(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コミッショニング・ツールが、前記フィールド・デバイスの識別子が前記プロトコル・デバイス登録ファイル内にないと判定したとき、前記コミッショニング・ツールはさらに、
前記リポジトリ内の登録ファイルから、デバイス通信コマンドを特定し、
前記フィールド・デバイスに対して前記特定されたデバイス通信コマンドを実行し、
前記フィールド・デバイスから、前記実行されたデバイス通信コマンドへの応答を受信し、
前記受信した応答から、前記フィールド・デバイスが圧力送信器であるかどうかを判定する、
ように構成される、請求項1に記載のシステム。
前記コミッショニング・ツールは、前記フィールド・デバイスの線形化タイプを前記フィールド・デバイスから取り出すように構成され、前記コミッショニング・ツールはさらに、
前記リポジトリ内の登録ファイルから、前記フィールド・デバイスから前記線形化タイプを取り出すためのデバイス通信コマンドを特定し、
前記フィールド・デバイスに対して前記特定されたデバイス通信コマンドを実行し、
前記フィールド・デバイスから、前記線形化タイプを有する応答を取り出す
ように構成される、請求項1に記載のシステム。
前記コミッショニング・ツールはさらに判定テーブルと通信するように構成され、前記コミッショニング・ツールは、前記判定テーブルを用いて、前記線形化チェック結果を決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
前記コミッショニング・ツールは前記線形化チェック結果を決定するように構成され、前記コミッショニング・ツールはさらに、ユーザ・インタフェースにユーザからの線形化チェック結果を提供するように構成される、請求項1に記載のシステム。
フィールド・デバイスおよびリポジトリと通信するように構成されたコミッショニング・ツールを備えたフィールド・デバイス・コミッショニング・システムで実施されるフィールド・デバイス・コミッショニング方法であって、
前記リポジトリ内の制御システム・ループ情報ファイルから、前記フィールド・デバイスが入力装置であるかどうかを判定するステップと、
前記フィールド・デバイスが前記入力装置であると判定されたとき、前記リポジトリ内のプロトコル・デバイス登録ファイルから、前記フィールド・デバイスが圧力送信器であるかどうかを判定するステップと、
前記フィールド・デバイスが前記圧力送信器であると判定されたとき、前記リポジトリ内の制御システム・ループ情報ファイルから、前記フィールド・デバイスがフローを測定するように前記制御システム内で構成されるかどうかを判定するステップと、
前記フィールド・デバイスがフローを測定するように前記制御システム内で構成されると判定されたとき、前記制御システム・ループ情報ファイルから、前記フィールド・デバイスに関連付けられた前記制御システム内の線形化タイプを特定するステップと、
前記フィールド・デバイスの線形化タイプを前記フィールド・デバイスから取り出すステップと、
前記フィールド・デバイスに関連付けられた前記制御システム内の前記フィールド・デバイスの前記取り出された線形化タイプおよび前記特定された線形化タイプから、線形化チェック結果を決定するステップと、
を含む、方法。
前記コミッショニング・ツールが制御システムと通信するとき、前記方法は、前記制御システムから、前記フィールド・デバイスがフローを測定するように前記制御システム内で構成されるかどうかを判定するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
前記コミッショニング・ツールは制御システムと通信し、前記制御システムから、前記フィールド・デバイスに関連付けられた前記制御システム内の線形化タイプを決定するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
前記コミッショニング・ツールは判定テーブルと通信し、前記判定テーブルを用いて、前記線形化チェック結果を決定するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
線形化チェック結果を決定するステップは、ユーザからの前記線形化チェック結果を有するユーザ・インタフェースを受信するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
フィールド・デバイス・コミッショニング方法を実施するためにフィールド・デバイス・コミッショニング・システムにより実行されるコンピュータプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記フィールド・デバイス・コミッショニング・システムはコミッショニング・ツールを備え、前記コミッショニング・ツールはフィールド・デバイスおよびリポジトリと通信するように構成され、前記フィールド・デバイス・コミッショニング方法は、
前記リポジトリ内の制御システム・ループ情報ファイルから、前記フィールド・デバイスが入力装置であるかどうかを判定するステップと、
前記フィールド・デバイスが前記入力装置であると判定されたとき、前記リポジトリ内のプロトコル・デバイス登録ファイルから、前記フィールド・デバイスが圧力送信器であるかどうかを判定するステップと、
前記フィールド・デバイスが前記圧力送信器であると判定されたとき、前記リポジトリ内の制御システム・ループ情報ファイルから、前記フィールド・デバイスがフローを測定するように前記制御システム内で構成されるかどうかを判定するステップと、
前記フィールド・デバイスがフローを測定するように前記制御システム内で構成されると判定されたとき、前記制御システム・ループ情報ファイルから、前記フィールド・デバイスに関連付けられた前記制御システム内の線形化タイプを特定するステップと、
前記フィールド・デバイスの線形化タイプを前記フィールド・デバイスから取り出すステップと、
前記フィールド・デバイスに関連付けられた前記制御システム内の前記フィールド・デバイスの前記取り出された線形化タイプおよび前記特定された線形化タイプから、線形化チェック結果を決定するステップと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【背景技術】
【0002】
フィールド・デバイス
フィールド・デバイスの典型的な例は、産業設備またはプラント内の機器または産業プロセスの一部におけるプロセス変数を取得するために使用される機器または送信器である。幾つかのデバイスが特定のプロセス変数に対して使用される。例えば、当該フィールド・デバイスを温度プロセス変数に対する温度送信器、流量プロセス変数に対する流量計、および圧力プロセス変数に対する圧力送信器として使用することができる。
【0003】
幾つかのフィールド・デバイスは、様々な種類のプロセス変数に対して使用されるように構成可能である。幾つかのケースでは、圧力送信器は、温度プロセス変数、流量プロセス変数または温度圧力プロセス変数に対して構成可能である。しかし、かかるデバイスを、使用中に1つの指定されたプロセス変数のみを測定するように構成することができる。
【0004】
様々な種類のフィールド・デバイスを製造する多数のベンダが存在する。互換性を確保するために、当該フィールド・デバイスは、HART、またはFoundation Fieldbusのような標準通信プロトコルの1つに従って機能するように構成される。HART通信プロトコルを使用するフィールド・デバイスを、以降、HARTフィールド・デバイスと称する。Foundation Fieldbusを使用するものはFF−H1フィールド・デバイスである。
【0005】
プラント管理および制御システム
プラント管理および制御システムは、一般に、
図1に示すように、デバイス管理システムおよび制御システムを含みうる。場合によっては他のシステムを当該システムに含めて他の機能を実施してもよい。
【0006】
デバイス管理システムは、フィールド・デバイス保守情報のための中央データベースとして動作する。当該情報は、デバイス部品の詳細、デバイス・ドキュメントへのリンク、デバイス記述ファイル、デバイス検査活動の詳細、デバイス・パラメータヒストリ、およびデバイスメッセージを含むことができる。当該デバイス管理システムはまた、ダウンロードまたは同期によりデバイス較正ツールおよびアプリケーションから取得された情報を管理することができる。当該デバイス管理システムは、制御システム、例えば、
(a)(CENTUM「商標」のような)制御システム、および
(b)安全計装システム(ProSafe−RS「商標」)
に接続されたデバイスを管理することができる。
【0007】
コミッショニング
産業プラントでは、典型的な取り付けは、フィールド・デバイスおよび機器を制御室内の制御システムおよび/またはデバイス管理システムに接続し、構成を実施することを含む。当該取り付けの完了後、次のステップはコミッショニングのためのプロセスである。コミッショニングとは、フィールド・デバイス、機器、設備または産業プラントが設計目的または仕様に従って1つまたは複数の指定された機能を実施するかどうかをテストするためのプロセスである。コミッショニングは手動作業チェック機能を実施することで行われる。様々な手動作業チェック機能がある。様々なチェック機能が様々なフィールド・デバイスで様々に行われる。チェック機能の例は以下の通りである。
(a)接続チェックとは、プラント内のフィールド・デバイスの接続および物理位置を評価するチェック機能である。
【0008】
(b)範囲比較チェックとは、プラントに対する制御システム内の機能ブロックの範囲情報設定がフィールド・デバイスの範囲情報設定とマッチするかどうかを評価するチェック機能である。
(c)線形化チェックとは、物理フィールド・デバイスからの線形化タイプを制御システム内のフィールド・デバイスに対する入力信号変換と比較するチェック機能である。
