(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両の走行に使用される情報を表示する、第1表示パネルと、前記第1表示パネルが前記車両のダッシュボード内に格納される場合に、表示面がユーザに対向するとともに、前記第1表示パネルが前記車両のダッシュボード内に未格納である場合に、表示面がユーザに非対向になる第2表示パネルと、
前記車両の走行情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部において取得した走行情報が、車外前方の目視に集中すべき走行状態が継続される状況を示していた場合に、前記第1表示パネルを使用する第1表示形態から、第1表示形態で表示される情報の情報量よりも少ない情報量の情報を表示するために前記第2表示パネルを使用する第2表示形態への変更を実行する変更部と、
を備えることを特徴とする車両用表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施例1)
本発明を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施例1は、車両のインストルメントパネルとして情報を表示する車両用表示装置に関する。車両用表示装置は、表示面の面積が異なった2種類の表示パネルを備える。面積が大きい方の表示パネル(以下、「第1表示パネル」という)は、インストルメントパネルでの通常の情報を表示する。また、面積が小さい方の表示パネル(以下、「第2表示パネル」という)は、第1表示パネルに表示される情報の情報量よりも少ない情報量の情報を表示する。車両用表示装置は、車両の走行状況等に応じて、第1表示パネルと第2表示パネルとのうちの一方を運転者に対向させて、それに情報を表示する。
【0011】
図1は、本発明の実施例1に係る車両用表示装置100が搭載される車室内を後方から見た外観図である。
図1に示すように、x軸、y軸、z軸からなる直角座標系が規定される。x軸は、車両の長さ方向に延び、y軸は、車両の幅方向に延び、z軸は、車両の高さ方向に延びる。また、x軸、y軸、z軸のそれぞれの正の方向は、
図1における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。ここで、x軸の正方向が
図1のステアリングホイール206から運転席に向かう方向であり、「正面側」ということもあり、x軸の負方向が
図1のステアリングホイール206からウインドシールド202に向かう方向であり、「背面側」ということもある。また、z軸の正方向を「上面側」といい、z軸の負方向を「下面側」ということもある。
【0012】
本実施形態の説明は車両の右側にステアリングホイール206が配置される車両の例として説明するため、車室内の前方において、y軸の正方向側にステアリングホイール206が配置される。そのため、図示しない運転席もy軸の正方向側に配置され、助手席はy軸の負方向側に配置される。なお、ステアリングホイール206および運転席がy軸の負方向側に配置されてもよい。また、ステアリングホイール206のx軸の負方向側には車両用表示装置100が配置され、車両用表示装置100は、ダッシュボード204に取り付けられている。車両用表示装置100は、インストルメントパネルの機能を有する。
【0013】
ダッシュボード204のx軸の負方向側には、ウインドシールド202が配置され、ウインドシールド202のz軸の正方向側には、リアビューミラー200が配置される。さらに、ステアリングホイール206のy軸の負方向側、例えばセンタコンソール208には、ナビゲーション画面210が設置される。ナビゲーション画面210は、車載用のナビゲーション端末装置の画面であり、カーナビゲーションシステムの画像等が表示される。
【0014】
図2は、車両用表示装置100が搭載される車室内を後方から見た別の外観図である。
図2は、
図1と同様に構成されるが、車両用表示装置100の形状が
図1と異なる。
図1と
図2における車両用表示装置100の形状については、後述するが、車両用表示装置100は、
図1と
図2のように、車室内を後方から見た場合の形状を変更させる。
【0015】
図3は、車両用表示装置100の構成を示す。車両用表示装置100は、変更部10、第1表示パネル16、第2表示パネル18、GPS受信部30、ナビゲーションデータ32、車両情報34、情報取得部36、判定部38を含む。変更部10は、駆動制御部24、駆動部26、表示制御部28を含み、情報取得部36は、車両情報取得制御部40、ナビ情報取得制御部42、現在位置取得制御部44を含む。また、制御部14は、駆動制御部24、表示制御部28、情報取得部36、判定部38を含む。
