【実施例1】
【0021】
図1〜
図3は、本発明の実施例1を示す。
【0022】
最初に、部品について説明する。
【0023】
振動式ボウルを有するパーツフィーダから送出される部品としては、ボルト、ナット、ワッシャ、軸など種々なものがある。ここでは、
図2に示したナットや、
図3に示したボルト、すなわち頭部付きの軸状部品が供給の対象とされている。
【0024】
つぎに、プロジェクションナットについて説明する。
【0025】
図2に示された部品は、電気抵抗溶接がなされるプロジェクションナット4である。四角い本体の中央にねじ孔が開けられ、片側の四隅に溶着用突起5が設けてある。なお、以下の説明において、プロジェクションナットを単にナットと表現する場合もある。
【0026】
つぎに、パーツフィーダについて説明する。
【0027】
パーツフィーダは、符号100で示されている。円形の振動式ボウル1の外壁板2の内側に螺旋形の部品搬送板3が設けられている。部品搬送板3には、ナット4を外壁板2の内面に寄せ付けるために、外壁板2側が低くなった傾斜が付与してあり、それは
図1(B)に傾斜角θ1で示してある。
【0028】
螺旋形の部品搬送板3は、反時計方向の搬送方向に向かって高さが次第に高くなっているので、
図1(B)に示すように、外壁板2と部品搬送板3は階段状の屈曲形状とされ、B−B断面では部品搬送板3は2段型になっている。符号6は、振動式ボウル1の底板を示している。また、
図1(A)のB−B断面が同図の(B)図である。
図2においても同様である。
【0029】
部品搬送板3上を移送されてくる部品は、横向き、縦向き、反転状態など、種々な向きになっている。これらの部品姿勢を所定の向きに揃えるために、姿勢制御部が配置してあり、それは符号13で示してある。つまり、
図2(B)に示すように、姿勢制御部13においてナット4の溶着用突起5を上向きに揃えて送出する。また、頭部付きのボルトであれば、ボルトを首吊り状態にして送出する。
【0030】
上記のような振動式ボウル1に、円周方向と上下方向の合成振動が付与されて、ナット4が部品搬送板3上を反時計方向に移送されるようになっている。振動を付与するために、ボウルの下側に加振ユニット(図示していない)が設置してある。
【0031】
つぎに、送出通路構造部について説明する。
【0032】
部品搬送板3に連続した状態でナット4を振動式ボウル1外へ送出する送出通路構造部7が形成されている。送出通路構造部7は、部品形状に応じて種々なものが採用されるが、少なくともナット4を所定の姿勢で送出する通路部材8と、この通路部材8から流下した油液を捕集する受け溝部材9と、この受け溝部材9に設けられた油液の流出孔10が設けられている。
【0033】
通路部材8は、部品がプロジェクションナット4であるために、上方に開放したコ字型断面の細長い部材とされている。通路部材8の底板11には、片側が低くなった傾斜が付与され、それは
図2(B)に傾斜角θ2で示されている。底板11の低くなった側に、排油通路12が設けてある。排油通路12は、円形の孔、ボルト軸部の細長い通過空間など種々な形状で実施されるもので、通路部材8内の油液を下方へ流下させる役割を果たしている。ここでは、底板11の端部に開けた円形の孔12である。排油通路12を通過した油液は受け溝部材9で捕集されるようになっている。
【0034】
実施例1においては、部品搬送板3の表面が、通路部材8の底板11の表面に滑らかに連続している。
【0035】
受け溝部材9は、上方に開放したコ字型断面になっているが、これを円弧型断面やV字型断面にしてもよい。そして、
図2(A)に示すように、受け溝部材9の端部に端板15が溶接されており、油液がこぼれないようになっている。
【0036】
排油通路12から流出または滴下した油液を下側から受け溝部材9で受止めるように、受け溝部材9の位置を排油通路12の真下に設定してもよいが、ここではガイド板14が設けられている。
図2(B)に示すように、通路部材8の下側の端部に平たいガイド板14が溶接され、ガイド板14の下部に受け溝部材9が形成されている。ガイド板14は傾斜した鋼板で構成され、排油通路12から出た油液がガイド板14の表面を伝いながら流下して受け溝部材9に流入するようになっている。
【0037】
