(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記グラフィック形状の少なくとも1つで表される前記解剖学的関心領域(202,204,234,236,238)が治療領域である、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(10)。
前記グラフィック形状の少なくとも1つで表される前記解剖学的関心領域(202,204,234,236,238)が副作用領域である、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(10)。
前記1つ又はそれ以上の解剖学的基準点が、後交連点、前交連点、及び中間交連点のうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項6に記載のシステム(10)。
前記メモリ(82)は、それぞれ解剖学的関心領域を表す前記複数の事前設定グラフィック形状(202,204)を格納する、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(10)。
前記ユーザインタフェース(72,74)は、前記ユーザが2次元グラフィック形状を描くことを可能にすることによって前記ユーザが別のグラフィック形状(236,238)を定義できるように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(10)。
前記描かれた2次元形状から3次元グラフィック形状を外挿するように構成されたプロセッサ(80)を更に備える、ことを特徴とする請求項12に記載のシステム(10)。
前記ユーザインタフェース(72,74)は、前記ユーザが別の装置からグラフィック形状をインポートすることを可能にすることによって前記ユーザが別のグラフィック形状を定義できるように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(10)。
前記ユーザインタフェース(72,74)は、前記ユーザがブール関数を複数の事前設定グラフィック形状(230,232)の少なくとも2つに適用することを可能にすることによって前記ユーザが別のグラフィック形状を定義し、前記別のグラフィック形状(234)を生成するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(10)。
前記ユーザインタフェース(72,74)は、前記1つ又はそれ以上の電極(26)の表現に対して前記ユーザが前記選択されるグラフィック形状の位置を定義できるように更に構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(10)。
前記ユーザインタフェース(72,74)は、前記ユーザが前記選択されるグラフィック形状のサイズを変更できるように更に構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(10)。
前記ユーザインタフェース(72,74)、メモリ(82)、出力回路(86)、及びコントローラ(80)を含む外部制御装置(18)を更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム(10)。
【背景技術】
【0002】
埋込み可能神経刺激システムは、広範な病気及び疾患の治療効果を明らかにしている。ペースメーカー及び「埋込み可能心臓除細動器(ICD)」は、幾つかの心臓の病気(例えば、不整脈)の処置において非常に有効であることを明らかにしている。「脊髄刺激(SCS)」システムは、慢性疼痛症候群の処置のための治療法として長い間受け入れられており、組織刺激の適用は、狭心症及び失禁のような付加的な用途に広がり始めている。更に、近年の調査では、「末梢神経刺激(PNS)」システムは、慢性疼痛症候群及び失禁の処置において有効性を明らかにしており、幾つかの付加的な用途は現在調査中である。本明細書に開示されたより本発明に関連するものとして、「脳深部刺激(DBS)」は、わずかに数例を挙げれば、「パーキンソン病(PD)」、本態性振戦、ジストニア、及びてんかんを含む神経疾患の処置のために10年以上治療的に適用されている。DBS(脳深部刺激)を用いた病気の処置を説明する更なる詳細は、米国特許第6,845,267号、及び米国特許第6,950,707号明細書に開示されている。
【0003】
これらの埋込み可能神経刺激システムの各々は、典型的には、望ましい刺激部位に埋込まれる刺激リードを担持する1つ又はそれ以上の電極と、刺激部位から遠隔に埋込まれ、神経刺激リードに直接的又はリード延長部を介して神経刺激リードに間接的に結合される神経刺激器とを含む。単一の刺激リードは、異なるサイズの電極を収容することができる。神経刺激システムは更に、手持ち式外部制御装置を含み、選択された電気刺激パラメータに従って電気刺激パルスを発生させるように神経刺激器に対して遠隔的に命令することができる。
【0004】
電気刺激エネルギは、電気パルス波形の形態で神経刺激器から電極に送出することができる。従って、刺激エネルギは、電極に制御可能に送出されて、組織を刺激することができる。ターゲット組織に電気パルスを送出するのに使用する電極の組合せは、アノード(正)、カソード(負)、及び/又はオフのまま(ゼロ)として作用するように選択的にプログラムすることができる電極により電極組合せを構成する。換言すると、電極組合せは、正、負、又はゼロである極性を表している。制御又は変更することができる他のパラメータは、電極アレイを通じて提供される電気パルスの振幅、幅、及び繰返し数を含む。各電極組合せは、その電気パルスパラメータと共に「刺激パラメータセット」と呼ぶことができる。
【0005】
一部の神経刺激システム、特に独立して制御された電流及び/又は電圧源を有する神経刺激システムでは、電極(電極として作用することができる神経刺激器の場合を含む)への電流の分配は、電流が多数の異なる電極構成を通じて供給されるように変更することができる。異なる構成において、電極は、正及び負の電流又は電圧の異なる相対百分率で電流又は電圧を提供し、異なる電流分配(すなわち、分割電極組合せ)を生成することができる。
【0006】
上記で概略的に述べたように、外部制御装置を使用して、選択刺激パラメータに従って電気刺激パルスを発生させるように神経刺激器に命令することができる。典型的には、神経刺激器内にプログラムされた刺激パラメータは、ユーザが外部ユーザ制御装置の制御を操作することによって調節され、神経刺激システムによって患者に提供される電気刺激を調整することができる。従って、外部制御装置によってプログラムされた刺激パラメータに従って、電気パルスは、神経刺激器から刺激電極に送出され、刺激パラメータのセットに従ってある容積の組織を刺激又は活性化し、望ましい効果的な治療を患者に提供することができる。最良の刺激パラメータセットは、典型的には、刺激される非ターゲット組織の量を最小にしながら、治療利益(例えば、疼痛の治療)を提供するために、刺激する必要がある組織の容積に刺激エネルギを送出するものになる。典型的な刺激パラメータセットは、アノード又はカソードとして作用する電極、並びに刺激パルスの振幅、持続期間、及び繰返し数を含むことができる。
【0007】
