(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6341711
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/18 20060101AFI20180604BHJP
B66C 23/74 20060101ALI20180604BHJP
B66C 23/76 20060101ALN20180604BHJP
【FI】
E02F9/18
B66C23/74 D
!B66C23/76 D
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-56429(P2014-56429)
(22)【出願日】2014年3月19日
(65)【公開番号】特開2015-178732(P2015-178732A)
(43)【公開日】2015年10月8日
【審査請求日】2017年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】村手 徳夫
(72)【発明者】
【氏名】児玉 敦史
【審査官】
清藤 弘晃
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−177118(JP,A)
【文献】
韓国登録特許第10−0611716(KR,B1)
【文献】
実開昭55−036205(JP,U)
【文献】
特開2009−030368(JP,A)
【文献】
特開2008−255611(JP,A)
【文献】
韓国登録特許第10−0723582(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00− 9/18
9/24− 9/28
B66C19/00−23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、該下部走行体の上部に旋回可能に設けた上部旋回体と、該上部旋回体の前部に設けた作業装置と、前記上部旋回体の幅方向中央に設けられたウインチ搭載部と、該ウインチ搭載部を挟んで左右に設けられたエンジン収納ハウス及び機器収納ハウスとを備え、前記上部旋回体の後端下部に、カウンタウエイト搭載部を突設した建設機械において、前記カウンタウエイト搭載部の前端と前記上部旋回体の後端との間に、カウンタウエイト搭載部に搭載するカウンタウエイトと上部旋回体の後端との接触を防止する接触防止壁を設け、
前記接触防止壁は、前記ウインチ搭載部の幅方向中央に設けられ、前記接触防止壁の後端側面が、前記エンジン収納ハウス及び前記機器収納ハウスの後端部よりも後方側に位置していることを特徴とする建設機械。
【請求項2】
下部走行体と、該下部走行体の上部に旋回可能に設けた上部旋回体と、該上部旋回体の前部に設けた作業装置と、前記上部旋回体の幅方向中央に設けられたウインチ搭載部と、該ウインチ搭載部を挟んで左右に設けられたエンジン収納ハウス及び機器収納ハウスとを備え、前記上部旋回体の後端下部に、カウンタウエイト搭載部を突設した建設機械において、前記カウンタウエイト搭載部の前端と前記上部旋回体の後端との間に、カウンタウエイト搭載部に搭載するカウンタウエイトと上部旋回体の後端との接触を防止する接触防止壁を設け、
前記接触防止壁は、前記上部旋回体の幅方向両端部2箇所に設けられ、前記接触防止壁の後端側面が、前記エンジン収納ハウス及び前記機器収納ハウスの後端部よりも後方側に位置していることを特徴とする建設機械。
【請求項3】
下部走行体と、該下部走行体の上部に旋回可能に設けた上部旋回体と、該上部旋回体の前部に設けた作業装置とを備え、前記上部旋回体の後端下部に、カウンタウエイト搭載部を突設した建設機械において、前記カウンタウエイト搭載部の前端と前記上部旋回体の後端との間に、カウンタウエイト搭載部に搭載するカウンタウエイトと上部旋回体の後端との接触を防止する接触防止壁を設け、
