(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
バッテリを収容する収容空間の一側を区画するボックス外壁部と、前記ボックス外壁部に形成されて前記収容空間と前記ボックス外壁部の外部とを連通するボックス通気口と、前記ボックス外壁部から前記ボックス外壁部の外部へ突出するボックス突出部とを有するバッテリボックスと、
前記バッテリボックスの前記ボックス外壁部から外側に離間して前記ボックス外壁部の略全域を覆うカバー板部と、前記カバー板部のうち前記ボックス通気口と対向する対向領域から所定方向に離間した領域に形成されて前記ボックス通気口と対向しないカバー通気口と、前記ボックス外壁部に向かって前記カバー板部から一体的に突出して前記カバー板部を補強するカバー突出部とを有し、前記バッテリボックスに対して固定されるカバーと、を備え、
前記ボックス突出部と前記カバー突出部とは、前記ボックス通気口と前記カバー通気口との間で前記所定方向に離間して配置され、前記所定方向と交叉する方向に延び、
前記ボックス突出部の先端と前記カバー板部との間、及び前記カバー突出部の先端と前記ボックス外壁部との間には、空気の流通を許容する間隙がそれぞれ設けられる
ことを特徴とするバッテリの防水構造。
バッテリを収容する収容空間の一側を区画するボックス外壁部と、前記ボックス外壁部に形成されて前記収容空間と前記ボックス外壁部の外部とを連通するボックス通気口と、前記ボックス外壁部から前記ボックス外壁部の外部へ突出するボックス突出部とを有するバッテリボックスと、
前記バッテリボックスの前記ボックス外壁部から外側に離間して前記ボックス外壁部の略全域を覆うカバー板部と、前記ボックス外壁部に向かって前記カバー板部から一体的に突出して前記カバー板部を補強するカバー突出部とを有し、前記バッテリボックスに対して固定されるカバーと、を備え、
前記ボックス突出部は、前記ボックス外壁部のうち前記ボックス通気口から所定方向に離間した第1の離間領域と前記ボックス通気口との間に配置され、前記所定方向と交叉する方向に延び、
前記カバー突出部は、前記カバー板部のうち、前記ボックス通気口と対向する対向領域と、前記ボックス外壁部の前記第1の離間領域と対向する第2の離間領域との間に、前記ボックス突出部から前記所定方向に離間して配置され、前記所定方向と交叉する方向に延び、
前記ボックス突出部の先端と前記カバー板部との間、及び前記カバー突出部の先端と前記ボックス外壁部との間には、空気の流通を許容する間隙がそれぞれ設けられる
ことを特徴とするバッテリの防水構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電池パックでは、アッパケースの長手方向の前側面の吸気口が外部へ露出しているので、降雨や洗車の際に吸気口に水が直接かかり、吸水口からアッパケースの内部に水が浸入し易い。
【0006】
特許文献2に記載の電源冷却装置では、スタックインテークダクトや排気ダクトによって水の浸入を防止している。しかし、スタックインテークダクトがバッテリケースの前端側上面から上方へ突出し、排気ダクトがバッテリケースの後面から後方へ突出するので、外観上の見栄えが低下してしまうおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、外観上の見栄えを損なうことなく、バッテリを防水することが可能なバッテリの防水構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様のバッテリの防水構造は、バッテリボックスとカバーとを備える。バッテリボックスは、バッテリを収容する収容空間の一側を区画するボックス外壁部と、ボックス外壁部に形成されて収容空間とボックス外壁部の外部とを連通するボックス通気口と、ボックス外壁部からボックス外壁部の外部へ突出するボックス突出部とを有する。カバーは、バッテリボックスのボックス外壁部から外側に離間してボックス外壁部の略全域を覆うカバー板部と、カバー板部のうちボックス通気口と対向する対向領域から所定方向に離間した領域に形成されてボックス通気口と対向しないカバー通気口と、ボックス外壁部に向かってカバー板部から一体的に突出してカバー板部を補強するカバー突出部とを有し、バッテリボックスに対して固定される。ボックス突出部とカバー突出部とは、ボックス通気口とカバー通気口との間で上記所定方向に離間して配置され、上記所定方向と交叉する方向に延びる。ボックス突出部の先端とカバー板部との間、及びカバー突出部の先端とボックス外壁部との間には、空気の流通を許容する間隙がそれぞれ設けられる。
【0009】
また、上記カバー突出部は、カバー板部からボックス外壁部側へ曲折形成されるビードであってもよい。
【0010】
上記構成では、カバー板部がボックス外壁部を覆い、カバー通気口がカバー板部のうちボックス通気口と対向する領域から所定方向に離間した領域に形成されてボックス通気口と対向しない。すなわち、バッテリボックスのボックス通気口は、カバー板部に覆われて外側へ露出しないので、例えば、降雨や洗車の際に、水がボックス通気口に直接かかってしまうことをカバー板部によって防止することができる。また、カバーのカバー通気口がボックス通気口と対向しないので、降雨や洗車の際に、カバー通気口からカバー板部とボックス外壁部との間の空間(以下、カバー内側空間と称する)に浸入した水がボックス通気口にかかり難い。
【0011】
また、ボックス通気口とカバー通気口との間には、所定方向に離間して配置され、所定方向と交叉する方向に延びるボックス突出部とカバー突出部とが設けられる。所定方向は、カバー通気口からボックス通気口への方向と略同方向であり、カバー突出部は、カバー板部から突出し、ボックス突出部は、ボックス外壁部から突出する。このため、カバー通気口からカバー内側空間に水が浸入した際に、カバー突出部は、カバー板部上を流れてボックス通気口側へ向かう水に対して障壁となる。また、ボックス突出部は、ボックス外壁部上を流れてボックス通気口側へ向かう水に対して障壁となる。従って、カバー通気口からボックス通気口側への水の浸入を防止することができる。