刺激パラメータの選択を可能にするために、臨床医は、一般的に、コンピュータプログラムシステムによって外部制御装置を、及び適用可能な場合には神経刺激器をプログラムする。このプログラムシステムは、内蔵型ハードウェア/ソフトウェアシステムとすることができ、又は標準パーソナルコンピュータ(PC)で作動するソフトウェアによって主に定めることができる。PC(パーソナルコンピュータ)又はカスタムハードウェアは、神経刺激器によって発生する電気刺激の特性を能動的に制御して、最適刺激パラメータを患者フィードバック又は他の手段に基づいて決定し、その後に最適電気刺激パラメータによって外部制御装置をプログラムするのを可能にすることができる。
【0008】
電極リードが患者内に埋込まれると、コンピュータプログラムシステムを使用して、電気刺激を加えてリード及び/又は電極の配置を試験するように神経刺激器に命令し、これによってリード及び/又は電極が患者内の有効な位置に埋込まれることを確実にすることができる。リードが正しく位置決めされると、ナビゲーションセッションと呼ばれる場合がある調整手順が、コンピュータプログラムシステムを使用して実施され、疾患又は疼痛部位に最も良く対処する刺激パラメータのセットを用いて外部制御装置を、及び適用可能な場合には神経刺激器をプログラムすることができる。
【0009】
神経刺激器(例えば、運動性疾患を治療するためのDBS刺激器)のプログラム処理は、完了までに数ヶ月にわたって多くのプログラムセッションを受ける場合がある労力及び時間集約的なプロセスになる可能性がある。一部の運動性疾患センターは、必要とされる多数の患者プログラムセッションをセンターが管理することができない理由から、DBSについて患者の照会を控える場合がある。現在、神経刺激器プログラムシステムは、神経刺激器プログラムプロセス(例えば、米国特許第7,346,382号明細書を参照)において支援するためにユーザが物理的解剖構造及び刺激場を可視化することを可能にするように開発されている。しかしながら、場合によっては、特有の刺激治療に関係している解剖構造は、「刺激ターゲット」を精密且つ正確に表さない可能性がある。例えば、パーキンソン病(PD)の重症例のDBS(脳深部刺激)では、一部の研究者らは、視床下核(STN)自体全体が刺激ターゲットではなく、STNのサブセクションが正しい刺激ターゲットであると主張している。反対に、他の研究者らは、フォーレル野が重症PDを治療するための正しい刺激ターゲットであると主張し、更に別の研究者らは、不確帯が正しい刺激ターゲットであると主張している。
【0010】
他の従来技術のDBS刺激技術は、集団調査からのデータの分析に基づいて刺激ターゲット領域を選択する。これらのDBS技術はまた、神経刺激器のプログラム中にターゲット領域をユーザプログラム作成器によって可視化することを可能にする。しかしながら、上述のように、場合によっては、全ての研究者が、特定の刺激治療に対する特有の解剖学的ターゲット領域について一致しているとは限らない。従って、全ての研究者らが集団調査からのデータから得られた特有の刺激治療に対して特定のターゲット領域に一致する可能性は極めて低い。恐らくは、個々の研究者は、解剖領域を特定の刺激治療に対する刺激ターゲットとして使用すべきであることに関して独自の理論を有するであろう。
【0011】
従って、ユーザがより柔軟な方式で刺激ターゲット領域を定めることを可能にする、神経刺激システムに対する必要性が依然としてある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明は、脳深部刺激(DBS)システムに関する。しかしながら、本発明は、DBS(脳深部刺激)における適用に好適であるが、本発明は、その最も広い態様においてそのように限定されるものではない点を理解すべきである。むしろ、本発明は、組織を刺激するのに使用されるあらゆるタイプの埋込み可能電気回路と共に使用することができる。例えば、本発明は、ペースメーカー、除細動器、蝸牛刺激器、網膜刺激器、協働四肢運動を生じるように構成された刺激器、皮質刺激器、脊髄刺激器、末梢神経刺激器、超小型刺激器、又は尿失禁、睡眠時無呼吸、肩関節亜脱臼、頭痛、その他を処置するように構成された他の何れかの神経刺激器の一部として使用することができる。
【0024】
最初に
図1を参照すると、例示的なDBS(脳深部刺激)神経刺激システム10は、一般的に、少なくとも1つ(この場合には2つ)の埋込み可能刺激リード12と、埋込み可能パルス発生器(IPG)14の形態の神経刺激器と、外部遠隔コントローラRC16と、臨床医用プログラム作成器(CP)18と、外部試験刺激器(電極ETS)20と、外部充電器22とを含む。
【0025】
IPG14は、1つ又はそれ以上の経皮的リード延長部24を介して神経刺激リード12に物理的に接続され、神経刺激リード12は、アレイ状に配列された複数の電極26を担持する。図示の実施形態では、神経刺激リード12は、経皮的リードであり、この目的のために、電極26は、神経刺激リード12に沿って直線状に配置することができる。代替の実施形態では、電極26は、例えば、大脳皮質刺激が望ましい場合には、単一パドルリード上に2次元パターンで配列することができる。以下でより詳細に説明するように、IPG14は、パルス発生回路を含み、該パルス発生回路は、パルス電気波形すなわち、時間的に連続した電気パルスの形態の電気刺激エネルギを刺激パラメータのセットに従って電極アレイ26に送出する。
【0026】
ETS20はまた、経皮的リード延長部28及び外部ケーブル30を介して神経刺激リード12に物理的に接続することができる。IPG14と同様のパルス発生回路を有するETS20はまた、パルス電気波形の形態の電気刺激エネルギを刺激パラメータのセットに従って電極アレイ26に送出する。ETS20とIPG14の間の大きな違いは、ETS20が、神経刺激リード12が埋込まれた後で且つIPG14の埋込み前に試験的に使用され、提供されることになっている刺激の反応性を試験する非埋込み型装置であるという点である。従って、IPG14に関して本明細書に説明するあらゆる機能は、ETS20に関して同様に実施することができる。
【0027】
RC16を使用して、双方向RF通信リンク32を介してETS20を遠隔測定制御することができる。IPG14及び刺激リード12が埋込まれると、RC16を使用して、双方向RF通信リンク34を介してIPG14を遠隔測定制御することができる。このような制御により、IPG14をターンオン又はオフにし、異なる刺激パラメータセットでプログラムすることを可能にする。IPG14はまた、プログラムされた刺激パラメータを修正し、IPG14によって出力された電気刺激エネルギの特性を能動的に制御するように作動させることができる。以下でより詳細に説明するように、CP18は、手術室及び経過観察セッションにおいてIPG14及びETS20をプログラムするための臨床医用の詳細な刺激パラメータを提供する。
【0028】
CP18は、IR通信リンク36を介し、RC16を通してIPG14又はETS20と間接的に通信することによりこの機能を実施することができる。或いは、CP18は、RF通信リンク(図示せず)を介してIPG14又はETS20と直接的に通信することができる。また、CP18によって提供された臨床医の詳細な刺激パラメータを用いてRC16をプログラムし、刺激パラメータを独立モード(すなわち、CP18の支援なしに)のRC16の作動により後で修正できるようになる。
【0029】
外部充電器22は、誘導リンク38を介してIPG14を経皮的に充電するのに使用する携帯用装置である。簡略化の目的で、外部充電器22の詳細は本明細書では説明しない。外部充電器の例示的な実施形態の詳細は、米国特許第6,895,280号明細書に開示されている。IPG14がプログラムされ、その電源が外部充電器22によって充電されるか又は補充されると、IPG14は、RC16又はCP18の存在なしにプログラムされた通りに機能することができる。
