(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6341919
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】水蒸気改質反応器−交換器のためのバヨネット管に触媒を濃密に装填するための固体粒を供給する補助管を用いる気体システム
(51)【国際特許分類】
C01B 3/38 20060101AFI20180604BHJP
B01J 8/02 20060101ALI20180604BHJP
B01J 8/06 20060101ALI20180604BHJP
B01J 35/02 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
C01B3/38
B01J8/02 A
B01J8/06 301
B01J35/02 301D
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-537325(P2015-537325)
(86)(22)【出願日】2013年9月24日
(65)【公表番号】特表2016-501808(P2016-501808A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】FR2013052244
(87)【国際公開番号】WO2014060672
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2016年9月5日
(31)【優先権主張番号】12/02773
(32)【優先日】2012年10月17日
(33)【優先権主張国】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591007826
【氏名又は名称】イエフペ エネルジ ヌヴェル
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】サンス エレナ
(72)【発明者】
【氏名】ボーモン ロベール
(72)【発明者】
【氏名】ボワイエ クリストフ
【審査官】
山口 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−072992(JP,A)
【文献】
特開2000−237577(JP,A)
【文献】
国際公開第2005/053833(WO,A1)
【文献】
特開2012−101189(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01374985(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B3/00−6/34
B01J8/00−8/46,21/00−38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェル中に封入された複数のバヨネット管からなる水蒸気改質交換器−反応器に触媒を濃密に充填するための気体式装置であって、触媒は、内管(5)と外管(6)の間に含まれる環状空間(4)の少なくとも一部を占有する粒子によって構成され、これら2つの管の組み立てによってバヨネット管が構成され、前記環状空間の幅は、30mm〜80mmの範囲であり、その高さは10〜20メートルの範囲であり、触媒粒子は、10mm〜20mmの高さを有し、5mm〜20mmの直径を有する円柱の形態であり、装置は、
・環状空間(4)の内部を貫通し、50cm〜150cmの範囲の、形成されている床の表面から一定距離で維持され、環状空間(4)の幅の0.5〜0.9倍の範囲の直径を有する少なくとも1つの堅い(rigid)補助管(7)からなり、前記の堅い補助管(7)は、環状空間(4)中に装填される固体粒子の導入を可能にし、内管(5)を通って導入されるガスの逆流の流れによって妨害され;
・前記の堅い補助管(7)は、装填の開始時に縦につないで設置され、次いで、床の表面に対して所望の距離を維持するよう、粒子の床が形成される限り、徐々に引き抜かれる、50cm〜200cmの範囲の長さを有する複数の区分に分割され、触媒の粒子は、
・それによって補助管(7)に供給するシェーカーコンベヤーまたはコンベヤーベルト(2)に粒子を送達するための中心フィードホッパー(1):
・それを通って粒子が環状空間(4)の内部に流れる漏斗(3)中に含有される、装置を使用して触媒を装填するための方法であって、
以下の一連のステップ:
・最初に、堅い補助管(7)が区分に分解され、バヨネット管の外側であり、フィードホッパー(1)に固体が充填されるステップ;
・堅い補助管(7)が、その下端が環状帯域(4)の下部に対して50cm〜100cmの範囲の距離に位置付けられるように、必要な数の区分を縦につないで位置付けることによって環状帯域(4)中に徐々に導入されるステップ;
・ガスの適した流れが、その全体で内管(5)中に導入されるステップ;
・150kg/h〜500kg/hの範囲の固体の供給速度を提供するよう、コンベヤーベルトまたはシェーカーコンベヤー(2)の動きが開始され、前記固体粒子が堅い補助管(7)を通って環状帯域(4)中に導入されるステップ;
・環状帯域(4)が充填される限り、一定に徐々に形成されている床の表面に対する距離を維持するよう、外部巻き付けシステム(10)を用いて区分を除去することによって、堅い補助管(7)が環状帯域(4)から上げられ、前記距離が常に50cm〜150cmの範囲にあるステップ;
・堅い補助管(7)が、0.1m/分〜0.4m/分の範囲の管の装填の速度と同等の速度で引き抜かれるステップ;
・ひとたび、バヨネット管が装填され、装填システムが引き抜かれると、堅い補助管(7)が次の管を装填するために動かされるステップ
を特徴とする、方法。
【請求項2】
前記供給速度が、250〜500kg/hの範囲である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記堅い補助管(7)が、0.2〜0.4m/分の範囲の管の装填の速度と同等の速度で引き抜かれ、かつ、前記固体の供給速度が、150kg/h〜500kg/hまたは250〜500kg/hの範囲である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
使用されるガスが空気または窒素である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高度吸熱反応または高度発熱反応を使用する管型反応器において使用される触媒管の装填(loading)の分野に関する。したがって、本発明は、合成ガスとして知られるCO+H
2混合物を製造する目的で、天然ガスまたは種々の炭化水素留分を水蒸気改質するための反応器に特に適している。
【背景技術】
【0002】
水蒸気改質反応器の2つの主なファミリーが分類され得る。
【0003】
熱が反応器の内側に位置している一群のバーナーによって供給される反応器および熱が熱伝達流体、一般に、燃焼煙霧によって供給され、前記燃焼が、水蒸気改質反応器自体の外側で起こるもの。
【0004】
本明細書において以下、交換器−反応器と示されるこの後者の種類の特定の反応器は、簡単な管を使用する。その他のものは、バヨネット管としても知られる二重壁同心管を使用する。バヨネット管は、内管と同軸である外管によって囲まれている内管として定義され得、内管と外管の間の環状空間は、一般に、触媒が充填されている。本明細書の残部では、用語「環状空間」または「触媒帯域」は、バヨネット管によって定義される前記環状空間を指定するために使用される。
【0005】
本発明との関連では、天然ガスまたはより一般的には、炭化水素フィードが上から下への流れで環状帯域を通って導入され、反応流出物が下から上への流れで内管の中心部分に集められる。
【0006】
水素を製造するための天然ガスを水蒸気改質するための反応は、高度に吸熱性であり、従って、一般に、上記で定義されるように、炉において、または交換器−反応器において起こる。
【0007】
反応は、極めて高温、通常、900℃で、通常、20〜30バールである圧力の下で起こる。これらの条件下で、反応は、材料の機械的挙動のために、管の内部で起こる場合には、実行可能な経済的条件下でのみ実施され得る。
【0008】
触媒交換器−反応器は、多数の管、通常、100000Nm
3/hの水素を製造するユニットについて、ほぼ200〜350程度の管によってこのように構成され、この一連の管は、高温流体を受け取るシェル中に封入されており、これは、水蒸気改質反応に必要な熱が供給され得ることを意味する。
【0009】
この高温流体または熱伝達流体は、一般に、交換器−反応器の外側で起こった燃焼からの煙霧によって構成される。
【0010】
したがって、触媒は、管ごとに同一圧力降下を有するよう、水蒸気改質管のすべてにおいて管ごとに規則的に設置されなければならない。
【0011】
この条件は、一連の触媒管にわたって反応物質の良好な分布を保証するのに、また、例えば、これが、管を構成する物質の主要な過熱をもたらし得、この過熱が、管の耐用年数を実質的に減少させてしまうような、ある管が十分に供給されないことを防ぐために極めて重要である。
