(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記各ゾーンにおいて前記第1電極及び前記第2電極に印加される電圧は、前記フレネルゾーンプレートの前記中心に向かって段階的に変化する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
前記第1電極、前記第2電極、及び前記第2電極層に同一の電圧が印加されると、前記回折レンズの機能がオフされ、2次元画像が認知される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0020】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるという時、これは他の部分の“すぐ上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の“すぐ上”にあるという時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0021】
図1及び
図2は、それぞれ本発明の一実施形態に係る画像表示装置の概略的な構造及び2次元画像と3次元画像を形成する方法を示す図面である。
【0022】
図1及び
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、画像を表示する表示パネル300、及び表示パネル300の画像が表示される面の前に位置する回折レンズ400を含む。
【0023】
表示パネル300は、プラズマ表示装置(plasma display panel、PDP)、液晶表示装置(liquid crystal display)、及び有機発光表示装置(organic light emitting display)などのような多様な平板表示装置とすることができる。表示パネル300は、行列状に配列されており、画像を表示する複数の画素(PX)を含む。表示パネル300は、2次元モードでは一つの平面画像を表示するが、3次元モードでは右眼用画像、左眼用画像などの種々の視域に該当する画像を空間または時間分割方式によって交互に表示することができる。例えば、3次元モードにおいて、表示パネル300は、奇数番目の画素列では右眼用画像を表示し、偶数番目の画素列では左眼用画像を表示するなどして、右眼用画像と左眼用画像を一列の画素ごとに交互に表示することができる。
【0024】
回折レンズ400は、表示パネル300で表示された画像の視域を光の回折現象を利用して分離するためのもので、スイッチオン/オフが可能である。即ち、回折レンズ400は、表示パネル300の画像を光の回折現象を利用して屈折させて、該当する視域に像が結像されるようにする。回折レンズ400は、表示パネル300が2次元モードの時はオフになり、3次元モードの時にオンになって、表示パネル300の画像の視域を分離する役割を果たす。または、回折レンズ400は、表示パネル300が3次元モードの時にオフになり、2次元モードの時にオンになることもできる。
【0025】
図1は、回折レンズ400がオフになった時、左眼と右眼に同一の画像が到達して2次元画像が認知されることを示し、
図2は、回折レンズ400がオンになって表示パネル300の画像を左眼及び右眼のような各視域に分離して屈折することによって、3次元画像が認知されることを示している。
【0026】
このような回折レンズ400は、フレネルゾーンプレート(Fresnel zone plate)で実現できる。フレネルゾーンプレートとは、一般に、フレネルゾーン(Fresnel zone)のように放射状に配列されており、中心から外側に向かうほど間隔が狭くなる複数の同心円を利用して、光の屈折の代わりに光の回折現象を利用してレンズの役割を果たすようにする装置を意味する。
【0027】
このようなフレネルゾーンプレートの光学的特性による種類について、
図3及び
図4を参照して説明する。
【0028】
図3は、振幅変調型フレネルゾーンプレートの位置による透過率の変化を示すグラフであり、
図4は、位相変調型フレネルゾーンプレートの位置による位相遅延変化を示すグラフである。ここで、フレネルゾーンプレートの各ゾーンは、各グラフで繰り返される波形がそれぞれ属する領域となる。
【0029】
