(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の電子写真プリンタでは、例えば、感光体ドラム、トナー担持体、2個のトナー供給ローラ各々の一端部にギヤが固着され、駆動モータの出力軸に駆動ギヤを介して感光体ドラムのギヤが連結されると共に、その感光体ドラムのギヤに、トナー担持体及び2個のトナー供給ローラ各々のギヤが適宜、中間ギヤを介して順に連結されている。これにより電子写真プリンタは、駆動モータの駆動に応じて感光体ドラムを反時計回方向へ回転させると共に、その回転に連動させて、トナー担持体及び2個のトナー供給ローラをそれぞれ時計回方向へ回転させている。
【0005】
ところが、従来の電子写真プリンタでは、このように感光体ドラムのギヤにトナー担持体及び2個のトナー供給ローラ各々のギヤを順に連結しているため、これらの回転時に例えば、感光体ドラムのギヤにかかる回転負荷が増大して当該感光体ドラムの回転速度が変動し、その結果、静電潜像に現像ムラが生じて印刷画像の品質が劣化するという問題があった。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、印刷画像の品質の劣化を防止し得る画像形成ユニット及び画像形成装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明においては
、表面に静電潜像が形成される像担持体と、像担持体上の静電潜像を表面に担持した現像剤によって現像する現像剤担持体と、像担持
体の一端側に設けられる第1駆動力伝達部と、像担持
体の他端側に設けられる第2駆動力伝達部と、第1駆動力伝達部を介して伝達される駆動力
のみを受けて動作して、現像剤担持体の表面に現像剤を供給する第1供給部と、第2駆動力伝達部を介して伝達される駆動力
のみを受けて動作して、
現像剤担持体の表面に現像剤を供給する第2供給部とを設け
、現像剤担持体を、第1駆動力伝達部又は第2駆動力伝達部の何れか一方を介して伝達される駆動力を受けて動作させるようにした。
【0008】
従って本発明では、第1供給部及び第2供給部を第1駆動力伝達部が伝達する駆動力及び第2駆動力伝達部が伝達する駆動力で動作させる分、像担持体にかかる回転負荷を低減させて、当該像担持体の回転速度の変動を抑制することができ
ると共に、
現像剤担持体を第1駆動力伝達部又は第2駆動力伝達部の何れか一方が伝達する駆動力で動作させる分、現像剤担持体にかかる回転負荷を低減させて、当該現像剤担持体の回転速度の変動を抑制して第1供給部及び第2供給部の回転速度が変動することも防止することができ、その結果、
第1供給部及び第2供給部から現像剤担持体の表面へ現像剤を的確に供給して像担持体上
の静電潜像を現像剤によって現像ムラ
を生じ
させずに的確に現像して、印刷画像の元になる現像剤画像を形成することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば
、表面に静電潜像が形成される像担持体と、像担持体上の静電潜像を表面に担持した現像剤によって現像する現像剤担持体と、像担持
体の一端側に設けられる第1駆動力伝達部と、像担持
体の他端側に設けられる第2駆動力伝達部と、第1駆動力伝達部を介して伝達される駆動力
のみを受けて動作して、現像剤担持体の表面に現像剤を供給する第1供給部と、第2駆動力伝達部を介して伝達される駆動力
のみを受けて動作して、
現像剤担持体の表面に現像剤を供給する第2供給部とを設け
、現像剤担持体を、第1駆動力伝達部又は第2駆動力伝達部の何れか一方を介して伝達される駆動力を受けて動作させることにより、第1供給部及び第2供給部を第1駆動力伝達部が伝達する駆動力及び第2駆動力伝達部が伝達する駆動力で動作させる分、像担持体にかかる回転負荷を低減させて、当該像担持体の回転速度の変動を抑制することができ
ると共に、
現像剤担持体を第1駆動力伝達部又は第2駆動力伝達部の何れか一方が伝達する駆動力で動作させる分、現像剤担持体にかかる回転負荷を低減させて、当該現像剤担持体の回転速度の変動を抑制して第1供給部及び第2供給部の回転速度が変動することも防止することができ、その結果、
第1供給部及び第2供給部から現像剤担持体の表面へ現像剤を的確に供給して像担持体上
の静電潜像を現像剤によって現像ムラ
を生じ
させずに的確に現像して、印刷画像の元になる現像剤画像を形成することができ、かくして印刷画像の品質の劣化を防止し得る画像形成ユニット及び画像形成装置を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を用いて、発明を実施するための最良の形態(以下、これを実施の形態とも呼ぶ)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1)実施の形態
(2)他の実施の形態
【0012】
(1)実施の形態
(1−1)プリンタの内部構成
