(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6341780
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】骨組構造体
(51)【国際特許分類】
H02S 20/10 20140101AFI20180604BHJP
【FI】
H02S20/10 F
H02S20/10 H
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-145051(P2014-145051)
(22)【出願日】2014年7月15日
(65)【公開番号】特開2015-195695(P2015-195695A)
(43)【公開日】2015年11月5日
【審査請求日】2017年1月27日
(31)【優先権主張番号】特願2014-60365(P2014-60365)
(32)【優先日】2014年3月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090206
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 信道
(74)【代理人】
【識別番号】100168228
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 達則
(72)【発明者】
【氏名】竹林 裕之
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 克信
(72)【発明者】
【氏名】副島 眸
【審査官】
兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−054420(JP,A)
【文献】
特開2013−055263(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02388829(EP,A1)
【文献】
特開2013−149756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/10
H01L 31/042
F24S 25/00−25/16
E04D 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左梁材及び右梁材と、桁材と、左柱材及び右柱材と、複数の横材と、パネルを備え、左梁材及び右梁材は、前後方向に延び、前側に向けて下方に傾斜していて、互いに平行に並んでおり、桁材は、左梁材及び右梁材の前側を支持しており、左梁材と右梁材の左右方向中間位置に設けた前側基礎に固定してあり、左柱材と右柱材は、それぞれ左梁材と右梁材の後側を各後側連結部材で連結して支持しており、左梁材と右梁材の左右方向中間位置に設けた後側基礎に固定してあってV字形を形成しており、各後側連結部材は、コ字状の梁受部と柱受部を有し、梁受部の開口方向に対して柱受部の開口方向が傾斜しており、梁受部は、梁材の後側を側からくわえ込んで左右からボルト止めしてあり、柱受部は、左右柱材の上端部をくわえ込んで上下からボルト止めしてあり、前側基礎と後側基礎が、前後方向同一直線上に位置しており、横材は、左梁材及び右梁材に直交するように載置して固定してあり、パネルは、前端部と後端部をそれぞれ横材に載置して固定してあることを特徴とする骨組構造体。
【請求項2】
複数の支持ユニットと、横材を備え、各支持ユニットは、左梁材及び右梁材と、桁材と、左柱材及び右柱材を備え、左梁材及び右梁材は、前後方向に延び、前側に向けて下方に傾斜していて、互いに平行に並んでおり、桁材は、左梁材及び右梁材の前側を支持しており、左梁材と右梁材の左右方向中間位置に設けた前側基礎に固定してあり、左柱材と右柱材は、それぞれ左梁材と右梁材の後側を各後側連結部材で連結して支持しており、左梁材と右梁材の左右方向中間位置に設けた後側基礎に固定してあってV字形を形成しており、各後側連結部材は、コ字状の梁受部と柱受部を有し、梁受部の開口方向に対して柱受部の開口方向が傾斜しており、梁受部は、梁材の後側を側からくわえ込んで左右からボルト止めしてあり、柱受部は、左右柱材の上端部をくわえ込んで上下からボルト止めしてあり、前側基礎と後側基礎が、前後方向同一直線上に位置しており、各支持ユニットが左右に間隔をおいて配置してあり、横材が各支持ユニットに架設してあることを特徴とする骨組構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルの支持などに用いられる骨組構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池パネルを支持するための架台として、従来、特許文献1(
図8〜