図3を参照すると、振幅変調型フレネルゾーンプレートは位置によって、各ゾーンで光の透過率が0と1の間でサイン(Sine)パターンに変わるサインパターン(Sine pattern)ゾーンプレート、及び各ゾーンで光の透過率が1と0である部分に分れるバイナリパターン(binary pattern)などを含む。
【0030】
図4を参照すると、位相変調型フレネルゾーンプレートは、キノフォーム(kinoform)ゾーンプレート、サイン位相変調型(sinusoidal phasemodulation)ゾーンプレート、バイナリ位相変調型(binary phase modulation)ゾーンプレート、及びマルチレベル位相変調型(multi−level phase modulation)ゾーンプレートなどを含む。キノフォームゾーンプレートは各ゾーンでフレネルレンズと同一の位相遅延を現し、サイン位相変調型ゾーンプレートは各ゾーンで位相変化がサイン曲線のように変わる。バイナリ位相変調型ゾーンプレートは各ゾーンで位相遅延が0 radianと−π radianの二つの部分に分れ、マルチレベル位相変調型ゾーンプレートは各ゾーンで位相遅延が階段型に変わり、
図3では4段階にわたって変化することを示している。
【0031】
それぞれのゾーンプレートの焦点距離における光の強さを測定してみれば、振幅変調型フレネルゾーンプレートに比べて位相変調型フレネルゾーンプレートの回折効率がさらに優れ、そのうちのキノフォームゾーンプレートの次にマルチレベル位相変調型ゾーンプレートの回折効率が最も優れて、焦点距離における光の強さが最も強い。したがって、後述する一部の実施形態ではマルチレベル位相変調型ゾーンプレートを中心に説明するが、これに限定されることではない。
【0032】
以下、
図5を参照して、本発明の一実施形態に係る液晶回折レンズについて説明する。
【0033】
図5は、本発明の一実施形態に係る回折レンズの一例として、液晶回折レンズの断面図である。
【0034】
本実施形態に係る液晶回折レンズ401は、
図1及び
図2の実施形態で説明した回折レンズ400の一例として、液晶(liquidcrystal)を利用した回折レンズである。本実施形態に係る液晶回折レンズ401は、ガラス、プラスチックなどの絶縁物質からなり、互いに対向する第1基板110と第2基板210、及び両基板110、210の間に介されている液晶層3を含む。
【0035】
第1基板110の上には第1電極層190及び配向膜11が順次に形成されており、第2基板210の上には第2電極層290及び配向膜21が順次に形成されている。
【0036】
第1電極層190及び第2電極層290は複数の電極を含み、ITO(indium tin oxide)またはIZO(indium zinc oxide)などの透明な導電物質で形成することができる。第1電極層190及び第2電極層290は印加される電圧により液晶層3に電場を形成して、液晶層3の液晶分子の配列を制御する。
【0037】
配向膜11、21は、液晶層3の液晶分子の初期配向を決定し、液晶分子の配列方向を予め決めて、液晶層3に形成された電場によって速かに配列されるようにする。
【0038】
液晶層3は、水平配向モード、垂直配向モードなどの多様なモードに配向されることができ、初期配向状態では第1基板110から第2基板210まで液晶分子は長軸方向がツイスト(twist)されないようにすることができる。
【0039】
本実施形態に係る液晶回折レンズは、第1電極層190及び第2電極層290に電圧を印加しない時はターンオフされて動作せず、第1電極層190及び第2電極層290に電圧が印加されると、液晶層3を配向する。このような動作により、液晶回折レンズは、上述したフレネルゾーンプレートのように動作して光を屈折させてレンズの役割を果たすことができる。
【0040】
以下、このような液晶回折レンズの一実施形態について、
図6乃至
図9を
図5と共に参照して説明する。
図5の実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0041】
図6は、本発明の一実施形態に係る液晶回折レンズの断面図であり、
図7は、
図6の液晶回折レンズの電極に印加される電圧を示した図面であり、
図8は、
図6の液晶回折レンズの各ゾーンにおける位相遅延を示す図面であり、
図9は、
図6の液晶回折レンズの一周期に含まれる位相遅延の形態を示す図面である。
【0042】