(d)入力ループ・チェックとは、入力ループ内の入力プロセス変数を測定するように構成されたフィールド・デバイスが、制御システムにおいて当該フィールド・デバイスに書き込まれたテスト・データを反映することによって制御システムと通信しているかどうかを評価するチェック機能である。
(e)出力ループ・チェックとは、制御システムが出力ループ内の出力プロセス変数を測定するように構成されたフィールド・デバイスと通信しているかどうかを評価するチェック機能であり、当該評価は、当該フィールド・デバイスが当該制御システムの操作可能値に書き込まれたテスト・データを反映するかどうかを判定することによって行われる。
【0009】
図1のシステムでは、フィールド・デバイスのコミッショニングは手動で行われる。コミッショニング作業を行っているユーザは、チェック機能がフィールド・デバイスごとに行われていることを手動で判定しなければならない。さらに、ユーザは、どのパラメータを使用すべきか、どの結果を読み取るべきか、どのように当該結果の分析を決定するかを判定することといった、どのように各チェック機能を実施するかを手動で判定しなければならない。
【0010】
コミッショニング作業ごとの各フィールド・デバイスのテストのために、少なくとも2人の人、即ち、現場作業員および制御室作業員が、当該テスト手続きにわたって互いと密接に通信しなければならない。
【0011】
図2Aに示す線形化チェックの1例では、技術者がデバイス・パラメータ読取りツールを用いてフィールド・デバイスの線形化タイプを手動で物理フィールド・デバイスから読み取る。次いで、技術者は、制御システム内の入力信号変換パラメータを読み取る。当該パラメータは通常、当該制御システムの機能ブロック内にある。最後に、技術者は、読取り値を分析し、当該フィールド・デバイスの線形化タイプと当該入力信号変換パラメータを比較して、当該線形化構成が正しいかどうかを判定する。
【0012】
図2Bに示す手動接続チェックの別の例では、現場作業員が物理フィールド・デバイスをチェックする間、制御室作業員がグラフィカル・ユーザ・インタフェース(「GUI」)を参照する。制御室作業員は、フィールド・デバイスをプラント内のネットワークから手動で切断するように現場作業員に要求する。現場作業員がフィールド・デバイスを切断した後、現場作業員は制御室作業員に切断を知らせる。当該切断の情報を受信すると、制御室作業員は次いで、フィールド・デバイスが切断されたことをGUIDから検証する。当該切断がGUIで確認されると、制御室作業員は、フィールド・デバイスをプラント内のネットワークに接続するように現場作業員に要求する。当該要求を受信すると、現場作業員は手動でフィールド・デバイスをプラント内のネットワークに接続する。現場作業員がフィールド・デバイスを接続した後、現場作業員は制御室作業員に当該接続を知らせる。当該接続の情報を受信すると、制御室作業員は次いで、フィールド・デバイスが接続されたことをGUIから検証する。現場作業員および制御室作業員の両方は、切断プロセスおよび接続プロセスを終了したとして互いを更新しなければならない。制御室作業員および現場作業員の両方はトランシーバのような遠隔通信デバイスを用いて互いと通信する。制御室作業員および現場作業員の両方が全てのステップに関して常に通信するのは面倒である。
【0013】
典型的なプラントでは、何百ものフィールド・デバイスがあり、コミッショニングには大量のマンパワーと時間が必要である。新たな機器がそのプラントに追加されると、その領域が危険である場合には、余分な調整作業がコミッショニング・プロセスの間に必要となる。
【0014】
チェック機能ごとに、ユーザは、フィールド・デバイスで設定および/または構成されるべき値を決定する必要がある。フィールド・デバイスで実施すべき複数のチェック機能があるとき、ユーザはテスト値の設定および/または構成のシーケンスを手動で決定しなければならない。正しいシーケンスとは異なるシーケンスはエラーまたは不正確なテスト結果をもたらす可能性がある。テスト値の設定および構成のような手動の動作は、ヒューマン・エラーを取り込みやすく、時間を消費する。完了したチェック機能とテスト結果の文書化は手動で行われる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の好適な実施形態を詳細に参照する。その例は添付図面に図示されている。本発明の幾つかの態様を好適な実施形態と関連して説明するが、これは本発明をこれらの実施形態に限定しようとするものではないことは理解される。反対に、本発明は、代替物、修正物、および均等物を網羅しようとするものであり、これらは添付の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨と範囲内に含まれうる。さらに、本発明の以下の詳細な記述では、本発明の徹底的な理解を与えるために多数の具体的な詳細を説明する。しかし、本発明をこれらの具体的な詳細なしに実施してもよいことは当業者には明らかである。他の事例では、周知な方法、手続き、構成要素、および特徴は、本発明の諸態様を不必要に不明瞭にしないために詳細には説明していない。
【0019】
本発明の幾つかの実施形態では、フィールド・デバイス・コミッショニング・システムは、接続チェック、範囲比較チェック、線形化チェック、入力ループ・チェックおよび出力ループ・チェックのような最も一般的に使用されるチェック機能を用いて説明される。一般に、これらのチェック機能を任意の利用可能なツールにより自動化することができる。手動チェックは、ツールによって自動化できないタスクに対してユーザが命令を生成できるようにする別のタイプ・チェック機能であり、本説明に含まれる。
【0020】
最初に、タスクを使用して手続きの作業単位を定義する。1つのチェック機能が1つのタスクにより定義される。チェック機能が1つのタスクにより定義されるとき、定義されたタスクはそのチェック機能に関連付けられる。
【0021】
図3は、本発明の幾つかの実施形態におけるフィールド・デバイス管理システム1000のブロック図である。フィールド・デバイス管理システム1000は、フィールド・デバイス120および125、制御システム140、フィールド・デバイス・コミッショニング・システム100、およびリポジトリ130を備える。制御システム140は、現場のフィールド・デバイス120および125と通信し、フィールド・デバイス120および125を制御するように構成される。フィールド・デバイス・コミッショニング・システム100は、制御システム140、リポジトリ130およびフィールド・デバイス120および125と通信するように構成される。フィールド・デバイス・コミッショニング・システム100は、リポジトリ130に格納されたファイルを参照し、フィールド・デバイス120または125に対する自動コミッショニング・プロセスを実施するように構成される。フィールド・デバイス・コミッショニング・システム100は、フィールド・デバイス120または125およびリポジトリ130ならびに制御システム140と通信するように構成されるコミッショニング・ツール110を少なくとも含む。コミッショニング・ツール110は、リポジトリ130に格納されたファイルを参照し、フィールド・デバイス120または125に対する自動コミッショニング・プロセスを実施するように構成される。コミッショニング・ツール110を、ハードウェアと組み合わせたソフトウェアにより実装することができる。一般に、制御システム140およびフィールド・デバイス・コミッショニング・システム100を制御室150内に配置してもよい。幾つかのケースでは、フィールド・デバイス・コミッショニング・システム100は、コミッショニング・ツール110に加えてポジトリ130を含んでもよい。他のケースでは、フィールド・デバイス・コミッショニング・システム100がリポジトリ130を含まなくてもよい。リポジトリ130を遠隔位置の別個のシステムまたはサーバ内に配置してもよい。
【0022】
一般に、リポジトリ130を、フィールド・デバイス情報ファイル132、登録ファイル134、プロトコル・デバイス登録ファイル136、制御システム・ループ情報ファイル138およびもしあれば他の任意の一時的または永続的なファイルを有するように構成してもよい。
【0023】
フィールド・デバイス情報ファイル132は、フィールド・デバイス・コミッショニング・システム100と通信するように構成されたフィールド・デバイスのリストを有し、フィールド・デバイスごとの複数のプロパティを記述する。当該複数のプロパティの例は、「デバイス・タグ」、「デバイス・モデル」、「デバイスID」、「製造者/ベンダID」および「リビジョン番号」である。
【0024】
登録ファイル134は、フィールド・デバイスごとに、所望のタスクまたはチェック機能について各フィールド・デバイス120、125に対して実行すべきデバイス通信コマンドを列挙する。当該フィールド・デバイスのタイプ、例えば、当該フィールド・デバイスが圧力送信器、温度送信器または流量計かどうかを特定するためのタスクをコミッショニング・ツール110が実施できるようにするために、コミッショニング・ツール110によりフィールド・デバイス情報ファイル132を参照することができる。登録ファイル134をコミッショニング・ツール110により参照して、コミッショニング・ツール110がデバイス通信コマンド「HARTコマンド54」を特定し、次いでそれを当該HARTフィールド・デバイスに対して実行できるようにすることができる。
【0025】
