(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の軌道短絡装置では、軌道上に車両等が在線しているか否かを回転表示灯や表示器により確認できるものの、本装置自身では、レール短絡部材の断線やその両側のクランプ部のレール短絡部材側の不良や、短絡装置本体自身の故障や電源電圧低下等の短絡装置本体側の不良、さらにはレール短絡部材や短絡装置本体が正しくレールに接続されているか否か等を検出することができない、という問題があった。
【0005】
そのため、軌道短絡装置を構成する短絡装置本体やレール短絡部材の正常や不良、電源電圧低下等等を検査する場合には、別途、各種のテスタ等の複数の試験装置を用意する必要があり、その検査作業に手間や時間がかかっていた。
【0006】
そこで、本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みなされたもので、別の試験装置を使用することなく、この軌道短絡装置自身で短絡装置本体やレール短絡部材の正常や不良等の状態を確実に検出することができる軌道短絡装置、及びその装置の不良検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る軌道短絡装置は、両端にそれぞれレールをクランプするクランプ部が設けられ、左右のレール間を短絡するレール短絡部材と、両端にそれぞれレールをクランプするクランプ部が設けられ、左右のレール上に列車が在線しているか否かを判定する短絡装置本体を備えた軌道短絡装置であって、前記短絡装置本体は、電流を供給する電源部と、本装置の状態を作業者に知らせる報知部と、前記短絡装置本体と前記レール短絡部材に流れる電流の有無を検知して、その検知に基づき前記短絡装置本体および前記レール短絡部材が正常であるか不良であるかを判定し、その判定結果を前記報知部により作業者に対し知らせる状態判定部とを有することを特徴とする。
ここで、前記軌道短絡装置において、
さらに、前記電源部と前記状態判定部と前記短絡装置本体のいずれか一方の前記クランプ部までを接続して電流を供給する電流供給線と、前記短絡装置本体の他方の前記クランプ部とブリッ
ジダイオードを介して接続された第1スイッチング回路および第2スイッチング回路と、その第1スイッチング回路および第2スイッチング回路の動作を制御するスイッチング制御回路とを有する短絡部材状態検知部と、前記状態判定部とその一方の前記クランプ部との間の前記電流供給線に第3スイッチング回路を有する装置本体状態検知部とを設け、前記状態判定部は、前記スイッチング制御回路により前記第1スイッチング回路および第2スイッチング回路をオン状態に設定して、前記電源部からの電流を、前記電流供給線を介して前記装置本体状態検知部の前記第3スイッチング回路、一方の前記クランプ部、前記ブリッジダイオード、前記
第1スイッチング回路と前記
第2スイッチング回路へ供給し、前記第1スイッチング回路と第2スイッチング回路の双方に電流が流れていることを検知した場合には、前記短絡装置本体内における電流供給経路が正常であることを前記報知部により作業者に知らせる一方、前記第1スイッチング回路と第2スイッチング回路の少なくともいずれか一方に電流が流れていないことを検知した場合には、前記短絡装置本体内における電流供給経路に不良があることを前記報知部により作業者に知らせるようにすると良い。
また、前記軌道短絡装置において、前記第1スイッチング回路および第2スイッチング回路は、それぞれ、フォトダイオードである一方、前記第3スイッチング回路は、前記電流供給線に出力側の抵抗が接続される一方、入力側の発光ダイオードが前記状態判定部に接続されたフォト
CDSであるとさらに良い。
また、前記軌道短絡装置において、前記レール短絡部材両端それぞれのクランプ部により左右のレール間を接続すると共に、前記短絡装置本体から延びる2つのクランプ部により左右のレール間を接続した後、前記状態判定部は、前記電源部をオフのまま電流を供給せず、前記第2スイッチング回路をオフ状態に設定する一方、前記第1スイッチング回路をオン状態に設定して、左右のレール上を流れている軌道電流が前記第1スイッチング回路を介して流れたことを検知した場合には、前記報知部により前記レール短絡部材が不良または前記レール短絡部材と前記短絡装置本体とが正しくレールに接続されていないことを作業者に知らせるとさらに良い。
また、前記軌道短絡装置において、前記状態判定部は、前記電源部をオフのまま電流を供給せず、前記第2スイッチング回路をオフ状態に設定する一方、前記第1スイッチング回路をオン状態に設定して、左右のレール上を流れている軌道電流が前記第1スイッチング回路を介して流れることを検知できない場合には、前記第1スイッチング回路をオフ状態に設定して、前記第2スイッチング回路をオン状態に設定すると共に、前記電源部から電流を前記短絡装置本体側の前記クランプ部から左右のレールに供給し、前記電源部からの電流が前記第2スイッチング回路を介して流れたことを検知した場合には、前記報知部により前記レール短絡部材が正常であることを作業者に知らせる一方、前記電源部からの電流が前記第2スイッチング回路を介して流れることを検知できない場合には、前記報知部により前記レール短絡部材が不良または前記レール短絡部材と前記短絡装置本体とが正しくレールに接続されていないことを作業者に知らせるとさらに良い。
また、前記軌道短絡装置において、前記状態判定部は、さらに、前記電源部の電圧を測定し、所定の閾値電圧より小さくなった場合には、前記報知部により前記電源部の電圧が所定の閾値電圧よりも低下したことを作業者に知らせるとさらに良い。
また、前記軌道短絡装置において、前記電源部は、供給する電流の電圧よりも低電圧な直流電源と、その直流電源の電圧を、供給する電流の電圧に昇圧する昇圧回路とを有するとさらに良い。
