(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
弾性クリック体と加飾キートップ部材のうち、少なくとも弾性クリック体を照光する光源を含み、静電容量センサ基材、弾性クリック体、及び加飾キートップ部材のうち、少なくとも弾性クリック体に光透過性を付与した請求項1又は2記載の静電容量型入力装置。
弾性クリック体と加飾キートップ層のうち、少なくとも弾性クリック体を照光する光源を含み、静電容量センサ基材、弾性クリック体、及び加飾キートップ層のうち、少なくとも弾性クリック体に光透過性を付与した請求項4又は5記載の静電容量型入力装置。
静電容量センサ基材の電極を第一、第二の電極に分割して第一の電極の周囲に第二の電極を離隔形成し、弾性クリック体を第一の電極に隙間をおいて接離可能に対向させ、この弾性クリック体の周縁部から脚部を第二の電極方向に広げながら伸ばすとともに、この脚部下端のフランジを第二の電極に固定するようにした請求項1ないし7のいずれかに記載の静電容量型入力装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、(1)〜(3)のタイプの場合には、例えば装置の上下が逆転したり、装置に振動等が作用すると、表面パネル、弾性体、誘電操作体の位置が変化することがある。このとき、位置が変化すると、静電容量の変化にバラツキが生じ、静電容量の変化の検出に支障を来す事態が考えられる。また、(1)のタイプの場合には、最上部の補強部材上に表面パネルが単に配置されるに止まるので、表面パネルが押圧操作されると、平面方向に位置ずれし、静電容量の変化にバラツキが発生しやすい。このため、検出値との比較に用いられる閾値の設定が困難になる。
【0006】
また、(2)、(3)のタイプの場合、優れた効果が期待できるものの、弾性体や誘電操作体が押圧操作されると、脚部が撓んで持ち上がり、弾性体や誘電操作体の対向面積が縮小し、安定した静電容量の変化を得ることができないおそれがある。さらに、第一の電極から弾性体あるいは誘電操作体までのストロークが広く長く確保されているので、クリック感等で優れた効果が期待できるが、弾性体や誘電操作体の変形上の制約から、用途が薄型パネル等に限定されることがある。
【0007】
本発明は上記に鑑みなされたもので、静電容量の変化にバラツキを招くおそれを排除し、安定した静電容量の変化を得ることができ、しかも、用途の限定が少ない静電容量型入力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては上記課題を解決するため、静電容量センサ基材と、この静電容量センサ基材に設けられて操作体に操作される弾性クリック体と、
静電容量センサ基材に覆着されて弾性クリック体を被覆する筺体と、静電容量センサ基材の電極と操作体との間に形成された静電容量の変化を検出する検出判定手段とを含んでなる装置であって、
静電容量センサ基材を、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリカーボネート製の絶縁シートと、この絶縁シートの表面に形成される電極と、絶縁シートの裏面に設けられる補強部材とから積層形成し、
弾性クリック体を弾性材料により変形可能な
柱形に形成してその裏面を静電容量センサ基材の電極に0.1〜2.0mmの隙間をおき接離可能に対向させ、この弾性クリック体の下部周縁部から屈曲可能なスカート形の脚部を静電容量センサ基材の電極方向に徐々に広げながら伸ばすとともに、この傾斜した脚部下端のフランジを静電容量センサ基材の電極の周縁部に固定することで、静電容量センサ基材の電極に対する弾性クリック体の位置ずれを規制するようにし、弾性クリック体の表面部の大きさを平面視でφ10mm以上とし、この弾性クリック体の表面部には、操作体に操作される加飾キートップ部材をプリロードの作用した状態で圧着し、
筺体に、弾性クリック体の加飾キートップ部材を操作可能に露出させる操作口を設け、弾性クリック体の加飾キートップ部材と操作口の周縁部とを密接させるようにし、
検出判定手段は、静電容量の変化を検出値に変換して第一の閾値と比較する機能と、比較した電極の検出値が第一の閾値を越える場合に、操作体と弾性クリック体とが接触状態にあると判定する機能と、比較した電極の検出値が第一の閾値以下の場合に、操作体と弾性クリック体とが非接触状態にあると判定する機能と、電極の検出値を第二の閾値と比較する機能と、比較した電極の検出値が第二の閾値を越える場合に、操作体の押圧操作により、電極と弾性クリック体とが接触状態にあると判定する機能と、比較した電極の検出値が第二の閾値以下の場合に、電極と弾性クリック体とが非接触状態にあると判定する機能とを実現することを特徴としている。
【0010】
なお、弾性クリック体の加飾キートップ部材と
筺体の操作口の周縁部の少なくともいずれか一方に、弾性クリック体の加飾キートップ部材と
筺体の操作口の周縁部との接触範囲を低減する低減突起を形成することができる。
【0011】
また、弾性クリック体と加飾キートップ部材のうち、少なくとも弾性クリック体を照光する光源を含み、静電容量センサ基材、弾性クリック体、及び加飾キートップ部材のうち、少なくとも弾性クリック体に光透過性を付与することができる。
【0012】
また、本発明においては上記課題を解決するため、静電容量センサ基材と、この静電容量センサ基材に設けられて操作体に操作される弾性クリック体と、静電容量センサ基材に設けられて弾性クリック体を保護する筺体と、静電容量センサ基材の電極と操作体との間に形成された静電容量の変化を検出する検出判定手段とを含んでなる装置であって、
静電容量センサ基材を、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリカーボネート製の絶縁シートと、この絶縁シートの表面に形成される電極と、絶縁シートの裏面に設けられる補強部材とから積層形成し、
弾性クリック体を弾性材料により変形可能な柱形に形成してその裏面を静電容量センサ基材の電極に0.1〜2.0mmの隙間をおき接離可能に対向させ、この弾性クリック体の下部周縁部から屈曲可能なスカート形の脚部を静電容量センサ基材の電極方向に徐々に広げながら伸ばすとともに、この傾斜した脚部下端のフランジを静電容量センサ基材の電極の周縁部に固定することで、静電容量センサ基材の電極に対する弾性クリック体の位置ずれを規制するようにし、弾性クリック体の表面部の大きさを平面視でφ10mm以上とし、
筺体に、弾性クリック体に嵌合する操作口を設け、この操作口の周縁部内の周縁段差部に、弾性クリック体を被覆する可撓性の加飾キートップ層を張設し、この加飾キートップ層表面の操作体に操作されるキートップを弾性クリック体の表面部に対向させ、
検出判定手段は、静電容量の変化を検出値に変換して第一の閾値と比較する機能と、比較した電極の検出値が第一の閾値を越える場合に、操作体と弾性クリック体とが接触状態にあると判定する機能と、比較した電極の検出値が第一の閾値以下の場合に、操作体と弾性クリック体とが非接触状態にあると判定する機能と、電極の検出値を第二の閾値と比較する機能と、比較した電極の検出値が第二の閾値を越える場合に、操作体の押圧操作により、電極と弾性クリック体とが接触状態にあると判定する機能と、比較した電極の検出値が第二の閾値以下の場合に、電極と弾性クリック体とが非接触状態にあると判定する機能とを実現することを特徴としている。
【0013】
また、静電容量センサ基材に、複数の弾性クリック体を区画する支持部材を備え、
この支持部材に、複数の弾性クリック体を被覆する加飾キートップ層を支持させ、この加飾キートップ層表面のキートップを複数として複数の弾性クリック体にそれぞれ対向させることもできる。