プロトコル・デバイス登録ファイル136は、各プロトコルデータベースに登録されたフィールド・デバイスを列挙する。幾つかのケースでは、プロトコル・デバイス登録ファイル136は、圧力送信器であるフィールド・デバイスのみを含んでもよい。例えば、HARTフィールド・デバイスをHART通信基盤に登録してもよい。HARTフィールド・デバイス登録ファイルは当該HART通信基盤に登録されたHARTフィールド・デバイスから生成される。Fieldbus基盤に登録されたFoundation Fieldbus H1(「FF−H1」)フィールド・デバイスに対して、対応するFF−H1登録ファイルを生成する。プロトコル・デバイス登録ファイル136を、別個のファイルとして、プロトコルごとに1つ、実装することができる。あるいは、プロトコル・デバイス登録ファイル136を、フィールド・デバイスごとに各プロトコルを区別するための適切な識別子を有する全てのプロトコルで登録されたフィールド・デバイスを含む1つのファイルとして実装することができる。
【0026】
制御システム・ループ情報ファイル138は、フィールド・デバイスごとに、制御システム140内の各構成パラメータを列挙する。機能ブロックを有する制御システム140では、機能ブロック情報および機能のフィールド・デバイスとの関連付けが制御システム・ループ情報ファイル138に含まれる。機能ブロックのフィールド・デバイスとの関連付けはマッピング・テーブルとして含まれる。制御システム・ループ情報ファイル138が、必要なときに、例えば、制御システム140内の任意のフィールド・デバイスまたは構成パラメータの変化ごとに、リポジトリ130に対して更新される。当該更新は、制御システム・ループ情報ファイル138を必要に応じてインポートすることによって行われる。
【0027】
接続チェック
接続チェックを実施する本発明の1実施形態では、コミッショニング・ツール110は、少なくとも1つのプロパティをフィールド・デバイス120または125から取り出すように構成される。フィールド・デバイス120または125の取り出されたプロパティは、「デバイス・タグ」、「デバイス・モデル」、デバイスID」、「製造者/ベンダID」および「リビジョン番号」のうち何れか1つであることができる。取り出されたプロパティが「デバイス・モデル」、「製造者/ベンダID」および「リビジョン番号」であるのが好ましい。当該少なくとも1つのプロパティの受信に成功した場合、これは、コミッショニング・ツール110がフィールド・デバイス120および125の何れか1つに接続されていることを確認する。しかし、コミッショニング・ツール110とフィールド・デバイス120および125のうち正しいものとの間に正しい接続が確立されているかどうかを確認する必要がある。
【0028】
コミッショニング・ツール110は、取り出されたプロパティとフィールド・デバイス情報ファイル132内のプロパティと比較して、当該取り出されたプロパティとフィールド・デバイス情報ファイル132内のプロパティとの間にマッチがあるかどうかを判定するように構成される。複数のプロパティが取り出された場合、取り出されたプロパティの全てはフィールド・デバイス情報ファイル132内のプロパティと比較される。コミッショニング・ツール110は、マッチがあるとコミッショニング・ツール110が判定した場合に、フィールド・デバイス120および125のうち期待されたものと正確に通信するように構成されていると判定される。
【0029】
コミッショニング・ツール110はまた、取り出されたプロパティを登録ファイル134内のプロパティと比較して、取り出されたプロパティと登録ファイル134内のプロパティの間にマッチがあるかどうかを判定するように構成される。コミッショニング・ツール110は、取り出されたプロパティと登録ファイル134内のプロパティとの間にマッチが存在するとコミッショニング・ツール110が判定したとき、表示テストである第1のテストを実施するように構成される。所望の出力がフィールド・デバイスのディスプレイに表示されたとき、当該表示テストは成功したと考えられる。表示ユニットは通常は液晶ディスプレイであるので、当該テストはLCDテストとも呼ばれる。
【0030】
HARTフィールド・デバイスに対するLCDテスト
HARTフィールド・デバイスに対するLCDテストを実施するために、コミッショニング・ツール110は、登録ファイル134からデバイス通信コマンドを特定するように構成される。これはLCDテストを実施するのに適している。コミッショニング・ツール110はさらに、特定されたデバイス通信コマンドをフィールド・デバイスに対して実行し、応答をフィールド・デバイスから取り出すように構成される。当該応答は、フィールド・デバイスがLCDディスプレイに生成した出力と同一である。コミッショニング・ツール110は、制御室150内のユーザ・インタフェースに供給されるべき取り出された応答の出力を制御室作業員に対して生成して、現場作業員と通信することなくLCDテストの結果をユーザ・インタフェースで参照するように構成される。これは、時間とマンパワーの観点から接続テストの効率を高める。現場作業員は、取り出された応答の出力をフィールド・デバイスのLCDディスプレイででも参照することができる。
【0031】
FF−H1フィールド・デバイスに対するLCDテスト
FF−H1フィールド・デバイスに対してLCDテストを実施するために、コミッショニング・ツール110は、フィールド・デバイスの取り出された少なくとも1つのプロパティを用いて、パラメータ・インデックスおよびパラメータ・インデックス値を登録ファイル134から特定し、それにより当該特定されたパラメータ・インデックスおよびパラメータ・インデックス値を取り出すように構成される。コミッショニング・ツール110はさらに、フィールド・デバイスに対する書込みコマンドを実行するように構成される。当該書込みコマンドは、取り出されたパラメータ・インデックス値をフィールド・デバイスの取り出されたパラメータ・インデックスに書き込むためのものである。当該書込みコマンドがパラメータ・インデックスへの書込みに失敗した場合、エラー・メッセージがコミッショニング・ツール110に送信される。コミッショニング・ツール110はエラー・メッセージを検出するように構成される。当該エラー・メッセージがコミッショニング・ツール110により検出されたとき、所定のエラー・メッセージがコミッショニング・ツール110から制御室150内のユーザ・インタフェースに供給される。当該書込みコマンドが書込みに成功した場合、フィールド・デバイスは所望の出力をLCDディスプレイに生成する。当該所望の出力の1例は所定のパターンである。コミッショニング・ツール110によりエラー・メッセージが検出されないとき、コミッショニング・ツール110は、制御室150内のユーザ・インタフェースに供給されるべき所定のパターンを生成するように構成される。
【0032】
したがって、コミッショニング・ツール110はユーザ・インタフェースと協調して、制御室作業員が、現場作業員と通信することなくLCDテストの結果を当該ユーザ・インタフェースで参照できるようにする。これは、時間とマンパワーの観点から接続テストの効率を高める。現場作業員は、取り出された応答の出力をフィールド・デバイスのLCDディスプレイででも参照することができる。
【0033】
コミッショニング・ツール110は、取り出されたプロパティと登録ファイル134内のプロパティの間にマッチがないとコミッショニング・ツール110が判定した場合、以下の参照決定プロセスを実施するように構成される。コミッショニング・ツール110は、フィールド・デバイスの通信プロトコルをリポジトリ130内の制御システム・ループ情報ファイル138から参照し、取り出されたプロパティがHARTフィールド・デバイスのような所定のフィールド・デバイスに対するものであるかどうかを判定するように構成される。HARTフィールド・デバイスはHART通信プロトコルを使用する。コミッショニング・ツール110は、取り出されたプロパティが所定のフィールド・デバイスのためのものであるとコミッショニング・ツール110が判定したとき、第1のテストとは異なる第2のテストを実施するように構成される。コミッショニング・ツール110は次いで、「HARTコマンド72」のような所定のデバイス通信コマンドをフィールド・デバイスに対して実行するように構成される。当該コマンドは、SQUAWKテストをHARTフィールド・デバイスで実施するためのものである。HARTフィールド・デバイスは通常、成功したSQUAWKテストに対する視覚的、可聴的、または機械的応答を生成する。コミッショニング・ツール110は、応答をフィールド・デバイスから受信し、当該応答を制御室150内のユーザ・インタフェースに供給するように構成される。LCDテストと同様に、コミッショニング・ツール110はユーザ・インタフェースと協調して、制御室作業員が、現場作業員と通信することなくLCDテストの結果を当該ユーザ・インタフェースで参照できるようにする。これは、時間とマンパワーの観点から接続テストの効率を高める。現場作業員には、フィールド・デバイスの出力により、例えばLCDディスプレイに表示されている「SQUAWK」から、通知することもできる。
【0034】
コミッショニング・ツール110は、取り出されたプロパティが所定のデバイスのためのものでないとコミッショニング・ツール110が判定した場合、第1のテストおよび第2のテストと異なる第3のテストを実施するように構成される。第3のテストでは、コミッショニング・ツール110は、フィールド・デバイスをフィールド・デバイス・コミッショニング・システム100から切断するための第1の命令をユーザ・インタフェースで生成するように構成される。コミッショニング・ツール110は、現場作業員が第1の命令を完了したとき、第1の応答をフィールド・デバイスから受信するように構成される。第1の応答の1例は、フィールド・デバイスがフィールド・デバイス・コミッショニング・システム100から切断されたというメッセージである。
【0035】
