(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2管理値が異常である場合、および、前記第1管理値と前記第2管理値とから算出された値または割合が異常である場合、前記粒子分析装置による臨床検体の測定を禁止する、請求項1ないし3の何れか一項に記載の異常判定方法。
少なくとも前記第1管理値と前記第2管理値とから算出された値または割合が異常である場合、試薬の交換を促すメッセージを前記粒子分析装置に出力させる、請求項4に記載の異常判定方法。
少なくとも前記第2管理値に基づく異常判定結果と、前記第1管理値と前記第2管理値とから算出された値または割合に基づく異常判定結果とを一覧表形式で前記粒子分析装置に出力させる、請求項1ないし5の何れか一項に記載の異常判定方法。
前記第1管理値および第2管理値を軸とする座標空間において、前記第1および第2コントロール粒子から取得した前記第1管理値および第2管理値に対応する座標が、正常範囲を示す領域内にない場合、少なくとも前記試料調製部における染色の異常を報知することをさらに含む、請求項1ないし10の何れか一項に記載の異常判定方法。
前記粒子分析装置は、検体に含まれる細胞のDNA量を解析し、所定量以上のDNAを含む細胞の比率を求める、請求項1ないし12の何れか一項に記載の異常判定方法。
前記第1管理値および前記第2管理値は、各粒子の蛍光信号の波形から求められる数値の代表値に基づく値である、請求項1ないし13の何れか一項に記載の異常判定方法。
蛍光色素を含む第1試薬とRNA除去剤を含む第2試薬とを用いて細胞を含む検体を処理し、処理された検体に含まれる細胞のDNA量に関する特徴パラメータに基づいて、所定量以上のDNAを含む細胞の比率を求める分析装置における精度管理方法であって、
前記分析装置によって、蛍光色素によって染色される第1コントロール粒子と、前記蛍光色素によって染色されず、且つ蛍光を発する第2コントロール粒子と、前記第1および第2試薬とを混合して混合物を調製し、
前記分析装置によって、フローセルに前記混合物を流し、前記フローセルを流れる前記第1および第2コントロール粒子に光を照射して、前記第1コントロール粒子および前記第2コントロール粒子からの蛍光を検出し、
前記第1コントロール粒子から発せられた蛍光の検出結果を示す第1管理値と、前記第2コントロール粒子から発せられた蛍光の検出結果を示す第2管理値を取得し、
前記第1管理値と前記第2管理値とから算出される値または前記第1管理値と前記第2管理値の割合に基づき、前記第1および第2試薬の少なくとも一方の交換を促すメッセージを出力し、
前記第1コントロール粒子が細胞であり、
前記試薬が、前記第1コントロール粒子としての細胞の核を染色する核酸染色色素を含む、精度管理方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に示す実施形態1、2は、子宮頸部の細胞を分析対象とし、細胞の癌化に関する情報を取得する装置に本発明を適用したものである。分析対象は、口腔細胞、膀胱、咽頭などの上皮細胞や、臓器の上皮細胞であっても良い。
【0015】
<実施形態1>
図1に示すように、粒子分析装置10は、移送部20と、前処理部30と、試料調製部40と、光学検出部50と、解析部60と、出力部70と、入力部80と、を備える。粒子分析装置10は、動作モードとして、通常モードと精度管理モードを備えている。粒子分析装置10は、通常モードにおいて、検体11の分析を行う。検体11は、臨床検体であり、被検者の子宮頸部から採取され、子宮頸部の上皮細胞を含んでいる。粒子分析装置10は、精度管理モードにおいて、第1コントロール粒子12aと第2コントロール粒子12bを用いて精度管理を行う。
【0016】
まず、動作モードが通常モードである場合について説明する。検体11は、アルコールを主成分とする保存液に細胞を懸濁した液体であり、検体容器に収容されている。アルコールは好ましくはメタノールである。移送部20は、検体11を吸引して図示しないキュベットに分注し、キュベットを移送する。前処理部30は、キュベットに分注された検体11に含まれる凝集した細胞を超音波分散する。さらに、前処理部30は、検体11に含まれる細胞を懸濁している保存液を希釈液に置換し、検体11から夾雑物を取り除いて、検体11を濃縮する。
【0017】
試料調製部40は、前処理部30による処理が終わった検体11と、試薬41、42とを混合して、混合物を調製する。試薬41は、蛍光色素を含む。試薬41に含まれる蛍光色素は、核酸染色色素である。試薬41により検体11に含まれる細胞の核酸が染色される。
【0018】
