特許第6341591号(P6341591)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6341591
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】作業台
(51)【国際特許分類】
   B01L 9/02 20060101AFI20180604BHJP
   A47B 17/00 20060101ALI20180604BHJP
   A47B 21/00 20060101ALI20180604BHJP
   A47B 21/06 20060101ALI20180604BHJP
   A47B 97/00 20060101ALI20180604BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
   B01L9/02
   A47B17/00 A
   A47B21/00 A
   A47B21/06
   A47B97/00 M
   A47B13/00 B
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-181525(P2013-181525)
(22)【出願日】2013年9月2日
(65)【公開番号】特開2015-47569(P2015-47569A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年8月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇之
(72)【発明者】
【氏名】木曽 博紀
(72)【発明者】
【氏名】崎本 隆之
【審査官】 河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0204537(US,A1)
【文献】 特開2010−104951(JP,A)
【文献】 特開2004−136008(JP,A)
【文献】 特開2000−167418(JP,A)
【文献】 米国特許第04762072(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01L 9/00 − 9/06
A47B 1/00 − 41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業平面を形成する天板部と、
該天板部を支持する支持脚と、
前記天板部の後端部側の上方に配置された棚板と、
前記天板部から上方に延び、前記棚板を支持する複数の棚板支持部材と、
を備える作業台において、
前記複数の棚板支持部材のうち少なくとも1つの棚板支持部材には、内部に配線を上下方向に挿通可能な第1配線挿通部が形成されているとともに、配線を上下方向に挿通可能な第2配線挿通部が形成されたダクト部材が上部に接続されていて、
前記第2配線挿通部は、前記第1配線挿通部と連通し
前記ダクト部材は、上下方向に延びる筒状に形成され、前記ダクト部材の側面が接続される前記棚板支持部材の側面と面一となるように配置されていることを特徴とする作業台。
【請求項2】
前記ダクト部材は、接続される前記棚板支持部材と係合可能な係合部を有することを特徴とする請求項1に記載の作業台。
【請求項3】
前記棚板支持部材は、前記第1配線挿通部を前記配線を上下方向に挿通可能な複数の空間に区分する仕切り部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の作業台。
【請求項4】
前記棚板が幅方向に並んで配置され、該棚板は前記幅方向の端部がそれぞれ前記棚板支持部材に支持されていて、隣り合う前記棚板間には、連結された2つの前記棚板支持部材が設けられていて、
前記連結された2つの棚板支持部材の上部には、前記ダクト部材が1つ接続されていて、該ダクト部材の第2配線挿通部は、前記連結された2つの棚板支持部材の第1配線挿通部とそれぞれ連通していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の作業台。
【請求項5】
前記ダクト部材の側方には、前記第2配線挿通部を開放する開口部が形成されていて、該開口部には、着脱可能なカバー部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の作業台。
【請求項6】
前記ダクト部材の上部には、前記ダクト部材の上端面よりも大きく形成されて、上方からの配線を受けるための配線受け部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の作業台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種実験機器や計測機器等を載置して作業を行うための作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスや研究施設、病院、学校などの研究室や実験室では、研究内容や実験内容に応じて、多種多様な実験機器や計測機器などが使用されている。また、このような研究や実験の場においては、研究や実験の対象物を載置したり、研究や実験に伴う様々な作業や、研究結果や実験結果の記録やパーソナルコンピューターへ入力する作業を行ったりするための作業平面が必要とされている。