コミッショニング・ツール110はさらに、フィールド・デバイスをフィールド・デバイス・コミッショニング・システム100に接続するための第2の命令をユーザ・インタフェースで生成するように構成される。コミッショニング・ツール110は、現場作業員が第2の命令を完了したとき、第2の応答をフィールド・デバイスから受信するように構成される。第2の応答の1例は、フィールド・デバイスがフィールド・デバイス・コミッショニング・システム100から切断されたというメッセージである。コミッショニング・ツール110はさらに第1の応答または第2の応答に基づいてフィールド・デバイスのステータスを決定し、ユーザ・インタフェースに供給すべき決定されたステータスの出力を生成するように構成される。場合によっては、第3のテストを複数回繰り返すことができる。
【0036】
第1のテスト、第2のテストおよび第3のテストの各々に対し、コミッショニング・ツール110は、テスト結果を確認するためのオプションをユーザ・インタフェースに提供するように構成される。当該テストを実施する際にエラーがあった場合、当該テスト結果は「失敗」であり、コミッショニング・ツール110により確認オプションは提供されない。コミッショニング・ツール110を、当該テストがエラーなしに完了したとき、ユーザに当該テスト結果を確認するようユーザ・インタフェースに要求させるように構成してもよい。これは、当該テストの完了に成功したことを保証するためのものである。
【0037】
コミッショニング・ツール110はテスト結果を「失敗」と特定するように構成される。かかるケースの例は、(1)フィールド・デバイスから取り出されたプロパティがないとき、(2)取り出されたプロパティとフィールド・デバイス情報ファイル132内のプロパティとのマッチがないとき、である。コミッショニング・ツール110がテスト結果を失敗と特定したとき、コミッショニング・ツール110はテスト結果「失敗」をユーザ・インタフェースに提供し、当該テスト結果はリポジトリ130内の一時的または永続的なファイルで更新される。
【0038】
図4は、フィールド・デバイス・コミッショニング・システム100で実施される、本発明の1実施形態に従う接続チェック機能のための動作の方法である、接続チェック・ワークフロー200である。ステップ210で、コミッショニング・ツール110は、少なくとも1つのプロパティをフィールド・デバイス120または125から取り出して、コミッショニング・ツール110がフィールド・デバイス120、125と通信できるかどうかをチェックする。これは、コミッショニング・ツール110がフィールド・デバイス120、125に接続されているかどうかを判定するためのものである。当該プロパティの取り出しに成功すると、コミッショニング・ツール110は、フィールド・デバイス120、125に接続されていると判定される。
【0039】
ステップ220で、コミッショニング・ツール110により、フィールド・デバイスからの少なくとも1つの取り出されたプロパティをフィールド・デバイス情報ファイル132内のプロパティと比較して、マッチがあるかどうかを判定する。マッチがあるとき、当該動作はステップ230に続く。ステップ230で、コミッショニング・ツール110により、取り出されたプロパティの少なくとも1つをフィールド・デバイス情報ファイル132内のプロパティと比較して、マッチがあるかどうかを判定する。
【0040】
ステップ230でマッチがあるとコミッショニング・ツール110が判定したとき、ステップ232に進み、第1のテストをコミッショニング・ツール110により実施する。第1のテストでは、コミッショニング・ツール110によるステップは、登録ファイル134から、取り出されたプロパティに関連付けられたフィールド・デバイスに対するデバイス通信コマンドを特定することである。次いで、コミッショニング・ツール110は、特定されたデバイス通信コマンドをフィールド・デバイスに対して実行する。当該デバイス通信コマンドを実行した後、コミッショニング・ツール110は、応答を当該フィールド・デバイスから受信し、ユーザ・インタフェースに供給すべき受信した応答の出力を生成する。
【0041】
ステップ230でマッチがないとき、コミッショニング・ツール110は、フィールド・デバイスの通信プロトコルを制御システム・ループ情報ファイル138内のものと比較して、当該通信プロトコルが、HARTフィールド・デバイスのような所定のフィールド・デバイスに対するものかどうかを判定する。当該通信プロトコルが当該所定のフィールド・デバイスに対するものであると判定されたとき、ステップ234に進み、第1のテストとは異なる第2のテストを実施する。
【0042】
第2のテストではコミッショニング・ツール110は所定のデバイス通信コマンドをフィールド・デバイスに対して実行する。当該フィールド・デバイスがHARTフィールド・デバイスであるとき、コミッショニング・ツール110は「HARTコマンド72」を実行する。当該フィールド・デバイスが所定のデバイス通信コマンドを受信すると、当該フィールド・デバイスは、フィールド・デバイスのLCDディスプレイに「SQUAWK」を表示するといった、視覚的、可聴的、または機械的応答のうち1つを生成する。これを現場作業員により受信することができる。さらに、当該動作はさらに、当該フィールド・デバイスから、実行されたデバイス通信コマンドへの応答を受信するステップと、ユーザ・インタフェースに供給されるべき受信した応答の出力を生成するステップとを含む。
【0043】
コミッショニング・ツール110により当該通信プロトコルが当該所定のフィールド・デバイスのためのものでないと判定されたとき、ステップ236に進み、コミッショニング・ツール110により、第1のテストおよび第2のテストとは異なる第3のテストを実施する。第3のテストでは、コミッショニング・ツール110による方法は、フィールド・デバイスをフィールド・デバイス・コミッショニング・システム100から切断するための第1の命令をユーザ・インタフェースで生成することである。制御室作業員はこれを現場作業員に伝える。現場作業員が切断を完了した後、コミッショニング・ツール110による次のステップは、第1の応答を当該フィールド・デバイスから受信し、フィールド・デバイス120、125をフィールド・デバイス・コミッショニング・システム100に接続するための第2の命令をユーザ・インタフェースで生成することである。同様に、制御室作業員はこれを現場作業員に伝える。現場作業員当該接続を完了した後、コミッショニング・ツール110による動作は、フィールド・デバイス120、125のステータスを第2の応答に基づいて決定し続け、ユーザ・インタフェースに供給すべき決定されたステータスの出力を生成する。
【0044】
第1のテスト、第2のテストおよび第3のテストの各々に対し、テストがコミッショニング・ツール110によりエラーなしに完了し、ユーザが当該テストの結果を「合格」として確認した場合には、ステップ240で、コミッショニング・ツール110を更新し、リポジトリ130内のフィールド・デバイス情報ファイル132に対するデバイス・プロパティの更新が必要であるかどうかを判定する。更新が必要であるとき、リポジトリ130内のフィールド・デバイス情報ファイル132を更新するために、デバイス情報がコミッショニング・ツール110によりフィールド・デバイスから取り出される。これは、線形化チェックのような他のチェック機能について、フィールド・デバイス情報ファイル132内のデバイス・プロパティを更新しておくのに有用である。これは、デバイス監視システム、制御システムまたは他の任意のシステムにおける他のアプリケーションにとっても有用であろう。
【0045】
本発明の上述の実施形態では、フィールド・デバイス通信チェック、フィールド・デバイス情報チェックおよび更新の自動化をサポートする。自動化により、ヒューマン・エラーが減る。さらに、本発明の1実施形態は、フィールド・デバイス情報に基づいて少なくとも3つの所定のテストのうち1つを自動的に選択でき、これによりテスト結果の精度が高まる。事前構成が行われるので、自動的にチェックが行われ、結果が記録される。有利なことに、マンパワーが減り、それにしたがって、時間とコストが節約される。手動での現場操作の必要性が減ることにより、現場作業員のリスクが減る。
【0046】
線形化チェック
本発明の別の実施形態は、線形化チェックをフィールド・デバイス120、125に実施することである。コミッショニング・ツール110は、制御システム・ループ情報ファイル138から、フィールド・デバイス120、125が入力装置として構成されるかどうかを判定するように構成される。これは、制御システム・ループ情報ファイル138内の構成パラメータを読み取ることに基づく。当該構成パラメータがフィールド・デバイスの接続タイプを記述するのが好ましい。例えば、当該接続タイプが「IN」である場合、入力装置として構成されると判定され、当該接続タイプが「OUT」である場合、出力装置として構成される。
【0047】
代替物では、フィールド・デバイスの接続タイプを、構成パラメータ値を制御システム140から取り出すことによって決定することができる。当該構成パラメータは「接続タイプ」である。例えば、接続パラメータ値が「IN」である場合、入力装置として構成されると判定される。当該接続パラメータ値が「OUT」である場合、出力装置として構成される。
【0048】
フィールド・デバイスが入力装置として構成されると判定されたとき、コミッショニング・ツール110は、プロトコル・デバイス登録ファイル136から、当該フィールド・デバイスが圧力送信器であるかどうかを判定する。制御システム・ループ情報ファイル138内のフィールド・デバイスの通信プロトコルに基づいて、コミッショニング・ツール110は当該フィールド・デバイスの当該通信プロトコルを特定する。
【0049】
