(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
導線を複数周巻回して形成され、スロット収容予定部とコイルエンド予定部とを有する同芯巻きコイルを、バックヨークからそれぞれ径方向内側へ向かって延びる隣接するティース間に形成されるスロットであって、該スロット同士の間隔が径方向外側に向かうほど広くなるように形成された円環状のステータコアに装着するステータ組立方法であって、
複数の前記同芯巻きコイルが円環状に配置されたコイルアッセンブリを形成する工程と、
前記ステータコアの内径側の空間に配置された前記コイルアッセンブリを形成する複数の前記同芯巻きコイルを外径側に押出し、前記ステータコアの前記スロットに挿入する工程と、を備え、
複数の前記同芯巻きコイルのそれぞれは、前記コイルエンド予定部に、軸方向外側に向く頂点部を有しており、複数の前記同芯巻きコイルのそれぞれの軸方向両側の前記コイルエンド予定部の前記頂点部間の軸方向距離が、前記ステータコアの外径側に装着される導線から、前記ステータコアの内径側に装着される導線にかけて徐々に短くなるように形成されており、
複数の前記同芯巻きコイルのそれぞれは、前記ステータコアへの装着の後、前記軸方向距離が、前記ステータコアの内径側に装着される導線から前記ステータコアの外径側に装着される導線にかけて一致するように構成されている
ことを特徴とするステータ組立方法。
複数の前記同芯巻きコイルのそれぞれは、周方向両側の前記スロット収容予定部の間の周方向における離間距離が、前記ステータコアの内径側に装着される導線から前記ステータコアの外径側に装着される導線にかけて徐々に長くなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のステータ組立方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明のステータ組立方法が適用される平角線同芯巻きコイル10の一実施例の構成図を示す。
図2は、本実施例の平角線同芯巻きコイル10の、リード線部の曲げ加工前後における斜視図を示す。
図3A及び
図3Bは、本実施例の平角線同芯巻きコイル10の、ステータコアへの装着の前の状態を表した図を示す。
図3Aには斜視図を示し、
図3Bには、ステータ軸中心側から径方向外側を見た際の正面図と、ステータ軸方向側から見た際の図と、ステータ周方向側から見た際の図の3面図を示す。
図4A乃至
図4Bは、本実施例における周方向に隣接する2つの平角線同芯巻きコイル10の位置関係を表した図を示す。尚、
図4Aにはステータ軸中心側から径方向外側を見た際の正面図を、また、
図4Bにはステータ軸方向側から見た際の図を、それぞれ示す。また、
図5は、本実施例において複数の平角線同芯巻きコイル10から円環籠状のコイルアッセンブリを形成する手順の一例を表した図を示す。
【0012】
本実施例の平角線同芯巻きコイル10は、ステータ12に用いられるステータコイルである。ステータ12は、例えば三相交流モータなどの回転電機に用いられる固定子である。ステータ12は、回転子であるロータに対して径方向外側に所定のエアギャップを介して配置された、通電によってロータを回転させる磁界を発生する部材である。ステータ12は、平角線同芯巻きコイル10と、ステータコア14と、を備えている。
【0013】
ステータコア14は、中空円筒状に形成された部材である。ステータコア14の内径側には、ロータを収容するための空間(内径側空間)18が形成されている。尚、ステータコア14は、絶縁コーティングされた複数の電磁鋼板を軸方向に積層して形成されていてもよい。また、ステータコア14の径方向外側端面には、絶縁コーティングされた軟磁性体粉末を圧縮成型した材料で形成された円筒状のヨークが取り付けられていてもよい。
【0014】
ステータコア14は、円環状に形成されるバックヨーク20と、バックヨーク20の径方向内側端面から径方向内側(軸中心側)へ向けて延びるティース22と、を有している。ティース22は、バックヨーク20に対して周方向に複数(例えば、48個)設けられており、周方向に沿って等間隔で設けられている。周方向に隣接する2つのティース22の間には、平角線同芯巻きコイル10が保持されるスロット24が形成されている。各スロット24は、軸中心側に開口しており、径方向外側に向けて延びている。各スロット24は、周方向幅が径方向位置に関係なく略同じ或いは径方向外側ほど小さくなるように形成されている。ステータコア14は、複数のスロット24が軸中心から放射状に延びるように構成されている。
【0015】
ステータコア14には、ステータ12をモータケースに取り付け固定するための耳部26が設けられている。耳部26は、ステータコア14本体(具体的には、バックヨーク20)の径方向外側端面(外周面)から径方向外側へ向けて突出した山型形状に形成されている。耳部26は、周方向に離れて複数箇所(例えば3箇所)設けられている。各耳部26には、軸方向に貫通する貫通穴28が設けられている。ステータ12は、耳部26の貫通穴28を貫通するボルトがモータケースを介してナット締結されることによりモータケースに固定される。