また、前記軌道短絡装置において、前記報知部は、緑色LEDと、黄色LEDと、赤色LEDとを有するLED点灯回路であり、前記状態判定部は、電源スイッチのオンにより前記電源部から電流を供給させ、前記短絡装置本体内における電流供給経路が正常であると判定した場合には、前記黄色LEDを点灯させ、前記短絡装置本体内における電流供給経路が正常であるが、前記電源部の電圧が所定の閾値電圧よりも低下したと判定した場合には、前記黄色LEDを点滅させ、前記短絡装置本体内における電流供給経路が異常であると判定した場合には、前記赤色LEDを点灯させる一方、前記レール短絡部材両端それぞれのクランプ部により左右のレール間を接続すると共に、前記短絡装置本体から延びる2つのクランプ部により左右のレール間を接続した後、前記電源部からの電流をレールに供給せず、前記第2スイッチング回路をオフ状態に設定する一方、前記第1スイッチング回路をオン状態に設定して、左右のレール上を流れている軌道電流が前記第1スイッチング回路を介して流れたことを検知した場合には、前記赤色LEDを点灯させ、その後、前記電源部からの電流を前記短絡装置本体側の前記クランプ部から左右のレールに供給して、前記電源部からの電流が前記第2スイッチング回路を介して流れたことを検知した場合には、前記緑色LEDを点灯させる一方、前記電源部からの電流が前記第2スイッチング回路を介して流れたことを検知できない場合には、前記赤色LEDを点灯させるとさらに良い。
また、本発明に係る軌道短絡装置の不良検査方法は、上述のいずれか一の軌道短絡装置の不良検査方法であって、前記レール短絡部材および前記短絡装置本体をレール間に接続しない状態で、電源スイッチのオンにより前記電源部から電流を供給して、前記電源部から電流が前記短絡装置本体内に流れたことを検知した場合には、前記報知部により前記短絡装置本体が正常であることを作業者に知らせる一方、前記電源部から電流が前記短絡装置本体内に流れたことを検知しているが、前記電源部の電圧が所定の閾値電圧よりも低下したことを検知した場合には、前記短絡装置本体が正常であるが、前記電源部の電圧低下を前記報知部により作業者に知らせ、前記レール短絡部材両端それぞれのクランプ部により左右のレール間を接続すると共に、前記短絡装置本体から延びる2つのクランプ部により左右のレール間を接続した後、前記電源部からの電流をレールに供給せず、左右のレール上を流れている軌道電流が前記短絡装置本体に流れたことを検知した場合には、前記報知部により前記レール短絡部材が不良またはレール間に接続されていないことを作業者に知らせ、その後、前記電源部からの電流を前記短絡装置本体側から一方のレールに供給して、前記電源部からの電流が前記レール短絡部材と他方のレールを介して前記短絡装置本体に流れたことを検知した場合には、前記報知部により前記レール短絡部材が正常であることを作業者に知らせる一方、前記電源部からの電流が前記レール短絡部材と他方のレールを介して前記短絡装置本体に流れたことを検知できない場合には、前記報知部により前記レール短絡部材が不良またはレール間に接続されていないことを作業者に知らせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る軌道短絡装置では、短絡装置本体とレール短絡部材に流れる電流の有無を検知して、その検知に基づき短絡装置本体およびレール短絡部材が正常であるか不良であるかを判定し、その判定結果を報知部により作業者に対し知らせる状態判定部を設けたため、別の各種試験装置を使用することなく、この軌道短絡装置自身で短絡装置本体やレール短絡部材の正常や不良等の状態を確実に検出することができる。
また、本発明に係る軌道短絡装置の不良検査方法では、レール短絡部材および短絡装置本体をレール間に接続しない状態では、電源部から電流が短絡装置本体内に流れたことを検知することにより、短絡装置本体が正常であることを確認でき、また、電源部の電圧が所定の閾値電圧よりも低下したことを検知することにより、短絡装置本体が正常であるが電圧低下を確認できる。
また、レール短絡部材両端それぞれのクランプ部により左右のレール間を接続すると共に、短絡装置本体から延びる2つのクランプ部により左右のレール間を接続した後は、左右のレール上を流れている電流が短絡装置本体に流れたことを検知することにより、レール短絡部材が不良またはレール間に接続されていないことを確認できる。
また、その後、電源部からの電流を短絡装置本体側から一方のレールに供給して、電源部からの電流がレール短絡部材と他方のレールを介して短絡装置本体に流れたことを検知した場合には、レール短絡部材が正常であることを確認できる一方、電源部からの電流がレール短絡部材と他方のレールを介して短絡装置本体に流れたことを検知できない場合には、レール短絡部材が不良またはレール間に接続されていないことを確認できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係る実施形態の軌道短絡装置1、及びその装置1の不良検査方法について説明する。なお、下記に説明する実施形態の軌道短絡装置1の構成、特に
図3に示す短絡装置本体内部の詳細な回路構成はあくまで一例である。本発明に係る軌道短絡装置、及びその装置の不良検査方法は、下記の内容に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0011】
<実施形態の軌道短絡装置1の概略構成と通常の車両在線報知動作例>
【0012】
本実施形態の軌道短絡装置1は、レール(軌道)の所定区間内を疑似的に車両走行状態になるよう左右のレール間を短絡して、同区間内に車両が進入できないようにするもので、
図1および
図2に示すように、レール短絡部材11と、短絡装置本体12とから構成される。
【0013】
レール短絡部材11は、短絡線11aの両端にそれぞれ左右のレールR,Rをクランプするクランプ部11b,11bが設けられ、左右のレールR,R間を短絡するものである。
【0014】
短絡装置本体12は、その上部側面から2本の短絡線12a1,12a2が延び、その2本の短絡線12a1,12a2の先端にそれぞれレールR,Rをクランプするクランプ部12b1,12b2が設けられており、