当該フィールド・デバイスの識別子がプロトコル・デバイス登録ファイル136にないとき、判定を行うことはできない。識別子の例は「デバイス・モデル」および「製造者/ベンダID」である。コミッショニング・ツール110は、フィールド・デバイス120、125が圧力送信器であるかどうかを判定するのに適切な情報を他のソースから取り出すように構成される。
【0050】
HARTフィールド・デバイスについて
HARTフィールド・デバイスについて、コミッショニング・ツール110はさらに、登録ファイル134から、情報を取り出すための所定のデバイス・コマンドを特定するように構成される。コミッショニング・ツール110は、特定された所定のデバイス・コマンドを当該フィールド・デバイスに対して実行し、応答を当該フィールド・デバイスから受信し、受信した応答から当該フィールド・デバイスが圧力送信器であるかどうかを判定するように構成される。
【0051】
第1の例では、当該所定のコマンドは「HARTコマンド54」である。当該応答は、多数のバイトを含むパッケージである。応答バイト21は「デバイス変数ファミリ」を表す。応答バイト21が値「5」を有するとき、当該フィールド・デバイスは圧力送信器デバイスであると判定される。あるいは、当該判定を、「デバイス変数分類」を表す応答バイト22から行うことができる。応答バイト22が値「65」を有するとき、当該フィールド・デバイスは圧力送信器であると判定される。
【0052】
第2の例では、所定のコマンドは「HARTコマンド1」である。HARTフィールド・デバイスがリビジョン7またはそれより前の任意のリビジョンであり、応答値が「1−14」、「145」、「237−239」の範囲内にある場合、当該フィールド・デバイスは圧力送信器であると判定される。当該HARTフィールド・デバイスがリビジョン6および7であり、当該応答値が範囲「170−179」内にもある場合、当該フィールド・デバイスは圧力送信器であると判定される。
【0053】
さらに別の代替物は、コミッショニング・ツール110においてデータベース160(図示せず)内の所定の変数を読み取るようにコミッショニング・ツール110を構成することである。データベース160の1例は、データベース160においてフィールド・デバイス・パラメータを定期的に読み取り、更新するプロセス制御(「OPC」)データベース向けオブジェクト・リンク埋め込み(OLE)である。本例では、コミッショニング・ツール110は、工学単位「_PV_Unit」を表す所定の変数を読み取るように構成される。当該値が1−14、145、237−239の範囲内にある場合、当該フィールド・デバイスは圧力送信器であると判定される。当該HARTフィールド・デバイスがリビジョン6および7のものであり、当該応答値が範囲「170−179」内にもある場合、当該フィールド・デバイスは圧力送信器であると判定される。
【0054】
好適な実施形態では、当該フィールド・デバイスが圧力送信器デバイスであるかどうかを判定するのに当該応答が十分でない場合、コミッショニング・ツール110は、任意の所定の方法を用いて決定するように構成される。第3の例では、第1の例と第2の例を逐次的に実装する。
【0055】
FF−H1フィールド・デバイスについて
FF−H1フィールド・デバイスについて、コミッショニング・ツール110はさらにデータベース160内の所定の変数を読み取るように構成される。データベース160の1例は、データベース160においてフィールド・デバイス・パラメータを定期的に読み取り、更新するプロセス制御(「OPC」)データベース向けオブジェクト・リンク埋め込み(OLE)である。本例では、コミッショニング・ツール110は、標準パラメータ「_TB01.TRANSDUCER_TYPE」を表す所定の変数を読み取るように構成される。当該標準の値が「100」であるとき、当該フィールド・デバイスは圧力送信器であると判定される。
【0056】
あるいは、コミッショニング・ツール110はさらに所定のパラメータをフィールド・デバイスから取り出すように構成される。コミッショニング・ツール110は、登録ファイル134から、情報を取り出すための所定のデバイス・コマンドを特定するように構成される。コミッショニング・ツール110は、特定された所定のデバイス・コマンドを当該フィールド・デバイスに対して実行し、応答を当該フィールド・デバイスから受信し、受信した応答から当該フィールド・デバイスが圧力送信器であるかどうかを判定するように構成される。例えば、コミッショニング・ツール110は、標準パラメータ「_TB01.TRANSDUCER_TYPE」へのインデックスを付与する「パラメータ・インデックス」を実行するように構成される。応答が「100」であるとき、当該フィールド・デバイスは圧力送信器であると判定される。
【0057】
例外圧力送信器の特定
圧力送信器の幾つかのフィールド・デバイス製造者/ベンダには、質量流量変換のような追加の機能、または、フィールド・デバイスの利用を構成するための追加のパラメータが含まれている。かかるフィールド・デバイスは例外圧力送信器と考えられる。したがって、かかる例外圧力送信器の製造者/ベンダおよびデバイス・モデルを特定して、線形化チェックを自動的に実施する精度を高めるのが好ましい。製造者/ベンダおよびデバイス・モデルは、「製造者/ベンダID」および「デバイス・タイプ」のようなフィールド・デバイス・パラメータから特定される。
【0058】
(a)コミッショニング・ツール110はさらに、当該フィールド・デバイスが以下のパラメータの何れか1つまたはパラメータの組合せを有するかどうかを特定することによって、当該フィールド・デバイスが例外圧力送信器であるかどうかを判定するように構成されるのが好ましい。
(1)HARTフィールド・デバイスについて、「製造者/ベンダID」パラメータは0x000037であり、「デバイス・タイプ」パラメータは0x3754である。
(2)FF−H1フィールド・デバイスについて、「製造者/ベンダID」パラメータは0x594543であり、「デバイス・タイプ」パラメータは0x000Eである。
(b)当該フィールド・デバイスが上の(3)および(4)におけるパラメータを有すると特定されるとき、コミッショニング・ツール110が、当該フィールド・デバイスから、当該フィールド・デバイスがフローを測定するように構成されるかどうかを判定するように構成されるのがさらに好ましい。
【0059】
HARTフィールド・デバイスに対して、コミッショニング・ツール110は、登録ファイル134から、所定のデバイス通信コマンドを決定するように構成される。この場合、当該所定のデバイス通信コマンドは「HARTコマンド172」である。コミッショニング・ツール110が応答「0x02」を受信すると、当該フィールド・デバイスは流量を測定するように構成される。
【0060】
FF−H1フィールド・デバイスに対して、コミッショニング・ツール110は、当該フィールド・デバイスから、パラメータ「_TB01.PRIMARY_VALUE_TYPE」または「_TB01.LINEARIZATION」に対する値を取り出すように構成される。当該値が前者に対して「0xfff2」であり、後者に対して「0x02」であるとき、当該フィールド・デバイスは流量を測定するように構成される。
【0061】
フィールド・デバイスがフローを測定するように構成されるかどうかのチェック
フィールド・デバイスが圧力送信器であると判定されると、コミッショニング・ツール110はさらに、制御システム・ループ情報ファイル138から、当該フィールド・デバイスがフローを測定するように制御システム140において構成されるかどうかを判定するように構成される。
【0062】
判定の1例は、当該フィールド・デバイスが測定するように構成されるプロセス変数の工学単位を読み取ることによるものである。当該工学単位が秒、分、時間、または日ごとの立方メートルのような、時間単位ごとの体積の観点から定義される場合、当該フィールド・デバイスはフローを測定するように制御システム140において構成される。
【0063】
別の決定の例は、パラメータ「タグ名」を読み取ることによるものである。パラメータ「タグ名」の値が、「FI」、「FFI」、「FQI」、「FZI」、「FC」、「FFC」、「FQC」、「FZIC」、「FIC」、「FFIC」、「FQIC」、「FZIC」、「FRC」、「FFRC」、「FQRC」および「FZRC」の文字の何れかを他の文字または数字との組合せで有するとき、当該フィールド・デバイスはフローを測定するように制御システム140において構成される。
【0064】
制御システム内で構成されたフィールド・デバイスの線形化タイプの決定
当該フィールド・デバイスが所定のプロセス変数を測定すると判定されると、コミッショニング・ツール110はさらに、制御システム・ループ情報ファイル138から、当該フィールド・デバイスに関連付けられた制御システム140内の線形化タイプ170(図示せず)を決定するように構成される。
【0065】
1例では、構成パラメータ「入力信号変換」は、制御システム・ループ情報ファイル138において、値「線形」を有するフィールド・デバイスに対して、線形化タイプは「線形」と決定され、他の値に対して、当該線形化タイプは「その他」である。「線形」、「二乗根」、「間接二乗根」のような線形化タイプを表す複数の値が当該構成パラメータに対してあってもよい。制御システム内のフィールド・デバイス線形化タイプ170を決定できるようにするためのマッピング・テーブルが提供されるのが好ましい。当該マッピング・テーブルは、当該制御システム内の構成パラメータに対する情報を列挙する。例えば、当該制御システムにおけるフィールド・デバイスの線形化タイプを決定するために、当該線形化タイプを「入力信号変換」の値に見い出す。当該値が「線形」である場合、当該線形化タイプは「線形」と決定される。当該値が「二乗根」、「間接二乗根」のうち1つである場合、当該線形化タイプは「その他」と決定される。
【0066】
