(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記更新部は、特定データ形式の特定操作信号の追加要求があった場合には、前記取得部を用いて、前記特定操作信号を前記遠隔指示信号に変換するための特定変換プログラムを取得し、前記第2信号変換部が前記特定操作信号を前記遠隔指示信号に変換できるように、前記特定変換プログラムを用いて前記記憶部の記憶情報を更新する請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の産業車両用遠隔操作システム。
前記更新部は、前記変換プログラムとして第1データ形式の第1操作信号を前記遠隔指示信号に変換するための第1変換プログラムが前記記憶部に記憶されている状況において、変換可能な前記操作信号を前記第1操作信号から第2データ形式の第2操作信号に変更する変更要求があった場合には、前記取得部を用いて、前記第2操作信号を前記遠隔指示信号に変換するための第2変換プログラムを取得し、前記第2変換プログラムを用いて前記記憶部に記憶されている前記変換プログラムを書き換える更新を行う請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の産業車両用遠隔操作システム。
前記更新部は、前記変換プログラムとして特定データ形式の特定操作信号を前記遠隔指示信号に変換するための特定変換プログラムが前記記憶部に記憶されている状況において、変換可能な前記操作信号から前記特定操作信号を削除する削除要求があった場合には、前記特定変換プログラムを前記記憶部から削除する更新を行う請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の産業車両用遠隔操作システム。
予め定められたデータ形式の遠隔指示信号を受信する車両通信部と、前記遠隔指示信号を当該遠隔指示信号とは異なるデータ形式の制御信号に変換する第1信号変換部とを備え、前記第1信号変換部によって変換された前記制御信号に基づいて動作する産業車両の遠隔操作に用いられる通信装置であって、
操作コントローラから出力される操作信号を受け付ける受付部と、
前記操作信号を前記遠隔指示信号に変換するための変換プログラムを取得可能な取得部と、
前記変換プログラムが記憶される記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記変換プログラムを用いて、前記操作信号を前記遠隔指示信号に変換する第2信号変換部と、
前記遠隔指示信号を前記車両通信部に向けて送信する通信装置通信部と、
を備え、
前記受付部は、複数種類の前記操作コントローラから出力されるデータ形式が相違する複数種類の前記操作信号を受け付けるものであり、
前記通信装置は、前記第2信号変換部が変換可能な前記操作信号の追加、削除又は変更に対応するために、前記記憶部の記憶情報を更新する更新部を備えていることを特徴とする通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(第1実施形態)
以下、産業車両用遠隔操作システムの第1実施形態について説明する。
図1及び
図2に示すように、産業車両用遠隔操作システム10は、産業車両としてのフォークリフト20と、フォークリフト20を遠隔操作するのに用いられる通信装置30と、操作コントローラ40と、を備えている。
【0039】
図1に示すように、フォークリフト20は、車輪21と、荷物の積み上げ又は積み降ろしを行う荷役装置として上下方向に移動可能なフォーク22と、を備えている。本実施形態のフォークリフト20は、運転者が着座して操縦することが可能に構成されている。
【0040】
なお、フォークリフト20は、例えばエンジンが搭載されたエンジンタイプであってもよいし、蓄電装置及び電動モータが搭載されたEVタイプであってもよいし、燃料電池及び電動モータが搭載されたFCVタイプであってもよい。また、フォークリフト20は、例えばエンジンと蓄電装置と電動モータとを有するHVタイプでもよい。
【0041】
図2に示すように、フォークリフト20は、走行アクチュエータ23と、荷役アクチュエータ24と、これら走行アクチュエータ23及び荷役アクチュエータ24を制御する車両CPU25と、車両メモリ26と、車両状態検知部27と、を備えている。
【0042】
走行アクチュエータ23は、フォークリフト20を走行させるものである。走行アクチュエータ23は、車輪21を回転駆動させるとともに、進行方向を変更する。なお、例えばフォークリフト20がエンジンタイプであれば、走行アクチュエータ23はエンジン等であり、例えばフォークリフト20がEVタイプであれば、走行アクチュエータ23は車輪21を回転駆動させる電動モータ等である。
【0043】
荷役アクチュエータ24は、フォーク22を駆動させるものである。例えば、荷役アクチュエータ24は、荷役用モータと、当該荷役用モータの駆動力を用いてフォーク22を上下方向に移動させる機構とを含む。
【0044】
車両CPU25は、制御信号SGaが入力されるように構成されており、当該制御信号SGaが入力された場合には、車両メモリ26に記憶されている制御プログラムを読み出し且つ当該制御プログラムを実行することにより、走行アクチュエータ23及び荷役アクチュエータ24を制御する。車両CPU25は、車両ECUとも車両MPUとも言える。
【0045】
制御信号SGaのデータ形式は予め定められており、例えばCAN規格に基づいて定められている。すなわち、本実施形態では、制御信号SGaはCAN信号である。データ形式とは、例えば信号形態、データ構造、信号形式とも言える。
【0046】
制御信号SGaは、フォークリフト20の走行態様及び荷役態様の少なくとも一方に関する制御情報を含む。フォークリフト20の走行態様とは、例えば、フォークリフト20の前進、後退又は停止、走行速度、及び操舵角等を含む。荷役態様とは、フォーク22の駆動の有無と、フォーク22の上昇又は下降とを含む。車両CPU25は、制御信号SGaに基づいて、走行アクチュエータ23及び荷役アクチュエータ24を制御することにより、制御信号SGaに対応した態様で、フォークリフト20を駆動させる。
【0047】
ちなみに、制御信号SGaは、走行アクチュエータ23及び荷役アクチュエータ24の具体的な制御態様に関わらず規定のデータ形式が設定される一方、規定のデータ形式に格納されるデータ内容(制御情報)が具体的な制御態様に応じて異なるように設定される信号である。
【0048】
車両状態検知部27は、フォークリフト20の状態を検知するものである。車両状態検知部27は、例えばフォークリフト20の異常の有無を検知し、その検知結果を車両CPU25に出力する。これにより、車両CPU25は、フォークリフト20の状態を把握できる。
【0049】
なお、車両状態検知部27の検知対象は、フォークリフト20の異常の有無に限られず、任意であり、例えば走行速度やフォーク22の位置等であってもよい。
図2に示すように、フォークリフト20は、通信装置30と通信可能な車両通信部28と、信号変換を行う車両信号変換部29と、を備えている。車両信号変換部29が「第1信号変換部」に対応する。通信装置30は、通信機能を有する通信端末であり、例えばスマートフォンやタブレット端末や携帯通信機器等である。
【0050】
車両通信部28は、フォークリフト20外に存在する通信装置30と信号のやり取りを行うものである。車両通信部28は、通信装置30から出力される遠隔指示信号SGbを受信したり、通信装置30に向けて車両情報に関する信号である送信用検知信号を送信したりする。
【0051】
遠隔指示信号SGbは、制御信号SGaとは異なるデータ形式の信号である。本実施形態では、遠隔指示信号SGbは、遠隔指示信号SGbであることを示す識別情報と、フォークリフト20の動作に関する遠隔操作用データとを含む。
【0052】
遠隔操作用データは、例えば走行に関する情報と、荷役に関する情報とを含む。走行に関する情報とは、例えば前進、後退、停止等に関する情報と、走行速度に関する情報と操舵角に関する情報とを含む。荷役に関する情報とは、例えばフォーク22の上昇、下降、停止等に関する情報と、上下方向の移動量に関する情報とを含む。但し、遠隔操作用データの具体的なデータ構成については、上記に限られず、任意である。
【0053】
車両信号変換部29は、車両通信部28が受信した信号の識別情報に基づいて、受信した信号が遠隔指示信号SGbであることを確認する。そして、車両信号変換部29は、受信した信号が遠隔指示信号SGbであることが確認された場合には、当該遠隔指示信号SGbを制御信号SGaに変換し、その変換された制御信号SGaを車両CPU25に出力する。詳細には、車両信号変換部29は、遠隔指示信号SGbと制御信号SGaとが対応付けられた車両信号変換データ29aを有しており、当該車両信号変換データ29aを参照することにより、車両通信部28が受信した遠隔指示信号SGbに対応する制御信号SGaを導出する。
【0054】
図3に示すように、車両信号変換データ29aには、データ形式が同一であってデータ内容(詳細には遠隔操作用データの内容)が異なる複数の遠隔指示信号SGb(1),SGb(2),…,SGb(n)に対応させて複数の制御信号SGa(1),SGa(2),…,SGa(n)が設定されている。複数の制御信号SGa(1),SGa(2),…,SGa(n)はそれぞれ、データ形式が同一である一方、データ内容(制御情報)が異なった信号である。制御信号SGa(1),SGa(2),…,SGa(n)のデータ内容は、遠隔指示信号SGb(1),SGb(2),…,SGb(n)のデータ内容と対応付けられて設定されている。例えば、前進に対応した遠隔指示信号SGb(k)には、前進に対応した制御信号SGa(k)が対応付けられて設定されており、停止に対応した遠隔指示信号SGb(m)には、停止に対応した制御信号SGa(m)が対応付けられて設定されている。また、特定の走行速度が設定された遠隔指示信号SGb(v)には、当該特定の走行速度が設定された制御信号SGa(v)が対応付けられて設定されている。
【0055】
車両信号変換部29は、車両信号変換データ29aを参照することにより、受信された遠隔指示信号SGbに対応する制御信号SGaを導出する。これにより、遠隔指示信号SGbが制御信号SGaに変換される。
【0056】
ちなみに、遠隔指示信号SGbのデータ形式と、制御信号SGaのデータ形式とが異なっている点に着目すれば、車両信号変換部29は、遠隔指示信号SGbを、当該遠隔指示信号SGbとは異なるデータ形式の制御信号SGaに変換するものであると言える。