図1において、1は全体として本発明による直接転写方式のモノクロ用のプリンタを示す。係るプリンタ1は、例えば、図中の左端面が正面2Aとなる略四角箱型のプリンタ筐体2を有している。因みに、以下の説明では、プリンタ1を、プリンタ筐体2の正面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印a1で示す当該プリンタ1の上の方向を、プリンタ上方向とも呼び、そのプリンタ上方向とは逆の方向を、プリンタ下方向とも呼び、これらを特に区別する必要がない場合は、まとめてプリンタ上下方向とも呼ぶ。また、以下の説明では、プリンタ1を、プリンタ筐体2の正面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印b1で示す当該プリンタ1の前の方向を、プリンタ前方向とも呼び、そのプリンタ前方向とは逆の方向を、プリンタ後方向とも呼び、これらを特に区別する必要がない場合は、まとめてプリンタ前後方向とも呼ぶ。さらに、以下の説明では、プリンタ1を、プリンタ筐体2の正面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印c1で示す当該プリンタ1の左の方向を、プリンタ左方向とも呼び、そのプリンタ左方向とは逆の方向を、プリンタ右方向とも呼び、これらを特に区別する必要がない場合は、まとめてプリンタ左右方向とも呼ぶ。
【0013】
プリンタ筐体2は、上面2Bの後端部に、印刷画像が形成された印刷媒体5を受け渡す媒体受渡部2BXと、プリンタ筐体2内から当該印刷媒体5を媒体受渡部2BXへ排出する媒体排出口2BYとが形成されている。またプリンタ筐体2内には、中央部に、印刷媒体5の表面に印刷画像を形成するための画像形成部6が配置されると共に、下端部に、複数の印刷媒体5を装填可能な媒体カセット7と、当該媒体カセット7から印刷媒体5を1枚ずつ繰り出す繰出ローラ8及び分離ローラ9とが配置されている。画像形成部6は、例えば、画像形成ユニット10と、転写ローラ11と、定着ユニット12とを有している。画像形成ユニット10は、図中に矢印d1で示す一回転方向へ回転可能に設けられた像担持体としての感光ドラム15の表面に、露光部としてのLED(Light Emitting Diode)ヘッド16により露光して静電潜像を形成し、その静電潜像を現像剤としてのブラックのトナーによって現像して現像剤画像としてのトナー画像を形成するものである。転写ローラ11は、感光ドラム15上のトナー画像を印刷媒体5に転写するものであり、表面を感光ドラム15の表面に所定の押圧力で押し付けた状態で一回転方向とは逆の他回転方向へ回転可能に設けられている。定着ユニット12は、印刷媒体5の表面にトナー画像を加熱及び加圧して定着させるものである。因みに、プリンタ筐体2内には、前下端部に、媒体カセット7から繰り出される印刷媒体5を画像形成部6へ搬送するための媒体供給用搬送路を形成する媒体供給用搬送部18が配置されている。またプリンタ筐体2内には、後上端部に、定着ユニット12から繰り出される印刷媒体5を媒体排出口2BYへ搬送するための媒体排出用搬送路を形成する媒体排出用搬送部19が配置されている。
【0014】
そしてプリンタ筐体2内には、例えば、プリンタ1全体を統括制御するマイクロプロセッサのようなプリンタ制御部(図示せず)が設けられている。プリンタ制御部は、印刷画像の形成時、プリンタ筐体2内の各部を駆動制御することで、媒体カセット7から印刷媒体5を1枚ずつ繰り出し、媒体供給用搬送路を介して画像形成部6へ搬送する。この際、プリンタ制御部は、例えば、画像データに基づく印刷対象のモノクロ画像のブラックの色成分に応じてLEDヘッド16を制御することにより画像形成ユニット10において感光ドラム15の表面に静電潜像を形成すると共に、その静電潜像をトナーによって現像してブラックのトナー画像を形成する。またプリンタ制御部は、感光ドラム15と転写ローラ11とにより印刷媒体5を搬送しながら、感光ドラム15の表面からトナー画像を印刷媒体5の表面に転写した後、定着ユニット12により当該印刷媒体5の表面にトナー画像を定着させてモノクロの印刷画像を形成し、その印刷媒体5を、媒体排出用搬送路を介して媒体排出口2BYまで搬送して媒体受渡部2BXへ排出する。
【0015】
(1−2)画像形成ユニットの構成
次いで、画像形成ユニット10の構成を具体的に説明する。
図2及び
図3に示すように、画像形成ユニット10は、ユニット本体部20とトナーカートリッジ21とが設けられている。ユニット本体部20は、例えば、筐体本体22Aの左右に左側板22B及び右側板22Cが設けられて略J字箱型に形成されたユニット筐体22を有している。そしてユニット筐体22は、筐体本体22Aから左側板22B及び右側板22Cの前上端部が前斜め上側へ張り出している。トナーカートリッジ21は、例えば、トナー収容部21Aの下前端部にトナー回収部21Bが一体に設けられ、当該トナー収容部21Aの後端部をトナー回収部21B上から後側に突出させる略T字箱型の外観を有するように形成されている。トナー収容部21Aは、未使用のトナーを収容するものであり、後端部の下面中央部に、トナー供給口21AXが穿設されている。またトナー収容部21Aは、左側壁及び右側壁によりトナー撹拌部(図示せず)をプリンタ左右方向と平行にしたシャフトを介して、後端部内で一回転方向へ回転可能に支持している。さらにトナー撹拌部は、例えば、トナー収容部21Aの右側壁の内側で、シャフトの右端部にギヤ(以下、これを撹拌部ギヤとも呼ぶ)23が固着されている。そしてトナー収容部21Aは、後端部の下面右端部にギヤ連結用孔部21AYが穿設され、そのギヤ連結用孔部21AYを介して撹拌部ギヤ23の下側部分を露出させている。またトナー回収部21Bは、感光ドラム15の表面から除去されるトナーを回収トナーとして収容するものである。そして画像形成ユニット10は、ユニット筐体22の左側板22Bの前上端部及び右側板22Cの前上端部の間にトナー収容部21Aの後端部を差し込むようにして、ユニット本体部20にトナーカートリッジ21が着脱可能に装着されている。これにより画像形成ユニット10は、トナー収容部21Aからトナーを、トナー供給口21AXを介してユニット筐体22の前端部内に供給している。