【0014】
また、弾性クリック体と加飾キートップ層のうち、少なくとも弾性クリック体を照光する光源を含み、静電容量センサ基材、弾性クリック体、及び加飾キートップ層のうち、少なくとも弾性クリック体に光透過性を付与することが可能である。
【0017】
また、静電容量センサ基材の補強部材の裏面側に、弾性クリック体を照光する光源を配置しても良い。
また、静電容量センサ基材の電極と弾性クリック体の
脚部下端のフランジの少なくともいずれか一方に、表面改質処理を施し、静電容量センサ基材の電極と弾性クリック体の
脚部下端のフランジとを隙間なく固定しても良い。
【0018】
また、静電容量センサ基材の電極と弾性クリック体の脚部とを両面粘着テープにより粘着固定しても良い。
また、静電容量センサ基材の電極と弾性クリック体の脚部とを接着剤あるいは締結具により固定しても良い。
【0019】
また、静電容量センサ基材の電極を第一、第二の電極に分割して第一の電極の周囲に第二の電極を離隔形成し、弾性クリック体を第一の電極に隙間をおいて接離可能に対向させ、この弾性クリック体の周縁部から脚部を第二の電極方向に広げながら伸ばすとともに、この脚部
下端のフランジを第二の電極に固定することができる。
また、弾性クリック体の脚部
下端のフランジにエア排気溝を形成し、このエア排気溝を電極の第一、第二の電極の少なくともいずれか一方の配線に隙間をおいて対向させることができる。
【0020】
また、電極の第一の電極を、静電容量を検出する検出判定手段のグランドに配線を介して接続されるグランド電極とし、電極の第二の電極を検出判定手段の入力端子に配線を介して接続し、第二の電極の一部分を第一の電極方向に伸ばして所定の間隔をおき隣接配置し、弾性クリック体を絶縁材料により形成するとともに、この弾性クリック体の裏面部に、第一の電極と第二の電極の一部分とに対向接触してこれらを導通させる導電接点を設けることが可能である。
【0022】
ここで、特許請求の範囲における静電容量センサ基材には、少なくとも単数複数の電極を有する薄い高密度フレキシブル基板や静電容量センサシート等が含まれる。この静電容量センサ基材は、自己容量タイプでも良いし、相互容量タイプでも良く、必要に応じ、透明、不透明、半透明とされる。操作体には、少なくとも指や導電性の筆記具等が含まれる。
【0023】
弾性クリック体は、導電材料又は絶縁材料により形成することができる。この弾性クリック体の脚部を電極の周縁部に支持させる場合、電極の周縁部に直接支持させても良いし、電極の周縁部にカバー等を介し間接的に支持させても良い。また、筺体の静電容量センサ基材に対向する対向部には、電極に接続された配線に非接触の接触回避部を形成することができる。さらに、加飾キートップ層は、可撓性を有する絶縁シートと、この絶縁シートに設けられて複数の弾性クリック体に対応する光硬化性樹脂製の複数のキートップと、絶縁シートに設けられてキートップを表示する加飾シートとから構成することができる。
【0024】
本発明によれば、静電容量センサ基材の電極周縁部に弾性クリック体の脚部を単に置くのではなく、
固定するので、静電容量センサ基材の電極と弾性クリック体とを略同じ個所に位置させることができ、弾性クリック体の位置変化を抑制することができる。したがって、静電容量やその変化にバラツキが生じたり、静電容量の変化の検出に悪影響を及ぼす事態を防ぐことができる。
【0025】
また、静電容量の変化が安定するので、静電容量の検出値との比較に用いる閾値を高精度、かつ精密に設定することができる。さらに、弾性クリック体の
脚部フランジを固定することにより、例え弾性クリック体が押圧操作されても、
弾性クリック体の脚部が撓んで持ち上がり、弾性クリック体の姿勢が悪化することが少ない。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、
静電容量センサシートの電極上に弾性クリック体のフランジを単に配置するのではなく、強固に固定し、電極と弾性クリック体とを常時同じ個所に位置させるので、例え自動車搭載機器等に振動が作用しても、弾性クリック体のXY方向への位置ずれを有効に防止することができる。したがって、電極と弾性クリック体との対向面積が変動しないので、静電容量の変化にバラツキが生じたり、静電容量の変化の検出に支障を来す事態を未然に排除することができる。また、静電容量の変化にバラツキが発生しにくいので、検出値との比較に用いられる検出判定手段の閾値を高精度、かつ精密に設定することができる。また、電極と弾性クリック体のフランジとの強固な固定により、弾性クリック体の脚部の自由な動きを制限するので、弾性クリック体が押圧操作されても、脚部が撓んで持ち上がることが少ない。したがって、弾性クリック体の電極との対向面積が縮小し、静電容量の変化が不安定になるおそれを排除することが可能となる。
【0027】
また、弾性クリック体のフランジの固定に伴い、静電容量の変化が安定するので、電極と弾性クリック体との隙間を小さくすることが可能となる。これにより、電極から弾性クリック体までのストロークを広く長く確保する必要がないので、静電容量型入力装置の用途が薄型パネル等に限定されることがなく、汎用性の向上が期待できる。また、弾性クリック体の表面上部に加飾キートップ部材を単に貼着するのではなく、プリロードの作用した状態で圧着し、弾性クリック体と加飾キートップ部材との間に空気が侵入しないようにするので、加飾キートップ部材の位置ずれを防止したり、クリアランスを小さくしたりすることが可能となる。また、静電容量センサ基材の絶縁シートをポリエチレンテレフタレートあるいはポリカーボネート製のシートとするので、優れた寸法安定性や絶縁性を得ることが期待できる。また、絶縁シートの裏面に補強部材を設けるので、静電容量センサ基材の強度を向上させて変形を防止することができる。さらに、弾性クリック体の表面部の大きさを平面視でφ10mm以上とするので、静電容量を容易に確保したり、押圧操作時の操作性を容易にすることができる。
【0028】
請求項2記載の発明によれば、弾性クリック体の加飾キートップ部材と操作口の周縁部との接触範囲を低減する低減突起を形成するので、低減突起に静電容量の大きな変化を抑制させることができ、筺体に対する操作体の接触が筺体を介し静電容量センサ基材の電極で反応しないようにすることができる。また、筺体から弾性クリック体に振動が伝播するのを防いだり、弾性クリック体から筺体に振動が伝播するのを抑制することが可能になる。
【0029】
請求項3記載の発明によれば、静電容量の変化の検出に応じて光源を点滅させたり、点灯させることができるので、静電容量型入力装置が搭載される機器や装置の動作状態を視覚的に明瞭に把握することが可能となる。また、加飾キートップ部材にグラフィックが形成されている場合、このグラフィックを発光させることが可能になる。
【0030】
請求項4記載の発明によれば、弾性クリック体の脚部フランジを電極の周縁部に固定するので、静電容量の変化にバラツキを招くおそれを排除し、安定した静電容量の変化を得ることができるという効果がある。また、静電容量型入力装置の用途が限定されることが少なく、幅広く使用することができる。また、筺体の操作口周縁部と加飾キートップ層との間の隙間から塵埃や液体等が筺体内に侵入するのを防ぐことができるので、防水性や防塵性の向上が期待できる。また、従来の加飾キートップではなく、薄い加飾キートップ層を用いることができるので、薄型化が期待できる。
請求項5記載の発明によれば、筺体の操作口の周縁部だけではなく、支持部材にも加飾キートップ層を支持させるので、加飾キートップ層の厚さ方向の位置ずれやバラツキを防止することが可能になる。さらに、製品仕様の拡充も期待できる。
【0031】
