(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも移動体の位置を示すプローブ情報の生成に対応する基準点を起点として、経過時間又は移動体の移動距離が、予め決められた基本条件を満たす場合、前記プローブ情報を生成するプローブ情報生成部と、
前記移動体の状態変化に基づき、前記基本条件と異なる追加条件を満たすかどうかを監視する条件監視部と、
前記条件監視部において前記追加条件を満たすと判定された場合、前記プローブ情報生成部に前記プローブ情報を生成させる生成指令部と、
前記プローブ情報生成部により生成された前記プローブ情報を出力するプローブ情報出力部と、
を備え、
前記条件監視部は、前記移動体の状態変化を示す変化量が予め決められた閾値を超えた場合、前記追加条件を満たすと判定するものであって、
前記移動体の状態変化を示す変化量として、前記移動体の進行方向を示す方位の変化量が予め決められた閾値を超えた場合、前記追加条件を満たすと判定する情報収集装置。
少なくとも移動体の位置を示すプローブ情報の生成に対応する基準点を起点として、経過時間又は移動体の移動距離が、予め決められた基本条件を満たす場合、前記プローブ情報を生成するプローブ情報生成ステップと、
前記移動体の状態変化に基づき、前記基本条件と異なる追加条件を満たすかどうかを監視する条件監視ステップと、
前記条件監視ステップにおいて前記追加条件を満たすと判定された場合、前記プローブ情報を生成させる生成指令ステップと、
生成指令ステップに基づき生成された前記プローブ情報を出力するプローブ情報出力ステップと、
を含み、
前記条件監視ステップは、
前記移動体の進行方向を示す方位の変化量が予め決められた閾値を超えた場合、前記追加条件を満たすと判定する情報収集方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような車載装置において、例えば車両がカーブや交差点を走行する場合では、転回の途中においてできるだけ多くの連続的なプローブ情報を取得することが望ましい。一方、路側装置やセンタサーバとの通信量を抑える観点においては、プローブ情報の情報量を削減するために、渋滞等により低速で走行あるいは停止しているような場合には、プローブ情報の取得数を減らすことが望まれる。
【0005】
しかしながら、所定時間ごと又は所定走行距離ごとにプローブ情報を取得するだけでは、例えば転回の途中で必要な量のプローブ情報を取得することができない場合がある。一方で、プローブ情報を取得する時間間隔や走行距離間隔を狭めた場合、取得したプローブ情報の情報量が膨大となりプローブ情報をセンタサーバ等に送信する際の通信量が増大する。よって、プローブ情報の通信量を抑えつつ、必要なプローブ情報を適宜収集することは困難であった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、移動体の状態変化に応じて必要なプローブ情報を適宜収集することができる情報収集装置、情報収集方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報収集装置は、少なくとも移動体の位置を示すプローブ情報の生成に対応する基準点を起点として、経過時間又は移動体の移動距離が、予め決められた基本条件を満たす場合、前記プローブ情報を生成するプローブ情報生成部(102)と、前記移動体の状態変化に基づき、前記基本条件と異なる追加条件を満たすかどうかを監視する条件監視部(104)と、前記条件監視部において前記追加条件を満たすと判定された場合、前記プローブ情報生成部に前記プローブ情報を生成させる生成指令部(105)と、前記プローブ情報生成部により生成された前記プローブ情報を出力するプローブ情報出力部(103)と、を備え
、前記条件監視部(104)は、前記移動体の状態変化を示す変化量が予め決められた閾値を超えた場合、前記追加条件を満たすと判定するものであって、前記移動体の状態変化を示す変化量として、前記移動体の進行方向を示す方位の変化量が予め決められた閾値を超えた場合、前記追加条件を満たすと判定する。
この構成により、情報収集装置は、経過時間又は移動体の移動距離が基本条件を満たす場合に生成されるプローブ情報を最低限収集することができるとともに、追加条件を満たした場合に生成されるプローブ情報をさらに収集することができる。よって、生成するプローブ情報の情報量を抑えつつ、移動体の状態変化に基づいて必要なプローブ情報を適宜生成することができる。
また、この構成により、情報収集装置は、移動体の状態変化の変化量が閾値を超えたことに基づいて、移動体の状態が大きく変化した場合、必要なプローブ情報を生成することができる。
さらに、この構成により、情報収集装置は、カーブや交差点を転回したときに、方位の変化量が予め決められた閾値を超えることにより追加条件を満たすと判定することで、必要なプローブ情報を生成することができる。このため、カーブや交差点を転回したときの移動体の動き把握するために必要なプローブ情報を生成することができる。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記に記載の発明において、前記プローブ情報生成部が、前記基本条件を満たすよりも前に、前記条件監視部により前記追加条件を満たすと判定された場合、前記生成指令部の指示に基づき前記プローブ情報を生成する。
この構成により、情報収集装置は、経過時間又は移動体の移動距離が基本条件を満たす場合に生成されるプローブ情報を最低限収集することができるとともに、追加条件を満たした場合に生成されるプローブ情報をさらに収集することができる。よって、生成するプローブ情報の情報量を抑えつつ、移動体の状態変化に基づいて必要なプローブ情報を適宜生成することができる。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記に記載の発明において、前記プローブ情報生成部が、前記条件監視部により前記追加条件を満たさないと判定された後、前記基本条件を満たすか否かを判定し、前記追加条件または前記基本条件を満たすと判定した場合、前記プローブ情報を生成する。
この構成により、情報収集装置は、基本条件よりも追加条件の方を優先して、プローブ情報を生成するか否かを判定することができる。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記に記載の発明において、前記条件監視部が、前記基本条件を判定する際の基準点と異なる時点を起点として、前記起点とした時点からの期間において、前記追加条件を満たすかどうかを監視する。
この構成により、情報収集装置は、基本条件の基準点と追加条件の基準点を自由に設定することができる。
【0013】
また、本発明の一態様は、上記に記載の発明において、前記条件監視部が、前記移動体の状態変化を示す変化量として、前記移動体が備える蓄電池の充電状態の変化量が予め決められた閾値を超えた場合、前記追加条件を満たすと判定する。
この構成により、情報収集装置は、移動体の蓄電残量の変化量が予め決められた閾値を超えることにより追加条件を満たすと判定することで、必要なプローブ情報を生成することができる。このため、移動体の蓄電残量を監視するために必要なプローブ情報を生成することができる。
【0014】
