(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前後方向の出入りをする開口部の開閉をするシャッターカーテンと、該シャッターカーテンの開閉ガイドをする左右のガイドレールと、シャッターカーテンを巻き取る巻取りドラムとを備えて構成される建築用シャッターにおいて、ガイドレールを、シャッターカーテンのガイド溝が形成された内レール7を外レールに対して着脱自在に固定された二重レール構造として、内レールが外レールから開口部の左右方向外方から内方に向けて取り外しができるように構成するにあたり、内レールは、シャッターカーテンに設けた耐風フックが係止するための係止部が設けられ、内レールの溝底部を形成するための内側半部と、該内側半部の前後方向両端に取り付けられて内レールの前後板面を形成するための前後一対の外側半部とを備え、前後一対の外側半部を内側半部を介して着脱自在に組み合わせたもので構成され、内レールと外レールの溝底部同士の間に隙間が設けられ、内側半部には、係止部より溝底部側に配される筒状部が、内レールと外レールの溝底部同士の間の隙間に位置して外レール側には接触しない遊嵌状態で設けられていることを特徴とする建築用シャッターにおけるガイドレール。
ガイド溝は、該ガイド溝の溝底部を構成する内レール内側半部の溝底面部と、該溝底面部の前後方向両端部から左右方向内方に向けて延出してガイド溝の溝奥側前後方向内側面を構成する内レール内側半部の前後内側面部と、ガイド溝の開口側前後内側面部を構成する内レール外側半部の開口側前後内側面部とで構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の建築用シャッターにおけるガイドレール。
前記隙間には補強部材が設けられるものであり、該補強部材は左右方向内側が開口したものであり、該補強部材の開口に内レール内側半部の溝底面部が挿入可能になっていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載の建築用シャッターにおけるガイドレール。
シャッターカーテンに設けた耐風フックは、シャッター芯よりも屋内側に位置するものが、左右方向外方に至るにつれ、シャッター芯よりも屋外側に位置するよう傾斜したものが再度シャッター芯よりも屋内側に位置するよう傾斜した山形形状をしており、内レール内側半部の屋内側面部に、耐風フックの山頂部に向けて突出する係止部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1記載の建築用シャッターにおけるガイドレール。
内レール内側半部には、シャッターカーテンが風を受けて撓むことに伴い内レールが前後方向外方に向けて拡開するように変形した場合に、外レールに当接することで変形受けがなされる変形受け片部が形成されていることを特徴とする請求項6乃至8の何れか1記載の建築用シャッターにおけるガイドレール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこのような建築用シャッターでは、シャッターカーテンが強風に曝されて撓むと、シャッターカーテンの左右端縁部がガイドレールから抜け出る惧れがあり、そのため、シャッターカーテンに耐風フックを設け、該耐風フックを、ガイドレールの内レールに設けた係止片に係止するようにしてシャッターカーテンの抜け止めをしているが、例えば台風等に見舞われやすいところ、海岸近傍、山岳地帯等では強風に見舞われやすく、そこでシャッターカーテンのガイドレールに対する飲み込み代を大きくして強風に耐えられるようにすることが要求される。
これに対しシャッターカーテンは、開閉作動する際に左右にズレることを見越してシャッターカーテンの左右端縁と内レールのレール溝底面とのあいだ隙間を設ける必要があるが、飲み込み代を変更した場合、前記隙間が変化してしまうことになる。ところでこの隙間はシャッターカーテンの左右振れの許容と抜け止めとの機能を果たすものであるから隙間は一定に維持することが要求され、そのためには、異なった飲み込み代に対応した複数の内レールを準備しておかなければならないという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、前後方向の出入りをする開口部の開閉をするシャッターカーテンと、該シャッターカーテンの開閉ガイドをする左右のガイドレールと、シャッターカーテンを巻き取る巻取りドラムとを備えて構成される建築用シャッターにおいて、ガイドレールを、シャッターカーテンのガイド溝が形成された内レール7を外レールに対して着脱自在に固定された二重レール構造として、内レールが外レールから開口部の左右方向外方から内方に向けて取り外しができるように構成するにあたり、内レールは、
シャッターカーテンに設けた耐風フックが係止するための係止部が設けられ、内レールの溝底部を形成するための内側半部と、該内側半部の前後方向両端に取り付けられて内レールの前後板面を形成するための前後一対の外側半部とを
