(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6341946
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】タービン用ノズルボックス
(51)【国際特許分類】
F01D 25/24 20060101AFI20180604BHJP
F01D 9/04 20060101ALI20180604BHJP
F01D 9/02 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
F01D25/24 G
F01D25/24 H
F01D9/04
F01D9/02 104
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-69538(P2016-69538)
(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公開番号】特開2016-196884(P2016-196884A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2016年3月30日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0048360
(32)【優先日】2015年4月6日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】507002918
【氏名又は名称】ドゥサン ヘヴィー インダストリーズ アンド コンストラクション カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カン、ドン ウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、へ サン
(72)【発明者】
【氏名】キム、チョル ホン
【審査官】
金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭59−066948(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0103845(US,A1)
【文献】
特公昭45−003561(JP,B1)
【文献】
実開平04−044404(JP,U)
【文献】
特開2012−233479(JP,A)
【文献】
特開2009−108855(JP,A)
【文献】
特開平04−295104(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0189550(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 9/00−9/06
F01D 25/24
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧タービンの1段の部分アーク運転のために高圧タービンの1段に設けられるタービン用ノズルボックスであって、
外周面が内部ケーシングの内周面に隣接して設けられる環状の外部リングプレートと、
前記外部リングプレートの内周面に隣接して設けられる環状のノズルユニットと、
外周面が前記ノズルユニットの内周面に隣接して設けられる環状の内部リングプレートと、を備え、
前記ノズルユニットは、円周方向に沿って所定のアーク角度上に設けられる複数のセグメントブロックを含み、
前記複数のセグメントブロックは、1段のノズルユニットの入口段に設けられ、前記1段のノズルユニットの出口段は開放形成され、
前記複数のセグメントブロックは、
前記タービン用ノズルボックスの正面を基準として前記外部リングプレートと前記内部リングプレートとの間を閉鎖するノズルフレームと、
前記ノズルフレームの内側中央に位置し、前記タービン用ノズルボックスの出口段に向かって流線形に延びたノズルと、
前記ノズルフレームから、前記ノズルを基準として外側及び内側に延びた延長部と、
前記延長部の両端のそれぞれに開口した挿入ホールと、
を含み、
前記延長部の両端には、U字状の結合部が形成され、前記結合部と向かい合う前記外部リングプレートおよび前記内部リングプレートの対応面は、前記結合部に対応する形態に形成されている、タービン用ノズルボックス。
【請求項2】
前記外部リングプレート、前記ノズルユニット、および前記内部リングプレートは、上部と下部に分割される2つの半円形状に形成される、請求項1に記載のタービン用ノズルボックス。
【請求項3】
前記複数のセグメントブロックは、
正面が前記外部リングプレートと前記内部リングプレートとの間を通して流入する流体の移動を遮断するためにノズルボックスの前面を閉鎖した状態で位置し、後面は隣り合って配置されたノズルユニットを通して流入した流体の移動のために開放された状態が維持される、請求項1または2に記載のタービン用ノズルボックス。
【請求項4】
前記複数のセグメントブロックは、円周方向に沿って前記1段のノズルユニットの入口段に設けられた4つのセグメントブロックを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のタービン用ノズルボックス。
【請求項5】
前記複数のセグメントブロックは、円周方向に沿って90度のアーク間隔で設けられ、前記1段のノズルユニットの入口段が四分割されるように形成される、請求項4に記載のタービン用ノズルボックス。
【請求項6】
