特許第6341873号(P6341873)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6341873
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】回動機構
(51)【国際特許分類】
   F16C 11/04 20060101AFI20180604BHJP
【FI】
   F16C11/04 A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-41569(P2015-41569)
(22)【出願日】2015年3月3日
(65)【公開番号】特開2016-161077(P2016-161077A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年1月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100088708
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】西田 隆平
(72)【発明者】
【氏名】永山 智著
【審査官】 渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−23073(JP,A)
【文献】 特開2011−235822(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0098563(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 11/00− 11/12
B60N 3/02
E05D 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部材と、前記第一部材に枢軸により回動可能に支持された第二部材と、前記第一部材及び第二部材の一方が他方に対し相対的に回動されるよう付勢する捻りコイルばねとを備えた回動機構において、
前記第一部材及び第二部材のいずれか一方は、前記枢軸の軸線方向に向かい合う一対の突起部を設けた捻りコイルばね用の収納部を有し、
前記捻りコイルばねは、コイル形の両端部が延長形成された当接部を有し、前記各当接部が前記第一部材及び第二部材の異なる一方に当接するよう配されており、
前記一対の突起部は、前記捻りコイルばねのコイル形の両端部を突起部の軸回りに保持しており、また、少なくとも一方の突起部は前記捻りコイルばねの対応当接部側から反力を受ける箇所に設けられたばね保持部を有していることを特徴とする回動機構。
【請求項2】
前記一対の突起部が、同じ側に設けられて前記捻りコイルばねのコイル形の両端を対応軸回りに保持する際に該捻りコイルばねを軸方向に圧縮容易にする傾斜面を有していることを特徴とする請求項1に記載の回動機構。
【請求項3】
前記ばね保持部が前記突起部周囲に形成された凹ないしは切欠形状であることを特徴とする請求項1に記載の回動機構。
【請求項4】
前記突起部が前記第一部材又は前記第二部材に一体に形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の回動機構。
【請求項5】
前記第一部材がボディパネルに取り付ける取付ベースであり、前記第二部材がグリップ本体であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の回動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一部材と第二部材とを回動可能に連結する回動機構として、特に、一方の部材が他方の部材に対して相対的に回動されるよう付勢する付勢手段を有し、更に付勢手段として捻りコイルばねを採用しているタイプの改良技術に関する。
【背景技術】
【0002】
