(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1導通経路および第2導通経路は、前記基板本体の表面と裏面との間、該基板本体の表面に開口する前記キャビティの底面と基板本体の裏面との間、該基板本体の裏面に開口するキャビティの底面と基板本体の裏面の間を貫通するビア導体と、あるいは、上記基板本体の表面の周辺側から該基板本体の側面を経て該基板本体の裏面の周辺側に至る側面導体の何れかを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の配線基板。
【背景技術】
【0002】
例えば、セラミック多層基板の表面に開口するキャビティ内に全固体二次電池を搭載し、上記セラミック多層基板の裏面に開口するキャビティ内にリアルタイムクロックICを搭載し、該リアルタイムクロックICと上記全固体二次電池とを上下2つのキャビティの底面同士間を貫通する内部導体を介して導通すると共に、各キャビティの開口部を個別に封止部材によって封止するリアルタイムクロックモジュールが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記リアルタイムクロックモジュールによれば、補助電源の液漏れによるリアルタイムクロックICの精度低下や損傷を防げると共に、当該リアルタイムクロックモジュールを小型化することも可能となる。
【0003】
しかし、前記リアルタイムクロックモジュールのように、同じセラミック多層基板に設けた2つのキャビティに、異なる電子素子を互いに導通させて個別に搭載した後、各キャビティの開口部を封止部材により封止すると、個々の電子素子の搭載時における搭載不良や、個々のキャビティの封止不良が生じることがある。
例えば、2つ目に搭載する電子素子が搭載不良、あるいは封止不良となった場合、既に1つ目に適正に搭載し且つ封止した電子素子も不良品となるため、コスト高になる。しかも、複数のキャビティに個別に搭載した複数の電子素子が互いに導通するため、一方の電子素子の不良により、他方の正常な電子素子まで使用できなくなる場合も生じる。更に、複数のキャビティごとの開口部を封止部材により封止するため、全体の組み立て工数が増加し且つコスト高を招来し易くなる、などという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、絶縁材からなる基板本体の表面上、あるいは該基板本体の表面および裏面の少なくとも一方の開口するキャビティ内ごとに、複数の電子部品を少ない工数および低コストにより精度良く確実に実装できると共に、小型化も容易な配線基板を提供する、ことを課題とする。
【0006】
本発明は、前記課題を解決するため、絶縁材からなる基板本体の表面上、あるいは該基板本体の表面および裏面の少なくとも一方の開口するキャビティ内ごとに、追って個別に実装する複数の電子部品を、上記基板本体内においては互いに電気的には接続しない、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の配線基板(請求項1)は、絶縁材からなり、平面視が矩形状の表面および裏面と、該表面と裏面との間に位置する四辺の側面とを有する基板本体と、該基板本体の表面および裏面の少なくとも一方に開口し、且つ底面とその周辺から垂設した側壁とからなるキャビティと、上記基板本体の裏面に形成された複数組の裏面電極と、上記基板本体の表面および上記キャビティの底面に形成された複数の実装用電極と、を備え
る配線基板であって、上記基板本体の厚み方向に沿って形成され、該基板本体の表面、あるいは上記キャビティの底面に形成された複数の実装用電極と基板本体の裏面に形成された1組の裏面電極との間を導通する第1導通経路と、上記基板本体の表面、あるいは上記キャビティの底面に形成された複数
の実装用電極と上記基板本体の裏面に形成された他の組の裏面電極との間を導通する第2導通経路とが、互いに電気的に独立している
と共に、
上記基板本体の表面における電子部品の実装領域あるいは該表面に開口する第1キャビティと、該基板本体の裏面に開口する第2キャビティとは、平面視において少なくとも両者の一部が重複している、ことを特徴とする。
【0007】
これによれば、前記基板本体の表面、あるいは前記キャビティの底面の何れかに形成された複数の実装用電極と基板本体の裏面に形成された1組の裏面電極との間を導通する第1導通経路と、上記基板本体の表面、あるいは上記キャビティの底面の何れかに形成された複数
