(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2付与量決定手段は、前記基準単位金額よりも少ない金額の単位金額に対する単位量について、当該単位金額と前記基準単位金額との比を前記基準単位量に掛け合せたときに小数点以下の端数が生じない単位量であれば設定可能としている一方、端数が生じる単位量であれば設定不能としていることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技場システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、4円の玉や1円の玉、あるいは20円のメダルや10円のメダルなど単価が複数パターン設定されているような遊技場の場合、端数分の切上や切捨等の処理に起因して、同じ単価であるにも関わらず税率が単位金額毎に大きく変動してしまうという問題がある。このような問題は、上記のように消費税を徴収する場合だけでなく、遊技に使用する玉やメダル等の遊技価値を遊技者に貸し出す際に何らかの税金の徴収が必要な場合に不可避となる問題である。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技場で遊技する遊技者から税金を徴収する処理を適切に実施できる遊技場システムを提供することを目的とする発明である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技価値を使用して遊技が進行する遊技機が設置された遊技場に対応した遊技場システムにおいて、
金額の情報を記録した記録媒体、又は貨幣を受け付ける受付手段と、
遊技者が操作する遊技者操作手段と、
前記遊技者操作手段を遊技者が操作した場合に、前記受付手段が受け付けた金額の中から予め定められた単位金額を使用して、当該単位金額に対応した数である単位量の前記遊技価値を遊技者に付与する遊技価値付与手段と、
遊技場の管理者が操作する管理者操作手段と、
前記管理者操作手段の操作によって選択された単位金額を設定する単位金額設定手段と、
前記単位金額の一種である基準単位金額に対する単位量である基準単位量を、前記遊技価値の単価である遊技価値単価と当該遊技価値単価に対する間接税との合算である税込金額で前記基準単位金額を除算し、除算結果の余りを切上又は切捨を行った量となるように決定している第1付与量決定手段と、
前記基準単位金額よりも少ない金額の単位金額に対する前記単位量を、当該単位金額と前記基準単位金額との比を前記基準単位量に掛け合せた量となるように決定している第2付与量決定手段と、
前記単位金額設定手段により設定された単位金額に対応した単位量を、前記第1付与量決定手段及び前記第2付与量決定手段の決定結果に基づいて設定する単位量設定手段と、を備え
、
前記第1付与量決定手段は、前記基準単位量が予め定められた量以下となる前記単位金額のうち、前記基準単位量が最大となる前記単位金額を前記基準単位金額としていることを特徴と
する遊技場システムにある(請求項1)。
【0008】
本発明の遊技場システムは、基準単位金額を高めの金額に設定した上で、対応する遊技価値の付与数である単位量を決定する。そのため、税込金額により基準単位金額を割った(除算した)場合の端数分を切上又は切捨を行った場合であっても、その切上等が実質の税率に与える影響を小さくすることができる。つまり、切上を行えば実質的な間接税が一の遊技価値に課した間接税よりも安くなり、切捨を行えば実質的な間接税が高くなる一方、上記のように基準単位金額を高めの金額に設定しておけば、実質的な間接税の変動を抑制して影響を小さくできる。また、基準単位金額以下の単位金額における単位量は比例するため、同じ遊技価値単価であるにも関わらず単位金額によって実質の税率が変化することを抑制できる。
【0009】
以上のように構成された本発明の遊技場システムによれば、税金を徴収する処理を適切に行うことが可能となる。
【0010】
本発明の遊技機としては、遊技媒体である玉を使用(発射)して遊技されるパチンコ遊技機や、所定の入賞図柄が停止表示されたときに入賞を発生させるスロットマシン等がある。パチンコ遊技機としては、入賞に応じて玉を払い出すタイプであっても良く、遊技価値としてのポイントを使用して玉(遊技媒体)を発射し入賞に応じてポイントが付与される、いわゆる封入式のパチンコ遊技機であっても良い。スロットマシンとしては、メダルやコイン等の遊技媒体を使用して遊技されるタイプであっても良いが、遊技媒体としてのメダル等を使用せず遊技価値としてのポイントを使用して(賭けて)遊技でき、入賞したときにポイントが付与される、いわゆる完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。遊技媒体として玉を使用するパロット(R)であっても良い。
【0011】
間接税としては、例えば消費税等がある。例えば酒類に課される酒税やガソリン等に課される揮発油税に相当する間接税が遊技に課されるようになった場合であれば、その間接税であっても良い。
【0012】
本発明
の遊技場システムが備える第1付与量決定手段は、前記基準単位量が予め定められた量以下となる前記単位金額のうち、前記基準単位量が最大となる前記単位金額を前記基準単位金額としている
。
【0013】