請求項6記載の発明によれば、静電容量の変化の検出に応じて光源を点滅させたり、点灯させることができるので、静電容量型入力装置が搭載される機器や装置の動作状態を視覚的に明瞭に把握することが可能となる。また、加飾キートップ層にグラフィックが形成されている場合、このグラフィックを発光させることも可能になる。
【0032】
請求項7記載の発明によれば、静電容量センサ基材の電極と弾性クリック体の脚部フランジとを、誘電率に影響を及ぼす両面粘着テープを介在させることなく、直接固定するので、電極と弾性クリック体の脚部フランジとの間に空気を含む隙間が生じるのを防ぐことができる。したがって、静電容量の変化の検出にバラツキが生じるおそれをより有効に排除することができる。また、両面粘着テープを使用できない場合にも、強固な支持構造を得ることが可能になる。
【0033】
請求項8記載の発明によれば、電極の第二の電極上に弾性クリック体の脚部フランジを固定し、第一、第二の電極と弾性クリック体とを略同じ個所に位置させるので、例え振動が作用しても、弾性クリック体のXY方向への位置ずれを有効に防止することができる。したがって、第一、第二の電極と弾性クリック体との対向面積の変動が少ないので、静電容量の変化にバラツキが生じたり、静電容量の変化の検出に支障を来す事態を排除することができる。また、弾性クリック体の脚部の自由な動きを制限するので、弾性クリック体が操作されても、脚部が撓んで持ち上がることが少ない。したがって、弾性クリック体の第一の電極との対向面積が縮小し、静電容量の変化が不安定になるおそれを排除することが可能になる。
【0034】
請求項9記載の発明によれば、エア排気溝が弾性クリック体のストローク時にその内部の空気を外部に排気するので、弾性クリック体の変形や復帰動作を容易にすることができる。さらに、電極から伸びる配線にエア排気溝を隙間をおいて対向させるので、電極の配線と弾性クリック体との寄生容量を減少させることができ、ノイズの減少が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における静電容量型入力装置は、
図1や
図2に示すように、静電容量検出用の静電容量センサシート1と、この静電容量センサシート1の電極3に支持されて指等からなる導電性の操作体7に操作される弾性クリック体20と、静電容量センサシート1に設けられて弾性クリック体20を被覆保護する中空の筺体30と、静電容量センサシート1の電極3と操作体7との間に形成された静電容量の変化を検出する検出判定手段とを備えてスイッチング機能を発揮する装置であり、洗濯機や自動車搭載機器等に設けられる。
【0037】
静電容量センサシート1は、
図1に示すように、例えば平面矩形や凸字形の薄い絶縁シート2を備え、この絶縁シート2の表面に必要数の電極3が印刷して形成されており、絶縁シート2の裏面に、強度を増す透明の補強板5が変形防止の観点から両面粘着テープ6等により貼着される。
【0038】
絶縁シート2としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、フェノール樹脂系、ガラス繊維含浸エポキシ樹脂、アクリル製のフィルム等があげられる。これらの中でも、寸法安定性や絶縁性に優れる可撓性の薄い透明なポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート製のフィルムが好適である。絶縁シート2の表面には、電極3の損傷を抑制して保護する観点から、必要に応じ、光透過性のフィルム等からなるカバーが積層接着されたり、あるいは光透過性の絶縁性レジスト層が印刷して積層される。
【0039】
電極3は、
図2に示すように、例えば平坦な薄膜の平面円形に形成され、周縁部から帯形あるいは線条の配線4が伸長されており、操作体7との間に弾性クリック体20を挟んで静電容量を形成するよう機能する。この電極3は、金、銀、銅、ニッケル、クロム、アルミニウム、真鍮、これらの積層部材や合金、導電ペースト、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、導電性ポリマー等を使用して形成される。電極3の配線4は、一般的には電極3と同様の材質とされ、電極3の周縁部から絶縁シート2の周縁部に伸び、この絶縁シート2の周縁部を経由して末端部が図示しない検出判定手段の入力端子に電気的に接続される。
【0040】
なお、静電容量は、二つの導電体の距離に反比例するので、電極3と操作体7との間の距離が大きく長い場合には、小さな値となる。これに対し、電極3と操作体7との間の距離が小さく短い場合には、上記値よりも大きな値となる。
【0041】
補強板5としては、例えばポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ウレタン、アクリル製で矩形の平板等からなり、絶縁シート2よりも大きく厚く形成されており、絶縁シート2の裏面に隙間なく積層して粘着される。この補強板5を粘着する両面粘着テープ6としては、特に限定されるものではないが、アクリル系で透明の粘着テープ等が使用される。
【0042】
弾性クリック体20は、
図1に示すように、例えば誘電性を有する所定の弾性材料により変形可能な背の低い円柱形に成形され、電極3の中央部に空気層を介し接離可能に対向するとともに、脚部22が電極3の中央部を除く周縁部に固定されており、指等で接触操作されたり、押圧操作される多段スイッチとして機能する。この弾性クリック体20は、良好なクリック感を得る観点から、絶縁性のシリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、EPDM、熱可塑性エラストマー等を含有する成形材料により成形され、ショアA硬度でA20〜A80、好ましくはA30〜A75、より好ましくはA40〜A70程度の硬さとされる。
【0043】
弾性クリック体20の材料は、特に限定されるものではないが、耐久性、圧縮特性、透明性が要求される場合には、シリコーンゴムの使用が最適である。また、検出精度向上の観点から、弾性クリック体20の高さは低い方が好ましいが、高くなる場合には、高誘電率タイプのシリコーンゴムの選択が最適である。また、弾性クリック体20の表面上部24の大きさは、静電容量を容易に確保したり、押圧操作時の操作性を容易にする観点から、少なくとも平面視でφ10mm以上、好ましくはφ10mmを越える大きさが良い。
【0044】
弾性クリック体20の裏面中央部21は、円柱形に形成されて電極3方向に突出し、電極3の表面中央部に隙間、換言すれば、空気層を介して接離可能に上方から対向しており、操作体7の押圧操作時に、電極3の表面中央部に圧接して静電容量を増大させる。電極3と弾性クリック体20の裏面中央部21との間の隙間は、特に限定されるものではないが、0.1〜2.0mm、好ましくは0.3〜1.8mm、より好ましくは0.5〜1.5mm程度に設定される。
【0045】
弾性クリック体20の下部周縁からは屈曲変形可能なスカート形の脚部22が電極3方向に徐々に拡開しながら伸長され、この傾斜した脚部22の下端が平坦なフランジ23に形成される。このフランジ23は、電極3の表面周縁部に接着剤、粘着剤、粘着テープ等を介し強固に支持固定される。
【0046】
弾性クリック体20の平坦な表面上部24には、操作体7に操作される加飾キートップ部材25が密着され、この加飾キートップ部材25の周面下部には、筺体30用の係合フランジ26が周設される。加飾キートップ部材25は、例えばポリカーボネート、アクリル、アルミニウム、クロム、ニッケル等の金属を用いて0.5〜3.0mm程度の厚さに成形されるとともに、弾性クリック体20の表面上部24よりも大きい板形に形成され、表面が操作体7の操作に資するよう湾曲して凹み形成されており、弾性クリック体20の表面上部24にプリロードの作用した状態で圧接して密着される。