【0003】
このため、研究や実験の対象物を載置したり各種作業を行ったりするための天板(作業平面)と、天板よりも上方に設けられて実験機器や計測機器などを載置可能な棚板とを備える作業台が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような作業台を使用すると、実験機器や計測機器の表示画面を確認しやすいとともに、作業平面を確保できるため、研究や実験の作業効率を高めることができる。
【0004】
また、実験機器や計測機器には、それぞれ電源を供給する電源線と、各機器に情報を入力・出力する情報線が接続されることが多く、このような実験機器や計測機器が設置される作業台には、多数の配線を処理するため機構が求められている。
特に、実験室などでは、電源の取り出し口が床面や壁面の低い位置に設けられておらず、天井や壁面の高い位置に設けられていることが多いため、上方からの配線を挿通可能な上下方向に延びる配線ダクトを備える作業台が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−178884号公報
【特許文献2】特開2010−104951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2のような作業台では、側部に上下方向に延びる配線ダクトが設けられている構成であるため、側方に他の作業台を連結して拡張させようとしても、配線ダクトが他の作業台と当たってしまい、作業台を連結して拡張させることができないという問題がある。また、配線ダクトが作業台の側方に設けられているため、作業台の設置場所が限られてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、上方からの配線を挿通可能なダクト部材を備えていても、設置場所が限られず、幅方向に連結して拡張可能な作業台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る作業台は、作業平面を形成する天板部と、該天板部を支持する支持脚と、前記天板部の後端部側の上方に配置された棚板と、前記天板部から上方に延び、前記棚板を支持する複数の棚板支持部材と、を備える作業台において、前記複数の棚板支持部材のうち少なくとも1つの棚板支持部材には、内部に配線を上下方向に挿通可能な第1配線挿通部が形成されているとともに、配線を上下方向に挿通可能な第2配線挿通部が形成されたダクト部材が上部に接続されていて、前記第2配線挿通部は、前記第1配線挿通部と連通し、前記ダクト部材は、上下方向に延びる筒状に形成され、前記ダクト部材の側面が接続される前記棚板支持部材の側面と面一となるように配置されていることを特徴とする
【0009】
本発明では、棚板支持部材に第1配線挿通部が設けられていて、棚板支持部材の上部に第2配線挿通部が形成されたダクト部材を接続する構成であることにより、作業台を幅方向に連結して拡張させる際にダクト部材と他の部材とが当たることがなく、作業台を容易に連結して拡張させることができる。また、ダクト部材が側部に設けられた作業台と比べて、設置場所が限られることが少ない。
また、棚板支持部材の上部にダクト部材を接続することにより、第2配線挿通部が設けられたダクト部材が高い位置に配されるため、天井など上方からの配線が行いやすいとともに、見た目をよくすることができる。
【0010】
また、本発明に係る作業台では、前記ダクト部材は、接続される前記棚板支持部材と係合可能な係合部を有することが好ましい。
このようにすることにより、ダクト部材と棚板支持部材とを確実に係合させることができる。
【0011】
また、本発明に係る作業台では、前記棚板支持部材は、前記第1配線挿通部を前記配線を上下方向に挿通可能な複数の空間に区分する仕切り部を備えることが好ましい。
このようにすることにより、第1配線挿通部に複数の配線を区分して挿通させることができるため、使い勝手を良くすることができる。例えば、弱電の配線(通信線)と強電の配線(電源線)とを分けて挿通させることができる。
【0012】
また、本発明に係る作業台では、前記棚板が幅方向に並んで配置され、該棚板は前記幅方向の端部がそれぞれ前記棚板支持部材に支持されていて、隣り合う前記棚板間には、連結された2つの前記棚板支持部材が設けられていて、前記連結された2つの棚板支持部材の上部には、前記ダクト部材が1つ接続されていて、該ダクト部材の第2配線挿通部は、前記連結された2つの棚板支持部材の第1配線挿通部とそれぞれ連通してもよい。