備え、前後一対の外側半部を内側半部を介して着脱自在に組み合わせたもので構成され、内レールと外レールの溝底部同士の間に隙間が設けられ、
内側半部には、係止部より溝底部側に配される筒状部が、内レールと外レールの溝底部同士の間の隙間に位置して外レール側には接触しない遊嵌状態で設けられていることを特徴とする建築用シャッターにおけるガイドレールである。
請求項2の発明は、
内側半部の係止部及び該係止部が形成される片部は、筒状部よりも肉厚になっていることを特徴とする請求項1記載の建築用シャッターにおけるガイドレールである。
請求項3の発明は、ガイド溝は、該ガイド溝の溝底部を構成する内レール内側半部の溝底面部と、該溝底面部の前後方向両端部から左右方向内方に向けて延出してガイド溝の溝奥側前後方向内側面を構成する内レール内側半部の前後内側面部と、ガイド溝の開口側前後内側面部を構成する内レール外側半部の開口側前後内側面部とで構成されていることを特徴とする請求項1
または2記載の建築用シャッターにおけるガイドレールである。
請求項4の発明は、
シャッターカーテンに設けた耐風フックが係止する係止部は、内レール内側半部の前後内側面部
に設けられていることを特徴とする請求項3記載の建築用シャッターにおけるガイドレールである。
請求項5の発明は、前記隙間には補強部材が設けられるものであり、該補強部材は左右方向内側が開口したものであり、該補強部材の開口に内レール内側半部の溝底面部が挿入可能になっていることを特徴とする請求項
1乃至4の何れか1記載の建築用シャッターにおけるガイドレールである。
請求項6の発明は、筒状部は、内レール内側半部の溝底部を構成部材として形成されていることを特徴とする請求項
1乃至5の何れか1記載の建築用シャッターにおけるガイドレールである。
請求項7の発明は、シャッターカーテンに設けた耐風フックは、シャッター芯よりも屋内側に位置するものが、左右方向外方に至るにつれ、シャッター芯よりも屋外側に位置するよう傾斜したものが再度シャッター芯よりも屋内側に位置するよう傾斜した山形形状をしており、内レール内側半部の屋内側面部に、耐風フックの山頂部に向けて突出する係止部が設けられていることを特徴とする請求項
1乃至6の何れか1記載の建築用シャッターにおけるガイドレールである。
請求項8の発明は、内レール内側半部の溝底部は、屋外側半部が前記耐風フックの左右方向外端部の傾斜に沿うよう傾斜していることを特徴とする請求項
1乃至7の何れか1記載の建築用シャッターにおけるガイドレールである。
請求項9の発明は、内レール内側半部には、シャッターカーテンが風を受けて撓むことに伴い内レールが前後方向外方に向けて拡開するように変形した場合に、外レールに当接することで変形受けがなされる変形受け片部が形成されていることを特徴とする請求項
6乃至8の何れか1記載の建築用シャッターにおけるガイドレールである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、内レールを外レールから外すことでシャッターカーテンの交換ができるものでありながら、例えばシャッターカーテンのガイドレールへの飲み込み代を大きくして強風仕様にしたい場合に、内レール内側半部について溝底部が深いものに交換すればよいことになって、前後一対の内レール外側半部はそのまま使用することができ、その分、資源の無駄を省くことができる。
しかも内レール内側半部に形成の筒状部があることでシャッターカーテンが風を受けて撓んだときの内レールの変形防止を図ることができることになって、ガイドレールの強度アップを図ることができる。
請求項2の発明とすることにより、
ガイドレールの強度アップを図ることができる。
請求項3の発明とすることにより、シャッターカーテンの飲み込み代を変更して耐風力を変更したい場合に、内レール内側半部のみの変更でよいことになるが、内レール内側半部は溝底面部の深さを異ならしめるだけでよく、内レール内側半部の他の部位の形状はおなじものでよいことになり、この結果、内レール内側半部の外側半部との組み合わせ形状の変更が強いられることがなくなって、内レール外側半部を共通して用いることができることになる。
請求項4の発明とすることにより、耐風力を変更すべくシャッターカーテンの飲み込み代を変更することによりシャッターカーテンに設けた耐風フックの位置が変更した場合に、内レール内側半部を、位置変更した耐風フックに対応した位置に係止部位置があるものと交換すればよいことになって、交換部品を最小限のものにできることになる。
請求項5の発明とすることにより、内外レールの溝底面部間の隙間に補強部材を設けてガイドレール自体の強度アップが図れるものにできながら、耐風力を高めるためにシャッターカーテンのガイドレールへの飲み込み代を大きくすべく内レールの溝底面部を深くしたとしても、これを補強部材が吸収できることになる。