【0012】
また、カバー板部がボックス外壁部の略全域を覆うので、カバーによって外観上の見栄えを向上させることができる。
【0013】
従って、外観上の見栄えを損なうことなく、ボックス通気口側への水の浸入を確実に防止し、バッテリボックスの収容空間のバッテリを防水することができる。
【0014】
また、カバー突出部は、カバー板部から突出してカバー板部を補強するので、ボックス外壁部の略全域を覆うために樹脂製のカバー板部を大きく形成しても、カバー突出部によってカバー板部の剛性を確保することができる。
【0015】
また、カバー板部を補強するためのカバー突出部を、カバー通気口からボックス通気口側への水の浸入を防止するための防水手段として機能させるので、水の浸入を防止するための他の部材をカバー側に新たに設ける必要がなく、部品点数の増大を抑えることができる。
【0016】
また、カバー突出部がカバー板部から一体的に突出するので、カバー板部とカバー突出部とを一体形成して、カバー板部に対するカバー突出部の取り付け作業等のカバー製造時の作業工数を削減することができる。
【0017】
本発明の第2の態様のバッテリの防水構造は、バッテリボックスとカバーとを備える。バッテリボックスは、バッテリを収容する収容空間の一側を区画するボックス外壁部と、ボックス外壁部に形成されて収容空間とボックス外壁部の外部とを連通するボックス通気口と、ボックス外壁部からボックス外壁部の外部へ突出するボックス突出部とを有する。カバーは、バッテリボックスのボックス外壁部から外側に離間してボックス外壁部の略全域を覆うカバー板部と、ボックス外壁部に向かってカバー板部から一体的に突出してカバー板部を補強するカバー突出部とを有し、バッテリボックスに対して固定される。ボックス突出部は、ボックス外壁部のうちボックス通気口から所定方向に離間した第1の離間領域とボックス通気口との間に配置され、上記所定方向と交叉する方向に延びる。カバー突出部は、カバー板部のうち、ボックス通気口と対向する対向領域と、ボックス外壁部の第1の離間領域と対向する第2の離間領域との間に、ボックス突出部から上記所定方向に離間して配置され、上記所定方向と交叉する方向に延びる。ボックス突出部の先端とカバー板部との間、及びカバー突出部の先端とボックス外壁部との間には、空気の流通を許容する間隙がそれぞれ設けられる。
【0018】
また、上記カバー突出部は、カバー板部からボックス外壁部側へ曲折形成されるビードであってもよい。
【0019】
上記構成では、ボックス外壁部を覆うカバー板部に開口が形成されないので、カバー内側空間に水が浸入し難い。
【0020】
また、ボックス突出部は、ボックス外壁部のうちボックス通気口から所定方向に離間した第1の離間領域とボックス通気口との間に配置され、上記所定方向と交叉する方向に延びるので、例えば、カバーの上端部とバッテリボックスとの間に間隙が存在し、降雨や洗車の際にカバーの上端部の間隙からカバー内側空間に水が浸入しても、ボックス外壁部上を流れて第1の離間領域側からボックス通気口側へ向かう水に対してボックス突出部が障壁となる。
【0021】
また、カバー突出部は、カバー板部のうち、ボックス通気口と対向する通気口対向領域と、ボックス外壁部の第1の離間領域と対向する第2の離間領域との間に、ボックス突出部から上記所定方向に離間して配置され、上記所定方向と交叉する方向に延びるので、上述のように、カバーの上端部の間隙からカバー内側空間に水が浸入した場合であっても、カバー板部上を流れて第2の離間領域側から通気口対向領域側(ボックス通気口側)へ向かう水に対してカバー突出部が障壁となる。さらに、カバー突出部の先端は、ボックス突出部の先端よりもボックス外壁部側に突出する。すなわち、ボックス突出部とカバー突出部とは、第1及び第2の離間領域側とボックス通気口側との間で所定方向に重なるので、カバー突出部又はボックス突出部の一方の突出部の突出高さを越えてボックス通気口側へ流れる水に対して他方の突出部が障壁となる。従って、カバー内側空間のうち第1及び第2の離間領域側に侵入した水のボックス通気口側への浸入を防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、外観上の見栄えを損なうことなく、バッテリを防水することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係るバッテリの防水構造を有するハイブリッドユニットボックス10は、ハイブリッド電気自動車である車両1に搭載される。車両1は、車体フレーム2と、前後1対のステー3とを有する。
【0026】
車体フレーム2は、前後方向へ延びる左右1対のサイドメンバ4と、車幅方向へ延びて左右のサイドメンバ4同士を連結する第1クロスメンバ5と、第1クロスメンバ5の後方で車幅方向へ延びて左右のサイドメンバ4同士を連結する第2クロスメンバ6とを有する。
【0027】
ステー3は、略鉛直方向に延びる鉛直部3aと、鉛直部3aの下端から車幅方向外側へ曲折して略水平方向に延びる水平部3bとによって略L字状に一体形成される(
図4参照)。鉛直部3aの上端部には、ボルト穴(図示省略)が形成される。前後のステー3は、車両1の前輪(図示省略)と後輪(図示省略)との間の車幅方向左側のサイドメンバ4の車幅方向外側面の前後2箇所に略同じ高さ位置で相互に前後に離間して配置されて、鉛直部3aがサイドメンバ4の下端縁よりも下方へ延びた状態で、ボルト穴を挿通するボルト7によってサイドメンバ4にそれぞれ固定される。前後のステー3の水平部3bの車幅方向内端部の下面には、両ステー3に亘って前後方向に延びるアングル37が固定される(
図4参照)。アングル37には、後述するボックスカバー13を支持するカバー支持具38が、アングル37から下方へ延びるようにアングル37の前後方向の3箇所(
図4には、1箇所のみを示す)に固定される。