ここでは、ガイド板14の下側を溝型に屈曲して受け溝部材9が形成されているが、受け溝部材9だけを別に作っておき、それをガイド板14の下縁に沿って溶接してもよい。
【0038】
このようなガイド板14を用いることにより、排油通路12から流下した油液はガイド板14の表面を伝うようにして流下し、油液を確実に受け溝部材9へ導くことができ、受け溝部材9の外側に滴下したり、流出したりすることが防止できる。したがって、ガイド板14を採用した場合には、このガイド板14も送出通路構造部7の一部を構成する部材となっている。
【0039】
図2(A)に示すように、受け溝部材9は一端側が低くなるように傾斜させてあり、その最も低い箇所に流出孔10が設けてある。この流出孔10に連通した状態で排出管16が溶接してある。この排出管16に合成樹脂製のホース17が接続され、貯留容器18に油液を導くようになっている。
【0040】
つぎに、送出通路構造部の変型例について説明する。
【0041】
図3(A)に示した送出通路構造部7の変型例は、部品が頭部20と軸部21から構成されたボルト22である。コ字型断面の通路部材8の底板11に軸部21が挿入される細長い通過空間23が形成されている。ボルト22は、頭部20が通路部材8内にあり、軸部21が下方へ突き出た、いわゆる吊り下げ状態(首吊り状態)になって送出されてゆく。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて
図2に示したものと同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
【0042】
通路部材8内の油液は、通過空間23から滴下したり流下したりして、
図2の場合と同様にして受け溝部材9に捕集される。また、油液の一部は軸部21の表面を伝いながら流下する。前述の排油通路12は円形の孔であるが、この事例では通過空間23によって形成されている。なお、この事例では、底板11は水平に配置してある。
【0043】
図3(B)に示した送出通路構造部7の変型例は、軸部21が長尺とされたボルト22の場合であり、軸部21がガイド板14の傾斜面に沿ってガイド板14に接触しながら送出されるようになっている。そのために、通路部材8は傾斜した形状とされ、上記変型例と同様な通過空間23が排油通路12の機能を果たしている。ここでは、ボルト22が傾いた姿勢であるから、通路部材8の左側は開放状態になっている。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて
図2や
図3(A)に示したものと同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
【0044】
また、ボルト22の場合には、軸部21に付着している防錆油などは、直接受け溝部材9に滴下するか、またはガイド板14の表面を伝いながら流下する。
【0045】
つぎに、油液の流出挙動を説明する。
【0046】
ナット4やボルト22の表面に塗布されている防錆油や潤滑油などが部品表面から流下し、液状になって通路部材8の底部に溜まってくる。この油液は、円形の孔や軸部の通過空間などで形成された排油通路12を通過し、ガイド部材14の表面を伝いながら流下する。これによって、油液は受け溝部材9で受け止められ、流出孔10から貯留容器18などの所定の容器へ導かれ、近辺にこぼれたりすることがない。
【0047】
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
【0048】
送出通路構造部7には、少なくとも部品4、22を所定の姿勢で送出する通路部材8と、この通路部材8から流下した油液を捕集する受け溝部材9と、この受け溝部材9に設けられた油液の流出孔10が設けられている。通路部材8においては、部品が溶着用突起5を備えたプロジェクションナット4である場合には、溶着用突起5を所定の上下方向に揃えて表だしや裏だしの形態で送出する。また、部品が頭部を備えたボルト22である場合には、頭部を係止した吊り下げ状態で送出する。
【0049】