図2に示すように、レール短絡部材11と共に左右のレールR,Rに接続して、レールR,R上に列車が在線しているか否かを判定する。
【0015】
つまり、
図2に示すようなレール短絡部材11と短絡装置本体12とをそれぞれの両側のクランプ部11b,11b、12b1,12b2により各レールR,Rに接続(連結)した後、この装置の後述する電源スイッチSW1(
図1参照。)をオンにすると、レールR,Rに列車等の車両が在線している場合には、その車両の車輪とレール短絡部材11と各レールR,Rを介して電流が流れ、短絡装置本体12内にその電流は流れない。
【0016】
そのため、短絡装置本体12内の後述するマイコン12g1(
図3参照。)がその電流が流れないことを検知して、赤色LED12d3(
図1参照。)を点灯や点滅等させたり、図示しない警報ブザー等を鳴らして、レールR,Rに車両が在線していることを作業者に知らせることができる。
【0017】
これに対し、レールR,Rに車両が在線していない場合には、と短絡装置本体12と各レールR,Rを介して電流が流れることになるため、短絡装置本体12内のマイコン12g1がその電流を検知して、緑色LED12d1(
図1参照。)を点灯等させたり、さらにはどのLEDも点灯させないで、レールR,Rに車両が在線していないことを作業者に知らせることができる。
【0018】
以上のような本実施形態の軌道短絡装置1の車両在線報知動作は、前述の特許文献1に記載された軌道短絡装置とほぼ同様であるが、本実施形態の軌道短絡装置1は、更にレール短絡部材11および短絡装置本体12の不良確認機能や、それらのレールに対する否接続状態確認機能、さらには短絡装置本体12における電源回路の電源低下確認機能を有することを特徴とする。
【0019】
<短絡装置本体12の詳細な構成例と回路構成例>
短絡装置本体12は、
図2および
図3に示すように、本装置の駆動電流や試験電流を供給する電源回路12cと、LED等により上述の通常の車両在線報知動作結果や、レール短絡部材11や短絡装置本体12自身の異常(不良)状態や正常状態を作業者に知らせる本発明の報知部であるLED点灯回路12dと、短絡部材状態検知回路12eと、装置本体状態検知回路12fと、状態判定回路12gとを備えている。
【0020】
電源回路12cは、
図3に示すようにレール短絡部材11の導通不良や装置本体12の不良を判定(検査)するため2.4V〜3.0V程度の直流電流を試験電流として供給する試験電流用電源V1と、レールR,R上に列車が在線しているか否かを判定するため2.4V〜3.0V程度の直流電流を駆動電流として供給する駆動電流用電源V2と、オン・オフを切替える電源スイッチ(POWER SW)SW1と、試験電流用電源V1と駆動電流用電源V2とを切替えるための切替えスイッチ(SELECT SW)SW2と、2.4V〜3.0V程度の試験電流用電源V1および駆動電流用電源V2の電源電圧を5V程度まで昇圧する昇圧回路12c1等を備えている。
【0021】
なお、試験電流用電源V1と駆動電流用電源V2とは、別々に用意する必要はなく、1つの駆動電源Vを使用するようにしても良い。1つの駆動電源Vを使用する場合には、試験電流用電源V1と駆動電流用電源V2とを切替えるための切替えスイッチ(SELECT SW)SW2が不要になり省略できる。
【0022】
LED点灯回路12dは、
図3に示すように、状態判定回路12gのマイコン12g1の制御により後述するように、レール短絡部材11の短絡線11aやその両側のクランプ部11b,11bが正常である場合等に点灯する緑色LED12d1と、短絡装置本体12が正常である場合等に点灯したり、短絡装置本体12が正常であっても電源部12cの試験電流用電源V1および駆動電流用電源V2の電源電圧が所定の閾値電圧よりも下がった場合に点滅を繰り返す黄色LED12d2と、レール短絡部材11の短絡線11aやその両側のクランプ部11b,11bに断線や接触不良等の不良があったり、レール短絡部材11や短絡装置本体12がレールR,Rに正しく接続(連結)されていない否接続状態時に点灯する赤色LED12d3等を備えている。
【0023】
短絡部材状態検知回路12eは、2本の短絡線12a1,12a2が延び、その2本の短絡線12a1,12a2の先端にそれぞれレールR,Rをクランプするクランプ部12b1,12b2が設けられており、その2本の短絡線12a1,12a2に一方側が接続されたブリッジダイオード(BRIDGE DIODE)12e1と、ブリッジダイオード(BRIDGE DIODE)12e1の他方(出力)側に接続された第1定電流ダイオード(CRD)12e2と、発光ダイオードのアノード側が第1定電流ダイオード(CRD)12e2に接続されると共に、フォトトランジスタのコレクタ側が状態判定回路12gの後述するマイコン12g1の軌道電流検知ポート(PD7)に接続された本発明の第1フォトダイオード12e3と、ブリッジダイオード(BRIDGE DIODE)12e1の一方(入力)側に接続された第2定電流ダイオード(CRD)12e4と、発光ダイオードのアノード側が第2定電流ダイオード(CRD)12e4に接続されると共に、フォトトランジスタのコレクタ側が状態判定回路12gの後述するマイコン12g1の試験電流検知ポート(PB0)に接続された本発明の第2スイッチング回路である第2フォトダイオード12e5と、状態判定回路12gの後述するマイコン12g1のフォトダイオード動作制御ポート(PD3)にゲート側が接続され、第1フォトダイオード12e3等のオン・オフを制御する本発明のスイッチング制御回路であるFET回路12e6等を備えている。
【0024】
装置本体状態検知回路12fは、後述する電流供給線12g3に出力側の抵抗が接続される一方、入力側の発光ダイオードがマイコン12g1の装置本体状態検知ポート(PB5)に接続され、装置本体12自身に電流が流れるか否かを確認するため、装置本体状態検知ポート(PB5)からの指示により出力側の抵抗値を変えてオン・オフする本発明の第3スイッチング回路であるフォトCDS(PHOTO CDS)12f1を備えている。