の実装用電極と上記基板本体の裏面に形成された他の組の裏面電極との間を導通する第2導通経路とが、互いに電気的に独立して形成されている。そのため、以下の効果(1)〜(3)を発揮できる。
(1)前記基板本体の表面や、基板本体の表面および裏面の少なくとも一方に開口したキャビティの底面に形成された複数の実装用電極に対し、それぞれ追って電子部品を個別に実装しても、個々に実装不良や性能不良の検査が確実にできる。
(2)実装される電子部品同士が互いに性能不良などの電気的な悪影響を与えないので、精度良く実装することができ且つコスト高を抑制することができる。
(3)同種または異種である複数の電子部品を同じ基板本体に実装するため、本配線基板全体の小型化も容易となる。
しかも、前記基板本体の表面における電子部品の実装領域あるいは該表面に開口する第1キャビティと、該第1キャビティの底面あるいは基板本体の裏面に開口する第2キャビティとは、平面視において互いに重複しているか、少なくとも一部が重複している。そのため、平面視における基板本体全体のサイズを抑制して、該基板本体の小型化を一層図ることができる(前記効果(3))。
上記の各電子部品は、予め、電子素子を封止したものである。
【0008】
尚、前記基板本体を形成する絶縁材は、セラミックまたは樹脂である。該セラミックには、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライトなどの高温焼成セラミック、あるいは、ガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックが含まれ、上記樹脂には、例えば、エポキシ系樹脂などが含まれる。
また、前記基板本体は、平坦なセラミック層または樹脂層と、これらの表面側および裏面側の少なくとも一方に積層した平面視が矩形枠状のセラミック層または樹脂層とから構成される。当該基板本体には、例えば、絶縁材からなる基板本体の表面と裏面との間に複数の導通経路を併有する中継基板を適用しても良い。
更に、前記裏面電極、実装用電極、第1導通経路および第2導通経路は、前記基板本体が高温焼成セラミックからなる場合には、W、Mo、Cuなどからなり、記基板本体が低温焼成セラミックあるいは樹脂からなる場合には、Cu、Agなどからなるものが適用される。
【0009】
また、前記第1導通経路および第2導通経路は、本配線基板が搭載されるプリント基板などのマザーボード内の回路を通じて互いに導通することが可能である。
更に、前記基板本体の表面、および前記キャビティの底面に形成された複数の被実装用電極は、それぞれ密封性を有する電子部品を実装するものである。
加えて、本発明の配線基板は、例えば、基板本体の表面、該表面に開口するキャビティの底面、および基板本体の裏面に開口するキャディの底面に、それぞれ複数の実装用電極が形成され、これらの実装用電極と、基板本体の裏面に形成された3組の複数ずつの裏面電極との間を、電気的に互いに独立した第1〜第3導通経路を介して電気的に接続した形態としても良く、同様にして、4箇所以上の実装領域と、4つ以上の導通経路とを併有する形態とすることも可能である。
【0010】
また、本発明には、前記基板本体の表面、および前記キャビティの底面に形成された複数
の実装用電極に実装される電子部品は、電池あるいはキャパシタである、配線基板(請求項2)も含まれる。
これによれば、前記効果(1)〜(3)に加え、本配線基板が搭載されるプリント基板などのマザーボードの表面上に別途搭載され且つ半導体素子を実装した別の配線基板やパワーモジュールなどに対して、必要な電力を個別に供給をできる(効果(4))。
尚、前記電池やキャパシタも、予め、電子素子を封止した電子部品である。
【0011】
尚、前記基板本体の表面における電子部品の実装領域あるいは第1キャビティは、平面視で第2キャビティの全体を一部に含んで重複する形態であっても良い。
また、前記電子素子が密止されている電子部品には、例えば、電池、電気二重層キャパシタ(蓄電池)装置、水晶振動子装置、あるいは圧電素子装置なども含まれる。
【0012】
また、本発明には、前記基板本体の表面、および前記キャビティの底面に形成された複数
の実装用電極は、該表面および底面の少なくとも一箇所において、同種または異種である複数の電子部品を実装することが可能である、配線基板(請求項
3)も含まれる。