回動機構には、図9(特許文献1に開示の構成)に例示されるごとく、カップホルダー本体を構成しているカバー3と、カバー3に対し軸部(本発明の枢軸に相当)42により回動可能に支持された容器拘束用のフラップ4と、カバー3及びフラップ4の一方が他方に対し相対的に回動されるよう付勢する捻りコイルばね5とを備えたものがある。ここで、カバー3は、一対の支持部34と、各支持部34に同軸線上に設けられた軸穴35とを有している。フラップ4は、捻りコイルばね用の収納部つまり脚部41同士の間の収納空間と、各脚部41の内面側に対向して設けられた突起43と、各脚部41の外面側にあって突起43の軸線上に設けられた軸部42とを有している。捻りコイルばね5は、コイル形の両端部が延長形成された当接部を有している。そして、フラップ4は、両支持部34に対し軸部42及び軸穴35の嵌合を介して回動可能に連結されている。捻りコイルばね5は、コイル形の両端部が対応突起43の軸回りに保持されると共に、各当接部がカバー3及びフラップ4の異なる一方に当接するよう配置されている。
【0003】
以上の捻りコイルばねは、ばねトルクが高いと、フラップ4を捻りコイルばね5の付勢力に抗して回動したとき、ばね変形が大きくなってコイル形の端部が突起43から外れる虞がある。この対策としては、コイル形の端部に嵌入される突起43を長くして外れ難くすることも考えられるが、突起43を長くすると捻りコイルばねを突起の軸回りに保持できなくなる。
【0004】
他の対策としては、図10(特許文献2に開示の構成)に例示されるごとく、捻りコイルばねを一対の突起で保持する構成に代えて、シャフト5を用いてシャフトの軸回りに保持することにより外れを防ぐこともある。同図中、符号2はグリップ本体、符号3Aと3Bはグリップ本体2をシャフト5を介して回動可能に連結保持する保持体(本発明の取付ベースに相当)、符号4と5はグリップ本体2を保持体3A,3Bに回動可能に連結するシャフトである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−341800号公報
【特許文献2】特開2003−200770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記回動機構において、図9の機構は簡易であるが、捻りコイルばねが両側の突起から外れるという虞がある。図10の機構はシャフトにより捻りコイルばねの外れの虞を解消できるが、部品数と共に重量も増すことになる。要は何れの機構でも一長一短であり未だ満足できなかった。
【0007】
本発明の目的は、以上の背景から、前者の回動機構を採用しながらばねトルクが高い捻りコイルばねでも外れ難くして品質を向上することにある。他の目的は組立性も良好に維持できるようにする。更に他の目的は以下の内容説明のなかで明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、第一部材と、前記第一部材に枢軸(この枢軸は軸穴と嵌合している)により回動可能に支持された第二部材と、前記第一部材及び第二部材の一方が他方に対し相対的に回動されるよう付勢する捻りコイルばねとを備えた回動機構において、前記第一部材及び第二部材のいずれか一方は、前記枢軸の軸線方向に向かい合う一対の突起部を設けた捻りコイルばね用の収納部を有し、前記捻りコイルばねは、コイル形の両端部が延長形成された当接部を有し、前記各当接部が前記第一部材及び第二部材の異なる一方に当接するよう配されており、 前記一対の突起部は、前記捻りコイルばねのコイル形の両端部を突起部の軸回りに保持しており、また、少なくとも一方の突起部は前記捻りコイルばねの対応当接部側から反力を受ける箇所に設けられたばね保持部を有していることを特徴としている。
【0009】
以上の請求項1において、『前記第一部材及び第二部材の一方が他方に対し相対的に回動されるよう付勢する』は、形態例のごとく第二部材(例えば、グリップ本体2)が第一部材(例えば、取付ベース1,1A又は保持部材3,3A)に対し付勢力に抗して回動される構成と、第二部材と第一部材とが付勢力に抗して共に回動される構成とを含む。
【0010】
また、『前記枢軸の軸線方向に向かい合う一対の突起部』とは、図6(c)に例示されるように、一対の突起部37,38が枢軸36,36の軸線方向Xに向かい合う関係、つまり軸線方向Xに突出されて互いにほぼ向き合っているという関係である。
【0011】
以上の本発明は、請求項3〜で特定したように具体化されることがより好ましい。