【0025】
状態判定回路12gは、テストスイッチ(TEST SW)SW3と、各種のポートを有しておりプログラムの実行により、通常の車両在線報知動作を実行すると共に、電源回路12cやLED点灯回路12d、短絡部材状態検知回路12e、装置本体状態検知回路12f等の短絡装置本体12内の回路全体の動作を制御して、レール短絡部材11の断線やその両側のクランプ部のレール短絡部材11側の不良や、短絡装置本体12自身の故障や電圧低下等の短絡装置本体12側の不良、さらにはレール短絡部材11および短絡装置本体12がレールに接続されていない否接続状態を判定して、LED点灯回路12dによって作業者に知らせるマイコン12g1と、このマイコン12g1を所定クロックで動作させるための発振回路12g2と、テストスイッチ(TEST SW)SW3等を備えている。
【0026】
そのため、このマイコン12g1内、またはマイコン12g1外の図示を省略したROMには、マイコン12g1が車両在線報知動作を実行すると共に、電源回路12cやLED点灯回路12d、短絡部材状態検知回路12e、装置本体状態検知回路12f等の短絡装置本体12内の回路全体の動作を制御して、レール短絡部材11の断線やその両側のクランプ部のレール短絡部材11側の不良や、短絡装置本体12自身の故障や電圧低下等の短絡装置本体12側の不良、さらにはレール短絡部材11および短絡装置本体12がレールに接続されていない否接続状態を判定して、LED点灯回路12dによって作業者に知らせるためのプログラムが格納されている。
【0027】
<実施形態の軌道短絡装置1の不良検査>
次に、以上のように構成された本実施形態の軌道短絡装置1の不良検査の一例について説明する。
【0028】
本実施形態の軌道短絡装置1で実行可能な不良検査には、次の3つの不良検査が可能である。
【0029】
(1)短絡装置本体12の不良検査。
(2)短絡装置本体12の電源回路12cにおける電池容量低下の不良検査。
(3)軌道電流や試験電流を使用してのレール短絡部材11等の不良検査。
【0030】
なお、(1)の短絡装置本体12の不良検査は、レールR,Rが敷設された作業現場に行かなくても実行できるが、(3)のレール短絡部材11の不良検査は、レールR,Rが敷設された作業現場に行かないと実行できない不良検査で、レール短絡部材11および短絡装置本体12がレールに接続されていない否接続状態も判定できる。また、(2)の電池容量低下の不良検査は、電源スイッチ(POWER SW)SW1がオンである限り常時検査(測定)中の不良検査である。
【0031】
従って、上記(1)〜(3)の不良検査は、特に、その検査順番に決まりは無いが、下記の説明では、(1)〜(3)の不良検査の順に説明するが、この不良検査の順にこだわるものではなく、(1)の検査の前に(2)や(3)の不良検査を行っても良い。
【0032】
(1)短絡装置本体12自身の不良検査
まずは、短絡装置本体12自身の不良検査、すなわち本体確認(セルフチェック)について、フローチャートを参照して説明する。なお、短絡装置本体12自身の不良検査を実行する場合には、(2)のレール短絡部材11側の不良検査の場合とは異なり、レール短絡部材11をレールR,R間に接続する必要はないし、また短絡装置本体12もレールR,R間に接続しないで行う。
【0033】
図4は、短絡装置本体12自身の不良検査を実行する場合における作業者とマイコン12g1の動作を示すフローチャートである。
【0034】
まず、
図3に示すように、短絡装置本体12の電源回路12cの電源スイッチ(POWER SW)SW1をオンにすると共に、作業者が電源回路12cの切替えスイッチ(SELECT SW)SW2を
図3に示すように駆動電流用電源V2側に切替える(ステップS100)。なお、この場合、
図1における切替えスイッチ(SELECT SW)SW2は、“本体確認(装置本体チェック)”側に倒されることになる。
【0035】
すると、状態判定回路12gのマイコン12g1は、軌道電流検知ポート(PD7)と試験電流検知ポート(PB0)とを開いてそれぞれオン(イネーブル)状態に設定し(ステップS110)、第1フォトダイオード12e3と、第2スイッチング回路である第2フォトダイオード12e5とをアクティブ状態にする。
【0036】
これにより、駆動電流用電源V2からの駆動電流は、短絡装置本体12内における電流供給経路に断線等の不良箇所が無ければ、試験電流用電源V1からの試験電流の供給経路と同様に、昇圧回路12c1で約5Vに昇圧された後、状態判定回路12gの電流供給線12g3を介して装置本体状態検知回路12fのフォトCDS(PHOTO CDS)12f1の出力側の抵抗へ供給され、フォトCDS(PHOTO CDS)12f1の出力側の抵抗を介し短絡線12a2およびクランプ部12b2に供給される。
【0037】
ここで、短絡装置本体12から延びている2本の短絡線12a1,12a2先端それぞれのクランプ部12b1,12b2は、各レールR,Rに接続されていないため、短絡線12a2およびクランプ部12b2に供給された駆動電流用電源V2からの駆動電流は、さらに、短絡部材状態検知回路12e内のブリッジダイオード(BRIDGE DIODE)12e1を介して、第1定電流ダイオード(CRD)12e2や第1フォトダイオード12e3、FET回路12e6、第2定電流ダイオード(CRD)12e4、第2フォトダイオード12e5へ供給される。
【0038】
ここで、状態判定回路12gのマイコン12g1は、軌道電流検知ポート(PD7)と試験電流検知ポート(PB0)とを開いてオン(イネーブル)状態にあるため、軌道電流検知ポート(PD7)と試験電流検知ポート(PB0)とにより第1フォトダイオード12e3と第2フォトダイオード12e5へ駆動電流が流れているか否かを検知する(ステップS120)。
【0039】