上記のごとく、遊技者による操作手段の操作に応じて付与される遊技価値の数である単位量が予定された数以下である単位金額のうち、最大の単位金額を基準単位金額とする場合には、上述したような実質的に課される間接税が大きくずれてしまうことを回避しつつ、遊技者による一回の操作に応じた遊技価値の付与数である単位量が極端に大きくなることを抑制できる。
【0014】
本発明の好適な一態様の遊技場システムにおいては、前記遊技価値単価は、複数種類の中から遊技場の管理者が選択可能となっており、
前記第1付与量決定手段は、前記基準単位金額を前記遊技価値単価別に決定している(請求項
2)。
【0015】
この場合には、遊技価値単価別に基準単位金額が変動するため、切上又は切捨を行った際に実質的に間接税に与える影響が小さい基準単位金額を遊技価値単価別に選択できるようになる。このような構成を採用すれば、同じ遊技価値単価であるにも関わらず単位金額によって実質の税率が変化することを抑制できるという本発明の効果を一層顕著なものにできる。
【0016】
本発明における好適な一態様の遊技場システムが備える第2付与量決定手段は、前記基準単位金額よりも少ない金額の単位金額に対する単位量について、当該単位金額と前記基準単位金額との比を前記基準単位量に掛け合せたときに小数点以下の端数が生じない単位量であれば設定可能としている一方、端数が生じる単位量であれば設定不能としている(請求項
3)。
【0017】
このように、単位金額と基準単位金額からの比を基準単位量に掛け合せた際に端数が生じない単位量を設定可能とする場合であれば、単位金額を変更した場合に課した間接税の税率が変動することを抑制できる。
【0018】
本発明における
一態様の遊技場システムにおける前記第1付与量決定手段及び前記第2付与量決定手段は、前記遊技価値単価、前記単位金額、及び、前記単位量の対応関係を記録した記録テーブルであり、
前記単位金額設定手段及び前記単位量設定手段は、前記記録テーブルの中から前記管理者操作手段の操作によって選択された前記単位金額及び前記単位量を設定する
。
【0019】
この場合には、記憶テーブルの中から遊技場の管理者が単位金額、及び単位量を設定できるようになる。遊技価値単価、単位金額、及び、単位量の対応関係を記憶テーブルとして予め記憶していれば、単位金額や、遊技価値単価から単位量を都度計算して算出する必要がなくなり、効率良く単位量を決定できるようになる。
【0020】
本発明は、遊技価値を使用して遊技が進行する遊技機が設置された遊技場に対応した遊技場システムにおいて、
金額の情報を記録した記録媒体、又は貨幣を受け付ける受付手段と、
遊技者が操作する遊技者操作手段と、
前記遊技者操作手段を遊技者が操作した場合に、前記受付手段が受け付けた金額の中から予め定められた単位金額を使用して、当該単位金額に対応した数である単位量の前記遊技価値を遊技者に付与する遊技価値付与手段と、
遊技場の管理者が操作する管理者操作手段と、
前記管理者操作手段の操作によって選択された単位金額を設定する単位金額設定手段と、
前記単位金額の一種である基準単位金額に対する単位量である基準単位量を、前記遊技価値の単価である遊技価値単価と当該遊技価値単価に対する間接税との合算である税込金額で前記基準単位金額を除算し、除算結果の余りを切上げた量となるように決定している第1付与量決定手段と、
前記基準単位金額とは異なる金額の単位金額に対する単位量を、当該単位金額と前記基準単位金額との比を前記基準単位量に掛け合せた量となるように決定している第2付与量決定手段と、
前記単位金額設定手段により設定された単位金額に対応した単位量を、前記第1付与量決定手段及び前記第2付与量決定手段の決定結果に基づいて設定する単位量設定手段と、を備え、
前記第1付与量決定手段は、前記遊技価値単価が予め定められた特別単価以上であれば、予め定められた第1単位金額を基準単位金額とする一方、前記遊技価値単価が前記特別単価未満であれば、前記第1単位金額よりも小さい第2単位金額を基準単位金額とすることを特徴とする遊技場システムにある(請求項
4)。
【0021】
遊技価値単価が高い場合、単位金額が小さいと、間接税を課した場合と課さない場合とで単位量に差がなくなってしまうことがある。一方、上記の遊技場システムの場合であれば、遊技価値単価が高い場合には、単位金額を大きくすることで、間接税を課した場合と課さない場合とで単位量の差がなくなることを抑制できる。さらには、遊技価値単価が安い場合には、基準単位金額を安くするため、基準単位金額の公倍数となる単位金額を増加させることが可能となり、比で単位量を算出する場合に端数が出ることを抑制できる。これにより、この遊技場システムによれば、税金を徴収する貸出処理を適切に行うことが可能となる
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技機の一例をなすスロットマシン23が設置された遊技場を管理する遊技場システム1に関する例である。この遊技場には、スロットマシンの遊技に用いられる遊技価値の一例をなすメダル1枚当たりの金額であるメダル単価(遊技価値単価)が異なる複数種類のスロットマシン23が設置されている。この内容について、
図1〜
図7を参照して説明する。
【0024】
図1に例示する遊技場では、スロットマシン23を含む各種の遊技機が複数設置されている。各遊技機は、遊技場に設置された管理装置10によって管理されている。遊技場では、遊技機と管理装置10との間のデータ通信等を実現するための場内ネットワーク255が構築され、管理装置10による各遊技機の管理は、この場内ネットワーク255を利用して実現されている。