【0016】
また、平角線同芯巻きコイル10は、断面が矩形状(具体的には、長方形)に形成された平角線により構成されている。この平角線は、導電性の高い例えば銅やアルミニウム等の金属により構成されている。尚、この平角線の断面角部は、R加工されていてもよい。平角線同芯巻きコイル10は、ステータコア14に対して周方向に複数(例えば、48個)配設される。
【0017】
各平角線同芯巻きコイル10はそれぞれ、所定複数周(例えば5周)巻回された平角線が曲げ加工されることにより成形されるカセットコイルである。各平角線同芯巻きコイル10はそれぞれ、一本の直線状の平角線が巻線形成装置により楕円形状に形成されつつ所定複数周巻回された後に成形装置により略六角形状又は略八角形状に曲げ加工されることにより成形される。
【0018】
各平角線同芯巻きコイル10はそれぞれ、スロット収容部30,32と、コイルエンド部34,36と、を有している。スロット収容部30,32はそれぞれ、ステータコア14のスロット24内に挿入(収容)される、そのスロット24を軸方向に貫くように略直線状に延びる部位である。同一の平角線同芯巻きコイル10において、スロット収容部30とスロット収容部32とは、ステータコア14の周方向に所定距離離れた互いに異なるスロット24に収容される。コイルエンド部34,36はそれぞれ、スロット収容部30,32に接続すると共に、ステータコア14の軸方向端面から軸方向外側に向けて突出した、周方向に離れた2つのスロット収容部30,32同士を繋ぐように湾曲する部位である。
【0019】
各平角線同芯巻きコイル10は、平角線の断面短辺方向に複数本の平角線が積層されるように構成されていると共に、平角線が積層される積層方向に隣り合う平角線間に所定の隙間が形成されるように構成されている。各平角線同芯巻きコイル10は、2つのスロット収容部30,32の周方向における離間距離(すなわち、周方向に沿った離間距離或いは軸中心から見た際の離間距離)が積層方向位置に応じて変化するように断面台形状に形成されている。この断面台形状の形成は、平角線同芯巻きコイル10のスロット収容部30,32をそれぞれ適切にスロット24に収容するために行われるものである。各平角線同芯巻きコイル10は、平角線の積層方向がステータコア14の軸方向に直交する径方向に一致するようにステータコア14に組み付けられる。
【0020】
各平角線同芯巻きコイル10のコイルエンド部34,36はそれぞれ、複数の相異なる非直線形状に形成される。具体的には、コイルエンド部34,36はそれぞれ、例えば3種類の非直線形状に形成されるものであって、ステータコア14の径方向に向けて階段状に屈曲するクランク状にクランク成形され、円環状のステータコア14の円弧に合わせて湾曲する円弧状に円弧成形されると共に、平角線の断面長手方向に屈曲する屈曲状にエッジワイズ成形される。クランク成形は、平角線の積層方向への導線間のレーンチェンジのために行われる曲げ加工である。円弧成形は、平角線同芯巻きコイル10をスロット24内に効率的に収容するために行われる曲げ加工である。また、エッジワイズ成形は、複数の平角線同芯巻きコイル10を効率的に配置するために行われる曲げ加工である。
【0021】
各平角線同芯巻きコイル10は、平角線の両端に形成されたリード線部40,42を有している。リード線部40は、スロット24に収容されるスロット収容部30の先端側に接続された部位である。リード線部42は、スロット24に収容されるスロット収容部32の先端側に接続された部位である。リード線部40,42はそれぞれ、スロット収容部30,32がステータコア14のスロット24に収容された際にステータコア14の軸方向端面から軸方向に向けて突出する部位である。リード線部40,42は共に、コイルエンド部36側において軸方向に向けて突出するものとする。
【0022】
リード線部40は、平角線が所定複数周巻回された平角線同芯巻きコイル10における内径側に位置する先端部である。リード線部42は、その平角線同芯巻きコイル10における外径側に位置する先端部である。以下適宜、リード線部40を内径側リード線部40と、リード線部42を外径側リード線部42と、それぞれ称す。リード線部40,42は、平角線同芯巻きコイル10が成形装置により略六角形状又は略八角形状に曲げ加工された直後は、略直線状に延びるように形成されており、平角線同芯巻きコイル10がステータコア14に装着されてスロット収容部30,32がステータコア14のスロット24に収容されているものとすれば、軸方向に向けて略直線状に延びるように形成されている。
【0023】
リード線部40,42は、平角線同芯巻きコイル10が成形装置により略六角形状又は略八角形状に曲げ加工された後、複数の平角線同芯巻きコイル10によりコイルアッセンブリ44が構成される前において、
図2及び
図3A及び