【0016】
図4に示すように、ユニット筐体22の筐体本体22Aは、上面中央の溝部22AXの底にスリット22AYが形成されると共に、底板において当該溝部22AXとの対向位置に開口部22AZが形成されている。そしてユニット筐体22は、筐体本体22Aの溝部22AX内に、上述したLEDヘッド16が配置されている。またユニット筐体22は、左側板22B及び右側板22Cにより感光ドラム15をプリンタ左右方向と平行にしたシャフト15Aを介して一回転方向へ回転可能に支持して、筐体本体22A内の中央部で当該感光ドラム15の表面において上側部分をスリット22AYと対向させると共に、下側部分を開口部22AZから外部へ突出させている。これによりユニット筐体22は、LEDヘッド16が発射する露
光光をスリット22AYに通して感光ドラム15の表面における上側の位置に照射可能にしている。因みに、以下の説明では、感光ドラム15の表面における露光光の照射位置を、露光位置とも呼ぶ。また感光ドラム15の表面において開口部22AZから外部へ突出する下側部分には、印刷媒体5の表面へのトナー画像の転写用に、上述した転写ローラ11の表面が押し付けられている。よって、以下の説明では、感光ドラム15の表面における転写ローラ11の押付位置を、転写位置とも呼ぶ。
【0017】
これに加えてユニット筐体22には、感光ドラム15の表面を静電潜像形成用に帯電させる帯電部としての帯電ローラ25、感光ドラム15の表面の静電潜像をトナーによって現像する現像剤担持体としての現像ローラ26、及び現像ローラ26の表面にトナーを供給する現像剤供給部としての第1供給ローラ27及び第2供給ローラ28も設けられている。すなわち、ユニット筐体22は、左側板22B及び右側板22Cにより帯電ローラ25をプリンタ左右方向と平行にしたシャフト25Aを介して他回転方向へ回転可能に支持して、筐体本体22A内の後端部で感光ドラム15の表面の露光位置よりも回転方向の上流側の所定位置に当該帯電ローラ25の表面を押し付けている。因みに、以下の説明では、感光ドラム15の表面における帯電ローラ25の押付位置を、帯電位置とも呼ぶ。またユニット筐体22は、左側板22B及び右側板22Cにより現像ローラ26をプリンタ左右方向と平行にしたシャフト26Aを介して他回転方向へ回転可能に支持して、筐体本体22A内の前端部で感光ドラム15の表面の露光位置よりも回転方向の下流側で、かつ転写位置よりも回転方向の上流側の所定位置に当該現像ローラ26の表面を押し付けている。なお、感光ドラム15の表面における現像ローラ26の押付位置は、当該感光ドラム15の表面の静電潜像を現像ローラ26の表面からトナーを転移させて現像するための位置である。よって、以下の説明では、感光ドラム15の表面における現像ローラ26の押付位置を、現像位置とも呼び、当該現像ローラ26の表面における感光ドラム15への押付位置を、トナー転移位置とも呼ぶ。
【0018】
さらにユニット筐体22は、左側板22B及び右側板22Cにより第1供給ローラ27をプリンタ左右
方向と平行にしたシャフト27Aを介して他回転方向へ回転可能に支持して、筐体本体22A内の前端部で現像ローラ26の表面のトナー転移位置よりも回転方向の上流側に当該第1供給ローラ27の表面を押し付けている。さらにまたユニット筐体22は、左側板22B及び右側板22Cにより第2供給ローラ28もプリンタ左右
方向と平行にしたシャフト28Aを介して他回転方向へ回転可能に支持して、筐体本体22A内の前端部で現像ローラ26の表面における第1供給ローラ27の押付位置よりも回転方向の上流側で、かつトナー転移位置よりも回転方向の下流側に当該第2供給ローラ28の表面を押し付けている。なお、現像ローラ26の表面における第1供給ローラ27の押付位置及び第2供給ローラ28の押付位置は、当該第1供給ローラ27及び第2供給ローラ28によりトナーが供給される位置である。よって、以下の説明では、現像ローラ26の表面における第1供給ローラ27の押付位置及び第2供給ローラ28の押付位置を、第1供給位置及び第2供給位置とも呼ぶ。
【0019】
因みに、ユニット筐体22は、筐体本体22A内の前端部に設けられたブレード支持部30に現像剤厚規制部としてのトナーブレード31の根元部が固定され、当該トナーブレード31の先端部を現像ローラ26の表面のトナー転移位置よりも回転方向の上流側で、かつ第1供給位置よりも回転方向の下流側の所定位置に押し付けている。またユニット筐体22は、筐体本体22A内の後端部に、感光ドラム15の表面からトナー画像の転写の際に残留したトナーを回収トナーとして除去するクリーニングブレード32が設けられ、当該クリーニングブレード32の先端部を感光ドラム15の表面の帯電位置よりも回転方向の上流側で、かつ転写位置よりも回転方向の下流側の所定位置に押し付けている。なお、ユニット筐体22は、クリーニングブレード32により感光ドラム15の表面から除去した回収トナーを、図示しない回収トナー搬送路、及び回収トナー搬送体を介してトナーカートリッジ21のトナー回収部21Bへ搬送可能に構成されている。ところで、ユニット筐体22は、プリンタ筐体2内に設けられた駆動モータから付与される駆動力を、後述する第1駆動力伝達部及び第2駆動力伝達部により感光ドラム15、現像ローラ26、第1供給ローラ27、第2供給ローラ28、及び上述したトナー撹拌部に伝達して、これらを一回転方向や他回転方向へ回転させることができる。またユニット筐体22は、帯電ローラ25、現像ローラ26、第1供給ローラ27及び第2供給ローラ28各々のシャフト25A、26A、27A、28Aに、プリンタ筐体2内に設けられた、対応する電源が電気的に接続される。