【0025】
場内ネットワーク255には、管理装置10のほか、2台の遊技機毎に設置された中継装置20、図示しない計数装置や精算装置等が接続されている。中継装置20には、スロットマシン23等の遊技機のほか、遊技機毎に個別に付設された遊技情報表示装置21及び貸出機22が通信可能な状態で接続されている。スロットマシン23等の遊技機は、中継装置20を介して場内ネットワーク255に接続されている。
【0026】
図1のスロットマシン23は、図柄変動の実行部位としてのリールを3つ備える遊技機である。このスロットマシン23の遊技では、図柄変動の停止に応じて入賞図柄が表示されると入賞が発生し、遊技媒体であると共に遊技価値でもあるメダルの払出等の特典を受けることができる。スロットマシン23は、規定数のメダルの投入に応じてゲームを開始可能な状態になる。この状態でスタートレバーが操作されたとき、図柄変動を開始してゲームをスタートさせる。
【0027】
図1の貸出機22は、遊技用のメダルを貸し出すための装置であり、各スロットマシン23に対応して個別に設置される。この貸出機22は、隣り合うスロットマシン23の隙間のスペースに配設可能なように縦長形状をなし、対応するスロットマシン23に対して向かって右側に配置されている。
【0028】
貸出機22の前面では、貸玉(メダル)代金となる紙幣を投入する紙幣挿入口222、図示しないICカード(遊技カード)を投入するカード挿入口223が上部に配設され、遊技用のメダルをスロットマシン23に供給する供給ノズル228が下部に設けられている。中間部には、貸出ボタン226及び返却ボタン225が配置されている。
【0029】
貸出ボタン226は、入金済みの現金(クレジット)を対価として遊技用のメダルを貸出させるための操作ボタン(遊技者操作手段)である。なお、千円札、1万円札等の貨幣が投入された場合には、貸出ボタン226の操作によらず単位量のメダルが貸し出され、残金がクレジットに加算される。返却ボタン225は、ICカードを発行等させるための操作ボタンである。クレジットが残っている状態で返却ボタン225を操作すれば、そのクレジットが記録されたICカード(図示略)が発行される。
【0030】
貸出機22は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)受付手段:カード挿入口223に挿入されたICカードに記録されたクレジット、紙幣挿入口222から投入された貨幣を受け付ける手段。
(2)遊技価値付与手段:遊技者操作手段をなす貸出ボタン226を遊技者が操作したとき、所定数のメダルを払い出して遊技者に付与(貸出)する手段。遊技価値付与手段は、受付手段が受け付けた金額の中から予め定められた単位金額を使用し、その単位金額に対応した単位量(メダルの付与枚数、付与数、単位数)分のメダルを払い出す。
【0031】
管理装置10は、遊技場内に設置される遊技機、貸出機22、計数装置(図示略)、精算装置(図示略)等の稼動状況を管理する装置である。管理装置10は、液晶ディスプレイや図示しないプリンタ等を含む出力部と、各種の演算処理を実行する装置本体と、キーボード及び図示しないマウスを含む入力部と、を備えている。
【0032】
液晶ディスプレイを含む出力部は、情報表示手段としての機能を備えている。情報表示手段としての液晶ディスプレイ等は、遊技場内の各遊技機に関する遊技情報を表示するデータ表示画面のほか、遊技場を管理するための各種の設定画面を表示する。設定画面としては、例えば、遊技価値の貸出の際のメダル単価や課税方法などを設定するための売種別設定画面(
図2)などがある。
【0033】
キーボードやマウス等を含む入力部は、遊技場の管理者が操作する管理者操作手段としての機能を実現している。例えば、液晶ディスプレイが表示する設定画面において、キーボードを利用して入力欄に文字や数字をタイプ入力したり、例えばプルダウンメニューによる表示リストのうちのいずれかをマウス操作により選択する等の操作が可能になっている。
【0034】
装置本体は、演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)を中心とした制御機能、ハードディスクドライブ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を利用する記憶機能、及び各種信号あるいは情報を送受信する通信機能等を有している。
【0035】
管理装置10は、ハードディスクから読み出したプログラムをCPUが実行することで、各種の機能を実現する。特に、本例の管理装置10は、メダルを貸し出す際の単位量の決定に関連して以下の各手段としての構成を備えている。
(3)単位量設定手段:遊技場の管理者等の操作によって選択されたメダル単価(遊技価値単価)等に応じた単位量を設定する手段。
(4)単位金額設定手段:管理者等の操作によって選択された単位金額を設定する手段。通常の貸出処理以外に単位金額を少なくした(例えば100円等)少額貸出を行うことも可能である。遊技場の管理者が少額貸出を許容する場合、通常の貸出(例えば1000円単位)を行うか少額貸出を行うかについて、貸出機22に対する遊技者の操作によって選択できるようにすると良い。