図6を参照すれば、本発明の一実施形態に係る液晶回折レンズは、互いに対向する第1基板110と第2基板210、及び両基板110、210の間に介されている液晶層3を含む。第1基板110の上には第1電極層190及び配向膜11が順次に形成されており、第2基板210の上には共通電極291及び配向膜21が順次に形成されている。
【0043】
第1電極層190は、複数の第1電極193を含む第1電極アレイ191、第1電極アレイ191の上に形成されている絶縁層180、及び絶縁層180の上に形成されて、複数の第2電極197を含む第2電極アレイ195を含む。
【0044】
第1電極193及び第2電極197は横方向を基準として互いに交互に位置しており、互いに重畳しないことができる。
図6において、隣接する第1電極193及び第2電極197の周縁は重畳しないように示されているが、周縁の一部は若干重畳することもできる。
【0045】
一つのフレネルゾーンプレートの中心が位置する側を内側(
図6中のInside)といい、中心から離れた側を外側(
図6中のOutside)という時、第1電極193及び第2電極197の横方向の幅または電極193、197間の間隔は外側に向かうほど次第に狭くなる。(n−1)番目ゾーン(
図6中のN-1-th zone)、n番目ゾーン(
図6中のN-th zone)、及び(n+1)番目ゾーン(
図6中のN+1-th zone)のようなゾーンプレートのそれぞれのゾーンには、二つの第1電極193及び第2電極197が位置しており、各ゾーンでそれぞれの電極193、197が位置する領域は一つのサブゾーン(sZ1、sZ2、sZ3、sZ4)を形成する。ここで、フレネルゾーンプレートの各ゾーンは、上述の通り、
図3、
図4の各グラフで繰り返される波形がそれぞれ属する領域となる。例えば、位相変調型フレネルゾーンプレートのマルチレベル位相変調型ゾーンプレートにおいては、
図4の位相遅延が階段型に変わりその値が異なる領域が4つ存在するが、各ゾーンは連続する4段階の領域からなる。つまり、各ゾーンは、4段階の各領域であるサブゾーンの組み合わせから構成されている。そして、
図4の各ゾーンは
図6の各ゾーン(例えばN-th zone)に相当し、
図4の各段階のサブゾーンは
図6の各サブゾーン(例えば、sZ1)に相当する。
【0046】
一つのゾーンにおいて、外側に位置するサブゾーンから内側に位置するサブゾーンまで順次にsZ1、sZ2、sZ3、及びsZ4と表わす。
図6では一つのゾーンが4個のサブゾーン(sZ1、sZ2、sZ3、sZ4)を含むことと示しているが、その数はこれに限られない。
図6に示したものとは異なって、一つのゾーンに含まれている第1電極193及び第2電極197の横方向の幅は一定であり、外側ゾーンに向かうほど各ゾーンに含まれている電極193、197の横方向の幅が減少することができる。
【0047】
全てのゾーンにおいて、第1電極193及び第2電極197の横方向の幅は液晶層3のセルギャップ(d)より大きいか、または同一にすることができる。したがって、液晶層3のセルギャップ(d)は、10μm以下、さらに具体的には5μm以下に小さくすることができるので、液晶分子の制御を容易に行える。
【0048】
絶縁層180は、無機絶縁物または有機絶縁物などで形成することができ、第1電極アレイ191と第2電極アレイ195との間を電気的に絶縁する。
【0049】
共通電極291は、第2基板210の全面の上に形成されており、共通電圧Vcomなどの決められた電圧の印加を受ける。共通電極291はITO、IZOなどの透明導電物質で形成することができる。
【0050】
配向膜11、21は、第1電極193及び第2電極197の幅方向に垂直な長さ方向(図面の面に垂直な方向)、またはこれと一定の角度をなす方向にラビング(rubbing)されていることができる。配向膜11と配向膜21のラビング方向は互いに反対とすることができる。
【0051】
液晶層3の液晶分子31は、基板110、210面に水平である方向に初期配向されていることができるが、液晶層3の配向モードはこれに限定されず、垂直配向なども可能である。
【0052】
このような液晶回折レンズの動作について説明する。
【0053】
図6及び