このようにするにより、連結する2つの棚板支持部材に対してそれぞれの第1配線挿通部と連通可能なダクト部材を接続することができる。
【0013】
また、本発明に係る作業台では、前記ダクト部材の側方には、前記第2配線挿通部を開放する開口部が形成されていて、該開口部には、着脱可能なカバー部材が設けられていることが好ましい。
このようにすることにより、第2配線挿通部を開放するとダクト部材の配線を行いやすいため、配線作業おける作業性を良好にすることができる。
【0014】
また、本発明に係る作業台では、前記ダクト部材の上部には、前記ダクト部材の上端面よりも大きく形成されて、上方からの配線を受けるための配線受け部材が設けられていることが好ましい。
このようにすることにより、上方からの配線に余長がある場合でも、余長分の配線を収容することができて、見た目をよくすることができるとともに、配線作業における作業性を良好にすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、棚板支持部材に第1配線挿通部が設けられていて、棚板支持部材の上部に第2配線挿通部が形成されたダクト部材を接続する構成であることにより、作業台を幅方向に連結して拡張させる際にダクト部材と他の部材とが当たることがなく、作業台を容易に連結して拡張させることができる。また、ダクト部材が側部に設けられた作業台と比べて、設置場所が限られることが少ない。
また、棚板支持部材の上部にダクト部材を接続することにより、ダクト部材が高い位置に配されるため、天井など上方からの配線が行いやすいとともに、見た目をよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態による作業台の一例を示す図である。
図2】棚板支持部材を説明する斜視図である。
図3】棚板支持部材の水平断面図である。
図4】ダクト部材を説明する図である。
図5】ダクト部材の内部を説明する図である。
図6】ダクト部材の第2部材を説明する図である。
図7】配線受け部およびダクト部材を説明する図である。
図8】第2実施形態による作業台を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による作業台について、図1乃至図8に基づいて説明する。
図1に示すように、第1実施形態による作業台1Aは、作業台1Aが設置される床面上に幅方向(図中の矢印Aの方向)に所定の間隔をあけて立設された複数の支持脚2,2…と、複数の支持脚2,2…によって床面の上方の所定の高さに支持されてその上面が作業平面Sとなる天板部3と、天板部3の上に幅方向Aに間隔をあけて立設する複数の棚板支持部材4,4…と、棚板支持部材4に支持される棚板5と、棚板支持部材4の上部に接続されるダクト部材9と、を備えている。
ここで、幅方向Aとは、天板部3および棚板本体6の幅方向とし、この幅方向Aに直交する水平方向を前後方向(図中の矢印Bの方向)として以下説明する。
【0018】
支持脚2として、天板部3の幅方向Aの両端部に一対の支持脚21,21が設けられているのに加え、天板部3の幅方向Aの中間部に補助支持脚(支持脚)22が設けられている。この補助支持脚22は、前後方向Bの長さが、支持脚21よりも短く、補助支持脚22の前端部22aが天板部3の前端部3aよりも後方に配されている。これにより、天板部3の幅方向Aの中間部においては、天板部3の荷重を支持しつつ、実験台1の利用者の脚等と干渉しないようになっている。
ここで、支持脚2としては、様々な形状の支持脚や、引き出しを備えた袖箱等を採用できる。また、補助支持脚22を備えず、一対の支持脚21,21のみ設けてもよいし、支持脚21を3つ以上備えていてもよい。
【0019】
天板部3は、2枚の天板本体31,31を、それぞれの天板本体31,31の後端部31bどうしを対向させて備えている。そして、一方の天板本体31Aの後端部31bと他方の天板本体31Bの後端部31bとの間に、配線収容部32と、電源コンセント接続部33とが設けられている。
より詳しくは、一方の天板本体31Aの後端部31bと他方の天板本体31Bの後端部31bとの間に、一つの配線収容部32が設けられ、それぞれの天板本体31A,31Bの後端部31b、31bと配線収容部32との間に、それぞれ電源コンセント接続部33,33が設けられている。
【0020】
配線収容部32は、一対の支持脚21,21と補助支持脚22との間に、前後方向Bに間隔を隔てて配置された一対の連結板32A,32Bと、連結板32A,32Bの下端部間に架け渡された底板32Cと、を備えている。
この配線収容部32は、上方に向けて開口した開口部34を有している。そして、配線収容部32は、開口部34を開閉可能な蓋体35を備えている。
【0021】
棚板支持部材4は、一対の支持脚21,21と補助支持脚22のそれぞれの鉛直上方に設けられている。一対の支持脚21,21の鉛直上方には1つずつ棚板支持部材4が設けられていて、補助支持脚22の鉛直上方には、2つの棚板支持部材4A,4Aが幅方向Aに連結して設けられている。棚板支持部材4は、天板部3から鉛直上方に延びるよう設けられている。