図3Bに示す如く、屈曲されて曲げ変形される。尚、リード線部40,42は、コイルアッセンブリ44が構成されてその後ステータコア14のスロット24に各平角線同芯巻きコイル10が挿入された後も、屈曲されて最終的な所望形状に曲げ加工される。
【0024】
例えば、コイルアッセンブリ44が構成される前において、
図2及び
図3A及び
図3Bに示す如く、内径側リード線部40は、まず、スロット収容部30との接続部位において平角線のエッジワイズ方向の周方向外側に曲げ変形され、次に、その曲げ部よりも先端側に位置する部位において平角線のエッジワイズ方向の周方向内側に曲げ変形され、その後、その曲げ部よりも先端側に位置する部位において平角線のエッジワイズ方向の周方向外側に曲げ変形され、最後に、その曲げ部よりも先端側に位置する部位において平角線のエッジワイズ方向の周方向内側に曲げ変形される。尚、内径側リード線部40の各曲げ部の位置及び曲げ変形度合いは、平角線同芯巻きコイル10の最終的な所望形状などに合わせたものに設定される。
【0025】
また、外径側リード線部42は、まず、スロット収容部32との接続部位近傍において平角線のエッジワイズ方向の周方向外側に曲げ変形され、次に、その曲げ部よりも先端側に位置する部位において平角線のエッジワイズ方向の周方向内側に曲げ変形され、最後に、その曲げ部よりも先端側に位置する部位において平角線のフラットワイズ方向の径方向外側に曲げ変形される。尚、外径側リード線部42の各曲げ部の位置及び曲げ変形度合いは、平角線同芯巻きコイル10の最終的な所望形状などに合わせたものに設定される。
【0026】
平角線同芯巻きコイル10は、周方向に複数配置されることにより円環籠状のコイルアッセンブリ44を構成する。コイルアッセンブリ44は、各平角線同芯巻きコイル10がリード線部40,42において上記の如く屈曲されて曲げ変形された後、それら複数の平角線同芯巻きコイル10が周方向に並んで円環状に配置されることにより円環籠状に形成される。このコイルアッセンブリ44の形成は、以下の(i)〜(iii)に示す内容が実現されるように行われる。
【0027】
(i)複数の平角線同芯巻きコイル10は、ステータコア14に対して収容されるスロット24を周方向に一つずつずらしながら配置される(
図4A参照)。(ii)互いに周方向に隣接して配置される2つの平角線同芯巻きコイル10同士は、各段の平角線が積層方向(すなわち、径方向)に交互に重なるように組み付けられる(
図4B参照)。(iii)互いに周方向に所定距離離れて配置される2つの平角線同芯巻きコイル10同士は、一方のコイル10のスロット収容部30の各段の平角線と他方のコイル10のスロット収容部32の各段の平角線とが同じスロット24において積層方向(すなわち径方向)に交互に並ぶように組み付けられる。上記(ii)に示す組み付けが行われた後は、コイルアッセンブリ44の、互いに周方向に隣接して配置される2つの平角線同芯巻きコイル10のスロット収容部30,32の間に、ステータコア14のティース22が挿入配置されるティース穴46が形成される。
【0028】
尚、各平角線同芯巻きコイル10はそれぞれ、ステータ12が例えば三相交流モータに適用される場合は、U相コイル、V相コイル、及びW相コイルの何れかを構成する。例えば、コイルアッセンブリ44は、平角線同芯巻きコイル10であるU相コイル、V相コイル、及びW相コイルの同相のコイルが2個ずつ周方向に並んで配置されることにより、周方向に並んだ6つの平角線同芯巻きコイル10で一極が形成されるように構成される。
【0029】
ステータ12は、また、ステータコア14と各平角線同芯巻きコイル10との電気的絶縁性を確保するための絶縁部材48を備えている。絶縁部材48は、ステータコア14のスロット24の形状に合致した形状を有し、スロット24ごとに装着される断面コの字状に形成されたスロットセルである。絶縁部材48は、紙や樹脂(例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂など)などにより構成された薄膜状に形成された部材である。絶縁部材48は、
図5に示す如く、所定複数の平角線同芯巻きコイル10からなる円環籠状のコイルアッセンブリ44が形成された後、その各平角線同芯巻きコイル10のスロット収容部30,32にそのスロット収容部30,32の外径側から内径側へ向けて挿入されることによりコイルアッセンブリ44に装着される。
【0030】
次に、本実施例においてステータ12を製造する手順(ステータ組立方法)について説明する。
【0031】
本実施例において、ステータ12は、ステータコア14にコイルアッセンブリ44の平角線同芯巻きコイル10を装着すること、すなわち、ステータコア14の各スロット24に対して各平角線同芯巻きコイル10のスロット収容部30,32を挿入することにより組み立てられる。
【0032】