そして、第1フォトダイオード12e3と第2フォトダイオード12e5の双方に駆動電流が流れていることをマイコン12g1が検知した場合(ステップS120“Yes”)、短絡装置本体12内における電流供給経路である電流供給線12g3や、装置本体状態検知回路12fのフォトCDS(PHOTO CDS)12f1、短絡部材状態検知回路12e内のブリッジダイオード(BRIDGE DIODE)12e1、第1定電流ダイオード(CRD)12e2、第1フォトダイオード12e3、FET回路12e6、第2定電流ダイオード(CRD)12e4、第2フォトダイオード12e5等に断線や故障等の不良箇所が無いということである。
【0040】
従って、状態判定回路12gのマイコン12g1は、黄色LED12d2の駆動用ポート(PB4)から黄色LED12d2をオンさせる駆動信号を出力して、黄色LED12d2を点灯させる(ステップS130)。
【0041】
その結果、作業者は、黄色LED12d2の点灯を確認することにより、短絡装置本体12内における電流供給経路に断線や故障等の不良箇所が無く、正常であることを簡単に認識することができる。
【0042】
これに対し、短絡装置本体12内における電流供給経路に断線等の不良箇所がある場合には、駆動電流用電源V2からの駆動電流は、その不良箇所で遮断され、第2フォトダイオード12e5まで流れず、第1フォトダイオード12e3と第2フォトダイオード12e5の少なくともいずれか一方に電流が流れない。
【0043】
そのため、状態判定回路12gのマイコン12g1は、オン(イネーブル)状態にある軌道電流検知ポート(PD7)と試験電流検知ポート(PB0)により第1フォトダイオード12e3と第2フォトダイオード12e5の少なくともいずれか一方に駆動電流が流れていないことをマイコン12g1が検知した場合には(ステップS120“No”)、短絡装置本体12内における電流供給経路に断線等の不良箇所があるということである。
【0044】
従って、状態判定回路12gのマイコン12g1は、このような場合には短絡装置本体12内における電流供給経路に断線等の不良箇所があったものと判定して、赤色LED12d3の駆動用ポート(PB2)から赤色LED12d3をオンさせる駆動信号を出力して、赤色LED12d3を点灯させる(ステップS140)。
【0045】
その結果、作業者は、電源回路12cの切替えスイッチ(SELECT SW)SW2が駆動電流用電源V2側、すなわち
図1では“本体確認(装置本体チェック)”側に倒れている点と、赤色LED12d3の点灯とを確認することにより、短絡装置本体12内における電流供給経路に断線等の不良箇所があることを認識することができる。
【0046】
(2)短絡装置本体12内における電池容量低下検査
次に、短絡装置本体12内における試験電流用電源V1および駆動電流用電源V2の電池容量低下検査について説明する。
【0047】
本実施形態の軌道短絡装置1では、状態判定回路12gのマイコン12g1は、電源スイッチSW1のオンにすると、電池容量チェックポート(PCC0)を開いてオン(イネーブル)状態に設定し、切替えスイッチ(SELECT SW)SW2の切替え先に応じて昇圧回路12c1で電圧を昇圧させる前の試験電流用電源V1または駆動電流用電源V2の電源電圧を測定し(ステップS150)、測定した電圧が所定の閾値電圧よりも低下したか否かを判定する(ステップS160)。
【0048】
ここで、試験電流用電源V1および駆動電流用電源V2は、前述したように電圧が2.4V〜3.0V程度である。
【0049】
そのため、測定した試験電流用電源V1または駆動電流用電源V2の電源電圧が所定の閾値電圧である例えば2.1Vよりも低下した場合(ステップS150“Yes”)、マイコン12g1は、それを作業者に知らせるため、例えば、黄色LED12d2の駆動用ポート(PB4)から黄色LED12d2を点滅させる駆動信号を出力して、黄色LED12d2を点滅させる(ステップS170)。
【0050】
これに対し、測定した試験電流用電源V1または駆動電流用電源V2の電源電圧が所定の閾値電圧である例えば2.1V以上の場合は(ステップS150“No”)、正常状態であるため、マイコン12g1は、ステップS170の報知処理をスキップして実行しない。
【0051】
その結果、作業者は、黄色LED12d2の点滅を確認することにより、電源回路12cの試験電流用電源V1または駆動電流用電源V2の電源電圧が所定の閾値電圧よりも低下したことを簡単に確認することができる。
【0052】
(3)軌道電流や試験電流を使用してのレール短絡部材11の不良検査等
本実施形態の軌道短絡装置1では、以上のようにして短絡装置本体12の不良検査や、短絡装置本体12の電源回路12c電池容量低下の不良検査を実行できるが、以上の不良検査ではレール短絡部材11の不良検査は実行できない。
【0053】
そのため、レール短絡部材11と短絡装置本体12とをレールR,Rに接続して、レール上に流れる軌道電流と、本装置1の試験電流用電源V1からの試験電流とを利用してのレール短絡部材11の不良検査について、フローチャートを参照して説明する。
【0054】
図5は、軌道電流や試験電流を使用してのレール短絡部材11の不良検査等を実行する場合における作業者とマイコン12g1の動作を示すフローチャートである。
【0055】
(3-1)レール上の軌道電流と試験電流を供給してのレール短絡部材11の不良検査
まず、
図2に示すようにレール短絡部材11の短絡線11a両端それぞれのクランプ部11b,11bを左右のレールR,Rに接続すると共に、短絡装置本体12から延びている2本の短絡線12a1,12a2先端それぞれのクランプ部12b1,12b2を左右のレールR,Rに接続して(ステップS200)、レールR,Rに流れている軌道電流を検知する。
【0056】
具体的には、
図2に示すようにレールR,R間にレール短絡部材11と短絡装置本体12とを接続した後、短絡装置本体12の電源回路12cの電源スイッチ(POWER SW)SW1をオンにする(ステップS210)。
【0057】
次に、短絡装置本体12の電源回路12cの切替えスイッチ(SELECT SW)SW2を、