【0028】
ハイブリッドユニットボックス10は、バッテリボックス12と、バッテリボックス12に固定されるボックスカバー(カバー)13とを備え、バッテリボックス12が前後のステー3に固定されることにより車両1に固定される。バッテリボックス12の内部には、第1の収容空間(収容空間)14(
図4参照)が区画される。また、ボックスカバー13がバッテリボックス12に固定された状態で、バッテリボックス12の下方には、第2の収容空間15(
図4参照)が区画される。
【0029】
第1の収容空間14には、第1のバッテリ関連機器群(図示省略)が収容される。本実施形態における第1のバッテリ関連機器群は、防水する必要性が高く、且つ自身が防水性を有さない機器群であり、ハイブリッドバッテリ(バッテリ)、バッテリファン、ファンダクト、バッテリコントロールユニット、ジャンクションパレット、及びDC−DCコンバータ等を含む。ハイブリッドバッテリは、例えば、リチウムイオン電池であって、車両1の発進時や加速時などに、インバータを介してモータジェネレータに電力を供給する。また、ハイブリッドバッテリは、車両1の減速時などにモータジェネレータが発電した電力をインバータを介して蓄電する。バッテリファンは、ハイブリッドバッテリ等を冷却するための空気をバッテリボックス12の外部から第1の収容空間14に取り入れ、冷却後の空気を第1の収容空間14からバッテリボックス12の外部へ排出する。バッテリコントロールユニットは、主にハイブリッドバッテリを制御する。ジャンクションパレットは、電気の流れを切り換える。DC−DCコンバータは、高電圧の直流電流を降圧する。
【0030】
第2の収容空間15には、第2のバッテリ関連機器群(図示省略)が収容される。本実施形態における第2のバッテリ関連機器群は、防水する必要性が低く、または自身が防水性を有している機器群であり、インバータ、ラジエータ、ラジエータファン、及びウォーターポンプ等を含む。インバータは、高電圧の直流電流と三相交流電流との変換を行う。ラジエータは、インバータ等を冷却する冷却水と空気との間で熱交換を行う。ラジエータファンは、ラジエータのコアに空気を流通させる。ウォーターポンプには、管路が連結され、管路内の冷却水を循環させる。
【0031】
図2に示すように、バッテリボックス12は、下方へ開口する箱体状の上ケース16と、上方へ開口する箱体状の下ケース17とを有し、両ケース16,17の開口側同士を固定して、後述する吸気口18及び排気口24以外が略密閉された箱体状に形成される。バッテリボックス12は、前後のステー3の水平部3bの上方に載置され、前後のステー3のそれぞれに設けられる前後のバンド11によってステー3に対して固定される。バンド11は、金属製の板状体であって、ステー3の鉛直部3aの上端部からバッテリボックス12の上面に沿って車幅方向外側へ延び、バッテリボックス12の車幅方向外端部で下方へ湾曲してバッテリボックス12の車幅方向外側面に沿って下方へ延び、ステー3の水平部3bの車幅方向外端部に固定される。
【0032】
上ケース16は、前板部16a(
図4参照)と後板部16bと左右の側板部16c,16d(
図4参照)と上板部16eとによって下方へ開口する箱体状に一体形成される。上板部16eの車幅方向外端部には、ボックスカバー13を固定するためのボルト穴34をそれぞれ有する複数(本実施形態では、5つ)の板状の取付金具33が固定される。上ケース16の下端部には、前板部16a、後板部16b、及び左右の側板部16c,16dのそれぞれの下端部から上ケース16の外側へ向かって略水平方向に拡がる板状のフランジ部(ボックス突出部)19が一体形成される。フランジ部19には、複数のボルト穴(図示省略)が形成される。上ケース16の左側の側板部16cには、バッテリファンによって第1の収容空間14へ空気を吸入するための吸気口(ボックス通気口)18と、第1の収容空間14から空気を排出するための排気口(ボックス通気口)24とが形成される。
【0033】
吸気口18は、2つの矩形状の開口であって、上ケース16の左側の側板部16cのうち前後のバンド11の間に配置され、左側の側板部16cを車幅方向に貫通して第1の収容空間14と外部とを連通する。左側の側板部16cのうち吸気口18の周辺には、車幅方向外側から吸気口18を覆うようにフィルタカバー22が固定される。フィルタカバー22は、吸気口18と対向する位置に配置されるフィルタ部21と、板状体によって枠状に形成されてフィルタ部21の周縁部を支持する枠板部23と、枠板部23の前端から車幅方向外側へ突出して上下方向に延びる前側の突出板部(ボックス突出部)26aと、枠板部23の後端から車幅方向外側へ突出して上下方向に延びる後側の突出板部26bとを有し、枠板部23の前後の両端部に形成されるボルト穴(図示省略)を挿通するボルト25(
図5参照)によって左側の側板部16cに固定される。前後の突出板部26a,26bは、吸気口18の近傍で、且つ吸気口18を前後方向に挟む位置に配置される。フィルタ部21は、第1の収容空間14の内部へ吸入される空気の通過を許容するとともに、空気から埃等の不純物を除去する。フィルタ部21は、フィルタカバー22に対して交換可能に設けられ、定期的に交換される。
【0034】
排気口24は、矩形状の開口であって、上ケース16の左側の側板部16cのうち前側のバンド11よりも前方、且つ吸気口18と略同じ高さ位置に配置され、左側の側板部16cを車幅方向に貫通して第1の収容空間14と外部とを連通する。左側の側板部16cのうち排気口24の周辺には、車幅方向外側から排気口カバー27が固定される。排気口カバー27は、排気口24と略同じ大きさの開口30が形成される枠板部28と、枠板部28の前端から車幅方向外側へ突出して上下方向に延びる前側の突出板部29aと、枠板部28の後端から車幅方向外側へ突出して上下方向に延びる後側の突出板部(ボックス突出部)29bと、枠板部28の開口30の周縁部から車幅方向内側へ突出する筒状部31とを有し、開口30を排気口24と略同じ位置に配置した状態で、枠板部28の前後の両端部に形成されるボルト穴(図示省略)を挿通するボルト32(