【0016】
第1表示パネル16は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示素子を用いて構成され、例えば、TFT(Thin Film Transistor)液晶によって構成される。第1表示パネル16は、インストルメントパネルの機能を有し、車両の走行に使用される情報を表示する。以下では、インストルメントパネルを表示させるために第1表示パネル16を使用する形態を「第1表示形態」という。
図4は、車両用表示装置100による第1表示形態を示す正面図である。これは、
図1における車両用表示装置100の近傍を拡大した図に相当する。運転席に着席しているユーザが目視可能なように、第1表示パネル16が配置される。また、第1表示パネル16の周囲は、枠部300に固定されている。
【0017】
図5は、第1表示パネル16に表示される画面の例を示す。第1表示パネル16の中央部分に、円形の回転数表示部406が配置され、回転数表示部406の円形の中心部分に、速度表示部408が配置される。また、回転数表示部406の左側に、油温表示部400、燃料表示部402、水温表示部404が配置される。さらに、回転数表示部406の右側に、シフトポジション表示部410、その他情報表示部412が配置される。その他情報表示部412には、例えば、時計、温度計が示される。各表示に表示される内容は公知の技術であるので、ここでは説明を省略する。
図3に戻る。
【0018】
表示制御部28は、第1表示パネル16に表示すべき内容、つまり油温表示部400からその他情報表示部412が示された画像(以下、「第1表示形態用画像」という)を生成し、生成した第1表示形態用画像を第1表示パネル16に表示させる。第1表示形態用画像は、通常走行時において、第1表示パネル16が露出されている場合に表示される。表示制御部28において生成される第1表示形態用画像には、走行距離、ターン・バイ・ターン、ナビゲーションシステムでの地図、ビデオ・カメラの映像(各方位カメラ、カメラの合成映像、赤外線カメラ)が含まれてもよい。
【0019】
第2表示パネル18は、第1表示パネル16と同様に、LCDなどの表示素子を用いて構成され、例えば、TFT液晶によって構成されるとともに、インストルメントパネルの機能を有し、車両の走行に使用される情報を表示する。ここで、第2表示パネル18は、第1表示パネル16が車両のダッシュボード204内に格納される場合に、表示面がユーザに対向する。一方、第2表示パネル18は、第1表示パネル16が車両のダッシュボード204内に未格納である場合に、表示面がユーザに非対向になる。つまり、第2表示パネル18と第1表示パネル16とは、互いに異なった向きで配置され、それらのうちのいずれか一方だけが、ユーザに対向する。
【0020】
以下では、インストルメントパネルを表示させるために第2表示パネル18を使用する形態を「第2表示形態」という。第2表示形態は、第1表示形態よりもシンプルで目視に時間を要さない、または注視しなくとも情報の目視が可能な表示形態である。これについては後述する。
【0021】
図6は、車両用表示装置100による第2表示形態を示す正面図である。これは、
図2における車両用表示装置100の近傍を拡大した図に相当する。運転席に着席しているユーザが目視可能なように、第2表示パネル18が配置される。また、第2表示パネル18の周囲は、枠部300に固定されている。ここで、第2表示パネル18の表示面積は、第1表示パネル16の表示面積よりも小さい。
【0022】
図7は、第2表示パネル18に表示される画面の例を示す。第2表示パネル18の中央部分に、回転数表示部422が配置され、回転数表示部422の左側に、速度表示部420が配置され、回転数表示部422の右側に、シフトポジション表示部424が配置される。各表示に表示される内容は公知の技術であるので、ここでは説明を省略する。
図3に戻る。
【0023】
表示制御部28は、第2表示パネル18に表示すべき内容、つまり速度表示部420からシフトポジション表示部424が示された画像(以下、「第2表示形態用画像」という)を生成し、生成した第2表示形態用画像を第2表示パネル18に表示させる。前述のごとく、第2表示パネル18の表示面積は、第1表示パネル16の表示面積よりも小さいので、第2表示形態用画像に表示される情報の情報量は、第1表示形態用画像に表示される情報の情報量よりも少ない。第2表示形態用画像は、通常走行時以外において、第2表示パネル18が露出されている場合に表示される。表示制御部28において生成される第2表示形態用画像には、シフトチェンジインジケータが含まれてもよく、少なくとも車両の走行速度が含まれていればよい。