また、本発明の一態様は、上記に記載の発明において、前記条件監視部は、前記移動体の状態変化を示す変化量として、前記移動体の移動速度の変化量が予め決められた閾値を超えた場合、前記追加条件を満たすと判定する。
この構成により、情報収集装置は、移動体の移動速度の変化量が予め決められた閾値を超えることにより追加条件を満たすと判定することで、必要なプローブ情報を生成することができる。このため、移動速度が急激に変化する移動体の移動状態を監視するために必要なプローブ情報を生成することができる。
【0015】
また、本発明の一態様は、上記に記載の発明において、前記条件監視部が、前記移動体に異常が発生したことが検出された場合、前記追加条件を満たすと判定する。
この構成により、情報収集装置は、移動体に異常が発生したことが検出されたことにより追加条件を満たすと判定することで、必要なプローブ情報を生成することができる。このため、移動体に発生した異常を分析するために必要なプローブ情報を生成することができる。
【0016】
また、本発明の一態様は、上記に記載の発明において、前記条件監視部が、前記移動体に対して利用者からの所定の操作が入力された場合、前記追加条件を満たすと判定する。
この構成により、情報収集装置は、移動体に対して利用者からの所定の操作が入力されたことが検出されたことにより追加条件を満たすと判定することで、必要なプローブ情報を生成することができる。このため、利用者の操作に応じた走行状況等を分析するために必要なプローブ情報を生成することができる。
【0017】
また、本発明に係る情報収集方法は、少なくとも移動体の位置を示すプローブ情報の生成に対応する基準点を起点として、経過時間又は移動体の移動距離が、予め決められた基本条件を満たす場合、前記プローブ情報を生成するプローブ情報生成ステップと、前記移動体の状態変化に基づき、前記基本条件と異なる追加条件を満たすかどうかを監視する条件監視ステップと、前記条件監視ステップにおいて前記追加条件を満たすと判定された場合、前記プローブ情報を生成させる生成指令ステップと、生成指令ステップに基づき生成された前記プローブ情報を出力するプローブ情報出力ステップと、を
含み、前記条件監視ステップは、前記移動体の進行方向を示す方位の変化量が予め決められた閾値を超えた場合、前記追加条件を満たすと判定する。
この構成により、情報収集装置は、経過時間又は移動体の移動距離が基本条件を満たす場合に生成されるプローブ情報を最低限収集することができるとともに、追加条件を満たした場合に生成されるプローブ情報をさらに収集することができる。よって、生成するプローブ情報の情報量を抑えつつ、移動体の状態変化に基づいて必要なプローブ情報を適宜生成することができる。
また、この構成により、情報収集方法は、移動体の状態変化の変化量が閾値を超えたことに基づいて、移動体の状態が大きく変化した場合、必要なプローブ情報を生成することができる。
さらに、この構成により、情報収集方法は、カーブや交差点を転回したときに、方位の変化量が予め決められた閾値を超えることにより追加条件を満たすと判定することで、必要なプローブ情報を生成することができる。このため、カーブや交差点を転回したときの移動体の動き把握するために必要なプローブ情報を生成することができる。
【0018】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、少なくとも移動体の位置を示すプローブ情報の生成に対応する基準点を起点として、経過時間又は移動体の移動距離が、予め決められた基本条件を満たす場合、前記プローブ情報を生成するプローブ情報生成手段、前記移動体の状態変化に基づき、前記基本条件と異なる追加条件を満たすかどうかを監視する条件監視手段、前記条件監視手段において前記追加条件を満たすと判定された場合、前記プローブ情報生成手段に前記プローブ情報を生成させる生成指令手段、前記プローブ情報生成手段により生成された前記プローブ情報を出力するプローブ情報出力手段、として機能させるためのプログラムであ
って、前記条件監視手段は、前記移動体の進行方向を示す方位の変化量が予め決められた閾値を超えた場合、前記追加条件を満たすと判定するプログラムである。
この構成により、
機能されるコンピュータは、経過時間又は移動体の移動距離が基本条件を満たす場合に生成されるプローブ情報を最低限収集することができるとともに、追加条件を満たした場合に生成されるプローブ情報をさらに収集することができる。よって、生成するプローブ情報の情報量を抑えつつ、移動体の状態変化に基づいて必要なプローブ情報を適宜生成することができる。
また、この構成により、機能されるコンピュータは、移動体の状態変化の変化量が閾値を超えたことに基づいて、移動体の状態が大きく変化した場合、必要なプローブ情報を生成することができる。
さらに、この構成により、機能されるコンピュータは、カーブや交差点を転回したときに、方位の変化量が予め決められた閾値を超えることにより追加条件を満たすと判定することで、必要なプローブ情報を生成することができる。このため、カーブや交差点を転回したときの移動体の動き把握するために必要なプローブ情報を生成することができる。
【0019】
また、本発明に係る情報収集装置は、少なくとも移動体の位置を示すプローブ情報の生成に対応する基準点を起点として、経過時間又は移動体の移動距離に関わらず移動体の状態変化を示す変化量に基づき、不定期にプローブ情報を生成するための条件を満たしたか否かを判定する条件監視部(104)と、前記条件監視部において前記条件を満たしたと判定された場合、前記プローブ情報を生成するプローブ情報生成部(502)と、前記プローブ情報生成部により生成された前記プローブ情報を出力するプローブ情報出力部(103)と、を備える。
この構成により、情報収集装置は、生成するプローブ情報の情報量を抑えつつ、経過時間又は移動体の移動距離に関わらず移動体の状態変化を把握するために必要なプローブ情報を適宜生成することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、移動体の状態変化に応じて必要なプローブ情報を適宜収集することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態に係る情報収集システム1の一例を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報収集システム1の一例を示す概略図である。
【0023】
(全体構成)
図1に示す通り、情報収集システム1は、情報収集装置100と、路側装置200と、センタサーバ300とを備える。
情報収集装置100は、車両400に搭載され、プローブ情報を収集する。プローブ情報には、少なくとも車両400の位置を示す情報を含む。ただし、プローブ情報は、車両400の走行速度を示す情報や、車両の状態変化を示す情報等を含むものでもよい。なお、車両400は、移動体の一例であって、これに限られない。例えば、飛行機や人などの移動体であってもよい。
【0024】
路側装置200は、交差点など、所定の路側に設けられている。路側装置200は、路側に設けられた路側アンテナ201と接続されており、路側アンテナ201を介して、通信領域にある情報収集装置100と通信を行う。路側装置200は、通信可能な情報収集装置100に対して、プローブ情報の送信を要求し、情報収集装置100からプローブ情報を受信する。ここで、情報収集装置100は、前回の路側装置200との通信以降に生成した全てのプローブ情報を路側装置200に送信する。