(ア)前記一対の突起部が、同じ側に設けられて前記捻りコイルばねのコイル形の両端部を対応軸回りに保持する際に該捻りコイルばねを軸方向に圧縮容易にする傾斜面を有している構成である(請求項2)
(イ)前記バネ保持部が前記突起部周囲に形成された凹ないしは切欠形状の構成である(請求項3)
【0012】
(ウ)前記突起部が前記第一部材又は前記第二部材に一体に形成されている構成である(請求項4)
(エ)前記第一部材がボディパネルに取り付ける取付ベースであり、前記第二部材がグリップ本体の構成である(請求項5)
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明では図8(a),(b)に例示されるように、取付ベース1又は保持部材3は第一部材、グリップ本体2は第二部材であり、捻りコイルばね5は当接部5bが固定端側、当接部5cがグリップ本体2を取付ベース1に対し付勢力に抗して回動するときに反力を受ける作用端側となる。
【0014】
この発明では、少なくともその当接部5cである動き易い方の作用端をばね保持部38bにて規制することにより、ばねトルクが高い捻りコイルばねでも外れ難くなり、捻りコイルばねの不用意な外れを防いで品質を向上できる。
【0015】
請求項2の発明では、捻りコイルばねのコイル形の両端部を対応突起部の軸回りに保持する際、捻りコイルばねを軸方向に圧縮容易にする傾斜面を有しているため、図8(a)に示されるごとく捻りコイルばねが各突起部の傾斜面に沿って押されると、各傾斜面の案内作用により軸方向に圧縮されながら、各端部が対応突起部と嵌合して捻りコイルばねをワンタッチ操作で支持できる。
【0016】
請求項3の発明では、ばね保持部が突起部周囲に形成された凹ないしは切欠形状からなるため簡易で実施容易となる。これに対し、請求項4の発明では、突起部が第一部材や第二部材に一体に形成されているため部材数を増やすことなく実施できる。
【0017】
請求項5の発明は、以上の回動機構の適用例として、第一部材及び第二部材を形態例に挙げたアシストグリップを構成している取付ベースとグリップ本体に特定したものである。但し、請求項1から4において、第一部材及び第二部材は、一方が他方に対し相対的に回動可能に連結されている関係であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(a)は形態例のアシストグリップの使用状態を示した模式図、(b)は(a)のアシストグリップの概略分解構成である。
図2】上記アシストグリップの外観を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。
図3】(a)は図2(a)のA−A線拡大断面図、(b)は(a)のD−D線断面図である。
図4図2(b)のB−B線拡大断面図である。
図5図2(b)のC−C線拡大断面図である。
図6】(a)及び(b)は取付ベースを構成している保持部材と捻りコイルばねの関係を示す異なる方向から見た概略斜視図、(c)は(b)のE−E線断面図である。
図7】(a)は捻りコイルばねを保持部材に組み込む操作を示す図、(b)は捻りコイルばねを組み込んだ状態を示す図である。
図8】(a)は図7(a)のY方向から見た図、(b)は図7(b)のY方向から見た図である。
図9】特許文献1の回動機構を示し、(a)と(b)は文献1の図6である。
図10】特許文献2の回動機構を示し、(a)と(b)は文献2の図1(b)と図6(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の形態を図面を参照しながら説明する。この説明では、本発明の回動機構を適用したアシストグリップの全体構造について詳述しながら、回動機構の作動特徴を明らかにする。なお、この形態は、取付ベース1,1A又は保持部材3,3Aが本発明の第一部材に対応し、グリップ本体2が第二部材に対応した例である。
【0020】
図1図8において、アシストグリップ15は、車体側に装着される取付ベース1,1Aと、取付ベース1,1Aに対し枢軸36により回動可能に連結保持されたグリップ本体2とからなる。また、取付ベース1,1Aは、保持部材3又は3Aと、保持部材3,3Aに取り付けられる金属製クリップ4及びカバー7と、保持部材3に設けられた収納部35に配置されて取付ベース1及びグリップ本体2の一方が他方に対し相対的に回動されるよう付勢する捻りコイルばね5と、保持部材3Aに設けられた収納部35aに配置されてグリップ本体2の回動速度を制動するダンパー6とを備えている。なお、グリップ本体2、保持部材3A,3B、カバー7は共に樹脂成形品であるが、他の材質であってもよい。