核酸染色色素は、核酸に結合することで蛍光を発する蛍光色素であればよい。核酸蛍光色素として、たとえば、プロピジウムアイオダイド、エチジウムブロマイド、エチジウム−アクリジンヘテロダイマー、エチジウムジアジド、エチジウムホモダイマー−1、エチジウムホモダイマー−2、エチジウムモノアジド、トリメチレンビス[[3‐[[4‐[[(3‐メチルベンゾチアゾール‐3‐イウム)‐2‐イル]メチレン]‐1,4‐ジヒドロキノリン]‐1‐イル]プロピル]ジメチルアミニウム]・テトラヨージド、4‐[(3‐メチルベンゾチアゾール‐2(3H)‐イリデン)メチル]‐1‐[3‐(トリメチルアミニオ)プロピル]キノリニウム・ジヨージド、N,N,N',N'‐テトラメチル‐N,N'‐ビス[3‐[4‐[3‐[(3‐メチルベンゾチアゾール‐3‐イウム)‐2‐イル]‐2‐プロペニリデン]‐1,4‐ジヒドロキノリン‐1‐イル]プロピル]‐1,3‐プロパンジアミニウム・テトラヨージド、又は2‐[3‐[[1‐[3‐(トリメチルアミニオ)プロピル]‐1,4‐ジヒドロキノリン]‐4‐イリデン]‐1‐プロペニル]‐3‐メチルベンゾチアゾール‐3‐イウム・ジヨージドなどが挙げられる。
【0019】
試薬42は、検体11に含まれるRNAを除去するためのRNA除去剤を含む。検体11は、その細胞中にRNAを含むことがある。試薬41は核酸染色色素であるため、検体11に含まれるRNAを染色することがある。RNAが染色されると、検出されるべきDNA由来の蛍光にRNA由来の蛍光が加わり、バックグラウンドが上がるため、好ましくない。このようなRNAは、試薬42により分解される。
【0020】
光学検出部50は、フローサイトメータを備える。光学検出部50は、試料調製部40で調製された混合物をフローセル50aに流し、フローセル50aを流れる混合物に光を照射し、混合物から発せられる光を検出する。
【0021】
図2(a)に示すように、光学検出部50は、フローセル50aと、光源51と、集光レンズ群52と、集光レンズ53と、光検出器54と、集光レンズ55と、光検出器56と、信号処理回路57と、を備える。
【0022】
光源51は、レーザ光を出射する。集光レンズ群52は、複数のレンズからなり、レーザ光を、フローセル50aを流れる混合物に集光する。これにより、混合物中の粒子から、前方散乱光と蛍光が生じる。前方散乱光は、粒子の大きさを反映し、蛍光は、粒子の染色度合いを反映する。
【0023】
集光レンズ53は、前方散乱光を集光する。光検出器54は、前方散乱光を受光する。光検出器54は、フォトダイオードであり、受光した前方散乱光に応じた電気信号、すなわち前方散乱光信号を出力する。集光レンズ55は、蛍光を集光する。光検出器56は、蛍光を受光する。光検出器56は、フォトマルチプライヤであり、受光した蛍光に応じた電気信号、すなわち蛍光信号を出力する。
【0024】
信号処理回路57は、光検出器54、56から出力された各信号に対して所定の信号処理を施すことにより、それぞれ、前方散乱光信号と蛍光信号とに対応する波形を取得する。信号処理回路57は、取得した波形から、ピーク値、幅、面積等の複数の特徴パラメータを算出する。ピーク値は、
図2(b)に示すように、波形の最大値である。幅は、
図2(c)に示すように、所定の閾値よりも大きい波形部分の幅である。面積は、
図2(d)に示すように、所定の閾値と波形とが交わる点から下に伸ばした線分と、波形とに囲まれる部分の面積である。信号処理回路57は、粒子ごとの各光の特徴パラメータを、解析部60に出力する。
【0025】
図1に戻り、解析部60は、点線で示すように、移送部20と、前処理部30と、試料調製部40と、光学検出部50を制御する。解析部60は、信号処理回路57から出力された粒子ごとの各光の特徴パラメータを記憶部60aに記憶する。解析部60は、粒子ごとの各光の特徴パラメータに基づいて各光の特徴を解析し、解析結果を取得する。解析結果は、癌化に関する情報等を含む。解析部60は、解析結果を出力部70に表示する。解析部60は、入力部80を介してオペレータからの指示を受け付ける。出力部70は、ディスプレイであり、入力部80は、マウスやキーボードである。
【0026】
次に、動作モードが精度管理モードである場合について説明する。第1コントロール粒子12aは、試薬41の蛍光色素によって染色される粒子である。第2コントロール粒子12bは、試薬41の蛍光色素によって実質的に染色されず、且つ、予め蛍光色素を含むことにより蛍光を発する粒子である。
【0027】
第1コントロール粒子12aは、細胞、ポリアクリルアミド粒子、親水性ビニルポリマー粒子、ラテックス粒子、およびシリカ粒子からなる群から選択される。第1コントロール粒子12aは、好ましくは細胞である。