前記複数のセグメントブロックに形成されたノズルの外側に流体が移動可能な通路が形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のタービン用ノズルボックス。
【請求項7】
前記通路は、ノズルのリーディングエッジからトレーリングエッジへいくほど狭くなる、請求項6に記載のタービン用ノズルボックス。
【請求項8】
前記ノズルユニットは、円周方向に沿って等間隔に配置された複数のノズルを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のタービン用ノズルボックス。
【請求項9】
前記ノズルユニットは、
前記ノズルの正面に形成された流入部の面積が、後面に形成された排出部の面積より相対的に大きく形成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のタービン用ノズルボックス。
【請求項10】
前記複数のセグメントブロックのそれぞれは、前記1段のノズルユニットの出口側に90度のアーク間隔でそれぞれ形成されるノズルと一体に形成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のタービン用ノズルボックス。
【請求項11】
前記複数のセグメントブロックのそれぞれと、前記1段のノズルユニットの出口側に90度のアーク間隔でそれぞれ形成されるノズルとは、前記内部ケーシングにピンによって結合される、請求項1から10のいずれか一項に記載のタービン用ノズルボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービン用ノズルボックスに関し、より詳細には、高圧タービンの1段の部分アーク運転のためにノズルユニットの入口段に所定のアーク角度で設けられるセグメントブロックによって区別隔離され、出口段は全体アークで開放されることにより、高圧のスチームを安定的に供給することができ、部分アーク運転時にもタービンの効率を増大させることができるタービン用ノズルボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、大容量の軸流蒸気タービンは、それぞれ固定子またはステータとも呼ばれるタービンノズル(タービン固定翼)と、動翼またはロータとも呼ばれるブレード(タービン動翼)とが備えられる。また、このようなタービンノズルとタービン動翼は、蒸気(流体)の流れ方向に沿って複数の段に設けられる。
【0003】
衝撃型蒸気タービンは、それぞれのタービンノズルを用いて蒸気の熱エネルギーがより多くの膨張仕事を行うようにし、膨脹仕事が終わった後に、それぞれのタービン動翼を用いて蒸気を転向流に変換し、この転向流を次の段に案内する。
【0004】
一般的に、従来のタービン用ノズルボックスは、複数の部品で形成され、これらそれぞれの部品はボルトや溶接によって結合される。
【0005】
タービン用ノズルボックス内において、蒸気はまず軸方向に流れるように再指向された後に、ノズルボックスの出口平面に位置するノズルを通して回転子の回転軸を中心に加速される。
【0006】
部分アーク運転とは、タービンの四象限のうち一部領域からのみスチームが供給されるように運転するもので、発電容量などの必要に応じて部分アーク運転が行われる。
【0007】
しかし、従来の部分アーク運転時に、タービンの領域を一定に区分して区画し、このような領域区画のために流路を完全に遮断することによって、一部区間にガスが流入せず、これを使用できないデッドアークゾーンが発生する問題があった。
【0008】
また、このようなデッドアークゾーンが発生することにより、部分アーク運転時にタービンの効率が低下する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2007−0028254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題を解決するためのものであり、その目的は、ノズルユニットが円周方向に沿って90度のアーク角度上の入口段に設けられる4つのセグメントブロックによって部分アーク運転のために入口段が四分割され、出口段は全体アークで運転されることにより、デッドアークゾーンを最小化してタービンの全体効率を向上させることができるように、高圧タービンの1段に設けられるタービン用ノズルボックスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的を達成するために、本発明に係るタービン用ノズルボックスは、高圧タービンの1段の部分アーク運転のために高圧タービンの1段に設けられるタービン用ノズルボックスであって、外周面が内部ケーシングの内周面に隣接して設けられる環状の外部リングプレートと、前記外部リングプレートの内周面に隣接して設けられる環状のノズルユニットと、外周面が前記ノズルユニットの内周面に隣接して設けられる環状の内部リングプレートと、を備え、前記ノズルユニットは、円周方向に沿って所定のアーク角度上に設けられる複数のセグメントブロックを含み、前記セグメントブロックは、1段のノズルユニットの入口段に設けられ、前記1段のノズルユニットの出口段は開放形成される。
【0012】
前記外部リングプレート、前記ノズルユニット、および前記内部リングプレートは、上部と下部に分割される2つの半円形状に形成される。
【0013】