【0025】
センタサーバ300は、各地に設けられた路側装置200からプローブ情報を受信し、受信したプローブ情報に基づき、渋滞の有無や、危険な運転が行われやすい箇所、危険なカーブが存在する箇所等を示す交通情報を生成する。
【0026】
(情報収集装置100の構成)
次に、
図2を参照して、情報収集装置100の構成例について説明する。
図2は、情報収集装置100の構成例を示すブロック図である。
情報収集装置100は、通信部11と、時計12と、位置情報取得部13と、車両状態検出部14と、CPU15と、記憶部16とを備える。
通信部11は、例えば、路側装置200と近距離通信を行う。
時計12は、現在の日付及び時刻を計り、現在の日付及び時刻を示す情報をCPU15に出力する。
位置情報取得部13は、例えば、衛星測位システムを用いて、車両400の現在の位置を示す位置情報を取得し、位置情報をCPU15に出力する。
【0027】
情報収集装置100は、車両状態検出部14として、加速度センサー、地磁気センサー、充電率演算装置、車両400が受けた衝撃の大きさを検出するセンサー、車両400の操作部(例えばワイパー、エアコン、クラクション等)、車両状態検出部14がエンジンの回転数を検出するセンサー等を備え、車両400の状態の変化を示す情報を取得する。車両状態検出部14は、車両400の状態の変化を検出する検出部である。例えば、車両状態検出部14は、加速度センサー、地磁気センサー等の検出結果に基づき、車両400の進行方向を示す情報(以下、方位情報という)を算出して出力する。また、車両状態検出部14は、充電率演算装置として、車両400の蓄電池に流れる電流や端子間電圧の検出値に基づいて充電率(SOC:state of charge)を算出し、車両400の蓄電池の充電率を示す情報(以下、SOC情報という)を出力する。また、車両状態検出部14は、車両400が受けた衝撃の大きさを検出するセンサー等からの検出結果に基づき、検出された衝撃の大きさを示す情報(以下、衝撃量情報という)を出力する。また、車両状態検出部14は、車両400と通信可能に接続されており、車両400のワイパー、エアコン、クラクション等を利用者が操作した操作内容を示す操作情報を取得する。なお、操作情報は、車両400の操作部が利用者により操作されることにより、操作部から車両状態検出部14に出力される。また、車両状態検出部14は、車両400のエンジンの回転数を検出し、検出したエンジンの回転数を示す情報を出力する。
【0028】
CPU15は、情報収集装置100を統括的に制御する制御部である。CPU15は、速度情報取得部101と、プローブ情報生成部102と、プローブ情報出力部103と、条件監視部104と、生成指令部105と、出力指令部106と、を備える。
【0029】
速度情報取得部101は、車両状態検出部14の検出結果に基づき、車両400の移動速度を取得する。例えば、速度情報取得部101は、車両状態検出部14から入力されるエンジンの回転数を示す情報に基づき、車両400の移動速度を計算する。
【0030】
プローブ情報生成部102は、プローブ情報の生成に対応する基準点を起点として、経過時間又は移動体の移動距離が、予め決められた基本条件を満たす場合に、プローブ情報を生成する。基本条件とは、経過時間又は移動距離に応じて定期的にプローブ情報を生成するための条件であって、プローブ情報を定期的に生成するための間隔を規定する条件である。プローブ情報生成部102は、基準点からの経過時間を計測するタイマー、及び、基準点からの移動距離を計測するカウンターを備える。プローブ情報生成部102は、タイマーまたはカウンターの計測結果に基づき、経過時間又は移動体の移動距離が、予め決められた基本条件を満たすか否かを判定する。また、プローブ情報生成部102は、生成指令部105からプローブ情報の生成が指示された場合に、プローブ情報を生成する。
本実施形態において、プローブ情報生成部102は、情報収集装置100の電源がオンされ、位置情報取得部13により位置情報の取得が可能な状態となった場合、最初の基準点をセットする。プローブ情報生成部102は、セットされた基準点に基づき、プローブ情報を生成するか否かを判定する。プローブ情報生成部102は、プローブ情報を生成する度に、基準点をリセットする。プローブ情報生成部102は、リセットされた基準点に基づき、次のプローブ情報を生成するか否かを判定する。これに限られず、プローブ情報生成部102は、前回のプローブ情報を生成したときの時刻や車両400の走行距離の累積値を、経過時間又は移動距離を基準点に設定してもよい。
【0031】
プローブ情報出力部103は、プローブ情報生成部102により生成されたプローブ情報を、通信部11を介して路側装置200に出力する。プローブ情報出力部103は、出力指令部106からプローブ情報の出力が指示された場合に、プローブ情報を出力する。
【0032】
条件監視部104は、車両400の状態変化に基づき、基本条件と異なる追加条件を満たすかどうかを監視する。追加条件とは、過時間又は移動体の移動距離に関わらず車両400の状態変化により、不定期にプローブ情報を生成するタイミングを規定する条件である。条件監視部104は、車両400と通信可能に接続されており、利用者が車両400に対して入力した操作内容を示す操作情報を取得する。
本実施形態において、条件監視部104は、前回のプローブ情報が生成された時を基準点として、プローブ情報が生成された後、追加条件を満たすか否かを判定する。つまり、基本条件の基準点と追加条件の基準点とが同じである。以下、基本条件の基準点と追加条件の基準点とが同じである例について説明するが、本発明はこれに限られない。例えば、基本条件の基準点と、追加条件の基準点とが、異なるものであってもよい。
また、本実施形態において、条件監視部104は、プローブ情報生成部102による基本条件の判定処理と平行して、追加条件の判定処理を行う。
【0033】
生成指令部105は、条件監視部104において追加条件を満たすと判定された場合、プローブ情報の生成を指示するコマンド(以下、生成コマンドという)をプローブ情報生成部102に出力して、プローブ情報を生成させる。
【0034】
出力指令部106は、所定の出力タイミングに到達したと判定した場合、又は、条件監視部104において追加条件を満たすと判定された場合、プローブ情報の出力を指示するコマンド(以下、出力コマンドという)をプローブ情報出力部103に出力して、プローブ情報を出力させる。所定の出力タイミングとは、路側装置200との通信エリア内において、所定時間が経過したとき、又は、所定距離を走行したときであってもよい。
【0035】
記憶部16には、基本条件情報161と、追加条件情報162とを記憶する。
基本条件情報161には、基本条件において規定されている時間間隔Tを示す情報(例えば、1分)、又は、基本条件において規定されている移動距離間隔Dを示す情報(例えば、500m)が含まれる。
追加条件情報162には、追加条件において規定されるプローブ情報が生成されるタイミングを示す情報が含まれる。例えば、追加条件情報162には、車両400の状態変化の変化量に応じた閾値が含まれる。