これによれば、前記効果(1)〜(3)などに加え、互いに同様な電池あるいはキャパシタ同士を実装したり、例えば、電気二重層キャパシタと圧電素子とを実装するなど、任意の組み合わせで複数の電子部品を実装できる(効果(5))。
【0013】
加えて、本発明には、前記第1導通経路および第2導通経路は、前記基板本体の表面と裏面との間、該基板本体の表面に開口する前記キャビティの底面と基板本体の裏面との間、該基板本体の裏面に開口するキャビティの底面と基板本体の裏面の間を貫通するビア導体と、あるいは、上記基板本体の表面の周辺側から該基板本体の側面を経て該基板本体の裏面の周辺側に至る側面導体の何れかを含んで構成されている、配線基板(請求項
4)も含まれる。
これによれば、前記第1導通経路および第2導通経路は、前記基板本体内部の厚み方向に沿った全部を貫通するビア導体、または上記基板本体の側面の厚み方向の全部に沿って形成した側面導体により構成されている。あるいは、基板本体内部の一部を貫通するビア導体を含むか、または上記基板本体の側面の厚み方向に沿った一部に形成した側面導体を含んで形成されている。そのため、上記第1導通経路および第2導通経路を、互いに短絡させず、電気的に独立した形態として容易に形成することが可能となる。
尚、前記第1導通経路および第2導通経路は、前記ビア導体の軸方向の中間にセラミック層間に形成した内部配線層が介在した形態、あるいは、ビア導体と側面導体との間に上記内部配線層が介在した形態であっても良い。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明
の前提となる参考形態の配線基板1aを示す平面図、
図2は、
図1中のX−X線の矢視にほぼ沿った垂直断面図、
図3は、配線基板1aの底面図、
図4は、2つの電子部品24,26を実装した状態を示す概略図である。
上記配線基板1aは、
図1〜
図3に示すように、全体が板状で表面3および裏面4を有する基板本体2aと、該基板本体2aの表面3に開口するキャビティC1と、上記基板本体2aの裏面4に形成された2組で複数ずつの裏面電極8,9と、上記表面3に形成された一対の実装用電極10と、上記キャビティC1の底面6に形成された4個(複数)の実装用電極12と、を備えている。
上記基板本体2aの表面3に形成された一対の実装用電極10と、基板本体2aの裏面4に形成された1組の裏面電極8とは、第1導通経路L1を介して導通されている。一方、上記キャビティC1の底面6に形成された複数の実装用電極12と、基板本体2aの裏面4に形成された他の組の裏面電極9とは、第2導通経路L2を介して導通されている。そして、上記第1導通経路L1と第2導通経路L2とは、互いに電気的に独立している。
【0016】
前記基板本体2aは、例えば、アルミナなどの高温焼成セラミックからなるセラミック層c1〜c5を一体に積層したもので、平面視が長方形(矩形)状の表面3および裏面4と、かかる表面3と裏面4との間に位置する四辺の側面5とを有する。図示のように、隣接する側面5同士間のコーナ部ごとには平面視で円弧形の円弧壁5aが形成され、短辺の側面5ごとの中間および長辺の側面5ごとの中間には、底面視が半楕円形状である凹部5bをセラミック層c2〜c5の厚み方向に沿って1個ずつあるいは2個ずつ形成されている。尚、上記円弧壁5aと凹部5bとは、複数の基板本体2aを平面視で縦横に併設していた製造時の多数個取り基板の形態において、隣接する4個の基板本体2aの各コーナ部に穿設した円形の貫通孔を4等分し、あるいは、隣接する2個の基板本体2aの境界(切断面)に沿って穿設した楕円形の貫通孔を2等分した跡が残ったものである。
【0017】
また、
図1,
図2に示すように、前記基板本体2aの表面3の中央側に開口するキャビティC1は、平面視が長方形(矩形)状で且つ各コーナがカーブした底面6と、該底面6の周辺から表面3側に垂設した側壁7とからなる。
更に、
図3に示すように、前記基板本体2aの裏面4には、底面視で、該裏面4で対向する一対の短辺側に比較的大きな矩形状を呈する一対で1組の裏面電極8と、上記裏面4で対向する一対の長辺側に比較的小さな矩形状を呈する二対で1組(他の組)の裏面電極9とが形成されている。
また、
図1に示すように、前記基板本体2aの表面3であって前記キャビティC1を挟んで対向する一対の短辺側には、平面視で比較的大きな長方形(矩形)状を呈する一対で1組の実装用電極10が形成され、上記キャビティC1の底面6には、該底面6のコーナ側ごとに平面視が正方形(矩形)状を呈する4個で1組(他の組)の実装用電極12が形成されている。