前記複数のセグメントブロックは、正面が前記外部リングプレートと前記内部リングプレートとの間を通して流入する流体の移動を遮断するためにノズルボックスの前面を閉鎖した状態で位置し、後面は隣り合って配置されたノズルユニットを通して流入した流体の移動のために開放された状態が維持される。
【0014】
前記複数のセグメントブロックは、円周方向に沿って前記1段のノズルユニットの入口段に設けられた4つのセグメントブロックを含む。
【0015】
前記複数のセグメントブロックは、円周方向に沿って90度のアーク間隔で設けられ、前記1段のノズルユニットの入口段が四分割されるように形成される。
【0016】
前記複数のセグメントブロックは、前記ノズルボックスの正面を基準として前記外部リングプレートと前記内部リングプレートとの間を閉鎖するノズルフレームと、前記ノズルフレームの内側中央に位置し、前記ノズルボックスの出口段に向かって流線形に延びたノズルと、前記ノズルを基準として外側に延びた延長部と、前記延長部に開口した挿入ホールと、を含む。
【0017】
前記延長部には、内側に凹入した結合部が形成され、前記結合部と向かい合う前記外部リングプレートおよび前記内部リングプレートの対応面は、前記結合部に対応する形態に形成されている。
【0018】
前記複数のセグメントブロックに形成されたノズルの外側に流体が移動可能な通路が形成されている。
【0019】
前記通路は、ノズルのリーディングエッジからトレーリングエッジへいくほど狭くなる。
【0020】
前記ノズルユニットは、円周方向に沿って等間隔に配置された複数のノズルを含む。
【0021】
前記ノズルユニットは、前記ノズルの正面に形成された流入部の面積が、後面に形成された排出部の面積より相対的に大きく形成されている。
【0022】
前記複数のセグメントブロックのそれぞれは、前記1段のノズルユニットの出口段に90度のアーク間隔でそれぞれ形成されるノズルと一体に形成される。
【0023】
前記複数のセグメントブロックのそれぞれと、前記1段のノズルユニットの出口段に90度のアーク間隔でそれぞれ形成されるノズルとは、前記内部ケーシングにピンによって結合される。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一実施形態に係るタービン用ノズルボックスは、ノズルユニットが円周方向に沿って90度のアーク角度上の入口段に設けられる4つのセグメントブロックによって部分アーク運転のために入口段が四分割され、出口段はフルアークで運転されることにより、デッドアークゾーンを最小化してタービンの全体効率を向上することができる。
【0025】
本発明の一実施形態に係るタービン用ノズルボックスは、セグメントブロックと、円周方向に沿って90度のアーク角度上に設けられるノズルとを簡単に締結して、タービンのノズルの製造時間と製造費用を節減することができる。
【0026】
本発明の一実施形態に係るタービン用ノズルボックスは、セグメントブロックと、円周方向に沿って90度のアーク角度上に設けられるノズルとを簡単に締結して、タービンのノズルの製造時間と製造費用を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態に係るタービン用ノズルボックスが高圧タービンの内部ケーシングに設けられる状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るタービン用ノズルボックスの正面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るセグメントブロックとノズルユニットに設けられたノズルを示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るタービン用ノズルボックスの一側が展開された状態を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るタービン用ノズルボックスの入口段側から眺めた概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るセグメントブロックが位置した所における縦断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るセグメントブロックが位置した所における横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の好ましい実施形態を、添付した図面を参照して詳細に説明する。まず、各図面の構成要素に参照番号を付するにあたり、同一の構成要素については同一の符号を付している。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係るタービン用ノズルボックスが高圧タービンの内部ケーシングに設けられる状態の斜視図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係るタービン用ノズルボックスの正面図であり、
図3は、本発明の一実施形態に係るセグメントブロックとノズルユニットに設けられたノズルを示す図であり、
図4は、本発明の一実施形態に係るタービン用ノズルボックスの一側が展開された状態を示す図である。
【0030】
添付した
図1および
図2を参照して、本発明の一実施形態に係るノズルボックス1を説明する。
【0031】
本発明の一実施形態に係るノズルボックス1は、高圧タービンを構成する1段からn段まで設けられた複数の段において、1段に設けられて、流体の流動を案内する役割を果たす。本発明の一実施形態に係るタービン用ノズルボックス1は、外部リングプレート100と、ノズルユニット200と、内部リングプレート300とを備える。