【0024】
情報取得部36は、車両用表示装置100が搭載された車両の走行情報を取得する。また、情報取得部36は、走行情報を判定部38に出力する。走行情報には、複数種類の情報が含まれるので、以下に具体的に説明する。GPS受信部30は、GPSからの信号を受信することによって、車両の現在位置を測位する。現在位置は、例えば、緯度と経度によって示される。現在位置の測位には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。GPS受信部30は、現在位置の情報を現在位置取得制御部44に出力する。現在位置取得制御部44は、GPS受信部30から、現在位置の情報を入力する。現在位置取得制御部44は、現在位置の情報を判定部38に出力する。
【0025】
ナビゲーションデータ32は、地図データを予め記憶する。地図データには道路情報が付随される。道路情報の一例は、自動車専用道路に関する情報であり、自動車専用道路の区間が示されている。また、道路情報の別の一例は、道路の形状に関する情報であり、コーナー、交差点の位置等が示されている。ナビ情報取得制御部42は、現在位置取得制御部44において取得した現在位置をもとに、ナビゲーションデータ32から現在位置に対応する道路情報を取得する。ナビ情報取得制御部42は、現在位置に対応する道路情報を判定部38に出力する。
【0026】
また、ナビ情報取得制御部42は、現在位置取得制御部44において取得した現在位置をもとに、ナビゲーションデータ32から道路の形状に関する情報を取得する。ナビ情報取得制御部42は、取得した道路の形状に関する情報をもとに、車両が走行している道路に含まれるコーナーの数を計算する。これは、例えば、現在位置から所定距離の間に含まれたコーナーの数を積算することによって導出される。ナビ情報取得制御部42は、計算したコーナーの数がしきい値よいも多い場合、コーナーの多い道路を走行していることを示す情報を判定部38に出力する。
【0027】
車両情報34は、車両用表示装置100が搭載された車両の動作情報を記憶する。車両の動作情報の一例は、車両がクルーズコントロール動作中であるか否かに関する情報である。ここで、車両の動作情報は、適宜更新される。車両情報34は、車両の動作情報を車両情報取得制御部40に出力する。車両情報取得制御部40は、車両情報34から、車両の動作情報を入力する。車両情報取得制御部40は、車両がクルーズコントロール動作中であるか否かに関する情報を判定部38に出力する。
【0028】
判定部38は、情報取得部36からの走行情報を入力し、走行情報をもとに、車外前方の目視に集中すべき走行状態が継続される状況であるか否かを判定する。ここでは、判定部38における判定について、3つの例を説明する。
【0029】
(1)判定部38は、走行情報をもとに、自動車専用道路を走行しているか否かを判定する。自動車専用道路は、例えば一般道路より制限速度の高い高速道路、またはサーキットなどである。判定部38は、自動車専用道路を走行していなければ、「第1状況」であると判定する。一方、判定部38は、自動車専用道路を走行していれば、「第2状況」であると判定する。第2状況は、車外前方の目視に集中すべき走行状態であるといえる。
【0030】
(2)判定部38は、走行情報をもとに、自動車専用道路を走行しているとともに、クルーズコントロール動作中であるか否かを判定する。判定部38は、自動車専用道路を走行していない、あるいはクルーズコントロール動作中でない場合に、「第1状況」であると判定する。一方、判定部38は、自動車専用道路を走行しているとともに、クルーズコントロール動作中である場合に、「第2状況」であると判定する。ここでも、第2状況は、車外前方の目視に集中すべき走行状態であるといえる。
【0031】
(3)判定部38は、走行情報をもとに、コーナーの多い道路を走行しているか否かを判定する。判定部38は、コーナーの多い道路を走行していなければ、「第1状況」であると判定する。一方、判定部38は、コーナーの多い道路を走行していれば、「第2状況」であると判定する。ここでも、第2状況は、車外前方の目視に集中すべき走行状態であるといえる。なお、コーナーの多い道路は、ナビ情報により「○○峠」の名称が付与されている道路としてもよい。コーナーの多い道路は、コーナーが連続し、且つ曲率半径が所定未満のコーナー(例えば80m未満)が連続する道路としてもよい。コーナーの多い道路は、コーナーが連続し、且つ事故件数の多い道路としてもよい