【0012】
同様に、やはり、管がその内側での触媒反応の不在下では局所的に過熱し得るので、管中に、空隙、すなわち、触媒を伴わないか、または触媒が枯渇した領域がないことが重要である。さらに、反応帯域における触媒の分布の何らかの不均一性は、反応流体(単数または複数)の不均衡な流れをもたらし得る。
【0013】
したがって、本発明の装置の目的は、交換器−反応器の一部を形成するバヨネット管の各々にわたって、濃密で、均一である装填を可能にすることである。
【0014】
先行技術の調査
この調査は、気体式装填装置に限るものである。
【0015】
本出願人の特許文献1には、機械的ブレーキまたは空気式制動を用いて、3つの装填管を有するバヨネット管に装填するための解決策が記載されている。その装填法は、バヨネット管の濃密な、均一な装填をもたらすために使用され得る。それは、「粒ごとの」方法であり、数百の管を含む工業的反応器の規模で使用するにはあまりにも遅く、十分に適したものではないとわかる。
【0016】
特許文献2には、粒子の落下にブレーキをかける逆流として空気の流れを導入するための取り外し可能な管を有する装填システムが記載されている。このシステムは、天然ガスを水蒸気改質する従来の管に適用されるが、バヨネット管の特別な必要条件に順応できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特許FR2950822
【特許文献2】特許EP1374985
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
見られる文書のうち、環状帯域が装填される場合のバヨネット管への適用に関するものはない。
【0019】
したがって、本発明の装置は、水蒸気改質交換器−反応器中に提供されたバヨネット管の環状帯域中へ触媒を濃密に装填するための気体式装置として定義され得、装置は、交換器−反応器の管の各々において、工業的規模での開始の求めるものに適合する時間的制約内で、均一な装填密度を得るために使用される。
【0020】
さらに、一定数の場合には、本発明の装置は、管に沿って変化する機械的応力および熱応力によって課される外管6の内径の変動に、ひいては、環状帯域の寸法の変化に適応できなければならない。先行技術における装置のうち、この追加制約を考慮するものはない。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、シェル中に封入される複数のバヨネット管からなる水蒸気改質交換器−反応器への触媒の濃密充填のための気体式装置として定義され得、各バヨネット管は、触媒で少なくとも部分的に充填される環状帯域を含む。
【0022】
前記触媒は、内管5と外管6の間に含まれる環状空間4の少なくとも一部を占有する固体粒子によって構成され、これらの2つの管の組み立てによってバヨネット管が構成され、前記環状空間の幅は、30mmから80mmの範囲にあり、その高さは、10から20メートルの範囲にある。
【0023】
触媒粒子は、一般に、10mm〜20mmのおよその高さおよび5mm〜20mmのおよそ直径を有する円柱の形態である。
【0024】
その基本版では、本発明の装置は、
・環状帯域4の内部を貫通し、50mm〜150mmの範囲の、形成されている床の表面から一定距離で維持される複数の区分に分割された堅い(rigid)補助管7からなり、前記管は、内管5を通って導入されている減速ガスの流れに対する逆流として環状帯域4に固体粒子を供給し、
前記の堅い補助管7は、50cm〜200cmの範囲の長さを有する区分に分解され得、触媒の粒子は:
・それによって補助管7に供給するコンベヤーベルトまたはシェーカーコンベヤー2上に粒子を送達するための中心フィードホッパー1
・それを通って粒子が、補助管7の内部に流れる漏斗3
中に含有される。
【0025】
装填される固体粒子の供給速度に応じて、並行して作動する2または3の同一の堅い管7が使用され得る。したがって、本明細書の残部では、用語「堅い補助管7」は、堅い補助管(単数または複数)7を意味すると理解されなければならない。
【0026】
並行して作動する堅い管7のこの群は、単一フィードホッパーによって供給され得る。
【0027】
本発明はまた、上記の装置を使用して触媒を装填するための方法に関し、この方法は、以下の一連のステップ:
・最初に、堅い補助管7が区分に分解され、バヨネット管の外側であり、フィードホッパー1に固体が充填されるステップ;