図10)に示すような骨組構造体が用いられている。この骨組構造体は、前後に延びる複数本の下地フレームの前部と後部を、それぞれ左右に延びる梁材により連結してあり、前後の梁材をそれぞれ前側支柱と後側支柱により支持してある。各支柱(前側支柱及び後側支柱)は、それぞれ下端部を基礎に固定してある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−232686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような骨組構造体は、支柱の本数分だけ基礎を設ける必要があり、施工に手間がかかるものであった。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、基礎の数が少なくて済み、施工性が良好な骨組構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち請求項1の発明は、左梁材及び右梁材と、桁材と、左柱材及び右柱材と、複数の横材と、パネルを備え、左梁材及び右梁材は、前後方向に延び、前側に向けて下方に傾斜していて、互いに平行に並んでおり、桁材は、左梁材及び右梁材の前側を支持しており、左梁材と右梁材の
左右方向中間位置に設けた前側基礎に固定してあり、左柱材と右柱材は、それぞれ左梁材と右梁材の後側を
各後側連結部材で連結して支持しており、左梁材と右梁材の
左右方向中間位置に設けた後側基礎に固定してあってV字形を形成しており、
各後側連結部材は、コ字状の梁受部と柱受部を有し、梁受部の開口方向に対して柱受部の開口方向が傾斜しており、梁受部は、梁材の後側を側からくわえ込んで左右からボルト止めしてあり、柱受部は、左右柱材の上端部をくわえ込んで上下からボルト止めしてあり、前側基礎と後側基礎が、前後方向同一直線上に位置しており、横材は、左梁材及び右梁材に直交するように載置して固定してあり、パネルは、前端部と後端部をそれぞれ横材に載置して固定してあることを特徴とする。
【0007】
本発明のうち請求項2の発明は、複数の支持ユニットと、横材を備え、各支持ユニットは、左梁材及び右梁材と、桁材と、左柱材及び右柱材を備え、左梁材及び右梁材は、前後方向に延び、前側に向けて下方に傾斜していて、互いに平行に並んでおり、桁材は、左梁材及び右梁材の前側を支持しており、左梁材と右梁材の
左右方向中間位置に設けた前側基礎に固定してあり、左柱材と右柱材は、それぞれ左梁材と右梁材の後側を
各後側連結部材で連結して支持しており、左梁材と右梁材の
左右方向中間位置に設けた後側基礎に固定してあってV字形を形成しており、
各後側連結部材は、コ字状の梁受部と柱受部を有し、梁受部の開口方向に対して柱受部の開口方向が傾斜しており、梁受部は、梁材の後側を側からくわえ込んで左右からボルト止めしてあり、柱受部は、左右柱材の上端部をくわえ込んで上下からボルト止めしてあり、前側基礎と後側基礎が、前後方向同一直線上に位置しており、各支持ユニットが左右に間隔をおいて配置してあり、横材が各支持ユニットに架設してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のうち請求項1の発明によれば、後側においては、二本の柱材(左柱材と右柱材)に対して一つの後側基礎を設ければよく、前側においても後側基礎と同一直線上に同数の前側基礎を設ければよいので、基礎の数が少なく、施工性が良好である。そして、桁材が二本の梁材(左梁材と右梁材)の前側を支持し、二本の柱材が梁材の後側を支持してV字形を形成していることにより、必要強度を確保でき、また前側においては桁材を直接前側基礎に固定してあるので、部品点数が少なく、コストを抑えられる。さらに、パネルの前端部と後端部をそれぞれ横材に載置して固定してあり、横材の本数は前後に並べたパネルの枚数+一本で済むので、パネルを支持するための部品点数も少なく、コストを抑えられる。
【0009】
本発明のうち請求項2の発明によれば、後側においては、二本の柱材(左柱材と右柱材)に対して一つの後側基礎を設ければよく、前側においても後側基礎と同一直線上に同数の前側基礎を設ければよいので、基礎の数が少なく、施工性が良好である。そして、桁材が二本の梁材(左梁材と右梁材)の前側を支持し、二本の柱材が梁材の後側を支持してV字形を形成していることにより、必要強度を確保でき、また前側においては桁材を直接前側基礎に固定してあるので、部品点数が少なく、コストを抑えられる。さらに、骨組構造体全体の左右幅によらず、桁材は短尺で同じ長さのものが支持ユニットの数だけあればよいので、コストが抑えられ、また、設置場所の状況に応じて、支持ユニット同士の間隔を容易に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】骨組構造体の第一実施形態を示し、(a)は全体背面図、(b)は部分拡大背面図、(c)は部分拡大背面図において、左柱材、右柱材及び後側基礎を透視した図である。