【0030】
図2を参照すると、IPG14は、電子部品又は他の構成要素(以下で更に詳細に説明する)を収納する外側ケース40と、神経刺激リード12の近位端が電極26を外側ケース40内の内部電子部品(以下で更に詳細に説明する)に電気的に結合させるように嵌合するコネクタ42とを含む。延長部28は、典型的には、IPG14と神経刺激リード12との間に接続されるが、延長部28は、簡潔にするために
図2には示されていない。外側ケース40は、チタンのような導電性の生体適合性材料で構成され、内部電子部品が身体組織及び体液から保護される気密区画を形成する。場合によっては、外側ケース40は、電極として機能することができる。
【0031】
神経刺激リード12の各々は、細長い円筒形リード本体43を含み、電極26は、リード本体43の周りに装着されたリング電極の形態を有する。神経刺激リード12のうちの1つは、8つの電極26(E1〜E8で表記)を有し、他の神経刺激リード12は、8つの電極26(E9〜E16で表記)を有する。リード及び電極の実際の数及び形状は、勿論、目的とする用途に応じて異なることになる。
【0032】
経皮刺激リードを製造する構成及び方法を説明する更なる詳細は、米国特許第8,019,439号及び第7,650,184号明細書に開示されている。
【0033】
上記で概略的に述べたように、IPG14は、バッテリと、IPG14の中にプログラムされた刺激パラメータのセットに従ってパルス電気波形の形態の電気刺激エネルギを電極アレイ26に送出するパルス発生回路とを含む。このような刺激パラメータは、ノード(正)及びカソード(負)として活性化され、更にオフ(ゼロ)にされる電極を定める電極組合せ、各電極(分割電極構成)に割り当てられた刺激エネルギのパーセント、及び電気パルスパラメータを含むことができ、該電気パルスパラメータは、パルス振幅(IPG14が一定の電流又は一定の電圧を電極アレイ26に供給するか否かに応じてミリアンペア又はボルトで測定したもの)、パルス持続期間(マイクロ秒で測定したもの)、パルス繰返し数(1秒当たりのパルスで測定したもの)、及びバースト繰返し数(刺激オン持続期間X及び刺激オフ持続期間Yとして測定したもの)を定める。IPG14は、複数のチャンネルにわたって又は単一チャンネルのみにわたって刺激エネルギをアレイ22に送出することができる。
【0034】
電気刺激は、2つの(又はそれよりも多くの)活性電極の間で起こることになり、そのうちの1つは、IPGケースとすることができる。刺激エネルギは、単極又は多極(例えば、2極、3極、その他)方式で組織に伝達することができる。単極刺激は、刺激エネルギが選択電極26とケースの間に伝達されるように、リード電極26のうちの選択された1つがIPG14のケースと共に活性化されたときに起こる。2極刺激は、刺激エネルギが選択電極26の間で伝達されるように、リード電極26のうちの2つがアノード及びカソードとして活性化されたときに起こる。多極刺激は、リード電極26のうちの少なくとも3つが、例えば、2つがアノードとして、残りの1つがカソードとして、又は2つがカソードとして、残りの1つがアノードとして活性化されたときに起こる。
【0035】
図示の実施形態では、IPG14は、電極の各々を流れる電流の大きさを個々に制御することができる。この場合、電流発生器を使用することが好ましく、各電極に対して独立した電流源からの個々の電流調節振幅を選択的に発生させることができる。このシステムは、本発明を利用するのに最適であるが、本発明に使用することができる他の刺激は、電圧調節出力を有する刺激器を含む。個々にプログラム可能な電極の振幅は、微調整を行うのには最適であるが、電極にわたって切り換えられる単一の出力源もまた、プログラムするのに殆ど微調整なしで使用することができる。混合電流及び電圧調節装置もまた、本発明に使用することができる。
【0036】
IPGの構造及び機能を説明する更なる詳細は、米国特許第6,516,227号及び第6,993,384号明細書により完全に説明されている。
【0037】
図3に示すように、2つの経皮神経刺激リード12は、患者44の頭蓋48に形成された穿頭孔46(又は代替として、2つのそれぞれの穿頭孔)を通して導入され、従来の方式で患者44の脳49の実質組織の中に導入され、その結果、電極26は、ターゲット組織領域に隣接するようになり、その刺激が、機能不全(例えば、視床腹外側、淡蒼球の内部セグメント、黒質網様部、視床下核、又は淡蒼球の外部セグメント)を処置することになる。従って、刺激エネルギは、電極26からターゲット組織領域に伝達されて機能不全の状態を変えることができる。神経刺激リード12が穿頭孔46を出る位置の近くに空間が無いことに起因して、IPG14は、一般的に、胸部又は腹部に外科的に作られたポケットに埋込まれる。IPG14はまた、勿論、患者の身体の他の位置に埋込むこともできる。リード延長部24は、神経刺激リード12の出口点から離れたIPG14の位置決めを可能にする。
【0038】
図示の実施形態では、IPG14は、電極の各々を流れる電流の大きさを個々に制御することができる。この場合、電流発生器を有することが好ましく、各電極に対して独立した電流源からの個々の電流調節振幅を選択的に発生させることができる。このシステムは、本発明を利用するのに最適であるが、本発明に使用することができる他の刺激は、電圧調節出力を有する刺激器を含む。個々にプログラム可能な電極の振幅は、微調整を行うのに最適であるが、電極にわたって切り換えられる単一出力源もまた、プログラムするのに殆ど微調整なしで使用することができる。混合電流及び電圧調節装置もまた、本発明に使用することができる。IPGの詳細な構造及び機能を説明する更なる詳細は、米国特許第6,516,227号及び第6,993,384号明細書により完全に説明されている。
【0039】
IPGではなく、DBSシステム10は、代替として、神経刺激リード12に接続された埋込み可能な受信機−刺激器(図示せず)を利用することができる点に留意されたい。この場合、埋込み受信機に給電するための電源、例えばバッテリ、並びに受信機−刺激器に命令する制御回路は、電磁リンクを介して受信機−刺激器に誘導結合された外部コントローラに収容されることになる。データ/電源信号は、埋込み受信機−刺激器の上に置かれたケーブル接続送信コイルから経皮的に結合される。埋込み受信機−刺激器は、信号を受信し、制御信号に従って刺激を発生させる。
【0040】
ここで
図4を参照し、RC16の1つの例示的な実施形態を以下に説明する。上述のように、RC16は、IPG14、CP18、又はETS20と通信することができる。RC16は、ケーシング50を含み、該ケーシング50は、内部構成要素(プリント基板(PCB)を含む)、並びにケーシング50の外部によって担持される照明付き表示画面52及びボタンパッド54を収納する。図示の実施形態では、表示画面52は、照明付き平面パネル表示画面であり、ボタンパッド54は、フレックス回路の上に位置決めされた金属ドームを有する薄膜スイッチと、PCB(プリント基板)に直接に接続されたキーパッドコネクタとを含む。任意選択の実施形態では、表示画面52は、タッチ画面機能を有する。ボタンパッド54は、複数のボタン56、58、60、及び62を含み、これらは、IPG14をオン及びオフにすることを可能にし、IPG14内の刺激パラメータの調節又は設定を行い、且つ画面の間の選択を行う。
【0041】