あるいは、コミッショニング・ツール110は、構成パラメータ値を制御システム140から取り出して線形化タイプ170を決定するように構成される。
【0067】
例えば、構成パラメータ「入力信号変換」は、制御システム140において、値「無変換」を有するフィールド・デバイスに対して、当該線形化タイプは「線形」と決定され、他の値に対しては、当該線形化タイプは「その他」である。「無変換」、「二乗根」、「間接二乗根」のような線形化タイプを表す複数の値が当該構成パラメータに対してあってもよい。当該制御システム内のフィールド・デバイス線形化タイプ170を決定できるようにするためのマッピング・テーブルが提供されるのが好ましい。当該マッピング・テーブルは、当該制御システム内の構成パラメータに関する情報を列挙する。例えば、当該制御システムにおけるフィールド・デバイスの線形化タイプを決定するために、当該線形化タイプを「入力信号変換」の値に見い出す。当該値が「無変換」である場合、当該線形化タイプは「線形」と決定される。当該値が「二乗根」、「間接二乗根」のうち1つである場合、当該線形化タイプは「その他」と決定される。
【0068】
フィールド・デバイス内で構成されたフィールド・デバイスの線形化タイプの決定
コミッショニング・ツール110はまた、フィールド・デバイスの線形化タイプ175(図示せず)を当該フィールド・デバイスから取り出すように構成される。
【0069】
HARTフィールド・デバイスに対して、コミッショニング・ツール110はさらに、登録ファイル134から、所定のデバイス通信コマンドを特定するように構成される。このケースは「HARTコマンド15」であり、コミッショニング・ツール110はそれを当該フィールド・デバイスに対して実行し、応答を当該フィールド・デバイスから受信する。
【0070】
例えば、当該フィールド・デバイスから取り出された応答がパラメータ「pressure_output_transfer_function」に対して値「0」を有する場合、当該フィールド・デバイスの線形化タイプ175は「線形」である。他の全ての値に対して、線形化タイプ175は「その他」である。
【0071】
FF−H1入力フィールド・デバイスに対して、コミッショニング・ツール110はさらに、入力タイプのフィールド・デバイスから、パラメータ「_AI01.L_TYPE」を読み取るように構成され、FF−H1出力フィールド・デバイスに対して「_TB01.POSITION_CHAR_TYPE」である。
【0072】
受信した応答から、フィールド・デバイスの線形化タイプ175が登録ファイル134から特定される。例えば、値「1」を有する入力タイプフィールド・デバイス・パラメータ「_AI01.L_TYPE」は、「Direct」フィールド・デバイスであり、登録ファイル134から、当該フィールド・デバイスの線形化タイプ175が「線形」と特定される。他の全ての値に対して、線形化タイプ175は「その他」である。値「1」を有する出力フィールド・デバイス・パラメータ「_TB01.POSITION_CHAR_TYPE」は「Direct」フィールド・デバイスであり、登録ファイル134から、当該フィールド・デバイスの線形化タイプ175は「線形」と特定される。他の全ての値に対して、線形化タイプ175は「その他」である。
【0073】
当該フィールド・デバイス内のフィールド・デバイス線形化タイプ175の決定を好都合に行えるようにするためのマッピング・テーブルがリポジトリ138内に提供されるのが好ましい。
【0074】
線形化チェックの結果
コミッショニング・ツール110はさらに、制御システム140内のフィールド・デバイスの線形化タイプ175および当該フィールド・デバイスの線形化タイプ170を用いて、線形化チェックの結果を決定するように構成される。
【0075】
当該線形化チェックの結果は上述のように決定されたフィールド・デバイスに対して、
図5の所定のロジックを適用し以下のシナリオの1つを用いることによって決定される。
【0076】
シナリオ1:フィールド・デバイスが、
1.1.圧力送信器でない入力装置
【0077】
1.2.(a)「製造者/ベンダID」パラメータが0x000037であり「デバイス・タイプ」パラメータが0x3754であるHARTフィールド・デバイス、(b)「製造者/ベンダID」パラメータが0x594543であり「デバイス・タイプ」パラメータが0x000EであるFF−H1フィールド・デバイスのような、例外圧力送信器である入力装置
として構成される。
【0078】
シナリオ2:圧力送信器であるフィールド・デバイスに対して、フィールド・デバイスが、プロセス変数、圧力およびレベルのうち1つを測定するように構成される。
【0079】
シナリオ3:フィールド・デバイスが、圧力送信器であり、フロー・プロセス変数を測定するように構成される。
【0080】
シナリオ4:フィールド・デバイスが、圧力送信器であり、フロー・プロセス変数を測定するように構成されると判定することができない。
【0081】
シナリオ5:フィールド・デバイスが、出力装置として構成され、バルブのようなアクチュエータへの出力信号を処理する。
【0082】
シナリオ1に対して、
図5のロジック1を適用すると、線形化タイプ170および175の両方が「線形」であるとき、線形化チェックの結果は良好であり、
図5で「OK」により表される。他種の組合せについては、当該線形化チェックの結果は良好ではなく、これを
図5の「NG」により表すことができる。
【0083】
シナリオ2に対して、ロジック2を適用すると、線形化タイプ170および175の両方が「線形」であるとき、制御室作業員が線形化チェックを判定するためのメッセージがユーザ・インタフェースに提供され、
図5の「ACK」により表される。他種の組合せについては、当該線形化チェックの結果は良好ではなく、
図5の「NG」により表される。
【0084】
シナリオ3に対して、ロジック3を適用すると、線形化タイプ170および175の両方が同一で、「線形」または「その他」であるとき、線形化チェックの結果は良好ではなく、
図5の「NG」により表される。他種の組合せについては、当該線形化チェックの結果は良好であり、
図5で「OK」により表される。
【0085】
シナリオ4に対して、ロジック4を適用すると、線形化タイプ170および175の両方が同一で、「線形」または「その他」であるとき、線形化チェックの結果は良好ではなく、
図5の「NG」により表される。他種の組合せについては、制御室作業員が当該線形化チェックを判定するためのメッセージがユーザ・インタフェースに提供され、
図5の「ACK」により表される。
【0086】
シナリオ5に対して、ロジック5を適用すると、線形化タイプ170および175の両方が「その他」であるとき、線形化チェックの結果は良好であり、
図5で「OK」により表される。他種の組合せについては、当該線形化チェックの結果は良好ではなく、
図5の「NG」により表される。
【0087】
コミッショニング・ツール110がさらに、リポジトリ130内またはコミッショニング・ツール110内の判定テーブル180を用いて当該線形化チェックの結果を決定するように構成されるのが好ましい。判定テーブル180の1例を
図5に示す。
【0088】
図6は、フィールド・デバイス・コミッショニング・システム100における、本発明の1実施形態に従う線形化チェック機能を実施する方法である、線形化チェック・ワークフロー300である。ステップ310で、コミッショニング・ツール110が、制御システム・ループ情報ファイル138から、フィールド・デバイスが入力装置として使用するように構成されるかどうかを判定する。当該判定は、当該フィールド・デバイスが入力信号を使用しているかどうかを検証することによって行われる。
【0089】
当該フィールド・デバイスが入力装置であると判定されたとき、ステップ320で、コミッショニング・ツール110は、プロトコル・デバイス登録ファイル136から、当該フィールド・デバイスが圧力送信器であるかどうかを判定する。
【0090】
当該フィールド・デバイスが圧力送信器であると判定されたとき、ステップ330で、制御システム・ループ情報ファイル138から、コミッショニング・ツール110は、当該フィールド・デバイスがフローを測定するように制御システム140において構成されるかどうかを判定する。
【0091】
当該フィールド・デバイスが所定のプロセス変数を測定すると判定されると、ステップ340で、制御システム・ループ情報ファイル138から、コミッショニング・ツール110は、制御システム140内で構成されたフィールド・デバイスの線形化タイプ170を決定する。ステップ350で、コミッショニング・ツール110が当該フィールド・デバイスの線形化タイプ175を当該フィールド・デバイスから取り出す。
【0092】
ステップ360で、コミッショニング・ツール110が、線形化タイプ170、175を用いることによって線形化チェックの結果を決定する。
【0093】
本発明の上述の実施形態では、制御システム140内で構成されたフィールド・デバイスおよびフィールド・デバイス120、125の線形化タイプ170、175の自動的な取出し、分析、および比較を可能とする。自動化により、ヒューマン・エラーが減る。事前構成が行われるので、自動的にチェックが行われ、結果が記録される。有利なことに、マンパワーが減り、それにしたがって、時間とコストが節約される。手動での現場操作の必要性が減ることにより、必要な現場作業員が少なくリスクが減る。
【0094】
タスクの自動生成
本発明の別の実施形態は、コミッショニング・ツール110が、ユーザ・インタフェースに、リポジトリ130内の複数のテンプレートのうち少なくとも1つのテンプレートを提供するように構成されるというものである。リポジトリ130内の当該複数のテンプレートはタスク・テンプレートおよびワークフロー・テンプレートである。タスク・テンプレートはテンプレートとして保存されるタスクである。それにしたがって、ワークフロー・テンプレートは、テンプレートとして保存されるワークフローである。