【0020】
よって画像形成ユニット10は、印刷画像の形成時、駆動モータの動作に応じて感光ドラム15を一回転方向へ回転させると共に、現像ローラ26、第1供給ローラ27及び第2供給ローラ28を他回転方向へ回転させる。また画像形成ユニット10は、感光ドラム15の一回転方向への回転に連動させてトナー撹拌部を一回転方向へ回転させることで、トナー収容部21Aからトナーを撹拌しながらユニット筐体22の前端部内に供給している。さらに画像形成ユニット10は、感光ドラム15に帯電ローラ25が押し付けられているため、その帯電ローラ25を感光ドラム15の一回転方向への回転に応じて他回転方向へ連れ回すように回転させる。これに加えて画像形成ユニット10は、帯電ローラ25、現像ローラ26、第1供給ローラ27及び第2供給ローラ28のシャフト25A、26A、27A、28Aにそれぞれ対応する電源から所定の電圧値の直流電圧が印加される。これにより画像形成ユニット10は、感光ドラム15を一回転方向へ回転させながら、帯電ローラ25により当該感光ドラム15の表面を静電潜像形成用の所定の電位に帯電させると共に、その表面の帯電部分を、LEDヘッド16が発射する露光光によって露光して静電潜像を形成する。また画像形成ユニット10は、この際、現像ローラ26と共に回転している第1供給ローラ27及び第2供給ローラ28それぞれにより当該現像ローラ26の表面にトナーを帯電させながら供給して担持させると共に、トナーブレード31により現像ローラ26の表面から所定の厚み以上の余分なトナーを取り除くようにして、その厚みを規制する。そして画像形成ユニット10は、現像ローラ26の表面のトナーにより感光ドラム15の表面の静電潜像を現像して、当該感光ドラム15の表面にトナー画像を形成する。なお、転写ローラ11は、例えば、シャフトに電源から所定の電圧値の直流電圧が印加されている。よって転写ローラ11は、この際、感光ドラム15と共に印刷媒体5を搬送しながら、当該印刷媒体5の表面に感光ドラム15の表面からトナー画像を転写させることができる。
【0021】
(1−3)画像形成ユニットの第1及び第2駆動力伝達部の構成
次いで、
図5乃至
図7を用いて、画像形成ユニット10に設けられた第1駆動力伝達部35及び第2駆動力伝達部36の構成について説明する。
図5及び
図6に示すように、第1駆動力伝達部35は、感光ドラム15、現像ローラ26、第1供給ローラ27のシャフト15A、26A、27Aの右端部に固着された第1ドラムギヤ40、現像ローラギヤ41、第1供給ローラギヤ42を有している。また第1駆動力伝達部35は、上述したトナー撹拌部の撹拌部ギヤ23(
図5には図示せず)も有している。さらに第1駆動力伝達部35は、例えば、ユニット筐体22の右側板22Cにより現像ローラ26の近傍から前斜め上側におけるトナー収容部21Aの近傍までに亘り、第1乃至第4右側中間ギヤ43乃至46を順に各々のシャフト43A乃至46Aを介して一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。そして第1駆動力伝達部35は、第1ドラムギヤ40に現像ローラギヤ41を歯合させ、その現像ローラギヤ41に第1右側中間ギヤ43を歯合させている。また第1駆動力伝達部35は、第1右側中間ギヤ43に第1供給ローラギヤ42及び第2右側中間ギヤ44を個別に歯合させ、その第2右側中間ギヤ44に第3右側中間ギヤ45を歯合させている。さらに第1駆動力伝達部35は、第3右側中間ギヤ45に第4右側中間ギヤ46を歯合させると共に、その第4右側中間ギヤ46に、ギヤ連結用孔部21AYを介して撹拌部ギヤ23を歯合させている。またプリンタ筐体2は、上述した駆動モータ47の出力軸に駆動ギヤ48が固着されると共に、駆動伝達用中間ギヤ49を一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持し、その駆動ギヤ48に駆動伝達用中間ギヤ49を歯合させている。そして第1駆動力伝達部35は、その駆動伝達用中間ギヤ49に第1ドラムギヤ40を歯合させている。
【0022】
このようにして第1駆動力伝達部35は、画像形成ユニット10の右端部に設けられ、駆動モータ47から駆動ギヤ48及び駆動伝達用中間ギヤ49を順次介して付与される駆動力を第1ドラムギヤ40で受けて現像ローラギヤ41及び現像ローラ26へ伝達し、さらに当該現像ローラギヤ41から第1供給ローラギヤ42及び第1供給ローラ27へ伝達すると共に、第1乃至第4右側中間ギヤ43乃至46を順次介して撹拌部ギヤ23及びトナー撹拌部へ伝達する第1駆動力伝達経路を形成している。よって第1駆動力伝達部35は、駆動モータ47が動作して出力軸と共に駆動ギヤ48が一回転方向へ回転すると、これに応じて駆動伝達用中間ギヤ49が他回転方向へ回転することで、第1ドラムギヤ40と共に感光ドラム15を一回転方向へ回転させると共に、その回転に連動させて現像ローラギヤ41と共に現像ローラ26を他回転方向へ回転させることができる。また第1駆動力伝達部35は、現像ローラギヤ41の他回転方向への回転に連動させて第1右側中間ギヤ43を一回転方向へ回転させ、その回転に連動させて第1供給ローラギヤ42と共に第1供給ローラ27を他回転方向へ回転させることができると共に、第2右側中間ギヤ44も他回転方向へ回転させる。さらに第1駆動力伝達部35は、第2右側中間ギヤ44の他回転方向への回転に連動させて第3右側中間ギヤ45を一回転方向へ回転させると共に、その回転に連動させて第4右側中間ギヤ46を他回転方向へ回転させ、かくして第4右側中間ギヤ46の回転に連動させて撹拌部ギヤ23と共にトナー撹拌部を一回転方向へ回転させることができる。