【0057】
かかる構成によれば、車両CPU25には、車両通信部28にて受信された遠隔指示信号SGbに対応する制御信号SGaが入力される。すると、走行アクチュエータ23及び荷役アクチュエータ24が、遠隔指示信号SGbに対応する制御信号SGaに基づいて駆動する。これにより、フォークリフト20は、遠隔指示信号SGbのデータ内容に基づいて動作することとなる。
【0058】
なお、フォークリフト20内での各種電子機器間でやり取りされる信号のデータ形式は、制御信号SGaのデータ形式で統一されている。このため、制御信号SGaのデータ形式は、フォークリフト20内での各種機器間でやり取りされる信号のデータ形式とも言える。この点に着目すれば、車両信号変換部29は、車外通信用のデータ形式の信号である遠隔指示信号SGbを、車内通信用のデータ形式の信号である制御信号SGaに変換するものと言える。
【0059】
また、車両CPU25は、制御信号SGaが入力された場合には、当該制御信号SGaを認識し、制御信号SGaに基づいて動作する一方、遠隔指示信号SGbがそのまま入力された場合には動作しない。この点を鑑みれば、車両信号変換部29は、遠隔指示信号SGbを、車両CPU25が動作可能な(換言すれば認識可能な)制御信号SGaに変換するものであるとも言える。
【0060】
車両CPU25は、車両状態検知部27の検知結果に関する情報を含む検知結果信号を車両信号変換部29に出力する。検知結果信号は、例えばCAN信号である。車両信号変換部29は、車両CPU25から入力される検知結果信号を送信用検知信号に変換する。送信用検知信号は、車両通信部28の通信(詳細には車両通信部28と通信装置通信部35との通信)に適したデータ形式の信号である。車両通信部28は、送信用検知信号を通信装置30(詳細には通信装置通信部35)に送信する。
【0061】
また、車両CPU25は、車両通信部28を用いて、フォークリフト20の規格(仕様)に関する情報を通信装置30に送信する。これにより、通信装置30は、フォークリフト20の規格を把握できる。フォークリフト20の規格としては、例えば走行可能な速度等である。
【0062】
図2に示すように、通信装置30は、通信装置CPU31と、通信装置メモリ32と、通信装置通信部35と、プログラム取得部36と、タッチパネル37と、受付部38と、を備えている。
【0063】
通信装置CPU31は、通信装置メモリ32に記憶されている各種プログラムを用いて各種処理を実行するものである。通信装置CPU31は、通信装置通信部35及び受付部38と電気的に接続されており、これらと信号のやり取りが可能となっている。
【0064】
通信装置メモリ32には、操作信号SGxを遠隔指示信号SGbに変換するのに用いられる変換プログラムTPが記憶される変換プログラム記憶領域33と、フォークリフト20の遠隔操作に用いられる遠隔操作プログラム34とが設けられている。変換プログラム記憶領域33は、読み出しと書き込みとが可能なRAMやフラッシュメモリで構成されている。変換プログラム記憶領域33が「記憶部」に対応し、遠隔操作プログラム34が「産業車両用遠隔操作プログラム」に対応する。
【0065】
遠隔操作プログラム34は、通信装置CPU31にて信号変換処理を実行させるための信号変換処理実行プログラム34aと、通信装置CPU31にて変換プログラム更新処理を実行させるための更新処理実行プログラム34bとを含む。これらについては後述する。
【0066】
通信装置通信部35は、車両通信部28と信号のやり取りが可能に構成されている。本実施形態では、通信装置通信部35と車両通信部28とは無線通信を行う。これにより、通信装置30とフォークリフト20との間で信号のやり取りが可能となる。車両通信部28及び通信装置通信部35間の通信形式については任意であるが、例えばBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)及びWi−Fi等が考えられる。
【0067】
ここで、本実施形態では、遠隔指示信号SGbは、通信装置通信部35と車両通信部28との無線通信方式に対応した信号である。詳細には、遠隔指示信号SGbのデータ形式は、通信装置通信部35と車両通信部28との無線通信の規格に対応させて設定されている。
【0068】
プログラム取得部36は、変換プログラムTPを取得するのに用いられるものである。プログラム取得部36は、例えばインターネット等を経由して、変換プログラムTPが記憶されているサーバにアクセス可能に構成されており、当該サーバにアクセスすることにより所望の変換プログラムTPを取得する。但し、プログラム取得部36の具体的な構成は、上記に限られず、任意であり、例えば変換プログラムTPが記憶された記憶媒体を読み取り可能なリーダやインターフェースであってもよい。プログラム取得部36が「取得部」に対応する。
【0069】
タッチパネル37は、タッチセンサを有する表示画面で構成されている。タッチパネル37は、当該タッチパネル37に対する操作(タッチ)に関する信号を通信装置CPU31に出力する。これにより、通信装置CPU31は、タッチパネル37に対して操作が行われたか否か、例えばタッチパネル37にアイコンが表示されている場合には当該アイコンがタッチされたか否かを把握できる。
【0070】
また、通信装置CPU31は、タッチパネル37の表示制御を行う。例えば、通信装置CPU31は、通信装置通信部35にて送信用検知信号が受信された場合には、送信用検知信号に基づいて車両状態を把握し、この車両状態に関する情報をタッチパネル37に表示させる。これにより、タッチパネル37の表示態様に基づいて、操作者は車両状態(例えば異常の有無や走行速度等)を把握できる。但し、車両状態の報知は、タッチパネル37の表示に限られず、任意である。
【0071】
受付部38は、操作コントローラ40から出力される操作信号SGxを受け付けるものである。受付部38は、有線通信又は無線通信にて操作コントローラ40と接続可能に構成されており、受付部38と操作コントローラ40とが接続されることにより操作コントローラ40からの操作信号SGxが受付部38に入力される。また、受付部38は、データ形式が相違する複数種類の操作信号SGxを受け付ける。すなわち、受付部38とは、複数種類の操作コントローラ40と接続されるインターフェースとも言える。
【0072】
ここで、操作コントローラ40について説明すると、操作コントローラ40は、フォークリフト20の遠隔操作以外の用途でも使用可能な汎用のコントローラであり、例えばゲーム機のコントローラやタブレット端末や音声認識端末等がある。操作コントローラ40には、例えば第1データ形式の第1操作信号SGx1を出力する第1操作コントローラ41と、第2データ形式の第2操作信号SGx2を出力する第2操作コントローラ42とがある。
【0073】
第1操作コントローラ41は、例えば傾倒可能なレバー41aを有しており、レバー41aの傾倒方向及び傾倒角度に応じた第1操作信号SGx1を出力する。第1操作信号SGx1は、データ形式が第1操作コントローラ41に対応した第1データ形式であって、データ内容が操作態様に応じて異なる操作信号SGxである。第1操作信号SGx1は、例えば第1操作信号SGx1であることを示す識別情報と、レバー41aの傾倒方向に関する情報である傾倒方向情報と、レバー41aの傾倒角度に関する情報である傾倒角度情報とを含む。
【0074】
この場合、第1操作信号SGx1のデータ形式は、第1操作コントローラ41の操作態様に関わらず固定されている。すなわち、第1操作コントローラ41の操作態様に関わらず、第1操作信号SGx1は、識別情報、傾倒方向情報、及び傾倒角度情報を有する。
【0075】
一方、第1操作信号SGx1のデータ内容は、第1操作コントローラ41の操作態様に応じて異なる。すなわち、第1操作コントローラ41の操作態様に応じて、第1操作信号SGx1の傾倒方向情報及び傾倒角度情報の内容が異なる。第1データ形式とは、第1操作コントローラ41の操作態様に基づいて規定される第1操作コントローラ41固有のデータ形式であると言える。
【0076】
第2操作コントローラ42は、例えば操作ボタン42aを有する携帯端末である。第2操作コントローラ42は、操作ボタン42aに対する操作態様に応じた第2操作信号SGx2を出力する。第2操作信号SGx2は、データ形式が第2操作コントローラ42に対応した第2データ形式であって、データ内容が操作態様に応じて異なる操作信号SGxである。詳細には、例えば、第2操作コントローラ42が、操作ボタン42aとして、走行に関する走行ボタンと荷役に関する荷役ボタンとを有する場合には、第2操作信号SGx2は、第2操作信号SGx2であることを示す識別情報と、走行ボタンに対する操作態様に関する走行操作情報と、荷役ボタンに対する操作態様に関する荷役操作情報とを含む。
【0077】
この場合、第2操作信号SGx2のデータ形式は、第2操作コントローラ42の操作態様に関わらず固定されている。すなわち、第2操作コントローラ42の操作態様に関わらず、第2操作信号SGx2は、識別情報、走行操作情報、及び荷役操作情報を有する。
【0078】
一方、第2操作信号SGx2のデータ内容は、第2操作コントローラ42の操作態様に応じて異なる。すなわち、第2操作コントローラ42の操作態様に応じて、第2操作信号SGx2の走行操作情報及び荷役操作情報の内容が異なる。第2データ形式とは、第2操作コントローラ42の操作態様に基づいて規定される第2操作コントローラ42固有のデータ形式であると言える。
【0079】
以上の通り、操作コントローラ41,42は、当該操作コントローラ41,42に固有のデータ形式の操作信号SGx1,SGx2を出力する。この場合、両操作コントローラ41,42は、操作の仕方が相違しているため、両操作信号SGx1,SGx2のデータ形式、詳細には両操作信号SGx1,SGx2に含まれるデータの種類(第1操作信号SGx1にあっては傾倒方向情報及び傾倒角度情報、第2操作信号SGx2にあっては走行操作情報及び荷役操作情報)が相違する。換言すれば、操作信号SGxのデータ形式が異なるとは、当該操作信号SGxに含まれるデータの種類及び容量の少なくとも一方が異なることを意味すると言え、第1操作信号SGx1と第2操作信号SGx2とは、含まれるデータ種類が相違する操作信号SGxである。
【0080】