【0021】
ここで、グリップ本体2は、略コ形の中間部分が手で握る把持部20であり、その両端部21が背面側を開口形成した空洞部22を有している。各空洞部22は、保持部材3,3Aに対応した大きさであり、左右の両内側面に対向して設けられた枢支用の穴部23を有している。また、保持部材3を配置する空洞部22には、ばね係止用凹部25(図5を参照)が設けられている。保持部材3Aを配置する空洞部22には、ダンパー6の一部つまり後述する外筒の凸部8b,8cに当接する段部26,26a(図4を参照)が設けられている。
【0022】
各穴部23は、図1(b)に示されるごとく略L形となっており、端部背面より縦方向に延びている導入穴23aと、導入穴23aの奥側より水平に延びている軸穴23bとからなる。符号24は軸穴23bの上側に設けられて軸穴23bと略平行な欠肉部である。この欠肉部24は、軸穴23bを区画している軸穴23bと欠肉部24との間の壁部分を弾性揺動可能にして、枢軸36が軸穴23bに対し、又は、軸穴23bが枢軸36に対しがたつきなく適度なテンションで回動可能にする。
【0023】
一方、取付ベース1,1Aは、以上のグリップ本体2を連結保持した状態で、図4及び図5に示されるごとくボディパネル10に設けられた取付孔10aにクリップ4を介して装着される。この場合、ボディパネル10は図示を省いた天井トリムで覆われており、取付ベース1,1Aは前記天井トリムの上に配置される。取付ベース1は、保持部材3に設けられた収納部35に捻りコイルばね5を配置している。取付ベース1Aは、保持部材3aに設けられた収納部35aにダンパー6を配置している。
【0024】
なお、取付ベース1と1A、又は、保持部材3と3Aは、収納部35,35aを除いてほぼ同じ形状である。このため、保持部材3Aについては図6に対応する図面を省いた。また、この形態では、特に、捻りコイルばね5と共にダンパー6の保持構造が特許文献2のような従来構造に対し改良工夫されている。
【0025】
捻りコイルばね5は、図6に示されるごとくコイル巻部の長さLを両張出部33の間隔Mより少し長く形成されると共に、コイル形の両端部5aに延長形成された線状の当接部5b,5cを有している。ダンパー6は、図1及び図3の各(b)に示されるごとく肉厚内に断面円形空間を形成している外筒8と、前記円形空間に対し流体を入れた状態で回動自在に嵌合された内筒9とからなる。外筒8は、一端側の開口8aと、外周の2箇所に設けられて段部26,26aと係合しグリップ本体2と一体回動可能にする凸部8b,8c(図4を参照)を有している。内筒9は凸形の閉鎖端部9aを有している。
【0026】
各取付ベースを構成している保持部材3,3Aは、図1及び図6に示されるごとく上下略中間に配置された略矩形状の基板30と、基板30の上側に突出されている支持部34と、基板30の下側に突出されている略舌状の脚部39とを有している。また、保持部材3,3Aには、金属製クリップ4が脚部39から支持部34の内側に配置されると共に、カバー7が支持部34の内側を覆うように装着される。
【0027】
基板30には、上下に貫通した2つの貫通孔31が設けられている。各貫通孔31は、左右中間に設けられた矩形の開口であり、該開口の両側に設けられているスリット31aを有している。基板30の下面には、四隅に凸部32が設けられている。脚部39は、板厚が貫通孔31同士の間に収まる寸法であり、両側面にあって上下方向に延びる対のリブ39aと、前後面にあって両側上下方向に延びたリブ39bと、突出端面に突設された突起39cとを有している。各リブ39bと凸部32との間には、前記したスリット31aが位置している。
【0028】