(5)第1付与量決定手段:メダル単価の一種である基準メダル単価(基準遊技価値単価)に対応する単位量である基準単位量を決定する手段。この第1付与量決定手段は、メダル単価に対する間接税である消費税をメダル単価に加算した税込金額により単位金額を除算し、除算結果の余りを切上又は切捨して基準単位量を決定する。なお、設定可能な単位金額は、複数種類設定されており、第1付与量決定手段は、予め定められた単位金額である基準単位金額に対する基準単位量を決定する。
(6)第2付与量決定手段:基準メダル単価とは異なるメダル単価に対する単位量を決定する手段。この第2付与量決定手段は、メダル単価と基準メダル単価との比を、基準単位量に掛け合せて単位量を決定する。さらに、基準単位金額と他の単位金額との比を、基準単位金額に対する単位量に掛け合せることにより、基準単位金額とは異なる他の単位金額に対する単位量を決定することも可能である。
(7)テーブル記憶手段:第1及び第2付与量決定手段をなす記憶テーブルを記憶する手段。この記憶テーブルは、メダル単価(基準メダル単価を含む)、単位金額、及び単位量(基準単位量を含む)の対応関係が規定されたテーブルである。
【0036】
次に、以上のような構成の遊技場システム1におけるメダルの貸出処理(付与処理)の運用について説明する。まず、メダル等の遊技価値の貸出処理の運用としては、消費税などの間接税の取り扱いの違いにより、大きく分類して、(1)標準、(2)プリペイド減算方式、(3)玉/メダル減算方式がある。
【0037】
(1)標準は、消費税などの間接税を徴収しない(又は間接税により端数が生じない場合の)方式であり、消費税を考慮しない貸出方式に対応している。
(2)プリペイド減算方式は、例えば消費税などの間接税による課税分をプリペイドカード等の残高から徴収する方式である。この方式であれば、玉あるいはメダルの単位量すなわち単位金額当たりの付与数(単位量)が課税の有無や税率(課税率)等によって変動することがない。この場合、例えば、税率として8%や10%等を設定できるように構成しておくと良い。例えば、一般カードなど現金チャージ可能なプリペイドカードの残高が1000円のとき、貸出金額500円、単位量20枚設定で8%課税の場合であれば、1回の貸出処理によってプリペイドカードから540円が徴収された上で、貸出機22から20枚のメダルが払い出されて付与される。
【0038】
(3)玉/メダル減算方式は、消費税などの間接税の課税分を貸玉あるいはメダルから徴収する方式である。この方式では、課税の有無や税率によって1回の貸出処理に要する金額が変動しない代わりに、玉あるいはメダルの付与数が変動する。この方式の場合についても、プリペイド減算方式と同様、税率として8%や10%等を設定できる。
【0039】
本例の遊技場システム1においては、遊技場の管理者による選択的な設定操作によって、各貸出機22による貸出処理の内容を遊技機毎に設定可能である。具体的には、管理装置10が記憶している記憶テーブル(
図3〜
図7)の中から選択することにより、各貸出機22による貸出処理の内容が設定される。記憶テーブルの選択は、管理装置10の液晶ディスプレイの表示画面に表示された
図2の売種別設定画面上の操作で実施可能である。さらに、この売種別設定画面では、単位金額やメダル単価などの設定が可能である。このように選択的に設定された貸出処理の設定情報は、対応する貸出機22に向けて個別に出力される。
【0040】
図2の売種別設定画面の各項目は、以下の通りである。各項目のうち、「玉(メダル)貸金額」、「玉(メダル)貸単位」、「貸玉払出方式設定」、「表示金額−有無」の項目など逆三角のプルダウンスイッチが付された項目や、「表示金額−有無」の項目などチェックボックスが表示された項目などは、遊技場の管理者等の操作により選択的に設定可能な設定項目となっており、それ以外の項目は表示項目となっている。
【0041】
・「玉(メダル)貸金額」の項目:1回の貸出処理により消費される金額である単位金額。プルダウンスイッチをマウス等を利用して選択すると、選択可能な単位金額がリスト表示され、いずれかを選択操作することでその単位金額を設定できる。
・「玉(メダル)貸単位」の項目:1回の貸出処理による税抜き(課税前)の単位量(付与数、貸出数、払出数)。プルダウンスイッチをマウス等を利用して選択すると、選択可能な単位量がリスト表示され、いずれかを選択操作することでその単位量を設定できる。なお、選択可能な単位量は、単位金額やメダル単価など他の設定に応じて変動し、本例では、
図3〜
図7を参照して後述する記憶テーブルにおいて選択可能な単位量が予め定められている。
・「貸玉払出方式設定−貸玉払出方式」の項目:貸出機22による貸玉払出方法を選択する項目。例えばパチンコ遊技機向けの玉であれば、標準、プリペイド減算方式、玉減算方式(基準単位金額100円固定)、玉減算方式(基準単位金額変動)、及び玉減算方式(基準単位金額固定(一物一価))のうちの何れかを選択可能である。スロットマシン向けのメダルであれば、標準、プリペイド減算方式、メダル減算方式(基準単位金額変動)、メダル減算方式(基準単位金額固定500円→100円)、メダル減算方式(基準単位金額固定1000円→100円)、メダル減算方式(基準単位金額固定(一物一価))のうちのいずれかを選択可能である。なお、スロットマシン向けの各方式の内容については、図を参照して後述する。パチンコ遊技機向けの各方式は、スロットマシン向けの各方式についてメダルを玉に置き換えたものであり、図を参照した説明は省略する。
・「貸玉払出方式設定−課税率」の項目:税率を選択する項目。例えば消費税の税率として5%、8%、10%等の税率のうちのいずれかを選択可能である。