図2に示すように、本実施形態では、受付部38は、有線又は無線によって複数種類の操作コントローラ41,42と同時に接続可能に構成されている。受付部38が複数種類の操作コントローラ41,42と同時に接続された場合、両操作信号SGx1,SGx2が受付部38に入力され得る。詳述すると、仮に第1操作コントローラ41が操作されると、第1操作コントローラ41から第1操作信号SGx1が出力され、当該第1操作信号SGx1が受付部38に入力される。一方、仮に第2操作コントローラ42が操作されると、第2操作コントローラ42から第2操作信号SGx2が出力され、当該第2操作信号SGx2が受付部38に入力される。
【0081】
なお、両操作コントローラ41,42と受付部38とが有線(詳細には信号線)で接続される場合には、受付部38は、信号線が接続される複数(例えば2つ)のコネクタである。一方、両操作コントローラ41,42と受付部38とが無線通信で接続される場合には、受付部38は、両操作信号SGx1,SGx2を受信可能な受信装置等である。この場合、操作コントローラ40と受付部38との無線通信方式については任意であるが、例えばBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)及びWi−Fi等が考えられる。
【0082】
なお、第1操作コントローラ41と受付部38との通信方式である第1操作信号SGx1の通信方式と、第2操作コントローラ42と受付部38との通信方式である第2操作信号SGx2の通信方式とは、同一でもよいし、異なっていてもよい。例えば、両操作コントローラ41,42と受付部38とが無線通信によって接続される場合、両操作信号SGx1,SGx2の通信方式がBluetooth(登録商標)に設定されていてもよい。また、第1操作信号SGx1の通信方式がBluetooth(登録商標)に設定され且つ第2操作信号SGx2の通信方式がZigbee(登録商標)に設定されてもよい。この場合、受付部38は、第1操作信号SGx1の通信方式に対応し且つ第1操作信号SGx1を受信する第1受信部と、第2操作信号SGx2の通信方式に対応し且つ第2操作信号SGx2を受信する第2受信部とを有しているとよい。
【0083】
両操作信号SGx1,SGx2においては、通信方式が同一であっても、データ形式が異なる場合が生じ得る。例えば、両操作信号SGx1,SGx2の通信方式がBluetooth(登録商標)である場合であっても、第1操作コントローラ41がSPPプロファイルに対応したデータ形式の第1操作信号SGx1を出力し、第2操作コントローラ42がHIDプロファイルに対応したデータ形式の第2操作信号SGx2を出力し得る。なお、通信方式がBluetooth(登録商標)である場合のデータ形式としては、上記の他に、例えばHSPプロファイルに対応したデータ形式、A2DPプロファイルに対応したデータ形式、HFPプロファイルに対応したデータ形式等が存在する。
【0084】
すなわち、操作信号SGxのデータ形式とは、あくまで操作コントローラ40の操作の仕方に起因するデータの種類に関するものを意味しており、操作信号SGxのデータ形式には、操作信号SGxの通信方式に関するものは含まれていなくてもよい。
【0085】
本実施形態では、通信装置通信部35と車両通信部28との通信範囲は、操作コントローラ40と通信装置30(受付部38)との通信範囲よりも広く設定されている。但し、これに限られず、通信装置通信部35と車両通信部28との通信範囲は、操作コントローラ40と通信装置30との通信範囲と同一又はそれよりも狭くてもよい。なお、通信範囲とは、例えば有線通信の場合は配線の長さで規定される範囲であり、例えば無線通信の場合は通信可能範囲である。
【0086】
受付部38は、当該受付部38に入力された操作信号SGxを通信装置CPU31に出力する。これにより、通信装置CPU31は、どのような操作信号SGxが入力されたかを把握できる。
【0087】
通信装置CPU31は、受付部38に何らかの操作信号SGxが入力された場合には、通信装置メモリ32に記憶されている信号変換処理実行プログラム34aを読み出し、当該信号変換処理実行プログラム34aに基づいて信号変換処理を実行するように構成されている。信号変換処理は、変換プログラム記憶領域33に記憶されている変換プログラムTPを用いて操作信号SGxを遠隔指示信号SGbに変換し、当該遠隔指示信号SGbを車両通信部28へ送信させる処理である。信号変換処理実行プログラム34aは、通信装置CPU31にて信号変換処理を実行させるためのプログラムと言える。
【0088】
なお、本実施形態では、信号変換処理を実行する通信装置CPU31が「第2信号変換部」に対応し、信号変換処理実行プログラム34aが、通信装置30を「第2信号変換部」及び「送信指示部」として機能させるプログラムに対応する。
【0089】
図4を用いて信号変換処理について説明する。
図4に示すように、通信装置CPU31は、ステップS101にて、受付部38に入力された操作信号SGx(以降、単に「入力操作信号SGxx」という。)の信号種別を把握する。詳細には、通信装置CPU31は、入力操作信号SGxxの識別情報を把握する。入力操作信号SGxxは、受付部38が受け付けた操作信号SGxとも言える。
【0090】
続くステップS102では、通信装置CPU31は、入力操作信号SGxxが変換可能な操作信号SGxであるか否かを判定する。詳細には、
図2に示すように、通信装置メモリ32には、変換可能な操作信号SGxを把握するための変換可能情報39が記憶されている。変換可能情報39は、現状の変換プログラム記憶領域33に記憶されている変換プログラムTPを用いて遠隔指示信号SGbに変換可能な操作信号SGxが登録された情報である。
【0091】
ここで、変換可能な操作信号SGxと、使用可能な操作コントローラ40とは互いに対応している。このため、変換可能情報39は、現状において使用可能な操作コントローラ40を把握するための情報とも言える。
【0092】
なお、本実施形態の通信装置30は、初期状態において、第1操作信号SGx1及び第2操作信号SGx2の双方を遠隔指示信号SGbに変換可能に構成されている。詳細には、初期状態において、変換プログラム記憶領域33には、第1操作信号SGx1を遠隔指示信号SGbに変換するための第1変換プログラムTP1と、第2操作信号SGx2を遠隔指示信号SGbに変換するための第2変換プログラムTP2とが記憶されている。このため、初期状態において、変換可能情報39には、第1操作信号SGx1及び第2操作信号SGx2が登録されている。換言すれば、初期状態の変換可能情報39には、使用可能な操作コントローラ40として第1操作コントローラ41と第2操作コントローラ42とが登録されている。
【0093】
通信装置CPU31は、変換可能情報39を参照することにより、変換可能な操作信号SGxを把握し、入力操作信号SGxxが変換可能な操作信号SGxに含まれているか否かを判定する。詳細には、通信装置CPU31は、入力操作信号SGxxの識別情報と変換可能情報39とを比較することにより、入力操作信号SGxxが変換可能な操作信号SGxに含まれているか否かを判定する。
【0094】
通信装置CPU31は、入力操作信号SGxxが変換可能な操作信号SGxに含まれていない場合には、入力操作信号SGxxを変換することができないと判定する。この場合、通信装置CPU31は、ステップS103にてエラー処理を実行して、本信号変換処理を終了する。エラー処理としては例えば、現段階では入力操作信号SGxxに対応する操作コントローラ40は使用することができないこと、及び、変換プログラム更新処理を実行する必要がある旨をタッチパネル37に表示させることである。変換プログラム更新処理については後述する。
【0095】
一方、入力操作信号SGxxが変換可能な操作信号SGxに含まれている場合には、変換プログラムTPを更新することなく、入力操作信号SGxxを遠隔指示信号SGbに変換できることを意味する。この場合、通信装置CPU31は、ステップS104に進み、変換プログラム記憶領域33から入力操作信号SGxxに対応する変換プログラムTPを読み出す。
【0096】
変換プログラムTPについて説明する。本実施形態では、変換プログラムTPは、操作信号SGxから遠隔指示信号SGbを生成するために必要な情報が設定されたプログラムである。
【0097】
第1操作信号SGx1を遠隔指示信号SGbに変換するための変換プログラムTPである第1変換プログラムTP1は、例えば第1操作信号SGx1のデータ内容を抽出するための第1抽出プログラムと、抽出された第1操作信号SGx1のデータ内容から遠隔操作用データのデータ内容を導出するための第1導出プログラムとを含む。
【0098】
第1導出プログラムは、第1操作信号SGx1のデータ内容と遠隔操作用データのデータ内容とが対応するように構成されている。例えば、遠隔操作用データのデータ内容のうち走行速度に関する情報は、第1操作信号SGx1に含まれる傾斜角度情報に設定されているレバー41aの傾斜角度が大きくなるほど、フォークリフト20の走行速度が大きくなるように設定されている。これにより、第1操作コントローラ41の操作態様に応じた遠隔指示信号SGbが生成される。
【0099】
また、通信装置CPU31は、第1操作信号SGx1のデータ内容とフォークリフト20の規格とに基づいて、遠隔指示信号SGbを導出してもよい。例えば、通信装置CPU31は、第1導出プログラムによって導出された遠隔操作用データに設定された走行速度が遠隔操作対象のフォークリフト20の規格で定められている最大速度よりも大きい場合には、走行速度が上記最大速度になるように遠隔操作用データを更新してもよい。なお、既に説明した通り、通信装置30は、車両通信部28から送信される情報に基づいて、フォークリフト20の規格を把握する。
【0100】
かかる構成によれば、遠隔操作用データがフォークリフト20の規格に対応したものとなる。したがって、フォークリフト20の車両CPU25に、当該フォークリフト20の規格外の制御信号SGaが入力されることを回避できる。よって、フォークリフト20の誤動作等を抑制できる。
【0101】
第2操作信号SGx2を遠隔指示信号SGbに変換するための変換プログラムTPである第2変換プログラムTP2は、例えば第2操作信号SGx2のデータ内容を抽出するための第2抽出プログラムと、抽出された第2操作信号SGx2のデータ内容から遠隔操作用データのデータ内容を導出するための第2導出プログラムとを含む。
【0102】