【0028】
第2コントロール粒子12bは、蛍光ラテックス粒子である。第2コントロール粒子12bは、第1コントロール粒子12aよりも強い蛍光を発する。より詳細には、第2コントロール粒子12bは、試薬41、42を用いて適切な条件下で染色された第1コントロール粒子12aより強い蛍光を発する。このため、それぞれの蛍光強度の差によって、第1コントロール粒子12aと第2コントロール粒子12bとを区別することが可能である。
【0029】
第1コントロール粒子12aと第2コントロール粒子12bは、容器に収容されている。移送部20は、第1コントロール粒子12aと第2コントロール粒子12bを吸引して図示しないキュベットに分注し、キュベットを移送する。前処理部30は、精度管理モードでは用いられない。試料調製部40は、第1コントロール粒子12aと、第2コントロール粒子12bと、試薬41、42とを混合して、混合物を調製する。これにより、第1コントロール粒子12aは、試薬41によって染色される。
【0030】
第1コントロール粒子12aは試料中にRNAを含んでいる。これはRNA除去剤を含む試薬42が正しく作用しているか否かを判定するためである。
【0031】
光学検出部50は、通常モードと同様にして、試料調製部40で調製された混合物をフローセル50aに流し、フローセル50aを流れる第1コントロール粒子12aおよび第2コントロール粒子12bに光を照射し、第1コントロール粒子12aおよび第2コントロール粒子12bから発せられる光を検出する。光学検出部50の信号処理回路57は、粒子ごとの各光の特徴パラメータを、解析部60に出力する。解析部60は、信号処理回路57から出力された粒子ごとの各光の特徴パラメータを記憶部60aに記憶する。
【0032】
解析部60は、粒子ごとの各光の特徴パラメータに基づいて、第1管理値と、第2管理値と、第3管理値を取得する。第1管理値と第2管理値は、それぞれ、第1コントロール粒子12aと第2コントロール粒子12bから発せられた蛍光の検出結果を示す。第3管理値は、第1管理値と第2管理値とから算出される値である。解析部60は、第2管理値に基づいて、検出異常、すなわち、光学検出部50における異常を判定する。解析部60は、第3管理値に基づいて、染色異常、すなわち、試料調製部40における染色の異常を判定する。解析部60は、検出異常と染色異常がある場合、出力部70を介してそれぞれ検出異常と染色異常を報知するための出力を行う。検出異常と染色異常の判定については、追ってフローチャートを参照して説明する。
【0033】
次に、通常モードにおいて粒子分析装置10が行う処理について、
図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0034】
図3に示すように、粒子分析装置10が起動すると、ステップS101において、解析部60は、オペレータにより入力部80を介して動作モードが通常モードに設定されたかを判定する。解析部60は、ステップS101でYESと判定すると、ステップS102において、上述したように、前処理部30に検体11の前処理をさせる。ステップS103において、解析部60は、試料調製部40に、試薬41、42と、前処理部30による処理が終わった検体11とを混合して混合物を調製させる。ステップS104において、解析部60は、光学検出部50に、混合物をフローセル50aに流させ、フローセル50aを流れる混合物に光を照射して、照射によって混合物から生じた光を検出させる。解析部60は、混合物に含まれる細胞から生じた各光の特徴パラメータを、記憶部60aに記憶する。
【0035】
ステップS105において、解析部60は、記憶部60aに記憶した粒子ごとの各光の特徴パラメータに基づいて、混合物に含まれる全ての細胞のうち、N/C比が所定の範囲内である細胞を抽出する。解析部60は、「蛍光信号の波形の幅/前方散乱光信号の波形の幅」を算出することにより、N/C比を取得する。
【0036】
次に、解析部60は、ステップS106、S107において、以下に示すように、検体11に含まれる細胞のDNA量に基づく解析を行う。ステップS106において、解析部60は、ステップS105で抽出した細胞のDNA量に関するヒストグラムを作成する。具体的には、解析部60は、蛍光信号の波形の面積と細胞数を2軸とするヒストグラムを作成する。蛍光信号の波形の面積(以下、蛍光面積という)は、細胞のDNA量に相当する。ステップS107において、解析部60は、検体11に含まれる細胞の蛍光面積を解析し、所定量以上のDNAを含む細胞の比率(以下、対象細胞比率という)を取得する。具体的には、解析部60は、ステップS106で作成したヒストグラムに基づいて、「所定の閾値以上の蛍光面積を有する細胞数/所定の閾値未満の蛍光面積を有する細胞数」を演算することにより、対象細胞比率を取得する。