図3とは異なり、試験電流用電源V1側、すなわち“短絡確認(短絡部材チェック)”側(
図1参照。)に倒すと共に(ステップS220)、状態判定回路12gのテストスイッチ(TEST SW)SW3をオンにする(ステップS230)。なお、状態判定回路12gのテストスイッチ(TEST SW)SW3は省略し、テストスイッチ(TEST SW)SW3のところは常時短絡しておいても良い。
【0058】
すると、テストスイッチ(TEST SW)SW3のオンにより、状態判定回路12gのマイコン12g1の短絡部材チェックポート(PB1)の電位がローになって、マイコン12g1が起動する。
【0059】
マイコン12g1は起動すると、軌道電流検知ポート(PD7)を開きオン(イネーブル)状態に設定して(ステップS240)、軌道電流検知ポート(PD7)によりレールR,R上を流れる軌道電流が検知する。
【0060】
具体的には、マイコン12g1は、フォトダイオード動作制御ポート(PD3)からFET回路12e6のゲート側に駆動電流を供給してFET回路12e6をオンさせ、第1フォトダイオード12e3の発光ダイオードのカソード側の電位を低下させ、第1フォトダイオード12e3をアクティブ状態にする。
【0061】
すると、レールR,R上を軌道電流が流れており、レール短絡部材11と短絡装置本体12が正しくレールR,R間に接続されている場合には、クランプ部12b1,12b2および短絡線12a1,12a2と、ブリッジダイオード(BRIDGE DIODE)12e1と、第1定電流ダイオード(CRD)12e2と、第1フォトダイオード12e3発光ダイオード側にレールR,R上を流れる軌道電流が流れる。
【0062】
そのため、マイコン12g1は、レールR,R上を流れる軌道電流が第1フォトダイオード12e3の発光ダイオード側に流れ、第1フォトダイオード12e3がオンするか否かを判定する(ステップS250)。
【0063】
ここで、軌道電流が第1フォトダイオード12e3の発光ダイオード側に流れ、第1フォトダイオード12e3がオンすると(ステップS250“Yes”)、第1フォトダイオード12e3のフォトトランジスタのコレクタとエミッタ間が導通するため、状態判定回路12gのマイコン12g1の軌道電流検知ポート(PD7)の電位がハイ状態(“1”)からロー状態(“0”)に切り替わる。
【0064】
そのため、状態判定回路12gのマイコン12g1は、軌道電流検知ポート(PD7)の電位がハイ状態(“1”)からロー状態(“0”)に切り替わることにより、クランプ部12b1,12b2および短絡線12a1,12a2を介して短絡装置本体12にレールR,R上を流れる軌道電流を流れたことを検知できる。
【0065】
これは、このレール短絡部材11の不良検査の場合、左右のレールR,Rには、短絡装置本体12から延びている2本の短絡線12a1,12a2先端それぞれのクランプ部12b1,12b2だけでなく、レール短絡部材11の短絡線11a両端それぞれのクランプ部11b,11bも接続している。
【0066】
そして、レール短絡部材11の短絡線11aの断線や、その両側のクランプ部11b,11bに接触不良等の不良がなく、左右のレールR,Rを軌道電流が流れている場合は、短絡装置本体12よりも抵抗の小さいレール短絡部材11の方に軌道電流が流れるため、短絡装置本体12に軌道電流は流れない。
【0067】
これに対し、レール短絡部材11の短絡線11aに断線があったり、その断線がなくても両側のクランプ部11b,11bに接触不良等の不良があったり、そもそもレール短絡部材11や短絡装置本体12を正しく左右のレールR,Rに接続していない場合には、左右のレールR,Rを流れる軌道電流は、レール短絡部材11側を流れることはできず、短絡装置本体12側を流れるからである。なお、レールR,R上には、列車等の車両は在線していないことを前提とする。
【0068】
従って、第1フォトダイオード12e3の発光ダイオード側にレールR,R上を流れる軌道電流を流れて、スイッチング回路である第1フォトダイオード12e3がオンして状態判定回路12gのマイコン12g1の軌道電流検知ポート(PD7)の電位がハイ状態(“1”)からロー状態(“0”)に切り替わると、マイコン12g1は、レール短絡部材11の短絡線11aに断線があったり、その断線がなくても両側のクランプ部11b,11bに接触不良等のレール短絡部材11側に不良や、レール短絡部材11や短絡装置本体12を正しく左右のレールR,Rに接続されていない否接続状態にあると判定して、赤色LED12d3の駆動用ポート(PB2)から赤色LED12d3をオンさせる駆動信号を出力して、赤色LED12d3を点灯させる(ステップS260)。
【0069】
その結果、作業者は、電源回路12cの切替えスイッチ(SELECT SW)SW2が試験電流用電源V1側、すなわち
図1では“短絡確認(短絡部材チェック)”側に倒れている点と、赤色LED12d3の点灯を確認することにより、レール短絡部材11の短絡線11aに断線があったり、その断線がなくても両側のクランプ部11b,11bに接触不良等、レール短絡部材11側に不良があったことや、レール短絡部材11や短絡装置本体12を正しく左右のレールR,Rに接続されていない否接続状態にあることを簡単に認識することができる。
【0070】
なお、ステップS260の処理後は、レール短絡部材11側に不良やレール短絡部材11や短絡装置本体12がレールR,Rに対し否接続状態にあるので、マイコン12g1は、以上の不良検査を終了する。
【0071】
(3-2)レール上に試験電流を供給してのレール短絡部材11の不良検査
ところで、レールR,R上には、軌道電流が流れていない場合もある。軌道電流が流れていない場合には、レール短絡部材11の短絡線11aに断線があったり、その断線がなくても両側のクランプ部11b,11bに接触不良等、レール短絡部材11側に不良があっても、スイッチング回路である第1フォトダイオード12e3の発光ダイオード側に軌道電流が流れることはなく、軌道電流により状態判定回路12gのマイコン12g1の軌道電流検知ポート(PD7)の電位がハイ状態(“1”)からロー状態(“0”)に切り替わることはない。