【0032】
前記外部リングプレート100は、半円形状からなり、上下にそれぞれ分割されて、組立時に全体的な形態としてリング形状に構成される。外部リングプレート100は、外周面が後述する内部ケーシング10の内周面に隣接して設けられる。すなわち、外部リングプレート100の外周面が内部ケーシング10の内周面に接触するように設けられる。必ずしもこれに限定されるものではないが、外部リングプレート100は、内部ケーシング10の内周面に対応する形状に構成され、一例として、環状のリング形状に形成されてもよい。
【0033】
ノズルユニット200は、外部リングプレート100の内周面110にノズルユニット200の外周面が隣接して設けられる。すなわち、ノズルユニット200は、外部リングプレート100の内周面110にノズルユニット200の外周面201が接触するように設けられる。また、ノズルユニット200も、外部リングプレート100の内周面110と同様に、環状のリング形状に形成される。
【0034】
内部リングプレート300は、外周面がノズルユニット200の内周面に隣接して設けられる。すなわち、内部リングプレート300は、内部リングプレート300の外周面がノズルユニット200の内周面に接触するように設けられる。
【0035】
必ずしもこれに限定されるものではないが、外部リングプレート100、ノズルユニット200、および内部リングプレート300は、それぞれ別途に製作され、ボルト、リベット、溶接のような結合手段によって結合されてもよい。
【0036】
前記外部リングプレート100、ノズルユニット200、および内部リングプレート300は、上部と下部に分割される2つの半円形状に形成され、それぞれの半円形状に形成された上下部の外部リングプレート、上下部のノズルユニット、および上下部の内部リングプレートがそれぞれ別途に製作されて結合されてよい。
【0037】
図示しないが、タービン用ノズルボックスは、高圧タービンの1段の内部ケーシングに、ボルト、リベットのような締結手段によって設けられる。
【0038】
また、
図2に示されているように、内部リングプレート300の中央に空洞部310が形成され、前記空洞部310にロータ(図示せず)が設けられる。
【0039】
ノズルユニット200は、前記外部リングプレート100とノズルユニット200との間に形成された円周方向に沿って所定のアーク角度上に設けられる複数のセグメントブロック210が配置される。
【0040】
添付した
図3〜
図5を参照すれば、本発明の一実施形態に係るセグメントブロック210は、ノズルボックス1の正面を基準として0度(時計方向基準12時の位置)と、90度(時計方向基準3時の位置)と、180度(時計方向基準6時の位置)と、270度(時計方向基準9時の位置)にそれぞれ配置され、互いに90度の間隔で離隔して位置する。
【0041】
セグメントブロック210は、正面が外部リングプレート100と内部リングプレート300との間を通して流入する流体の移動を遮断するためにノズルボックス1の前面を閉鎖した状態で位置し、後面は隣り合って配置されたノズルユニット200を通して流入した流体の移動のために開放された状態が維持される。ここで、正面は入口段202に相当し、後面は出口段203に相当する。
【0042】
セグメントブロック210は、円周方向に沿って1段のノズルユニットの入口段202に4つ設けられる。より好ましくは、セグメントブロック210は、円周方向に沿って90度のアーク間隔で設けられ、1段のノズルユニットの入口段が四分割される。
【0043】
前記セグメントブロック210は、拡大図に示されているように、ノズルフレーム204を基準として、正面は塞がれた形態に形成されるが、正面を除く後方に延びた部分は中央位置に流線形のノズル220aが形成される。
【0044】
セグメントブロック210は、1段のノズルユニットの入口段202に設けられ、1段のノズルユニットの出口段203は開放された形態に形成される。
【0045】
また、前記ノズル220aを基準として左右の位置に、外部リングプレート100と内部リングプレート300に固定されるために外側にそれぞれ対称に延びた延長部205が形成され、前記延長部205に挿入ホール206が開口する。
【0046】
前記延長部205は、前記外部リングプレート100と内部リングプレート300により安定的に結合されるために、U字状の結合部207が形成されていて、前記外部リングプレート100と内部リングプレート300に密着した状態で結合される。参照として、前記結合部207と噛み合い保持される前記外部リングプレート100と内部リングプレート300は、前記結合部207に対応する形態からなっていて、互いに密着した状態で結合される。
【0047】
前記挿入ホール206には、固定のために別途に設けられた固定片(図示せず)が挿入され、前記固定片は、一例としてピンが用いられる。
【0048】
リング形状に形成されたノズルボックス1を平面形態と仮定して、0度から180度の区間を展開した時、0度を始点として90度の間隔でセグメントブロック210が配置され、前記セグメントブロック210の内側にノズル220aが設けられ、前記ノズル220aと隣り合って複数のノズル220が等間隔に離隔したノズルユニット200が設けられる。
【0049】