請求項6の発明とすることにより、筒状部の構成部材として内レール内側半部の溝底部を有効に利用できることになって強度アップを図ることができながら構造の簡略化を図ることができる。
請求項7の発明とすることにより、耐風フックに係止する係止部が、山形形状をした耐風フックの山頂部に向けて内レール内側半部の屋内側面部から突出している結果、シャッターカーテンが風を受けて撓んだ場合の係止部の耐風フックに対する係止が確実になって耐風強度を向上することができる。
請求項8の発明とすることにより、筒状部の一部を構成する内レール内側半部の溝底部の屋外側半部は、内レール内側半部の屋外側片部に対してより左右方向内方位置で連結することになる結果、筒状部の断面積を大きくなって強度的に有利なものにでき内レールが拡開したときのガイドレールの強度アップが図れながら、シャッターカーテンの左右方向の移動を許容できることになる。
請求項9の発明とすることにより、シャッターカーテンが風を受けて撓むことに伴い内レールが拡開した場合に、内レール内側半部の固定片部に折曲形成した変形受け片が外レールに当接して内レールの変形受けがなされることになってガイドレールの強度アップが図れることになる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、
図3〜図11は参考例を示し、図12以降に本発明の実施の形態を示すが、1は建築用電動シャッターであって、該建築用電動シャッター1は、シャッターカーテン2、該シャッターカーテン2の左右両端部を昇降案内する後述のガイドレール3、シャッターカーテン2を巻装する巻取りドラム4、巻取りドラム4を回転駆動させるための開閉機5、開閉機5を駆動するためのスイッチSW等の各種部材装置で構成され、前後方向に通過する建築物の開口部に建て付けられるものであることは勿論である。
尚、開口部の通過方向を前後方向、ガイドレールが取り付けられる間口幅方向を左右方向、間口高さを上下方向、そして前後方向においてシャッターカーテン2のカーテン芯L(開口の前後方向中心)から離れる方向を外側方向、近づく方向を内側方向、左右方向においてガイドレールから開口の左右方向中心側を内側、反対側を外側と便宜上定義するが、これに限定されるものではない。
【0009】
前記ガイドレール3は、外レール6と内レール7との基本部材を用いて構成されているが、これら内外レール6、7はシャッターカーテンのカーテン芯Lを中心線として前後対象形状をしている。
【0010】
外レール6は、内側半部8と前後一対の外側半部9とで組み合わせ形成されているが、内側半部8は、外レール6の溝底部を構成すべく前後方向を向いた板状の第一片部8aと、該第一片部8aの前後両端から左右方向内側に向けてそれぞれ折曲した第二片部8bと、該第二片部8bの左右方向内端から前後方向外方に向けて折曲した第三片部8cと、該第三片部8cの前後方向外端から左右方向内方に向けて折曲した第四片部8dとによって一体に形成されているが、さらに第二片部8bの左右方向外端8gよりも左右方向内側部位の前後外側面には前後方向外方に向けて係止凹部8eが突出形成され、第四片部8dの前後方向外側面部には左右方向内端8hよりは外側位置において前後方向外方に向けて締結片8fが突出形成されている。
【0011】
一方、外レール6の外側半部9は、内側半部8の第一片部8aの前後方向外側に位置する状態で該第一片部8aと左右方向面一状(前後方向直線状)となる第一片部9aと、該第一片部9aの前後方向外端から左右方向内方に向けて折曲され、左右方向内端9eが内側半部第四片部8dの左右方向内端8hと左右方向同位置になる第二片部9bとによって一体に形成され、第一片部9aの前後方向内端には左右方向内方に向けて形成され、前記係止凹部8eに左右方向外方から内方に向けて係脱自在に嵌入する係止凸部9cが突出形成され、第二片部9bの左右方向内端9eよりは左右方向外側に位置して前記内側半部締結片8fに対して左右方向外側から積層状に当接する締結片9dが突出形成されている。
【0012】
そして外レール6は、外側半部9に対し、内側半部8を左右方向内方から外方に向けて組み込むことで、係止凹部8eと係止凸部9cとが嵌入して前後方向のズレ止めがなされると共に、前記積層した締結片8f、9d同士を、内側半部第四片部8dの左右方向内端部と外側半部第二片部9bの左右方向内側端部との前後間に形成される第一スペースS1に左右方向内方から外方に向けて挿入したビス10を螺入することで一体化され、このようにして外レール6が組み立てられるようになっている。尚、図中、11は前記第一スペースS1に左右方向内側から外側に向けて無理嵌めされる塞ぎ材である。
【0013】