コイルアッセンブリ44は、各平角線同芯巻きコイル10のスロット収容部30,32がステータコア14の各スロット24へ挿入される前は、挿入された後に比べて、各平角線同芯巻きコイル10の2つのスロット収容部30,32の離間距離が小さくかつ軸方向長さ(具体的には、コイルエンド部34の軸方向先端(頂点部34a)とコイルエンド部36の軸方向先端(頂点部36a)との間の軸方向距離)が大きいことにより、全体の外径が小さくなる(具体的には、全体の外径がステータコア14のティース22の内径に比して僅かに小さくなる)ように構成されている。
【0033】
以下、便宜的に、スロット収容部30,32がステータコア14の各スロット24へ挿入される前のコイルアッセンブリ44を初期コイルアッセンブリ44と、スロット収容部30,32がステータコア14の各スロット24へ挿入された後のコイルアッセンブリ44を挿入後コイルアッセンブリ44と、それぞれ称す。また、スロット収容部30,32がステータコア14の各スロット24へ挿入される前の平角線同芯巻きコイル10を挿入前コイル10と、スロット収容部30,32がステータコア14の各スロット24へ挿入された後の平角線同芯巻きコイル10を挿入後コイル10と、それぞれ称す。
【0034】
本実施例においては、複数の挿入前コイル10が円環状に配置されかつ平角線同芯巻きコイル10のスロット収容部30,32に絶縁部材48が装着された円環籠状の初期コイルアッセンブリ44と、円筒状のステータコア14と、を用意する。初期コイルアッセンブリ44は、上記の如く、その外径がステータコア14のティース22の内径に比して僅かに小さくなるように構成される。そこで、まず、初期コイルアッセンブリ44に対して、その挿入前コイル10のリード線部40,42が設けられていないコイルエンド部34側の軸方向側から、内径側空間18にその初期コイルアッセンブリ44が挿入されるようにステータコア14を組み付ける。かかる組み付けが行われると、ステータコア14の内径側空間18に初期コイルアッセンブリ44が配置されることとなる。
【0035】
上記した初期コイルアッセンブリ44とステータコア14との挿入配置が行われた後、初期コイルアッセンブリ44とステータコア14とを互いに周方向で位置決めし、その初期コイルアッセンブリ44を構成する各挿入前コイル10のコイルエンド部34,36に治具を押し当てて各コイルエンド部34,36を径方向外側へ押圧する。挿入前コイル10のコイルエンド部34,36が径方向外側へ押圧されると、そのコイルエンド部34,36の押圧に追従してそれらのコイルエンド部34,36に繋がるスロット収容部30,32が径方向外側へ向けて引っ張られるので、そのスロット収容部30,32がスロット24に挿入される。
【0036】
このスロット収容部30,32のスロット24への挿入は、円環籠状の初期コイルアッセンブリ44を構成するすべての平角線同芯巻きコイル10に対して行われる。すべての平角線同芯巻きコイル10が径方向外側へ向けて放射状に押し出されると、各平角線同芯巻きコイル10がステータコア14に組み付けられてそのステータコアに装着されるものとなる。
【0037】
上記のスロット収容部30,32のスロット24への挿入過程において時間の経過に伴って、各平角線同芯巻きコイル10は、スロット収容部30とスロット収容部32との離間距離が徐々に拡大され、かつ、コイルエンド部34の頂点部34aとコイルエンド部36の頂点部36aとの軸方向距離が徐々に小さくなるように曲げ変形する。この際、平角線同芯巻きコイル10は、コイルエンド部34側とコイルエンド部36側とで略同じように曲げ変形する。
【0038】
かかるステータ組立手法によれば、互いに周方向位置を異ならせて配置される2つの平角線同芯巻きコイル10同士の組み付けが、スロット収容部30,32の平角線が同じスロット24において径方向に交互に並ぶように行われると共に、所定複数の平角線同芯巻きコイル10が円環状に配置される初期コイルアッセンブリ44を形成した後、その初期コイルアッセンブリ44を中空円筒状のステータコア14の内径側空間18に配置した状態で、そのコイルアッセンブリ44を構成する複数の平角線同芯巻きコイル10のスロット収容部30,32をそのステータコア14のスロット24へ挿入することができ、そのコイルアッセンブリ44を構成する平角線同芯巻きコイル10をステータコア14に組み付けることができる。
【0039】
図6A及び
図6Bは、本実施例の平角線同芯巻きコイル10の、ステータコア14への装着の前の状態を表した図を示す。
図7A及び
図7Bは、本実施例の平角線同芯巻きコイル10の、ステータコア14への装着の後の状態を表した図を示す。尚、
図6A及び
図7Aには平角線同芯巻きコイル10の斜視図を、また、
図6B及び
図7Bにはコイルエンド部34,36の拡大断面図を、それぞれ示す。
図8A及び
図8Bは、本実施例の平角線同芯巻きコイル10のコイルエンド部34,36の、ステータコア14への装着の前の状態を表した模式図を示す。また、
図9A及び
図9Bは、本実施例の平角線同芯巻きコイル10のコイルエンド部34,36の、ステータコア14への装着の後の状態を表した模式図を示す。尚、
図8A及び