【0047】
このような加飾キートップ部材25は、例えば平面矩形、多角形、円形等に形成され、表裏面のうち、好ましくは表面が任意の模様、色彩、文字、図形、記号等により装飾されることにより、操作体7の操作の便宜が図られる。
【0048】
筺体30は、
図1に示すように、例えばポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、アクリル等からなる絶縁性の成形材料により、立体的な箱形に三次元成形され、厚さ方向に、弾性クリック体20の加飾キートップ部材25を操作可能に露出させる操作口31が穿孔されており、開口した下部が静電容量センサシート1の表面に覆着される。
【0049】
筺体30の操作口31は、例えば平面円形や矩形等に形成され、周縁部の下方に、加飾キートップ部材25の係合フランジ26に上方から接触する先細りの低減突起32が突出形成される。このような筺体30の操作口31は、弾性クリック体20の反発力により、低減突起32に加飾キートップ部材25の係合フランジ26が下方から密接し、低減突起32が加飾キートップ部材25との接触範囲を抑制するよう機能する。
【0050】
検出判定手段は、図示しないが、例えばマイクロコントローラ等からなり、RAMに所定の履歴等が記憶されるとともに、ROMに所定のプログラムが記憶され、この所定のプログラムが制御コントローラにより、必要に応じて書き換えられる。マイクロコントローラとしては、特に限定されるものではないが、例えばCPU、RAM、ROM、I/Oブロック等を内蔵し、デジタル回路とアナログ回路とをIC内で別々に設計可能なサイプレス社製のPSoC(サイプレス セミコンダクター コーポレーションの登録商標)等が使用される。このPSoCには、CY8C21645タイプ、CY8C22345タイプ、CY8C24994タイプ等がある。
【0051】
このような検出判定手段は、CPUがRAM領域を作業領域としてROMに記憶された所定のプログラムを読み込むことにより、コンピュータとして所定の機能を実現し、洗濯機や自動車搭載機器等の制御手段の制御に資するよう機能する。すなわち、検出判定手段は、静電容量の変化を検出値に変換して検出する機能と、この検出した電極3の検出値を第一の閾値と比較する機能と、比較した電極3の検出値が第一の閾値を越える場合に、操作体7と弾性クリック体20の加飾キートップ部材25とが接触状態にあると判定する機能と、比較した電極3の検出値が第一の閾値以下の場合に、操作体7と弾性クリック体20の加飾キートップ部材25とが非接触状態にあると判定する機能と、電極3の検出値を第二の閾値と比較する機能と、比較した電極3の検出値が第二の閾値を越える場合に、操作体7の押圧操作により、電極3と変形した弾性クリック体20とが接触状態にあると判定する機能と、比較した電極3の検出値が第二の閾値以下の場合に、電極3と弾性クリック体20とが非接触状態にあると判定する機能とを実現する。
【0052】
第一の閾値は、操作体7と弾性クリック体20の加飾キートップ部材25とが接触した場合の静電容量値や実験結果等を考慮して設定される。また、第二の閾値は、操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25を押圧操作した場合の静電容量値や実験結果等を考慮して設定される。
【0053】
次に、静電容量型入力装置の動作について説明する。先ず、操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25からやや離れ、操作体7と弾性クリック体20とが非接触の状態にある場合について説明すると、この場合、静電容量は、操作体7と電極3との間に形成されるが、これら操作体7と電極3との間の距離が大きく長く、電極3と弾性クリック体20とが非接触でこれらの間に誘電率の低い空気層が介在するので、非常に小さな値となり、検出値の値も非常に小さくなる。
【0054】
操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25に非接触で近接すると、検出判定手段は、静電容量の変化を検出値に変換して検出し、この検出した電極3の検出値を第一の閾値と比較する。比較した結果、電極3の検出値が非常に小さな値で、第一の閾値以下となるので、操作体7と弾性クリック体20の加飾キートップ部材25とが非接触状態にあると判定されることとなる。
【0055】
次いで、操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25を押圧操作するのではなく、加飾キートップ部材25に単に触れたり、摺接する接触操作の場合について説明する。この場合、静電容量は、操作体7と電極3との間に形成されるが、操作体7と電極3との間の距離が小さく短いので、上記値よりも大きな値となり、検出値の値も大きくなる。
【0056】
操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25に接触すると、検出判定手段は、静電容量の変化を検出値に変換して検出し、この検出した電極3の検出値を第一の閾値と比較する。比較した結果、電極3の検出値が第一の閾値を越えるので、操作体7と弾性クリック体20の加飾キートップ部材25とが接触状態にあると判定され、洗濯機や自動車搭載機器等の所定の機能が発揮される。
【0057】
次いで、操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25に触れて押圧操作し、電極3と変形した弾性クリック体20の裏面中央部21とが接触する場合について説明する。この場合、静電容量は、操作体7と電極3との間に形成されるが、これらの間の距離が最も小さく短く、しかも、電極3と弾性クリック体20とが接触してこれらの接触面積が拡大するので、最も大きな値となり、検出値の値も最も大きくなる。
【0058】
操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25を押圧操作すると、検出判定手段は、静電容量の変化を検出値に変換して検出し、電極3の検出値を第二の閾値と比較する。その結果、比較した電極3の検出値が第二の閾値を越えるので、操作体7の押圧操作により、電極3と変形した弾性クリック体20とが接触状態にあると判定され、洗濯機や自動車搭載機器等の所定の別の機能が発揮される。
【0059】
なお、比較した電極3の検出値が第二の閾値以下の場合には、操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25に触れるに止まり、操作体7と弾性クリック体20とが未だ単なる接触状態で、電極3と弾性クリック体20とが非接触状態にあると判定される。
【0060】
上記構成によれば、静電容量センサシート1の電極3上に弾性クリック体20のフランジ23を単に配置するのではなく、強固に支持させ、電極3と弾性クリック体20とを常時同じ個所に位置させるので、例え自動車搭載機器等に振動が作用しても、弾性クリック体20のXY方向への位置ずれを有効に防止することができる。したがって、電極3と弾性クリック体20との対向面積が変動しないので、静電容量の変化にバラツキが生じたり、静電容量の変化の検出に支障を来す事態を未然に排除することができる。
【0061】
また、静電容量の変化にバラツキが発生しにくいので、検出値との比較に用いられる検出判定手段の閾値を高精度、かつ精密に設定することができる。また、電極3と弾性クリック体20のフランジ23とを強固に固定し、弾性クリック体20の脚部22の自由な動きを制限するので、弾性クリック体20が押圧操作されても、脚部22が撓んで持ち上がることが少ない。したがって、弾性クリック体20の電極3との対向面積が縮小し、静電容量の変化が不安定になるおそれを有効に排除することができる。
