのような圧縮可能でない、材料である。液圧流及び圧力がセル内で増大させられると、ウレタン中央部材170内の空洞180は外向きに膨張し、中央部材170インサートの外側表面はシール部材178の内側表面に対して膨張する。シール部材178は十分に高いデュロメータであるので、それは側方プレートが作動部材176に対して封止する場所で側方プレート174を越えて突き出ることから遮断される。作動部材176は外側リング172と内側リング182との間にある。シール部材178は所与のアクチュエータ部材セル膨張のために中央部材170よりも少ない変形を有するので、より高いデュロメータのウレタンはここではそれ程強く圧迫されない。
【0100】
ウレタンを変形させるのに必要とされる電力とは別に、この構造は、ウレタンを「シール」するのが容易であり且つそれが液圧流体のための漏れのないシールとしても作用することを除き、セルが液圧流体で充填されたかのように、同じ圧力をアクチュエータ部材176に加え(そして、アクチュエータ部材と出力部材接触表面との間に同じ牽引をもたらす)。
【0101】
このシステムの利点は、(絶えず変化するレバーアームを有する掘削機上のような)典型的な液圧アクチュエータと比べて運動の全範囲を通じて一貫したトルクを備える、極めて高いトルクの潜在性を含むことである。液圧又は液圧流体に晒される滑りシールもない。
【0102】
図24−26は、順次的に分解される液圧駆動装置構造を示しており、先ず、
図24に示されるように、側方プレートが取り外され、次に、
図25に示されるように、中央部材が取り外される。
図26は、側方プレート組立体174を示しており、2つの半体の一体的な取付けは示されていない。
【0103】
図27を参照すると、モータ196、例えば、可変速電気又は液圧モータが、斜板ポンプ194を駆動させる。斜板ポンプ194の各ピストン200が、液圧供給線192を通じて均等に離間したリアクチュエータセル190の配列を供給する。斜板プレートポンプ194は、好ましくは、ピストンの可変な変位量(displacement)を用いる。入口弁及び排出弁によって各セル190(或いは1つの入口及び出口弁が2つ又はそれよりも多くの等しく配列されたセルをアクチュエータの周りで駆動させるよう等しく配列されたセルの組)を制御し得るが、より効率的な駆動装置は流れ及び圧力を各組の等しく配列されたセルに供給する単一のピストンを備える液圧モータを用いる。このようにして、セルの最大加圧後の流体中のエネルギは、(モータとして)上死点後にポンプピストンを駆動させることによってある程度まで回復させられる。ポンプを駆動させ、セル作動速度、従って、リアクチュエータの出力速度を制御するために、電気モータを用い得る。システムの圧力は可変容積ポンプ(variable displacement pump)の排除量によって制御される。アクチュエータ出力の速度は、電気(又は他の)モータ入力によって制御される。熱交換器186を含む冷却回路184がセル190及び液圧供給線192と流体連絡し得る。各ピストン被駆動回路のために別個の冷却回路が必要とされる。逆止弁188によって或いは循環ポンプ198によって熱交換器186を通じて流体を循環させ得る。アクチュエータ構造が十分な熱交換をもたらすならば、冷却回路は不要である。
【0104】
図28は、リアクチュエータの電気機械的作動の簡略化された概略的な断面図である。
図28に示される実施態様では、中央部材210、非限定的に40デュロメータのウレタンのような少量の低デュロメータの圧縮不能な可撓な材料を変位させるために、電磁石216が用いられる。小さいピストン及び大きい電磁石を用いることによって、発達させられる圧力は極めて高くあり得る。作動リング206と出力リング202の外径面との間の極めて小さい間隙218(或いは100%接触実施態様における極めて薄い圧縮可能な及び/又は変形可能な部材)を用いるならば、小さい作動部材撓みの結果、ウレタンの極めて少量の排除は極めて高い牽引力をもたらし得る。作動リング206を基準リング212に機械的に接続し得る。
【0105】
磁石は、セル圧力も最大であることが必要であるときに、磁力が最大であるように構成されるのが好ましい。これは、電磁コイル及び磁石又はインダクタンス部材の最弱位置及び最強位置の平均である出力トルクを有する電気モータと比べて、出力密度に関するこのシステムの特別な利点である。
【0106】
(非限定的に90デュロメータのウレタンのような)より高いデュロメータのシール部材208材料は、側方シール204及びピストンリングシール部材208を越えるより低いデュロメータのウレタン材料の押出しを防止する液圧作動実施態様と同様に、バックアップリングとして作用する。
【0107】
液圧システムに対するこの作動方法の他の利点は、液圧流体の排除(elimination)、液圧ポンプ及び液圧線の排除である。磁石の極めて高い周波数の動作が可能であるはずである。ピストン駆動装置214内で永久磁石を用いることによって或いは電流を誘導させることによって、ピストンの退衝(backstroke)に対する跳返りエネルギ(rebound energy)の一部を取り戻すことさえも可能であり得る。
【0108】