・堅い補助管7が、その下端が、管の下部に対して50cm〜100cmの範囲の距離に位置付けられるまで、区分を付加しながら、その上部部分を通って環状帯域4中に徐々に導入され;
内管5を通って一定流のガスが導入され、環状空間中を通過し、補助管の内側を上がり、ガスの流速が、補助管の内側で、8m/s〜14m/sの範囲の速度を生成するようなものであるステップ;
・150kg/h〜500kg/hの範囲の、好ましくは、250〜500kg/hの範囲の固体の供給速度を提供するようコンベヤーベルトまたはシェーカーコンベヤー2の動きが開始され、固体の流れが、漏斗3を通って補助管4中に導入されるステップ;
・固体の粒が、補助管の内側で減速され、環状帯域4を充填する形成されている床の表面上に落下するステップ;
・環状帯域4が充填される限り、一定に徐々に形成されている床の表面に対する距離を維持するよう区分を除去することによって、堅い補助管7が環状帯域4において上げられ、前記距離が常に50cm〜150cmの範囲にあるステップ;
・堅い補助管7が、0.1m/分〜0.4m/分の範囲の、好ましくは、0.2メートル/分〜0.4メートル/分の範囲の管の装填の速度と同等である速度で引き抜かれるステップ;
・ひとたび、バヨネット管が装填され、装填システムが引き抜かれると、装填システムが次の管を装填するために動かされるステップ
によって記載され得る。
【0028】
並行して作動する堅い管7の群が使用される場合には、管7の群が、バヨネット管のその他の群に供給するために動かされる。
【0029】
一般に、本発明の方法を実施するために使用されるガスは、空気または窒素である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の装置を表し、固体粒子を環状帯域4中に導入するために使用され得る堅い補助管7の断面ならびにそれを巻き上げるためのシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、バヨネット管の環状空間4への触媒の濃密装填のための装置として定義され得、各バヨネット管は、10m〜20mの範囲の高さ、250mm〜150mmの範囲の外管6の直径および10〜40mmの範囲の内管5の外径を有する。
【0032】
触媒を含有する環状空間4は、従って、およそ50mmの特徴的な幅を有する。実際には、場合に応じて、環状空間4の特徴的な幅は、30mmから80mmの間で変わり得る。
【0033】
さらに、いくつかの場合には、外管6は、区分において頂部から下部へと減少する直径を有し、これは、環状空間4の特徴的な幅もまた、頂部から下部へと減少することを意味する。
【0034】
本発明の装置は、区分の全セットにわたってその性能を保持しながら、特徴的な幅の変動に極めて容易に適応し得る。
【0035】
触媒の粒は、一般に、およそ10mm〜20mmの高さおよび5mm〜20mmの直径の円柱の形態である。
【0036】
長さが10メートル超の管中にそれらを装填することによって引き起こされる主要な問題の1つは、何ら対策を取らずに、それらが自由に落下することを簡単に可能にされる場合(これは、濃密装填をもたらすための先行技術の解決策の1つである)には、これらの粒の破壊の危険である。一般に、粒の破壊の危険は、1メートルの落下高さを超えると高い。
【0037】
その他の問題は、従来の装填システムの通過を妨げる環状触媒空間自体の幾何学と関係している。
【0038】
本発明と関連して頻繁な場合において、反応流出物を完全に含まない出口を提供するために環状帯域4の上部部分において外管6を通過する内管5が取り組まれなければならない。
【0039】
最後に、先行技術において示されるように、環状空間の通常幅(50mm)が、触媒の粒子の特徴的な直径の約4倍と等しいので、本発明と関連する場合にはよくある、管の直径と粒子の主要寸法の間の比が8未満である場合に、上にアーチを形成する危険は顕著である。
【0040】
装填装置が、同様に順応しなくてはならない主要な制約は、装填が管ごとに実施され、そのため、およそ100000Nm
3/hのH
2の製造を目的とする水蒸気改質反応器は、およそ200〜350のバヨネット管を有するので、工業的適用のためには十分に迅速でなくてはならないことである。
【0041】
本発明は、粒子の落下に対する逆流としての、従って、前記粒子の落下を減速し、それによって、それらを破壊から防ぎ、目詰まりを伴わない均一な装填をもたらす、ガス、一般に、空気の流れによってバヨネット管を装填するシステムを記載する。