【0037】
なお、ここでは、説明の便宜上、ステップS106においてヒストグラムを作成して対象細胞比率を取得したが、ヒストグラムは、必ずしも実際に作成する必要はない。すなわち、対象細胞比率は、ステップS105で抽出した細胞に基づいて、データ処理により取得しても良い。同様に、
図4のステップS204においても、第1測定値と第2測定値は、ヒストグラムを作成せずに、データ処理により取得しても良い。
【0038】
ステップS108において、解析部60は、ステップS107で取得した対象細胞比率に基づいて、再検要否を判定する。解析部60は、対象細胞比率が所定値以上であれば再検が必要であると判定し、所定値未満であれば再検が不要であると判定する。ステップS109において、解析部60は、対象細胞比率と、再検要否の判定結果とを、解析結果として出力部70に表示する。
【0039】
DNA量に基づく解析を行う粒子分析装置10においては、試薬41による核酸の染色と、試薬42によるバックグラウンドの低下がDNA量に関するヒストグラムの形状に直接的に影響を及ぼす。試薬41と試薬42は保管条件や使用条件により劣化する可能性がある。試薬41が劣化すると核酸が十分に染色されず、ヒストグラムの分布が低値側にシフトすることがある。試薬42が劣化すると、RNAの除去が不十分になり、蛍光のバックグラウンドが上がり、ヒストグラムの分布が高値側にシフトすることがある。いずれの場合も、正確なDNA量の解析に好ましくない影響をもたらしうる。
【0040】
したがって、試薬41、42の品質管理は重要であり、さらに、精度管理モードにおいて試料調製部40における染色の異常を判定することは重要である。
【0041】
次に、精度管理モードにおいて粒子分析装置10が行う処理について、
図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0042】
図4に示すように、粒子分析装置10が起動すると、ステップS201において、解析部60は、オペレータにより入力部80を介して動作モードが精度管理モードに設定されたかを判定する。解析部60は、ステップS201でYESと判定すると、ステップS202において、試料調製部40に、試薬41、42と、第1コントロール粒子12aと、第2コントロール粒子12bとを混合して混合物を調製させる。ステップS203において、解析部60は、光学検出部50に、混合物をフローセル50aに流させ、フローセル50aを流れる第1コントロール粒子12aと第2コントロール粒子12bに光を照射して、第1コントロール粒子12aと第2コントロール粒子12bからの蛍光を検出させる。解析部60は、第1コントロール粒子12aから生じる各光の特徴パラメータと、第2コントロール粒子12bから生じる各光の特徴パラメータを、記憶部60aに記憶する。
【0043】
ステップS204において、解析部60は、第1測定値と第2測定値を取得する。具体的には、解析部60は、まず、記憶部60aに記憶した粒子のデータを、蛍光強度の差に基づいて、第1コントロール粒子12aと第2コントロール粒子12bの何れかに分類する。上述したように、第2コントロール粒子12bは、第1コントロール粒子12aよりも強い蛍光を発する。したがって、蛍光強度の差に基づいて、第1コントロール粒子12aと第2コントロール粒子12bの分類が可能となる。
【0044】
続いて、解析部60は、第1コントロール粒子12aと第2コントロール粒子12bについて、それぞれ、
図5(a)に示すように、各粒子から生じた蛍光面積に関するヒストグラムを作成する。解析部60は、
図5(a)に示すようなヒストグラムにおいて、代表値を取得する。代表値は、最頻値、すなわち、蛍光面積に関するヒストグラムにおいて最も度数の高い蛍光面積である。代表値は、平均値や中央値であっても良い。解析部60は、第1コントロール粒子12aのヒストグラムに基づいて取得した代表値を第1測定値とし、第2コントロール粒子12bのヒストグラムに基づいて取得した代表値を第2測定値とする。
【0045】
ステップS205において、解析部60は、予め決められた測定回数に基づいて、精度管理の測定が終了したかを判定する。予め決められた測定回数をn回とすると、解析部60は、ステップS202〜S204の処理をn回繰り返し行う。n回目の第1測定値をV1n、n回目の第2測定値をV2nとすると、解析部60は、