【0095】
さらに、タスク・テンプレートまたはワークフロー・テンプレートはタスクに対する所定の値を含む。複数の値をもつ構成を有するタスクに対して、当該構成に対して所定の値がある。当該所定の値を変更するためのオプションが提供されるのが好ましい。
【0096】
制御室作業員のようなユーザは、ユーザ・インタフェースに提供されたタスク・テンプレートまたはワークフロー・テンプレートの何れかを選択することができる。
【0097】
コミッショニング・ツール110は、複数のフィールド・デバイスのうち少なくとも1つに対するチェック機能を決定するように構成される。チェック機能を決定するために、コミッショニング・ツール110は、制御システム・ループ情報ファイル138内の構成パラメータ、またはフィールド・デバイス情報ファイル132内のパラメータを読み取るように構成される。両方のファイルがリポジトリ130内にある。
【0098】
コミッショニング・ツール110は、フィールド・デバイス情報ファイル132内のフィールド・デバイス120、125の識別子を取り出すように構成される。当該識別子を用いて、制御システム・ループ情報ファイル138から、コミッショニング・ツール110が、フィールド・デバイス120、125が制御システム140に関連付けられるかまたは接続されるかどうかを判定する。
【0099】
制御システム140は、フィールド・デバイスに接続するための機能ブロック190(図示せず)を有する。制御システム140が、フィールド・デバイス120、125が制御システム140内の機能ブロック190に関連付けられるかまたは接続されるかどうかを判定するようにさらに構成されるのが好ましい。
【0100】
コミッショニング・ツール110は、フィールド・デバイス120、125に対して、選択されたタスク・テンプレートまたはワークフロー・テンプレートに関連付けられたチェック機能を決定するように構成される。1例では、当該チェック機能は各シーケンスにおける以下の所定の基準を用いて決定される。
【0101】
シーケンス1が「接続チェック機能」であり、当該基準は、(a)フィールド・デバイスの通信プロトコルが「HART」または「FF−H1」であり、(b)当該フィールド・デバイスの接続タイプが「入力」または「出力」であるというものである。
【0102】
シーケンス2が「線形化チェック機能」であり、当該基準は、(a)フィールド・デバイスが制御システムまたは当該制御システム内の機能ブロックに関連付けられ、(b)当該フィールド・デバイスの通信プロトコルが「HART」または「FF−H1」であり、(c)当該フィールド・デバイスの接続タイプが「入力」または「出力」であるというものである。
【0103】
シーケンス3が「範囲チェック機能」であり、当該基準は、(a)HARTフィールド・デバイスに対して、HARTフィールド・デバイスが制御システムまたは当該制御システム内の機能ブロックに関連付けられ、(b)当該フィールド・デバイスの通信プロトコルが「HART」または「FF−H1」であり、(c)当該フィールド・デバイスの接続タイプが「入力」または「出力」であるというものである。
【0104】
シーケンス4が「入力ループ・チェック機能」であり、当該基準は、(a)フィールド・デバイスが制御システムまたは当該制御システム内の機能ブロックに関連付けられ、(b)当該フィールド・デバイスの通信プロトコルが「HART」または「FF−H1」であり、(c)当該フィールド・デバイスの接続タイプが「入力」であるというものである。
【0105】
シーケンス5が「出力ループ・チェック機能」であり、当該基準は、(a)フィールド・デバイスが制御システムまたは当該制御システム内の機能ブロックに関連付けられ、(b)当該フィールド・デバイスの通信プロトコルが「HART」または「FF−H1」であり、(c)当該フィールド・デバイスの接続タイプが「出力」というものである。
【0106】
シーケンス6が「手動作業チェック機能」であり、当該基準は、(a)フィールド・デバイスの通信プロトコルが「HART」または「FF−H1」であり、(b)当該フィールド・デバイスの接続タイプが「入力」または「出力」であるというものである。
【0107】
当該基準の要約を以下の表1で提供する。
【0109】
当該基準が満たされない場合、対応するチェック機能は生成されない。これにより、無関係なチェック機能が実行されるのが防止され、したがって無関係なチェック機能の実行に起因するエラーが回避される。当該基準が満たされない場合には、チェック機能をフィールド・デバイスに対するシーケンスから省略してもよい。シーケンスは、生成されたチェック機能を実施する順序である。これは、非論理的なシーケンスに起因するエラーを減らすための標準化されたシーケンスを生成する。当該シーケンスの順序は、シーケンス1が最初に実行されシーケンス6が最後に実行されるというものである。
【0110】
コミッショニング・ツール110は、ユーザ・インタフェースに、選択するためのフィールド・デバイスを特定する情報を提供するように構成される。当該情報は、当該フィールド・デバイスを表す識別子またはシンボルである。
【0111】
コミッショニング・ツール110は、選択するためのグループ・タイプをユーザ・インタフェースに提供するように構成される。当該グループ・タイプがリポジトリ130に格納される。これは、ユーザの嗜好に従ってグループ・タイプ内のタスクを生成するためである。グループ・タイプの1例は、領域、プロセス、機器またはユニットに対するフォルダであり、別のグループ・タイプはチェック機能、ユーザ、チーム、およびフィールド・デバイスである。
【0112】
選択されたテンプレートおよびグループ・タイプに基づいて、決定されたチェック機能に関連付けられたタスクが自動的に生成される。生成されたタスクが、当該生成されたタスクに関する情報とともにユーザ・インタフェースに提供される。当該生成されたタスクがユーザ・インタフェースに提供され、当該グループ・タイプを再選択するオプションがユーザ・インタフェースに提供されるのが好ましい。
【0113】
生成されたチェック機能が以前に選択されたテンプレートを用いてフィルタされるのが好ましい。この場合、タスクは、選択された1つのタスク・テンプレートまたはワークフロー・テンプレートに対して生成される。
【0114】
図7Aは、本発明の1実施形態に従う複数のフィールド・デバイスのためのタスクを自動的に生成する方法400の流れ図である。ステップ410で、コミッショニング・ツール110は、選択するためのリポジトリ130内の少なくとも1つのテンプレートをユーザ・インタフェースに提供する。リポジトリ130においてテンプレート全てが提供されるのが好ましい。
【0115】
ステップ420で、少なくとも1つの制御システム・パラメータを使用して、どのチェック機能がフィールド・デバイスに関連付けられているかを判定する。当該制御システム・パラメータは、リポジトリ130内の制御システム・ループ情報ファイル138またはフィールド・デバイス情報ファイル132の何れかから取り出される。選択されたテンプレート内の全てのチェック機能をフィールド・デバイスの全てのタイプに適用できるわけではない。ステップ410で選択されたテンプレートに基づいて、上の表1のような所定の基準を使用してチェック機能を決定する。これにより、無関係なチェック機能が実行されるのが防止され、したがって無関係なチェック機能の実行に起因するエラーが回避される。
【0116】
ステップ430で、コミッショニング・ツール110は、選択するための複数のフィールド・デバイスの少なくとも1つを特定する情報をユーザ・インタフェースに提供する。当該フィールド・デバイス全てに関する情報が提供されるのが好ましい。次いで、ステップ440で、コミッショニング・ツール110は、選択するためのリポジトリ内の複数のグループ・タイプのうち少なくとも1つを特定する情報をユーザ・インタフェースに提供する。当該グループ・タイプ全てに関する情報が提供されるのが好ましい。ステップ450で、コミッショニング・ツール110は、選択されたテンプレートおよび選択されたグループ・タイプを用いて、チェック機能に関連付けられたタスクを生成する。
【0117】
図7Bはステップ420を実施するためのワークフローの1例である。ステップ421で、コミッショニング・ツール110は、接続チェックが表1のシーケンス1の基準を用いることによって適用可能であるかどうかを検証する。ステップ422は、線形化チェックが表1のシーケンス2の基準を用いることによって適用可能であるかどうかを検証する。ステップ423および424で、コミッショニング・ツール110は、FF−H1範囲チェックおよびHART範囲チェックがそれぞれ表1のシーケンス3の基準を用いることによって適用可能であるかどうかを検証する。ステップ425および426で、コミッショニング・ツール110は、入力ループ・チェックおよび出力ループ・チェックがそれぞれ表1のシーケンス4および5の基準を用いることによって適用可能であるかどうかを検証する。ステップ427で、コミッショニング・ツール110は、シーケンス6での手動チェックが適用可能かどうかを検証する。
【0118】
本発明の上述の実施形態では、実施されるべきタスクの自動生成を可能とする。タスクとチェック機能の関連付け、チェック機能とフィールド・デバイスの関連付けは自動的に行われる。これにより、チェック機能とタスクを特定し検証するのに必要な工数を減らすことができる。自動化により、ヒューマン・エラーが減る。
【0119】
さらに、チェック機能の標準化されたシーケンスが生成される。チェック機能の標準化されたシーケンスを適用し、当該シーケンスの生成を自動化することにより、ヒューマン・エラーが減る。事前構成が行われるので、自動的にチェックが行われ、結果が記録される。有利なことに、マンパワーが減り、それにしたがって、時間とコストの節約が実現される。手動での現場操作の必要性が減ることにより、必要な現場作業員が少なくリスクが減る。