第2導出プログラムは、第2操作信号SGx2のデータ内容と遠隔操作用データのデータ内容とが対応するように構成されている。例えば、第2操作コントローラ42の操作ボタン42aとして高速ボタン及び低速ボタンがある場合、遠隔操作用データにて設定される走行速度は、高速ボタンがタッチされた場合の方が、低速ボタンがタッチされた場合よりも大きく設定される。これにより、第2操作コントローラ42の操作態様に応じた遠隔指示信号SGbが生成される。
【0103】
また、通信装置CPU31は、第2操作信号SGx2のデータ内容とフォークリフト20の規格とに基づいて、遠隔指示信号SGbを導出してもよい。例えば、通信装置CPU31は、第2導出プログラムによって導出された遠隔操作用データに設定された走行速度が遠隔操作対象のフォークリフト20の規格で定められている最大速度よりも大きい場合には、走行速度が上記最大速度になるように遠隔操作用データを更新してもよい。
【0104】
続くステップS105では、通信装置CPU31は、ステップS104にて読み出した変換プログラムTPを用いて、入力操作信号SGxxを遠隔指示信号SGbに変換する。これにより、入力操作信号SGxxに対応した遠隔指示信号SGbが生成される。
【0105】
例えば、入力操作信号SGxxが第1操作信号SGx1である場合には、通信装置CPU31は、変換プログラム記憶領域33から第1変換プログラムTP1を読み出し、第1変換プログラムTP1を用いて第1操作信号SGx1を遠隔指示信号SGbに変換する。また、入力操作信号SGxxが第2操作信号SGx2である場合には、通信装置CPU31は、変換プログラム記憶領域33から第2変換プログラムTP2を読み出し、第2変換プログラムTP2を用いて第2操作信号SGx2を遠隔指示信号SGbに変換する。
【0106】
その後、通信装置CPU31は、ステップS106に進み、生成した遠隔指示信号SGbを送信するように通信装置通信部35に対して指示(指令)を出す。通信装置通信部35は、上記指示に基づいて、遠隔指示信号SGbを車両通信部28に向けて送信する。
【0107】
かかる構成によれば、入力操作信号SGxxが変換可能な操作信号SGxである場合には、入力操作信号SGxxが遠隔指示信号SGbに変換され、当該遠隔指示信号SGbが車両通信部28に送信される。そして、フォークリフト20内にて、遠隔指示信号SGbが制御信号SGaに変換され、当該制御信号SGaに基づいて、走行アクチュエータ23又は荷役アクチュエータ24が動作する。これにより、フォークリフト20が、操作コントローラ40の操作態様に応じた動作を行う。
【0108】
ここで、本実施形態の産業車両用遠隔操作システム10は、使用可能な操作コントローラ40の追加、削除、変更に対応可能に構成されている。詳細には、産業車両用遠隔操作システム10は、遠隔指示信号SGbに変換可能な操作信号SGxの追加、削除、変更に対応するために、変換プログラム記憶領域33の記憶情報を更新可能に構成されている。この点について以下に説明する。
【0109】
通信装置CPU31は、タッチパネル37にて操作コントローラ40の更新操作が行われた場合には、通信装置メモリ32に記憶されている更新処理実行プログラム34bに基づいて、変換プログラム更新処理を実行する。更新処理実行プログラム34bは、通信装置CPU31にて変換プログラム更新処理を実行させるためのプログラムと言える。本実施形態では、変換プログラム更新処理を実行する通信装置CPU31が「更新部」に対応し、更新処理実行プログラム34bが、通信装置30を「更新部」として機能させるプログラムに対応する。
【0110】
なお、操作コントローラ40の更新操作とは、例えばタッチパネル37に操作コントローラ40の更新アイコンが表示されている場合に当該更新アイコンを操作(タッチ)することである。
【0111】
図5を用いて変換プログラム更新処理について説明する。
図5に示すように、通信装置CPU31は、ステップS201にて、タッチパネル37に要求画面を表示させる。
【0112】
図6に示すように、要求画面とは、例えばタッチパネル37に、追加アイコンG1、変更アイコンG2、削除アイコンG3、更新中止アイコンG4が表示された画像である。この場合、通信装置CPU31は、いずれかのアイコンがタッチされることにより、操作者の要求を受け付けることができる。
【0113】
図5に示すように、通信装置CPU31は、要求画面を表示させた後、ステップS202にて、何らかの操作、詳細には要求操作又は中止操作が行われるまで待機する。要求操作とは、例えば
図6に示すような要求画面が表示されている場合には、追加アイコンG1、変更アイコンG2又は削除アイコンG3のいずれかが操作(タッチ)されることである。中止操作とは、例えば更新中止アイコンG4が操作(タッチ)されることである。本実施形態では、ステップS201及びステップS202の処理を実行する通信装置CPU31及びタッチパネル37が「要求受付部」として機能する。
【0114】
通信装置CPU31は、要求画面に対して何らかの操作が行われた場合には、ステップS203〜ステップS211にて、当該操作に対応する処理を実行する。
まず、通信装置CPU31は、ステップS203にて、操作が追加操作であったか否かを判定する。追加操作とは、例えば追加アイコンG1をタッチすることである。ちなみに、追加操作は、使用可能な操作コントローラ40の追加要求とも言える。このため、ステップS203の処理は、上記追加要求があったか否かを判定する処理とも言える。なお、使用可能な操作コントローラ40の追加要求とは、変換可能な操作信号SGxの追加要求とも言える。また、変換可能な操作信号SGxの追加要求とは、「特定データ形式の特定操作信号」の追加要求とも言える。
【0115】
通信装置CPU31は、追加要求(追加操作)を受け付けた場合には、ステップS204に進む。ステップS204では、通信装置CPU31は、プログラム取得部36を用いて追加対象変換プログラムTPxを取得する。追加対象変換プログラムTPxの取得とは、「特定操作信号」を遠隔指示信号SGbに変換するための「特定変換プログラム」の取得とも言える。
【0116】
詳細には、通信装置CPU31は、プログラム取得部36を介して、変換プログラムTPが保存されているサーバにアクセスし、追加可能な操作コントローラ40を把握する。詳細には、通信装置CPU31は、サーバに保存され且つ変換プログラム記憶領域33に記憶されていない変換プログラムTPに対応する操作コントローラ40であって、受付部38と接続可能な操作コントローラ40を、追加可能な操作コントローラ40として把握する。そして、通信装置CPU31は、追加可能な操作コントローラ40のリストをタッチパネル37に表示させることにより、追加対象の操作コントローラ40を操作者に選択させる。
【0117】
なお、以降の説明において追加対象の操作コントローラ40を追加対象操作コントローラ40xといい、追加対象の変換プログラムTPを追加対象変換プログラムTPxという。
【0118】
通信装置CPU31は、追加対象操作コントローラ40xの選択操作が行われるまで待機する。選択操作とは、例えば、リスト表示されている追加可能な操作コントローラ40のうちいずれかをタッチすることである。そして、通信装置CPU31は、追加対象操作コントローラ40xの選択操作が行われた場合、プログラム取得部36を用いて、追加対象変換プログラムTPxを取得する。
【0119】
続くステップS205では、通信装置CPU31は、追加対象操作コントローラ40xの操作信号SGxを遠隔指示信号SGbに変換できるように、追加対象変換プログラムTPxを用いて、変換プログラム記憶領域33の記憶情報を更新する。詳細には、通信装置CPU31は、変換プログラム記憶領域33に追加対象変換プログラムTPxを新たに追加する。また、通信装置CPU31は、追加対象操作コントローラ40xが使用可能な操作コントローラ40として新たに登録されるように変換可能情報39を更新する。そして、通信装置CPU31は、本変換プログラム更新処理を終了する。
【0120】
一方、通信装置CPU31は、操作者による操作が追加操作でない場合には、ステップS203を否定判定し、ステップS206に進み、操作が変更操作であったか否かを判定する。変更操作とは、例えば変更アイコンG2をタッチすることである。
【0121】
ちなみに、変更操作は、使用可能な操作コントローラ40の変更要求とも言える。このため、ステップS206の処理は、上記変更要求があったか否かを判定する処理とも言える。なお、使用可能な操作コントローラ40の変更要求とは、変換可能な操作信号SGxの変更要求とも言える。
【0122】
通信装置CPU31は、タッチパネル37への操作が変更操作であった場合、すなわちタッチパネル37が変更要求を受け付けた場合には、ステップS207〜ステップS209にて、変換可能な操作信号SGxを変更する処理を実行する。
【0123】
詳細には、通信装置CPU31は、まずステップS207にて、変更対象の操作コントローラ40を操作者に選択させる処理を実行する。詳細には、通信装置CPU31は、現状の使用可能な操作コントローラ40のリストをタッチパネル37に表示させ、いずれかが選択されるまで待機し、選択されたことに基づいてステップS208に進む。
【0124】
ステップS208では、通信装置CPU31は、プログラム取得部36を用いて追加対象変換プログラムTPxを取得する。ステップS208の処理は、ステップS204の処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0125】
続くステップS209では、通信装置CPU31は、変換プログラム記憶領域33の記憶情報の書き換えを行う。詳細には、通信装置CPU31は、ステップS207で選択された変更対象の操作コントローラ40に対応する変換プログラムTPが削除され、ステップS208にて取得された追加対象変換プログラムTPxが追加されるように、変換プログラム記憶領域33に記憶されている変換プログラムTPを書き換える。
【0126】
例えば、仮に変換プログラム記憶領域33に第1変換プログラムTP1のみが記憶されている状況において、ステップS207にて第1操作コントローラ41が選択され、ステップS208にて追加対象変換プログラムTPxとして第2変換プログラムTP2が取得されたとする。この場合、通信装置CPU31は、ステップS209では、第2変換プログラムTP2を用いて、変換プログラム記憶領域33に記憶されている第1変換プログラムTP1を書き換える。詳細には、通信装置CPU31は、第1変換プログラムTP1に代えて第2変換プログラムTP2が記憶されるように変換プログラム記憶領域33内の情報を書き換える。