前記カウンタウエイト搭載部及び前記接触防止壁は、両者及び前記上部旋回体のフレーム後端部を貫通する長尺ボルトをナットで締結することによって固着されていることを特徴とする建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に関し、詳しくは、前部に作業装置を備えた上部旋回体の後部にカウンタウエイトを着脱可能に搭載するカウンタウエイト搭載部を備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンや杭打機などの大型の建設機械は、一般に、下部走行体と、該下部走行体の上部に旋回可能に設けた上部旋回体と、該上部旋回体の前部に設けた作業装置とを備えており、上部旋回体の後端下部には、カウンタウエイト搭載部が突設され、該カウンタウエイト搭載部にカウンタウエイトを着脱可能に搭載するようにしている。大型の建設機械を運搬する際には、下部走行体、上部旋回体、作業装置及びカウンタウエイトを分解して別々に運搬し、現場でこれらを組み立てて使用している。カウンタウエイト搭載部へのカウンタウエイトの着脱は、他のクレーンを使用したり、上部旋回体の後部に起伏可能に設けられているAフレーム(ガントリ)を利用したりして行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−143164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カウンタウエイト搭載部にカウンタウエイトを搭載する際に、クレーンなどの操作を誤ったりすると、カウンタウエイトが上部旋回体の後端部に衝突することがある。上部旋回体の後部にカウンタウエイトが衝突すると、上部旋回体の後部が破損するため、修理に時間や費用が掛かり、建設機械の稼働効率も低下するなど、大きな損失となる。
【0005】
そこで本発明は、クレーンなどの操作を誤ったとしても、カウンタウエイトが上部旋回体に衝突することを防止できる構造を備えた建設機械を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の建設機械は、下部走行体と、該下部走行体の上部に旋回可能に設けた上部旋回体と、該上部旋回体の前部に設けた作業装置と、
前記上部旋回体の幅方向中央に設けられたウインチ搭載部と、該ウインチ搭載部を挟んで左右に設けられたエンジン収納ハウス及び機器収納ハウスとを備え、前記上部旋回体の後端下部に、カウンタウエイト搭載部を突設した建設機械において、前記カウンタウエイト搭載部の前端と前記上部旋回体の後端との間に、カウンタウエイト搭載部に搭載するカウンタウエイトと上部旋回体の後端との接触を防止する接触防止壁を設け、
前記接触防止壁は、前記ウインチ搭載部の幅方向中央又は前記上部旋回体の幅方向両端部2箇所に設けられ、前記接触防止壁の後端側面が、前記エンジン収納ハウス及び前記機器収納ハウスの後端部よりも後方側に位置していることを特徴としている。
また、前記カウンタウエイト搭載部及び前記接触防止壁は、両者及び前記上部旋回体のフレーム後端部を貫通する長尺ボルトをナットで締結することによって固着されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の建設機械によれば、カウンタウエイトが上部旋回体に衝突することを接触防止壁によって防止でき、上部旋回体を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の建設機械の一形態例を示すベースマシンの側面図である。
【
図6】建設機械の一つであるアースドリルの一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図6は、本発明の建設機械の一つであるアースドリルを示している。このアースドリル11は、下部走行体12と、該下部走行体12の上部に旋回可能に設けた上部旋回体13とを備えたベースマシン14と、前記上部旋回体13の前部に起伏可能に設けられた作業装置であるブーム15とを備えるとともに、前記上部旋回体13の後端下部には、カウンタウエイト搭載部16が突設されており、該カウンタウエイト搭載部16には、作業中のベースマシン14のバランスをとるための複数のカウンタウエイト17が積み重ねられた状態で搭載されている。
【0010】
図1乃至
図5に示すように、上部旋回体13は、幅方向中央に設けられたウインチ搭載部18と、該ウインチ搭載部18を挟んで上部旋回体13の左側に設けられたエンジン収納ハウス19と、上部旋回体13の右側に設けられた機器収納ハウス20及び該機器収納ハウス20の最前部に設けられた運転室21とを備えている。
【0011】