図5参照)によって左側の側板部16cに固定される。前後の突出板部29a,29bは、排気口24の近傍で、且つ排気口24を前後方向に挟む位置に配置される。筒状部31には、ハイブリッドバッテリ等を冷却した空気を排気口24へ案内するためのファンダクト(図示省略)が固定される。
【0035】
下ケース17は、前板部17a(
図4参照)と後板部17bと左右の側板部17c,17d(
図4参照)と下板部17e(
図4参照)とによって上方へ開口する箱体状に一体形成される。下ケース17の上端部には、前板部17a、後板部17b、及び左右の側板部17c,17dのそれぞれの上端部から下ケース17の外側へ向かって略水平方向に拡がる板状のフランジ部(ボックス突出部)20が一体形成される。フランジ部20には、複数のボルト穴(図示省略)が形成される。
【0036】
バッテリボックス12は、上ケース16のフランジ部19の下面と、下ケース17のフランジ部20の上面とを密着させた状態で、上ケース16と下ケース17とが複数のボルト穴を挿通するボルト35によって固定され、吸気口18及び排気口24以外が略密閉された箱体状に形成される。バッテリボックス12の内側の第1の収容空間14の車幅方向左側(一側)は、バッテリボックス12の左側の側板部(ボックス外壁部)36に区画される。バッテリボックス12の左側の側板部36は、上ケース16の左側の側板部16cと下ケース17の左側の側板部17cによって構成される。バッテリボックス12の左側の側板部36からは、上ケース16及び下ケース17のフランジ部19,20が前後方向に延びて車幅方向外側へ突出し、フィルタカバー22の前後の突出板部26a,26bと排気口カバー27の前後の突出板部29a,29bとが上下方向に延びて車幅方向外側へ突出する。
【0037】
図3及び
図4に示すように、ボックスカバー13は、板状の前カバー部13aと、板状の後カバー部13bと、車幅方向外側の板状のサイドカバー部(カバー板部)13cと、板状の下カバー部13dとによって一体形成される樹脂製のカバーであって、車幅方向内側及び上方へ開放し、バッテリボックス12の複数の取付金具33及びカバー支持具38に固定される。ボックスカバー13の各板部13a〜13dは、後述するように、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15の前側、後側、車幅方向外側(左側)、及び下側を区画する。なお、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15の上側は、バッテリボックス12の下ケース17の下板部17eによって区画され、第2の収容空間15は、車幅方向内側(右側)へ開放している。
【0038】
前カバー部13aは、バッテリボックス12の下ケース17の前板部17aの前方で起立し、前板部17aを前方から覆う略矩形状の上側領域40と、上側領域40の下端縁から斜め後下方へ延びる下側領域41とを有する。前カバー部13aの下側領域41には、斜め後上方へ凹むように曲折形成される左右1対のビード39が、下側領域41に沿って斜め前後方向に延びる。前カバー部13aの下側領域41は、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15の前側を区画する。
【0039】
下カバー部13dは、略矩形状に形成され、前カバー部13aの下側領域41の下端縁から後方へ略水平に延び、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15の下側を区画する。下カバー部13dには、上方へ凹むように曲折形成される左右1対のビード42が、前カバー部13aの下側領域41の左右のビード39から連続して後方へ延びる。下カバー部13dの車幅方向内端部には、複数のカバー支持具38に対応する位置に、複数(本実施形態では、3箇所)のボルト穴43が形成され、下カバー部13dは、複数のボルト穴43を挿通するボルト(図示省略)によって複数のカバー支持具38に固定される。
【0040】
後カバー部13bは、略矩形状に形成され、下カバー部13dの後端縁から起立し、下ケース17のフランジ部20の近傍まで延び、下ケース17の後板部17bを後方から覆う。後カバー部13bのうち下ケース17の後板部17bと対向する領域よりも下方の領域は、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15の後側を区画する。
【0041】
サイドカバー部13cは、前後方向に延びるビード(カバー突出部)45と、複数(本実施形態では、4個)の開口によって構成されるバッテリファン吸排気口(カバー通気口)46と、複数(本実施形態では、24個)の開口によって構成されるラジエータファン吸気口(カバー通気口)47と、上下方向に延びる複数(本実施形態では、6本)のリブ48a〜48fとを有し、バッテリボックス12の左側の側板部36よりも車幅方向外側に配置され、下カバー部13dの車幅方向外端縁に沿って起立する。サイドカバー部13cの前端縁は、前カバー部13aの車幅方向外端縁に連続し、サイドカバー部13cの後端縁は、後カバー部13bの車幅方向外端縁に連続する。サイドカバー部13cの上端縁は、バッテリボックス12の左側の側板部36よりも上方に配置される。すなわち、ボックスカバー13のサイドカバー部13cは、バッテリボックス12の左側の側板部36の全域を車幅方向外側から覆う。サイドカバー部13cのうちバッテリボックス12の左側の側板部36と対向する領域よりも下方の領域は、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15の左側を区画する。サイドカバー部13cの上端縁部には、複数の取付金具33のボルト穴34に対応する位置に複数のボルト穴(図示省略)が形成され、該ボルト穴及び取付金具33のボルト穴34を挿通するボルト44によって、サイドカバー部13cがバッテリボックス12に対して固定される。サイドカバー部13cとバッテリボックス12の左側の側板部36との間には、空間(以下、カバー内側空間と称する)が区画される。バッテリボックス12のフランジ部19,20の先端(車幅方向外端)、フィルタカバー22の前後の突出板部26a,26bの先端、及び排気口カバー27の前後の突出板部29a,29bの先端と、サイドカバー部13cとの間には、空気の流通を許容する間隙が設けられる。