一方、内レール7は、シャッターカーテン2の実質的な開閉ガイドをするためのガイド溝Gが形成されるものであるが、ここでは、内側半部12と前後一対の外側半部13とで組み合わせ形成されている。内側半部12は、内レール7の溝底部を構成すべく前後方向を向き、外レール6の溝底となる第一片部8aに対して左右方向内側に第二スペースS2(本願発明の「隙間」に相当する。)を存すると共に、前後両端12bが外レール6の第二片部8bの前後方向内側面に当接するか僅かに間隙を存する状態で対向する板状の第一片部12aと、該第一片部12aの前後両端12bよりも前後方向内側位置から左右方向内方に向けて突出し、左右方向内端12cが外レール第三片部8cの左右方向内端よりも左右方向内方に位置する第二片部12d(本発明の「溝奥側前後内側面」に相当する。)と、該第二片部12dの左右方向内端12cよりも僅かに左右方向外端側に位置していて略外レール第三片部8cに対応する位置において前後方向内側に突出していて
図8に示すようにシャッターカーテン2に設けた耐風フック14がシャッターカーテン2が風を受けて撓んだ場合に係止する第三片部12e(本発明の「係止部」に相当する。)とにより構成されている。
【0014】
一方、内レール外側半部13は、内レール内側半部第一片部12aの第二片部12dよりも前後方向外側部位に左右方向内側から当接して左右方向外側から螺入するビス10aにより固定される第一片部13aと、内レール内側半部第二片部12dに対して前後方向外側に沿う状態で該第一片部13aの前後方向内端から左右方向内端に向けて折曲され、後述するように内外レール6、7を固定した場合に、左右方向内端13bが外レール外側半部第二片部9bの左右方向内端9eおよび外レール内側半部第四片部8dの左右方向内端8hと同位置となる第二片部13c(本発明の「開口側前後内側面部」に相当する。)と、内外レール6、7を固定した場合に、外レール内側半部第二片部8bに前後方向内側に沿う状態で第一片部13aの前後方向外端から左右方向内方に向けて折曲され、外レール内側半部第三片部8c位置までに至る第三片部13dと、第二片部13cの左右方向中間位置から第三片部13dの左右方向内端位置を経て外レール内側半部第三片部8cに左右方向内側から積層し、左右方向内側から螺入するビス10bにより外レール内側半部第三片部8cに固定される第四片部13eと、該第四片部13eの第三片部13d位置よりも僅かに前後方向内側位置から左右方向内方に向けて突出し、左右方向内端13fが第二片部13cの左右方向内端13bよりも僅かに左右方向外側に位置し、かつ外レール内側半部第四片部8dに対して前後方向に第三スペース(本発明の「配設スペース」に相当する。)S3を存する第五片部13gと、該第五片部13gの左右方向内端13fから第二片部13cの左右方向内端13bよりも僅かに左右方向外端に至る第六片部13hとにより一体に構成されており、これによって第三、第五片部13d、13gが本発明の内レール前後外側面を構成している。
そして内レール7は、前述したようにビス10aにより内側片部12と外側片部13とが組み付け固定されることになるが、該内レール7に形成されるガイド溝Gの溝底面は内側半部12の第一片部12aにより、溝奥側前後面部は内側半部12の第二片部12dにより、開口側前後面部は外側半部13の第二片部13cによりそれぞれ形成された凹溝状になっている。
【0015】
つまり、第三スペースS3は、外レール6と内レール7との境界部分において、外レール内側半部第四片部8dと、これに対向する内レール外側半部第五片部13gが前後壁面となり、左右に積層する外レール内側半部第三片部8c、内レール外側半部第四片部13eが溝底となって、左右方向内方が開口した凹溝形状に構成され、そしてこの溝底において前記積層する外レール内側半部第三片部8c、内レール外側半部第四片部13e同士をビス10bで左右方向内側から外側に向けて螺入することで、外レール6と内レール7とが一体に組み付けられるようになっている。
さらに内レール外側半部13の第二片部13cには、内レール内側半部第二片部12dの左右方向内端12cが左右方向外側から内側に向けて嵌入する嵌入凹部13iと、第二片部13cの左右方向内端部位においてカーテン芯L側に向けて突設され、モヘア等の緩衝材15が組み込まれる組み込み片13jとが形成されている。
【0016】
さらに
本参考例のガイドレール3において、前記外レール内側半部第四片部8dと内レール外側半部第五片部13gとの間に形成される前後一対の第三スペースS3には、障害物の検知をする非接触型の障害物検知センサである投受光器16がビス10cにより取り付けられる第一補助部材17と、投受光器16の取り付けがない第二補助部材18とが嵌入組み込みされ、そしてこれら第一、第二補助部材17、18にそれぞれ設けた締結片17a、18aを内レール外側片部第六片部13hに左右方向内側から積層する状態でビス10d、10eを左右方向内方から外方に向けて螺入することでこれら補助部材17、18が組み込まれるように構成され、これによって第三スペースS3が覆蓋されている。
【0017】