【0120】
フィールド・デバイス・コミッショニング・システムにおいて、フィールド・デバイスが出力デバイスとして構成されると判定されたとき、コミッショニング・ツールは、当該制御システム・ループ情報ファイルから、フィールド・デバイスに関連付けられた当該制御システム内の線形化タイプを決定し、フィールド・デバイスの線形化タイプをフィールド・デバイスから取り出し、フィールド・デバイスの取り出された線形化タイプおよびフィールド・デバイスに関連付けられた制御システム内の決定された線形化タイプを用いて、線形化チェック結果を決定するように構成される。
【0121】
制御システムと通信するように構成されたフィールド・デバイス・コミッショニング・システムにおいて、コミッショニング・ツールは、制御システムから、フィールド・デバイスがフローを測定するように制御システム内で構成されるかどうかを判定するように構成される。
【0122】
フィールド・デバイス・コミッショニング・システムにおいて、コミッショニング・ツールが、フィールド・デバイスの識別子がプロトコル・デバイス登録ファイル内にないと判定したとき、当該コミッショニング・ツールはさらに、当該リポジトリ内の登録ファイルから、デバイス通信コマンドを特定し、フィールド・デバイスに対して当該特定されたデバイス通信コマンドを実行し、フィールド・デバイスから、当該実行されたデバイス通信コマンドへの応答を受信し、当該受信した応答から、フィールド・デバイスが圧力送信器であるかどうかを判定するように構成される。
【0123】
フィールド・デバイス・コミッショニング・システムにおいて、当該コミッショニング・ツールは、フィールド・デバイスがフローを測定するように制御システム内で構成されるかどうかを判定するように構成され、当該コミッショニング・ツールはさらに、フィールド・デバイス情報ファイルから、フィールド・デバイスの識別子を決定するように構成される。
【0124】
フィールド・デバイス・コミッショニング・システムにおいて、当該コミッショニング・ツールは、フィールド・デバイスの線形化タイプをフィールド・デバイスから取り出すように構成される。当該コミッショニング・ツールはさらに、当該リポジトリ内の登録ファイルから、フィールド・デバイスから線形化タイプを取り出すためのデバイス通信コマンドを特定し、フィールド・デバイスに対して当該特定されたデバイス通信コマンドを実行し、フィールド・デバイスから、当該線形化タイプを有する応答を取り出すように構成される。
【0125】
フィールド・デバイス・コミッショニング・システムにおいて、当該コミッショニング・ツールは制御システムと通信するように構成される。当該コミッショニング・ツールは、制御システムから、フィールド・デバイスに関連付けられた制御システム内の線形化タイプを決定するように構成される。
【0126】
フィールド・デバイス・コミッショニング・システムにおいて、当該コミッショニング・ツールは、判定テーブルと通信するように構成され、当該コミッショニング・ツールは、当該判定テーブルを用いて、線形化チェック結果を決定するように構成される。
【0127】
フィールド・デバイス・コミッショニング・システムにおいて、当該コミッショニング・ツールは、所定のロジックを用いて線形化チェック結果を決定するように構成される。
【0128】
コミッショニング・ツールが線形化チェック結果を決定するように構成されるフィールド・デバイス・コミッショニング・システムにおいて、当該コミッショニング・ツールは、ユーザ・インタフェースにユーザからの線形化チェック結果を提供するように構成される。
【0129】
本発明の別の態様では、フィールド・デバイス・コミッショニング・システムで実施されるフィールド・デバイス・コミッショニング方法が、フィールド・デバイスおよびリポジトリと通信するように構成されたコミッショニング・ツールを備えてもよいがこれらに限られない。当該方法が、当該リポジトリ内の制御システム・ループ情報ファイルから、フィールド・デバイスが入力装置であるかどうかを判定するステップと、フィールド・デバイスが入力装置であると判定されたとき、当該リポジトリ内のプロトコル・デバイス登録ファイルから、フィールド・デバイスが圧力送信器であるかどうかを判定するステップと、フィールド・デバイスが圧力送信器であると判定されたとき、当該リポジトリ内の制御システム・ループ情報ファイルから、フィールド・デバイスがフローを測定するように制御システム内で構成されるかどうかを判定するステップと、フィールド・デバイスがフローを測定するように制御システム内で構成されると判定されたとき、制御システム・ループ情報ファイルから、フィールド・デバイスに関連付けられた制御システム内の線形化タイプを特定するステップと、フィールド・デバイスの線形化タイプをフィールド・デバイスから取り出すステップと、フィールド・デバイスに関連付けられた制御システム内のフィールド・デバイスの取り出された線形化タイプおよび当該特定された線形化タイプから、線形化チェック結果を決定するステップとを含んでもよいがこれらに限られない。
【0130】
当該方法では、フィールド・デバイスが出力デバイスとして構成されると判定されたとき、当該方法は、制御システム・ループ情報ファイルから、フィールド・デバイスに関連付けられた制御システム内の線形化タイプを決定するステップと、フィールド・デバイスの線形化タイプをフィールド・デバイスから取り出すステップと、フィールド・デバイスの取り出された線形化タイプおよびフィールド・デバイスに関連付けられた制御システム内の当該決定された線形化タイプを用いて、線形化チェック結果を決定するステップとを含む。
【0131】
当該方法では、当該コミッショニング・ツールが制御システムと通信するとき、当該方法はさらに、制御システムから、フィールド・デバイスがフローを測定するように制御システム内で構成されるかどうかを判定するステップを含む。
【0132】
当該方法では、フィールド・デバイスの識別子がプロトコル・デバイス登録ファイル内にないと判定されたとき、当該方法はさらに、当該リポジトリ内の登録ファイルから、デバイス通信コマンドを特定するステップと、フィールド・デバイスに対して当該特定されたデバイス通信コマンドを実行するステップと、フィールド・デバイスから、当該実行されたデバイス通信コマンドへの応答を取り出すステップと、当該受信した応答から、フィールド・デバイスが圧力送信器であるかどうかを判定するステップとを含む。
【0133】
当該方法では、フィールド・デバイスがフローを測定すると判定されたとき、当該方法はさらに、フィールド・デバイス情報ファイルから、フィールド・デバイスの識別子を決定するステップを含む。
【0134】
当該方法では、フィールド・デバイスの線形化タイプをフィールド・デバイスから取り出すステップはさらに、当該リポジトリ内の登録ファイルから、当該線形化タイプをフィールド・デバイスから取り出すためのデバイス通信コマンドを特定するステップと、フィールド・デバイスに対して当該特定されたデバイス通信コマンドを実行するステップと、フィールド・デバイスから、当該線形化タイプを有する応答を取り出すステップとを含む。
【0135】
当該方法では、当該コミッショニング・ツールは制御システムと通信し、制御システムから、フィールド・デバイスに関連付けられた制御システム内の線形化タイプを決定するステップをさらに含む。
【0136】
当該方法では、当該コミッショニング・ツールは判定テーブルと通信し、当該判定テーブルを用いて、当該線形化チェック結果を決定するステップをさらに含む。
【0137】
当該方法では、線形化チェック結果を決定するステップはさらに、所定のロジックを用いて当該線形化チェック結果を決定するステップを含む。
【0138】
当該方法では、線形化チェック結果を決定するステップはさらに、ユーザからの当該線形化チェック結果を有するユーザ・インタフェースを受信するステップを含む。
【0139】
本発明のさらに別の態様では、フィールド・デバイス・コミッショニング方法を実施するためにフィールド・デバイス・コミッショニング・システムにより実行されるコンピュータプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体であって、フィールド・デバイス・コミッショニング・システムはコミッショニング・ツールを備えるがこれに限られない。当該コミッショニング・ツールはフィールド・デバイスおよびリポジトリと通信するように構成され、フィールド・デバイス・コミッショニング方法は、当該リポジトリ内の制御システム・ループ情報ファイルから、フィールド・デバイスが入力装置であるかどうかを判定するステップと、フィールド・デバイスが入力装置であると判定されたとき、当該リポジトリ内のプロトコル・デバイス登録ファイルから、フィールド・デバイスが圧力送信器であるかどうかを判定するステップと、フィールド・デバイスが圧力送信器であると判定されたとき、当該リポジトリ内の制御システム・ループ情報ファイルから、フィールド・デバイスがフローを測定するように制御システム内で構成されるかどうかを判定するステップと、フィールド・デバイスがフローを測定するように制御システム内で構成されると判定されたとき、制御システム・ループ情報ファイルから、フィールド・デバイスに関連付けられた制御システム内の線形化タイプを特定するステップと、フィールド・デバイスの線形化タイプをフィールド・デバイスから取り出すステップと、フィールド・デバイスに関連付けられた制御システム内のフィールド・デバイスの取り出された線形化タイプおよび当該特定された線形化タイプから、線形化チェック結果を決定するステップとを含むがこれらに限られない。