図9Aにはコイルエンド部34,36を径方向内側から径方向外側へ見た際の図を、また、
図8B及び
図9Bにはコイルエンド部34,36を軸方向に見た際の図を、それぞれ示す。
【0040】
尚、以下、挿入前コイル10のスロット収容部30,32をスロット収容予定部30,32と、挿入前コイル10のコイルエンド部34,36をコイルエンド予定部34,36と、それぞれ称す。また、ステータコア14の最内径側に装着される平角線を平角線10aと、ステータコア14の最外径側に装着される平角線を平角線10bと、それぞれ称す。
【0041】
本実施例において、
図6A及び
図6Bに示す如く、挿入前コイル10は、コイルエンド予定部34,36に平角線10aから平角線10bにかけて段差が生ずるように形成されている。具体的には、挿入前コイル10は、コイルエンド予定部34のスロット収容予定部30,32との接続位置から頂点部34aの位置までの軸方向距離(高さ)が内径側の平角線10aから外径側の平角線10bにかけて徐々に大きくなり、かつ、コイルエンド予定部36のスロット収容予定部30,32との接続位置から頂点部36aの位置までの軸方向距離(高さ)が内径側の平角線10aから外径側の平角線10bにかけて徐々に大きくなるように形成されている。すなわち、挿入前コイル10は、コイルエンド予定部34の頂点部34aとコイルエンド予定部36の頂点部36aとの軸方向距離が平角線10aから平角線10bにかけて徐々に長くなるように形成されている。
【0042】
挿入前コイル10は、挿入後コイル10に比べて、2つのスロット収容予定部30,32の離間距離が小さくかつコイルエンド予定部34の軸方向先端である頂点部34aとコイルエンド予定部36の軸方向先端である頂点部36aとの間の軸方向距離が大きいように構成される。挿入前コイル10からなる初期コイルアッセンブリ44は、全体の外径がステータコア14のティース22の内径に比して僅かに小さくなるように構成される。
【0043】
そして、平角線同芯巻きコイル10は、スロット収容部30,32のスロット24への挿入過程において時間の経過に伴って、スロット収容予定部30とスロット収容予定部32との離間距離が徐々に拡大され、かつ、コイルエンド予定部34の頂点部34aとコイルエンド予定部36の頂点部36aとの軸方向距離が徐々に小さくなるように曲げ変形される(挿入後コイル10)。
【0044】
上記した挿入前コイル10において、最内径側の平角線10aから最外径側の平角線10bにかけての、コイルエンド予定部34,36のスロット収容予定部30,32との接続位置から頂点部34a,36aの位置までの軸方向距離の相違すなわちコイルエンド予定部34の頂点部34aとコイルエンド予定部36の頂点部36aとの軸方向距離の相違は、スロット収容予定部30,32がスロット24に挿入された後にすべての平角線における上記の軸方向距離が互いに一致するように設定される。具体的には、各同芯巻きコイル10は、コイルの周長が、内径側の周の導線よりも外径側の周の導線の方が長くなるように設計されている。本例では、好ましい実施例として、各同芯巻きコイル10は、コイルの周長が、内径側から外径側に向かうにつれて、1周分の導線の長さが徐々に長くなる態様で、設計されている。コイルの周長とは、1周分の導線の長さであり、具体的には、スロット収容部30,32の各長さと、コイルエンド部34,36の各長さの合計に対応する。尚、コイルの周長の算出に当たり、1周の開始点(及び終了点)はどこにおいても良い。
【0045】
従って、平角線同芯巻きコイル10の、ステータコア14への装着の後において、
図7A及び
図7Bに示すように、コイルエンド予定部34,36に平角線10aから平角線10bにかけて段差が無くなる。この結果、コイルエンド部34,36の内径側の頂点部とステータコア14の端面との距離とコイルエンド部34,36の外径側の頂点部とステータコア14との距離は等しくなる。
【0046】
また、平角線同芯巻きコイル10の、ステータコア14への装着の後においても、各同芯巻きコイル10は、コイルの周長が、内径側から外径側に向かうにつれて、1周分の導線の長さが徐々に長くなる。具体的には、コイルの1周分の導線の長さ(スロット収容部30,32の各長さと、コイルエンド部34,36の各長さの合計)に関して、内径側のコイルも外径側のコイルもスロット収容部30,32の各長さ同じであるが、内径側のコイルと外径側のコイルとではコイルエンド部34,36の各長さが異なる。(詳細は、
図9A及び
図9Bを参照し、後述する。)
上記した構造を有する平角線同芯巻きコイル10が挿入前コイル10から挿入後コイル10へ変わるとき、すなわち、かかる平角線同芯巻きコイル10のスロット収容予定部30,32がスロット24へ挿入される際、時間の経過に伴って、その平角線同芯巻きコイル10は、スロット収容予定部30とスロット収容予定部32との離間距離が徐々に拡大され、かつ、コイルエンド予定部34の頂点部34aとコイルエンド予定部36の頂点部36aとの軸方向距離が徐々に小さくなるように変形する。