【0072】
そのため、第1フォトダイオード12e3がオンせず、マイコン12g1の軌道電流検知ポート(PD7)で軌道電流等の何らかの電流を検知できなかった場合は(ステップS250“No”)、レールR,R上を軌道電流を流れていない場合も想定して、マイコン12g1は、まずは軌道電流検知ポート(PD7)を閉じてディセーブル(無効)状態にする(ステップS270)。
【0073】
次にマイコン12g1は、試験電流検知ポート(PB0)を開いてイネーブル(有効)状態に切替えると共に(ステップS280)、試験電流供給制御ポート(AVCC)をディセーブル(無効)状態等に切替えて、電源回路12cの試験電流用電源V1からの試験電流を短絡装置本体12やその上部側面から延びる短絡線12a1,12a2と、クランプ部12b1,12b2とを介してレールR,Rやレール短絡部材11に供給して(ステップS290)、その試験電流で第2スイッチング回路である第2フォトダイオード12e5がオンするか否かを判定する(ステップS300)。
【0074】
つまり、マイコン12g1の試験電流供給制御ポート(AVCC)がディセーブル(無効)状態等に切替わると、
図3に示すように、電源回路12cの試験電流用電源V1からの試験電流は、昇圧回路12c1で約5Vに昇圧された後、状態判定回路12gの電流供給線12g3を介して装置本体状態検知回路12fのフォトCDS(PHOTO CDS)12f1の出力側の抵抗へ供給され、フォトCDS(PHOTO CDS)12f1の出力側の抵抗を介して短絡線12a2およびクランプ部12b2に供給される。
【0075】
すると、このレール短絡部材11の不良検査では、
図2に示すようにレール短絡部材11の短絡線11a両端それぞれのクランプ部11b,11bと、短絡装置本体12から延びている2本の短絡線12a1,12a2先端それぞれのクランプ部12b1,12b2とが左右のレールR,Rに正しく接続されている場合は、電源回路12cの試験電流用電源V1からの試験電流は、状態判定回路12gの電流供給線12g3やフォトCDS(PHOTO CDS)12f1の出力側の抵抗、短絡線12a2およびクランプ部12b2等を介して、左右いずれか一方のレールRに供給される。
【0076】
その後、左右いずれか一方のレールRに供給された試験電流用電源V1からの試験電流は、レール短絡部材11のクランプ部11b,11bや短絡線11aを介して他方のレールRに供給され、短絡装置本体12のクランプ部12b1および短絡線12a1を介して戻ってくる。
【0077】
ここで、マイコン12g1は、軌道電流検知ポート(PD7)を閉じディセーブル(無効)状態にする一方、試験電流検知ポート(PB0)を開いてイネーブル(有効)状態に切替えているため、第1フォトダイオード12e3はオフ状態にあるのに対し、第2フォトダイオード12e5はアクティブ状態にある。
【0078】
そのため、短絡装置本体12のクランプ部12b1および短絡線12a1を介して戻ってきた試験電流は、第1定電流ダイオード(CRD)12e2および第1フォトダイオード12e3側を通らず、第2定電流ダイオード(CRD)12e4と第2フォトダイオード12e5の発光ダイオード側に供給される。
【0079】
これにより、レールR,R上に軌道電流が流れていない場合でも、マイコン12g1は、電源回路12cの試験電流用電源V1からの試験電流を状態判定回路12gの電流供給線12g3やフォトCDS(PHOTO CDS)12f1の出力側の抵抗等を介してレールR,Rに供給することができるので、第2フォトダイオード12e5のオン・オフ状態を試験電流検知ポート(PB0)で確認することにより、レール短絡部材11における短絡線11aの断線やクランプ部11b,11bの接触不良等のレール短絡部材11側の不良を検知できる。
【0080】
つまり、第2フォトダイオード12e5の発光ダイオード側に試験電流用電源V1からの試験電流が流れて、第2フォトダイオード12e5がオンした場合は(ステップS300“Yes”)、マイコン12g1の試験電流検知ポート(PB0)の電位がハイ状態(“1”)からロー状態(“0”)に切り替わるので、マイコン12g1は、レールR,R間に接続したレール短絡部材11や短絡装置本体12に正常に試験電流が導通されたものと判定できる。
【0081】
そのため、マイコン12g1は、第2フォトダイオード12e5がオンして(ステップS300“Yes”)、試験電流検知ポート(PB0)の電位がハイ状態(“1”)からロー状態(“0”)に切り替わると、緑色LED12d1の駆動用ポート(PB3)から緑色LED12d1をオンさせる駆動信号を出力して、緑色LED12d1を点灯させて(ステップS310)、以上の不良検査を終了する。
【0082】
その結果、作業者は、緑色LED12d1の点灯により、レール短絡部材11が正常であることや、レール短絡部材11と短絡装置本体12とがレールR,Rに正しく接続されていることを簡単に認識することができる。
【0083】
これに対し、第2フォトダイオード12e5の発光ダイオード側に試験電流用電源V1からの試験電流が流れず、第2フォトダイオード12e5がオフ状態のままである場合(ステップS300“No”)、マイコン12g1の試験電流検知ポート(PB0)の電位がハイ状態(“1”)のままであるため、マイコン12g1は、レールR,R間に接続したレール短絡部材11側に不良、例えば、短絡線11aに断線やその断線がなくても両側のクランプ部11b,11bに接触不良等があったり、レール短絡部材11や短絡装置本体12を正しく左右のレールR,Rに接続されていないものと判定する。
【0084】
そのため、マイコン12g1は、第2フォトダイオード12e5がオンせず(ステップS300“No”)、試験電流検知ポート(PB0)の電位がハイ状態(“1”)のままである場合、赤色LED12d3の駆動用ポート(PB2)から赤色LED12d3をオンさせる駆動信号を出力して赤色LED12d3を点灯させて(ステップS320)、以上の不良検査を終了する。