また、棚板支持部材4は、一方の天板本体31Aの上方に設ける棚板5と、他方の天板本体31Bの上方に設ける棚板5とで、共用できるよう、一方の天板本体31Aと他方の天板本体31Bとに跨るように設けられている。
【0022】
棚板支持部材4は、例えば、薄型鋼板を上下方向に延びる角筒状に形成した筒状部材41で構成されている。筒状部材41は、水平断面において外形が前後方向Bに長い略長方形状に形成されている。
【0023】
本実施形態では、一対の支持脚21,21の鉛直上方には、棚板支持部材4として、それぞれ1つの筒状部材41が設けられていて、補助支持脚22の鉛直上方には、幅方向Aに連結された2つの棚板支持部材4A,4Aとして、幅方向Aに連結された2つの筒状部材41,41が設けられている。
各棚板支持部材4において、前方を向く前面4aと幅方向Aを向く側面4cには、それぞれ、上下方向に間隔を隔てて複数の棚板係合孔43,44が形成されている。
本実施形態では、各棚板支持部材4の前面に上下方向に延びる溝部45がそれぞれ形成されていて、溝部45の底部に複数の棚板係合孔43が形成されている。
【0024】
このような棚板支持部材4により、天板部3の上方に棚板5が設置できるようになっている。本実施形態では、上下2枚ずつ棚板5が設置されているが、その設置枚数は限定するものではなく、上下において1枚のみでもよいし、3枚以上でもよい。
棚板5は、板状の棚板本体6と、棚板本体6の幅方向A両側の下面に設けられた補強ブラケット71と、を備えている。
【0025】
棚板本体6には、その幅方向A両側に棚板支持部材4の側面4cに形成された棚板係合孔44に係合可能な係合フック(不図示)が設けられている。また、補強ブラケット71は、棚板本体6の下面において、前方から後方に行くにしたがいその高さが漸次大きくなるように形成されている。そして、補強ブラケット71において、後方を向き、棚板本体6に直交する支持面には、棚板支持部材4の前面4aに形成された棚板係合孔43に係合可能な係合フック(不図示)が設けられている。
このような棚板5は、その幅方向A両端部において、棚板支持部材4の側面4cの棚板係合孔44と、前面4aの棚板係合孔43に、棚板本体6と補強ブラケット71のそれぞれの係合フックを係合させることで、両側の棚板支持部材4、4間に保持されている。
【0026】
ここで、前後方向Bに配列された棚板本体6,6は、その後端部6b,6bどうしが、離間している。これにより、棚板本体6bの後方に、棚板本体6上に載置した機器類の配線を垂下させる配線挿通空間Shが形成されている。
【0027】
また、幅方向Aに互いに隣接する棚板支持部材4,4には、棚板5以外にも、例えばモニタディスプレイ等の物品を係合できるブラケット51を取り付けることもできる。ブラケット51と同様の取付構造により、パネル状あるいはバー状の物品を適宜取り付けることもできる。
【0028】
また、補助支持脚22の鉛直上方に設けられた2つの棚板支持部材4A,4Aは、図2および図3に示すように、それぞれ内部に配線を上下方向に挿通可能な第1配線挿通部42が形成されている。これらの2つの棚板支持部材4A,4Aは、下端部が配線収容部32の上方に配されていて、配線収容部32と連通している。
2つの棚板支持部材4A,4Aの各第1配線挿通部42は、筒状部材41の内部に形成されている。筒状部材41は、上下方向に延びて水平断面が所定の形状になるように加工された鋼板が複数組み合わさって構成されている。
【0029】
筒状部材41を構成する鋼板は、前後方向Bの長さが筒状部材41の前後方向Bの長さと略等しく、幅方向Aの長さが筒状部材41の幅方向Aの長さより短く、水平断面形状が幅方向Aの一方に開口する略C字状の第1部材46と、第1部材46の内側に重なるように配されて、前後方向Bの長さが筒状部材41の前後方向Bの長さと略等しく、幅方向Aの長さが筒状部材41の幅方向Aの長さと略等しく、水平断面形状が幅方向Bの一方に開口する略C字状の第2部材47と、第2部材47と左右方向Aに対向するように設けられて前後方向Bの長さが筒状部材41の前後方向Bの長さのほぼ半分の長さで、幅方向Aの長さが筒状部材41の幅方向Aの長さより短く、水平断面形状が幅方向の一方に開口する略C字状で前後方向Bに隣接する第3部材48および第4部材49と、第2部材47と第3部材48および第4部材49との間に設けられた第5部材50とを有している。
【0030】
第3部材48および第4部材49は、端部どうしが連結している。
第5部材50は、一方の端部50aが第2部材47に溶接されているとともに、他方の端部50bが第3部材48とともに第2部材47の一方の端部47aを挟持している。
第5部材50は、両端部50a,50b以外の中間部の一部が第3部材48と面接触している。そして、この一部以外が幅方向Aに延びて第1配線挿通部42を前後方向Bに2つに区分する仕切り部となっている。また、第5部材50は、筒状部材41を所定の剛性に保持する役割も果たしている。