支持部34は、中央部に開口された係合穴34aと、上両側より後方に張り出している張出部33と、両張出部33の間に区画された捻りコイルばね用収納部35又はダンパー用収納部35aと、各張出部33の外面に同軸線上に突設された枢軸36と、収納部35を区画している各張出部33の内面に突設されたばね保持用の突起部37,38と、収納部35aを区画している各張出部33の内面に突設されたダンパー用連結部35b,35c(図3(b)を参照)とを有している。連結部35bは略凸状である。この連結部35bには、図3のごとく外筒の一端側開口8aが回動可能に係合される。連結部35cは略凹状である。この連結部35cには、内筒の閉鎖端部9aが回動不能に係合される。
【0029】
次に、以上の保持部材3,3Aに対するクリップ4とカバー7の取り付け構造について明らかにする。クリップ4は、図1(b)に示されるごとく略U形状をなし、対向している板部4a及び両板部4aを連結している連結部からなる。各板部4aには、下側個所に略コ形のスリットにより区画された弾性係合爪4bと、その上側に対向して開口された掛け止め用穴部4cとが設けられている。前記連結部には上記突起39cに係合する穴部4d(図2(c)を参照)が設けられている。そして、以上のクリップ4は、保持部材3や3Aに対し脚部39を板部4a同士の間に挿入し、かつ、突起39cを穴部4dに係合することで組み付けられる。組立状態では、各係合爪4bが脚部39の前後面のリブ39b上に配置されると共に、各板部4aが対応する貫通孔31及びスリット31aに差し込まれて、板部先端側を支持部34の内側空間に突出している。
【0030】
カバー7は、図1(b)と図4及び図5に示されるごとく、支持部34の内側空間を覆う形状であり、片側側面の下側に突出された取付片部7a、内下側に突出されてクリップ側各板部の穴部4c及び支持部の係合穴34aに挿入される係止腕部7bを有している。取付片部7aは、下端側に設けられた凹部を対応する枢軸36に係合することにより、カバー7を保持部材3や3Aに装着可能にする。係止腕部7bは、縦断面が枠状に形成されていると共に、枠状の一辺を両側に設けられたスリットにより揺動可能に形成している。そして、前記枠状の一辺は、前記板部の穴部4cの縁部に弾性係合すると共に、図4のごとく揺動端7cがカバー上面に延びてドライバー等の工具で解除操作可能となっている。以上のカバー7は、支持部34に対して、係止腕部7bが穴部4cに圧接し、かつ取付片部7aが対応枢軸36に係合することにより装着される。この装着状態では、クリップ4が各板部の穴部4cに串刺し状態に挿通している係止腕部7bにより抜け止めされる。カバー7は、前記枠状の一辺の揺動端7cを押し、かつ支持部34から離れる方向に動かされることで外れる。
【0031】
また、上記した収納部35は、張出部33同士の間にあって捻りコイルばね5を受け止め易い略L形に形成されている。L形の縦壁面には、突起部37に近い側にリブ34bが設けられている。このリブ34bは、捻りコイルばね5の一方当接部5bを係止する箇所である。枢軸36及び突起部37,38は、図7及び図8に示されるごとく概略同じ軸線上にある。つまり、両側の枢軸36同士は同軸線上に設けられている。突起部37,38は、枢軸36の軸線方向Xに対し、捻りコイルばねの両端部5aを形成しているコイル形の径方向にずらされている。
【0032】
すなわち、突起部37,38は、互いの突出位置がコイル形の径方向である図7(a)のZ方向にずれている。従って、捻りコイルばね5は、両端部5aを対応する突起部37,38の軸回りに保持した状態において、端部5aを形成しているコイル形のうち、突起部37に接近又は当接したコイル箇所と、突起部38に接近又は当接したコイル箇所とが異方向にずれる。これにより、捻りコイルばね5は、径方向の動きが両突起部37,38により規制され易くなり、トルクが高い捻りコイルばねを用いた場合でも突起部37,38から外れ難くなる。
【0033】
また、突起部37,38は、図8(a)に示されるごとく同じ側に設けられて上から下向きに傾斜した傾斜面37a,38aを有している。傾斜面37a.38aは、同図の想像線で示したごとく収納部35に捻りコイルばね5を上から下向きに押してコイル形の各端部5aを突起部37,38の軸回りに保持させる際、捻りコイルばね5が傾斜面37a.38aのガイド作用により軸方向に圧縮されるよう誘導する。これにより、この形態では、捻りコイルばね5が突起部37,38に対しワンタッチで保持可能となる。捻りコイルばね5は、突起部37,38に保持された後、一方当接部5bがリブ34bに係止され、作用端である他方当接部5cが付勢力に抗して上記凹部25に係止される。すると、グリップ本体2は、捻りコイルばね5の付勢力で回動されて図2図4及び図5の実線で示されるごとくボディパネル10に沿って配される不使用状態となる。