【0023】
また
図5及び
図7に示すように、第2駆動力伝達部36は、感光ドラム15、第2供給ローラ28のシャフト15A、28Aの左端部に固着された第2ドラムギヤ50、第2供給ローラギヤ51を有している。また第2駆動力伝達部36は、例えば、ユニット筐体22の左側板22Bにより感光ドラム15の近傍から第2供給ローラ28の近傍までに亘り、第1乃至第4左側中間ギヤ52乃至55を順に各々のシャフト52A乃至55Aを介して一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。そして第2駆動力伝達部36は、第2ドラムギヤ50に第1左側中間ギヤ52を歯合させ、その第1左側中間ギヤ52に第2左側中間ギヤ53を歯合させている。また第2駆動力伝達部36は、第2左側中間ギヤ53に第3左側中間ギヤ54を歯合させ、その第3左側中間ギヤ54に第4左側中間ギヤ55を歯合させ、さらに第4左側中間ギヤ55に第2供給ローラギヤ51を歯合させている。このようにして第2駆動力伝達部36は、画像形成ユニット10の左端部に設けられ、駆動モータ47から第1ドラムギヤ40に付与された駆動力を第2ドラムギヤ50から第1乃至第4左側中間ギヤ52乃至55を順次介して第2供給ローラギヤ51及び第2供給ローラ28へ伝達する第2駆動力伝達経路を形成している。
【0024】
よって第2駆動力伝達部36は、駆動モータ47が動作して出力軸と共に駆動ギヤ48が一回転方向へ回転すると、これに応じて第1ドラムギヤ40及び感光ドラム15と共に第2ドラムギヤ50も一回転方向へ回転することで、その回転に連動させて第1左側中間ギヤ52を他回転方向へ回転させる。また第2駆動力伝達部36は、その第1左側中間ギヤ52の他回転方向への回転に連動させて第2左側中間ギヤ53を一回転方向へ回転させると共に、その回転に連動させて第3左側中間ギヤ54を他回転方向へ回転させる。さらに第2駆動力伝達部36は、第3左側中間ギヤ54の他回転方向への回転に連動させて第4左側中間ギヤ55を一回転方向へ回転させると共に、その回転に連動させて第2供給ローラギヤ51と共に第2供給ローラ28を他回転方向へ回転させることができる。因みに、以下の説明では、第1駆動力伝達部35により形成される第1駆動力伝達経路、及び第2駆動力伝達部36により形成される第2駆動力伝達経路において、駆動力を付与する駆動モータ47側を、駆動力伝達上流側とも呼び、その駆動力を伝達する先の側を、駆動力伝達下流側とも呼ぶ。
【0025】
ここで、従来の電子写真プリンタによれば、感光体ドラムの1個のギヤに他の全てのギヤを連結している。よって従来の電子写真プリンタによれば、仮に本実施の形態のように感光ドラム15の回転に連動させて現像ローラ26、第1供給ローラ27、第2供給ローラ28及びトナー撹拌部を回転させるための駆動力伝達部(以下、これを従来駆動力伝達部とも呼ぶ)を形成すると、その従来駆動力伝達部において例えば、第1ドラムギヤ40に現像ローラギヤ41を歯合させ、当該現像ローラギヤ41に中間ギヤを介して第1供給ローラギヤ42を連結すると共に、その第1供給ローラギヤ42に中間ギヤを介して第2供給ローラギヤ51も連結し、さらに現像ローラギヤ41に複数の中間ギヤを介して撹拌部ギヤ23も連結すると考えられる。そして従来の電子写真プリンタによれば、従来駆動力伝達部により1個の第1ドラムギヤ40に他の全ての現像ローラギヤ41、第1供給ローラギヤ42、第2供給ローラギヤ51、撹拌部ギヤ23を連結するため、駆動モータ47の動作に応じて感光ドラム15と共に現像ローラ26、第1供給ローラ27、第2供給ローラ28、トナー撹拌部を回転させた際、第1ドラムギヤ40にかかる回転負荷が増大して感光ドラム15の回転速度が変動することになる。これに対して本実施の形態による画像形成ユニット10では、駆動モータ47から付与される駆動力を第1駆動力伝達部35の第1ドラムギヤ40で受けるものの、第1駆動力伝達部35及び第2駆動力伝達部36により現像ローラギヤ41、第1供給ローラギヤ42、第2供給ローラギヤ51、撹拌部ギヤ23を、現像ローラギヤ41、第1供給ローラギヤ42及び撹拌部ギヤ23と、第2供給ローラギヤ51とに分けて第1ドラムギヤ40や第2ドラムギヤ50に連結している。このため画像形成ユニット10では、駆動モータ47の動作に応じて感光ドラム15と共に現像ローラ26、第1供給ローラ27、第2供給ローラ28、トナー撹拌部を回転させた際、第1ドラムギヤ40にかかる回転負荷を従来駆動力伝達部に比して例えば、2割程度低減させることができ、その結果、当該第1ドラムギヤ40と一体化している感光ドラム15の回転速度が変動することを防止することができる。
【0026】