また、第5部材50と第3部材48および第4部材49とは、ネジ止め(不図示)されている。
本実施形態では、2つの棚板支持部材4A,4Aは2つの筒状部材41,41で構成されているため、2つの棚板支持部材4A,4Aには区分された第1配線挿通部42の空間が合計で4つ形成されている。
【0031】
また、第1部材46の端部と第3部材48および第4部材49の端部とは幅方向Aに離間していて、この離間して形成された空間が、棚板支持部材4の溝部45を構成している。そして、第2部材47の前端部の一部が、溝部45の底部となり、第2部材47の前端部の一部には、棚板支持部材4の棚板係合孔43が複数形成されている。
【0032】
図1に示すように、ダクト部材9は、補助支持脚22の上に設けられた2つの棚板支持部材4A,4Aの上部に接続されている。
図4に示すダクト部材9は、前後方向Bの長さが筒状部材41(図2および図3参照)の前後方向Bの長さと略等しく、幅方向Aの長さが筒状部材41の幅方向Aの長さの2倍と等しくなるように形成されている。
図4乃至6に示すように、ダクト部材9は、水平断面形状が幅方向Aの一方に開口する略C字状に形成された第1部材91および第2部材92と、第1部材91と第2部材92とを連結させるための連結部材93と、第1部材91の下部側に固定されて、2つの棚板支持部材4A,4Aに係合可能な係合部94とを備えている。
また、第1部材91と第2部材92とに囲まれた空間には、第2配線挿通部98が形成されている。
【0033】
第1部材91および第2部材92は、互いに開口する側を対向させるように連結されていて、第1部材91および第2部材92で筒状体を構成している。
連結部材93は、第1部材91に固定されていて、連結部材93に対して第2部材92が着脱可能に構成されている。
また、連結部材93は、第1部材91および第2部材92の上端部および下端部どうしを連結していて、第2配線挿通部98の上端部および下端部において第2配線挿通部98を前後方向Bに2つに区分している。
【0034】
係合部94は、第1部材91の下部側に固定されたときに、第1部材91の下端部からそれぞれ下方に突出する第1突出部95および第2突出部96を有している。第2突出部96は、第1突出部95よりも幅方向Aおよび上下方向の寸法が小さく形成されている。
第1突出部95と第2突出部96との間には、凹部97が形成されている。
【0035】
係合部94は、第1部材91の前後方向Bの両端部に設けられていて、ダクト部材9が2つの棚板支持部材4A,4Aの上部に接続されると、2つの棚板支持部材4A,4Aの各筒状部材41,41の内部に挿入可能に構成されている。
図3に示すように、係合部94は、2つの棚板支持部材4A,4Aの筒状部材41の内部に挿入されると、第1突出部95と第2突出部96との間の凹部97に筒状部材41の第2部材47が嵌合するように構成されている。
【0036】
そして、ダクト部材9は、2つの棚板支持部材4A,4Aの上部に接続されるときには、係合部94の第1突出部95と第2突出部96との間の凹部97に筒状部材41の第2部材47が嵌合するとともに、係合部94が筒状部材41の構成部材と当接されることで棚板支持部材4に係合されている。
上記のように係合部94が棚板支持部材4に係合されるため、ネジなどを使用せずにダクト部材9を2つの棚板支持部材4A,4Aの上部に接続させることができる。
【0037】
また、ダクト部材9は、2つの棚板支持部材4A,4Aの上部に接続された状態において、第2部材92が第1部材91に着脱可能に構成されていて、第2部材92が外されると側方に開口部が形成される。この開口部は、配線作業を行うときに使用される。このため、第2部材92は、ダクト部材9に着脱可能なカバー部材とすることができる。
【0038】
また、図7に示すように、本実施形態では、ダクト部材9の上に天井からの配線を受けるための配線受け部材99が設けられている。配線受け部材99は、ダクト部材9の上端面よりも大きく形成されていて、上下方向に貫通する2つの孔部99a,99aが前後方向Bに並んで形成されている。
【0039】
このような作業台1Aでは、天井からの配線を配線受け部材99が受けて、配線受け部材99の孔部99aを通ってダクト部材9の第2配線挿通部98および2つの棚板支持部材4A,4Aの第1配線挿通部42,42に挿通させて、配線収容部32に配線する。また、配線収容部32のに収容された配線を電源コンセント接続部33,33に電力を供給するために接続している。
【0040】
次に、上述した第1実施形態による作業台1Aの作用・効果について図面を用いて説明する。
2つの棚板支持部材4A,4Aに第1配線挿通部42が設けられていて、2つの棚板支持部材4A,4Aの上部に第2配線挿通部98が形成されたダクト部材9を接続させる構成であることにより、作業台1Aを幅方向に連結して拡張させる際にダクト部材9と他の部材とが当たることがなく、作業台1Aを容易に連結して拡張させることができる。また、ダクト部材9が側部に設けられた作業台と比べて、設置場所が限られることが少ない。