図29は、部分的に分解されたリアクチュエータの電気機械作動の簡略化された概略的な断面図を示しており、低デュロメータのウレタン中央部材210を示し且つピストン変位がより大量のウレタンにどのように移転されるかを示している(より大量のウレタンは数ピースの異なるデュロメータ又は全てワンピースであり得るが、これはそれをどのように構成し得るかの好適な実施例である)。側壁部材204内で漸進的にフレアする(外に向かって開く)管の目的は、如何なる1つの地点でもウレタンの弾性限界を超えることなく、小さい直径のピストンの運動をより大量の低デュロメータのウレタンにに移転することである。それは(3つの地点での)小さい表面積に亘る比較的高速のウレタン排除量を(フレア区画の大きい端部での)より一層大きい断面積に亘るより一層低速のウレタン排除量に伝導する方法である。自己潤滑材料の使用を含むウレタンとフレア区画との間の何らかの種類の潤滑剤が好ましい。
【0109】
図30を参照すると、ポリマ又は弾性材料のような電気活性材料を活性化するためのエネルギ源が電気回路図において示されている。左側で、要素220はワイヤ対222によって継電器又は電力制御回路224に結合される(
図1の実施態様において示されるような)電極又は(
図29において示されるような)コイルを備えるリアクチュエータセルである。各継電器224及びワイヤ対222は均等に離間する電極又はコイルの配列を励磁する。プログラムされたCPU又は結線回路で構成される単純なタイミングユニット226が電源228から各継電器224へのタイミング電力を制御して、配列を順次的に励磁する。
【0110】
図31−34は、剛性の内側基準リング242と、剛性の外側出力部材232と、中心から異なる径方向距離に電極238の1つ又はそれよりも多くの配列を備える電気反応性作動リング234とを備える、回転式アクチュエータの簡略化された概略図を示しており、暗い電極は励磁された電極を示している。
図31−34に示される実施態様において、出力部材は波伝搬と同じ方向において回転する。
【0111】
作動順序:
図31は段階1(フェーズ1)を示しており、そこでは、暗い電極によって示されるように、2つ又はそれよりも多くの好ましくは均等に配列されたゾーンが励磁される(3つのゾーンが一例として
図31において示されているが、より少ない又はより多いゾーンを用い得る)。異なる種類の電気反応性材料は、電圧が印可される方向に沿って収縮し或いは膨張し得る。この実施例のために、電圧は電気反応性リング234の1つの軸方向側にある電極から反対の軸方向側(図示せず)にある同じ電極に印可される。
図31では、連続的な作動リングが径方向に外向きに膨張して外側レース232との接触を創り出すよう連続的な作動リングを軸方向に収縮させるために、各ゾーンにおける外側の配列の電極のうちの1つ又はそれよりも多くが励磁240される。
【0112】
図32は段階2(フェーズ2)を示しており、そこでは、内側配列の電極230の1つ又はそれよりも多くを外側の励磁される電極240に励磁することは、張力を波運動の方向において外側の励磁される電極240から内向きに増大させることによって、アクチュエータリング材料234を左に収縮させる。アクチュエータリング234と外側リング232との間の接触パッチは反時計回りに進行し、この実施例では、相対的な運動を基準レース242から外側レース232に伝導する。
【0113】
図33は段階3(フェーズ3)を示しており、そこでは、電極238は波の前縁で進行的に励磁され、外側レース232に対する接触圧力を達成するよう径方向の膨張を生成するパターンにおいて波の後縁に沿って消磁される。
【0114】
図34に示されるように、材料の特性に依存して、反時計回りの進行する波で波の前方に内側配列230で追加的な電極を励磁することによって、円周方向の張力を発現させ得る。
【0115】
多くの他の組み合わせの電極励磁が可能であり、本発明者によって着想されている。電圧の方向において膨張する或いは励磁の極性に応じて膨張又は収縮する材料を励磁し得る。以下を達成する様々なパターンをこの装置の原理に。
【0116】
接触圧力がこれらのゾーン内の外側レースに対して達成され或いは増大させられるよう、作動リングと出力レースとの間の径方向力が2つ又はそれよりも多くのゾーンを励磁することに起因する。
【0117】
作動リングの内部応力は円周方向において増大させられ且つ/或いは減少させられて、アクチュエータの周りの波の山の進行を引き起こす。
【0118】
図35−36は、剛性の内側基準リング262と、剛性の外側出力部材252と、中心から異なる径方向距離に2つ又はそれよりも多くの配列の電極238を備える電気反応性の作動リング254とを備える、回転式アクチュエータの簡略化された概略図を示している。
図35−36に示される実施態様において、出力部材252は波伝搬の反対方向において回転する。
【0119】
図35を参照すると、電気反応性材料は固有の弾性を有する。材料が径方向に(或いは基準部材と出力部材との間の間隙を閉じるどんな方向においても)膨張するよう2つ又はそれよりも多くのゾーンを励磁することによって、隣接する電極の順次的な励磁によるこれらの波の進行は、波伝搬の反対方向における出力部材の相対的な移動を引き起こす。励磁されない領域は弾性的に変形し、励磁されるゾーン内の材料254の膨張を可能にする。径方向の矢印Aは励磁される材料の膨張を示している。円周方向の矢印Bは励磁されない材料の弾性変形を示している。