前記ブーム15には、該ブーム15の先端部から垂下した主巻ワイヤ22にスイベルジョイント23を介してケリーバ24が回転可能かつ昇降可能に吊り下げられるとともに、ブーム15の下部から複数のアームやシリンダ25によってケリーバ24を回転駆動するためのケリーバ回転駆動装置26が支持されている。ケリーバ24の下端には、作業内容に応じて掘削バケットや拡底バケット27が装着される。
【0012】
カウンタウエイト17は、2枚の鋼製厚板を積層して周囲をカバー材17aで覆った偏平な直方体形状のものであって、上面の2箇所には吊り金具28がそれぞれ取り付けられている。さらに、図示は省略するが、各カウンタウエイト17には、上下に積み重ねたときの相互の位置決めを図る位置決め部材や、カウンタウエイト搭載部16に全てのカウンタウエイト17を搭載したときに全てのカウンタウエイト17をカウンタウエイト搭載部16にまとめて固定するための固定手段がそれぞれ設けられている。
【0013】
カウンタウエイト搭載部16は、平面視が前記カウンタウエイト17と同様の形状で、厚さが数倍の直方体形状を有する鋼製ブロックからなるものであって、接触防止壁29と一体化してカウンタウエイトの機能の一部を構成している。カウンタウエイト搭載部16及び接触防止壁29は、両者を貫通し、更に上部旋回体13のフレーム後端部13aを貫通した長尺のボルト30をナットで締結することによって上部旋回体13の後端に固着されている。
【0014】
接触防止壁29は、カウンタウエイト17と上部旋回体13の後端、すなわち、エンジン収納ハウス19や機器収納ハウス20の後端部との接触を防止するためのもので、カウンタウエイト17を着脱する際に、カウンタウエイト17が接触防止壁29に衝突しても大きく変形しない強度を有する鋼製ブロックにより形成されている。また、接触防止壁29の高さは、各ハウス19,20の後端上部にカウンタウエイト17が衝突しない程度に設定され、横幅は、両ハウス19,20の間に収まる程度に設定されている。
【0015】
さらに、接触防止壁29の上部には、所定のカウンタウエイト17、本形態例では2段目及び4段目のカウンタウエイト17にそれぞれ埋め込んだ状態の雌ネジ部材31に螺合するボルト32の挿通部が設けられており、カウンタウエイト搭載部16にカウンタウエイト17を搭載した状態で、接触防止壁29の挿通部に挿通したボルト32を雌ネジ部材31に螺合することにより、カウンタウエイト17を接触防止壁29に固定した状態にできるようにしている。
【0016】
このような接触防止壁29を設けることにより、カウンタウエイト搭載部16の上に、各カウンタウエイト17を一つずつクレーンなどで吊り上げて積み重ねていく際に、操作を誤ってカウンタウエイト17が前方に揺れても、接触防止壁29によって各ハウス19,20の後端部にカウンタウエイト17が衝突することを防止できる。
【0017】
したがって、カウンタウエイト17の衝突によって各ハウス19,20の後端部が損傷を受けることがなくなり、各ハウス19,20の外観を保持できるとともに、修理に要するコストの削減を図ることができる。
【0018】
なお、カウンタウエイト搭載部やカウンタウエイトの形状は任意であり、上部旋回体の後部形状や重量などの条件に応じて適宜な形状に形成することができる。さらに、本形態例では、建設機械としてアースドリルを例示したが、本発明は、クレーンや杭打機など、上部旋回体の後部にカウンタウエイトを着脱可能に搭載する各種建設機械に適用することができる。また、接触防止壁の形状や設置位置は、上部旋回体の後部形状に応じて適宜に設定することができ、例えば、上部旋回体の幅方向全体に接触防止壁を設けてもよく、上部旋回体の幅方向両端部の2箇所に接触防止壁をそれぞれ設けてもよい。さらに、接触防止壁の高さをカウンタウエイト搭載高さ以上にすることもできる。
【符号の説明】
【0019】
11…アースドリル、12…下部走行体、13…上部旋回体、13a…フレーム後端部、14…ベースマシン、15…ブーム、16…カウンタウエイト搭載部、17…カウンタウエイト、17a…カバー材、18…ウインチ搭載部、19…エンジン収納ハウス、20…機器収納ハウス、21…運転室、22…主巻ワイヤ、23…スイベルジョイント、24…ケリーバ、25…シリンダ、26…ケリーバ回転駆動装置、27…拡底バケット、28…吊り金具、29…接触防止壁、30…ボルト、31…雌ネジ部材、32…ボルト