図示の実施形態では、ボタン56は、IPG14をオン及びオフにするように作動させることができるオン/オフボタンとして機能する。ボタン58は、RC16が画面表示及び/又はパラメータの間で切り換えることを可能にする選択ボタンとして機能する。ボタン60及び62は、パルス振幅、パルス幅、及びパルス繰返し数を含むIPG14によって発生するパルスの刺激パラメータの何れかを増加又は減少するように作動させることができるアップ/ダウンボタンとして機能する。例えば、選択ボタン58は、パルス振幅をアップ/ダウンボタン60、62を介して調節することができる「パルス振幅調節モード」、パルス振幅をアップ/ダウンボタン60、62を介して調節することができる「パルス幅調節モード」、及びパルス繰返し数をアップ/ダウンボタン60、62を介して調節することができる「パルス繰返し数調節モード」にRC16をするように作動させることができる。代替として、専用アップ/ダウンボタンは、各刺激パラメータに提供することができる。アップ/ダウンボタンを使用するのではなく、ダイヤル、スライダーバー、又はキーパッドのような他の何れかのタイプのアクチュエータを使用して刺激パラメータを増加又は減少させることができる。RC16の機能性及び内部構成要素の更なる詳細は、米国特許第6,895,280号明細書に開示されている。
【0042】
図5を参照して、例示的なRC16の内部構成要素をここで以下に説明する。RC16は、一般的に、コントローラ/プロセッサ64(例えば、マイクロコントローラ)と、コントローラ/プロセッサ64によって実行するための作動プログラムを格納するメモリ66と、ルックアップテーブル(以下に説明する)における刺激パラメータセット、入力/出力回路、及び特に刺激パラメータをIPG14に出力し、IPG14からステータス情報を受け入れるためのテレメトリ回路68と、ボタンパッド54から刺激制御信号を受け入れ、ステータス情報を表示画面52(
図4に示す)に送信するための入力/出力回路70とを含む。コントローラ/プロセッサ64は、RC16の他の機能(簡略化のために本明細書では説明しない)を制御することの他に、ボタンパッド54のユーザ操作に応答して新しい刺激パラメータセットを発生させる。これらの新しい刺激パラメータセットは、次に、テレメトリ回路68を介してIPG14(又はETS20)に送信されることになる。RC16の機能性及び内部構成要素の更なる詳細は、米国特許第6,895,280号明細書に開示されている。コントローラ/プロセッサ64は、単一の装置として
図5に示されているが、処理機能及び制御機能は、別個のコントローラ及びプロセッサによって実施することができる点に留意されたい。
【0043】
上記で概略的に述べたように、CP18は、複数の電極組合せのプログラムを大幅に簡略化し、医師又は臨床医がIPG14、並びにRC16の中にプログラムすべき望ましい刺激パラメータを容易に決定することを可能にする。従って、埋込み後のIPG14のプログラム可能なメモリにおける刺激パラメータの修正は、CP18を使用して臨床医によって実施され、CP18は、IPG14と直接的に通信するか、又はRC16を介してIPG14と間接的に通信することができる。すなわち、CP18は、脳の電極アレイ26の作動パラメータを修正するために医師又は臨床医が使用することができる。
【0044】
CP18の全体の外観は、ラップトップパーソナルコンピュータ(PC)の外観であり、実際には、指示プログラムデバイスを含むように適切に構成され、本明細書に説明する機能を実施するようにプログラムされたPC(パーソナルコンピュータ)を使用して埋込むことができる。代替として、CP18は、ミニコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、その他、又は拡張機能を備えた遠隔制御器装置(RC)の形態を有することができる。従って、プログラム手法は、CP18内に格納されたソフトウェア命令を実行することによって実施することができる。代替として、このようなプログラム手法は、ファームウエア又はハードウェアを使用して実施することもできる。何れの場合でも、CP18は、IPG14によって発生する電気刺激の特性を能動的に制御し、最適刺激パラメータを患者応答及びフィードバックに基づいて、その後に最適刺激パラメータを用いてIPG14をプログラムするために決定することを可能にすることができる。
【0045】
図6を参照して、ユーザがこれらの機能を実施することを可能にするために、CP18は、標準のユーザ入力デバイス72(例えば、キーボード、マウス、ジョイスティック、その他)を含み、臨床医が情報を入力して、プロセス及びケースに収納された表示モニタ76を制御することを可能にする。図示の実施形態では、モニタ76は、従来の画面である。代替として、従来型の代わりに、モニタ76は、タッチ画面(図示せず)のようなデジタイザ画面とすることができ、これは、能動的又は受動的デジタイザスタイラス/指タッチと共に使用することができる。CP18は、一般的に、コントローラ/プロセッサ80(例えば、中央演算処置装置(CPU))と、刺激プログラムパッケージ84を格納するメモリ82とを含み、刺激プログラムパッケージは、コントローラ/プロセッサ80によって実行されて、ユーザがIPG14及びRC16をプログラムすることを可能にすることができる。CP18は更に、RC16のテレメトリ回路68を介して、刺激パラメータをIPG14及びRC16にダウンロードするため、及びRC16のメモリ66に既に格納されている刺激パラメータをアップロードするための出力回路86を含む。コントローラ/プロセッサ80は、単一の装置として
図6に示されているが、処理機能及び制御機能は、別個のコントローラ及びプロセッサによって実施することもできる点に留意されたい。従って、CP18によって実施されるように以下で説明する制御機能は、コントローラによって実施することができ、CP18によって実施されるように以下説明する処理機能は、プロセッサによって実施することができることは理解することができる。
【0046】
コントローラ/プロセッサ80によるプログラムパッケージ84の実行は、ユーザ入力デバイス72の使用を介してナビゲートすることができる多くの表示画面(図示せず)を提供する。これらの表示画面は、他の機能の中でもとりわけ、臨床医が患者プロフィール情報(例えば、名前、誕生日、患者識別、医師、診断、及び住所)を選択又は入力し、手順情報(例えば、プログラム/フォローアップ、インプラント試行システム、インプラントIPG、インプラントIPG及びリード、交換IPG、交換IPG及びリード、交換又は改定リード、外植、その他)を入力し、患者の治療マップ(例えば、上述のターゲットに対する成功の指標(例えば、「パーキンソン病統一スケール(UPDRS))と共に治療としてターゲットされた身体領域、副作用を最小限にするための身体領域)を生成し、リードの構成及び向きを定め、リード12により出力された電気刺激エネルギを起動及び制御し、手術設定及び臨床設定の両方において刺激パラメータでIPG14を選択してプログラムすることを可能にする。上述したCP機能を説明する更なる詳細は、米国特許公開第2010/0010566号及び米国特許公開第2010/0121409号明細書に開示されている。
【0047】
最も本発明に関連するものとして、プログラムパッケージ84の実行は、特定電極が1つ又はそれ以上の臨床効果(例えば、治療効果及び/又は副作用)に影響を与え、患者に特有の解剖学的関心領域(例えば、治療組織領域及び/又は副作用組織領域)を修正する範囲をユーザが容易に決定することを可能にするより直感的なユーザインタフェースを提供し、及び/又は電界及びひいては電界を最もよく発生させる電極組合せを治療組織領域に一致させるようにする。