そして外レール6から内レール7を取り外すには、シャッターカーテン2を全開状態に巻き取った状態でビス10d、10eを取り外して第一、第二補助部材17、18を第三スペースS3から抜き出した後、第三スペースS3の溝底に螺入しているビス10bを取り外すことで内レール7は外レール6に対して左右方向内側に向けて取り外すことができるようになっている。そしてこのように内レール7を取り外した状態でシャッターカーテン2を全閉状態にすると、該シャッターカーテン2は、外レール内側半部第一片部8aと内レール内側半部第一片部12aとの間に形成される第二スペースS2分だけ左右方向の移動距離が長く確保され、この長くなった距離を利用してシャッターカーテン2をガイドレール3から取り外してシャッターカーテン2の交換ができるようになっている。
【0018】
そして内レール7について、
図8(A)に示すように、内レール7の溝底面部を構成する第一片部12aが平板状になっている汎用仕様のものに対して、
図8(B)のものでは、内レール内側半部12の第一片部12aのうち、前後第二片部12d、12d間(耐風フック14と対向する部位)である溝底面部を溝深にすると共に、耐風フック14が係止する第三片部12eを左右方向外側に偏倚させることで、シャッターカーテン2のガイドレール3に対する飲み込み代を大きくして耐風力を高めた強風仕様にすることができ、この場合に、内レール7全体の交換ではなく、内レール7の内側半部12のみの交換でよいようになっている。
ところでこのように、強風仕様とした場合、ガイドレール3自体の強度アップを図ることが好ましいが、この場合、
図11に示すように、補強部材19を、鋼製のC型チャンネルのような開口部が形成されたものとし、そして斯かる補強部材19を、この開口部が左右方向内側を向く姿勢でビス10fを介して外レール内側半部第二片部8bに固定することになるが、この補強部材19のビス固定手順としては、外レール内側半部8を外レール外側半部9に固定する以前であって、かつ内レール7を外レール6に組み込む以前の段階で行うことになる。つまり、外レール6内側半部8が単体の状態で開口部が左右方向内方に向いた状態の補強部材19を第二スペースS2に組み込み、そして外レール内側半部第二片部8bの前後方向外側面から内側に向けてビス10fを螺入することにより前記第二スペースS2に配した補強部材19が外レール内側半部第二片部8bに取り付けられることになり、このようにすることにより、内レール内側半部12を前記強風仕様として内レール溝底面部を深いものとした場合であっても、該深い溝底面部が補強部材19の開口に入り込むことになって仕様変更に支障をきたすことがない。
【0019】
因みにこのように、内レール7の内側半部12のみを交換する場合として、シャッターカーテン2のなかには、例えば通気機能を有したものや意匠性等を考慮して強度的に弱いものが用いられることがあり、このようなシャッターカーテン2を選択した場合でも、それなりの耐風力が求められる場合があり、そのときには内レール7において前述したようなシャッターカーテン2の飲み込み代の大きい内側半部12に交換すればよく、また建築用シャッターを屋内に建て付ける場合のように耐風力が不要な場合があり、その場合にはシャッターカーテン2に耐風フック14がないものとする一方、内レール内側半部12を耐風フック14が係止する第三片部12eのないものに交換すればよく、このように内レール7について、外側半部13は変更することなくそのまま用い、そして内側半部12を種々交換することで、様々な仕様のシャッターカーテンに対応したガイドレール3とすることができる。
さらにはシャッターカーテン2に設けられる耐風フック14には様々な形状のものがあり、第三片部12eについても耐風フック14の形状に対応させたものとした場合に、同じく内レール7について、外側半部13は変更することなくそのまま用い、そして耐風フック14に対応した形状の第三片部12eが形成された内側半部12を採用すればよいことになる。
【0020】
ところでガイドレール3は、
図9(A)(B)に示すように外レール外側半部8を鋼製柱Xや壁Yに外レール6の前後方向一側面を当接し、ビス20やアンカーボルト21を用いて固定する露出納まりと、
図9(C)に示すように壁Z内に埋め込む埋込み納まりがあるが、本発明が実施されたものでは、露出納まりの場合、柱Xや壁Yに当接する側の外レール外側半部9の第二片部9bの外側面を該柱Xや壁Yに当接した状態で該外レール外側半部第二片部9bを内側からビス20やアンカーボルト21を用いて固定し、しかる後、外レール6、内レール7を組み付けることでガイドレール3が組み付けられることになる。