具体的に説明すると、追加条件情報162には、車両400の進行方向を示す方位の変化量と比較される閾値が含まれる。また、追加条件情報162には、車両400の蓄電池の充電状態の変化量と比較される閾値が含まれる。また、追加条件情報162には、車両400の移動速度の変化量と比較される閾値が含まれる。また、追加条件情報162には、追加条件として予め決められているイベントが含まれている。このイベントとしては、車両400に異常が発生していること、及び、車両400に利用者からの所定の操作が入力されたことが、具体的に決められている。例えば、車両400に異常が発生していることとしては、車両状態検出部14が検出した衝撃の大きさが閾値以上である場合、キーをオンしてもエンジンがかからずにエンジンの故障が疑われる場合、トランクやドアが完全に閉まっていない(半ドアの状態である)場合等が決められている。また、車両400に利用者からの所定の操作が入力されたこととしては、利用者により車両400のワイパー、エアコン、クラクション等を操作された場合等が決められている。
【0036】
(プローブ情報生成処理の一例)
次に、
図3を参照して、情報収集装置100によるプローブ情報の生成処理の一例について説明する。
図3は、情報収集装置100によるプローブ情報の生成処理の一例について説明するためのフローチャートである。
【0037】
(ステップST101)
はじめに、車両400の電源がオンされることにより、情報収集装置100の電源もオンされる。情報収集装置100の電源がオンされると、プローブ情報生成部102が、基準点をセットし、基準点がセットされたことを条件監視部104に通知する。また、プローブ情報生成部102は、基準点がセットされた時からタイマーの計測を開始させる。
【0038】
基準点がセットされたことが通知された場合、条件監視部104は、車両400の状態変化に基づき、基準点がセットされた後、追加条件を満たすか否か判定する。複数の追加条件のうち少なくとも1つの条件が満された場合、条件監視部104は、追加条件を満たすと判定する。なお、条件監視部104による処理については、
図5を参照して後述する。生成指令部105は、条件監視部104において追加条件を満たすと判定された場合、プローブ情報の生成を指示する生成コマンドをプローブ情報生成部102に出力する。
【0039】
(ステップST102)
プローブ情報生成部102は、生成指令部105から生成コマンドが入力したか否かを判定する。
【0040】
(ステップST103)
生成指令部105から生成コマンドが入力したと判定しない場合(ステップST102:NO)、プローブ情報生成部102は、記憶部16の基本条件情報161を参照し、時計12が計った現在の時刻に基づき、ステップST101においてセットされた基準点から基本条件において決められている時間Tが経過したか否かを判定する。プローブ情報生成部102は、例えば、基準点がセットされた時から計測を開始したタイマーが時間Tを計測した場合、プローブ情報生成部102は、基準点がセットされた時から時間Tが経過したと判定する。プローブ情報生成部102は、基準点がセットされた時から時間Tが経過したと判定しない場合(ステップST103:NO)、ステップST102に戻って処理を繰り返す。
【0041】
(ステップST104)
プローブ情報生成部102は、ステップST102において生成指令部105から生成コマンドが入力したと判定した場合(ステップST102:YES)、又は、ステップST103において基準点がセットされた時から時間Tが経過したと判定した場合(ステップST103:YES)、プローブ情報生成部102は、生成コマンドを入力したタイミング、又は、基準点がセットされた時から時間Tが経過したと判定したタイミングで、位置情報取得部13から入力した位置情報を、車両400の現在位置を示す情報とする。また、プローブ情報生成部102は、生成コマンドを入力したタイミング、又は、基準点がセットされた時から時間Tが経過したと判定したタイミングで、速度情報取得部101から入力した速度情報を、車両400の移動速度を示す情報とする。さらに、プローブ情報生成部102は、追加条件のうち条件を満たすと判定した追加条件の種類を示す情報を、トリガー情報とする。プローブ情報生成部102は、車両400の現在位置を示す情報、車両400の移動速度を示す情報、及び、トリガー情報を対応付けて、プローブ情報として生成する。プローブ情報生成部102は、生成したプローブ情報をプローブ情報出力部103に出力する。なお、プローブ情報生成部102は、トリガー情報として、追加条件のうち条件を満たすと判定した追加条件の内容を示す情報を含めてもよい。具体的に説明すると、車両400の蓄電池の充電状態の変化量が閾値を超えた場合、プローブ情報生成部102は、蓄電池の充電残量を示す情報をトリガー情報に含めてもよい。
【0042】
(ステップST105)
そして、プローブ情報生成部102は、プローブ情報を生成したタイミングで、例えばタイマーのカウント値をゼロ又は時間Tに戻して、基準点をリセットし、基準点がリセットされたことを条件監視部104に通知する。条件監視部104は、基準点がリセットされた後、追加条件を満たすか否か判定する。条件監視部104が追加条件を満たすと判定した場合、生成指令部105が生成コマンドをプローブ情報生成部102に出力し、プローブ情報生成部102がステップST103の処理を実行する。つまり、プローブ情報生成部102は、基準点がリセットされた時(前回のプローブ情報を生成した時)から、時間Tが経過したか否かを判定する。
なお、プローブ情報生成部102は、内蔵するタイマーの基準点をリセットするという処理に限られず、前回のプローブ情報を生成したときから所定時間が経過したかどうかを判定可能な構成であればよい。例えば、プローブ情報生成部102は、前回のプローブ情報を生成したときの時刻を基準点として記憶しておき、記憶した時刻から所定時間後の時刻に到達した場合、プローブ情報を生成してもよい。
【0043】
(ステップST106)
プローブ情報生成部102は、処理を終了するか否かを判定する。例えば、車両400の電源がオフされた場合、プローブ情報生成部102は、処理を終了すると判定し(ステップST106:YES)、処理を終了する。
一方、処理を終了すると判定しない場合(ステップST106:NO)、プローブ情報生成部102は、ステップST102に戻り、処理を繰り返す。
【0044】
(プローブ情報生成処理の他の例)
次に、
図4を参照して、情報収集装置100によるプローブ情報の生成処理の他の例について説明する。
図4は、情報収集装置100によるプローブ情報の生成処理の他の例について説明するためのフローチャートである。なお、
図3を用いて説明した処理と比較すると、基準点から時間Tが経過したかどうかを判定する点が主に異なるが概ね同様の処理である。よって、同様の処理についての詳細な説明は省略する。
【0045】
(ステップST201)
はじめに、車両400の電源がオンされることにより、情報収集装置100の電源もオンされる。情報収集装置100の電源がオンされると、プローブ情報生成部102が、基準点をセットし、基準点がセットされたことを条件監視部104に通知する。また、プローブ情報生成部102は、基準点がセットされたときから、移動距離を計測するカウンターによるカウントを開始させる。