【0048】
ユーザインタフェースは、制御要素に対応する機能を実施するように作動することができる種々の制御要素を有する一連のプログラム画面を含む。図示の実施形態では、制御要素は、従来の表示装置の事例においてマウスでクリックできる図形アイコンとして実装される。代替として、表示装置は、タッチ又はそうでなければ能動的又は受動的デジタイザスタイラスによって起動することができるデジタイザ画面(例えば、タッチ画面)を有することができる。別の代替形態として、本明細書に説明する制御要素は、ジョイスティック、タッチパッド、ボタンパッド、キーボード矢印キーのグループ、マウス、ローラボールトラッキングデバイス、水平又は垂直ロッカータイプのアームスイッチ、その他として実装されてもよく、これらを押圧又は移動させて制御要素を作動させることができる。代替として、テクスチャ入力(例えば、テキストボックス)又はマイクロフォンのような他の情報入力形態を使用することができる。
【0049】
詳細には、プログラム画面100は、
図7に示すようにCP18によって生成することができる。プログラム画面100により、ユーザが刺激パラメータ試験を実施することができる。この目的のために、プログラム画面100は、刺激をオン又はオフするよう交互にクリックすることができる刺激オン/オフ制御器102を含む。プログラム画面100は更に、ユーザが刺激パラメータを手動で調節するように操作することができる種々の刺激パラメータ制御器を含む。詳細には、プログラム画面100は、パルス幅調節制御器104(マイクロ秒(μs)で表される)、パルス繰返し数調節制御器106(1秒当たりのパルス(pps)で表される)、及びパルス振幅調節制御器108(ミリアンペア(mA)で表される)を含む。各制御器は、それぞれの刺激パラメータの値を減少させるようにクリックすることができる第1の矢印部分と、それぞれの刺激パラメータの値を増加させるようにクリックすることができる第2の矢印部分とを含む。プログラム画面100はまた、多極/単極刺激選択制御器110を含み、該制御器110は、ユーザが交互にクリックして多極又は単極刺激を提供することができるチェックボックスを含む。任意選択の実施形態では、IPG14のケース40は、ケース電極40及びリード電極26のうちの少なくとも1つの両方を使用して、アノード電流を同時に伝達できるように、リード電極26のうちの1つとして処理することができる。加えて、ケース電極は、完全なアノード及びカソード分割状態でリード電極全てがプログラム可能に構成することができる。
【0050】
プログラム画面100はまた、4つの異なる電極組合せ1〜4のうちの1つを選択するようにユーザがクリックすることができる矢印部分を有する電極組合せ制御器112を含む。電極組合せ1〜4の各々は、様々な制御要素を使用して生成することができる。プログラム画面100はまた、軸線方向電気刺激場変位制御要素116のセットと、軸線方向電気刺激場整形制御要素118のセットとを含む。
【0051】
軸線方向電気刺激場変位制御要素116の何れかを作動させると、制御信号が発生し、これに応答してコントローラ/プロセッサ80は、電気刺激場の位置をリード12の軸線に対して軸線方向に変位させるように設計された刺激パラメータセットを生成させるように構成される。好ましくは、軸線方向電気刺激場変位制御要素116又は代替の制御要素の作動に応答して発生する制御信号は指向性があり、これは、電気刺激場の位置が、位置電気刺激場位置の現在位置に関係なく単一制御要素の連続作動に応答して定められた方向に変位することを意味する。軸線方向電気刺激場整形制御要素118の何れかを作動させると、制御信号が発生し、これに応答してコントローラ/プロセッサ80は、電気刺激場をその位置に対して軸線方向に拡張又は収縮させるように設計された刺激パラメータセットを発生させるように構成される。
【0052】
制御要素116、118を連続的に作動させて(すなわち、制御要素116、118のうちの一方を連続的に作動させることによって、例えば、制御要素116、118のうちの一方をクリックしてクリックを保持すること(すなわち、初期「クリック」の後の制御器の連続的作動)、又は、制御要素116、118のうちの一方を繰り返しクリックすることによって、例えば、制御要素116、118のうちの一方のクリック及び解除を繰り返すことによって)、一連の制御信号を発生させることができ、これに応答してコントローラ/プロセッサ80は、複数の刺激パラメータセットを発生させるように構成される。出力テレメトリ回路86は、これらの刺激パラメータセットをIPG14に送信するように構成される。
【0053】
制御要素116、118のセットの各々は、両矢印部分(すなわち、2つの反対の方向を指す制御要素矢印部分)の形態を有し、当該両矢印部分は、作動モードに応じて電気刺激場を修正するように作動することができる。例えば、上側矢印制御要素116aは、近位方向において電気刺激場の位置を軸線方向に(すなわち、リード12の軸線に沿って)変位させるようクリックすることができ、下側矢印制御要素116bは、遠位方向において電気刺激場の位置を軸線方向に(すなわち、リード12の軸線に沿って)変位させるようにクリックすることができ、下側矢印制御要素118aは、電気刺激場をその位置の周りで軸線方向に収縮させるようにクリックすることができ、上側矢印制御要素118bは、電気刺激場をその位置の周りで軸線方向に拡張させるようにクリックすることができる。
【0054】
電気刺激場の位置は、例えば、単一タイミングチャンネルにおける電極間で電流を漸次的に「ステア」又はシフトさせることによって変位させることができる。例えば、電気刺激場の位置は、刺激電極グループに電極を漸次的に含めること、及び単一タイミングチャンネルの刺激電極グループから他の電極を漸次的に除外することによって、リード12に沿って遠位方向において軸線方向に漸次的に変位させることができる。
【0055】
プログラム画面100は、1次元のみで配列された電極を有する1つの神経刺激リード12のみを示し、これにより電流を1次元でのみステアすることを可能にするが、プログラム画面100は、追加的に他の神経刺激リード12を示すことができ、これにより2次元で電極を配列し、電流を2次元でステアすることができることを理解すべきである。この場合、適切な制御要素(例えば、左向き及び右向き矢印部分)を使用して、電気刺激場の位置を横断方向に(軸線方向に垂直で、及びこの場合は左側又は右側に)変位させることができ、及び/又は電気刺激場は、横断方向に拡張又は収縮させることができる。勿論、電極は、3次元で配列することができ(例えば、3次元で3つの神経刺激リードを配列することによって、又は3次元で配列された単一の神経刺激リード、例えば米国仮特許出願第61/374,879号明細書において説明された分割神経刺激リード上の電極を使用することによって)、この場合には、電流は、3次元でステアすることができる。
【0056】
電気刺激場を修正するための異なる技術を説明する更なる詳細は、「分割神経刺激リードのためのユーザインタフェース」の名称の米国仮特許出願第61/374,879号に開示されている。
【0057】