【0042】
サイドカバー部13cのビード45は、バッテリボックス12のフランジ部19,20よりも下方に配置され、下ケース17の左側の側板部17c側へ向かって凹むように曲折形成されてサイドカバー部13cの前後に亘って延び、サイドカバー部13cを補強する。ビード45の車幅方向内端部と、下ケース17の左側の側板部17cとの間には、空気の流通を許容する間隙が設けられる。なお、ビード45を、サイドカバー部13cの前後に亘って延びるように形成しなくてもよく、例えば、サイドカバー部13cの前端縁よりも後方から、サイドカバー部13cの後端縁よりも前方まで延びるように形成してもよい。或いは、ビード45を、複数のビードが前後方向に直列的に並ぶように形成してもよい。
【0043】
図3及び
図5に示すように、バッテリファン吸排気口46は、サイドカバー部13cのうちバッテリボックス12の排気口24と対向する排気口対向領域(対向領域)49と、吸気口18と対向する吸気口対向領域(対向領域)50との間の前後方向の略中間部に形成されて、上ケース16の左側の側板部16cのうち排気口24と吸気口18との間の中間領域51と対向する。すなわち、バッテリファン吸排気口46は、サイドカバー部13cのうち排気口対向領域49及び吸気口対向領域50のそれぞれから前後方向に離間した領域に形成されて、排気口24及び吸気口18と対向しない。
【0044】
図3及び
図4に示すように、ラジエータファン吸気口47は、サイドカバー部13cのうちビード45よりも下方の領域に形成され、バッテリボックス12の下方の第2の収容空間15とサイドカバー部13cの外部とを連通する。ラジエータファン吸気口47は、サイドカバー部13cの前後方向において、吸気口対向領域50と略同じ位置に形成される。すなわち、ラジエータファン吸気口47は、サイドカバー部13cのうち吸気口対向領域50から上下方向に離間した領域に形成されて、吸気口18と対向しない。また、ビード45は、ラジエータファン吸気口47と吸気口対向領域50とが離間する所定方向(本実施形態では上下方向)と交叉する方向(本実施形態では前後方向)に延びる。
【0045】
図3及び
図5に示すように、複数のリブ48a〜48fの各々は、板状体であって、サイドカバー部13cと一体形成され、サイドカバー部13cから車幅方向内側(バッテリボックス12の左側の側板部36側)に向かって突出して上下方向に延び、サイドカバー部13cを補強する。すなわち、複数のリブ48a〜48fの各々は、排気口対向領域49及び吸気口対向領域50と、バッテリファン吸排気口46とが離間する所定方向(本実施形態では前後方向)と交叉する方向(本実施形態では上下方向)に延びる。複数のリブ48a〜48fの先端と、上ケース16の左側の側板部16cとの間には、空気の流通を許容する間隙が設けられる。
【0046】
リブ48aは、サイドカバー部13cのうち排気口対向領域49よりも前方の領域で上下方向に延び、排気口カバー27の前側の突出板部29aよりも前方、且つ前側の突出板部29aの近傍に配置される。リブ48aの先端は、排気口カバー27の前側の突出板部29aの先端よりもバッテリボックス12の左側の側板部36側に突出する。リブ48aの後面と排気口カバー27の前側の突出板部29aの前面とは、相対向する領域をそれぞれ有する。
【0047】
リブ(カバー突出部)48bは、バッテリファン吸排気口46と排気口対向領域49との間で上下方向に延び、排気口カバー27の後側の突出板部29bよりも後方、且つバッテリファン吸排気口46の近傍に配置される。すなわち、リブ48bと排気口カバー27の後側の突出板部29bとは、排気口24とバッテリファン吸排気口46との間で前後方向に離間して配置されて上下方向に延び、また、リブ48bは、サイドカバー部13cのうち排気口対向領域49に対してリブ48aとは反対側の領域に配置されて上下方向に延びる。リブ48bの先端は、排気口カバー27の後側の突出板部29bの先端よりもバッテリボックス12の左側の側板部36側に突出する。リブ48bの前面と排気口カバー27の後側の突出板部29bの後面とは、相対向する領域をそれぞれ有する。
【0048】
リブ(カバー突出部)48cは、バッテリファン吸排気口46と吸気口対向領域50との間で上下方向に延び、フィルタカバー22の前側の突出板部26aよりも前方、且つバッテリファン吸排気口46の近傍に配置される。すなわち、リブ48cとフィルタカバー22の前側の突出板部26aとは、吸気口18とバッテリファン吸排気口46との間で前後方向に離間して配置されて上下方向に延びる。リブ48cの先端は、フィルタカバー22の前側の突出板部26aの先端よりもバッテリボックス12の左側の側板部36側に突出する。リブ48cの後面とフィルタカバー22の前側の突出板部26aの前面とは、相対向する領域をそれぞれ有する。
【0049】
リブ48dは、サイドカバー部13cのうち吸気口対向領域50よりも後方の領域で上下方向に延び、フィルタカバー22の後側の突出板部26bよりも後方、且つ後側の突出板部26bの近傍に配置される。リブ48dの先端は、フィルタカバー22の後側の突出板部26bの先端よりもバッテリボックス12の左側の側板部36側に突出する。リブ48dの前面とフィルタカバー22の後側の突出板部26bの後面とは、相対向する領域をそれぞれ有する。リブ48eは、サイドカバー部13cのうちリブ48dよりも後方の領域で上下方向に延びる。リブ48fは、サイドカバー部13cのうちリブ48eよりも後方の領域で上下方向に延びる。すなわち、リブ48d〜48fは、サイドカバー部13cのうち吸気口対向領域50に対してリブ48cとは反対側の領域に配置されて上下方向に延びる。