セグメントブロック210は、正面が塞がれた四角のブロック形態であるが、1段のノズルボックス1の後方から眺めると、隣り合うノズルユニット200のノズル220aの間に流体移動可能な通路S1、S2が形成される。
【0050】
前記通路S1、S2は、ノズル220aのリーディングエッジからトレーリングエッジへいくほど面積が狭くなった形状に延びるため、多量の流体が入口段202から出口段203に相当するトレーリングエッジに向かって移動する場合、流速が増加し得て、流体の移動による乱流形成に役立つ。
【0051】
前記通路S1、S2による流体の移動は、セグメントブロック210の正面を通しては制限されるが、隣り合うノズル220の間では、流体移動可能な通路S1、S2によってノズルボックス1の出口側に相当する後方の位置で前記流体の安定した移動が行われる。
【0052】
したがって、ノズルボックス1の入口段202(
図6参照)と出口段203(
図6参照)で流体の移動が容易に制御可能で、前記出口段203における流体の移動効率が向上し、タービンの全体的な効率も向上する。
【0053】
一例として、セグメントブロック210は、ノズルボックス1の正面を基準として、0度、90度、180度、270度の位置にそれぞれ位置し、互いに離隔したセグメントブロック210の間にノズルユニット200が位置する。前記ノズルユニット200は、複数のノズル220が等間隔に離隔しているため、蒸気が矢印方向に流入する場合、複数のノズル220を通して入口段202から出口段203に移動する。
【0054】
前記セグメントブロック210が位置した所において、入口段202の場合、塞がれていて流入しないが、出口段203では、隣り合う前記セグメントブロック210に設けられたノズル220aと隣り合うノズルユニット200に設けられたノズル220との間に流体が移動可能で、ノズルボックス1の出口段203からすべての領域を通して流体の移動が行われる。
【0055】
前記セグメントブロック210と隣り合って配置されたノズル220は、ノズルフレーム204が上述したセグメントブロック210に設けられたノズルフレーム204aと同一の形態に形成され、ノズル220の左右の位置に、外部リングプレート100と内部リングプレート300に固定されるために外側(左側と右側)にそれぞれ対称に延びた延長部205が形成され、前記延長部205に挿入ホール206が開口する。
【0056】
前記ノズル220は、ノズルボックス1の正面で流体の流入が行われるように開放された形態に形成され、後方に相当するノズルボックス1の出口段203にまで前記ノズル220が流線形に延びていて、流体の移動が安定的に行われる。
【0057】
前記ノズル220は、上述したセグメントブロック210のノズル220aと隣り合って流体移動可能な通路S1、S2によって、前記ノズルボックス1の出口段203で流体の移動が安定的に行われる。
【0058】
ノズルボックス1は、部分アーク運転が実施され、前記部分アーク運転は、タービンの四象限のうち一部領域からのみスチームが供給されるように運転するもので、発電容量などの必要に応じて部分アーク運転が行われる。
【0059】
本発明は、部分アーク運転時にタービンの効率を増大させるためのもので、ノズルユニット200が、円周方向に沿って90度のアーク角度上の入口段に設けられる4つのセグメントブロック210によって部分アーク運転のために入口段が四分割され、出口段は全体アークで運転されることにより、デッドアークゾーンを最小化してタービンの全体効率を向上することができる。
【0060】
特に、上述のように、セグメントブロック210に設けられたノズル220aと隣り合ってノズルユニット200がノズルボックス1の円周方向に沿って配置され、前記ノズルユニット200には、所定の角度間隔で設けられた複数のノズル220が設けられていて、高圧の流体が安定的に移動する。
【0061】
ノズル220は、全体的に円周方向に所定の角度をなしつつ傾斜して形成され、内側面は流線形に形成されて、内部ケーシングに流入するスチームをロータに供給する。
【0062】
すなわち、前記ノズル220によって高温高圧のスチーム(蒸気)が均一に移動するように案内可能で、前記スチームの移動安定性が向上する。
【0063】
ノズル220は、蒸気が流入する流入部221がノズルボックス1の前方に向かって開口していて、開口した面積が排出部222に比べて相対的に広く形成される。また、蒸気が排出される排出部222は、前記流入部221に比べて相対的に狭く形成される。
【0064】
この場合、高温高圧の蒸気がノズル220の外周面に沿って安定的に移動しながら流速が加速され、これと同時に、圧力が増加しながら速い速度でロータに排出される。
【0065】
したがって、前記ノズルユニット200に設けられた複数のノズル220によって加速された蒸気がロータを容易に回転させる。
【0066】
添付した
図7を参照すると、本発明の他の実施形態によれば、それぞれのセグメントブロック210と、ノズルユニット200に設けられたノズル220とは、内部ケーシングにおいてピン230によって結合されてもよい。前記ピン230は、図面を基準として、ノズル220の中央位置に結合され、前記ピン230によって前記ノズル220に対する固定が安定的に維持される。
【符号の説明】
【0067】
1:ノズルボックス
10:内部ケーシング
100:外部リングプレート
110:(外部リングプレートの)内周面
200:ノズルユニット
201:(ノズルユニットの)外周面
202:入口段
203:出口段
210:セグメントブロック
220:ノズル
300:内部リングプレート
310:空洞部