基準点がセットされたことが通知された場合、条件監視部104は、車両400の状態変化に基づき、基準点がセットされた後、追加条件を満たすか否か判定する。生成指令部105は、条件監視部104により追加条件を満たすと判定された場合、プローブ情報の生成を指示する生成コマンドをプローブ情報生成部102に出力する。
【0046】
(ステップST202)
プローブ情報生成部102は、生成指令部105から生成コマンドが入力したか否かを判定する。
【0047】
(ステップST203)
生成指令部105から生成コマンドが入力したと判定しない場合(ステップST202:NO)、プローブ情報生成部102は、記憶部16の基本条件情報161を参照し、車両状態検出部14が取得した車両400の移動距離に基づき、ステップST201においてセットされた基準点から基本条件において決められている移動距離Dだけ移動したか否かを判定する。プローブ情報生成部102は、例えば、基準点がセットされた地点から、移動距離Dだけ移動したか否かを判定する。プローブ情報生成部102は、例えば、基準点がセットされた地点から移動距離の計測を開始したカウンターが移動距離Dを計測した場合、プローブ情報生成部102は、基準点がセットされた地点から移動距離Dを移動したと判定する。プローブ情報生成部102は、基準点がセットされた地点から移動距離Dを移動したと判定しない場合(ステップST203:NO)、ステップST202に戻って処理を繰り返す。
【0048】
(ステップST204)
プローブ情報生成部102は、ステップST202において生成指令部105から生成コマンドが入力したと判定した場合(ステップST202:YES)、又は、ステップST203において基準点がセットされた地点から移動距離Dを移動したと判定した場合(ステップST203:YES)、プローブ情報生成部102は、生成コマンドを入力したタイミング、又は、基準点がセットされた地点から移動距離Dを移動したと判定したタイミングで、位置情報取得部13から入力した位置情報を、車両400の現在位置を示す情報とする。また、プローブ情報生成部102は、生成コマンドを入力したタイミング、又は、基準点がセットされた地点から移動距離Dを移動したと判定したタイミングで、速度情報取得部101から入力した速度情報を、車両400の移動速度を示す情報とする。さらに、プローブ情報生成部102は、追加条件のうち条件を満たすと判定した追加条件の種類を示す情報を、トリガー情報とする。プローブ情報生成部102は、車両400の現在位置を示す情報、車両400の移動速度を示す情報、及び、トリガー情報を対応付けて、プローブ情報として生成する。プローブ情報生成部102は、生成したプローブ情報をプローブ情報出力部103に出力する。
【0049】
(ステップST205)
そして、プローブ情報生成部102は、プローブ情報を生成したタイミングで、例えばカウンターのカウント値をゼロ又は移動距離Dに戻して、基準点をリセットし、基準点がリセットされたことを条件監視部104に通知する。条件監視部104は、基準点がリセットされた後、追加条件を満たすか否か判定する。条件監視部104が追加条件を満たすと判定した場合、生成指令部105が生成コマンドをプローブ情報生成部102に出力し、プローブ情報生成部102がステップST203の処理を実行する。つまり、プローブ情報生成部102は、基準点がリセットされた地点(前回のプローブ情報を生成した地点)から、移動距離Dだけ移動したか否かを判定する。
なお、プローブ情報生成部102は、内蔵するカウンターの基準点をリセットするという処理に限られず、前回のプローブ情報を生成したときから所定距離を移動したかどうかを判定可能な構成であればよい。例えば、プローブ情報生成部102は、前回のプローブ情報を生成したときの車両400の走行距離の累積値を基準点として記憶しておき、車両400の走行距離の累積値が、記憶した累積値に対して所定距離を加算した値に到達した場合、プローブ情報を生成してもよい。
【0050】
(ステップST206)
プローブ情報生成部102は、処理を終了するか否かを判定する。例えば、車両400の電源がオフされた場合、プローブ情報生成部102は、処理を終了すると判定し(ステップST206:YES)、処理を終了する。
一方、処理を終了すると判定しない場合(ステップST206:NO)、プローブ情報生成部102は、ステップST202に戻り、処理を繰り返す。
【0051】
(追加条件判定処理の一例)
次に、
図5を参照して、条件監視部104による追加条件判定処理の一例について説明する。
図5は、条件監視部104による追加条件判定処理の一例について説明するためのフローチャートである。本実施形態において、条件監視部104は、例えば、基準点がセットまたはリセットされたことがプローブ情報生成部102から通知されたことにより、以下の処理を実行する。なお、本発明はこれに限られず、条件監視部104が、追加条件判定処理を実行する基準点を所定間隔でセット又はリセットし、基準点をセット又はリセットしたことにより、以下の処理を実行してもよい。
【0052】
(ステップST301)
条件監視部104は、記憶部16の追加条件情報162を参照し、車両状態検出部14から出力される方位情報に基づき、車両400の進行方向を示す方位の変化量が予め決められた閾値を超えたか否かを判定する。
(ステップST302)
車両400の進行方向を示す方位の変化量が予め決められた閾値を超えたと判定しない場合(ステップST301:NO)、条件監視部104は、車両状態検出部14から出力されるSOC情報に基づき、車両400が備える蓄電池の充電状態の変化量が予め決められた閾値を超えたか否かを判定する。
(ステップST303)
車両400が備える蓄電池の充電状態の変化量が予め決められた閾値を超えたと判定しない場合(ステップST302:NO)、条件監視部104は、速度情報取得部101が取得した車両400の移動速度に基づき、車両400の移動速度の変化量が予め決められた閾値を超えたか否かを判定する。
(ステップST304)
車両400の移動速度の変化量が予め決められた閾値を超えたと判定しない場合(ステップST303:NO)、条件監視部104は、車両400に異常が発生したか否かを判定する。
(ステップST305)
車両400に異常が発生したと判定しない場合(ステップST304:NO)、条件監視部104は、車両400に対して利用者からの所定の操作が入力されたか否かを判定する。
【0053】
(ステップST306)
ステップST301において、車両状態検出部14からの方位情報に基づき、車両400の進行方向を示す方位の変化量が予め決められた閾値を超えたと判定した場合(ステップST301:YES)、条件監視部104は、追加条件を満たすと判定する。具体的に説明すると、条件監視部104は、進行方向を示す方位が予め決められた角度の閾値を超えた場合に追加条件を満たすと判定してもよく、加速度センサーにより検出された加速度が閾値(予め決められた方位の閾値に相当する値)を超えた場合、追加条件を満たすと判定してもよい。
ステップST302において、車両状態検出部14からのSOC情報に基づき、車両400が備える蓄電池の充電状態の変化量が予め決められた充電閾値を超えたと判定した場合(ステップST302:YES)、条件監視部104は、追加条件を満たすと判定する。