【0120】
図36A及び36Bは、波が反時計回りに進行するときの時計回りの出力252の誇張された動作と共に、波の進行の例を示している。
【0121】
図37は、剛性の内側基準リング282と、剛性の回転出力を備える剛性の外側出力部材272と、中心から異なる径方向距離に2つ又はそれよりも多くの配列の電極278を備える電気反応性作動リング274とを備える、回転式アクチュエータの簡略化された概略図を示している。多くの用途において、低い回転弾性を備える剛性の回転出力を達成することが望ましい。これらの用途では、トルク移転の方向において円周方向として電気反応性材料を励磁することによって、高い剛性を達成し得る。このようにして、電気反応性ポリマのような比較的弾性的な電気活性材料が、出力部材に或いは出力部材を通じて適用されるトルクと比例する材料に対する円周方向張力を提供することによって、回転的に剛性の材料をシミュレートし得る。
【0122】
異なる方向において電気反応性材料274の収縮又は膨張を引き起こすために電荷の極性をどのように用い得るかの一例として、正電荷及び負電荷が
図37に示されている。この非限定的な実施例において、アクチュエータリングの見える側にある正荷電される電極284は、アクチュエータリングの反対の(見えない)軸方向側にある負荷電される電極と共に、径方向における材料の対応する膨張を伴って電気反応性リング284の収縮を軸方向に引き起こし、これらのゾーン内の出力リング280に対する接触圧力を増大させる。
【0123】
同時に、(矢印Cによって示される)出力部材に対するトルクの影響を相殺するために、適用されるトルクの反対方向において波の山に隣接する負荷電される電極286が励磁され、電気反応性材料274を円周方向に収縮させてトルク荷重の方向における出力接触の剛性(stiffness)を増大させる。
【0124】
図27に示される概略図は、原理を例示することを意図する。電極278の数はより少なくてもより多くてもよく、電極278を表面上のどこに配置してもよいし作動部材リング274内に埋設してもよい。リングは好ましくは1つの連続的なピースであるが、別個の区画、層、又はリングであり得る。図示されるような連続的なリングは、収縮力が1つ又はそれよりも多くの電極とアクチュエータ軸と軸方向に平行な同じ側又は反対の側にある他の1つ又はそれよりも多くの電極との間に向けられることを可能にし、或いは、軸に対して垂直な平面に沿う或いは実際にアクチュエータリングの1つの側から他の側に向かって通じる角度であるが、アクチュエータ軸と平行でない角度を有することを可能にする。同じ原理をここに示される直線アクチュエータのような非円形アクチュエータに適用し得る。
【0125】
図38及び39は、対向するテーパ付き外側レース302を備える点を除き
図23に示される実施態様に従って作製された、液圧的又は空圧的に作動させられるバージョンのリアクチュエータを示している。シール部材308の外側表面は、外側レース302の対向するテーパ付き表面に従うV形状である。作動部材176は外側レース302の対向するテーパ付き表面及びシール部材308の外側表面に適合する。固定スタンド300が基準部材312内に圧力嵌めされ、出力アーム304は出力リングと一体形(ワンピース)として製造される。
【0126】
直線アクチュエータ320が
図30、41及び42に示されている。ハウジング322が通路を形成し、例えば、ハウジング322の対向側に結合させることによって、第1の直線アクチュエータ部材324と第2の直線アクチュエータ部材326とを固定する。それぞれの牽引部材328が直線アクチュエータ部材324,326に結合させられる。直線アクチュエータ部材324,326を電極330によって励磁される電気活性材料で或いはこの特許文書中に開示される他の励磁方法を用いて他の材料で作製し得る。直線出力部材332はハウジング322上に位置し得る。アクチュエータ部材324,326及びそれらの牽引表面328によって直線出力部材332を閉じ込め得る。ハウジング322内の直線出力部材332のために潤滑又は軸受を設け得る。ハウジング322は
図40に示されるようなアクチュエータ部材324,326を包み得る。
図43に示されるように、直線アクチュエータ340が二列の電極330A及び330Bを有し得る。
【0127】
図44は、直線アクチュエータ350の実施態様を示しており、そこでは、アクチュエータ部材352は、例えば、電極354A(励磁されている)及び電極354B(消磁されている)によって順次的に励磁され、アクチュエータ部材352の材料を収縮させ、牽引表面356を出力部材358の接触表面360から離れる方向に引っ張る。
【0128】
請求項において、「含む」という用語はその内包的な意味において用いられており、存在している他の要素を排除しない。請求項の機能の前の不定冠詞は、存在している機能の1つよりも多くを排除しない。ここに記載する個々の機能の各1つを1つ又はそれよりも多くの実施態様に用い得る。ここに記載する個々の機能の各1つは、ここに記載されていることのみによって、請求項によって定められるように全ての実施態様にとって本質的であると解釈されてはならない。