【0085】
その結果、作業者は、赤色LED12d3の点灯により、レール短絡部材11側に不良があったり、レール短絡部材11や短絡装置本体12を正しく左右のレールR,Rに接続されていないことを簡単に認識することができる。
【0086】
従って、本実施形態の軌道短絡装置1によれば、電源スイッチ(POWER SW)SW1や、試験電流用電源V1と駆動電流用電源V2とを切替える切替えスイッチ(SELECT SW)SW2、テストスイッチ(TEST SW)SW3を操作するだけで、別途、各種テスタ等の試験装置を使用することなく、短絡装置本体12の不良検査や、短絡装置本体12の電源回路12cにおける電池容量低下の不良検査を簡単に実行できると共に、軌道電流や試験電流を使用してのレール短絡部材11側の不良検査や、レール短絡部材11および短絡装置本体12がレールに接続されていない否接続状態の確認も簡単に実行することができる。
【0087】
なお、上述の実施形態の軌道短絡装置1では、電源回路12cに試験電流用電源V1と駆動電流用電源V2の両方を設けて説明したが、本発明では、試験電流用電源V1と駆動電流用電源V2とを別々に設ける必要はなく、1つの駆動電源V(図示せず。)を使用するようにしても良い。1つの駆動電源V(図示せず。)を使用する場合には、試験電流用電源V1と駆動電流用電源V2とを切替えるための切替えスイッチ(SELECT SW)SW2も不要になり省略できる。
【0088】
また、上述の実施形態の軌道短絡装置1では、テストスイッチ(TEST SW)SW3を設けて説明したが、本発明では、テストスイッチ(TEST SW)SW3を省略して、電源スイッチSW1のオンにより、上述の不良検査等を開始するようにしても良い。
【0089】
つまり、1つの駆動電源V(図示せず。)を使用して切替えスイッチ(SELECT SW)SW2を省略すると共に、テストスイッチ(TEST SW)SW3も省略して、電源スイッチSW1のオンにより上述の(3)の軌道電流や試験電流を使用してのレール短絡部材11の不良検査等を開始するようにした場合、電源スイッチSW1のオン後、黄色LED12d2が点灯した場合、作業者は短絡装置本体12内における電流供給経路に断線や故障等の不良箇所が無く、正常であることを簡単に認識できる。
【0090】
また、電源スイッチSW1をオンした際、黄色LED12d2が点滅を繰り返した場合、作業者は電源回路12cの駆動電源V(図示せず。)が所定の閾値電圧よりも低下したことを簡単に確認することができる。
【0091】
また、作業現場でレール短絡部材11と短絡装置本体12とをレールR,Rに接続した後、電源スイッチSW1をオンにした際、緑色LED12d1が点灯すると、レール短絡部材11が正常であることや、レール短絡部材11と短絡装置本体12とがレールR,Rに正しく接続されていることを簡単に認識できる。
【0092】
その一方、作業現場でレール短絡部材11と短絡装置本体12とをレールR,Rに接続した後、電源スイッチSW1をオンにした際、赤色LED12d3が点灯すると、レール短絡部材11の短絡線11aに断線があったり、その断線がなくても両側のクランプ部11b,11bに接触不良等のレール短絡部材11側の不良や、レール短絡部材11や短絡装置本体12を正しく左右のレールR,Rに接続されていないことを簡単に認識できる。
【0093】
また、上述の実施形態の軌道短絡装置1では、報知部であるLED点灯回路12dに緑色LED12d1と、黄色LED12d2と、赤色LED12d3とを設けて説明したが、本発明では、これに限らず、これら以外の色のLEDを用いても良いし、さらには色の数を増やしても良い。また、本発明では、報知部は、LED点灯回路12dの代わりに、液晶モニタ等を設けてメッセージによりレール短絡部材11や短絡装置本体12の正常、不良(電源電圧の低下も含む。)、レールR,Rへの否接続状態等の状態を表示しても良いし、音声によりそれらの状態を通知するようにしても良い。
【0094】
つまり、本発明に係る軌道短絡装置では、レール短絡部材11および短絡装置本体12をレールR,R間に接続しない状態で、電源スイッチSW1のオンにより電源部(電源回路12c)から電流を供給して、その電流が短絡装置本体12内に流れたことを検知した場合には、報知部により短絡装置本体12が正常であることを作業者に知らせることができ、電源部(電源回路12c)からの電流が短絡装置本体12内に流れたことを検知しているが、電源部(電源回路12c)の電圧が所定の閾値電圧よりも低下したことを検知した場合には、短絡装置本体12が正常であるが、電源部(電源回路12c)の電圧低下を報知部により作業者に知らせることができれば良い。
【0095】
また、本発明に係る軌道短絡装置では、レール短絡部材11両端それぞれのクランプ部12a,12aにより左右のレールR,R間を接続すると共に、短絡装置本体12から延びる2つのクランプ部12b1,12b2により左右のレールR,R間を接続した後、電源部(電源回路12c)からの電流をレールR,Rに供給せず、レール上を流れている軌道電流が短絡装置本体12に流れたことを検知した場合には、報知部によりレール短絡部材11が不良またはレール間に接続されていないことを作業者に知らせることができれば良い。
【0096】
その後、さらに、電源部(電源回路12c)からの電流を短絡装置本体12側から一方のレールRに供給して、電源部(電源回路12c)からの電流がレール短絡部材11と他方のレールRを介して短絡装置本体12に流れたことを検知した場合には、報知部によりレール短絡部材11が正常であることを作業者に知らせる一方、電源部(電源回路12c)からの電流がレール短絡部材11と他方のレールRを介して短絡装置本体12に流れたことを検知できない場合には、報知部によりレール短絡部材11が不良またはレールR,R間に接続されていないことを作業者に知らせることができれば良い。