【0047】
この際、平角線同芯巻きコイル10の変形は、最内径側の平角線10aの変形量と最外径側の平角線10bの変形量とが互いに異なり、最内径側の平角線10aの変形量が比較的小さくかつ最外径側の平角線10bの変形量が比較的大きくなるように行われる。すなわち、平角線同芯巻きコイル10の変形において、最内径側の平角線10aと最外径側の平角線10bとの間の平角線ごとに、スロット収容予定部30とスロット収容予定部32との離間距離の拡大量が異なり、かつ、コイルエンド予定部34の頂点部34aとコイルエンド予定部36の頂点部36aとの軸方向距離の縮小量が異なるものとなる。具体的には、最内径側の平角線10aから最外径側の平角線10bにかけて順に、スロット収容予定部30,32間の離間距離の拡大量が大きくなり、かつ、コイルエンド予定部34,36の頂点部34a,36a間の軸方向距離の縮小量が大きくなる。
【0048】
例えば
図8A及び
図8Bに示す如く、挿入前コイル10において、最内径側の平角線10aでのスロット収容予定部30,32間の離間距離をxaとし、最外径側の平角線10bでのスロット収容予定部30,32間の離間距離をxbとし、最内径側の平角線10aでのコイルエンド予定部34,36の、スロット収容予定部30,32との接続部位と頂点部34a,36aとの間である斜辺部の長さをyaとし、最外径側の平角線10bでのコイルエンド予定部34,36の、スロット収容予定部30,32との接続部位と頂点部34a,36aとの間である斜辺部の長さをybとし、スロット収容予定部30とスロット収容予定部32とが円弧成形における軸中心の周回りにおいてなす角度をθ1とし、最内径側の平角線10aでのコイルエンド予定部34,36の頂点部34a,36aと最外径側の平角線10bでのコイルエンド予定部34,36の頂点部34a,36aとの軸方向位置の違い(軸方向距離)をgとする。
【0049】
また
図9A及び
図9Bに示す如く、挿入後コイル10において、最内径側の平角線10aでのスロット収容部30,32間の離間距離をXaとし、最外径側の平角線10bでのスロット収容部30,32間の離間距離をXbとし、最内径側の平角線10aでのコイルエンド部34,36の、スロット収容部30,32との接続部位と頂点部34a,36aとの間である斜辺部の長さをYaとし、最外径側の平角線10bでのコイルエンド部34,36の、スロット収容部30,32との接続部位と頂点部34a,36aとの間である斜辺部の長さをYbとし、スロット収容部30とスロット収容部32とが円弧成形における軸中心(すなわち、ステータ12の軸中心)の周回りにおいてなす角度をθ2とし、最内径側の平角線10aでのコイルエンド部34,36の頂点部34a,36aと最外径側の平角線10bでのコイルエンド部34,36の頂点部34a,36aとの軸方向位置の違い(軸方向距離)をGとする。
【0050】
かかるパラメータ設定がなされた平角線同芯巻きコイル10では、θ1=θ2が成立し、ya=Yaかつyb=Ybが成立すると共に、xa/xb=Xa/Xbが成立する。そして、挿入前コイル10においては上記の軸方向距離gが“0”を超える値である一方、挿入後コイル10においては上記の軸方向距離Gがその軸方向距離gよりも小さい“0”となる。これは、
図8A及び
図8B及び
図9A及び
図9Bに示す如く径方向内側から見た場合にコイルエンド予定部34,36の形状が内径側と外径側とで異なることに起因するものである。
【0051】
このように、本実施例の平角線同芯巻きコイル10の構造においては、ステータコア14への装着前の挿入前コイル10を、コイルエンド予定部34の頂点部34aとコイルエンド予定部36の頂点部36aとの軸方向距離が最内径側の平角線10aから最外径側の平角線10bにかけて徐々に長くなるように形成することで、ステータコア14への装着後の挿入後コイル10を、コイルエンド部34のスロット収容部30,32との接続位置から頂点部34aの位置までの軸方向距離(高さ)及びコイルエンド部36のスロット収容部30,32との接続位置から頂点部36aの位置までの軸方向距離(高さ)が最内径側の平角線10aから最外径側の平角線10bにかけて一致するように曲げ変形させることができる。すなわち、その挿入後コイル10を、コイルエンド部34の頂点部34aとコイルエンド部36の頂点部36aとの軸方向距離が最内径側の平角線10aから最外径側の平角線10bにかけて一致するように曲げ変形させることができる。
【0052】
従って、本実施例によれば、平角線同芯巻きコイル10がステータコア14に装着された後、その平角線同芯巻きコイル10における、ステータコア14の端面からのコイルエンド部34,36の頂点部34a,36aの軸方向高さを、最内径側の平角線10aから最外径側の平角線10bにかけて揃えることができる。すなわち、平角線同芯巻きコイル10をステータコア14に装着したステータ12の外観形状を規則正しいものとすることができる。このため、本実施例によれば、後工程における生産設備や搬送治具などの構造を複雑にすることを回避できると共に、ステータの搬送や組み付けの作業性を向上させることができる。