図5(b)に示すように、1回目〜n回目の測定において、それぞれ第1測定値と第2測定を取得する。nは、たとえば1や2に設定される。
【0046】
なお、上記手順では、試薬41、42と、第1コントロール粒子12aと、第2コントロール粒子12bとを混合して混合物を調製したが、これに代えて、第1コントロール粒子12aの混合物と第2コントロール粒子12bの混合物を、別々に調製しても良い。この場合、ステップS202〜S205の処理は、
図6に示すように、ステップS221〜S228となる。
【0047】
図6に示すように、ステップS221において、解析部60は、試料調製部40に、試薬41、42と、第1コントロール粒子12aとを混合して混合物を調製させる。ステップS222において、解析部60は、光学検出部50に、混合物をフローセル50aに流させ、フローセル50aを流れる第1コントロール粒子12aに光を照射して、第1コントロール粒子12aからの蛍光を検出させる。ステップS223において、解析部60は、上記ステップS204と同様にして、第1測定値を取得する。解析部60は、ステップS224の判定に従って、予め決められた回数だけS221〜S223の処理を繰り返し、予め決められた回数だけ第1測定値を取得する。
【0048】
続いて、解析部60は、ステップS221〜S224と同様、ステップS225〜S228において、予め決められた回数だけ第2測定値を取得する。
図6のステップS221〜S228によっても、
図4のステップS202〜S205と同様、
図5(b)に示すように第1測定値と第2測定値が取得される。
【0049】
図4に戻り、ステップS206において、解析部60は、第1管理値と、第2管理値と、第3管理値を取得する。第1管理値は、ステップS204で取得した第1測定値の平均であり、以下の式(11)により取得される。第2管理値は、ステップS204で取得した第2測定値の平均であり、以下の式(12)により取得される。第3管理値は、第1管理値と第2管理値とから算出される値であり、好ましくは第1管理値と第2管理値の比の値である。第3管理値は、以下の式(13)により取得される。
【0050】
第1管理値 = (V11+V12+…+V1n)/n … (11)
第2管理値 = (V21+V22+…+V2n)/n … (12)
第3管理値 = 第1管理値/第2管理値 … (13)
【0051】
第2管理値は、試薬41によって実質的に染色されず、予め蛍光色素を含む第2コントロール粒子12bから生じた蛍光に基づいて取得された値であるため、光学検出部50の状態を反映する。これに対して、第1管理値は、光学検出部50の状態に加えて、染色工程の状態(試薬劣化など)をも反映する値である。第1管理値は、光学検出部50の状態を表す第2管理値と、染色工程の状態を表す値との積と考えることができる。したがって、第1管理値を第2管理値で除した第3管理値は、染色工程の状態を反映する。
【0052】
なお、第3管理値は、第1管理値/第2管理値を2乗した値であっても良く、第1管理値/第2管理値に対して定数を加算、減算、乗算または除算した値であっても良く、第2管理値/第1管理値であっても良く、第1管理値/第2管理値に対して対数をとった値であっても良い。第3管理値は、第1管理値と第2管理値を用いることなく、(V11+V12+…+V1n)/(V21+V22+…+V2n)により取得しても良い。
【0053】
ステップS207において、解析部60は、第2管理値と第3管理値に基づいて、
図7(a)、(b)に示す異常判定の処理を並行して行う。
【0054】
図7(a)に示すように、ステップS401において、解析部60は、第2管理値が基準範囲内であるかを判定する。
図7(c)に示すように、第2管理値の基準範囲は、下限閾値Sh21と上限閾値Sh22によって規定されている。下限閾値Sh21と上限閾値Sh22は、記憶部60aに記憶されている。解析部60は、ステップS401でYESと判定すると、ステップS402において検出異常なしと判定し、ステップS401でNOと判定すると、ステップS403において検出異常ありと判定する。
【0055】
図7(b)に示すように、ステップS411において、解析部60は、第3管理値が基準範囲内であるかを判定する。
図7(c)に示すように、第3管理値の基準範囲は、下限閾値Sh31と上限閾値Sh32によって規定されている。下限閾値Sh31と上限閾値Sh32は、記憶部60aに記憶されている。解析部60は、ステップS411でYESと判定すると、ステップS412において染色異常なしと判定し、ステップS411でNOと判定すると、ステップS413において染色異常ありと判定する。