・「課税後−貸金額」の項目:貸玉払出方式、税率の設定に基づいた貸金額を表示する項目。
・「課税後−貸単位」の項目:貸玉払出方式、税率の設定に基づいた単位量を表示する項目。
・「表示金額−売単価」の項目:貸出機22に表示される玉単価あるいはメダル単価を表示する項目。
・「表示金額−有無」の項目:玉単価あるいはメダル単価の表示有無を設定する項目。なお、本例では、貸玉払出方式が標準以外の場合、この設定が「無」に固定されるようになっている。
【0042】
次に、スロットマシン向けのメダルの貸出処理について管理装置10が記憶しており、上記の売種別設定画面(
図2)上の操作により選択される記憶テーブルを例示して説明する。
【0043】
図3は、前記「貸玉払出方式設定−貸玉払出方式」の設定項目において「標準」が選択された場合の課税なしの記憶テーブルである。この記憶テーブルでは、20円〜0.5円までのメダル単価が縦方向に設定され、100円〜1000円までの単位金額が横方向に設定されている。例えば、メダル単価20円のとき、単位金額が500円であれば、25枚のメダルが貸し出される。
【0044】
なお、
図3〜
図7の各記憶テーブルの間でメダル単価及び単位金額の値自体は異なる場合があるものの、全ての記憶テーブルについて縦方向に「メダル単価」が設定され横方向に「単位金額」が設定されているというテーブルの態様は共通となっている。記憶テーブルは、メダル単価、単位金額、単位量の対応関係が規定されたテーブルとなっている。
【0045】
図3の記憶テーブルでは、規定された単位量のうち、50枚以上250枚未満の単位量が選択可能になっている。そして、単位金額1000円を基準として、単位金額の比で算出した単位量に小数点以下の端数が生じないものが選択できるようになっている。例えば、単価8円の場合、単位金額1000円で単位量125枚となるが、単位金額500円のときに単位量62.5枚と端数が生じ、切上げて63枚とすると比とずれが発生するため、単価8円、単位金額500円は選択できないようになっている。この記憶テーブルでは、選択できない単位量がハッチングにより区別して表示されている。上述した
図2の売種別設定画面の「玉(メダル)貸単位」の項目に付された逆三角のプルダウンスイッチをマウス操作等したとき、選択可能な単位量がリスト表示され、選択不可能な単位量は表示されないようになっている。
【0046】
図4は、前記「貸玉払出方式設定−貸玉払出方式」及び「貸玉払出方式設定−課税率」の設定項目において、「プリペイド減算方式」、「8%」が選択された場合の記憶テーブルである。この記憶テーブルは、メダル単価×単位量×消費税の計算式により単位金額を求めたテーブルである。例えば、メダル単価が20円、単位量が20枚で、消費税が8%であるときには、単位金額が432円になっている。この記憶テーブルでは、単位金額、単価による税率の変動が抑制されている。ただし、チャージ金額の残金に端数が生じるため、チャージ金額を精算するための図示しない精算機を少額まで対応できるように構成する必要がある。
【0047】
図4の記憶テーブルでは、規定された単位量のうち、規定された単位量のうち、50枚以上250枚未満の単位量が選択可能になっている。そして、単位金額1000円を基準として、単位金額の比で単位量に端数が生じないものが選択できるようになっている。一方、例えば、単価8円の場合、単位金額1000円で単位量125枚となるが、単位金額500円のときに単位量62.5枚と端数が生じ、切上げて63枚とすると比とずれが発生するため、単価8円、単位金額500円は選択できないようになっている。この記憶テーブルでは、
図3の記憶テーブルと同様、選択できない単位量がハッチングにより区別して表示されている。ハッチングの単位量は、売種別設定画面(
図2)の「玉(メダル)貸単位」の項目に付された逆三角のプルダウンスイッチをマウス操作等したときに非表示となり選択できないようになっている。
【0048】
図5は、前記「貸玉払出方式設定−貸玉払出方式」及び「貸玉払出方式設定−課税率」の設定項目において、「メダル減算方式(基準単位金額変動)」、「8%」が選択された場合の記憶テーブルである。この記憶テーブルでは、単位量が200枚を超えない範囲で最大の単位金額が基準単位金額となる。例えば単価4円の場合、単位金額1000円のときの単位量が233枚と閾値200枚を超えることから、単位量が186枚となる単位金額800円が基準単位金額となり、その単位量186枚が基準単位量となっている。同図の記憶テーブルでは、基準単位量を太字により示している。
【0049】
基準単位金額とは異なる他の単位金額に対応する単位量は、基準単位金額に対する他の単位金額の比(基準比、割合)を基準単位量に掛け合せた値(量)となっている。
図5の記憶テーブルでは、このように算出された単位量のうち、端数が出ない単位量が選択可能になっている。この記憶テーブルでは、選択できない単位量がハッチングにより区別して表示されている。ハッチングの単位量は、売種別設定画面(
図2)において非表示となり選択できないようになっている。なお、
図5の記憶テーブルでは、端数が生じた単位量については、その端数を切り上げてある。例えば、メダル単価8円・基準単位金額1000円に対する単位量116枚に基づき、メダル単価8円・単位金額500円に対する単位量を比で求めると、500円/1000円×116枚=58.0枚となる。小数点以下の端数が生じないことから、