【
図3】梁材と横材及び横材とパネルの連結部分の拡大図である。
【
図4】左梁材と桁材の連結部分の拡大図である(
図2のA部)。
【
図5】左梁材と左柱材の連結部分の拡大図である(
図1のB部)
【
図7】骨組構造体の第二実施形態の全体背面図である。
【
図8】骨組構造体の第三実施形態の全体背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。この骨組構造体は、太陽電池や太陽熱温水器などのパネル状の構造物の支持に用いられるものであるが、ここでは、太陽電池パネルSを支持するための架台の場合を示す。
図1及び
図2に示すように、この骨組構造体は、アルミ押出形材からなる梁材(左梁材1a、右梁材1b)、桁材2、柱材(左柱材3a、右柱材3b)及び横材5と、太陽電池パネルSと、前側基礎4a及び後側基礎4bを備える。
図1(a)に示すように、梁材と柱材はそれぞれ六本ずつ設けてあるが、隣接する二本を一組として、左側の部材を左梁材1a及び左柱材3a、右側の部材を右梁材1b及び右柱材3bとしたものである。
【0012】
左梁材1a及び右梁材1bは、前後方向に延び、前側に向けて下方に傾斜していて、互いに平行に並んでいる。上面及び下面には、長手方向に沿って断面略C字形の溝部11を設けてあり、溝部11にボルトの頭部を挿入して他の部材を連結する。左梁材1a及び右梁材1bの上面には、両梁材1a,1bに直交する(左右方向に延びる)横材5を取り付けてある。
図3に示すように、横材5は、前後面の下端部に、それぞれ前後に向けて突出する取付片51を形成してある。そして、梁材1a,1bの上面の、横材5の前後位置には、溝部11にボルトの頭部を挿入して取付具52をボルト止めしてある。取付具52は、横材5側に略L字形の挟持部53を形成してあり、梁材1a,1bと挟持部53とで横材5の前後の取付片51を挟み込んで、梁材1a,1bに横材5を固定してある。
図1(a)に示すように、横材5は、すべて(六本)の梁材1a,1bを連結するものであって、前後に等間隔に五本並んでおり、左梁材1a及び右梁材1bと横材5とで格子状の構造を形成している。
【0013】
そして、横材5の上面に、太陽電池パネルSをボルト止めして固定してある(
図1においては太陽電池パネルを図示省略してある)。より詳しくは、
図3に示すように、横材5の上面に、長手方向に沿って断面略C字形の溝部54を設けてあり、溝部54の前側部分に、前側の太陽電池パネルSの後端部を、溝部54の後側部分に、後側の太陽電池パネルSの前端部を載置してある。そして、溝部54に、長手方向に間隔を空けて複数本のボルトBの頭部を挿入してあって、上を向いたボルトBの基端(頭部側)に受具104を挿入してあり、さらに先端に押圧具10aを挿入して、ナットNを締め付けてある。受具104は、断面L字形で、各ボルトBに取り付けてあり、一辺が横材5の上面に当接し、他辺がボルトBの後側に立設している。また、押圧具10aは、横材5と平行に延び各ボルトBに跨って取り付けるものであって、前側下方及び後側下方に向けて突出する二つの押圧片101aと、両押圧片101aの内側に位置していて、下方に向けて突出する前後二つの当接片102aを有しており、後側の当接片102aは、受具104の後側面(立設する他辺)と面一である。受具104及び押圧具10aの後側の当接片102aが、後側の太陽電池パネルSの前端面に当接し、押圧具10aの前側の当接片102aが、前側の太陽電池パネルSの後端面に当接し、前後の押圧片101aが、前後の太陽電池パネルSの上面の後端部及び前端部に上側から当接し、ナットNを締め付けることで、押圧片101aが太陽電池パネルSを押圧して固定する。なお、最前端の横材5においては、溝部54の後側部分に、最前の太陽電池パネルSの前端部を載置してあり、押圧具10bは、後側にのみ押圧片101b及び当接片102bを有していて、前側には太陽電池パネルSの前端面を覆い隠す壁面部103bを設けてある。また、最後端の横材5においても、最前端と前後逆向きの同様な構成となっており、受具104が壁面部103bの前側面に当接している。このようにして、五本の横材5に対して、前後に四枚の太陽電池パネルSを並べて載置して固定する。
【0014】
桁材2は、両梁材1a,1bに直交する(左右方向に延びる)ものであり、
図1(a)に示すように、すべて(六本)の梁材1a,1bを連結するものであって、
図2に示すように、左梁材1a及び右梁材1bの前側(前端から全長の約1/5の位置)を支持している。
図4に示すように、上面及び下面には、長手方向に沿って溝部21を設けてあり、上面には、溝部21にボルトの頭部を挿入して前側連結部材6をボルト止めしてある。前側連結部材6は、ゲタ形で上向きに延びる二枚の挟持片61を有しており、両挟持片61で左右から左梁材1a及び右梁材1bをそれぞれ挟み込んでボルト止めしてある。また、