【0056】
染色異常判定は、
図7(b)に示す処理に代えて、
図8(a)に示す処理であっても良い。この場合、以下に示すように、第1管理値と第2管理値の割合に基づいて、染色異常の判定が行われるため、
図4のステップS206で、第3管理値を取得する必要がない。
図8(a)に示す処理では、
図7(b)と比較して、ステップS411の前にステップS421が追加され、ステップS411がステップS422に変更されている。
【0057】
図8(a)に示すように、ステップS421において、解析部60は、取得した第1管理値と第2管理値とに基づく点を、
図8(b)に示すように、第1管理値および第2管理値を軸とする座標空間にプロットする。座標空間には、
図8(b)において斜線で示すように、正常範囲が設定されている。解析部60は、正常範囲を予め記憶部60aに記憶している。ステップS422において、解析部60は、プロットした点が正常範囲内に属するかを判定する。解析部60は、ステップS422でYESと判定すると、ステップS412において染色異常なしと判定し、ステップS422でNOと判定すると、ステップS413において染色異常ありと判定する。
【0058】
なお、ここでは、説明の便宜上、ステップS421において、第1管理値と第2管理値に基づく点を空間座標にプロットしたが、空間座標の作成および点のプロットは、必ずしも実際に行う必要はない。すなわち、空間座標の作成および点のプロット、ならびに、プロットした点が正常範囲内にあるか否かの判定に代えて、第1管理値と第2管理値に基づく点が正常範囲内に属するか否かの判定を、データ処理により行っても良い。
【0059】
異常判定の処理は、
図7(a)、(b)に示すように別々のフローチャートに従って行われた。しかしながら、
図7(a)、(b)に示すフローチャートが、1つのフローチャートにまとめられ、1つのフローチャートに従って、システム異常を判定する処理と、検出異常を判定する処理と、染色異常を判定する処理が行われても良い。
【0060】
図4に戻り、
図7(a)、(b)に示す異常判定の処理が全て終了すると、解析部60は、ステップS208において、
図7(a)に示す処理の結果に基づいて検出異常の有無を判定し、ステップS209、S210において、
図7(b)に示す処理の結果に基づいて染色異常の有無を判定する。
【0061】
解析部60は、ステップS208でNOと判定し、ステップS209でNOと判定すると、ステップS211において、
図9(a)に示すような画面71を出力部70に表示する。画面71は、精度管理結果を示すリスト71a、71bを含む。リスト71aは、第1〜第3管理値を一覧表形式で表示する。リスト71bは、精度管理異常判定結果として、検出異常の有無と染色異常の有無を一覧表形式で表示する。
【0062】
解析部60は、ステップS208でNOと判定し、ステップS209でYESと判定すると、ステップS212において、
図9(b)に示すような画面72を出力部70に表示する。画面72は、
図9(a)に示すリスト71a、71bと同様のリスト72a、72bを含む。さらに、画面72は、「試料調製部における染色に異常があります」とのメッセージと、領域72cとを含む。領域72cには、試薬41、42の交換を促すメッセージとして、「試薬を交換して下さい」が表示される。領域72cに表示されるメッセージは、「試薬の状態を確認して下さい」や「サービスマンに連絡して下さい」でも良い。オペレータは、画面72を参照することにより、試料調製部40における染色に異常があることを知ることができ、領域72cを参照することにより、染色異常の解消に向けて円滑かつ迅速に対処できるため、円滑かつ迅速に染色異常を解消できる。
【0063】
ステップS213において、解析部60は、通常モードにおける検体11の測定を禁止する。これにより、
図3のステップS102以降の処理が開始されなくなるため、通常モードにおいて誤って検体11の測定が行われ、精度の低い解析結果が得られてしまうことを防止できる。ステップS212において検体11の測定が禁止された場合、オペレータやサービスマンにより対処がなされた後、
図4に示す精度管理モードの処理が再度行われる。このとき、解析部60は、ステップS208でNOと判定し、ステップS209においてNOと判定すると、検体11の測定の禁止を解除する。
【0064】
解析部60は、ステップS208でYESと判定し、ステップS210でNOと判定すると、ステップS214において、
図9(c)に示すような画面73を出力部70に表示し、ステップS213において、通常モードにおける検体11の測定を禁止する。画面73は、