ステップST303において、速度情報取得部101からの車両400の移動速度に基づき、車両400の移動速度の変化量が予め決められた速度閾値を超えたと判定した場合(ステップST303:YES)、条件監視部104は、追加条件を満たすと判定する。
ステップST304において、例えば車両状態検出部14からの衝撃情報に基づき、車両状態検出部14が検出した衝撃の大きさが閾値以上であると判定した場合、条件監視部104は車両400に異常が発生したと判定し(ステップST304:YES)、条件監視部104は、追加条件を満たすと判定する。
ステップST305において、例えば車両400に入力された操作を示す操作情報に基づき、車両400に入力された操作が予め決められた所定の操作であった場合、条件監視部104は車両400に対して利用者からの所定の操作が入力されたと判定し(ステップST305:YES)、条件監視部104は、追加条件を満たすと判定する。
【0054】
(ステップST307)
条件監視部104において追加条件を満たすと判定された場合、生成指令部105は、プローブ情報の生成を指示する生成コマンドをプローブ情報生成部102に出力する。
(ステップST308)
一方、ステップST305において、車両400に対して利用者からの所定の操作が入力されたと判定しない場合(ステップST305:NO)、条件監視部104は、追加条件を満たすと判定しない。
【0055】
(プローブ情報の取得例)
次に、
図6を参照して、本実施形態に係る情報収集装置100によるプローブ情報の取得例について説明する。
図6は、本実施形態に係る情報収集装置100によるプローブ情報の取得例について説明するための図である。
例えば、車両400は、スタート地点から道なりに走行して、プローブ情報P1〜P15を生成する。生成したプローブ情報P1〜P15を、プローブ情報に含まれる車両400の現在位置を示す情報基づき並べた状態を、
図6に示す。
この例で、プローブ情報生成部102は、プローブ情報P1を生成した時から1分経過したタイミングで、プローブ情報P2を生成している。これは、プローブ情報P1を生成した時から1分経過するまでの期間で、追加条件を満たすと判定されておらず、且つ、プローブ情報P1を生成した時からの走行距離が500m以下であったことを示す。
また、プローブ情報生成部102は、プローブ情報P3を生成した時から500mmを移動したタイミングで、プローブ情報P4を生成している。これは、プローブ情報P3を生成した時から500mmを移動するまでの期間で、追加条件を満たすと判定されておらず、且つ、プローブ情報P3を生成した時からの経過時間が1分以下であったことを示す。
さらに、プローブ情報生成部102は、プローブ情報P9を生成した時から、車両400の進行方向が15度旋回したタイミングで、プローブ情報P10を生成している。これは、プローブ情報P9を生成した時から車両400の進行方向が15度旋回するまでの期間で、プローブ情報P9を生成した時からの経過時間が1分以下であり、且つ、プローブ情報P9を生成した時からの走行距離が500m以下であったことを示す。
【0056】
[第2実施形態]
次に、
図7を参照して、本発明に係る第2実施形態について説明する。
図7は、本実施形態に係る情報収集装置500の構成例を示すブロック図である。
情報収集装置500は、通信部11と、時計12と、位置情報取得部13と、車両状態検出部14と、CPU55と、記憶部16とを備える。なお、通信部11と、時計12と、位置情報取得部13と、車両状態検出部14とは、第1実施形態と同じ構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0057】
CPU55は、速度情報取得部101と、プローブ情報生成部502と、プローブ情報出力部103と、条件監視部104と、生成指令部105と、出力指令部106と、を備える。なお、速度情報取得部101と、プローブ情報出力部103と、条件監視部104と、生成指令部105と、出力指令部106とは、第1実施形態と同じ構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0058】
プローブ情報生成部502は、基本条件に比べて追加条件の方を優先し、条件監視部104により追加条件を満たさないと判定された後、基本条件を満たすか否かを判定する。プローブ情報生成部502は、追加条件または基本条件を満たすと判定した場合、プローブ情報を生成する。
【0059】
(プローブ情報生成処理の一例)
次に、
図8を参照して、情報収集装置500によるプローブ情報の生成処理の一例について説明する。
図8は、情報収集装置500によるプローブ情報の生成処理の一例について説明するためのフローチャートである。
【0060】
(ステップST401)
はじめに、車両400の電源がオンされることにより、情報収集装置500の電源もオンされる。情報収集装置500の電源がオンされると、プローブ情報生成部502が、基準点をセットし、基準点がセットされたことを条件監視部104に通知する。
【0061】
(ステップST402)
基準点がセットされたことが通知された場合、条件監視部104は、車両400の状態変化に基づき、追加条件を満たすか否か判定する。条件監視部104において追加条件を満たすと判定された場合、生成指令部105は、プローブ情報の生成を指示する生成コマンドをプローブ情報生成部502に出力する。一方、追加条件を満たさないと判定した場合、条件監視部104は、追加条件を満たさないことをプローブ情報生成部502に通知する。
プローブ情報生成部502は、条件監視部104により追加条件を満たすと判定されたか否かを判定する。
【0062】
(ステップST403)
条件監視部104により追加条件を満たさないと判定された場合(ステップST402:NO)、プローブ情報生成部502は、ステップST401においてセットされた基準点に基づき、基本条件を満たしたか否かを判定する。例えば、プローブ情報生成部502は、基準点がセットされた時から時間Tが経過したか否か、または、基準点がセットされた地点から移動距離Dだけ移動したか否かを判定する。基本条件を満たさないと判定した場合、プローブ情報生成部502は、ステップST402に戻って、処理を繰り返す。
【0063】
(ステップST404)
ステップST402において追加条件を満たすと判定された場合(ステップST402:YES)、又は、ステップST403において基本条件を満たすと判定した場合(ステップST403:YES)、プローブ情報生成部102は、追加条件を満たすと判定されたタイミング、または、基本条件を満たすと判定したタイミングで、位置情報取得部13から入力した位置情報を、車両400の現在位置を示す情報とする。プローブ情報生成部102は、車両400の現在位置を示す情報、車両400の移動速度を示す情報、及び、トリガー情報を対応付けて、プローブ情報として生成する。
【0064】
(ステップST405)
そして、プローブ情報生成部102は、プローブ情報を生成したタイミングで、基準点をリセットし、基準点がリセットされたことを条件監視部104に通知する。
【0065】
(ステップST406)
プローブ情報生成部502は、処理を終了するか否かを判定する。例えば、車両400の電源がオフされた場合、プローブ情報生成部502は、処理を終了すると判定し(ステップST406:YES)、処理を終了する。