【0127】
また、通信装置CPU31は、使用可能な操作コントローラ40が第1操作コントローラ41から第2操作コントローラ42に変更されるように、詳細には変換可能な操作信号SGxが第1操作信号SGx1から第2操作信号SGx2に変更されるように、変換可能情報39を更新する。そして、通信装置CPU31は、本変換プログラム更新処理を終了する。
【0128】
図5に示すように、通信装置CPU31は、タッチパネル37に行われた操作が変更操作でないと判定した場合には、ステップS210に進み、タッチパネル37に行われた操作が削除操作であったか否かを判定する。すなわち、通信装置CPU31は、ステップS210では、操作者から削除要求があったか否かを判定する。削除要求とは、使用可能な操作コントローラ40の削除要求とも言えるし、変換可能な操作信号SGxの削除要求とも言える。
【0129】
通信装置CPU31は、タッチパネル37に行われた操作が削除操作であった場合、すなわち削除要求を受け付けた場合には、ステップS211に進み、削除対象の変換プログラムTPを削除する処理を実行して、本変換プログラム更新処理を終了する。
【0130】
詳細には、通信装置CPU31は、現状において使用可能な操作コントローラ40のリストを表示させ、削除対象の操作コントローラ40を選択させる。そして、通信装置CPU31は、削除対象の操作コントローラ40が選択された場合、当該削除対象の操作コントローラ40に対応する変換プログラムTPを変換プログラム記憶領域33から削除する。これにより、削除対象の変換プログラムTPに対応した操作信号SGxを出力する操作コントローラ40は、使用できなくなる。更に、通信装置CPU31は、使用可能な操作コントローラ40から削除対象の操作コントローラ40が削除されるように変換可能情報39を更新する。
【0131】
例えば、仮に変換プログラム記憶領域33に第1変換プログラムTP1及び第2変換プログラムTP2が記憶されている状況において、削除対象として第1操作コントローラ41が選択された場合、通信装置CPU31は、第1変換プログラムTP1を削除する。これにより、第1操作コントローラ41を使用できなくなる。そして、通信装置CPU31は、使用可能な操作コントローラ40から第1操作コントローラ41が削除されるように変換可能情報39を更新する。変換プログラム記憶領域33から第1変換プログラムTP1を削除する更新は、「特定変換プログラム」を「記憶部」から削除する更新とも言える。
【0132】
なお、第1操作コントローラ41と第1操作信号SGx1とが対応している点を鑑みれば、削除対象として第1操作コントローラ41を選択する削除要求は、変換可能な操作信号SGxから第1操作信号SGx1を削除する削除要求と言える。また、変換可能な操作信号SGxから第1操作信号SGx1を削除する削除要求とは、変換可能な操作信号から「特定操作信号」を削除する削除要求とも言える。
【0133】
通信装置CPU31は、タッチパネル37に対する操作が要求操作でない場合、詳細には当該操作が中止操作である場合には、ステップS203,S206,S210を全て否定判定し、要求画面を消去して、本変換プログラム更新処理を終了する。
【0134】
以上詳述した第1実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
(1)産業車両用遠隔操作システム10は、車両通信部28を有する産業車両としてのフォークリフト20と、フォークリフト20の遠隔操作に用いられる通信装置30と、を備えている。フォークリフト20は、予め定められたデータ形式の遠隔指示信号SGbを当該遠隔指示信号SGbとは異なるデータ形式の制御信号SGaに変換する車両信号変換部29を備え、当該制御信号SGaに基づいて動作する。
【0135】
通信装置30は、操作コントローラ40から出力される操作信号SGxを受け付ける受付部38と、操作信号SGxを遠隔指示信号SGbに変換するための変換プログラムTPを取得可能なプログラム取得部36と、変換プログラムTPが記憶される変換プログラム記憶領域33と、を備えている。通信装置30は、変換プログラム記憶領域33に記憶されている変換プログラムTPを用いて、操作信号SGxを遠隔指示信号SGbに変換する信号変換処理を実行する通信装置CPU31と、遠隔指示信号SGbを車両通信部28に送信する通信装置通信部35と、を備えている。
【0136】
かかる構成によれば、通信装置CPU31によって操作信号SGxが遠隔指示信号SGbに変換され、通信装置通信部35によって遠隔指示信号SGbがフォークリフト20に送信される。そして、フォークリフト20の車両信号変換部29によって、遠隔指示信号SGbが制御信号SGaに変換される。これにより、操作コントローラ40を用いて、フォークリフト20を遠隔操作できる。したがって、荷崩れのおそれがあるような現場や過酷な現場であってもフォークリフト20を導入することができ、安全性の向上を図ることができる。また、フォークリフト20を離れた位置からでも操作できるため、利便性の向上を図ることができる。
【0137】
特に、本実施形態では、操作コントローラ40を用いて、フォークリフト20を遠隔操作できるため、通信装置30に、フォークリフト20を遠隔操作するためのレバー41a等の操作インターフェースを設ける必要がない。これにより、通信装置30の構成の簡素化を図ることができる。
【0138】
(2)受付部38は、複数種類の操作コントローラ40から出力されるデータ形式が相違する複数種類の操作信号SGxを受け付けるものである。そして、通信装置CPU31は、信号変換処理によって変換可能な操作信号SGxの追加、削除又は変更に対応するために、変換プログラム記憶領域33の記憶情報、詳細には変換プログラム記憶領域33に記憶されている変換プログラムTPを更新する変換プログラム更新処理を実行するものである。
【0139】
かかる構成によれば、変換プログラム更新処理を行うことによって、変換可能な操作信号SGxの追加、削除、又は変更を行うことができるため、フォークリフト20を遠隔操作するのに使用可能な操作コントローラ40の追加、削除又は変更を行うことができる。これにより、フォークリフト20の遠隔操作を行う操作コントローラ40を新たに追加したり変更したりすることができる。よって、操作コントローラの選択自由度の向上を図ることができ、それを通じて利便性の向上を図ることができる。
【0140】
詳述すると、近年、操作コントローラ40としては種々のものが知られており、また新しい規格の操作コントローラ40が次々と登場する。これに伴い、より複雑な操作を行うことができる操作コントローラ40や、より操作が簡単な操作コントローラ40等が普及し得る。また、操作者としては、使用する現場や使用態様に応じて、使い勝手がよい操作コントローラ40が異なる場合があり得る。例えば単純な遠隔操作を行いたい場合には単純な操作態様の操作コントローラ40が求められ、複雑な遠隔操作を行いたい場合には複雑な操作態様の操作コントローラ40が求められる場合があり得る。このため、操作者としては、状況の変化に伴い、操作コントローラ40を追加又は変更したい場合がある。
【0141】
この点、本実施形態によれば、変換プログラム更新処理を実行することにより、新たに登場した操作コントローラ40を用いてフォークリフト20を操作したり、使用態様ごとに又は操作者ごとに操作コントローラ40を変更したりすることができる。これにより、利便性の向上を図ることができる。
【0142】
(3)特に、本実施形態では、通信装置30の通信装置CPU31が信号変換処理を実行する構成となっているため、フォークリフト20には、予め定められたデータ形式の遠隔指示信号SGbが入力される。これにより、フォークリフト20内にて、データ形式の異なる複数種類の操作信号SGxを制御信号SGaに変換するための構成を設ける必要がない。したがって、車両信号変換部29の構成の簡素化及び制御の簡素化を図ることができる。また、操作コントローラ40の追加や変更に伴い、フォークリフト20内に搭載されているプログラムを更新する必要がないため、操作コントローラ40の追加や変更を容易に行うことができる。
【0143】
更に、例えば使用する操作コントローラ40等を考慮して、車種ごとに車両信号変換部29をカスタマイズする等といった必要がないため、車種に関わらず車両信号変換部29を共通化させることができる。これにより、1つの操作コントローラ40を用いて、型式の違うフォークリフト20を遠隔操作することが可能となるため、汎用性及び利便性の向上を図ることができる。
【0144】
(4)通信装置30は、変換プログラム記憶領域33に記憶されている変換プログラムTPとして、第1操作信号SGx1を遠隔指示信号SGbに変換するための第1変換プログラムTP1と、第2操作信号SGx2を遠隔指示信号SGbに変換するための第2変換プログラムTP2とを有している。第1操作信号SGx1は、第1操作コントローラ41から出力される第1データ形式の操作信号SGxであり、第2操作信号SGx2は、第2操作コントローラ42から出力される第2データ形式の操作信号SGxである。通信装置CPU31は、受付部38に第1操作信号SGx1が入力された場合には、第1変換プログラムTP1を用いて、第1操作信号SGx1を遠隔指示信号SGbに変換する。通信装置CPU31は、受付部38に第2操作信号SGx2が入力された場合には、第2変換プログラムTP2を用いて、第2操作信号SGx2を遠隔指示信号SGbに変換する。かかる構成によれば、フォークリフト20を遠隔操作するコントローラとして、異なるデータ形式の操作信号SGx1,SGx2を出力する2種類の操作コントローラ41,42を用いることができる。これにより、例えばフォークリフト20の遠隔操作態様等に応じて使用する操作コントローラ40を、第1操作コントローラ41と第2操作コントローラ42とに切り替えることができるため、利便性の向上を図ることができる。
【0145】
(5)車両通信部28と通信装置通信部35とは無線通信を行うものであり、遠隔指示信号SGbは、車両通信部28と通信装置通信部35との無線通信方式に対応した信号である。詳細には、遠隔指示信号SGbのデータ形式は、車両通信部28と通信装置通信部35との無線通信規格に基づいて設定されている。かかる構成によれば、通信装置30とフォークリフト20とを接続するケーブルを省略できるため、利便性の向上を図ることができる。