尚、一対の実装用電極10の外形に沿って基板本体2aの表面3に形成される実装領域は、平面視で前記キャビティC1の全部を含む形態にて重複している。
【0018】
更に、前記第1導通経路L1は、
図2中の左右に示すように、
図2で左側の実装用電極10と裏面電極8との間を導通するため、セラミック層c1〜c5を厚み方向に沿って貫通するビア導体11と、
図2で右側の実装用電極10と右側の裏面電極8との間を導通するため、セラミック層c1を貫通するビア導体11、該ビア導体11の下端に接続し且つセラミック層c1,c2間に形成された内部配線層14、および該配線層14の外端に上端が接続し且つ下端が右側の実装用電極10に接続するよう前記凹部5bの内壁面に沿って形成された側面導体13との2種類の導通経路を含有している。
加えて、前記第2導通経路L1は、
図2,
図4の中央側にて破線で示すように、前記キャビティC1の底面6に形成された4個の実装用電極12と、4個の前記裏面電極8との間を個別に導通するため、セラミック層c4を貫通するビア導体16、セラミック層c4,c5間に形成された内部配線層14、および前記凹部5aごとの内壁面に形成された側面導体15からなる4つの導通経路を有する。
尚、前記裏面電極8,9、実装用電極10,12、ビア導体11,16、内部配線層14、および側面導体13,15は、主にW、Mo、Agなどからなるが、前記セラミック層c1〜c5がガラス−セラミックなどの低温焼成セラミックあるいはエポキシなどの樹脂からなる場合には、主にAg、Cuなどからなる。
【0019】
図4は、前記配線基板1aにおいて、基板本体2aの表面3上に電気二重層キャパシタ(電子素子を封止した電子部品、以下も同じ)24を実装し、前記キャビティC1内に水晶振動子(電子部品)26を実装した状態を示す。具体的な実装方法は、先にキャビティC1の底面6に位置する4個の実装用電極12ごとの上方にAgロウなどからなるロウ材17を介して水晶振動子26を実装した後、上記実装用電極12ごとと前記第2導通経路L2を介して導通する裏面電極9,9間に通電して、上記水晶振動子26の性能の適否を検査する。次いで、上記表面3に位置する一対の実装用電極10の上方に上記ロウ材17を介して電気二重層キャパシタ26をキャビティC1を跨ぐようにロウ材17を介して実装した後、上記実装用電極10ごとと前記第1導通経路L1を介して導通する裏面電極8,8間に通電して、上記電気二重層キャパシタ26の性能の適否を検査した。
尚、上記電気二重層キャパシタ24と水晶振動子26とは、予め、それぞれ封止性を有しているものである。
【0020】
前記のような
参考形態の配線基板1aによれば、前記基板本体2aの表面3に形成された一対の実装用電極10と基板本体2aの裏面4に形成された一対で1組の裏面電極8との間を導通する第1導通経路L1と、上記表面3に開口する前記キャビティC1の底面6に形成された4個
の実装用電極12と基板本体2aの裏面4に形成された4個からなる他の組の裏面電極9との間を導通する第2導通経路とL2が、互いに電気的に独立して形成されている。そのため、以下の効果(1)〜(5)を奏することができる。
(1)前記基板本体2aの表面3に形成された実装用電極10と、基板本体2aの表面3に開口したキャビティC1の底面6に形成された実装用電極12に対し、それぞれ追って前記電気二重層キャパシタ24と水晶振動子26とを個別に実装しても、個々に実装不良や性能不良の検査が容易で且つコスト高を抑制できる。
(2)実装される電気二重層キャパシタ24と水晶振動子26とが、互いに性能不良などの電気的な悪影響を与えないので、精度良く実装することができ且つコスト高を抑制できる。
(3)互いに異種の電気二重層キャパシタ24と水晶振動子26とを同じ基板本体2aに平面視で重複して実装するため、配線基板2aの小型化も容易となる。
(4)本配線基板1aが搭載されるプリント基板などのマザーボードの表面上に別途搭載された半導体素子を実装した別の配線基板や、上記マザーボードの表面上に別途搭載されたパワーモジュールなどに対し、必要な電力を供給をできる。
(5)前記電気二重層キャパシタ24および水晶振動子26のように、互いに異種の電子部品を任意の組み合わせにより自在に実装することができる。
【0021】
図5は、前記
参考形態の配線基板1aの応用形態である配線基板1bの概略を示す垂直断面図である。
上記配線基板1bは、