ところで、一般的に複数のギヤを順に連結して形成される駆動力の伝達経路では、これら複数のギヤのうちギヤ径が小さく、また駆動力伝達下流側で連結される他のギヤの個数が多いギヤ程、そのギヤにかかる回転負荷が大きくなる傾向にある。そして画像形成ユニット10では、感光ドラム15の直径に比して、現像ローラ26や第1供給ローラ27、第2供給ローラ28の直径が小さく、これらの直径に応じて現像ローラギヤ41や第1供給ローラギヤ42、第2供給ローラギヤ51のギヤ径が第1ドラムギヤ40及び第2ドラムギヤ50のギヤ径に対して小さく選定されている。このため従来駆動力伝達部では、仮にこのようなギヤ径の構成を適用すると、上述した傾向から、現像ローラギヤ41にかかる回転負荷が比較的大きくなり、その結果、現像ローラギヤ41と一体化している現像ローラ26の回転速度が変動する共に、その影響で第1供給ローラ27や第2供給ローラ28の回転速度も変動することになる。このため本実施の形態による画像形成ユニット10では、第1駆動力伝達部35及び第2駆動力伝達部36により駆動力の伝達経路を2系統の第1駆動力伝達経路及び第2駆動力伝達経路に分岐させるにあたり、第1供給ローラギヤ42及び第2供給ローラギヤ51を第1駆動力伝達経路及び第2駆動力伝達経路に分けて配置することで、現像ローラギヤ41に第2供給ローラギヤ51は連結せずに第1供給ローラギヤ42を連結している。よって画像形成ユニット10では、第1駆動力伝達部35において現像ローラギヤ41にかかる回転負荷を低減させて、現像ローラ26の回転速度の変動を抑制し得ると共に、その現像ローラ26の回転速度の変動が影響して第1供給ローラ27及び第2供給ローラ28各々の回転速度が変動することも防止することができる。
【0027】
また画像形成ユニット10では、上述したように現像ローラ26を感光ドラム15の表面の現像位置にトナー転移位置を押し付けて配置すると共に、第2供給ローラ28を現像ローラ26の表面のトナー転移位置よりも回転方向の上流側の第2供給位置に押し付けて配置し、さらに第1供給ローラ27を現像ローラ26の表面の第2供給位置よりも回転方向の下流側(すなわち、トナー転移位置側)の第1供給位置に押し付けて配置している。よって画像形成ユニット10では、このような感光ドラム15、現像ローラ26、第1供給ローラ27及び第2供給ローラ28の配置位置に応じて、第1駆動力伝達経路及び第2駆動力伝達経路のうち、第1供給ローラギヤ42が配置された当該第1駆動力伝達経路に現像ローラギヤ41も配置している。すなわち、画像形成ユニット10では、仮に第1駆動力伝送経路に現像ローラギヤ41を配置せずに第1供給ローラギヤ42を配置すると、第1ドラムギヤ40に当該第1供給ローラギヤ42を連結するための中間ギヤを例えば、現像ローラ26及び第2供給ローラ28の配置位置を迂回して配置しなければならず、このような連結用の中間ギヤが少なくとも5個以上必要になる。また画像形成ユニット10では、仮に第2駆動力伝送経路に現像ローラギヤ41及び第2供給ローラギヤ51を配置すると、その現像ローラギヤ41に第2供給ローラギヤ51を連結するための中間ギヤを感光ドラム15の配置位置を避け、かつ現像ローラ26及び第1供給ローラ27の配置位置を迂回して配置しなければならず、このような連結用の中間ギヤがやはり少なくとも5個以上必要になる。しかしながら、画像形成ユニット10は、第1駆動力伝達経路に第1供給ローラギヤ42と共に現像ローラギヤ41を配置することで、これらを連結する中間ギヤを
図6に示した1個の第1右側中間ギヤ43のみのように極力少なくすることができる。また画像形成ユニット10は、第2駆動力伝達経路に現像ローラギヤ41を配置せずに第2供給ローラギヤ51を配置することで、第2ドラムギヤ50に当該第2供給ローラギヤ51を連結するための中間ギヤを、
図7に示した4個の第1乃至第4左側中間ギヤ52乃至55のみのように極力少なくすることができる。
【0028】
ところで、画像形成ユニット10では、例えば、駆動ギヤ48に対する第1ドラムギヤ40のギヤ比が適宜選定され、感光ドラム15を例えば、130[mm/sec]程度の線速度で一回転方向へ回転させている。また画像形成ユニット10では、例えば、第1ドラムギヤ40に対する現像ローラギヤ41、第1供給ローラギヤ42、第2供給ローラギヤ51それぞれのギヤ比が適宜選定されている。よって画像形成ユニット10では、現像ローラ26を例えば、感光ドラム15の線速度よりも速い156[mm/sec]程度の線速度で他回転方向へ回転させると共に、第1供給ローラ27を例えば、当該現像ローラ26の線速度よりも遅い109[mm/sec]程度の線速度で他回転方向へ回転させ、さらに第2供給ローラ28を例えば、第1供給ローラ27の線速度よりも遅い101[mm/sec]程度の線速度で他回転方向へ回転させている。また画像形成ユニット10では、現像ローラ26の表面においてトナー転移位置よりも回転方向の上流側の第2供給位置に第2供給ローラ28を所定の供給ローラ押圧力で押し付けていると共に、当該第2供給位置よりも回転方向の下流側の第1供給位置に第1供給ローラ27を同様の供給ローラ押圧力で押し付けている。これにより画像形成ユニット10は、印刷画像の形成時、現像ローラ26を第1供給ローラ27及び第2供給ローラ28と共に他回転方向へ回転させると、当該現像ローラ26の表面を第2供給ローラ28の表面に対して摺動させて所定の第2ローラ摩擦力を生じさせると共に、第1供給ローラ27の表面に対しも摺動させて第2ローラ摩擦力よりも大きい所定の第1ローラ摩擦力を生じさせている。そして画像形成ユニット10では、現像ローラ26の表面を第1供給ローラ27の表面及び第2供給ローラ28の表面に対して摺動させた場合、これらの表面間に生じる摩擦力が大きいほど、第1供給ローラ27の表面及び第2供給ローラ28の表面から現像ローラ26の表面に供給するトナーの量を多くし得ると共に、当該トナーの帯電電位を大きくすることができる。よって画像形成ユニット10は、この際、第2供給ローラ28の表面から第2ローラ摩擦力に応じて所定の量のトナーを所定の帯電電位に帯電させながら現像ローラ26の表面の第2供給位置に供給するものの、第1供給ローラ27の表面からは第1ローラ摩擦力に応じて第2供給ローラ28の場合よりも量の多いトナーを、より大きい帯電電位に帯電させながら、現像ローラ26の表面の第2供給位置よりもトナー転移位置に近い第1供給位置に供給している。すなわち、画像形成ユニット10は、現像ローラ26の表面を第1供給位置よりも回転方向のトナー転移位置側でトナーブレード31に対して摺動させて、この位置でもトナーを、その厚みを規制しつつ摩擦により帯電させてはいるものの、第1供給ローラ27の表面からトナーを、厚みを規制しても現像用に量が不足することなく、また現像ローラ26の表面に第1供給位置からトナー転移位置まで担持されている間に現像用の帯電電位よりも減衰しないように供給している。