【0042】
考慮中の粒の落下の末端速度は、およそ14m/sである。粒を破壊から防ぐために、粒子は、3m/s未満、好ましくは、2m/s未満の速度で落下しなくてはならない。
【0043】
粒子の落下に対して逆流であるガスの速度は、粒子の落下を減速するためには、11m/s〜13m/sの範囲になくてはならない。環状空間4を通じてこのような速度を得ることは、極めて高いガス流速を必要とする。通常、30mm〜50mmの範囲の直径を有する内管5を通ってこのような流速を導入することは、この管の内側に極めて高い速度を生成し得、これは、音速流でさえもたらし得る。
【0044】
本発明では、粒子を適した方法で減速するために必要なガスの流れが、内管5によって不可欠な方法で導入されるが、固体粒子は、直径が環状空間4、より正確には、外管6の内径の変化を有する管の場合には環状空間4の最小のものの幅の0.5から0.9倍の間である堅い補助管7によって環状帯域4中に供給される。この堅い補助管7は、環状帯域4の下部に落下されることを可能にし、次いで、装填が始まり、前記環状帯域4の装填の間、徐々に引き抜かれることを可能にするよう、いくつかの区分に分割される。
【0045】
内管5の内側のガスの流れは、形成されている粒子の床を固定床状態で維持するが、装填の間に生成され得る微粒子を運び去るには、
・一方では、堅い補助管7において生じる速度が、8m/s〜14m/sの範囲、好ましくは、11m/s〜13m/sの範囲にあり、
・他方、環状帯域において生じる上方への速度が、3m/s〜4m/sの範囲の固体粒子を流動化させる最小の速度未満であるようなものである。
【0046】
装填は、装填フィードホッパー1およびシェーカーコンベヤーまたはコンベヤーベルト2によって、補助管(単数または複数)の上部開放を介して緩やかに実施される。
【0047】
シェーカーコンベヤー2と堅い補助管7の間に、堅い補助管に振動を伝達することを防ぎながら触媒の粒子を導くために可撓性(flexible)カップリング3が使用される。
【0048】
微粒子が装填された堅い補助管7から出るガスの流れは、細粉を保持し、クリーンなガス12を放出するフィルター9を通過する。密閉システム8によって、ガスが、固体装填および濾過9のためのシステムのみを通ることが確実となる。
【0049】
環状帯域4の断面における変動は、内管5を通って導入される空気の流速にもはや影響を及ぼさず、これは、装填を通じて一定のままであり、これは、本装置は、環状帯域4の寸法の変動を有する管の幾何学に特に十分に適していることを意味する。
【実施例】
【0050】
42mmの外径および32.2mmの内径を有する内管5ならびに128.1mmの内径を有する外管6によって構成される、実験用の1mの高さのカラム中に配置された本発明の空気式装置を用いて装填試験を実施した。
【0051】
装填される固体粒子は、1.5cmの高さおよび0.8cmの直径を有する小円柱の形状であった。
【0052】
補助装填管7の総長は、6.2mであり、直径は、5cmであった。
【0053】
堅い補助管7の下端と、形成される床の表面との間の距離は、装填の間、50cmに等しく維持した。
【0054】
76.3m
3/hの空気の供給速度で、バヨネットの内管を通して導入し、これは、10.8m/sの堅い補助管7の内側の装填速度を生成した。
【0055】
バヨネットの内管5の内側の速度は、26m/sであった。
【0056】
固体粒子の床を通る上方への速度は、2m/s、すなわち、流動化させる最小の速度より下であった。
【0057】
気体式装置は、0.2m/分の速度で連続的に上げられた。
【0058】
ひとたび、床が装填されると、ΔPを、130Nm
3/hの空気の流れを用いて測定した。
【0059】
排出後、バッチから破壊された粒子を単離した。破壊の量は、ほぼ0.7%程度で極めて小さかった。
【0060】
装填の結果は、以下の表1に示されている。
【0061】
このシステムを用いて得られた装填は、極めて満足のいくものであり、圧力降下の点で優れた再現性を有していた(およそ±3%の標準偏差)。
【0062】
装填時間は、5から6分/メートルの間であり、これは、12mの管に対しておよそ66分の充填時間に相当する(およそ180kg/hの固体供給速度に対して)。
【0063】
装填密度は、およそ970kg/m
3,であり、装填のすべてにわたって相当に再現性があった。
【0064】
【表1】
【0065】
表1:1mのモデルで補助装填管を有する気体式システムを用いる装填の結果