プログラム画面100は、リード12’及び電極26’の3次元グラフィックレンダリングを表示する。任意選択の実施形態では、アイコン制御要素120は、3次元レンダリングの電極26’にグラフィカルにリンクされる。制御要素120の連続的作動は、コントローラ/プロセッサ80に対して電気刺激場を調整するように設計された刺激パラメータを発生させるよう促す制御信号を発生させ、刺激パラメータは、次いで、CP18の出力回路86からIPG14に送信される。図示の実施形態では、制御要素120の各々は、上向き矢印及び下向き矢印を有し、該上向き矢印及び下向き矢印はそれぞれ(例えば、クリックすることにより)作動されて、作動した制御要素120がグラフィカルにリンクされるグラフィックレンダリングの電極26’に対応する電極26を流れる電流をそれぞれ増減させることができる。
【0058】
制御要素120の何れかの作動は、基本的に、他の活性電極から作動制御要素120に関連する電極に又は作動制御要素120に関連する電極から他の活性電極に電流をステアする。このようにして、電気刺激場の位置を変位させることができ、電気刺激場の形状を修正することができ、2つの別個の電気刺激場電流が存在する場合には、電流を、電気刺激場の一方から(そのサイズを効果的に縮小する)電気刺激場の他方に(そのサイズを効果的に増大する)シフトさせることができる。
【0059】
制御要素120はまた、分割された電流値に関して電極26の各々を流れる電流の量の指標を提供するインジケータ122を含む。インジケータ122は、それぞれの制御要素120を作動させたときに、又は軸線方向電気刺激場変位制御要素116及び軸線方向電気刺激場整形制御要素118を作動させたときにこの機能を実施することができる。
【0060】
プログラム画面100は、解剖学的関心領域、詳細にはその刺激が必要な治療を患者に提供すると知られた又は考えられる治療組織領域124、及びその刺激が望ましくない副作用を患者に提供すると知られた又は考えられる副作用組織領域126と一致してリード12’及び電極26’の3次元グラフィックレンダリングを表示する。以下で更に詳細に説明するように、解剖学的関心領域は、ユーザ定義することができ、基準、例えば、後交連点、前交連点、中間交連点、及び/又は中間矢状面などのアトラス又は基準点にリンクされた空間位置を有することができる。解剖学的基準にリンクされた形状を有することによって、その形状は、解剖学的基準で変形される可能性がある(例えば、アトラスが患者のX線データに位置合わせされた場合、形状もまた位置合わせを受ける可能性があり、当該患者に関して使用するために患者特有の形態で利用可能となる)。図示の実施形態では、解剖学的関心領域は、2次元として図示されているが、他の実施形態では、解剖学的関心領域は、本質的に3次元とすることができる。
【0061】
治療すべき様々な病気に関連付けることができる種々の解剖学的関心領域は、メモリ82に格納され、その後、治療選択要素128a、128b、128cの作動を介して呼び出すことができる。例えば、治療選択要素128aの場合、パーキンソン病に関連する解剖学的関心領域がメモリ82から呼び出され、プログラム画面上に表示することができる。治療選択要素128bの場合、本態性振戦に関連する解剖学的関心領域がメモリ82から呼び出され、プログラム画面100上に表示することができる。治療選択要素128cの場合、ジストニアに関連する解剖学的関心領域がメモリ82から呼び出され、プログラム画面100上に表示することができる。
【0062】
電流刺激パラメータセットに基づいて、CP18は、結果として生じる刺激場モデル(SFM)130を推定することができ、該刺激場モデル(SFM)130は、グラフィックリード12’及び解剖学的関心領域124、126と共にプログラム画面100上に表示することができる。SFM(刺激場モデル)130の推定値を計算するための技術を説明する更なる詳細は、A.M.M.Frankemolle他「脳深部刺激プログラムに計算モデル化手法を使用したパーキンソン病患者における認知−運動性疾患の回復」、Brain 2010;1−16頁に開示されている。
【0063】
代替として、SFMを計算して表示する代わりに、CP18は、電流刺激パラメータセットから電界(図示せず)を計算することができ、電界は、グラフィックリード12’及び解剖学的関心領域124、126に関連して表示することができる。図示の実施形態では、グラフィックリード12’、解剖学的関心領域124、126、及びSFM130は、斜視図で表示されているが、これらは、代替として、従来の切断面(例えば、軸線方向、冠状、及び矢状)の何れかの1つ又はそれ以上で表示してもよい。
【0064】
ここで
図8を参照して、解剖学的関心領域の定義画面200を以下で説明する。画面200は、事前設定グラフィック形状206のリストを含む。図示の実施形態では、掲載した事前設定グラフィック形状206は、製造中にメモリ82内に格納することができるが、代替として、ユーザによって定義されて、メモリ内に格納してもよい。グラフィック形状リスト206からの各グラフィック形状は、IPG14をプログラムするときにユーザによって可視化支援として使用することができる、治療領域、副作用領域、又は他の関連基準情報などの解剖学的関心領域を表す。以下で更に詳細に説明するように、解剖学的関心領域の形状及び位置に基づいて、グラフィック形状がグラフィック形状リスト206から選択され、基準のアトラス又は1つ又はそれ以上の解剖学的点のような解剖学的基準に対して画面200内に位置付けられる。好ましくは、グラフィック形状及びその位置所は、解剖学的基準の形状及び位置に最もよく一致するように選ばれる。
【0065】
グラフィック形状リスト206は、多くの異なるタイプの事前設定グラフィック形状を含むことができる。グラフィック形状リスト206に存在し得るグラフィック形状のタイプは、以下に限定されるものではないが、正則な2次元形状(例えば、円形、正方形、及び三角形)、非正則な2次元形状、正則な3次元形状(例えば、楕円体、立方体又は直方体、及びピラミッド)、及び非正則な3次元形状を含む。更に本明細書において、「正則な形状」とは、等しい長さの辺と等しいサイズの角度とを有する対称的形状であり、「非正則な形状」は、異なる長さを有する辺と異なるサイズの角度とを有する。加えて、丸い側部を有し且つ対称的(例えば、円形、卵形、球形、及び楕円形)な形状は、「正則な形状」とみなされる。ユーザは、アトラス又は解剖学的基準点のような基準に対して画面200上に表示されることになるリスト206からこれらのグラフィック形状のうちの1つ又はそれ以上を選択することができる。
【0066】
画面200はまた、上下にスライドさせることができるスライドバー206aを含む。ユーザがスライドバー206aを上下にスライドすると、ユーザは、事前設定グラフィック形状のリスト206全体を通じて上下にスクロールすることができる。リスト206中の各グラフィック形状は、ユーザが交互にクリックしてその特定のグラフィック形状を画面200上に表示するか又は表示しないようにすることができる固有のチェックボックスを有する。この実施例では、楕円グラフィック形状のチェックボックスは、リスト206においてチェックされて示されている。リスト206における楕円体に対するチェックボックスがチェックされたことに応答して、楕円のグラフィック形状202が画面200上に表示される。立方体又は直方体のグラフィック形状のチェックボックスがチェックされた場合、立方体のグラフィック形状204が画面200上に表示される。代替の実施形態では、グラフィック形状リスト206は、
図8に示されているようなチェックボックスを有するスライドバーではなく、ドロップダウンメニュー又は他の何らかの手段によって画面200に実装することができる点に留意されたい。
【0067】