図5の記憶テーブルではそのまま58枚と規定されている。一方、メダル単価8円・単位金額600円の場合について同様に単位量を求めると、600円/1000円×116枚=69.6枚となり、小数点以下の端数が生じる。同図の記憶テーブルでは、この69.6枚の端数を切り上げた70枚を単位量として示す一方、この単位量をは選択できないように設定し、ハッチングによりその旨を表示している。
【0050】
図5の記憶テーブルを利用した場合には、税率が設定した値に近づき易くなるというメリットが生じる。但し、上記の単位金額の比を利用して単位量を算出しようとすると、端数が生じやすくなり、それ故、選択可能な単位金額と単位量との組み合わせが少なくなってしまうというデメリットもある。
【0051】
図6は、前記「貸玉払出方式設定−貸玉払出方式」及び「貸玉払出方式設定−課税率」の設定項目において、「メダル減算方式(基準単位金額固定500円→100円)」、「8%」が選択された場合の記憶テーブルである。基準の単位金額/(メダル単価+消費税額)の計算値の端数分を切上げた値を基準単位量としてテーブルに記憶している。同図の記憶テーブルでは、基準単位量を太字により示している。
【0052】
図6の記憶テーブルでは、メダル単価7.69円が特別単価として予め定められ、メダル単価が特別単価以上であるか否かによって基準単位金額が異なっている。
ここで、例えば、メダル単価20円・単位金額100円の場合について、消費税の課税によって生じる端数の切上を行うケースを想定してみる。税率0%の場合に100円/20円=5枚(単位量)となる一方、税率24.9%の場合についても、100円/(20円×1.249)=4.003枚の端数を切上げて5枚(単位量)となり、税率0%〜24.9%に渡って単位量が同じ(5枚)になってしまう。一方、メダル単価5円・単位金額100円のケースでは、税率0%の場合に100円/5円=20枚(単位量)となるが、税率6%の場合には100円/(5円×1.06)=18.868枚の端数を切上げて19枚となり、税率6%の時点で単位量の差が現れて来る。このように単位量を切上げて決定する場合、メダル単価が高くなるほど、単位量が同じ値になってしまう税率の範囲が広くなり、消費税の変動の影響が隠れてしまうという傾向がある。
また、例えば、メダル単価20円のまま、単位金額を500円に増額したケースについて、単位量の端数の切上による影響を考えてみる。税率0%の場合には500円/20円=25枚(単位量)となる一方、税率6%の場合については、500円/(20円×1.06)=23.585枚の端数を切上げて24枚(単位量)となり、税率6%の時点で単位量に差が現れている。つまり、メダル単価が同じであれば、単位金額を高くすることで消費税の影響を現れ易くできる。
【0053】
このようにメダル単価が特別単価未満と少額である場合、単位金額が少額であっても消費税による単位量の差が生じやすくなることから、
図6の記憶テーブルでは、設定可能な最小金額である100円(第2単位金額)を基準単位金額に設定している。
メダル単価が特別単価以上と高い場合、単位量の端数の切上に起因し、上記のように消費税の影響が単位量の差として現れ難くなる。一方、上記のように、メダル単価が同じであっても単位金額を増額すれば、消費税の影響が単位量の差として現れ易くなる。そこで、
図6の記憶テーブルでは、メダル単価が特別単価以上の場合には、100円に代えて500円(第1単位金額)を基準単位金額として設定している。なお、上記の特別単価については、税率等を考慮して適宜変更すると良い。
【0054】
基準単位金額以外の他の単位金額に対応する単位量は、基準単位金額に対する他の単位金額の比(基準比、割合)を基準単位量に掛け合せた値となっている。例えば、メダル単価20円、単位金額1000円の場合の単位量は、(1000円/(基準単位金額である500円))×(基準単位量である24枚)=48枚となっている。また、例えば単位金額900円など、上記の単位金額の比に基づく計算値に端数が生じる単位量については、選択不可となっている。
図6の記憶テーブルでは、選択できない単位量がハッチングにより区別して表示されている。
【0055】
図7は、前記「貸玉払出方式設定−貸玉払出方式」及び「貸玉払出方式設定−課税率」の設定項目において、「メダル減算方式(基準単位金額固定(一物一価))」、「8%」が選択された場合の記憶テーブルである。この記憶テーブルでは、基準として500円が基準単位金額として設定されている。
【0056】
基準単位金額における他のメダル単価の単位量は、基準メダル単価20円に対するそのメダル単価の比(基準比、割合)を、メダル単価20円のときの基準単位量に掛け合せた上、端数を切上げた値となっている。
図7の記憶テーブルでは、このような基準単位量の値が太字により示されている。例えば、単価16.67円であれば、(メダル単価20円のときの単位量24枚)/16.67×20=28.79・・・となり切上げて29枚としている。また、基準単位金額以外の他の単位金額に対応する単位量としては、基準単位金額に対するその単位金額の比(基準比、割合)を基準単位量に掛け合せた値として求められ、端数が出ない単位量のみ選択可能となっている。ただし、単位金額1000円に対する単位量については、端数が出ないものではなく、単位金額500円、メダル単価20円を基準から算出し、さらに、単位金額500円に対する単位量と整数比になる単位量を選択可能としている。例えば、単位金額1000円、メダル単価12.5円の場合、24(個)/11.11(円)×20(円)/500(円)×1000(円)を実行し、端数を切上げると77枚となり、500円で39枚の倍とならないことから、その単位量77枚が選択できないようになっている。