図7を参照すると、フレネルゾーンプレートの各ゾーンの第1電極193及び第2電極197は、内側から外側方向にその大きさが順次に大きくなる階段型電圧の印加を受ける。例えば、サブゾーン(sZ4)の第2電極197は共通電圧Vcomの印加を受け、サブゾーン(sZ3)の第1電極193は共通電圧Vcomよりも大きい第1レベル電圧(第1レベル電圧>共通電圧Vcom)の印加を受け、サブゾーン(sZ2)の第2電極197は第1レベルより大きい第2レベル電圧(第2レベル電圧>第1レベル電圧)の印加を受け、サブゾーン(sZ1)の第1電極193は第2レベルより大きい第3レベル電圧(第3レベル電圧>第2レベル電圧)の印加を受けることができる。各ゾーンにおける同一のサブゾーンの第1電極193または第2電極197は、同一の位相遅延を起こすように印加される。例えば、N-th zoneのsZ1での位相遅延と、N+1-th zoneのsZ1での位相遅延と、が同一になるように第1電極193及び第2電極197に電圧が印加される。
【0054】
このように、共通電極291には共通電圧Vcomを印加し、第1電極193及び第2電極197に、
図7に示したように電圧を印加すると、
図6に示したように液晶層3の液晶分子31が配列されることができる。つまり、水平配向の液晶層3の場合、サブゾーン(sZ4)の液晶分子31は基板110、210面に対して水平配向を維持し、サブゾーン(sZ3)からサブゾーン(sZ1)に向かうほど、液晶層3の液晶分子31は次第に基板110、210面に対して垂直方向に配列される。しかし、液晶層3が水平配向でない他のモードである場合、これとは異なって配列されることも可能である。
【0055】
このようなサブゾーン(sZ1、sZ2、sZ3、sZ4)における液晶層3の液晶分子31の配列変化によって、
図8に示したようにサブゾーン(sZ1、sZ2、sZ3、sZ4)における液晶層3の位相遅延値を変えることができる。即ち、フレネルゾーンプレートの各ゾーンにおける位相遅延値を内側方向に向かうほど階段型に次第に大きくすることにより、上述したフレネルゾーンプレートのマルチレベル位相変調型ゾーンプレートを実現することができる。本実施形態においては、第1電極193または第2電極197に印加される電圧の値が大きいほど、位相遅延が小さくなるようにしたが、第1電極193または第2電極197に印加される電圧の値が大きいほど、位相遅延値が大きくなるように液晶層3を選択することもできる。
【0056】
このように、共通電極291、第1電極193、及び第2電極197に印加される電圧を調節して、各ゾーンにおける液晶層3の位相遅延の変化がマルチレベルに変化するようにして、位相変調型フレネルゾーンプレートを形成することができ、各ゾーンを通過する光の回折と消滅、補強干渉を通じて光を焦点位置に集まるように屈折させることができる。
図9は、本発明の実施形態に係る液晶回折レンズを利用して実現した一つの位相変調型フレネルゾーンプレートを示したものである。
【0057】
上記の構成において、第1電極193及び第2電極197に印加される電圧を全て同一にすれば、液晶層3の回折レンズとして動作せず、表示パネル300の2次元画像が左眼及び右眼に認知されるようにすることができる。
【0058】
このように、本実施形態によれば、液晶回折レンズが含む液晶層3のセルギャップ(d)を非常に小さくできるので、液晶分子の制御を容易に行え、液晶層3と接触する第1基板110及び第2基板210の面が実質的に平面に形成されているので、液晶層3の配向の均一性が向上することができる。また、フレネルゾーンプレートの原理を利用することによって、回折レンズの厚さをさらに減少でき、液晶回折レンズの場合、液晶層のセルギャップをさらに減らせるので、画像表示装置に使用される回折レンズの量産性を向上させることができる。
【0059】
次に、
図10と共に上述した
図5乃至
図9を参照して、本発明の他の実施形態として他の液晶回折レンズについて説明する。上述した実施形態と同一の構成要素に対しては同一の図面符号を付け、同一の説明は省略する。
【0060】
図10は、本発明の一実施形態に係る液晶回折レンズの一部の断面図及び液晶回折レンズの電極に印加される電圧を示した図面である。
【0061】
本実施形態に係る液晶回折レンズは、
図5及び
図6に示した液晶回折レンズと殆ど同一であるが、第1電極層190の構造が異なる。
【0062】