一方、処理を終了すると判定しない場合(ステップST406:NO)、プローブ情報生成部502は、ステップST402に戻り、処理を繰り返す。
【0066】
[第3実施形態]
次に、
図9を参照して、本発明に係る第3実施形態について説明する。
図9は、本実施形態に係る情報収集装置600の構成例を示すブロック図である。
情報収集装置600は、通信部11と、時計12と、位置情報取得部13と、車両状態検出部14と、CPU65と、記憶部16とを備える。なお、通信部11と、時計12と、位置情報取得部13と、車両状態検出部14とは、第1実施形態と同じ構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0067】
CPU55は、速度情報取得部101と、プローブ情報生成部602と、プローブ情報出力部103と、条件監視部604と、生成指令部105と、出力指令部106と、を備える。なお、速度情報取得部101と、プローブ情報出力部103と、生成指令部105と、出力指令部106とは、第1実施形態と同じ構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0068】
条件監視部604は、追加条件の基準点をセットする。例えば、条件監視部604は、前回のプローブ情報の生成により追加条件の基準点がリセットされた後、次のプローブ情報の生成を判定するための基準点をセットする。
【0069】
プローブ情報生成部602は、追加条件の基準点と異なる基本条件の基準点に基づき、基本条件を満たすか否かを判定する。また、プローブ情報生成部602は、基本条件に比べて追加条件の方を優先して、プローブ情報の生成の有無を判定する。具体的に説明すると、プローブ情報生成部602は、条件監視部104により追加条件を満たさないと判定された後、追加条件の基準点と異なる基本条件の基準点を設定し、基本条件を満たすか否かを判定する。プローブ情報生成部502は、追加条件または基本条件を満たすと判定した場合、プローブ情報を生成する。
【0070】
(プローブ情報生成処理の一例)
次に、
図10を参照して、情報収集装置600によるプローブ情報の生成処理の一例について説明する。
図10は、情報収集装置600によるプローブ情報の生成処理の一例について説明するためのフローチャートである。
【0071】
(ステップST501)
はじめに、車両400の電源がオンされることにより、情報収集装置600の電源もオンされる。情報収集装置600の電源がオンされると、条件監視部604が、追加条件の基準点をセットする。
【0072】
(ステップST502)
追加条件の基準点がセットされた後、条件監視部604は、車両400の状態変化に基づき、追加条件を満たすか否か判定する。条件監視部104において追加条件を満たすと判定された場合、生成指令部105は、プローブ情報の生成を指示する生成コマンドをプローブ情報生成部502に出力する。一方、追加条件を満たさないと判定した場合、条件監視部604は、追加条件を満たさないことをプローブ情報生成部602に通知する。
【0073】
(ステップST503)
条件監視部604から追加条件を満たさないことが通知された場合(ステップST502:NO)、プローブ情報生成部602は、基本条件の基準点をセットする。なお、既に基本条件の基準点がセットされている場合(前回の基本条件の基準点がリセットされていない場合)、プローブ情報生成部602は、基本条件の基準点をセットしない。
【0074】
(ステップST504)
基本条件の基準点がセットされた後、プローブ情報生成部502は、基本条件を満たしたか否かを判定する。例えば、プローブ情報生成部502は、基本条件の基準点がセットされた時から時間Tが経過したか否か、または、基本条件の基準点がセットされた地点から移動距離Dだけ移動したか否かを判定する。
基本条件を満たさないと判定した場合、プローブ情報生成部502は、ステップST502に戻って、追加条件を満たすか否かを再度判定する。追加条件を満たさないと判定した場合、プローブ情報生成部502は、既に設定されている基本条件の基準点に基づき、基本条件を満たしたか否かを判定する。
【0075】
(ステップST505)
ステップST502において追加条件を満たすと判定された場合(ステップST502:YES)、又は、ステップST504において基本条件を満たすと判定した場合(ステップST504:YES)、プローブ情報生成部602は、追加条件を満たすと判定されたタイミング、または、基本条件を満たすと判定したタイミングで、位置情報取得部13から入力した位置情報を、車両400の現在位置を示す情報とする。プローブ情報生成部602は、車両400の現在位置を示す情報、車両400の移動速度を示す情報、及び、トリガー情報を対応付けて、プローブ情報として生成する。
【0076】
(ステップST506)
そして、プローブ情報生成部602は、プローブ情報を生成したタイミングで、追加条件の基準点をリセットするよう、条件監視部604に指示する。条件監視部604は、プローブ情報生成部602による指示に従い、追加条件の基準点をリセットする。なお、基本条件の基準点が設定されている場合、プローブ情報生成部602は、基本条件の基準点をリセットする。
【0077】
(ステップST507)
プローブ情報生成部602は、処理を終了するか否かを判定する。例えば、車両400の電源がオフされた場合、プローブ情報生成部602は、処理を終了すると判定し(ステップST507:YES)、処理を終了する。
一方、処理を終了すると判定しない場合(ステップST507:NO)、プローブ情報生成部602は、ステップST501に戻り、処理を繰り返す。
【0078】
(その他、各構成の置換や変更)
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0079】
例えば、
図3を用いて説明した通り、基本条件として基準点から経過時間Tが経過したかどうかを判定する場合、追加条件として、基準点から移動距離Dを移動したかどうかを判定する処理を追加してもよい。また、
図4を用いて説明した通り、基本条件として移動距離Dを移動したかどうかを判定する場合、追加条件として、基準点から経過時間Tを経過したかどうかを判定する処理を追加してもよい。さらに、プローブ情報生成部102は、基本条件として、基準点から経過時間Tが経過したかどうかの判定と、基本条件として移動距離Dを移動したかどうかの判定とを両方実行するものであってもよい。
【0080】
また、上記施形態において、プローブ情報生成部102,502は、プローブ情報を生成する度に、基準点をリセットすると説明したが、これに限られない。プローブ情報出力部103が、プローブ情報を送信する度に、基準点をリセットしてもよい。
【0081】
また、追加条件を満たすかどうかの判定は、上述した順番に限られない。また、追加条件を満たすかどうかの判断は、基準点から追加条件を満たすかどうかを判定する条件監視部104が、追加条件の分だけ用意され、並列して追加条件を満たすかどうかを判定してもよい。同様に、基本条件の分だけ判定部が用意され、並列して基本条件を満たすかどうかを判定してもよい。
【0082】