【0029】
そして画像形成ユニット10では、上述したように仮に第1駆動力伝送経路に現像ローラギヤ41を配置せずに第1供給ローラギヤ42を配置して、第1ドラムギヤ40に当該第1供給ローラギヤ42を連結するための中間ギヤの個数が比較的多くなると、これら複数の中間ギヤ同士の歯のガタが第1供給ローラギヤ42と共に第1供給ローラ27の回転速度を変動させることになる。しかしながら、画像形成ユニット10は、上述もしたが、第1駆動力伝達経路に第1供給ローラギヤ42と共に現像ローラギヤ41を配置して、これらを極力少ない個数の中間ギヤを介して連結するため、第1供給ローラギヤ42と一体化している第1供給ローラ27の回転速度が変動することを防止することができる。また画像形成ユニット10では、上述したように仮に第2駆動力伝送経路に現像ローラギヤ41及び第2供給ローラギヤ51を配置して、当該現像ローラギヤ41に第2供給ローラギヤ51を連結するための中間ギヤの個数が比較的多くなった場合も、これら複数の中間ギヤ同士の歯のガタが第2供給ローラギヤ51と共に第2供給ローラ28の回転速度を変動させることになる。しかしながら、画像形成ユニット10は、第2駆動力伝達経路に現像ローラギヤ41は配置せずに第2供給ローラギヤ51を配置して、その第2供給ローラギヤ51を第2ドラムギヤ50に極力少ない個数の中間ギヤを介して連結するため、第2供給ローラギヤ51と一体化している第2供給ローラ28の回転速度が変動することを防止することができる。そして画像形成ユニット10は、このように第1供給ローラ27及び第2供給ローラ28の回転速度の変動を抑制し得る分、これらの回転速度の変動が影響して現像ローラ26の回転速度が変動することを防止することもできる。
【0030】
(1−4)実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、プリンタ1では、画像形成ユニット10に感光ドラム15を、そのシャフト15Aを中心にして一回転方向へ回転可能に設けると共に、現像ローラ26、第1供給ローラ27、第2供給ローラ28各々を、これらのシャフト26A、27A、28Aを中心にして他回転方向へ回転可能に設けた。またプリンタ1では、画像形成ユニット10に、感光ドラム15のシャフト15Aの右端部に第1供給ローラ27のシャフト27Aの右端部を連結して、その感光ドラム15、現像ローラ26、第1供給ローラ27及び第2供給ローラ28の回転用の駆動力を感光ドラム15のシャフト15Aの右端部で受けて当該右端部から第1供給ローラ27のシャフト27Aの右端部へ伝達する第1駆動力伝達部35を設けると共に、感光ドラム15のシャフト15Aの左端部に第2供給ローラ28のシャフト28Aの左端部を連結して、第1駆動力伝達部35が感光ドラム15のシャフト15Aの右端部で受けた駆動力を当該感光ドラム15のシャフト15Aの左端部から第2供給ローラ28のシャフト28Aの左端部へ伝達する第2駆動力伝達部36を設けた。そしてプリンタ1は、印刷画像の形成時、第1駆動力伝達部35が感光ドラム15のシャフト15Aの右端部で受けた駆動力により当該感光ドラム15及び第1供給ローラ27を回転させ、第2駆動力伝達部36が当該駆動力により第2供給ローラ28を回転させた。
【0031】
以上の構成によれば、プリンタ1は、第1駆動力伝達部35及び第2駆動力伝達部36が伝達する駆動力により感光ドラム15、現像ローラ26、第1供給ローラ27及び第2供給ローラ28を回転させる際、感光ドラム15にかかる回転負荷を低減させて、当該感光ドラム15の回転速度の変動を抑制することができる。その結果、プリンタ1は、感光ドラム15の表面に静電潜像をトナーによって現像ムラが生じることなく現像してトナー画像を形成することができ、そのトナー画像をもとに形成する印刷画像において品質が劣化することを防止することができる。
【0032】
またプリンタ1は、画像形成ユニット10の第1駆動力伝達部35により感光ドラム15のシャフト15Aの右端部に、現像ローラ26のシャフト26Aの右端部、第1供給ローラ27のシャフト27Aの右端部を順に連結して、感光ドラム15のシャフト15Aの右端部で受けた駆動力を当該右端部から現像ローラ26のシャフト26Aの右端部及び第1供給ローラ27のシャフト27Aの右端部へ順次伝達するようにした。従ってプリンタ1は、現像ローラ26のシャフト26Aの右端部に、第1供給ローラ27のシャフト27Aの右端部及び第2供給ローラ28のシャフト28Aの右端部のうち、一方の第1供給ローラ27のシャフト27Aの右端部のみを連結する分、現像ローラ26にかかる回転負荷を低減させて、当該現像ローラ26の回転速度の変動を抑制し得ると共に、その現像ローラ26の回転速度の変動が影響して第1供給ローラ27及び第2供給ローラ28各々の回転速度が変動することも防止することができる。これによりプリンタ1は、第1供給ローラ27の表面及び第2供給ローラ28の表面から現像ローラ26の表面へトナーを的確に供給し得ると共に、その現像ローラ26の表面のトナーにより感光ドラム15の表面の静電潜像を的確に現像することができる。