【0050】
第1の収容空間14のハイブリッドバッテリ等を冷却するための空気は、バッテリファンによって、主にボックスカバー13のバッテリファン吸排気口46からカバー内側空間へ流入し、サイドカバー部13cのリブ48cの先端と上ケース16の左側の側板部16cとの間の間隙、及びフィルタカバー22の前側の突出板部26aの先端とサイドカバー部13cとの間の間隙を流通してバッテリボックス12の吸気口18から第1の収容空間14に吸入される。バッテリボックス12の排気口24から排出された空気は、主に排気口カバー27の後側の突出板部29bの先端とサイドカバー部13cとの間の間隙、及びサイドカバー部13cのリブ48bの先端と上ケース16の左側の側板部16cとの間の間隙を流通してボックスカバー13のバッテリファン吸排気口46から外部へ排出される。
【0051】
第2の収容空間15のインバータ等を冷却するための空気は、ラジエータファンによって、主にボックスカバー13のラジエータファン吸気口47から第2の収容空間15へ流入し、第2の収容空間15の車幅方向内側の車両1の下方へ排出される。
【0052】
上記のように構成されたハイブリッドユニットボックス10では、ハイブリッドバッテリがバッテリボックス12の第1収容空間14に収納され、バッテリボックス12は、吸気口18及び排気口24以外が略密閉されるので、降雨や洗車の際に、吸気口18及び排気口24以外からの第1収容空間14への水の浸入を防止することができる。
【0053】
また、バッテリボックス12の吸気口18がサイドカバー部13cの吸気口対向領域50に車幅方向外側から覆われ、排気口24がサイドカバー部13cの排気口対向領域49に車幅方向外側から覆われる。すなわち、バッテリボックス12の吸気口18及び排気口24がサイドカバー部13cに覆われて外側へ露出しないので、例えば、降雨や洗車の際に、水が吸気口18や排気口24に直接かかってしまうことをサイドカバー部13cによって防止することができる。また、吸気口18及び排気口24がサイドカバー部13cのバッテリファン吸排気口46と対向しないので、降雨や洗車の際に、バッテリファン吸排気口46からカバー内側空間に浸入した水が吸気口18や排気口24にかかり難い。また、吸気口18及び排気口24がサイドカバー部13cのラジエータファン吸気口47と対向しないので、ラジエータファン吸気口47からサイドカバー部13cの内側に浸入した水が吸気口18や排気口24にかかり難い。
【0054】
また、前後方向に離間するバッテリボックス12の排気口24とサイドカバー部13cのバッテリファン吸排気口46との間には、サイドカバー部13cのリブ48bと排気口カバー27の後側の突出板部29bとが上下方向に延びる。サイドカバー部13cのリブ48bは、サイドカバー部13cからカバー内側空間に突出し、排気口カバー27の後側の突出板部29bは、バッテリボックス12の左側の側板部36側からカバー内側空間に突出する。このため、サイドカバー部13cのバッテリファン吸排気口46からカバー内側空間に水が浸入した際に、サイドカバー部13cのリブ48bは、サイドカバー部13cの内側面上を流れて前方のバッテリボックス12の排気口24側へ向かう水に対して障壁となる。また、排気口カバー27の後側の突出板部29bは、バッテリボックス12の左側の側板部36の外側面上を流れて前方のバッテリボックス12の排気口24側へ向かう水に対して障壁となる。従って、サイドカバー部13cのバッテリファン吸排気口46からバッテリボックス12の排気口24側への水の浸入を防止することができる。
【0055】
また、前後方向に離間するサイドカバー部13cのバッテリファン吸排気口46とバッテリボックス12の吸気口18との間には、サイドカバー部13cのリブ48cとフィルタカバー22の前側の突出板部26aとが上下方向に延びる。サイドカバー部13cのリブ48cは、サイドカバー部13cからカバー内側空間に突出し、フィルタカバー22の前側の突出板部26aは、バッテリボックス12の左側の側板部36側からカバー内側空間に突出する。このため、サイドカバー部13cのバッテリファン吸排気口46からカバー内側空間に水が浸入した際に、サイドカバー部13cのリブ48cは、サイドカバー部13cの内側面上を流れて後方のバッテリボックス12の吸気口18側へ向かう水に対して障壁となる。また、フィルタカバー22の前側の突出板部26aは、バッテリボックス12の左側の側板部36の外側面上を流れて後方のバッテリボックス12の吸気口18側へ向かう水に対して障壁となる。従って、サイドカバー部13cのバッテリファン吸排気口46からバッテリボックス12の吸気口18側への水の浸入を防止することができる。
【0056】
また、リブ48cの先端は、フィルタカバー22の前側の突出板部26aの先端よりもバッテリボックス12の左側の側板部36側に突出する。このため、サイドカバー部13cのバッテリファン吸排気口46からカバー内側空間に侵入してサイドカバー部13cの内側面上を流れる水が、リブ48cの突出長さを越えてバッテリボックス12の吸気口18側へ流れても、フィルタカバー22の前側の突出板部26aが障壁となり、吸気口18への水の浸入を防止することができる。また、サイドカバー部13cのバッテリファン吸排気口46からカバー内側空間に侵入した水の量が多く、フィルタカバー22の前側の突出板部26aの突出高さを越える量の水がバッテリボックス12の左側の側板部36上をバッテリファン吸排気口46側からバッテリボックス12の吸気口18側へ流れても、フィルタカバー22の前側の突出板部26aよりも手前のリブ48cが障壁となり、フィルタカバー22の前側の突出板部26a側への水の浸入量を抑えることができる。また、サイドカバー部13cのリブ48bの先端は、排気口カバー27の後側の突出板部29bの先端よりもバッテリボックス12の左側の側板部36側に突出するので、上記同様に、バッテリファン吸排気口46からカバー内側空間に侵入した水が、サイドカバー部13cの内側面上やバッテリボックス12の左側の側板部36上を排気口24側へ流れても、リブ48bと後側の突出板部29bとが障壁となり、排気口24への水の浸入を防止することができる。