図1(c)に示すように、桁材2の、左梁材1aと右梁材1bの中間位置には、桁固定部材8aを取り付けてある。桁固定部材8aは、ゲタ形で上向きに延びる二枚の挟持片81aを有しており、両挟持片81aで前後から桁材2を挟み込んでボルト止めしてある。そして、桁固定部材8aは、左梁材1aと右梁材1bの中間位置に設けた前側基礎4aにボルト止めして固定してある。
【0015】
左柱材3aと右柱材3bは、
図1(b)及び
図2に示すように、それぞれ左梁材1aと右梁材1bの後側(後端から全長の約1/5の位置)を支持している。左柱材3aは右側下方へ、右柱材3bは左側下方へ傾斜しており、両柱材3a,3bの下端部を柱固定部材8bで連結してあって、左柱材3aと右柱材3bとでV字形を形成している。柱固定部材8bは、ゲタ形で上向きに延びる二枚の挟持片81bを有しており、両挟持片81bで前後から左柱材3a及び右柱材3bを挟み込んでボルト止めしてある。そして、柱固定部材8bは、左梁材1aと右梁材1bの中間位置に設けた後側基礎4bにボルト止めして固定してある。なお、桁固定部材8aを固定した前側基礎4aと、柱固定部材8bを固定した後側基礎4bは、前後方向同一直線上に位置している。
【0016】
ここで、
図5及び
図6に基づき、左柱材3aと左梁材1aの連結部分について説明する(右柱材3bと右梁材1bの連結部分については、左右対称の同様な構造である)。左柱材3aと左梁材1aの連結には、後側連結部材7を用いる。後側連結部材7は、略H字形のアルミ押出形材からなり、両端にコ字形の受部(梁受部71、柱受部72)を有する。ただし、梁受部71の開口方向に対して、柱受部72の開口方向が傾斜している。そして、梁受部71の開口を垂直上方に向け、左梁材1aの後側部分(後端から全長の約1/5の位置)を下側からくわえ込んで左右からボルト止めしてあり、柱受部72によって左柱材3aの上端部をくわえ込んで上下からボルト止めしてある。これにより、左柱材3aは、梁受部71に対する柱受部72の傾斜角度と同じ角度だけ、垂直方向に対して傾斜する。
【0017】
また、左梁材1a及び右梁材1bの、両柱材3a,3bの連結位置より後側(両梁材1a,1bの上端近傍)の下面に、両梁材1a,1bを横架する補強材9を取り付けてある。補強材9は、断面L字形のアルミ押出形材からなるものであって、両梁材1a,1bの溝部11にボルトの頭部を挿入してボルト止めしてあり、両梁材1a,1bの間隔を規制して、より強度を高めるものである。
【0018】
なお、この骨組構造体の施工手順としては、まず、設置面に前側基礎4a及び後側基礎4bを形成する。次に、前側基礎4aの上面に桁固定部材8aを固定して桁材2を取り付け、後側基礎4bの上面に柱固定部材8bを固定して両柱材3a,3bを取り付ける。次に、桁材2の上面に前側連結部材6を固定し、両柱材3a,3bの上端に後側連結部材7を固定して、左右の前側連結部材6及び後側連結部材7に、両梁材1a,1bを取り付ける。次に、両梁材1a,1bの下面に補強材9を取り付け、さらに両梁材1a,1bの上面に横材5を取り付ける。そして、横材5に太陽電池パネルSを載置して、上側から押圧具10a,10bをボルト止めして固定することで、骨組構造体が完成する。
【0019】
このように構成した骨組構造体の第一実施形態によれば、後側においては、二本の柱材(左柱材3aと右柱材3b)に対して一つの後側基礎4bを設ければよく、前側においても後側基礎4bと同一直線上に同数の前側基礎4aを設ければよいので、基礎4a,4bの数が少なく、施工性が良好である。また、桁材2が、左梁材1a及び右梁材1bの前側を支持して、両梁材1a,1bの中間位置で前側基礎4aに固定してあり、左柱材3a及び右柱材3bが、それぞれ左梁材1a及び右梁材1bの後側を支持し、両梁材1a,1bの中間位置で後側基礎4bに固定してあってV字形を形成しているので、必要強度を確保しつつ、太陽電池パネルSの支持可能な範囲が広い。よって、前側基礎4a及び後側基礎4bのピッチを広くできるので、より基礎4a,4bの数を少なくすることができ、また太陽電池パネルSの大きさ当たりの部品点数も少なくすることができるので、施工性が良好であり、施工速度が速く、コストが抑えられる。さらに、太陽電池パネルSの前端部と後端部をそれぞれ横材5に載置して固定してあり、横材5の本数は前後に並べた太陽電池パネルSの枚数+一本で済むので、太陽電池パネルSを支持するための部品点数も少なく、コストを抑えられる。また、太陽電池パネルSを前側から順に取り付ければ、前端部を前側の受具104及び押圧具10aに引っ掛けてから、後端部を後側の押圧具10aで固定できるので、取付作業中に太陽電池パネルSが傾斜に沿って滑り落ちることがなく、作業が容易である。