図5に示すように、前記同様のセラミック層c1〜c7を積層してなり、前記同様の表面3、裏面4、および側面5を有する基板本体2bと、該基板本体2bの表面3に開口する前記同様の第1キャビティC1と、該第1キャビティC1の底面6aにおける中央部に開口し且つ前記同様の底面6bと側面7bとを有する第2キャビティC2と、上記基板本体2bの裏面4に形成された2組の複数ずつの裏面電極8,9と、上記第1キャビティC1の底面6aに形成された複数の実装用電極10と、上記第2キャビティC2の底面6bに形成された複数の実装用電極12と、を備えている。
【0022】
図5に示すように、前記複数の実装用電極10と、1組の複数の裏面電極8とは、前記セラミック層c3〜c7を厚み方向に沿って貫通し且つ第1導通経路L1を構成する複数のビア導体11を介して導通している。一方、前記複数の実装用電極12と、他の組である複数の裏面電極9とは、前記セラミック層c6,c7を厚み方向に沿って貫通し且つ第2導通経路L2を構成する複数のビア導体16を介して導通している。かかる第1導通経路L1および第2導通経路L2も、互いに電気的に独立している。
図5に示すように、前記第2キャビティC2の底面6bに形成された複数の実装用電極12の上側には、前記同様のロウ材17を介して水晶振動子26が実装され、前記第1キャビティC1の底面6aに形成された複数の実装用電極10の上側には、ロウ材17を介して電気二重層キャパシタ24が実装される。
【0023】
以上のような配線基板1bによれば、前記効果(1)〜(5)を同様に奏し得ると共に、第1キャビティC1の側壁7aおよび表面3を含むセラミック製の枠部によって、前記電気二重層キャパシタ24を物理的に防護することもできる。
尚、前記基板本体2bの表面3に前記とは別個の複数の実装用電極を更に形成し、該別個の実装用電極の上に前記とは同種または異種の電子部品を前記同様にして実装すると共に、上記別個の実装用電極と前記基板本体2bに形成する側面導体およびその下端側に接続する外部接続端子からなる第3導通経路を更に配設することで、3個の電子部品を第1〜第3導通経路を介して互いに独立して、基板本体2bの裏面側に導通可能とした配線基板1xを提供することも可能である。
【0024】
図6は、本発明
による一形態の配線基板1cの概略を示す垂直断面図である。
上記配線基板1cは、
図6に示すように、前記同様のセラミック層c1〜c3を積層してなり、前記同様の表面3、裏面4、および側面5を有する基板本体2cと、該基板本体2cの裏面4に開口し、且つ底面視が矩形状の天井面(底面)6と、該天井面6の周辺から裏面4側に垂設された側壁7とを有するキャビティC2と、上記基板本体2cの裏面4に形成された前記同様の2組で複数ずつの裏面電極8,9と、上記基板本体2cの表面3に形成された前記同様の複数の実装用電極10と、上記キャビティC2の天井面(底面)6に形成された複数の実装用電極18と、を備えている。
【0025】
前記複数の実装用電極10は、上記裏面4に前記同様に形成された1組の複数の裏面電極8と、第1導通経路L1のビア導体11を介して導通されている。
一方、前記複数の実装用電極18は、それらの外端側からセラミック層c2,c3間に延び出た内部配線層19と、その外端側に接続する前記同様のビア導体16とからなる第2導通経路L2を介して、他の組の裏面電極9と導通されている。更に、上記第1導通経路L1および第2導通経路L2も、前記同様に互いに電気的に独立している。追って、複数の実装用電極10の上側には、電気二重層キャパシタ24が、複数の実装用電極18の下側には、水晶振動子26がそれぞれ前記同様に実装される。
以上のような配線基板1cによっても、前記効果(1)〜(5)を同様に奏し得ることに加え、前記基板本体2cの厚みを可及的に薄くすることも可能となる。
【0026】
図7は、
本発明の異なる配線基板1dの概略を示す垂直断面図である。
上記配線基板1dは、
図7に示すように、前記同様のセラミック層c1〜c5を積層してなり、前記同様の表面3、裏面4、および側面5を有する基板本体2cと、該基板本体2cの表面3に開口する平面視が比較的広い第1キャビティC1と、基板本体2cの裏面4に開口する底面視が比較的狭い第2キャビティC2と、上記第1キャビティC1の底面6に形成された複数の実装用電極10と、上記第2キャビティC2の天井面(底面)6に形成された前記同様の複数の実装用電極18と、上記基板本体2cの裏面4に形成された複数ずつの2組の裏面電極8,9と、を備えている。
尚、上記第1キャビティC1と第2キャビティC2とは、平面視において、後者の全体が前者の一部と重複している。