上記部品4、22に塗布されている防錆油などの油膜は、徐々に部品表面から流下して、通路部材8の底部や隅の部分に液状になって溜まろうとする。このように通路部材8に停滞した油液は、通路部材8から流下して受け溝部材9に捕集される。また、軸部21に付着している油が滴下する場合には、受け溝部材9へ直接垂れ落ちるか、ガイド板14の表面を伝い落ちる。その後、油液は受け溝部材9に設けた流出孔10から排出され、所定の貯留容器18に溜められる。したがって、送出通路構造部7においては、部品4、22を所定の姿勢で送出する通路部材8、すなわち部品送出機能と、通路部材8から流下した油液を受け溝部材9で捕集する捕集機能と、受け溝部材9の流出孔10から油液を排出する排出機能が果たされる。
【0050】
上記のように、振動式ボウル1から送出された部品4、22に塗布されている油膜は、液状になって受け溝部材9に集約され、その流出孔10から排出される。このため、油液は送出通路構造部7からパーツフィーダ近傍の台板や関連機器に降りかかるようなことがなく、近辺の油汚れを確実に防止できる。受け溝部材9を傾斜させたりすることにより、油液を1箇所に集めそこから流出孔10を経て貯留容器18などへ貯留することができる。したがって、油液は所定の箇所へのみ集約され、工場の清掃管理などの点で効果的である。
【0051】
さらに、部品4、22の油膜が液状になって部品搬送板3上に停滞しても、振動式ボウル1の送出振動により、油液は部品搬送板3から部品搬送板3に連続した送出通路構造部7の通路部材8へ移送される。前述のように、部品搬送板3は外壁板2側が低くなっているので、油液は外壁板2側へ片寄った状態で移送される。振動式ボウル1内で液状化した油液は、送出通路構造部7において集約的に捕集される。つまり、部品移行の最終的な位置である送出通路構造部7において捕集されるので、振動式ボウル1内における流動性のある油液は、全て送出通路構造部7で捕集され、有害な箇所への漏出が防止できる。換言すると、部品4、22に塗布された防錆油などは必要最小限の油膜だけが形成された状態で送出通路構造部7から送出されるので、送出通路構造部7外における油液の滴下などが回避できる。
【0052】
通路部材8の下側に傾斜姿勢のガイド板14が配置され、排油通路12から流下した油液はガイド板14の傾斜面に沿って流下する。したがって、油液がぽたぽたとガイド板14上に滴下して周辺に油滴が跳ねたりしないので、周囲の油汚れを回避することができる。
【0053】
受け溝部材9を傾斜させて配置し、その最も低い箇所から油液が流出するようにしているので、流出孔10を1箇所に形成するだけで全ての油液を排出することができ、それに接続される排出管16も1本ですみ、構造簡素化にとって有効である。
【実施例2】
【0054】
図4は、本発明の実施例2を示す。
【0055】
実施例1では、対象部品がプロジェクションナットやボルトであったり、送出通路構造部7、すなわち通路部材8が真っ直ぐに伸びていたりするが、この実施例2は、対象部品が軸部と頭部を有する軸状部品であり、また、送出通路構造部7全体が円形のボウルに沿った円弧状などとされている。そして、ガイド板14に部品の支持機能を付与するとともに、通過空間23の形成の仕方が実施例1とは異なったものとされている。
【0056】
最初に、部品について説明する。
【0057】
送出される部品は、軸部と頭部を有する軸状部品である。具体的には、ボルト22であり、頭部20と雄ねじが切られた軸部21から構成されている。そして、実施例2における軸状部品は、その軸部の長さが長い場合に適している。例えば、頭部20の直径が18mmであるのに対して、軸部21の直径と長さがそれぞれ13mmと150mmのような寸法の場合である。
【0058】
つぎに、送出通路構造部について説明する。
【0059】
部品搬送板3の円弧状の外周側端部に、ガイド板14が溶接してあり、こうすることにより部品搬送板3がガイド板14に連続した位置関係となっている。ガイド板14は、軸部21の長さよりも大きな幅寸法とされた細長い鋼製板材を用いて構成され、この板材を円錐型に湾曲するとともに、部品の搬送方向側が次第に起立した姿勢となるように成形してある。つまり、ガイド板14は、最初は水平に近くて傾斜角度が大きくなっていて部品搬送板3と角張ることなく滑らかに連続しているが、部品の移動方向に向って徐々に鉛直方向に近づくように傾斜角度が小さくなっている。