本実施形態において、第1電極層190は、複数の第1電極194を含む第1電極アレイ191、第1電極アレイ191の上に形成されている絶縁層180、及び絶縁層180の上に形成されて、複数の第2電極198を含む第2電極アレイ195を含む。第1電極194及び第2電極198の横方向の幅または電極194、198間の間隔は、ゾーンまたはサブゾーン(sZ1、sZ2、sZ3、sZ4)の位置と無関係に一定である。電極194、198の幅は電極194、198間の間隔と同一にすることができる。また、第1電極194及び第2電極198の横方向の幅は、液晶層3のセルギャップ(d)より大きいか、または同一にすることができる。
【0063】
本実施形態において、ゾーンプレートのゾーン及びサブゾーン(sZ1、sZ2、sZ3、sZ4)に含まれる第1電極194及び第2電極198の数は、ゾーンの位置によって異なる。
図9を参照すると、(n−1)番目ゾーンにおいて、各サブゾーン(sZ1、sZ2、sZ3、sZ4)が一つの第1電極194及び一つの第2電極198を含み、総4個の第1電極194及び4個の第2電極198が(n−1)番目ゾーン(
図10中のN-1-th zone)に位置する。n番目ゾーン(
図10中のN-th zone)及び(n+1)番目ゾーン(
図10中のN+1-th zone)においては、各サブゾーン(sZ1、sZ2、sZ3、sZ4)が一つの第1電極194または第2電極198を含み、総2個の第1電極194及び2個の第2電極198が位置する。各サブゾーンは(sZ1、sZ2、sZ3、sZ4)は少なくとも一つの電極194、198を含み、内側(Inside)から外側(Outside)に向かうほど各ゾーンが含む電極194、198の個数は次第に減少するが、隣接する数個のゾーンに含まれる第1電極194及び第2電極198の個数は同一にすることができる。
【0064】
本実施形態において、フレネルゾーンプレートを実現するためには、各ゾーンで同一のサブゾーン(sZ1、sZ2、sZ3、sZ4)に含まれる第1電極194または第2電極198は、同一の位相遅延を起こすように電圧の印加を受ける。例えば、N-th zoneのsZ1での位相遅延と、N+1-th zoneのsZ1での位相遅延と、が同一になるように第1電極194及び第2電極195に電圧が印加される。
【0065】
また、各ゾーンにおいて、外側方向に位置するサブゾーン(sZ1、sZ2、sZ3、sZ4)であるほど、第1電極194及び第2電極198は高い電圧の印加を受けて、各ゾーンに印加される電圧及びこれによる液晶層3の位相遅延値は、上述の実施形態と同様に階段型のマルチレベルをなす。
【0066】
本実施形態によれば、第1電極194及び第2電極198の幅及び間隔が一定に配置されているので、
図6に示した実施形態とは異なって、液晶回折レンズにおけるフレネルゾーンプレートの位置、または各フレネルゾーンプレートのゾーンの位置及び幅を自由に調節することができる。したがって、画像表示装置に利用される場合、液晶回折レンズのゾーンプレートの位置を自由に選択することができるので、時分割駆動が可能である。これにより、一つのフレームにおける一つの視域で認知できる領域が拡大されるので、解像度を高められる。
【0067】
その他にも、上述した
図5乃至
図9の実施形態の種々の特徴及び効果が本実施形態にも適用できる。
【0068】
次に、
図11を参照して、本発明の他の実施形態に係る画像表示装置について説明する。
【0069】
図11は、本発明の一実施形態に係る偏光転換方式の画像表示装置の断面図である。
【0070】
本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、画像を表示する表示パネル300、表示パネル300の画像が表示される面の前に位置する偏光スイッチング部500、及び異方性回折レンズ410を含む。
【0071】
表示パネル300は、上述した
図1及び
図2の実施形態と同一なので、詳細な説明は省略する。
【0072】
異方性回折レンズ410は、上述したフレネルゾーンプレートのような回折レンズで、光学的異方性を有して偏光スイッチング部500による入射光の偏光状態によって選択的にフレネルゾーンプレートの機能がスイッチオン/オフされる。異方性回折レンズ410がフレネルゾーンプレートとして機能する場合、表示パネル300は3次元モードで画像を表示し、異方性回折レンズ410が表示された画像の視域を分離して、観察者に3次元画像が認知される。異方性回折レンズ410がフレネルゾーンプレートとして機能しない場合、表示パネル300は2次元モードで画像を表示して、観察者に2次元画像が認知される。
【0073】