【0057】
また、上下方向に離間するサイドカバー部13cのラジエータファン吸気口47とバッテリボックス12の吸気口18との間には、サイドカバー部13cのビード45とバッテリボックス12のフランジ部19,20とが前後方向に延びる。サイドカバー部13cのビード45は、サイドカバー部13c側からカバー内側空間に突出し、バッテリボックス12のフランジ部19,20は、バッテリボックス12の左側の側板部36側からカバー内側空間に突出する。このため、サイドカバー部13cのラジエータファン吸気口47からサイドカバー部13cの内部に水が浸入した際に、サイドカバー部13cのビード45は、水勢などによってサイドカバー部13cの内側面上を上方へ流れてバッテリボックス12の吸気口18側へ向かう水に対して障壁となる。また、バッテリボックス12のフランジ部19,20は、水勢などによってバッテリボックス12の下ケース17の左側の側板部17cの外側面上を上方へ流れてバッテリボックス12の吸気口18側へ向かう水に対して障壁となる。従って、サイドカバー部13cのラジエータファン吸気口47からバッテリボックス12の吸気口18側への水の浸入を防止することができる。
【0058】
また、バッテリボックス12を第2の収容空間15よりも上方に配置するので、例えば、車両1が冠水路を走行する場合など、第2の収容空間15よりもバッテリボックス12が冠水し難い。すなわち、第1の収容空間14に収容される第1のバッテリ関連機器群(ハイブリッドバッテリを含む)は、第2の収容空間15に収容される第2のバッテリ関連機器群よりも冠水し難いので、第2のバッテリ関連機器群よりもハイブリッドバッテリの防水性が高い。
【0059】
また、サイドカバー部13cがバッテリボックス12の左側の側板部36の全域を車幅方向外側から覆うので、ボックスカバー13によって外観上の見栄えを向上させることができる。
【0060】
従って、外観上の見栄えを損なうことなく、バッテリボックス12の吸気口18側や排気口24側への水の浸入を確実に防止し、バッテリボックス12の第1の収容空間14のハイブリッドバッテリを防水することができる。
【0061】
また、サイドカバー部13cのリブ48a〜48f、及びビード45は、サイドカバー部13cから突出してサイドカバー部13cを補強するので、バッテリボックス12の左側の側板部36の全域を覆うために樹脂製のサイドカバー部13cを大きく形成しても、リブ48a〜48f、及びビード45によってサイドカバー部13cの剛性を確保することができる。
【0062】
また、サイドカバー部13cを補強するためのリブ48b,48c、及びビード45を、バッテリファン吸排気口46やラジエータファン吸気口47からバッテリボックス12の吸気口18側や排気口24側への水の浸入を防止するための防水手段として機能させるので、水の浸入を防止するための他の部材をボックスカバー13側に新たに設ける必要がなく、部品点数の増大を抑えることができる。
【0063】
また、サイドカバー部13cのリブ48a〜48fは、サイドカバー部13cと一体形成されるので、サイドカバー部13cに対するリブ48a〜48fの取り付け作業等のボックスカバー13の製造時の作業工数を削減することができる。
【0064】
また、ボックスカバー13が樹脂製であるので、例えば、金属製のボックスカバーに比べて軽量化や製造コストの削減を図ることができる。
【0065】
なお、本実施形態では、リブ48aが排気口カバー27の前側の突出板部29aよりも前方に配置され、リブ48bが排気口カバー27の後側の突出板部29bよりも後方に配置され、リブ48cがフィルタカバー22の前側の突出板部26aよりも前方に配置され、リブ48dがフィルタカバー22の後側の突出板部26bよりも後方に配置されたが、各リブ48a〜48dは、それぞれに対応する排気口カバー27の前後の突出板部29a,29bやフィルタカバー22の前後の突出板部26a,26bとの間で前後方向の位置が入れ替わって配置されてもよい。
【0066】
また、本実施形態では、バッテリボックス12の排気口24とバッテリファン吸排気口46との間に、2つの突出部(排気口カバー27の後側の突出板部29bとリブ48b)を設けたが、3つ以上の突出部を設けてもよい。また、バッテリファン吸排気口46とバッテリボックス12の吸気口18との間や、バッテリボックス12の吸気口18とラジエータファン吸気口47との間にも上記と同様に、3つ以上の突出部を設けてもよい。
【0067】
また、本実施形態では、バッテリボックス12の左側の側板部36が、上ケース16の左側の側板部16cと下ケース17の左側の側板部17cによって構成されたが、これに限定されるものではなく、バッテリボックス12の左側の側板部36は、1枚の板状体によって一体形成されてもよい。この場合、フランジ部19,20に替えて前後方向に延びて車幅方向外側へ突出するリブ(ボックス突出部)などを設けてもよい。
【0068】
また、本実施形態では、側面視において、バッテリファン吸排気口46とバッテリボックス12の排気口24とが離間する方向、及びバッテリファン吸排気口46とバッテリボックス12の吸気口18とが離間する方向は、前後方向であり、また、ラジエータファン吸気口47とバッテリボックス12の吸気口18とが離間する方向は、上下方向であるが、これに限定されるものではない。
【0069】
また、バッテリボックス12の排気口24よりも前方に、排気口カバー27の前側の突出板部29aやリブ48aを設けなくてもよく、また、バッテリボックス12の吸気口18よりも後方に、フィルタカバー22の後側の突出板部26bやリブ48d〜48fを設けなくてもよい。