【0062】
また、弾性クリック体20のフランジ23の固定により、静電容量の変化が安定するので、電極3と弾性クリック体20の突出した裏面中央部21との隙間を小さくすることが可能となる。これにより、電極3から弾性クリック体20までのストロークを広く長く確保する必要がないので、静電容量型入力装置の用途が薄型パネル等に限定されることがなく、汎用性の向上が大いに期待できる。
【0063】
また、弾性クリック体20の平坦な表面上部24に加飾キートップ部材25を単に貼着するのではなく、プリロードの作用した状態で圧着し、弾性クリック体20と加飾キートップ部材25との間に空気が侵入しないようにするので、加飾キートップ部材25の位置ずれを防止したり、クリアランスを小さくしたりすることが可能となる。また、筺体30の操作口31に、弾性クリック体20との接触面積を最小限にする低減突起32を突出形成するので、この低減突起32に静電容量の大きな変化を抑制させることができ、筺体30に対する操作体7の接触が筺体30を介し電極3で反応しないようにすることが可能になる。
【0064】
また、筺体30から弾性クリック体20に振動が伝播するのを防いだり、弾性クリック体20から筺体30に振動が伝播するのを抑制することも可能になる。さらに、筺体30の操作口31の低減突起32に加飾キートップ部材25の係合フランジ26を僅かに加圧した状態でセットすることができるので、加飾キートップ部材25が非押圧状態でがたつくおそれを有効に排除することができる。
【0065】
次に、
図3と
図4は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、静電容量センサシート1の電極3を第一、第二の電極8・9とし、弾性クリック体20を第一の電極8に対向させ、この弾性クリック体20から脚部22を第二の電極9方向に広げながら伸ばすとともに、この脚部22を第二の電極9に強固に粘着支持させるようにしている。
【0066】
電極3は、
図4に示すように、例えば平坦な薄膜の第一、第二の電極8・9に分割形成され、第一の電極8が平面円形に形成されるとともに、この第一の電極8が平面C字形等の第二の電極9に接触しないよう隙間をおいて包囲されており、操作体7との間に弾性クリック体20を挟んで静電容量を形成するよう機能する。これら第一、第二の電極8・9は、金、銀、銅、ニッケル、クロム、アルミニウム、真鍮、これらの積層部材や合金、導電ペースト、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、導電性ポリマー等を使用して異なる大きさ・面積に形成される。
【0067】
第一の電極8は、その周縁部から細長い線条の配線10が伸長され、この配線10が第二の電極9の両端部間の切れ目を通過して絶縁シート2の周縁部に伸び、この絶縁シート2の周縁部を経由して末端部が図示しない検出判定手段の入力端子に電気的に接続される。この配線10は、第一、第二の電極8・9と同様の材料により形成される。このような第一の電極8は、弾性クリック体20に接触して押圧操作する操作体7との間に静電容量を形成する。
【0068】
第二の電極9は、その外周縁部に細長い線条の配線11が電気的に接続され、この配線11が絶縁シート2の周縁部を経由して末端部が検出判定手段の入力端子に電気的に接続される。この配線11も、第一、第二の電極8・9と同様の材料により形成される。このような第二の電極9は、電極3の周縁部を形成し、弾性クリック体20から離れた操作体7との間、弾性クリック体20に接触した操作体7との間に静電容量を形成する。
【0069】
弾性クリック体20は、
図3に示すように、第一の電極8の表面に空気層を介し接離可能に対向するとともに、脚部22が第二の電極9の表面に粘着固定され、指等で接触操作されたり、押圧操作される多段スイッチとして機能する。
【0070】
弾性クリック体20の裏面中央部21は、円柱形に形成されて第一の電極8方向に突出し、第一の電極8の表面に隙間、換言すれば、空気層を介して接離可能に上方から対向しており、操作体7の押圧操作時に、第一の電極8の表面に圧接して静電容量を増大させる。第一の電極8と弾性クリック体20の裏面中央部21との間の隙間は、特に限定されるものではないが、0.1〜1.3mm、好ましくは0.5〜1.2mm、より好ましくは0.6〜1.2mm程度に設定される。
【0071】
弾性クリック体20の下部周縁からは屈曲変形可能なスカート形の脚部22が第二の電極9方向に徐々に拡開しながら伸長され、この傾斜した脚部22の下端が平坦なフランジ23に形成されており、このフランジ23が第二の電極9の表面に両面粘着テープ12を介し粘着固定される。脚部22のフランジ23裏面には、第一、第二の電極8・9の配線10・11に隙間を介して対向する細長いエア排気溝13が弾性クリック体20の径方向に切り欠かれ、このエア排気溝13が弾性クリック体20のストローク時に内部の空気(
図3の矢印参照)を外部に排気して弾性クリック体20の変形や復帰動作を容易にする。
【0072】
両面粘着テープ12は、例えばアクリル系の基材の両面が粘着性等の周知のテープからなり、第二の電極9表面と弾性クリック体20のフランジ23裏面との間に介在されてこれらを粘着する。この両面粘着テープ12は、絶縁性のタイプでも良いが、静電容量の変化を広く確保する観点からすると、導電性のタイプが好ましい。この導電性の両面粘着テープ12としては、例えば(1)導電化した繊維の両面に導電性の粘着剤の塗布されたテープ、(2)アルミ箔の両面に導電性の粘着材の塗布されたテープ等があげられる。
【0073】
検出判定手段は、静電容量の変化を検出値に変換して検出する機能と、検出した第二の電極9の検出値を第一の閾値と比較する機能と、比較した第二の電極9の検出値が第一の閾値を越える場合に、操作体7と弾性クリック体20の加飾キートップ部材25とが接触状態にあると判定する機能と、比較した第二の電極9の検出値が第一の閾値以下の場合に、操作体7と弾性クリック体20の加飾キートップ部材25とが非接触状態にあると判定する機能と、第一の電極8の検出値を第二の閾値と比較する機能と、比較した第一の電極8の検出値が第二の閾値を越える場合に、操作体7の押圧操作により、第一の電極8と変形した弾性クリック体20とが接触状態にあると判定する機能と、比較した第一の電極8の検出値が第二の閾値以下の場合に、第一の電極8と弾性クリック体20とが接触状態にないと判定する機能とを実現する。
【0074】
次に、静電容量型入力装置の動作について説明する。先ず、操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25からやや離れ、操作体7と弾性クリック体20とが非接触の状態にある場合について説明すると、この場合、静電容量は、操作体7と第二の電極9との間に形成されるが、これら操作体7と第二の電極9との間の距離が大きく長く、第一の電極8と弾性クリック体20とが非接触でこれらの間に誘電率の低い空気層が介在するので、非常に小さな値となり、検出値の値も非常に小さくなる。
【0075】
操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25に非接触で近接すると、検出判定手段は、静電容量の変化を検出値に変換して検出し、この検出した第二の電極9の検出値を第一の閾値と比較する。比較した結果、第二の電極9の検出値が非常に小さな値で、第一の閾値以下となるので、操作体7と弾性クリック体20の加飾キートップ部材25とが非接触状態にあると判定されることとなる。