【0146】
この場合、遠隔指示信号SGbは無線通信方式に対応させて設定されるため、遠隔指示信号SGbのデータ形式が、フォークリフト20の制御に用いられる制御信号SGaのデータ形式と異なり得る。この点、本実施形態では、車両信号変換部29にて、遠隔指示信号SGbを制御信号SGaに変換できるため、車両通信部28と通信装置通信部35との無線通信を好適に行いつつ、フォークリフト20を遠隔操作できる。
【0147】
(6)受付部38と操作コントローラ40とは有線通信又は無線通信を行う。通信装置通信部35と車両通信部28との通信範囲は、受付部38と操作コントローラ40との通信範囲よりも広い。かかる構成によれば、受付部38と操作コントローラ40との通信範囲に律速されて、遠隔操作できる範囲が狭くなることを抑制できる。また、受付部38と操作コントローラ40との通信範囲が操作コントローラ40の仕様等に応じて変動する場合であっても、少なくとも通信装置通信部35と車両通信部28との通信範囲を、フォークリフト20を遠隔操作できる範囲として確保できる。
【0148】
(7)通信装置30は、使用可能な操作コントローラ40(換言すれば通信装置CPU31が変換可能な操作信号SGx)の追加要求、削除要求又は変更要求に関する要求操作を受け付けるタッチパネル37を有している。通信装置CPU31は、タッチパネル37によって受け付けられた要求、詳細にはタッチパネル37に対する要求操作に基づいて、変換プログラム記憶領域33の記憶情報を更新する。かかる構成によれば、操作者のニーズに合わせて、使用可能な操作コントローラ40の追加や変更等を行うことができる。
【0149】
(8)通信装置CPU31は、変換可能な操作信号SGxの追加要求があった場合には、プログラム取得部36を用いて追加対象変換プログラムTPxを取得する。追加対象変換プログラムTPxは、追加対象操作コントローラ40xが出力する操作信号SGxを遠隔指示信号SGbに変換するための変換プログラムTPである。そして、通信装置CPU31は、追加対象操作コントローラ40xの操作信号SGxを遠隔指示信号SGbに変換できるように、追加対象変換プログラムTPxを用いて変換プログラム記憶領域33の記憶情報を更新する。詳細には、通信装置CPU31は、変換プログラム記憶領域33から読み出し可能な変換プログラムTPに追加対象変換プログラムTPxが追加されるように、変換プログラム記憶領域33の記憶情報を更新する。
【0150】
かかる構成によれば、変換可能な操作信号SGxの追加要求に応じて、変換プログラム記憶領域33に追加対象変換プログラムTPxが追加される。これにより、追加対象操作コントローラ40xを用いてフォークリフト20を遠隔操作できる。
【0151】
(9)通信装置CPU31は、変換プログラム記憶領域33に第1変換プログラムTP1が記憶されている状況において、変換可能な操作信号SGxを第1操作信号SGx1から第2操作信号SGx2に変更する変更要求があった場合には、プログラム取得部36を用いて第2変換プログラムTP2を取得する。そして、通信装置CPU31は、第2変換プログラムTP2を用いて変換プログラム記憶領域33に記憶されている第1変換プログラムTP1を書き換える。かかる構成によれば、使用可能な操作コントローラ40を変更できる。これにより、所望の操作コントローラ40を用いてフォークリフト20を遠隔操作できる。
【0152】
なお、変換可能な操作信号SGxを第1操作信号SGx1から第2操作信号SGx2に変更する変更要求は、使用可能な操作コントローラ40を第1操作コントローラ41から第2操作コントローラ42に変更する変更要求とも言える。
【0153】
(10)通信装置CPU31は、第1変換プログラムTP1が変換プログラム記憶領域33に記憶されている状況において、変換可能な操作信号SGxから第1操作信号SGx1を削除する削除要求があった場合には、第1変換プログラムTP1を変換プログラム記憶領域33から削除する更新を行う。かかる構成によれば、不要になった第1変換プログラムTP1を削除することにより、他の変換プログラムTPを変換プログラム記憶領域33に記憶させることが可能となる。これにより、変換プログラム記憶領域33の限られた記憶容量を有効に活用できる。換言すれば、変換プログラム記憶領域33の記憶容量が限られている場合であっても、使用可能な操作コントローラ40を変更できる。
【0154】
(11)遠隔操作プログラム34は、通信装置30(詳細には通信装置CPU31)にて、信号変換処理を実行させる信号変換処理実行プログラム34aと、変換プログラム更新処理を実行させる更新処理実行プログラム34bとを含む。これにより、通信装置30を、操作信号SGxを遠隔指示信号SGbに変換させるものとして機能させることができ、且つ、変換可能な操作信号SGx(換言すれば使用可能な操作コントローラ40)を追加、削除又は変更できる。よって、(1),(2)等の効果を実現できる。
【0155】
(第2実施形態)
本実施形態では、通信装置30は、使用する操作コントローラ40を選択するように構成されている。この点について以下に詳細に説明する。
【0156】
本実施形態の通信装置CPU31は、使用可能な操作コントローラ40が複数種類存在する場合、使用する操作コントローラ40を選択する選択処理を実行する。
詳細には、通信装置メモリ32の遠隔操作プログラム34は、通信装置CPU31にて選択処理を実行させるための選択処理実行プログラムを含む。通信装置CPU31は、選択処理実行プログラムを読み出し、選択処理を実行する。なお、選択処理を実行する通信装置CPU31が「選択部」に対応し、選択処理実行プログラムが通信装置30を「選択部」として機能させるためのプログラムに対応する。
【0157】
図7を用いて選択処理について説明する。
図7に示すように、通信装置CPU31は、ステップS301にて、タッチパネル37にて選択画面を表示させる。詳細には、通信装置CPU31は、変換可能情報39に基づいて使用可能な操作コントローラ40を把握し、使用可能な操作コントローラ40のアイコンを全てタッチパネル37に表示させる。
【0158】
かかる構成によれば、
図8に示すように、選択画面には、現在使用可能な操作コントローラ40が表示される。なお、本実施形態では、説明の便宜上、使用可能な操作コントローラ40は、第1操作コントローラ41と第2操作コントローラ42であるとする。
【0159】
図7に示すように、通信装置CPU31は、ステップS302では、選択操作が行われるまで待機する。選択操作とは、例えば、選択画面に表示されている第1操作コントローラ41のアイコン及び第2操作コントローラ42のアイコンのいずれかをタッチすることである。
【0160】
通信装置CPU31は、選択操作が行われた場合には、ステップS303に進み、選択対応処理を実行して、本選択処理を終了する。選択対応処理では、通信装置CPU31は、選択された操作コントローラ40を選択操作コントローラ40mとして設定し、選択操作コントローラ40mが出力する操作信号SGxを選択操作信号SGxmとして設定する。
【0161】
例えば、選択画面において第1操作コントローラ41のアイコンがタッチされた場合には、通信装置CPU31は、第1操作コントローラ41を選択操作コントローラ40mとして設定し、第1操作信号SGx1を選択操作信号SGxmとして設定する。これにより、使用可能な複数種類の操作コントローラ40のうちいずれかが選択される。
【0162】
ここで、使用可能な操作コントローラ40が複数種類存在するということは、変換可能な操作信号SGxが複数種類存在することである。この点を鑑みれば、使用可能な複数種類の操作コントローラ40のうちいずれかが選択されることは、変換可能な複数種類の操作信号SGxのうちいずれかが選択されることと言える。そして、選択処理は、変換可能な複数種類の操作信号SGxのうちいずれかを選択する処理と言える。
【0163】
次に、
図9を用いて、選択操作コントローラ40mが設定されている条件下における信号変換処理について説明する。
図9に示すように、通信装置CPU31は、選択操作コントローラ40mが設定されている場合、ステップS102の処理に代えてステップS401の処理を実行する。ステップS401では、通信装置CPU31は、入力操作信号SGxxが選択操作信号SGxmであるか否かを判定する。なお、ステップS401の処理は、入力操作信号SGxxに対応する操作コントローラ40が選択操作コントローラ40mであるか否かを判定する処理とも言える。
【0164】
通信装置CPU31は、入力操作信号SGxxが選択操作信号SGxmである場合、すなわち選択操作信号SGxmが受付部38に入力された場合には、ステップS401を肯定判定し、ステップS104〜ステップS106の処理を実行する。一方、通信装置CPU31は、入力操作信号SGxxが選択操作信号SGxmでない場合、すなわち選択操作信号SGxm以外の操作信号SGxが受付部38に入力された場合には、ステップS401を否定判定し、ステップS402のエラー処理を実行して、本信号変換処理を終了する。
【0165】
ステップS402のエラー処理では、通信装置CPU31は、まず入力操作信号SGxxが変換可能な操作信号SGxであるか否かを判定する。通信装置CPU31は、入力操作信号SGxxが変換可能な操作信号SGxである場合には、今回操作されている操作コントローラ40は使用可能であるが選択されていない旨をタッチパネル37に表示させる。一方、通信装置CPU31は、入力操作信号SGxxが変換可能な操作信号SGxでない場合には、今回操作されている操作コントローラ40は現状使用できない旨をタッチパネル37に表示させる。これにより、選択操作信号SGxm以外の操作信号SGxの信号変換が制限される。すなわち、通信装置CPU31は、変換可能な複数種類の操作信号SGxのうちいずれかが選択された場合、その選択された操作信号SGx(選択操作信号SGxm)以外の操作信号SGxについての遠隔指示信号SGbへの変換を制限する。
【0166】
以上詳述した本実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