そして、受具104が太陽電池パネルSの前端部を位置決めするとともに、前側方向にかかる太陽電池パネルSの荷重を受け止めて確実に固定する。また、両梁材1a,1bと両柱材3a,3bの連結に用いる後側連結部材7が、アルミ押出形材からなる一体成形品なので、連結強度が高く、また単一部品により連結できるので、施工性が良好であり、さらに押出形材なので傾斜角度などを精度よく形成でき、組立精度も良好である。そして、この後側連結部材7について、傾斜角度が異なるものを複数用意しておくことで、基礎4a,4bのピッチを変化させることができる。また、両柱材3a,3bの長さと、前側連結部材6及び後側連結部材7のボルト孔の位置を変更することで、両梁材1a,1b(太陽電池パネルS)の傾斜角度を変化させることができる。さらに、桁材2がすべての梁材1a,1bを連結しているので、特に強度が高く、強風が吹きつけるような場所にも設置可能である。また、左右方向に長い太陽電池パネルSを、左右に延びる横材5で支持しており、すなわち、強度の弱い長辺部を横材5で支持することになるので、強風や積雪などによる太陽電池パネルSの変形を抑えることができる。そしてこれにより、横材5(太陽電池パネルS)を下側から支持する両梁材1a,1bの点数を少なくすることができ、かつ両梁材1a,1bをV字形の両柱材3a,3bで一つの後側基礎4bに固定するので、より基礎4a,4bのピッチを広くして、基礎4a,4bの数を少なくすることができる。なお、両梁材1a,1b、桁材2、両柱材3a,3b及び横材5などの主構造材は、すべてアルミ押出形材からなるものであるが、素材として、特に強度の高いA6N01Sなどのアルミニウム合金を用いることで、より強度を高めて、さらに基礎4a,4bのピッチを広くすることもできる。また、太陽電池パネルSは、横材5の上に載置した後、ボルトBに上側から押圧具10a,10bを挿入してナットNを締め付けるだけで固定可能であり、一連の取付作業をすべて上側から行うことができるので、施工が容易である。
【0020】
続いて、
図7に基づき、骨組構造体の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、二本の梁材1a、1bと二本の柱材3a,3bを有するものであり、この骨組構造体の最小の形態となる。第一実施形態とは、各部材の数や長さが異なるのみで、部材同士の連結構造などは同じである。基礎は前側基礎4aと後側基礎4bの二つだけで済むので、施工が非常に容易である。そして、桁材2が、左梁材1a及び右梁材1bの前側を支持して、両梁材1a,1bの中間位置で前側基礎4aに固定してあり、左柱材3a及び右柱材3bが、それぞれ左梁材1a及び右梁材1bの後側を支持し、両梁材1a,1bの中間位置で後側基礎4bに固定してあってV字形を形成しているので、必要強度を確保しつつ、太陽電池パネルSの支持可能な範囲が広いため、大きな太陽電池パネルSを支持することができ、その他、第一実施形態と同様の作用効果を奏するものである。
【0021】
続いて、
図8に基づき、骨組構造体の第三実施形態について説明する。第三実施形態は、六本の梁材1a、1bと六本の柱材3a,3bを有するものであり、第一実施形態と同じ大きさのものであるが、第一実施形態とは、桁材2が三分割されていて、それぞれの桁材2が二本の梁材1a,1bを連結している点が異なっており、一組の左梁材1a及び右梁材1bと、桁材2と、一組の左柱材3a及び右柱材3bが、支持ユニットUを構成している。そして、各支持ユニットUが左右に間隔をおいて配置してあり、横材5が各支持ユニットUに架設してある。これによれば、第一実施形態において桁材2がすべての梁材1a,1bを連結している点を除いて、第一実施形態と同様の作用効果を奏するものである。また、桁材2が短いので運搬が容易であり、施工性が良好で施工速度が速く、また、設置場所の状況に応じた基礎4a,4bのピッチ、すなわち支持ユニットU同士の間隔の変更にも容易に対応できる。さらに、骨組構造体全体の左右幅によらず、同じ長さの桁材2を複数本(支持ユニットUの数と同数)用意すればよいので、製造が容易で、コストを抑えられる。
【0022】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、梁材及び柱材は、二本一組で設けるものであり、偶数であれば何本でもよく、支持するパネルの大きさなどに応じて自由に設定できる。また、梁材と桁材又は柱材の連結部分や、桁材又は柱材と基礎の連結部分などの構造は、どのようなものであってもよい。さらに、この骨組構造体は、太陽電池パネル以外に、太陽熱温水器など、その他のパネル状の構造物の支持に用いてもよい。
【符号の説明】
【0023】
1a 左梁材
1b 右梁材
2 桁材
3a 左柱材
3b 右柱材
4a 前側基礎
4b 後側基礎
5 横材
S 太陽電池パネル(パネル)
U 支持ユニット