【0076】
次いで、操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25を押圧操作するのではなく、加飾キートップ部材25に単に触れたり、摺接する接触操作の場合について説明する。この場合、静電容量は、操作体7と第二の電極9との間に形成されるが、第一の電極8と弾性クリック体20とが非接触ではあるものの、操作体7と第二の電極9との間の距離が小さく短いので、上記値よりも大きな値となり、検出値の値も大きくなる。
【0077】
操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25に接触すると、検出判定手段は、静電容量の変化を検出値に変換して検出し、この検出した第二の電極9の検出値を第一の閾値と比較する。比較した結果、第二の電極9の検出値が第一の閾値を越えるので、操作体7と弾性クリック体20の加飾キートップ部材25とが接触状態にあると判定され、洗濯機や自動車搭載機器等の所定の機能が発揮される。
【0078】
次いで、操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25に触れて押圧操作し、第一の電極8と変形した弾性クリック体20の裏面中央部21とが接触する場合について説明する。この場合、静電容量は、操作体7と電極3との間に形成されるが、これらの間の距離が最も小さく短く、しかも、第一の電極8と弾性クリック体20とが接触して電極3と弾性クリック体20との接触面積が拡大するので、最も大きな値となり、検出値の値も最も大きくなる。
【0079】
操作体7が弾性クリック体20の加飾キートップ部材25を押圧操作すると、検出判定手段は、静電容量の変化を検出値に変換して検出し、第一の電極8の検出値を第二の閾値と比較する。その結果、比較した第一の電極8の検出値が第二の閾値を越えるので、操作体7の押圧操作により、第一の電極8と変形した弾性クリック体20とが接触状態にあると判定され、洗濯機や自動車搭載機器等の所定の別の機能が発揮される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0080】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、静電容量センサシート1の第二の電極9上に弾性クリック体20の脚部22のフランジ23を強固に固着し、第一、第二の電極8・9と弾性クリック体20とを常時同じ個所に位置させるので、例え自動車搭載機器等に振動が作用しても、弾性クリック体20のXY方向への位置ずれを有効に防止することができる。したがって、第一、第二の電極8・9と弾性クリック体20との対向面積が変動しないので、静電容量の変化にバラツキが生じたり、静電容量の変化の検出に支障を来す事態を未然に排除することができるのは明らかである。
【0081】
また、第二の電極9と弾性クリック体20のフランジ23とを固着し、弾性クリック体20の脚部22の自由な動きを制限するので、弾性クリック体20が押圧操作されても、脚部22が撓んで持ち上がることが少ない。したがって、弾性クリック体20の第一の電極8との対向面積が縮小し、静電容量の変化が不安定になるおそれを有効に排除することができる。
【0082】
また、弾性クリック体20のフランジ23の固着により、静電容量の変化が安定するので、第二の電極9と弾性クリック体20の突出した裏面中央部21との隙間を小さくすることができる。これにより、第一の電極8から弾性クリック体20までのストロークを広く長く確保する必要がないので、静電容量型入力装置の用途が薄型パネル等に限定されることがなく、汎用性の向上が大いに期待できる。さらに、第二の電極9と弾性クリック体20のフランジ23とを、種類が豊富で手軽な両面粘着テープ12により粘着固定するので、作業性の向上やコスト削減が期待できる。
【0083】
次に、
図5は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、静電容量センサシート1と弾性クリック体20との間に、少なくとも弾性クリック体20を照光する光源14を介在配置し、弾性クリック体20と加飾キートップ部材25のうち、少なくとも弾性クリック体20に光透過性を付与するようにしている。
【0084】
光源14としては、特に限定されるものではないが、例えば軽量小型のLEDがあげられ、このLEDが第一、第二の電極8・9間に介在し、第一の電極8寄りに位置する。この光源14は、第一、第二の電極8・9間に介在されるが、必要に応じ、光透過性を有する補強板5の裏面側に配置される。また、弾性クリック体20は筺体30に被覆保護されるが、本実施形態における筺体30は、平坦な下部下面が補強板5の表面にプリロードの作用した状態で圧着されることにより、静電容量センサシート1を嵌合被覆する。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0085】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、静電容量の変化の検出に応じて光源14を点滅させたり、点灯させることができるので、静電容量型入力装置が搭載される洗濯機や自動車搭載機器等の動作状態を視覚的に明瞭に把握することができるのは明白である。また、加飾キートップ部材25にグラフィックが形成されている場合、このグラフィックを発光させることも可能になる。また、静電容量センサシート1に筺体30を覆着するので、第一、第二の電極8・9やその配線10・11、弾性クリック体20等を有効に保護することが可能になる。
【0086】
次に、
図6は本発明の第4の実施形態を示すもので、この場合には、第3実施形態における第一の電極8と弾性クリック体20の裏面中央部21との間の隙間を0.1〜0.7mm、好ましくは0.1〜0.6mm程度、より好ましくは0.1〜0.5mm程度に狭く設定するとともに、弾性クリック体20の加飾キートップ部材25を例えば2mmの厚肉に形成するようにしている。
【0087】
弾性クリック体20は、上記実施形態よりも薄く形成され、裏面中央部21が上記実施形態よりも下方に長く突出形成される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0088】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、静電容量の変化を安定させ、閾値を高精度に設定することができる関係上、第一の電極8と弾性クリック体20の裏面中央部21との間の隙間を0.1〜0.5mm程度に縮小しても、弾性クリック体20における加飾キートップ部材25を従来困難だった2mm以上の撓みずらい厚肉に形成することができる。また、弾性クリック体20の僅かな変形でも、静電容量の変化を多段階で確実に検出することができる。
【0089】
次に、
図7〜
図9は本発明の第5の実施形態を示すもので、この場合には、静電容量センサシート1の電極3と弾性クリック体20とをそれぞれ複数とし、静電容量センサシート1の絶縁シート2周縁部から食み出た補強板5の表面に筺体30を圧着してその複数の操作口31から弾性クリック体20の加飾キートップ部材25をそれぞれ操作可能に露出させるようにしている。
【0090】