【0032】
駆動制御部24は、判定部38からの判定結果を受けつける。駆動制御部24は、判定結果に応じて、駆動部26の動作を制御する。具体的に説明すると、判定結果が「第1状況」である場合、駆動制御部24は、駆動部26を制御して、第1表示形態を実現させる。つまり、駆動制御部24は、第1表示パネル16を使用するために、第1表示パネル16をユーザに対向させ、第2表示パネル18をユーザに非対向にさせる。一方、判定結果が「第2状況」である場合、駆動制御部24は、駆動部26を制御して、第2表示形態を実現させる。つまり、駆動制御部24は、第2表示パネル18を使用するために、第2表示パネル18をユーザに対向させ、第1表示パネル16をユーザに非対向にさせる。そのため、駆動制御部24は、判定結果が「第1状況」から「第2状況」に変化した場合、第1表示形態から第2表示形態への変更を実行し、「第2状況」から「第1状況」に変化した場合、第2表示形態から第1表示形態への変更を実行する。
【0033】
駆動部26は、駆動制御部24に接続されており、駆動制御部24からの指示を受けつける。駆動部26は、受けつけた指示に応じて、第1表示形態と第2表示形態との間の変更を実行する。第1表示パネル16と第2表示パネル18の配置関係、および第1表示形態と第2表示形態との間の変更機構は任意であるが、ここでは、駆動部26の動作を説明するために、
図8(a)−(g)を使用する。
図8(a)−(g)は、車両用表示装置100による表示形態の変更の状況を示す側面図である。
図8(a)は、第1表示形態である場合の車両用表示装置100の側面図である。車両用表示装置100は、枠部300、第1軸302、第2軸304、回転駆動部306、スライド駆動部308、スライド摺動軸310、表示パネル格納部312を含む。また、枠部300には、第1表示パネル16、第2表示パネル18が取り付けられている。なお、回転駆動部306とスライド駆動部308が駆動部26に相当する。
【0034】
x軸の負方向側、つまり背面側に表示パネル格納部312が配置される。表示パネル格納部312のz軸の正方向側、つまり上面側には、スライド駆動部308が固定される。スライド駆動部308は、x軸方向に延びた棒状のスライド摺動軸310を支持する。スライド駆動部308は、図示しないモータ、モータのピニオンギアを備え、スライド摺動軸310と平行に備えられている図示しないラックギアを備える。スライド駆動部308のモータが回転することによって、ピニオンギアに回転力が加えられると、ラックギアがx軸方向に動く。そのため、スライド摺動軸310は、スライド駆動部308の駆動により、x軸方向にスライド動作する。
【0035】
スライド摺動軸310のx軸の正方向端には、第1軸302を介して、枠部300が回動可能に取り付けられる。第1軸302は、y軸方向に延びており、回転駆動部306に支持される。回転駆動部306は、図示しないモータを備え、モータとギア機構により、第1軸302を回動軸として、枠部300を回動させる。枠部300は、第1表示パネル16と第2表示パネル18とを互いに異なった面に配置する。
図8(a)では、枠部300の正面側に第1表示パネル16が配置され、枠部300の上面側に第2表示パネル18が配置される。そのため、第1表示パネル16の少なくとも一部は、第1表示形態においてユーザと車両の前方視界との間に介在し、第2表示パネル18は、第1表示形態においてユーザと車両のダッシュボード204との間に介在する。枠部300において第2表示パネル18が配置された端部とは反対側の端部に、第2軸304が設けられる。第2軸304は、表示パネル格納部312の側壁内部に第2軸304の動作軌跡に沿った溝を備えるスライド部材の溝に係合して移動する。
【0036】
図8(b)から
図8(f)では、回転駆動部306が駆動することによって、第1軸302を中心にして、枠部300が回動する。その際、スライド駆動部308は駆動せずともよく、徐々に枠部300をx軸の負方向に移動するように駆動してもよい。
図8(a)から開始された枠部300の回動が終了すると、
図8(f)の状態になる。
図8(f)では、第2表示パネル18が正面側を向き、第1表示パネル16が下側を向くように枠部300が配置される。
図8(f)から
図8(g)では、回転駆動部306が駆動せず、スライド駆動部308が駆動することによって、スライド摺動軸310がx軸の負方向に移動する。また、スライド摺動軸310の移動とともに、枠部300もx軸の負方向に移動し、表示パネル格納部312の内部に侵入する。