図7の記憶テーブルでは、選択できない単位量がハッチングにより示されている。
【0057】
図7の記憶テーブルの適用時には、同図中右端の「税率」欄の通り、4.17%や3.45%など税率が同じになるメダル単価の組み合わせが発生する。そのため、遊技場において複数のメダル単価を設定する際に、税率が一律になるメダル単価を選択し易い。同図の記憶テーブルにおいて例示しているパターンでは、例えば税率4.17%あるいは3.45%に統一してメダル単価の設定を行うことが可能である。
【0058】
本例の遊技場システム1では、遊技場の管理者が設定した貸玉払出方式等に応じて記憶テーブルが選択的に設定される。メダル単価と単位金額との組合せ毎に単位量が規定された記憶テーブルでは、選択できない組合せに対応する単位量がハッチング表示されている。記憶テーブルの中からハッチングされていない単位量を選択することにより、対応するメダル単価と単位金額との組合せによる貸出処理を選択的に設定できる。
【0059】
以上のように構成された遊技場システム1では、メダル単価の比(基準メダル単価と他のメダル単価との比)により、基準メダル以外の他のメダル単価に対する単位量を決定することも可能である。このような構成の場合、基準メダル単価と他のメダル単価との比が整数比となっていれば、消費税などの間接税の税率を同一の値とすることができる。これにより、一の遊技場において、メダル単価が複数種類設定されている場合に、消費税等の税率がメダル単価毎に変動してしまう状況を回避できる。
【0060】
この遊技場システム1が備える第1付与量決定手段及び第2付与量決定手段は、メダル単価、単位金額、及び単位量の対応関係を記憶した記憶テーブルをなしている。遊技場の管理者は、記憶テーブルの中から単位金額、及び単位量を設定できる。メダル単価、単位金額、及び単位量の対応関係を記憶テーブルとして予め記憶していれば、単位金額や、メダル単価から単位量を都度計算して算出する必要がなくなり、効率良く単位量を決定できるようになる。なお、本例に代えて記憶テーブルを採用せず、単位量をその都度計算して算出する構成を採用することも良い。
【0061】
さらに遊技場システム1では、設定可能な単位金額の種類が複数設けられ、予め定められた単位金額である基準単位金額に対する基準単位量が決定される。そして、基準単位金額とは異なる他の単位金額に対する単位量は、基準単位金額と他の単位金額との比を基準単位金額に対する単位量に掛け合せた量となるように決定される。このように基準単位金額以外の他の単位金額に対する単位量を、基準単位金額と他の単位金額との比で決定する場合であれば、メダル単価が同じときに間接税の税率を同一とすることが可能となる。
【0062】
遊技場システム1では、基準単位金額とは異なる他の単位金額に対する単位量を決定するに当たって、他の単位金額を基準単位金額よりも低額とし、単位金額と基準単位金額との比を基準単位量に掛け合せた値となるように決定する場合が設定されている。そして、このように決定された単位量に基づき、遊技場の管理者等により設定された単位金額に対応する単位量を決定している。
【0063】
本例の遊技場システム1では、基準単位金額を高めの金額に設定した上で、対応するメダルの単位量を決定する場合が設定されている。このような構成を採用する場合、税込金額により基準単位金額を割った(除算した)場合の端数分を切上又は切捨を行った場合であっても、その切上等が実質の税率に与える影響を小さくすることが可能になる。つまり、切上を行えば実質的な間接税が一のメダルに課した間接税よりも安くなり、切捨を行えば実質的な間接税が高くなる一方、上記のように基準単位金額を高めの金額に設定しておけば、実質的な間接税の変動を抑制して影響を小さくできる。また、基準単位金額以下の単位金額における単位量は比例するため、同じ遊技価値単価であるにも関わらず単位金額によって実質の税率が変化することを抑制できる。
【0064】
さらに、遊技場システム1では、基準単位量が予め定められた数以下となる単位金額のうち、基準単位量が最大となる単位金額を基準単位金額とする場合が設定されている(
図5参照。)。上記のごとく、遊技者による操作に応じて付与されるメダルの単位量が予定された数以下である単位金額のうち、最大の単位金額を基準単位金額とする場合には、上述したような実質的に課される間接税が大きくずれてしまうことを回避しつつ、遊技者による一回の操作に応じたメダルの単位量が極端に大きくなることを抑制できる。
【0065】
この遊技場システム1では、複数種類のメダル単価の中から遊技場の管理者がいずれかを選択可能となっており、基準単位金額がメダル単価毎に決定される。このような構成の場合、メダル単価毎に基準単位金額が変動するため、切上又は切捨を行った際に実質的に間接税に与える影響が小さい基準単位金額をメダル単価毎に選択できるようになる。この場合、同じメダル単価であるにも関わらず単位金額によって実質的な税率が変化することを抑制できるようになる。
【0066】
遊技場システム1では、基準単位金額よりも低額の単位金額に対する単位量について、単位金額と基準単位金額との比を基準単位量に掛け合せたときに小数点以下の端数が生じない単位量であれば設定可能である一方、端数が生じる単位量であれば設定不能となっている(