(12)通信装置CPU31は、遠隔指示信号SGbに変換可能な操作信号SGxが複数種類ある場合に、当該変換可能な複数種類の操作信号SGxのうちいずれかを選択する選択処理を実行する。すなわち、通信装置CPU31は、選択処理では、使用可能な複数種類の操作コントローラ40のうちいずれかを選択する。そして、通信装置CPU31は、選択処理によって選択された選択操作信号SGxmが受付部38に入力された場合には当該選択操作信号SGxmを遠隔指示信号SGbに変換する一方、選択操作信号SGxmとは異なる操作信号SGxが受付部38に入力された場合には遠隔指示信号SGbへの変換を行わないように制限する。
【0167】
かかる構成によれば、選択処理によって選択された種類の操作コントローラ40を用いてフォークリフト20を遠隔操作できる一方、その種類以外の操作コントローラ40を用いたフォークリフト20の遠隔操作はできないように制限される。これにより、使用可能な複数種類の操作コントローラ40が存在する状況において、意図しない種類の操作コントローラ40の操作によってフォークリフト20が誤動作することを抑制できる。
【0168】
(第3実施形態)
本実施形態では、信号変換処理及び変換プログラム更新処理を実行する主体が、通信装置30ではなく、フォークリフト20となっている。この点について、以下に詳細に説明する。
【0169】
図10に示すように、本実施形態の通信装置CPU31は、受付部38に操作信号SGxが入力された場合、当該操作信号SGxを車両通信部28に向けて送信するように通信装置通信部35に指示する。すなわち、本実施形態の通信装置30は、操作コントローラ40とフォークリフト20との間に設けられた中継器として機能する。
【0170】
この場合、フォークリフト20の車両通信部28は、単一データ形式の遠隔指示信号SGbではなく、データ形式が異なる複数種類の操作信号SGxを受け付ける。すなわち、本実施形態では、車両通信部28が「受付部」に対応する。
【0171】
本実施形態のフォークリフト20は、タッチパネル61とプログラム取得部62とを備えている。タッチパネル61とプログラム取得部62とは、第1実施形態のタッチパネル37とプログラム取得部36と同一である。
【0172】
また、本実施形態のフォークリフト20の車両メモリ26には、制御用変換プログラムTPaが記憶される変換プログラム記憶領域63と、遠隔操作プログラム64と、変換可能情報65と、が設けられている。遠隔操作プログラム64は、信号変換処理実行プログラム64aと、更新処理実行プログラム64bとを含む。
【0173】
ここで、本実施形態の制御用変換プログラムTPaは、操作信号SGxを制御信号SGaに変換するためのプログラムである。また、信号変換処理実行プログラム64aは、変換プログラム記憶領域63に記憶されている制御用変換プログラムTPaを用いて、操作信号SGxを制御信号SGaに変換する信号変換処理を車両CPU25にて実行させるためのプログラムである。
【0174】
本実施形態の車両CPU25は、車両通信部28にて操作信号SGxが受信された場合には、信号変換処理実行プログラム64aを読み出し、信号変換処理を実行する。これにより、操作信号SGxに対応した制御信号SGaが生成される。そして、車両CPU25は、その制御信号SGaに基づいて、走行アクチュエータ23及び荷役アクチュエータ24を制御する。
【0175】
また、車両CPU25は、タッチパネル61の操作等を通じて、使用可能な操作コントローラ40の追加要求、削除要求又は変更要求があった場合には、更新処理実行プログラム64bを読み出し、変換プログラム記憶領域63の記憶情報を更新する変換プログラム更新処理を実行する。
【0176】
なお、本実施形態の信号変換処理及び変換プログラム更新処理の具体的な構成は、変換プログラムTP及び遠隔指示信号SGbに代えて、制御用変換プログラムTPa及び制御信号SGaとなる点を除き、基本的には第1実施形態の信号変換処理及び変換プログラム更新処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、変換可能情報65は、第1実施形態の変換可能情報39と同様である。
【0177】
以上詳述した本実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
(13)制御信号SGaに基づいて動作するフォークリフト20は、操作コントローラ40から出力される操作信号SGxを受け付ける車両通信部28と、操作信号SGxを制御信号SGaに変換するための制御用変換プログラムTPaが記憶される変換プログラム記憶領域63と、を備えている。フォークリフト20は、変換プログラム記憶領域63に記憶されている制御用変換プログラムTPaを用いて、操作信号SGxを制御信号SGaに変換する信号変換処理を実行する車両CPU25を備えている。車両通信部28は、複数種類の操作コントローラ40から出力されるデータ形式が相違する複数種類の操作信号SGxを受け付ける。フォークリフト20は、変換可能な操作信号SGxの追加、削除又は変更に対応するために、変換プログラム記憶領域63の記憶情報を更新する変換プログラム更新処理を実行する車両CPU25を備えている。これにより、(2)の効果を得ることができる。
【0178】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 通信装置30が、直接フォークリフト20を遠隔操作してもよい。例えば、通信装置CPU31は、タッチパネル37に遠隔操作画面を表示させ、当該遠隔操作画面に表示されているアイコンへの操作態様に基づいて、遠隔指示信号SGbを生成する。そして、通信装置CPU31は、通信装置通信部35を用いて、生成された遠隔指示信号SGbを送信する。これにより、操作コントローラ40ではなく通信装置30を用いて、フォークリフト20を遠隔操作できる。
【0179】
なお、通信装置30に対する操作としては、遠隔操作画面に表示されているアイコンへの操作に限られず任意であり、例えば通信装置30に操作用のインターフェースが設けられていてもよい。要は、通信装置30は、操作者によって操作されるものであって操作態様を検知する操作検知部を有していればよい。
【0180】
○ 産業車両用遠隔操作システム10は、操作コントローラ40を用いたフォークリフト20の遠隔操作、及び、通信装置30を用いたフォークリフト20の遠隔操作の双方が実行可能に構成されていてもよい。詳細には、通信装置CPU31は、操作信号SGxを遠隔指示信号SGbに変換する機能と、上記操作検知部の検知結果に基づいて遠隔指示信号SGbを生成する機能と、を有していてもよい。すなわち、操作コントローラ40及び通信装置30の少なくとも一方を用いてフォークリフト20を遠隔操作できればよい。
【0181】
本別例においては、遠隔操作を行うフォークリフト20の型式や使用態様に応じて、操作コントローラ40を用いて遠隔操作を行うか、通信装置30を用いて遠隔操作を行うかを選択できるため、利便性の更なる向上を図ることができる。例えば比較的単純な遠隔操作を行う場合には、操作コントローラ40を用い、比較的複雑な遠隔操作を行う場合には、通信装置30を用いる等といったことが可能となる。
【0182】
なお、操作コントローラ40及び通信装置30の双方を遠隔操作に用いることができる構成においては、第2実施形態のように、通信装置CPU31は、操作コントローラ40又は通信装置30のいずれを用いて遠隔操作を行うのかを選択する選択処理を実行するとよい。これにより、遠隔操作に使用するコントローラを切り替えることができる。すなわち、通信装置30がフォークリフト20を遠隔操作できる場合には、通信装置30が、選択処理における選択肢の1つになり得る。
【0183】
但し、通信装置30の構成の簡素化の点に着目すれば、通信装置30は、直接的にフォークリフト20を遠隔操作するように構成されていない方が好ましい。
○ 変換プログラムTPの具体的な構成は、任意であり、例えば数式などで構成されたプログラムでもよいし、操作信号SGxのデータ内容と遠隔操作用データのデータ内容とが対応付けられたテーブル式のプログラムでもよい。制御用変換プログラムTPaについても同様である。
【0184】
○ 車両通信部28と通信装置通信部35とは有線通信を行う構成でもよいし、有線通信及び無線通信の双方を行う構成でもよい。
○ 通信装置30は、フォークリフト20に着脱可能に構成されていてもよい。例えば、フォークリフト20に、通信装置30が設置される車両側コネクタ付きの設置台が設けられていてもよい。この場合、通信装置30は、当該通信装置30が設置台に設置された場合に、通信装置30とフォークリフト20とを電気的に接続する通信装置側コネクタを有しているとよい。これにより、通信装置30を設置台に設置することにより、通信装置30とフォークリフト20との間で信号のやり取りが可能となる。
【0185】
○ 各実施形態では、操作者の要求を受け付けたり、操作コントローラ40を選択させたりするのに、タッチパネル37,61が用いられたが、これに限られず、タッチパネル37,61以外のものを用いてもよい。要は、要求受付部は、操作者の要求を受け付けることができれば、その具体的な構成は任意である。同様に、選択部は、操作者が選択できるように構成されていれば、その具体的な構成は任意である。
【0186】
○ 使用可能な操作コントローラ40の種類数の最大値は、任意であり、例えば3種類以上であってもよい。また、使用可能な操作コントローラ40の種類数の最大値は、1種類でもよい。この場合であっても、変換プログラム記憶領域33,63に記憶される変換プログラムTPを変更することによって、複数種類の操作コントローラ40を遠隔操作に用いることができる。
【0187】
○ 車両通信部28は、送信用検知信号を通信装置30に送信しなくてもよい。
○ 第1実施形態及び第2実施形態において、変換プログラム更新処理における変更に係る処理(ステップS207〜ステップS209)を省略してもよい。この場合、通信装置CPU31は、追加処理と削除処理とを行うとよい。また、通信装置CPU31は、使用可能な操作コントローラ40の追加又は削除のいずれか一方のみを行う構成でもよい。但し、利便性の観点に着目すれば、通信装置CPU31は、追加と削除との双方を実行可能であると好ましい。第3実施形態についても同様である。
【0188】
○ 第1実施形態及び第2実施形態において、操作コントローラ40と受付部38とが無線で接続される場合には、通信装置通信部35が受付部38として機能してもよい。
○ 第1実施形態及び第2実施形態において、受付部38とプログラム取得部36とは、物理的に、別体であってもよいし一体でもよい。例えば、受付部38が、操作コントローラ40と有線で接続するのに用いられるコネクタである場合、当該コネクタが、変換プログラムTPが記憶された記憶媒体と接続される構成でもよい。この場合、コネクタが、受付部38及びプログラム取得部36として機能する。第3実施形態についても同様である。