【0060】
軸状部品22は、ボウルの振動により、
図4(A)に2点鎖線で示すように、部品搬送板3の長手方向に沿って寝かされた姿勢で移送され、ガイド板14に差しかかるところで吊り下げ姿勢に変換される。この変換される箇所が実施例1と同様な姿勢制御部13とされている。
【0061】
上記のような吊り下げ姿勢とするために、円弧型の湾曲形状とした通路部材8と、部品搬送板3に連続しているガイド板14の間に、通過空間23が形成されている。通過空間23の空間幅は、符号Cで示されており、軸部21の通過は可能であるが、頭部20は係止されるようになっている。通路部材8の断面形状は色々なものが採用できるが、ここではL字型断面とされ、実施例1における底板11に相当する円弧型部材に係止機能が付与してある。なお、この円弧型部材にも、符号11が付してある。
【0062】
つまり、上記円弧型部材11の端縁部とガイド板14との間の空間が通過空間23であり、そこに軸部21が通過している軸状部品22は、その頭部20の下面が円弧型部材11の端縁部11aで受け止められ、頭部20の横側面がガイド板14の表面で受け止められている。換言すると、頭部20の下面が端縁部11aでひっかけられ、頭部20の横側面がガイド板14の表面で支持されている状態である。なお、
図4(A)のB−B断面が同図の(B)図であり、C−C断面が同図の(C)図であり、以下、(F)図まで同様な要領で図示されている。
【0063】
通過空間23を確保するために、通路部材8の端縁部11aとガイド板14との相対位置を正確に維持している。細長い棒材で構成した支持部材25の下端部を屈曲させ、支持部材25の一端が円弧型部材11の下面に溶接され、他端がガイド板14に溶接してある。支持部材25は、軸部21を通過させるために、軸部21の下端よりも下側の箇所のガイド板14に溶接してあり、通過スペースを確保するために、上記のように屈曲させてL字型に成形してある。
【0064】
ガイド板14の傾斜角度が小さくなって軸部21が鉛直方向に近くなると、前述の通過空間23からガイドレール構造で吊り下げられるように変化する。それは、
図4(A)や(F)に示されている。一対の平行なレール部材26、27の上面が滑動面とされ、そこを頭部20の下面が滑動し、軸部21は両レール部材26、27の間の通過空間23を通過する。ここの通過幅は、
図4(E)に示す空間幅Cとほぼ同じである。
【0065】
一方のレール部材26は、部品搬送板3の延長上に配置してある。そのために、
図4(F)に示すように、部品搬送板3の端部に溶接してある。また、他方のレール部材27は、前記端縁部11aに溶接してある。なお、両レール部材26、27を確実に一体化するために、
図4(F)に示すように、U字型の棒材28で両レール部材の結合と、軸部21の通過空間が付与してある。
【0066】
つぎに、受け溝部材について説明する。
【0067】
受け溝部材9は実施例1で説明したように、流出孔10の箇所が低くなっている。実施例2では、一定幅の細長い板材を円錐型に成形し、搬送方向側が鉛直方向の起立姿勢に近づくような変形が施されている。つまり、円錐型の片側がさらにねじられた形状となっている。したがって、ガイド板14の下縁は搬送方向側が低くなった傾斜した状態になっている。
【0068】
このようなガイド板14の下縁に、受け溝部材9が溶接されている。ここでの受け溝部材9は、断面形状が円弧型の樋状とされている。他に、コ字型断面やV字型断面などにすることも可能である。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の実施例1と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
【0069】
つぎに、軸状部品の搬送状態を説明する。
【0070】
ボウルの振動で、軸状部品22が部品搬送板3上を寝た姿勢で反時計方向に移送されてくると、軸部21の先端は、通過空間23に入り込み、自重でその先端部がガイド板14の低い方へ移動し、頭部20が通過空間23に係止され、ガイド板14を横切った姿勢となる。ボウルの振動で移送されてゆくと、軸部21の傾斜角度が次第に小さくなり、鉛直方向に近づいて行く。更にボウルの振動で搬送されると、