【0070】
また、本実施形態では、樹脂製のボックスカバー13を設けたが、樹脂製に限定されるものではなく、例えば、金属製のボックスカバーであってもよい。
【0071】
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図6に示すハイブリッドユニットボックス60では、ボックスカバー61がバッテリファン吸排気口46を有さない点で上記第1実施形態と相違し、その他の構成は上記実施形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
【0072】
図6に示すように、本実施形態に係るバッテリの防水構造を有するハイブリッドユニットボックス60は、バッテリボックス12とボックスカバー61とを備える。
【0073】
図7に示すように、バッテリボックス12は、左側の側板部36のうち排気口24から前方へ離間したボックス前方領域(第1の離間領域)63と、排気口24から後方へ離間して且つ吸気口18から前方へ離間したボックス中間領域(第1の離間領域)64と、吸気口18から後方へ離間したボックス後方領域(第1の離間領域)65とを有する。すなわち、ボックス前方領域63、ボックス中間領域64、及びボックス後方領域65は、吸気口18や排気口24に対して前後方向(所定方向)に離間している。
【0074】
排気口カバー27の前側の突出板部29aは、左側の側板部36のボックス前方領域63と排気口24との間で上下方向に延びる。排気口カバー27の後側の突出板部29bは、左側の側板部36の排気口24とボックス中間領域64との間で上下方向に延びる。フィルタカバー22の前側の突出板部26aは、左側の側板部36のボックス中間領域64と吸気口18との間で上下方向に延びる。フィルタカバー22の後側の突出板部26bは、左側の側板部36の排気口24とボックス後方領域65との間で上下方向に延びる。
【0075】
ボックスカバー61のサイドカバー部(カバー板部)61cは、車幅方向内側へ突出して上下方向に延びる複数(本実施形態では、6本)のリブ62a〜62f(カバー突出部)を有する(
図7中には、リブ62a〜62dのみを示す)。リブ62aは、サイドカバー部61cのうち、バッテリボックス12の左側の側板部36のボックス前方領域63に対向するカバー前方領域(第2の離間領域)66と排気口対向領域49との間で、排気口カバー27の前側の突出板部29aから前方へ離間して上下方向に延びる。リブ62bは、サイドカバー部61cのうち、バッテリボックス12の左側の側板部36のボックス中間領域64に対向するカバー中間領域(第2の離間領域)67と排気口対向領域49との間で、排気口カバー27の後側の突出板部29bから後方へ離間して上下方向に延びる。リブ62cは、サイドカバー部61cのうち、カバー中間領域67と吸気口対向領域50との間で、フィルタカバー22の前側の突出板部26aから前方へ離間して上下方向に延びる。リブ62dは、サイドカバー部61cのうち、バッテリボックス12の左側の側板部36のボックス後方領域65に対向するカバー後方領域(第2の離間領域)68と吸気口対向領域50との間で、フィルタカバー22の後側の突出板部26bから後方へ離間して上下方向に延びる。
【0076】
上記構成では、バッテリボックス12の左側の側板部36を覆うボックスカバー61のサイドカバー部61cにバッテリファン吸排気口が形成されないので、カバー内側空間に水が浸入し難い。
【0077】
また、排気口カバー27の前側の突出板部29aがボックス前方領域63と排気口24との間で上下方向に延び、後側の突出板部29bが排気口24とボックス中間領域64との間で上下方向に延びるので、例えば、降雨や洗車の際にボックスカバー61の上端部とバッテリボックス12との間の間隙からカバー内側空間に水が浸入しても、ボックス外壁部上を流れてボックス前方領域63やボックス中間領域64から排気口24側へ向かう水に対して排気口カバー27の前後の突出板部29a,29bが障壁となる。また、フィルタカバー22の前側の突出板部26aがボックス中間領域64と吸気口18との間で上下方向に延び、後側の突出板部26bが排気口24とボックス後方領域65との間で上下方向に延びるので、ボックス外壁部上を流れてボックス中間領域64やボックス後方領域65から吸気口18側へ向かう水に対してフィルタカバー22の前後の突出板部26a,29bが障壁となる。
【0078】
また、リブ62aがカバー前方領域66と排気口対向領域49との間で上下方向に延び、リブ62bがカバー中間領域67と排気口対向領域49との間で上下方向に延びるので、上述のように、降雨や洗車の際にボックスカバー61の上端部の間隙からカバー内側空間に水が浸入しても、サイドカバー部61c上を流れてカバー前方領域66やカバー中間領域67から排気口対向領域49側(排気口24側)へ向かう水に対してリブ62a,62bが障壁となる。また、リブ62cがカバー中間領域67と吸気口対向領域50との間で上下方向に延び、リブ62dがカバー後方領域68と吸気口対向領域50との間で上下方向に延びるので、サイドカバー部61c上を流れてカバー中間領域67やカバー後方領域68から吸気口対向領域50側(吸気口18側)へ向かう水に対してリブ62c,62dが障壁となる。
【0079】
従って、カバー内側空間のうち、排気口24よりも前方の領域(ボックス前方領域63やカバー前方領域66等)や、排気口24と吸気口18との間の領域と(ボックス中間領域64やカバー中間領域67等)や、吸気口18よりも後方の領域(ボックス後方領域65やカバー後方領域68等)に侵入した水の吸気口18側又は排気口24側への浸入を防止することができる。
【0080】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【0081】
例えば、上記実施形態では、バッテリの防水構造をハイブリッド電気自動車のハイブリッドバッテリの防水構造に適用したが、電気自動車のバッテリの防水構造に適用してもよい。