【0053】
また、本実施例によれば、平角線同芯巻きコイル10における内径側の平角線10aに係る頂点部34a,36aの高さが、外径側の平角線10bに係る同高さよりも高くなるのが防止されるので、平角線同芯巻きコイル10における内径側の平角線10aに係る頂点部34a,36aの高さの増加を抑制し、コイルエンド部34の軸方向の寸法を短縮できる。
【0054】
ところで、リード線部40,42がスロット収容予定部30,32と同じように軸方向に直線状に延びたまま、平角線同芯巻きコイル10がステータコア14に装着されるものとすると、その平角線同芯巻きコイル10のスロット収容予定部30,32がスロット24へ挿入される際に、そのリード線部40,42がステータコア14に引っかからないため、そのリード線部40,42がスロット24に引き込まれるおそれがある。
【0055】
これに対して、本実施例において、初期コイルアッセンブリ44を構成する挿入前コイル10は、リード線部40,42がエッジワイズ方向又はフラットワイズ方向に曲げ変形されるように形成されている。かかる構造においては、平角線同芯巻きコイル10のスロット収容予定部30,32がスロット24へ挿入される際に、そのエッジワイズ方向又はフラットワイズ方向に曲げ変形されたリード線部40,42(特にそのリード線部40,42のスロット収容予定部30,32との接続部位)がステータコア14に引っ掛かるものとなる。このため、本実施例によれば、平角線同芯巻きコイル10のスロット収容予定部30,32がスロット24へ挿入される際に、リード線部40,42がスロット24に引き込まれるのを防止することができる。従って、平角線同芯巻きコイル10の曲げ加工の精度を向上させることができ、ステータコア14の端面からのコイルエンド部34,36の頂点部34a,36aの軸方向高さを最内径側の平角線10aから最外径側の平角線10bにかけて確実に揃えることが可能となる。
【0056】
また、本実施例において、挿入後の各同芯巻きコイル10は、軸方向距離については、内径側と外径側でほぼ同じとなるが、コイルエンド部34,36における径方向外側への倒れ方が、内径側よりも外径側の導線の方が大きくなるように構成されてもよい。これにより、コイルエンド部34,36における外径側において導線間の径方向の距離を内径側よりも大きくできる。この結果、コイルエンド部34,36の冷却の際、コイルエンド部34,36における外径側において導線間を通ってコイルエンド部34,36の内部(軸方向内側)へと冷却用オイルを効率的に導くことができ、冷却効率を高めることができる。また、このような径方向外側への倒れを許容しつつ軸方向距離が略同一となるので、かかる径方向外側への倒れを防止しつつ軸方向距離を同一にする場合に比べて、かかる径方向外側への倒れを防止するための治具及び工程が不要となり、生産性を高めることができる。
【0057】
尚、上記の実施例においては、挿入前コイル10のリード線部40,42が、
図3A及び
図3Bに示す如く屈曲されて曲げ変形されるものである。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、
図3A及び
図3Bに示す如きもの以外の形状に屈曲されて曲げ変形されるものであってもよい。
【0058】
また、上記の実施例においては、平角線同芯巻きコイル10のステータコア14への装着の前、内径側リード線部40が、エッジワイズ方向にのみ曲げ変形された形状を有すると共に、外径側リード線部42が、エッジワイズ方向及びフラットワイズ方向に曲げ変形された形状を有する。特に、内径側リード線部40の、スロット収容予定部30,32との接続部位がエッジワイズ方向に曲げ変形された形状を有すると共に、外径側リード線部42の、スロット収容予定部30,32との接続部位がエッジワイズ方向に曲げ変形された形状を有する。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、内径側リード線部40の、スロット収容予定部30,32との接続部位、及び、外径側リード線部42の、スロット収容予定部30,32との接続部位がフラットワイズ方向に曲げ変形された形状を有するものとしてもよい。
【0059】
尚、以上の実施例に関し、更に以下を開示する。
【0060】
[1]導線(10a)を複数周巻回して形成され、スロット収容予定部(30,32)とコイルエンド予定部(34,36)とを有する同芯巻きコイル(10)を、バックヨーク(20)からそれぞれ径方向内側へ向かって延びる隣接するティース(22)間に形成されるスロット(24)であって、該スロット(24)同士の間隔が径方向外側に向かうほど広くなるように形成された円環状のステータコア(14)に装着するステータ組立方法であって、
複数の前記同芯巻きコイル(10)が円環状に配置されたコイルアッセンブリを形成する工程と、