図4(F)に示すように、軸状部品22は完全な吊り下げ状態になり、つぎの目的箇所へ移送される。
【0071】
上記の搬送時に、頭部20や軸部21に付着している防錆油などがガイド板14上に垂れ落ちて受け溝部材9の方へ流下し、その後、流出孔10から排出される。
【0072】
なお、図示していないが、部品搬送板3上を頭部20が先になって移送されてきた場合には、そのまま頭部20が通過空間23を通り抜けることなく進行し、軸部21の先端部が部品搬送板3から通過空間23へ移行すると、軸部21の先端部が通過空間23を通過し、軸状部品22全体が頭部20を中心にして反時計方向に揺動し、吊り下げ状態になる。
【0073】
以上に説明した実施例2の作用効果は、つぎのとおりである。
【0074】
ボウルの振動で部品搬送板3を移送されてきたボルト22は、部品搬送板3に連続している通過空間23にさしかかると、すなわち、ボルト22が送出通路構造部7にさしかかり始めた段階において、軸部21は通過空間23を通過するとともに、軸部21の自重で軸部先端は低い方へ下がってゆく。一方、頭部20は通過空間23を通過することができず、吊り下げ状態(首吊り状態)となる。このように通過空間23にさしかかった初期の段階では、ガイド板14の傾斜角度が大きくて軸部21は水平方向に近い大きな傾斜角度となっている。このときにボルト22に付着している油液がガイド板14上に垂れ落ちると、油液はガイド板14上を流下して受け溝部材9に流入し、さらに流出孔10から所定の箇所へ排出される。
【0075】
さらに、ボウルの振動で吊り下げ状態の軸状部品22が移送されると、軸部21は鉛直方向に近づいた傾斜角度に徐々に変化してゆく。この段階でも油液の排出は、前述の排出と同様になされている。
【0076】
さらに、ボウルの振動で吊り下げ状態の軸状部品22が移送されると、軸部21はほぼ鉛直方向の吊り下げ姿勢となり、この姿勢のまま送出されてゆく。この段階でも油液の排出は、前述の排出と同様になされている。つまり、送出通路構造部7から軸状部品22が離れるときまで油液の捕集と排出がなされている。
【0077】
したがって、通路部材8と部品搬送板3に連続しているガイド板14の間に、軸部21の通過を許容するとともに、頭部20を係止する通過空間23が部品搬送板3に連続した状態で形成されているため、部品搬送板3を移動してきた軸状部品22の軸部21が滑らかに通過空間23の間に進入し、確実に吊り下げ姿勢となり、軸状部品移送が正しい姿勢で遂行される。
【0078】
軸状部品22の搬送姿勢を鉛直方向に変化させることと同時に、油液の捕集と排出が確実に遂行される。吊り下げ状態の軸状部品22の軸部21が、徐々に傾斜角度が変化するガイド板14でガイドされるので、軸状部品22の姿勢変換と油液の処理が同時に達成され、機能性に優れたパーツフィーダがえらえる。受け溝部材9がガイド板14の下縁に設けられているので、油液を確実に捕捉して近辺の油汚れが完全に防止できる。
【0079】
軸状部品22の搬送移動が進行するのにしたがって、ガイド板14や軸部21の向きが鉛直方向に近づいて行くので、軸部21やガイド板14の表面に付着している油液の流下がより一層積極的になされ、より多くの油液が受け溝部材9に捕捉される。
【0080】
軸状部品22が通過空間23にさしかかった初期の段階では、ガイド板14の傾斜角度が大きくて軸部21は水平方向に近い大きな傾斜角度となっているので、軸状部品22が部品搬送板3からガイド板14へ滑らかに移行できる。軸状部品22は長尺であるから、急に向きを変えることが難しいのであるが、上記の初期の段階においてガイド板14の傾斜角度が大きくしてあるため、軸状部品22の変向角度が小さくなり、滑らかな変向が可能になって、信頼性の高い確実な部品挙動が確保できる。
【0081】
ガイド板14は、一定幅の板材を円錐型に成形するとともに、片側を更に捻り込むようにして傾斜角度を小さくしている。したがって、振動式ボウルの部品搬送板3上を寝た姿勢で移動してきた軸状部品22を、徐々に起立方向へ姿勢変向をおこない、ガイド板14から離れる部位、すなわち送出通路構造部7から離れる部位では、完全に吊り下げ状態にすることが可能となる。このような部品の姿勢変換は、長尺な特殊ボルトのような場合において好適である。