1つ又はそれ以上の事前設定形状をユーザが選択するための手段を提供するのではなく、画面200は、代替として、ユーザが新しいグラフィック形状を定義するための他の手段を提供することができる。ユーザが新しいグラフィック形状を定義するための1つの方法は、タッチパッド画面、ジョイスティック、矢印ボタン、テクスチャ入力、及び/又は他の何らかの手段を使用することによって、ユーザが単に画面200上に2次元グラフィック形状を描画するものである。本方法は、基準としてX線画像又はアトラスを使用してユーザが関心のある体積を定義しようとするときに特に有用とすることができる。例えば、ユーザは、X線体積の1つ又はそれ以上のスライス上、又は恐らくは、アトラスの1つ又はそれ以上のスライス上に領域を定義することができ(例えば、描画することによって)、スライス上に定義された区域は、外挿又は内挿によって3D体積に変換(又は2D区域のまま)することができる。例えば、
図13に示すように、2次元グラフィック形状236は、MRIの軸線方向図上に描くことができ、及び/又は2次元グラフィック形状238は、MRIの冠状図上に描くことができる。追加の2次元グラフィック形状236、238をMRIの異なる軸線方向図又は冠状図上に描くことができる。次いで、3D体積は、2次元形状236、238から外挿又は内挿することができる。
【0068】
ユーザが新しいグラフィック形状を定義する更に別の方法は、ユーザが別の装置から
空間的にリンクされた解剖学的基準と共にグラフィック形状をインポートすることである。グラフィック形状を得るために使用することができる装置のタイプは、以下に限定されるものではないが、推定治療領域を表すグラフィック形状として使用することができる刺激場モデルを捕捉するか、或いは、関心領域を表し又は後で説明するようなユーザ定義のグラフィック形状を捕捉するのに使用される別のCPを含み、該CPは、複数の患者からのデータの分析(例えば、統計的評価)を実施し、結果として得られた空間データ及び/又は形状を捕捉することができる。更に、コンピュータを用いたコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアを使用して、CP18にインポート可能なCAD生成グラフィック形状を生成することができる。
【0069】
例えば、
図7に示すプログラム画面100で有効にされた異なるCPは、患者のプログラムセッション中に特有の刺激場モデルを捕捉するのに使用され、次いで、解剖学的関心領域として表現するためにグラフィック形状として現在のCP18の中にインポートすることができる。代替として、単一プログラムセッションをグラフィック形状のベースとするのではなく、グラフィック形状は、刺激場モデルの集団分析から得ることができる。何れの場合においても、グラフィック形状及び空間的にリンクされた解剖学的基準は、テキストコード(例えば、候補グラフィック形状を定義する圧縮コード)として、グラフィックコード、オーディオコード、又は他のエンコードフォーマットとしてファイル(例えば、サムドライブ、ハードディスク、その他)の形態で保存することができる。他のCPによって生成されたグラフィック形状は、様々な方式で表すことができる。
【0070】
例えば、グラフィック形状は、解剖学的基準に対する位置インジケータ、解剖学的基準に対する配向インジケータ(例えば、方位及び高度などの角度)、ノード及び要素を有するメッシュ(表面又は体積)、適切な定義の幾何プリミティブ(例えば、球体−直径、楕円体−軸線方向長さ、六角形−辺長さ、ピラミッド−高さ、下側半径、上側半径、その他)、ワーピングパラメータ(例えば、ワーピングの量、ワーピングの方向、その他)又は幾何プリミティブのブールのような幾何プリミティブの他の操作、グラフィック形状と共に含まれ又はグラフィック形状から除外される要素、ボクセル、又はノードの識別、グリッド特性(例えば、解像度、サイズ、位置、配向、その他)の定義、グリッド値、グリッド点(又は要素或いはボクセル)の値(離散的又は連続変数)、又は値が割り当てられている場合(ユーザは、閾値を変更する機能を有する場合がある)に有用とすることができる閾値に加えたグリッド特性(例えば、解像度、サイズ、位置、配向、その他)の定義とすることができる。
【0071】
現在のCP18は、テキスト入力コード(例えば、候補グラフィック形状を定義する圧縮コード)として、グラフィック入力コード、オーディオ入力コード、又は他のエンコードフォーマットとしてファイル(例えば、サムドライブ、オンラインダウンロード、その他から)の形態で他のCPからグラフィック形状及び解剖学的基準を受け入れることができる。入力されると、候補グラフィック形状は、画面200上で可視化される。代替として、現在のCP18は、他のCPからインポートされたグラフィック形状を使用して、現在のCP18内に現在格納されているグラフィック形状の修正、詳細には、解剖学的基準に対するグラフィック形状のサイズ、形状、位置、色、及び/又は照明の修正を可能にすることができる。
【0072】
ユーザが新しいグラフィック形状を定義する別の方法は、患者が使用しているSFMを、恐らくはプログラム画面100から捕捉することである。この方法は、特定の患者が特定の陽性反応を有するときに有用とすることができ、臨床医は、他の患者において当該刺激を再生したいと考えるであろう。SFMは、患者の座標系で最初に捕捉され、次いで、アトラス空間又は一般MCP空間に容易に変換することができ、従って、後続の患者が使用しやすくなる点に留意されたい。
【0073】
ユーザが新しいグラフィック形状を定義する更に別の方法は、以下で更に詳細に説明するように、ユーザが図形制御要素を使用して複数の選択された事前設定グラフィック形状に少なくとも1つのブール関数を適用することである。
【0074】
ユーザがリスト206からグラフィック形状のうちの1つを選択することを可能にするのに加えて、画面200は、アトラス又は解剖学的基準点のような解剖学的基準に対して選択されたグラフィック形状をサイズ変更及び/又は変換するのに使用するグラフィック形状修正制御ボックス208を含む。また、グラフィック形状を移動させるのに回転を使用することもできる。
【0075】
例えば、ユーザは、1つ又は複数の選択されたグラフィック形状のサイズ及び/又は位置を特定することができる。詳細には、ドロップダウンメニュー210を使用して、ユーザが修正を望む特定のグラフィック形状を選択することができる。テクスチャ入力ボックス212は、ユーザが、数値を入力して選択されたグラフィック形状の中心位置及び/又は選択されたグラフィック形状のサイズを指定するのに使用することができる。例えば、ユーザは、楕円グラフィック形状の位置及びサイズを修正することを望む場合がある。このために、ユーザは、最初に、修正される形状用にドロップダウンメニュー210を使用することにより楕円形状を選択する必要がある。次いで、ユーザは、適切なテクスチャ入力ボックス212において特定の数値をタイプ入力することによって選択された楕円グラフィック形状の中心点の位置に対する前、横、及び背側座標を指定することができる。ユーザは、次いで、適切なテクスチャ入力ボックス212において特定の数値をタイプ入力することによって、前後(AP)、中央横方向(ML)、及び背腹(DV)軸線に対して選択された楕円形状のサイズを指定することができる。解剖学的基準は、AP、ML、及びDV軸線によって定められた座標系において位置合わせされ、従って、修正グラフィック形状が、解剖学的基準と位置合わせされることになる。
【0076】