【0189】
○ 第1実施形態及び第2実施形態において、通信装置通信部35が変換プログラムTPを取得する構成でもよい。この場合、通信装置通信部35が「取得部」に対応する。
○ 受付部38は、複数種類の操作コントローラ41,42から出力されるデータ形式が相違する複数種類の操作信号SGx1,SGx2を受け付けることができればよく、同時に複数種類の操作コントローラ41,42と接続される必要はない。例えば、受付部38は、両操作コントローラ41,42と有線で接続可能な汎用コネクタを1つのみ有している構成でもよい。この場合であっても、受付部38は、汎用コネクタで接続される操作コントローラ40を切り替えることにより、種類が異なる両操作信号SGx1,SGx2を受け付けることができる。なお、例えば受付部38が汎用コネクタを有する構成においては、受付部38は、当該汎用コネクタを介して接続可能な操作コントローラ40からの操作信号SGxを受け付ける。
【0190】
また、例えば受付部38がWi−Fi規格などの所定の無線規格で接続可能な無線機を有する場合、受付部38は、当該無線機と無線接続可能な複数種類の操作コントローラ40からの複数種類の操作信号SGxを受け付けることとなる。換言すれば、受付部38に実際に接続されている操作コントローラ40の数と、受付部38が受付可能な操作信号SGxの数とは一致していなくてもよい。換言すれば、受付部38は、操作信号SGxが入力されることを許容する入力許容部とも言える。
【0191】
○ 第1実施形態及び第2実施形態において、通信装置CPU31は、変換プログラム更新処理を自動で実行してもよい。すなわち、操作者の要求操作は必須ではなく、変換プログラム更新処理の実行契機は任意である。例えば、通信装置CPU31は、サーバ等から追加要求等があった場合に変換プログラム更新処理を実行してもよい。第3実施形態についても同様である。
【0192】
○ 第2実施形態では、使用可能な操作コントローラ40が2種類である場合を示したが、種類数は2種類に限られず、3種類以上でもよい。この場合、3種類以上の操作コントローラ40のうち1種類又は複数種類の操作コントローラ40を選択してもよい。要は、選択操作コントローラ40mは1種類に限られない。
【0193】
○ 第3実施形態では、通信装置30を省略し、操作コントローラ40の操作信号SGxが直接フォークリフト20に入力される構成でもよい。この場合、フォークリフト20は、車両通信部28とは別に、操作コントローラ40の操作信号SGxを受け付ける受付部を有していてもよい。更に、フォークリフト20が車両通信部28とは別に受付部を有している構成においては、車両通信部28を省略してもよい。
【0194】
○ 第3実施形態では、車両通信部28がプログラム取得部62として機能してもよい。詳細には、制御用変換プログラムTPaがサーバに保存されている場合、車両通信部28が上記サーバにアクセスするように構成されていてもよい。
【0195】
○ 第3実施形態において、車両CPU25は、操作信号SGxを遠隔指示信号SGbに変換する信号変換処理と、遠隔指示信号SGbを制御信号SGaに変換する信号変換処理とを実行する構成でもよい。すなわち、操作信号SGxから制御信号SGaを直接変換することは必須ではない。
【0196】
○ 変換プログラム記憶領域33,63に変換プログラムTP,TPaが記憶されていない状態であってもよい。この場合であっても、プログラム取得部36,62を用いて所望の変換プログラムTP,TPaが取得され、取得された変換プログラムTP,TPaが変換プログラム記憶領域33,63に追加されれば、信号変換が可能となる。すなわち、「記憶部の記憶情報を更新する」とは、記憶部に変換プログラムが記憶されている状態において変換プログラムの追加、削除、又は変更を行う態様と、記憶部に変換プログラムが記憶されていない状態から変換プログラムを追加する態様とを含む。
【0197】
○ 産業車両は、フォークリフト20に限られず任意である。また、産業車両は、予め定められた走行パターンで走行する自動運転機能を有していてもよい。
○ 第1及び第2実施形態では、遠隔指示信号SGbと制御信号SGaとが1対1で対応付けられて設定されていたが、これに限られず、1つの遠隔指示信号SGbに複数の制御信号SGaが対応付けられて設定されてもよいし、その逆でもよい。また、通信装置CPU31は、通信装置通信部35を用いて、複数の遠隔指示信号SGbを1つのパケットデータにまとめて車両通信部28に向けて送信するようにしてもよい。この場合、車両信号変換部29は、車両通信部28にて受信された上記パケットデータを展開して複数の制御信号SGaを導出してもよい。
【0198】
○ 第1及び第2実施形態において、操作信号SGxに識別情報が含まれていなくてもよい。この場合、通信装置CPU31は、例えば、受付部38に入力された操作信号SGxのプロトコルに基づいて、操作コントローラ40を把握してもよい。詳細には、通信装置メモリ32には、複数種類の操作コントローラ40と操作信号SGxのプロトコル情報とが対応付けられたデータが記憶されており、通信装置CPU31は、上記データを参照することにより、受付部38に入力された操作信号SGxのプロトコルと一致するプロトコルの操作信号SGxを出力する操作コントローラ40を導出する。これにより、通信装置30が識別情報を用いることなく操作コントローラ40を把握できる。第3実施形態についても同様である。
【0199】
なお、本別例においては、プロトコルに代えて、操作コントローラ40と通信装置30との接続に用いられるアドレス(例えばMACアドレス)を用いて、接続される操作コントローラ40を把握してもよい。
【0200】
○ 第2実施形態において、例えば、
図11に示すように、通信装置CPU31は、ステップS303の実行後には、ステップS501にて、受付部38への選択操作信号SGxmの入力が許容される一方、選択操作信号SGxm以外の操作信号SGxの入力が禁止されるように受付部38を制限する制限処理を実行してもよい。例えば、通信装置CPU31は、選択操作信号SGxmを出力する選択操作コントローラ40mについては受付部38との通信接続が可能となる一方、選択操作コントローラ40m以外の操作コントローラ40については受付部38との通信接続が禁止されるように受付部38を制限してもよい。これにより、ステップS101,S401の処理を実行することなく、(12)の効果を得ることができる。
【0201】
なお、本別例においては、ステップS301〜S303の処理を実行する通信装置CPU31が「選択部」に対応し、ステップS501の制限処理を実行する通信装置CPU31が「制限部」に対応する。
【0202】
○ 上記各実施形態及び上記各別例を適宜組み合わせてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)第2信号変換部が変換可能な操作信号の追加要求、削除要求又は変更要求に関する要求操作を受け付ける要求受付部を備え、更新部は、要求受付部によって受け付けられた要求操作に基づいて、記憶部の記憶情報を更新するとよい。
【0203】
(ロ)車両通信部を有する産業車両と、前記産業車両の遠隔操作に用いられる通信装置と、を備えた産業車両用遠隔操作システムであって、前記産業車両は、予め定められたデータ形式の遠隔指示信号を当該遠隔指示信号とは異なるデータ形式の制御信号に変換する第1信号変換部を備え、前記第1信号変換部によって変換された前記制御信号に基づいて動作するものであり、前記通信装置は、第1操作コントローラから出力される第1データ形式の第1操作信号、又は、第2操作コントローラから出力される第2データ形式の第2操作信号が入力される受付部と、前記第1操作信号を前記遠隔指示信号に変換するための第1変換プログラム、及び、前記第2操作信号を前記遠隔指示信号に変換するための第2変換プログラムが記憶されている記憶部と、前記受付部に前記第1操作信号が入力された場合には、前記第1変換プログラムを用いて、前記第1操作信号を前記遠隔指示信号に変換し、前記受付部に前記第2操作信号が入力された場合には、前記第2変換プログラムを用いて、前記第2操作信号を前記遠隔指示信号に変換する第2信号変換部と、を備えていることを特徴とする産業車両用遠隔操作システム。
【0204】
(ハ)予め定められたデータ形式の遠隔指示信号を受信する車両通信部と、前記遠隔指示信号を当該遠隔指示信号とは異なるデータ形式の制御信号に変換する第1信号変換部とを備え、前記第1信号変換部によって変換された前記制御信号に基づいて動作する産業車両の遠隔操作に用いられる通信装置であって、第1操作コントローラから出力される第1データ形式の第1操作信号、又は、第2操作コントローラから出力される第2データ形式の第2操作信号が入力される受付部と、前記第1操作信号を前記遠隔指示信号に変換するための第1変換プログラム、及び、前記第2操作信号を前記遠隔指示信号に変換するための第2変換プログラムが記憶されている記憶部と、前記受付部に前記第1操作信号が入力された場合には、前記第1変換プログラムを用いて、前記第1操作信号を前記遠隔指示信号に変換し、前記受付部に前記第2操作信号が入力された場合には、前記第2変換プログラムを用いて、前記第2操作信号を前記遠隔指示信号に変換する第2信号変換部と、を備えていることを特徴とする通信装置。
【0205】
(ニ)制御信号に基づいて動作する産業車両であって、第1操作コントローラから出力される第1データ形式の第1操作信号、又は、第2操作コントローラから出力される第2データ形式の第2操作信号が入力される受付部と、前記第1操作信号を前記制御信号に変換するための第1変換プログラム、及び、前記第2操作信号を前記制御信号に変換するための第2変換プログラムが記憶されている記憶部と、前記受付部に前記第1操作信号が入力された場合には、前記第1変換プログラムを用いて、前記第1操作信号を前記制御信号に変換し、前記受付部に前記第2操作信号が入力された場合には、前記第2変換プログラムを用いて、前記第2操作信号を前記制御信号に変換する第2信号変換部と、を備えていることを特徴とする産業車両。
【0206】
なお、(ロ)〜(ニ)の構成に着目すれば、プログラム取得部36,62及び変換プログラム更新処理(更新処理実行プログラム34b,64b)は必須ではない。