図9(a)に示すリスト71a、71bと同様のリスト73a、73bを含む。さらに、画面73は、「光学検出部に異常があります」とのメッセージと、領域73cとを含む。領域73cには、対処を促すためのメッセージとして、「感度調整を実行して下さい」が表示される。領域73cに表示されるメッセージは、「サービスマンに連絡して下さい」でも良い。オペレータは、画面73を参照することにより、光学検出部50に異常があることを知ることができ、領域73cを参照することにより、検出異常の解消に向けて円滑かつ迅速に対処できるため、円滑かつ迅速に検出異常を解消できる。
【0065】
解析部60は、ステップS208でYESと判定し、ステップS210でYESと判定すると、ステップS215において、
図10(a)に示すような画面74を出力部70に表示し、ステップS213において、通常モードにおける検体11の測定を禁止する。画面74は、
図9(a)に示すリスト71a、71bと同様のリスト74a、74bを含む。さらに、画面74は、
図9(b)の画面72と同様、メッセージと領域74cを含み、
図9(c)の画面73と同様、メッセージと領域74dを含む。
【0066】
ステップS215によれば、光学検出部50と試料調製部40の両方に異常があるような場合でも、検出異常と試薬異常が個別にかつ確実に報知される。よって、オペレータは、異常解消に向けて円滑かつ迅速に対処できるため、円滑かつ迅速に検出異常と試薬異常を解消できる。
【0067】
図10(b)は、精度管理結果を示す画面71の他の例を示す。
図10(b)の画面71では、リスト71bにシステム異常の有無が表示される。システム異常とは、検出異常の判定と染色異常の判定を総合した結果である。したがって、いずれかが異常と判定されれば、リスト71bに「システム異常:あり」と表示される。いずれにも異常がなければ、リスト71bに「システム異常:なし」と表示される。なお、第1管理値が基準範囲内であるか否かによって、システム異常を判定してもよい。
【0068】
解析部60は、精度管理モードにおいて第3管理値を取得する度に、取得した第3管理値を記憶部60aに記憶しても良い。こうすると、第3管理値の経過を経時的に観察することで、試薬41、42の劣化を予知でき、試薬41、42の交換時期を予測できる。
【0069】
<実施形態2>
実施形態2では、粒子分析装置10の構成は、実施形態1と同様であり、染色異常判定の処理のみが、以下に示すように実施形態1と異なっている。
【0070】
図11(a)に示すように、ステップS441において、解析部60は、第3管理値が閾値Sh32より大きいか否かを判定する。解析部60は、ステップS441でNOと判定すると、ステップS442において、第3管理値が閾値Sh31より小さいか否かを判定する。
【0071】
解析部60は、ステップS441でNOと判定し、ステップS442でNOと判定すると、ステップS443において染色異常なしと判定する。解析部60は、ステップS441でNOと判定し、ステップS442でYESと判定すると、ステップS444において試薬41に異常ありと判定する。解析部60は、ステップS441でYESと判定すると、ステップS445において試薬42に異常ありと判定する。解析部60は、
図8(b)に示す座標空間を用いて、ステップS441、S442の判定を行っても良い。
【0072】
ステップS444、S445で試薬に異常ありと判定されると、
図4のステップS212、S215の後段において、試薬の交換を促すメッセージが表示される。具体的には、解析部60は、ステップS444において試薬41に異常ありと判定した場合、
図11(b)に示す画面75を出力部70に表示する。解析部60は、ステップS445において試薬42に異常ありと判定した場合、
図11(c)に示す画面76を出力部70に表示する。
【0073】
ここで、
図7(c)に示す実施形態1の染色異常判定の処理において、染色異常ありと判定される場合には、蛍光色素を含む試薬41が劣化している場合と、RNA除去剤を含む試薬42が劣化している場合とが含まれる。試薬41が劣化している場合、第1コントロール粒子12aの染まりが不十分になり、第1コントロール粒子12aから生じる蛍光が弱くなり、第3管理値が下がる。試薬42が劣化している場合、遊離したRNAの除去が不十分になり、蛍光のバックグラウンドが上がり、第3管理値が上がる。したがって、第3管理値を下限閾値Sh31と比較することで、試薬41に異常があることを判定でき、第3管理値を上限閾値Sh32と比較することで、試薬42に異常があることを判定できる。
【0074】