【0027】
また、前記複数の実装用電極10は、それらの外端側からセラミック層c2,c3間に延び出た内部配線層21と、その外端側に接続する前記同様のビア導体11とからなる第1導通経路L1を介して、1組の裏面電極8と導通されている。
一方、前記複数の実装用電極18は、前記同様の第2導通経路L2を介して、他の組の裏面電極9と導通されている。そして、上記第1導通経路L1とおよび第2導通経路L2も、前記同様に互いに電気的に独立している。
図7に示すように、追って、複数の実装用電極10の側上には、電気二重層キャパシタ24が、複数の実装用電極12の下側には、水晶振動子26が前記同様に実装される。
以上のような
本発明の配線基板1dによっても、前記効果(1)〜(5)を同様に奏し得ることに加え、第1キャビティC1内と第2キャビティC2内ごとに個別に実装される前記のような2種類の電子部品を物理的に防護することも容易となる。
【0028】
図8は、
本発明の更に異なる形態の配線基板1eの概略を示す垂直断面図である。
上記配線基板1eは、
図8に示すように、前記同様のセラミック層c1〜c4を積層してなり、前記同様の表面3、裏面4、および側面5を有する基板本体2eと、該基板本体2eの裏面4における一辺側に開口するキャビティC2と、上記基板本体2cの裏面4に形成された複数ずつの2組の裏面電極8,9と、上記基板本体2cの表面3に形成された複数ずつの2組の実装用電極10,20と、上記キャビティC2の天井面(底面)6に形成された複数の実装用電極22と、を備えている。該実装用電極22は、セラミック層c2,c3間に沿って延びる内部配線層23を外側ごとに有している。
尚、基板本体2eの表面3に形成された複数の実装用電極10全体の外形に沿って構成される実装領域と、基板本体2eの裏面4に開口するキャビティC2とは、平面視において、後者の全体が前者の一部と重複している。
【0029】
前記実装用電極10,22と裏面電極8とは、第1導通経路L1を介して導通されている。即ち、第1導通経路L1は、セラミック層c1,c2間に位置する内部配線層14と前記内部配線層23、あるいは該内部配線層23のみを中間に挟んだ複数のビア導体11により構成されている。
一方、前記実装用電極20と裏面電極9とは、一部に前記同様の内部配線層14を中間に挟んだビア導体16により構成される第2導通経路L2を介して、互いに導通されている。そして、上記第1導通経路L1および第2導通経路L2も、互いに電気的に独立している。
図8に示すように、追って、複数の前記実装用電極10の上側には、電気二重層キャパシタ24が、複数の前記実装用電極22の下側には、例えば、変圧素子または平滑コンデンサ(電子部品)25が、更に、複数の前記実装用電極20の上側には、水晶振動子26が前記同様にして実装される。
以上のような配線基板1eによっても、前記効果(1)〜(5)を同様に奏し得、更に、同じ導通経路L1に接続される2箇所以上の実装用電極ごとに複数の電子部品を個別に実装し、これらの性能同士を協業をさせることもできる。
【0030】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記基板本体は、例えば、エポキシ系などの樹脂層を複数層一体に積層した形態としたり、あるいは該多層樹脂基板の一部にセラミック層またはメタル層を内蔵した形態としても良い。
また、前記基板本体は、例えば、前記キャビティを有し、且つ前記のような複数のビア導体を表面と裏面との間に並列して貫通する中継基板を適用しても良い。
更に、前記キャビティは、前記基板本体の表面および裏面の少なくとも一方に複数個を併設した形態としたり、上記基板本体の裏面に底面視のサイズが大小のキャビティを2段以上厚み方向に沿って連続して併設した形態としても良い。
【0031】
また、前記第1および第2導通経路は、互いに接続しない内部配線層と側面導体とからなる形態としても良い。このうち、側面導体は、基板本体の側面に設けた凹部の内壁面に形成する形態に限らず、該側面に直に形成した形態でも良い。
更に、前記実装用電極に実装される電子部品は、圧電素子(部品)でも良い。
加えて、前記実装用電極に実装される電子部品は、温度補償型水晶発振器、電圧制御水晶発振器、温度補償型電圧制御水晶発振器、温度槽付水晶発振器、温度槽付電圧制御水晶発振器、マイコン補償水晶発振器、デジタル型温度補償発振器、あるいは、アナログ型温度補償発振器などとしても良い。