前記ステータコア(14)の内径側の空間に配置された前記コイルアッセンブリを形成する複数の前記同芯巻きコイル(10)を外径側に押出し、前記ステータコア(14)の前記スロット(24)に挿入する工程と、を備え、
複数の前記同芯巻きコイル(10)のそれぞれは、前記コイルエンド予定部(34,36)に、軸方向外側に向く頂点部(34a,36a)を有しており、複数の前記同芯巻きコイル(10)のそれぞれの軸方向両側の前記コイルエンド予定部(34,36)の前記頂点部(34a,36a)間の軸方向距離が、前記ステータコア(14)の外径側に装着される導線から、前記ステータコア(14)の内径側に装着される導線にかけて徐々に短くなるように形成されていることを特徴とするステータ組立方法。
【0061】
上記[1]記載の構成によれば、スロット収容予定部30,32がスロット24へ挿入されるとき、すなわち、周方向両側のスロット収容予定部30,32同士の離間距離が徐々に拡大されかつ軸方向両側のコイルエンド予定部34,36の頂点部34a,36a同士の軸方向距離が徐々に小さくなるとき、内径側の導線10aほど変形量が比較的小さくかつ外径側の導線10bほど変形量が比較的大きいものとなるので、ステータコアへの装着後、同芯巻きコイル10における内径側の導線に係る頂点部34a,36aの高さが、外径側の導線に係る同高さよりも高くなるのが防止される。これにより、同芯巻きコイル10における内径側の導線に係る頂点部34a,36aの高さの増加を抑制し、コイルエンド部34の軸方向の寸法を短縮できる。
【0062】
[2]上記[1]記載のステータ組立方法において、複数の同芯巻きコイル(10)のそれぞれは、周方向両側の前記スロット収容予定部(30,32)の間の周方向における離間距離が、前記ステータコア(14)の内径側に装着される導線(10a)から前記ステータコア(14)の外径側に装着される導線(10b)にかけて徐々に長くなるように形成されているステータ組立方法。
【0063】
[3]上記[1]又は[2]記載のステータ組立方法において、複数の同芯巻きコイル(10)のそれぞれは、前記ステータコア(14)への装着の後、前記軸方向距離が、前記ステータコア(14)の内径側に装着される導線(10a)から前記ステータコア(14)の外径側に装着される導線(10b)にかけて一致するように構成されているステータ組立方法。
【0064】
[4]上記[1]乃至[3]の何れか一項記載のステータ組立方法において、導線は、平角線であり、複数の同芯巻きコイル(10)のそれぞれは、巻回された平角線の両端に形成され、前記スロット収容予定部(30,32)に接続され、前記ステータコア(14)の軸方向端面から軸方向に向けて突出するリード線部(40,42)を有し、前記リード線部(40,42)は、エッジワイズ方向又はフラットワイズ方向に曲げられた形状を有するステータ組立方法。
【0065】
上記[4]記載の構成によれば、同芯巻きコイルのスロット収容予定部がスロットへ挿入される際に、リード線部がステータコアに引っ掛かるので、リード線部がスロットに引き込まれるのを防止することができる。
[5]
円環状の鋼板を積層することにより形成され、バックヨークからそれぞれ径方向内側へ向かって延びる複数のティース(22)と、隣接する前記ティース(22)間に形成されるスロット(24)と、を有するステータコア(14)と、
同一の導線で連続して複数周巻回して形成され、異なる前記スロット(24)に収容される複数のスロット収容部(30,32)と、前記スロット収容部(30,32)同士を接続すると共に軸方向外側に向く頂点部(34a,36a)を備えたコイルエンド部(34,36)と、を有する複数のコイル(10)とを備え、
前記コイル(10)は、内径側に配置される1周分の導線の長さは、外径側に配置される1周分の導線の長さより短くなるように構成されると共に、内径側の前記頂点部(34a,36a)と前記ステータコア(14)の端面との距離と外径側の前記頂点部(34a,36a)と前記ステータコア(14)の端面との距離は等しくなるように構成されている、ステータ(12)。
【0066】
[5]に記載の構成によれば、コイル(10)は、内径側に配置される1周分の導線の長さは、外径側に配置される1周分の導線の長さより短くなるように構成される。また、内径側の前記頂点部(34a,36a)と前記ステータコア(14)の端面との距離と外径側の前記頂点部(34a,36a)と前記ステータコア(14)の端面との距離は等しくなるように構成されている。これにより、同芯巻きコイル10における内径側の導線に係る頂点部34a,36aの高さの増加を抑制し、コイルエンド部34の軸方向の寸法を短縮できる。
[6]
前記コイル(10)は、内径側から外径側に向かうにつれて、1周分の導線の長さが長くなる、請求項[5]に記載のステータ(12)。
【0067】
なお、本国際出願は、2014年9月1日に出願した日本国特許出願2014−177443号に基づく優先権を主張するものであり、その全内容は本国際出願にここでの参照により援用されるものとする。