この場合の組み込み手法としては、例えば工場においてガイドレール3を仮組込したものを現場に搬入し、外レール6の柱Xや壁Yに取り付ける側の外側半部9をビス10を抜き取ることでガイドレール3から取り外し、該取り外した外側半部9をビス20やアンカーボルト21を介して固定した後、前記取り外したガイドレール3をビス10を介して前記固定した外レール外側半部9に固定することができるが、ガイドレールの建付けについては、外レール6、内レール7をそれぞればらばらに分解したものや、仮組込した内レール7、外レール6をそれぞれを現場に持ち込んでガイドレール3を現場で組み立てるようにしてもよいことは言うまでもない。
一方、埋込み納まりをする場合、本実施の形態のガイドレールはアルミニウムの押し出し形材で形成されているため溶接ができず、そこで外レール6の底部外面に鋼製の補助部材22を外嵌させたものを壁Z内に埋め込んだ状態で、補助部材22を躯体側から延出した鉄筋23に溶着することで埋込み固定ができるようになっている。
【0021】
因みに、第一補助部材17は、上下方向に長く形成され、投受光器16が上下方向に所定間隔を存して複数設けられており、そしてシャッターカーテン2が閉作動する場合に、投受光器16の光軸がシャッターカーテン2下端の座板によって上側から順次遮られてくる場合には異常なしと判断して閉作動を続行すると共に、該遮られた投受光器16の検知作動を停止するが、この順序が崩れてどこか下側の投受光器16の光軸が遮られた場合には障害物検知として判断し、閉作動を緊急停止する等の障害物回避作動をするようになっている。そして第一補助部材17が設けられる第三スペースS3の第一補助部材17のない部分には第二補助部材18が設けられていて第三スペースS3を覆蓋するようになっている。
そしてこのものでは、
図10に示すように、投受光器16が組み込まれた第一補助部材17を、前後何れか一方の第三スペースS3に組み込むようにすることで、光軸IまたはIIでの障害物検知ができるが、さらには内外両第三スペースS3に投受光器16が組み込まれた第一補助部材17を組み込むことで、カーテン芯Lを挟んだ前後両側の光軸IおよびIIでの障害物検知ができるように構成することもできる。またさらには投受光器16が組み込まれた第一補助部材17を、例えば左右何れか一方のガイドレール3の前後方向一方の第三スペースS3に組み込み、他方のガイドレール3の前後方向他方の第三スペースS3に組み込むようにすればカーテン芯Lを通過する光軸IIIまたはIVの内外交差状の障害物検知をすることができ、この光軸IIIおよびIVによる交差状の障害物検知を上下に交互に行うようにすることもでき、これらは必要において取捨選択して実施できることはいうまでもない。
【0022】
叙述の如く構成された本発明の
参考例において、シャッターカーテン2をガイドレール3から取り外すには、シャッターカーテン2を全開状態に巻き取り、そして第一、第二補助部材17、18を第三スペースS3から取り外した状態で、ビス10bを取り外すことで、外レール6から内レール7を抜き出して取り外した状態でシャッターカーテン2を全閉状態にすると、前述したようにシャッターカーテン2は、外レール内側半部第一片部8aと内レール内側半部第一片部12aとの間に形成される第二スペースS2分だけ左右方向の移動距離が長く確保され、この長くなった距離を利用してシャッターカーテン2を左右何れか一方にずらすと、シャッターカーテン2が他方のガイドレール3(外レール6)から外れ、そしてこの外れたシャッターカーテン2を左右逆方向にずらすと、シャッターカーテンのが一方のガイドレールから外れることになる。そして交換したシャッターカーテン2について、前記とは逆操作をすることでシャッターカーテン2の交換ができることになる。
【0023】
このように本発明
の参考例のものにおいては、内レール7を外レール6から外すことで、シャッターカーテン2の交換ができることになるが、この場合に内レール7は、内レール7の溝底部を形成するための内側半部12と、該内側半部12の前後方向両端に取り付けられて内レール7の前後板面を形成するための前後一対の外側半部13とで構成され、そして内レール7と外レール6の溝底部同士の間に第二スペースS2が形成されているため、シャッターカーテン2のガイドレール3への飲み込み代を汎用のものよりも大きくして耐風力をアップしたい場合、外側半部13は変更することなく、内側半部12についてレール溝底部の深さを深いものに変更するだけでよいことになる結果、内レール7全体を変更する必要がない。
【0024】
そのうえ、内レール7に形成されるガイド溝Gの溝底面は内側半部12の第一片部12aにより、溝奥側前後面部は内側半部12の第二片部12dにより、開口側前後面部は外側半部13の第二片部13cによりそれぞれ形成された凹溝状になっている結果、シャッターカーテン2の飲み込み代を深くして耐風力を強化したい場合に、ガイド溝Gの溝底面を構成する内側半部12の第一片部12aを深いものとしてこの深くなった部位を第二スペースS2側に偏倚させればよく、このため、ガイド溝Gの開口側前後面部を形成している外側半部13の形状変化をする必要がないため、ガイド溝Gの溝深さの変更ができながら外側半部13の共通化が図れることになる。