複数の電極3は、絶縁シート2の表面XY方向に所定の間隔で印刷して配列形成され、各電極3が必要に応じ、第一、第二の電極8・9に分割される。また、筺体30の操作口31の低減突起32は、必要に応じて突出形成されたり、あるいは省略される。筺体30の静電容量センサシート1表面に対向する対向部33の端面には、必要に応じ、各電極3に接続された配線4・10・11に非接触の接触回避部34が選択的に形成される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0091】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、筺体30に接触回避部34を形成すれば、電極3の配線4・10・11に接触回避部34が直接接触しないので、配線4・10・11と筺体30との寄生容量を減少させ、ノイズを減少させることができる。
【0092】
次に、
図10は本発明の第6の実施形態を示すもので、この場合には、電極3の第二の電極9表面と弾性クリック体20のフランジ23の少なくともいずれか一方に表面改質処理を施し、第二の電極9と弾性クリック体20のフランジ23とを隙間なく直接的に密着接合固定するようにしている。
【0093】
弾性クリック体20は、上記実施形態同様、優れたクリック感を得る観点から、絶縁性のシリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、EPDM、熱可塑性エラストマー等を含有する成形材料により成形される。この弾性クリック体20の表面上部24には、操作体7に操作される平坦な板形の加飾キートップ部材25が密着され、この加飾キートップ部材25の係合フランジ26は省略される。
【0094】
表面改質処理方法としては、例えば熱ダメージの少ない紫外線照射、短時間での処理が可能なコロナ放電、短時間での処理が可能で接着力の強化に資するプラズマ放電、フレーム処理等があげられる。紫外線照射を採用する場合には、近紫外線(波長380〜200nm)以下の波長の光線、好ましくは遠紫外線や真空紫外線(波長200〜10nm)を照射するのが良い。この際、例えばキセノンを放電ガスとし、172nmの波長を含む真空紫外線(VUV)を発光するエキシマランプを用いて紫外線を照射することができる。また、プラズマ放電を採用する場合、真空プラズマ放電でも良いし、大気圧プラズマ放電でも良い。
【0095】
表面改質処理は、第二の電極9表面と弾性クリック体20のフランジ23の少なくともいずれか一方に施されれば良い。しかしながら、強固な接合固定を得る観点からすると、第二の電極9表面と弾性クリック体20のフランジ23とにそれぞれ施されるのが最適である。
【0096】
本実施形態において、例えば第二の電極9の表面にシランカップリング剤を塗布し、弾性クリック体20をシリコーンゴム製とし、第二の電極9の表面と弾性クリック体20のフランジ23に紫外線を照射し、これらを隙間なく接合固定する場合の接合メカニズムについて説明する。
【0097】
例えば、172nmの波長を含む紫外線を照射すると、この紫外線は、周囲の酸素(O2)に直接作用して活性酸素(O(1D))を生成する。また、紫外線は、酸素(O2)をオゾン(O3)に変化させ、このオゾン(O3)を酸素(O2)と活性酸素(O(1D))とに変化させる。また、シランカップリング剤層又はシリコーンゴム製の弾性クリック体20の表面には、接合前の初期状態においては、CH3基が存在する。
【0098】
このようなシランカップリング剤層又は弾性クリック体20の表面に172nmの波長を含む紫外線を照射すると、紫外線と、周囲の酸素に紫外線が照射されることで発生する活性酸素とにより、シランカップリング剤層と弾性クリック体20の表面とが酸化される。この酸化により、シランカップリング剤層又は弾性クリック体20表面のCH3基が酸化され、OH基となる。
【0099】
次いで、シランカップリング剤層と弾性クリック体20の表面を重ね合わせ、この重ね合わせの方向に荷重を作用させて圧着し、室温下で所定の時間保持すると、シランカップリング剤層と弾性クリック体20表面のOH基同士が結合して水を発生させ、シランカップリング剤層のシリコン(Si)と弾性クリック体20のシリコン(Si)とが酸素(O)を介して結合する。このような結合を一体的な接合という。シランカップリング剤層と弾性クリック体20とがこのように一体的に接合することにより、これらが簡単に分離するのを適切に防止し、信頼性を著しく向上させることができる。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0100】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、第二の電極9と弾性クリック体20のフランジ23とを、誘電率に影響を及ぼす両面粘着テープ12を介在させることなく、直接固定するので、第二の電極9と弾性クリック体20のフランジ23との間に空気を含む隙間が生じることが全くない。したがって、静電容量の変化の検出にバラツキが生じるおそれをより有効に排除することができる。また、両面粘着テープ12を使用できない場合にも、強固な固定が期待できる。
【0101】
次に、
図11は本発明の第7の実施形態を示すもので、この場合には、電極3の第二の電極9表面と弾性クリック体20のフランジ23とを接着剤15により固定するようにしている。
【0102】
接着剤15としては、特に限定されるものではないが、シリコーン系の接着剤、静電容量の変化を広く確保可能な導電接着剤、低温硬化が可能で硬化速度の速い紫外線硬化樹脂、接着剤15の使用量や部品点数の削減に資するホットメルト等があげられる。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0103】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、接着剤15を用いて面接合するので、種々の材料の接合が可能であり、応力集中を起こりにくくすることができる。また、紫外線照射装置や放電装置等を省略することができるので、設備の削減が期待できる。
【0104】
次に、
図12は本発明の第8の実施形態を示すもので、この場合には、絶縁シート2、補強板5、第二の電極9に螺子孔16をそれぞれ穿孔して連通し、これらの螺子孔16に雄螺子等の螺子具17を螺挿して第二の電極9と弾性クリック体20のフランジ23とを隙間なく密着固定するようにしている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0105】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、第二の電極9と弾性クリック体20のフランジ23とを、誘電率に影響を及ぼす両面粘着テープ12等を介在させることなく、直接固定するので、静電容量の変化の検出にバラツキが生じるおそれをより有効に排除することが可能となる。また、接着剤15を使用しないので、接着成分による汚染を有効に防止したり、コスト削減を図ることができる。
【0106】
次に、
図13は本発明の第9の実施形態を示すもので、この場合には、絶縁シート2、補強板5、第二の電極9に取付孔18をそれぞれ穿孔して連通し、これらの取付孔18に変形可能なボス19を密嵌して第二の電極9と弾性クリック体20のフランジ23とを隙間なく密着固定するようにしている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0107】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、第二の電極9と弾性クリック体20のフランジ23とを直接固定するので、静電容量の変化を安定して検出することができる。また、ボス19を用いるので、固定方法の多様化も期待できる。
【0108】
次に、
図14〜