偏光スイッチング部500は、表示パネル300からの画像の偏光方向を調節して、異方性回折レンズ410で位相遅延が生じるようにして、フレネルゾーンプレートとして機能するようにするか、または異方性回折レンズ410で位相遅延が生じないようにして、 フレネルゾーンプレートとして機能しないようにスイッチングすることができる。
【0074】
以下、このような異方性回折レンズ410の一実施形態について、
図12を参照して説明する。
【0075】
図12は、
図11の偏光転換方式の画像表示装置が含む異方性回折レンズの一例として、フィルム型異方性回折レンズの断面図である。
【0076】
図12を参照すると、本実施形態に係る異方性回折レンズ411は、等方性回折フィルム50、等方性回折フィルム50の一側面に塗布された配向膜60、及び配向膜60の上に位置する異方性物質層40を含む。
【0077】
等方性回折フィルム50は、光学的等方性の有機物質または無機物質で形成することができ、配向膜60が塗布された断面は、上述したマルチレベル位相変調型ゾーンプレートの位相変化と実質的に同一の形態をしている。したがって、異方性回折レンズ411は、マルチレベル位相変調型ゾーンプレートの位相変化と実質的に同一の位相遅延を有するようになる。しかし、図示したものとは異なって、等方性回折フィルム50の断面は、上述した
図4の色々な種類のフレネルゾーンプレートの位相変化と同一の形態を有することができる。
【0078】
異方性物質層40は、液晶高分子(liquid crystal polymer)物質のような光学的異方性物質で形成することができ、紫外線などによって硬化した物質とすることができる。配向膜60は、異方性物質層40が液晶高分子物質からなる場合、異方性物質層40を形成する段階で液晶物質の配向を決定し、配向が必要でない異方性物質を使用する場合、省略することもできる。異方性物質層40が液晶高分子物質からなる場合に、異方性物質層40の上に他の配向膜(図示せず)をさらに形成することも可能である。
【0079】
次に、
図13を参照して、
図11に示した異方性回折レンズ410の他の実施形態について説明する。
【0080】
図13は、
図11の偏光転換方式の画像表示装置が含む異方性回折レンズの一例として、液晶セル型異方性回折レンズの断面図である。
【0081】
図13を参照すると、本実施形態に係る異方性回折レンズ412は、互いに対向する第1基板10と第2基板20、両基板10、20の間に位置する等方性回折層52、等方性回折層52の一側面に塗布された配向膜61、配向膜61の上に位置する液晶層42、及び液晶層42と第2基板20との間に塗布されている配向膜62を含む。
【0082】
等方性回折層52の上面の形状は、上述したマルチレベル位相変調型ゾーンプレートの位相変化と同様にマルチレベルに変化するように形成されているが、ゾーンプレートの各ゾーンに該当する領域においては、ゾーンプレートの中心方向に向かうほど基板10からの高さが低くなるように形成されている。したがって、異方性回折レンズ412は、マルチレベル位相変調型ゾーンプレートの位相変化と実質的に同一の位相遅延を有するようになる。つまり、等方性回折層52の基板10からの高さが小さいほど液晶層42の厚みが大きくなり、その分だけ位相遅延が大きくなることで、
図8等に示すような位相遅延を有するようになる。しかし、図示したものとは異なって、等方性回折層52の上面の形状は、上述した
図4の色々な種類のフレネルゾーンプレートの位相変化と同一の形態を有することができる。
【0083】
液晶層42は、配向膜61、62によって決められた方向に配向されている。液晶層42の液晶分子は長軸と短軸を有する棒状で、その光学的性質が長軸方向と短軸方向が互いに異なる異方性を有する。即ち、液晶分子は、誘電率、屈折率、伝導率、粘性率などの物性値が、液晶分子の長軸に平行な方向と、液晶分子の長軸に垂直な方向とが互いに異なって現れる。このような液晶分子を含む液晶層3を形成することにより、異方性回折レンズ412が光学的異方性を有することができる。
【0084】
従って、本実施形態に係る異方性回折レンズ412も、上述した
図11の偏光スイッチング部500によって調節された入射光の偏光方向によりフレネルゾーンプレートとして機能して、3次元画像が認知されるようにするか、またはフレネルゾーンプレートとして機能しないようにして、2次元画像が認知されるようにすることができる。
【0085】