【0025】
そのうえシャッターカーテン2に設けた耐風フック14が係止する第三片部12eについても、シャッターカーテン2の飲み込み代を変更することに伴い耐風フック14位置が変化した場合に、該第三片部12eの位置を該変化した耐風フック14に合わせた内レール内側半部12に変更すればよく、内レール外側半部13については変更する必要がなく、この結果、耐風フック14位置が変更に対応して第三片部12eの位置を変えることができながら内ケール外側半部13の共通化が図れることになる。
【0026】
しかも第二スペースS2に補強部材19を設けることによってガイドレール3の補強が図れるが、該補強部材19は左右方向内側が開口したものとして、該補強部材19の開口に内レール内側半部12の第一片部12aが挿入可能になっている結果、補強部材を第三スペースS3に配してガイドレールの強度アップを図りながら、ガイド溝Gを溝深いものにできて耐風力の強化が問題なくできることになる。
【0027】
図12以降に示すものは、本発明の実施の形態のガイドレール3を示すものであって、内レール7の外側半部13と一体化される内側半部24について強度アップのため肉厚にしたり筒状部を設けたりする等の配慮をしたものである。このものにおいて、前記第一の実施の形態のものと同一(または近似)するものについては前記
参考例のものの説明を援用すると共に引出符号も同じものを用い、
前記参考例と異なる部分について以下に説明する。
【0028】
シャッターカーテン2に取付けられる耐風フック25は、本実施の形態ではシャッターカーテン2のシャッター芯Lよりも屋外側(柱Xに固定される側)に固定された基端部25aと、シャッターカーテン2の左右方向外端縁から屋内側に向けて傾斜状に突出した第一突出部25bと、シャッター芯Lを越えた位置からシャッター芯Lと平行状になるように突出していて山頂部となる第二突出部25cと、その外端から更にシャッター芯Lを屋外側に越える状態で傾斜した第三突出部25dとにより山形状に形成されている。
【0029】
内レール内側半部24には、前後方向を向き、ガイドレール3の事実上の溝底となる第一片部24aが設けられるが、該第一片部24aは、屋外側半部24bが、外レール内側半部8の第一片部8aと平行状になっている一方、屋内側半部24cが、前記耐風フック25の第三突出部25dの傾斜に沿うよう屋内側ほど左右方向内方に向けて傾斜している。そして第一片部24aの左右方向外方には、内外レール6、7の溝底部同士の間の隙間S2に位置する状態で、外レール内側半部8の第一片部8aと対向する部位が角筒状になった筒状(ホロー状)部24dが前記第一片部24aを構成部材の一つとして形成され、これにより内レール7の強度アップが図られている。
【0030】
筒状部24dの屋外側面部24e
には、筒状部24dよりも肉厚となる状態で左右方向内方に向けて延設されて第二片部24f
が形成されているが、該第二片部24fの左右方向内端には第一係止凸部24gが左右方向内方に向けて突出形成され、屋内側面にはシャッターカーテン2が風を受けて撓んだ場合に係止する第三片部(本発明の「係止部」に相当する。)24hが屋内側に向けて(耐風フック25の山頂部となる第二突出部25cに向けて)
第二片部24fと同じく肉厚になるようにして突出形成され、屋外側面には屋外側半部24bと第三片部24hとのあいだに位置する状態で内レール外側半部13の屋外側の第一片部13aに対して左右方向外方側から積層するよう突き当てられる第四片部(本発明の「固定片部」に相当する。)24iが屋外方向に向けて突出形成されているが、該第四片部24iはビス10aによって内レール外側半部13の屋外側第一片部13aに固定されている。この第四片部24iの屋外側端からは、外レール内側半部8の第一片部8a側に向けて第五片部(本発明の「変形受け片部」に相当する。)24jが折曲形成されているが、該第五片部24jは、シャッターカーテン2が風を受けて撓むことで内レール7に当接して該内レール7が前後方向に拡開した場合に、外レール内側半部屋外側第二片部8bに当接することで変形受けをして強度アップを図るように配慮されている。
【0031】
さらに筒状部24dの屋内側面部24kの左右方向内端は内レール外側半部13の第一片部13aまでとなっており、該内端からは、内レール外側半部13の屋内側の第一片部13aに対して左右方向外方側から積層するよう突き当てられる第六片部(本発明の「固定片部」に相当する。)24lが屋内方向に向けて突出形成されているが、該第六片部24lはビス10aによって内レール外側半部13の屋内側第一片部13aに固定されている。この第六片部(本発明の「固定片部」に相当する。)24lの屋内側端からは、外レール内側半部8の第一片部8a側に向けて第七片部(本発明の「変形受け片部」に相当する。)24mが折曲形成されているが、該第七片部24mは、前記第五片部24jと同様、シャッターカーテン2が風を受けて撓むことで内レール7に当接して該内レール7が前後方向に拡開した場合に、外レール内側半部屋内側第二片部8bに当接することで変形受けをして強度アップを図るように配慮されている。さらに筒状部屋内側面部24kの左右方向内端には左右方向内方に向けて第二係止凸部24nが突出形成されているが、該第二係止凸部24nと第六片部24lの屋外側部位とがコーナー状(直角状)となって内レール外側半部13の第一片部13aと後述する第七片部13kとのコーナー部に外嵌係止することになって強度アップが図られるようになっている。