図8(g)は、第2表示形態である場合の車両用表示装置100の側面図である。このように、第1表示形態から第2表示形態への変更が実行される場合、
図8(a)から
図8(g)の順に車両用表示装置100が動作する。一方、第2表示形態から第1表示形態への変更が実行される場合、
図8(g)から
図8(a)の順に車両用表示装置100が動作する。
【0037】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0038】
以上の構成による車両用表示装置100の動作を説明する。
図9は、車両用表示装置100による表示形態の変更手順を示すフローチャートである。情報取得部36は、車両の走行情報を取得する(S10)。車外前方の目視に集中すべき走行状態であれば(S12のY)、変更部10は、第2表示形態へ変更する(S14)。車外前方の目視に集中すべき走行状態でなく(S12のN)、第2表示形態であれば(S16のY)、変更部10は、第1表示形態へ変更する(S18)。第2表示形態でなければ(S16のN)、ステップ18はスキップされる。
【0039】
本発明の実施例によれば、車外前方の目視に集中すべき走行状態が継続される状況である場合、第1表示形態から第2表示形態への変更を実行するので、運転状況に適した情報を表示できる。また、第1表示形態として第1表示パネルを使用し、第2表示形態として第2表示パネルを使用するので、2つの表示形態の変更を確実に実行できる。また、第2表示パネルの表示面積は、第1表示パネルの表示面積よりも小さくするので、視認性の異なった2種類の表示領域を実現できる。また、第2表示パネルは、少なくとも車両の走行速度を表示するので、表示面積が小さい場合であっても必要な不可欠な情報を提供できる。
【0040】
また、自動車専用道路を走行している場合に、第1表示形態から第2表示形態への変更を実行するので、車外前方の目視に集中すべき走行状態が継続される状況においても情報の確認を容易にさせることができる。また、自動車専用道路を走行しているとともに、クルーズコントロール動作中である場合に、第1表示形態から第2表示形態への変更を実行するので、車外前方の目視に集中すべき走行状態が継続される状況においても情報の確認を容易にさせることができる。また、コーナーの多い道路を走行している場合に、第1表示形態から第2表示形態への変更を実行するので、車外前方の目視に集中すべき走行状態が継続される状況においても情報の確認を容易にさせることができる。
【0041】
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2も、実施例1と同様に、車両のインストルメントパネルとして情報を表示する車両用表示装置に関する。実施例2においても、車両用表示装置は、車両の走行状況等に応じて、第1表示パネルと第2表示パネルとのうちの一方をユーザに対向させる。実施例1では、第1表示形態と第2表示形態とを実現するために、表示面積の異なった2つの表示パネルを備えている。一方、実施例2では、1つの表示パネルだけを備え、これの露出面積を変えることによって、第1表示形態と第2表示形態とが実現される。そのため、第2実施例において、第1表示形態は、表示面積の大きい表示の形態であり、第2表示形態は、表示面積の小さい表示の形態である。ここでは、実施例1との差異を中心に説明する。
【0042】
図10(a)−(b)は、本発明の実施例2に係る車両用表示装置100の構成を示す側面図である。
図10(a)は、第1表示形態である場合の車両用表示装置100の側面図である。車両用表示装置100は、表示パネル500、枠部502、スライド駆動部504、カバー部506を含む。枠部502には、表示パネル500が取り付けられている。表示パネル500は、これまでの第1表示パネル16、第2表示パネル18に相当するが、
図10(a)においては特に第1表示パネル16に相当する。表示パネル500は、LCD等であり、例えば、TFT液晶によって構成されるとともに、インストルメントパネルの機能を有し、車両の走行に使用される情報を表示する。
図11(a)−(b)は、表示パネル500に表示される画面を示す。
図11(a)は、第1表示形態の場合の画面であり、前述の第1表示形態用画像に相当する。これは、
図5と同様である。
図11(b)については後述し、
図10(a)に戻る。
【0043】