【0034】
更に、突起部38は、傾斜面38aと反対側に設けられた凹ないしは切欠形状のばね保持部38bを有している。このばね保持部38bは、上記した捻りコイルばね5の当接部5cと係合して、当接部5cと連結されているコイル形の端部5aの動きを規制する。これにより、捻りコイルばね5は、動き易い作用端である当接部5cがばね保持部38bに係合し位置規制されるため、トルクが高い捻りコイルばねを用いた場合でも突起部37,38から外れ難くなる。この点は、捻りコイルばね5が前記したZ方向にずらされた各突起部37,38による規制に加えて、当接部5cの動きをばね保持部38bで規制することで突起部37,38からの外れの虞がより確実に解消可能となる。なお、以上のばね保持部は突起部37に設けられていないが、突起部37にも必要に応じて設けられる。また、符号37bは凹所である。
【0035】
これに対し、収納部35aは、張出部33同士の間を切り欠いた形状であり、張出部33同士の間にダンパー6を配置している。各張出部33の対向内面には、連結部35b,35cが設けられている。そして、ダンパー6は、収納部35aに対し、外筒の一端開口8aが凸形の連結部35bと回動可能に係合され、内筒の閉鎖端部9aが凹形の連結部35cと係合固定された状態で組み込まれている。
【0036】
また、以上の取付ベース1及び1Aは、グリップ本体端部21の空洞部22に配置されて枢軸36により回動可能に連結保持される。この連結操作では、保持部材両側の枢軸36を空洞部両側の導入穴23aにそれぞれ嵌合した状態から、取付ベース3や3Aを空洞部22の末端側に移動する。これにより、両側の枢軸36が対応する軸穴23bに嵌合される。すると、グリップ本体2に対し各取付ベース1と1Aが枢軸36により回動可能に組み付けられて、図2に示されるアシストグリップ15として完成される。
【0037】
以上のアシストグリップ15は、図4及び図5において、グリップ本体2がコイルばね5の付勢力に抗して実線の格納位置から一点鎖線に示した使用位置に回動操作され、使用位置で手を離すと捻りコイルばね5の付勢力により格納位置に再び回動される。その際、グリップ本体2は、段部26と26aの一方が外筒の凸部8b又は凸部8cに当接した状態を保って回動され、その結果、外筒8が内筒9に対して流体抵抗を受けながらグリップ本体2と共に制動されてゆっくり回動される。
【0038】
なお、本発明の回動機構は、請求項1又は2で特定される構成を備えておればよく、細部は形態例を参照し用途等に応じて種々展開可能なものである。その例としては、取付ベース1Aはダンパー6を省略したり、ダンパー6に代えて捻りコイルばね5を組み入れて取付ベース1と同じ構成にすることである。また、クリップ4を省略して、脚部39を係合可能な形状に形成し、該脚部39をパネルの取付孔10aに係合固定つまり締結することである。
【符号の説明】
【0039】
1・・・・・取付ベース(第一部材)
2・・・・・グリップ本体(第二部材)
3・・・・・保持部材(30は基板、33は張出部、34は支持部、39は脚部)
4・・・・・クリップ(4aは板部、4bは係合爪)
5・・・・・捻りコイルばね(5aはコイル形の端部、5bと5cは当接部)
6・・・・・ダンパー
7・・・・・カバー
8・・・・・外筒(8aは穴部、8bと8cは凸部)
9・・・・・内筒(9aは閉鎖端部)
10・・・・ボディパネル(10aは取付孔)
15・・・・アシストグリップ
20・・・・把持部(21は端部、22は空洞部)
23・・・・穴部(23aは導入穴、軸穴23b)
25・・・・凹部
26・・・・段部
26a・・・段部
35・・・・捻りコイルばね用収納部
35a・・・ダンパー用収納部
36・・・・枢軸
37・・・・突起部(37aは傾斜面、37bは凹所)
38・・・・突起部(38aは傾斜面、38bはばね保持部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10