図16は本発明の第10の実施形態を示すもので、この場合には、静電容量センサシート1に設けられて複数の弾性クリック体20を保護する筺体40に、複数の弾性クリック体20に嵌合する操作口41を設け、この操作口41の周縁段差部42に、複数の弾性クリック体20を被覆する可撓性の加飾キートップ層50を張設するとともに、この加飾キートップ層50表面の複数のキートップ52を複数の弾性クリック体20にそれぞれ対向させるようにしている。
【0109】
筺体40は、例えばポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリブチレンテレフタレート、アクリル等からなる絶縁性の成形材料により、平面枠形に三次元成形され、中央に複数の弾性クリック体20に隙間を介して遊嵌する平面矩形の操作口41が穿孔されており、この操作口41の周縁部の上縁が切り欠かれて加飾キートップ層50を水平に支持する周縁段差部42とされる。
【0110】
加飾キートップ層50は、可撓性を有する平面矩形の絶縁シート51と、この絶縁シート51の表面に配設されて複数の弾性クリック体20に対応する複数のキートップ52と、絶縁シート51の裏面に積層接着されてキートップ52の表示や背景等を示す加飾シート53とを備えて積層形成される。絶縁シート51としては、例えば厚さ0.075〜0.15mm程度のポリエチレンテレフタレート、ウレタン、ポリカーボネート製の薄いフィルムがあげられる。これらの中では、寸法安定性や絶縁性に優れるポリエチレンテレフタレート製のフィルムが最適である。
【0111】
複数のキートップ52は、複数の弾性クリック体20の表面部にそれぞれ対向するが、必要に応じ、複数の弾性クリック体20の表面部に絶縁シート51と加飾シート53とを介しそれぞれ固定される。各キートップ52は、例えば光硬化性樹脂により、厚さ0.05〜0.3mm程度の平面円形のボタン構造にコーティング形成され、上方から操作体7に押圧操作される。光硬化性樹脂としては、製造の容易化や薄型化に資する観点から、アクリル系やアクリルウレタン系の紫外線硬化型樹脂が最適である。各キートップ52の形状は、必要に応じ、断面略凹字形、略凸字形、半円形とされたり、円柱形、円錐台形等とされる。
【0112】
加飾シート53は、例えば絶縁シート51の裏面にポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート等の樹脂がスクリーン印刷されることにより、厚さ0.005〜0.015mm程度に積層形成され、必要に応じ、複数の弾性クリック体20の表面部に両面粘着テープ54や接着剤等を介して接着される。この加飾シート53の周縁部は、操作口41の周縁段差部42に両面粘着テープ54や接着剤等により強固に固定される。
【0113】
加飾シート53は、スクリーン印刷により形成しても良いが、必要に応じ、厚さ0.005〜0.015mm程度のポリエチレンテレフタレート、ウレタン、ポリカーボネート製の薄いフィルムを採用しても良い。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0114】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、操作口41の周縁部と加飾キートップ層50との間の隙間から塵埃や液体等が筺体40内に侵入するのを防ぐことができるので、防水性や防塵性を向上させることができるのは明らかである。また、従来のPC型加飾キートップ部材ではなく、薄い加飾キートップ層50を用いるので、薄型化が大いに期待できる。
【0115】
次に、
図17〜
図19は本発明の第11の実施形態を示すもので、この場合には、静電容量センサシート1に、筺体40に包囲されて複数の弾性クリック体20を区画する複数の支持壁60を設け、操作口41の周縁段差部42と複数の支持壁60とに、複数の弾性クリック体20を被覆する可撓性の加飾キートップ層50を水平に支持させるとともに、この加飾キートップ層50表面の複数のキートップ52を複数の弾性クリック体20にそれぞれ対向させるようにしている。
【0116】
複数の支持壁60は、例えば加飾キートップ層50が部分的に撓まないよう平面格子形に組み合わせて形成され、各支持壁60が板形に形成されており、各支持壁60の平坦な上端部が加飾キートップ層50の加飾シート53に両面粘着テープ54や接着剤等により接着される。この複数の支持壁60は、押圧操作のクリック感度の悪化を防止する観点から、複数の弾性クリック体20のうち、隣接する弾性クリック体20の間に部分的に介在して区画することが好ましい。
【0117】
このような複数の支持壁60は、静電容量センサシート1の補強板5に一体形成されたり、あるいは別部材として絶縁シート2を介し立設される。また、必要に応じ、静電容量センサシート1の絶縁シート2表面のカバーや絶縁性レジスト層に立設される。また、支持壁60を回避する形に静電容量センサシート1を切り欠き形成し、支持壁60と静電容量センサシート1とを組み合わせても良い。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0118】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、操作口41の周縁段差部42だけではなく、複数の支持壁60にも加飾キートップ層50を支持させるので、加飾キートップ層50の厚さ方向の位置ずれやバラツキを防止することができる。
【0119】
なお、弾性クリック体20の表面上部24に加飾キートップ部材25を固定しても良いが、必要に応じ、加飾キートップ部材25を交換できるよう着脱自在に取り付けても良い。また、上記実施形態では加飾キートップ部材25を平坦な板形に形成したが、加飾キートップ部材25を断面半円弧形等に湾曲させても良い。この加飾キートップ部材25には、静電容量センサシート1、補強板5、及び弾性クリック体20同様、光透過性を付与することができる。
【0120】
また、検出判定手段のマイクロコントローラとしてPSoCを使用する場合、CY8C24994タイプを採用することができる。また、筺体30の操作口31の周縁部下方に、加飾キートップ部材25の係合フランジ26に接触する低減突起32を突出形成したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、加飾キートップ部材25の係合フランジ26に、筺体30の操作口31の周縁部下方に接触する先細りの低減突起32を突出形成することができる。
【0121】
また、上記実施形態では第一の電極8を平面円形に形成し、第二の電極9を平面C字形に形成したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、第一の電極8を平面矩形や多角形等に形成し、第二の電極9を平面U字形や枠形等に形成することが可能である。また、第一、第二の電極8・9の配線10・11を隣接させたが、第一の電極8の配線10と第二の電極9の配線11とを90°や180°の角度でずらして形成することが可能である。また、エア排気溝13を第一、第二の電極8・9の配線10・11に隙間を介して対向させたが、第一の電極8の配線10に隙間を介して対向させても良いし、第二の電極9の配線11に隙間を介して対向させることも可能である。
【0122】
さらに、電極3の第一の電極8を、静電容量を検出する検出判定手段のグランドに配線10を介して接続されるグランド電極とし、電極3の第二の電極9を検出判定手段の入力端子に配線11を介して接続し、第二の電極9の一部分を第一の電極8方向に伸ばして所定の間隔をおき隣接配置し、弾性クリック体20を絶縁材料により形成するとともに、この弾性クリック体20の裏面中央部21付近に、第一の電極8と第二の電極9の一部分とに対向接触してこれらを導通させる導電接点を設けることもできる。