スライド駆動部504は、前述の駆動部26に相当する。スライド駆動部504は、ダッシュボード204の正面側に固定され、枠部502を支持する。スライド駆動部504は、図示しないモータ、モータのピニオンギアを備え、枠部502の側面は、z軸方向に延びるラックギアを備える。スライド駆動部504のモータが回転することによって、ピニオンギアに回転力が加えられると、ラックギアがz軸方向に動く。そのため、枠部502は、スライド駆動部504の駆動により、z軸方向にスライド動作する。
【0044】
ダッシュボード204の正面側であり、かつ枠部502のz軸の負方向側には、カバー部506が設けられる。カバー部506は、ダッシュボード204と一体的に構成されていてもよく、ダッシュボード204とは別に構成されていてもよい。また、カバー部506の上面側には、枠部502が侵入可能な孔部が設けられている。
【0045】
図10(b)は、第2表示形態である場合の車両用表示装置100の側面図である。
図10(a)から
図10(b)では、スライド駆動部504が駆動することによって、枠部502がz軸の負方向に移動する。この移動により、枠部502のz軸の負方向側の一部がカバー部506の内部に侵入する。
図10(b)では、表示パネル500のうち、z軸の正方向側の部分であって、かつ露出した部分が第1表示領域508と示される。また、z軸の負方向側の部分であって、かつカバー部506内に格納された部分が第2表示領域510と示される。ここで、第1表示領域508が、第2表示パネル18に相当する。つまり、図示しない駆動制御部24は、第1表示形態として、表示パネル500を全部露出させ、第2表示形態として、表示パネル500の一部分である第1表示領域508を露出させる。このように、第1表示領域508の表示面積は、表示パネル500の表示面積よりも小さい。
【0046】
図11(b)は、第2表示形態の場合の画面であり、前述の第2表示形態用画像に相当する。これは、
図7と同様である。前述のごとく、第2表示形態用画像に表示される情報の情報量は、第1表示形態用画像に表示される情報の情報量よりも少ない。また、表示制御部28において生成される第2表示形態用画像には、シフトチェンジインジケータが含まれてもよく、少なくとも車両の走行速度が含まれていればよい。
【0047】
本発明の実施例によれば、第1表示形態として表示パネルを露出させ、第2表示形態として表示パネルの一部分を露出させるので、第1表示形態と第2表示形態とを1つの表示パネルで実現できる。また、第1表示形態と第2表示形態とが1つの表示パネルで実現されるので、コストの増加を抑制できる。また、第1表示領域の表示面積は、表示パネルの表示面積よりも小さくするので、視認性の異なった2種類の表示領域を実現できる。また、第1表示領域は、少なくとも車両の走行速度を表示するので、表示面積が小さい場合であっても必要な不可欠な情報を提供できる。
【0048】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0049】
本発明の実施例1において、第1表示形態において、第1表示パネル16が正面側を向き、第2表示パネル18が上面側を向いているとともに、第2表示形態において、第1表示パネル16が下面側を向き、第2表示パネル18が正面側を向いている。しかしながらこれに限らず例えば、第1表示形態において、第1表示パネル16が正面側を向き、第2表示パネル18が下面側を向いているとともに、第2表示形態において第1表示パネル16が上面側を向き、第2表示パネル18が正面側を向いてもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【0050】
本発明の実施例1において、第2表示パネル18は、表示面がフラットな形状を有している。しかしながらこれに限らず例えば、第2表示パネル18は、表示面が曲面を含む形状であってもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【0051】
本発明の実施例1、2において、次の構成が追加されてもよい。
(1)車両用表示装置100の左右に照度センサを配置し、周囲の明るさに対応して画面の輝度を自動調整する。
(2)画面の輝度調整では手動で任意の明るさに調整可能とする。
(3)画面の光が車両のウインドシールド202に映り込んで運転者の視界の妨げにならないように車両用表示装置100の内部もしくは外部に視野角を制御するフィルタを配置する。これにより、画面の光のウインドシールド202への映り込みが抑制される。
【0052】
上記実施例においては、車外前方の目視に集中すべき走行状態の例をいくつか例示したが、これらに限らず、例えば、事故の多い道路、所定幅未満の狭い道路、スクールゾーンなどであってもよい。