また、2つの棚板支持部材4A,4Aの上部にダクト部材9を接続することにより、ダクト部材9が高い位置に配されるため、天井など上方からの配線が行いやすいとともに、見た目をよくすることができる。
【0041】
また、第1配線挿通部42は、配線を上下方向に挿通可能な複数の空間に区分されていることにより、第1配線挿通部42に複数の配線を区分して挿通させることができるため、使い勝手を良くすることができる。例えば、弱電の配線(通信線)と強電の配線(電源線)とを分けて挿通させることができる。
また、ダクト部材9の第2配線挿通部98も、連結部材93によって区分されているため、必要に応じて配線を分けて挿通させることができる。
【0042】
また、2つの棚板支持部材4A,4Aが連結して設けられている場合も、連結した2つの棚板支持部材4A,4Aの上部にダクト部材9を接続することができる。
【0043】
また、ダクト部材9の第2部材92は、第1部材91に着脱可能であることにより、配線作業を行う際に第2部材92を外すことで、第2配線挿通部98が開放されるため、配線作業が行いやすく、作業性を良好にすることができる。
【0044】
また、ダクト部材9の上部には、配線受け部材99が設けられていることにより、上方からの配線に余長がある場合でも、余長分の配線を収容することができて、見た目をよくすることができるとともに、配線作業における作業性を良好にすることができる。
【0045】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図8に示すように、第2実施形態による作業台は、第1実施形態のように天板部3が2枚の天板本体31,31を、それぞれの後端部31bどうしを対向させて前後方向Bの両側から使用する構成ではなく、前側からのみ使用する構成である。天板部3の後方に配線収容部32と電源コンセント接続部33が設けられている。
【0046】
そして、第2実施形態では、棚板支持部材4は、第1実施形態と比べて前後方向Bの長さが短くなるように形成されている。
また、第2実施形態では、ダクト部材9および配線受け部材99も、第1実施形態と比べて前後方向Bの長さが短くなるように形成されている。
【0047】
第2実施形態においても、天井からの配線を配線受け部材99が受けて、ダクト部材9の第2配線挿通部98および2つの棚板支持部材4A,4Aの第1配線挿通部42,42に挿通させて、配線収容部32に配線するとともに、電源コンセント接続部33に電力を供給するために接続している。
このため、第2実施形態による作業台1Bによれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0048】
以上、本発明による作業台の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、作業台1A,1Bの幅方向Aの中央部に位置する補助支持脚22の鉛直上方に設けられた2つの棚板支持部材4A,4Aの上部にダクト部材9を接続しているが、、作業台1A,1Bの幅方向Aの端部に設けらえた棚板支持部材4の上部にダクト部材9接続してもよい。
また、上記の実施形態では、2つの棚板支持部材4A,4Aの第1配線挿通部42,42は、区分されているが、区分されていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、筒状部材41が幅方向Aに2つ連結した2つの棚板支持部材4A,4Aの上部にダクト部材9を接続しているが、1つの筒状部材41からなる棚板支持部材4の上部にダクト部材9を接続してもよい。
また、上部にダクト部材9が接続される棚板支持部材4の形状は、第1配線挿通部42が形成されているのであれば、上記の実施形態以外の形状としてもよい。
また、上記の実施形態では、ダクト部材9は、第2部材92が第1部材91に対して着脱可能に構成されているが、第1部材91と第2部材92とが固定された形態としてもよい。
例えば、上記の実施形態では、ダクト部材9の上部に配線受け部材99が設けられているが、ダクト部材9の上部に配線受け部材99が設けられていなくてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1A,1B 作業台
2,21 支持脚
3 天板部
4 棚板支持部材
5 棚板
6 棚板本体
7 棚板支持手段
9 ダクト部材
42 第1配線挿通部
50 第5部材(仕切り部)
92 第2部材(カバー部材)
94 係合部
98 第2配線挿通部
99 配線受け部材
22 補助支持脚(支持脚)
Sh 配線挿通空間
A 幅方向
B 前後方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8