このような異方性回折レンズ412の製造方法について簡単に説明する。まず、等方性回折層52は絶縁物質からなる第1基板10の上に光学的等方性の有機物質または無機物質を積層した後、その上面をパターニングして形成することができる。パターニングされた等方性回折層52の上には配向膜61を塗布し、また他の配向膜62が塗布された第2基板20と第1基板10を合着した後、両基板10、20の間に液晶層3を注入して異方性回折レンズ412を完成することができる。
【0086】
このように、
図11乃至
図13に示した実施形態によれば、偏光スイッチング部500の偏光調節によって異方性回折レンズをオン/オフさせることにより、2次元/3次元画像変換を容易に行うことができる。
【0087】
また、異方性回折レンズの厚さを薄くすることができ、回折レンズの量産性を向上させることができる。
【0088】
以下、上述した種々の実施形態による回折レンズ400と、画像を表示する表示パネル300とを含む画像表示装置の駆動方法について、上述した
図1及び
図2、そして
図14を参照して説明する。
【0089】
図14は、本発明の一実施形態に係る画像表示装置の駆動方法を示すブロック図である。
【0090】
画像表示装置の外部の記憶装置700は、2次元画像情報及び3次元画像情報を記憶しており、外部から2次元画像及び3次元画像のうちのいずれを表示するかを決める選択情報を受信することができる。選択情報を受信した記憶装置700は、選択情報によって2次元画像信号(Din_2D)または3次元画像信号(Din_3D)、及び選択信号(SEL)を画像表示装置の制御部600に送信する。記憶装置700が送信する画像信号の種類が一つに決められるので、選択信号(SEL)は省略されることも可能である。
【0091】
制御部600の画像処理部610は、2次元画像信号(Din_2D)または3次元画像信号(Din_3D)、及び選択信号(SEL)を受信して、これらを適切に処理し、処理された2次元画像信号(Dout_2D)または処理された3次元画像信号(Dout_3D)を表示パネル制御部620に送信し、スイッチング信号(Swt)を回折レンズ制御部630に送信する。スイッチング信号(Swt)は回折レンズ400のオン/オフスイッチングに対する信号である。
【0092】
スイッチング信号(Swt)を受信した回折レンズ制御部630は、回折レンズ制御信号(CONT2)を生成し、これを画像表示装置の回折レンズ400に送信する。回折レンズ制御信号(CONT2)は回折レンズ400のスイッチオン/オフを制御する。
【0093】
処理された2次元画像信号(Dout_2D)または処理された3次元画像信号(Dout_3D)を受信した表示パネル制御部620は、表示パネル制御信号(CONT1)、及び2次元画像データ(DAT_2D)または3次元画像データ(DAT_3D)を生成し、これを表示パネル300に送信する。表示パネル制御信号(CONT1)は、表示パネル300が3次元モード及び2次元モードのうちのいずれで動作するかを制御する。
【0094】
表示パネル300は、表示パネル制御信号(CONT1)によって2次元モードまたは3次元モードで動作する。2次元モードで動作する時には2次元画像データ(DAT_2D)を表示し、3次元モードで動作する時には3次元画像データ(DAT_3D)を表示する。
【0095】
回折レンズ400は、回折レンズ制御信号(CONT2)によってスイッチオン/オフされる。回折レンズ400は、表示パネル300が2次元モードの時にオフになり、3次元モードの時にオンになることができ、これとは反対に、表示パネル300が3次元モードの時にオフになり、2次元モードの時にオンになることもできる。これは回折レンズ400の種類によって決定される。
【0096】
以上の本発明の実施形態によれば、液晶回折レンズが含む液晶層のセルギャップを非常に小さくできるので、液晶分子の制御を容易に行え、液晶層と基板とが接触する面が実質的に平たいので、液晶層の配向の均一性が向上することができる。
【0097】
また、フレネルゾーンプレートの原理を利用して回折レンズを形成することにより、回折レンズの厚さをさらに減らすことができ、液晶回折レンズの場合、液晶層のセルギャップをさらに小さくできるので、画像表示装置に使用される回折レンズの量産性を向上させることができる。
【0098】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。