【0033】
さらにプリンタ1は、画像形成ユニット10において現像ローラ26の表面のトナー転移位置よりも回転方向の上流側に第2供給ローラ28を配置すると共に、第1供給ローラ27を第2供給ローラ28よりも現像ローラ26の回転方向の下流側となるトナー転移位置寄りに配置するようにした。よってプリンタ1は、画像形成ユニット10の第1駆動力伝達部35により現像ローラ26のシャフト26Aの右端部としての現像ローラギヤ41に第1供給ローラ27のシャフト27Aの右端部としての第1供給ローラギヤ42を連結するために必要となる中間ギヤの個数を極力減らして、その中間ギヤのガタにより第1供給ローラギヤ42と共に第1供給ローラ27の回転速度が変動することを防止することができ、その結果、第1供給ローラ27の表面から現像ローラ26の表面へトナーをさらに的確に供給することができる。またプリンタ1は、第2駆動力伝達部36により感光ドラム15のシャフト15Aの左端部としての第2ドラムギヤ50に第2供給ローラ28のシャフト28Aの左端部としての第2供給ローラギヤ51を連結するために必要となる中間ギヤの個数も極力減らして、その中間ギヤのガタにより第2供給ローラギヤ51と共に第2供給ローラ28の回転速度が変動することを防止することができ、その結果、第2供給ローラ28の表面から現像ローラ26の表面へもトナーをさらに的確に供給することができる。そしてプリンタ1は、第1駆動力伝達部35において現像ローラギヤ41に第1供給ローラギヤ42を連結するための中間ギヤの個数を極力減らせる分、当該第1駆動力伝達部35の構成を簡易化することができる。またプリンタ1は、第2駆動力伝達部36において第2ドラムギヤ50に第2供給ローラギヤ51を連結するための中間ギヤの個数を極力減らせる分、当該第2駆動力伝達部36の構成を簡易化することができる。これによりプリンタ1は、画像形成ユニット10に、第1駆動力伝達部35と共に第2駆動力伝達部36を設けるものの、当該画像形成ユニット10の構成が著しく煩雑化することを回避し得ると共に、当該画像形成ユニット10が大型化することも合わせて回避することができ、その結果、プリンタ1自体も構成が著しく煩雑化し、また大型化することを回避するこ
とができる。
【0034】
(2)他の実施の形態
(2−1)他の実施の形態1
なお上述した実施の形態においては、画像形成ユニット10の右端部に第1駆動力伝達部35を設けると共に、左端部に第2駆動力伝達部36を設けるようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、画像形成ユニット10の右端部に第2駆動力伝達部36を設けると共に、左端部に第1駆動力伝達部35を設けるようにしても良い。また本発明は、第1駆動力伝達部35を第2乃至第4右側中間ギヤ44乃至46と共に撹拌部ギヤ23を設けずに形成し、第2駆動力伝達部36を撹拌部ギヤ23と共に、これを例えば、第3左側中間ギヤ54に連結する複数の中間ギヤを設けて形成するようにしても良い。さらに本発明は、第1駆動力伝達部35及び第2駆動力伝達部36の少なくとも一方を、上述したトナー撹拌部以外の他の1又は複数のトナー撹拌部のギヤを適宜、中間ギヤと共に設けて形成しても良い。
【0035】
(2−2)他の実施の形態2
また上述した実施の形態においては、本発明による画像形成ユニットを、
図1乃至
図7について上述した画像形成ユニット10に適用するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、3個以上の供給ローラが設けられた画像形成ユニットや、2個以上のトナー撹拌部が設けられた画像形成ユニット等のように、この他種々の構成の画像形成ユニットに広く適用することができる。
【0036】
(2−3)他の実施の形態3
さらに上述した実施の形態においては、本発明による画像形成装置を、
図1乃至
図7について上述したプリンタ1に適用するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、カラー画像形成用に複数の画像形成ユニットが設けられたプリンタや、1又は複数の画像形成ユニットが設けられたMFP(Multi-Function Peripheral)、ファクシミリ、複合機、複写機等のように、この他種々の構成の画像形成装置に広く適用することができる。
【0037】
(2−4)他の実施の形態4
さらに上述した実施の形態においては、像担持体のシャフトの一端側に設けられる第1駆動力伝達部して、
図1乃至
図7について上述した第1駆動力伝達部35を適用するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、像担持体のシャフトの一端部や第1供給部のシャフトの一端部等の連結対象の少なくとも一部を、歯付きプーリ及びベルトを介して連結する第1駆動力伝達部のように、この他種々の構成の第1駆動力伝達部を広く適用することができる。
【0038】
(2−5)他の実施の形態5
さらに上述した実施の形態においては、像担持体のシャフトの他端側に設けられる第2駆動力伝達部として、
図1乃至
図7について上述した第2駆動力伝達部36を適用するようにした場合について述べた。しかしながら本発明は、これに限らず、像担持体のシャフトの他端部や第2供給部のシャフトの他端部等の連結対象の少なくとも一部を、歯付きプーリ及びベルトを介して連結する第2駆動力伝達部のように、この他種々の構成の第2駆動力伝達部を広く適用することができる。