【0032】
また内レール内側半部第一片部24aの屋内側半部24cの左右方向内端部は、筒状部屋内側面部24kの左右方向内端部に対し、内レール外側半部13の第二片部13cよりも屋外側に偏倚する位置で連結して一体化されているが、内レール内側半部第一片部屋内側半部24cの左右方向内端からは、左右方向内側に向けて内レール外側半部後述する第七片部(後述する)13kから屋外側に離間する状態で第八片部24oが延出形成され、該第八片部24oの左右方向内端からは、屋内側に向けて第九片部24pが突出形成されるが、該第九片部24pは、屋内側面部が屋内側の内レール外側半部第七片部(後述する)13kに当接しており、さらに第九片部24pの屋内側端部からは、左右方向内側に向けて第三係止凸部24qが突出形成されている。
【0033】
一方、本実施の形態では、内レール外側半部13の第二片部13cは第四片部13e部位に至るまでとなっており、該第四片部13eからは、内レール外側半部第二片部13cに対して前後方向外側に向けて段差状に偏倚した状態で第一片部13aに至る第七片部13kが形成されており、そして第二片部13cの左右方向内端面から平面状に続く状態で嵌入凹部13lが形成されており、この嵌入凹部13lに前記内側レール内側半部第一、第三係止凸部24g、24qが嵌入することで強度アップが図られるようになっている。
【0034】
このように構成された第二の実施の形態のものでは、内レール内側半部24が肉厚になっていることで強度アップが図れるが、さらにガイドレール2の実質的な溝底部となる第一片部24aの左右方向外側には、内外レール6、7の溝底部同士の間の隙間S2に位置する状態で筒状部24dが形成されているため、ガイドレール2自体、特に内レール7の強度アップか図れることになり耐風特性が向上する。
そしてこの場合に、内レール内側半部の溝底部となる第一片部24aが構成部材の一つとなっているため、内レール7の強度アップが図れながら構造の簡略化を達成することができる。
【0035】
そのうえこのものでは、耐風フック25が、第一突出部25b、第二突出部25c、第三突出部25dによりシャッター芯Lを前後方向に横切るかたちで屋内側に膨らんだ山形状をしており、そしてその山頂部となる第二突出部25cに向けて内レール内側半部24の屋内側の第二片部24fから係止部となる第三片部24hが突出形成されているから、シャッターカーテン1が風を受けて撓んだ場合の第三片部24hの耐風フック25に対する係止が確実になって耐風強度を向上することができる。
【0036】
さらにまた、内レール内側半部24の溝底部である第一片部24aは、屋内側半部24cが前記耐風フック24の左右方向外端部である第三突出部25dの傾斜に沿うよう屋内側ほど左右方向内方に向けて傾斜している結果、該屋内側半部24cが内レール内側半部24の屋内側面部24kとの連続位置が内レール内側半部24の左右方向内方側に位置したものとなって、筒状部の断面積を大きくなって強度的に有利なものにでき、より左右方向内側で内レール内側半部24の拡開防止に寄与することになってガイドレール3の強度アップが図れながら、シャッターカーテンの左右方向の移動を許容できることになる。
【0037】
またさらにこのものでは、内レール内側半部24を内レール外側半部13に固定するための固定片部である第四、第六片部24i、24lの前後方向外端からは、シャッターカーテンが風を受けることで撓んだことに伴い内レール7が拡開変形した場合に、外レール6の内側半部第二片部8bに当接して内レール7の変形受けをするための変形受け片である第五、第七片部24j、24mが形成されている結果、ここにおいても内レール7の変形受けがなされることになってガイドレールの強度アップが図れることになるという利点がある。
【0038】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないものであることは勿論であって、外レールは一体型であってもよく、また外レールが分割型であった場合、その分割数は二つであってもよく、また四つ以上であってもよい。さらに、建築用シャッターカー電動式ではなく手動式である場合、障害物検知センサは不要であり、このような場合には第三スペースS3のないものでも実施することができる。