また、車両状態検出部14に含まれる一部の装置(例えば、加速度センサー、地磁気センサー、充電率算出装置、車両400が受けた衝撃の大きさを検出するセンサー、車両400の操作部、車両状態検出部14がエンジンの回転数を検出するセンサー等)は、車両情報収集装置100内に搭載されずに、車両情報収集装置100を搭載する車両400内に搭載されるものでもよい。
【0083】
また、上記実施形態において、生成指令部105は、条件監視部104において追加条件を満たすと判定された場合、プローブ情報生成部102,502にプローブ情報を生成させると説明したがこれに限られない。例えば、情報収集装置100,500は、生成指令部105の指示に基づきプローブ情報を生成するプローブ情報生成部であって、プローブ情報生成部102,502とは別の独立したプローブ情報生成部を備えてもよい。この場合、生成指令部105は、プローブ情報生成部102,502とは別の独立したプローブ情報生成部に対してプローブ情報を生成させる。
【0084】
(作用と効果)
上述の通り、本実施形態に係る情報収集装置100,500は、経過時間又は車両400の移動距離に関わらず変化する車両400の状態変化を示す変化量に基づき、不定期にプローブ情報を生成するための追加条件を満たすかどうかを監視する条件監視部104を備え、条件監視部104により追加条件を満たすと判定された場合、プローブ情報生成部102,502がプローブ情報を生成する。
この構成により、情報収集装置100,500は、車両400の状態変化を示す変化量が閾値を超えること、又は、特定の車両400の状態変化を検出することにより追加条件を満たすと判定することで、必要なプローブ情報を生成することができる。このため、一定時間又は一定距離を走行したか否かに関わらず、移動体の状態変化を把握するために必要なプローブ情報を適宜生成することができる。また、必要なプローブ情報を適宜生成することにより、生成するプローブ情報の情報量を抑えることができる。
【0085】
また、本実施形態に係る情報収集装置100,500,600は、経過時間又は移動体の移動距離が基本条件を満たすよりも前に、条件監視部104により追加条件を満たすと判定された場合、生成指令部105がプローブ情報生成部102に対して、プローブ情報の生成を指示する。
この構成により、情報収集装置100,500,600は、経過時間又は移動体の移動距離が基本条件を満たす場合に生成されるプローブ情報を最低限収集することができるとともに、追加条件を満たした場合に生成されるプローブ情報をさらに収集することができる。よって、生成するプローブ情報の情報量を抑えつつ、移動体の状態変化に基づいて必要なプローブ情報を適宜生成することができる。
【0086】
また、本実施形態に係る情報収集装置100,500,600において、プローブ情報生成部102,502,602は、条件監視部104,604により追加条件を満たさないと判定された後、基本条件を満たすか否かを判定し、追加条件または基本条件を満たすと判定した場合、プローブ情報を生成する。
この構成により、情報収集装置100,500,600は、基本条件よりも追加条件の方を優先して、プローブ情報を生成するか否かを判定することができる。これにより、情報収集装置100,500,600は、追加条件を満たした場合、その都度、プローブ情報を生成するとともに、前回のプローブ情報を収集した時から所定の時間が経過した場合、又は、前回のプローブ情報を収集した地点か所定距離移動した場合に、プローブ情報を生成することができる。よって、生成するプローブ情報の情報量を抑えつつ、移動体の状態変化に基づいて必要なプローブ情報を適宜生成することができる。
【0087】
また、本実施形態に係る情報収集装置100,500,600において、条件監視部104,604は、基本条件を判定する際の基準点と異なる時点を起点として、起点とした時点からの期間において、追加条件を満たすかどうかを監視する。
この構成により、情報収集装置100,500,600は、基本条件の基準点と追加条件の基準点を、条件の優劣に応じて自由に設定することができる。例えば、基本条件よりも追加条件の方を優先したい場合、追加条件を満たさないと判定した場合に限り、基本条件の基準点を設定するとする。これにより、追加条件を満たすと判定されている限り、基本条件の基準点が設定されないため、基本条件に基づく判定処理が実行されず、不要なプローブ情報の生成を抑えることができる。
【0088】
また、本実施形態に係る情報収集装置100,500は、車両400の状態変化を示す変化量が予め決められた閾値を超えた場合、追加条件を満たすと判定する条件監視部104を備える。
この構成により、情報収集装置100,500は、車両400の状態変化の変化量が閾値を超えたことに基づいて、移動体の状態が大きく変化した場合、必要なプローブ情報を生成することができる。これにより、車両400の状態変化を把握するために必要なプローブ情報を生成することができる。
【0089】
例えば、車両400の進行方向を示す方位の変化量が閾値を超えることにより追加条件を満たすと判定することで、プローブ情報生成部102,502がプローブ情報を生成する。これにより、プローブ情報生成部102,502は、カーブや交差点を転回したときの車両400の動き把握するために必要なプローブ情報を生成することができる。
【0090】
車両400の蓄電池の充電残量の変化量が閾値を超えることにより追加条件を満たすと判定することで、プローブ情報生成部102,502がプローブ情報を生成する。これにより、プローブ情報生成部102,502は、車両400の蓄電残量を監視するために必要なプローブ情報を生成することができる。
【0091】
車両400の移動速度の変化量が速度閾値を超えることにより追加条件を満たすと判定することで、プローブ情報生成部102,502がプローブ情報を生成する。これにより、プローブ情報生成部102,502は、移動速度が急激に変化する車両400の移動状態を監視するために必要なプローブ情報を生成することができる。
【0092】
車両400に異常が発生したことが検出されることにより追加条件を満たすと判定することで、プローブ情報生成部102,502がプローブ情報を生成する。これにより、プローブ情報生成部102,502は、車両400に発生した異常を分析するために必要なプローブ情報を生成することができる。
【0093】
車両400に対して利用者からの所定の操作が入力されることにより追加条件を満たすと判定することで、プローブ情報生成部102,502がプローブ情報を生成する。これにより、プローブ情報生成部102,502は、利用者が入力した操作に応じた走行状況等を分析するために必要なプローブ情報を生成することができる。
【0094】
また、プローブ情報生成部102,502は、追加条件を満たすと判定してプローブ情報を生成した場合、プローブ情報にトリガー情報を含めることができる。この構成により、プローブ情報が生成された時に満たしていた条件を特定することができ、プローブ情報に基づき交通状態等を分析する際の有益な情報を取得することができる。
【0095】
なお、本発明における情報収集装置100,500の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより工程を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0096】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。