図9に示す代替の実施形態では、画面200は、アトラス又は解剖学的基準点のような解剖学的基準に対して選択されたグラフィック形状をサイズ変更及び/又は変換するのに使用することができる異なるグラフィック形状修正制御ボックス218を含むことができる。形状修正制御ボックス218は、選択された1つ又は複数のグラフィック形状のサイズ及び/又は位置を指定するボタン制御器220を含む。
図8と同様に、
図9のグラフィック形状修正ボックス218は、ユーザが修正することを望む特定のグラフィック形状をユーザが選択できるようにするドロップダウンメニュー210を含む。グラフィック形状修正ボックス218はまた、代替として、ユーザがクリックして画面200上の選択されたグラフィック形状のサイズ又は位置を修正するのに選ぶことができる一連のチェックボックス220を含む。
【0077】
形状をサイズ変更するためのチェックボックスがチェックされた場合、ボタン制御器222は、選択されたグラフィック形状のサイズを修正するモードに切り換えられることになる。対照的に、形状を変換するチェックボックスがチェックされた場合、ボタン制御器222は、選択されたグラフィック形状の位置を修正するモードに切り換えられることになる。例えば、グラフィック形状修正制御ボックス218は、選択されたグラフィック形状のサイズを修正するためのチェックボックスがチェックされ、従って、ボタン制御器222が選択された楕円グラフィック形状のサイズを修正するモードに切り換えられることを示す。ボタン222を連続的に作動させることによって(すなわち、ボタン222をクリックしてクリックを保持することによって、ボタン222のうちの1つを連続的に作動させることによって)、又はボタン222を繰り返し作動することによって(すなわち、ボタン222のうちの1つのクリック及び解除を繰り返すことによって)、ユーザは、これに応じて選択されたグラフィック形状のサイズ及び/又は位置を変更することができる。
【0078】
グラフィック形状修正制御ボックス218はまた、「リセット形状サイズ」ボタン224を含み、「リセット形状サイズ」ボタン224は、ユーザがボタン制御器222のうちの1つ又はそれ以上を使用して選択されたグラフィック形状を拡大した後に、選択されたグラフィック形状のサイズをユーザが元のサイズにリセット可能にする。従って、単にこのボタン224を作動させる(すなわち、ボタン224をクリックする)ことによって、ユーザは、グラフィック形状がユーザによって拡大される前に、選択されたグラフィック形状を当初のサイズに即座に縮小することができる。
【0079】
図10に示す代替の実施形態では、画面200は、選択された1つ又は複数のグラフィック形状のサイズ及び/又は位置を指定するのに使用することができるスライドバー制御ボックス226を含むことができる。
図8及び
図9の実施形態と同様に、ドロップダウンメニュー210が設けられ、これは、ユーザが修正したいと考える特定のグラフィック形状をユーザが選択することを可能にする。また
図9と同様に、
図10のグラフィック形状修正ボックス226は、ユーザが交互にクリックして、画面200上の選択されたグラフィック形状のサイズ又は位置を修正するのに選ぶことができる一連のチェックボックス220を含む。ユーザがグラフィック形状を選択し、適切なチェックボックスをチェックすると、ユーザは、スライド制御器228を左側及び/又は右側にスライドして、これに応じて選択されたグラフィック形状のサイズ及び/又は位置を修正することができる。
【0080】
例えば、ユーザが楕円グラフィック形状のサイズを修正することを望む場合、ユーザは、最初に、調整されることになる形状に対するドロップダウンメニュー210を使用することによって楕円形状を選択する必要がある。次いで、選択された楕円グラフィック形状のサイズの修正を選ぶために、ユーザは、サイズ形状チェックボックス220をクリックする必要がある。ユーザがサイズ形状チェックボックス220をクリックした後、スライド制御器228は、楕円形状のサイズを修正するモードになる。ユーザは、次いで、これに応じて各対応するスライドバー228をスライドさせることにより、ML(中央横方向)、AP(前後)、及びDV(背腹)軸線に対する楕円形状のサイズを特定することができる。
【0081】
図8〜
図10に示す実施形態の何れかを参照すると、画面200は、ブール関数グラフィック形状制御ボックス214を含み、ブール関数グラフィック形状制御ボックス214は、ブール関数を利用して新しい1つ又は複数のグラフィック形状を定義にするのに使用される。ブール関数グラフィック形状制御ボックス214は、形状A、形状B、及び形状Cそれぞれに対し3つのドロップダウンメニュー215を含む。これらのドロップダウンメニューの各々は、ブール関数が適用されることになる特定のグラフィック形状を選択するためのものである。この実施例では、形状Aに対して楕円体が選択され、形状Bに対して立方体(又は直方体)が選択され、形状Cに対してはどの形状も選択されない。他の実施形態において、種々の数のドロップダウンメニューを利用できる点に留意されたい。
【0082】
ブール関数グラフィック形状制御ボックス214はまた、形状A、形状B、及び形状Cに対して選択されたグラフィック形状に適用されることになる特定のブール関数を選択するためのチェックボックス216を含む。この実施例では、
図11に示すように、ブール関数A−(A∩B)に対するチェックボックスがチェックされ、すなわち、このブール関数は、楕円形状A及び立方体形状Bに適用されることになる。本開示の他の実施形態では、ブール関数グラフィック形状制御ボックス214において
図11に描かれているよりも種々の異なるブール関数を実装できる点に留意されたい。ブール関数グラフィック形状制御ボックス214によって利用することができる異なるタイプのブール関数は、以下に限定されるものではないが、A∪C、A∩C、B∪C、B∩C、C−(A∩C)、C−(B∩C)、A∩C∪B、及びA∪C∩Bを含む。
【0083】
図11及び
図12に示す実施例は、新しいグラフィック形状を生成するために、ユーザが、どのようにしてドロップダウンメニュー215から2つの選択されたグラフィック形状にブール関数を適用することができるかを示している。詳細には、画面200は、選択された楕円グラフィック形状230と選択された立方体のグラフィック形状232を表示している。ブール関数グラフィック形状制御ボックス214は、ユーザが形状Aに対して楕円体を、形状Bに対して立方体を選択したことを示す。同様に、ブール関数グラフィック形状制御ボックス214は、ユーザが形状A(すなわち、楕円体)及び形状B(すなわち、立方体)に適用されることになるブール関数A−(A∩B)を選択したことを示す。
図12に描いたプログラム画面200は、その特定のブール関数が楕円体及び立方体に適用された後に生成された結果として生じたグラフィック形状234(すなわち、楕円体−立方体)を示す。
【0084】
上述の技術は、CP18に実装されるように説明したが、当該技術は、代替的に又は追加的にRC16に実装することができ、この技術の処理機能は、IPG14において実施することさえ可能である点に留意されたい。本発明の特定の実施形態を図示し説明したが、本発明を好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことは理解すべきであり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変形及び修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。従って、本発明は、特許請求の範囲によって定められる本発明の精神及び範囲に含まれる代替形態、修正形態、及び均等形態を包含することを意図する。