図5参照)。この場合には、単位金額と基準単位金額からの比を基準単位量に掛け合せた際に端数が生じない単位金額を設定可能としているため、単位金額を変更した場合に課した間接税の税率が変動することを抑制できる。
【0067】
遊技場システム1では、メダル単価、単位金額、及び単位量の対応関係を記録した記憶テーブルを参照して単位量が決定される。遊技場の管理者等は、この記憶テーブルの中から単位金額及び単位量を設定可能である。上記のごとくメダル単価、単位金額、及び単位量の対応関係を記憶テーブルとして予め記憶していれば、単位金額や、メダル単価から単位量を都度計算して算出する必要がなくなり、効率良く単位量を決定できるようになる。
【0068】
遊技場システム1では、メダル単価が予め定められた特別単価以上であれば、予め定められた第1単位金額を基準単位金額とする一方、メダル単価が特別単価未満であれば、第1単位金額よりも低額の第2単位金額を基準単位金額とする場合が設定されている。メダル単価が高い場合、単位金額が小さいと、間接税を課した場合と課さない場合とで単位量に差がなくなってしまうことがある。遊技場システム1においては、メダル単価が高い場合には、単位金額を大きくすることで、間接税を課した場合と課さない場合とで単位量の差がなくなることを抑制している。さらには、メダル単価が安い場合には、基準単位金額を安くするため、基準単位金額の公倍数となる単位金額を増加させることが可能となり、比で単位量を算出する場合に端数が出ることを抑制できるようになっている。
【0069】
以上の通り、遊技場システム1は、税金を徴収する処理を良好に行うことが可能な優れた特性のシステムである。
【0070】
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、遊技機としてスロットマシンを例示している。例示した遊技機以外の遊技機に本願発明を適用しても良く、例えば、パチンコ遊技機であれば、玉が封入されており、遊技者が玉にさわることができず、クレジットや得点を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機や、クレジットや得点を消費してリールが回転する等ゲームが進行する完全クレジット式のスロットマシンに対して本願発明を適用しても良い。
【0071】
なお、パチンコ遊技機向けに上記した標準、プリペイド減算方式、玉減算方式(基準単位金額100円固定)、玉減算方式(基準単位金額変動)、及び玉減算方式(基準単位金額固定(一物一価))の各方式は、スロットマシン向けに上記した各方式について、メダルに代えて玉を適用したものである(例えば、メダル減算方式(基準単位金額固定500円→100円)であれば基準単位金額を100円にして玉に適用している)。
【0072】
本例では、遊技場の管理者が記憶テーブルから単位金額や単位量等を選択する構成を例示したが、単位金額、メダル単価等が入力されたとき、その都度、計算を行い計算結果を管理者に対して提示する構成を採用することも良い。
単位金額を税込のメダル単価等で割って単位量を算出している場合、端数分について切上げた値が単位量となっているが、切捨てた値を単位量とした構成としても良い。また、四捨五入を行う等、端数によって切上げた場合と切捨てた場合とが発生するようにしても良い。
【0073】
例えば
図7の「基準単位金額固定(一物一価)」の設定では、基準単位金額として500円の単位金額を設定している。基準単位金額としては、1000円や2000円や200円等、他の単位金額を設定することも良い。他の貸玉払出方式についても、同様に、基準単位金額は任意に変更できる。貸玉払出方式の種類によらず、例えば2000円や200円等の単位金額を基準に設定できる。
【0074】
本例では、
図7の「基準単位金額固定(一物一価)」の設定下で参照される記憶テーブルにおいて、基準単位金額に対応する単位量をメダル単価の比で決定する際、端数分を切上げる構成を採用している。切上げる構成に代えて切捨てる構成としても良いし、端数が生じた単位量については選択できないように設定することも良い。単位量に端数が生じる場合に選択できないようにすれば、選択可能な単位量、単位金額、単価の組み合わせが全て同一の税率となる。
【0075】
本例では、記録媒体としてプリペイドカードを使用する構成としたが、記録媒体を変更しても良く、例えば、ICコインや携帯電話やレシート等を採用することも可能である。この場合、記録媒体の記録データを読取可能な受付手段を貸出装置に設けると良い。さらには、記録媒体及び現金のいずれか一方を受付できないように貸出機22を構成する一方、記録媒体及び現金の他方のみに基づいて貸出処理を行うようにしても良い。現金を受付できないようにする場合、現金情報を記録した記録媒体を遊技者に発行(販売)する記録媒体発行機を遊技場内に設けておくと良い。
本例において管理装置10に設けた機能を貸出機22やその他の装置に設ける構成を採用しても良いし、貸出機22に設けた機能の一部を管理装置10やその他の装置に設けても良い。
【0076】
本例では、例えば
図5を用いて説明したように、基準単位金額に対する他の単位金額の比を基準単位量に掛け合わせた際に小数点以下の端数が生じる場合には選択できないようにしたが、基準単位金額に対する他の単位金額の比を基準単位量に掛け合わせた際に小数点以下の端数が生じても切上又は切捨を行い選択可能としても良い。
【0077】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。