よって、実施形態2によれば、実施形態1と同様に染色異常があることを判定でき、さらに、試薬41、42のどちらを交換すれば良いかを知ることができる。
【0075】
<異常判定に関する実験>
次に、異常判定に関して実際に行った実験について説明する。
【0076】
1.材料
実験において使用した第1コントロール粒子12aと、第2コントロール粒子12bと、試薬41と、試薬42とは、以下に示すとおりである。
【0077】
第1コントロール粒子12aとして、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション社より入手したC33A細胞(HTB−31)を、Hologic社のPreservCyt(登録商標)に懸濁して24時間静置した後に、遠心分離して上清を除去し、これにpH7.5、10mMであるTris塩酸水溶液に懸濁したものを用いた。第2コントロール粒子12bとして、LifeTechnologies社のAlignFlow Plus Flow Cytometry Alignment Beads(A−7303)を、pH7.5、10mMであるTris塩酸水溶液で希釈したものを用いた。
【0078】
試薬41として、シグマ社のPI、すなわちヨウ化プロピジウムを、エチレングリコールで希釈したものを用いた。試薬41については、試薬41の調製後に、遮光した状態で保存したものと、露光した状態で保存したものを使用した。すなわち、試薬41については、遮光保存をしたものと、露光劣化させた試薬41それぞれを使用した。試薬42として、シグマ社のRNaseA(Cat. R4642)を、pH7.5、10mMであるTris塩酸水溶液で希釈したものを用いた。
【0079】
2.条件
実験では、染色液である試薬41の異常と、光学検出部50の感度の異常とを再現する目的で、試薬41と、蛍光を検出する光検出器56に印加する電圧とを、以下の3条件に示すように変化させた。
【0080】
条件1:試薬41を露光保存したものとし、光検出器56に印加する電圧を適正な251Vとした。
条件2:試薬41を露光保存したものとし、光検出器56に印加する電圧を255Vとした。
条件3:試薬41を遮光保存したものとし、光検出器56に印加する電圧を253Vとした。
【0081】
3.実験手順
実験では、第1コントロール粒子12aに関する測定と、第2コントロール粒子12bに関する測定とを、別々に行った。すなわち、
図4に示すフローチャートにおいて、ステップS202〜S205が、
図6のステップS221〜S228に置き換えられた。以下、適宜、
図4と
図6のフローチャートを参照して説明する。
【0082】
図6のステップS221において、第1コントロール粒子12aに、試薬42と希釈液を加え、37℃にて10分間静置した後、試薬41を加え、37℃にて2分間静置することで、第1コントロール粒子12aの混合物を調製した。
図6のステップS222において、
図1に図示した粒子分析装置10を用いて、混合物からの蛍光信号を取得した。ステップS221〜S223を2回繰り返すことにより、1回目の第1測定値と2回目の第1測定値を取得した。
【0083】
続いて、
図6のステップS225において、第2コントロール粒子12bに希釈液を加えることで、第2コントロール粒子12bを調製した。
図6のステップS226において、ステップS222と同様の粒子分析装置10を用いて、第2コントロール粒子12bの蛍光信号を取得した。ステップS225〜S227を2回繰り返すことにより、1回目の第2測定値と2回目の第2測定値を取得した。
【0084】
条件1〜3の場合の第1測定値と第2測定値は、
図12(a)〜(c)の上側の表に示す結果となった。なお、
図12(a)〜(c)には、参考として、第1測定値と第2測定値との比の値が示されている。
【0085】
次に、
図4のステップS206において、上述のとおり、第1〜第3管理値を取得した。すなわち、上記式(11)〜(13)において、nを2として第1〜第3管理値を取得した。条件1〜3の場合の第1〜第3管理値は、
図12(a)〜(c)の下側の表に示す結果となった。
【0086】
第1〜第3管理値の判定に用いる上限閾値と下限閾値は、
図12(d)に示すように設定した。下限閾値は、ターゲット値に許容幅を減じたものとし、上限閾値は、ターゲット値に許容幅を加えたものをとした。
【0087】
次に、システム異常判定と、検出異常判定と、染色異常判定を行った。検出異常判定と染色異常判定は、それぞれ、
図7(a)、(b)に示す処理に従って行った。特許文献1の手法と比較するために、特許文献1の手法と同様の手法によりシステム異常を判定した。すなわち、第1管理値が、下限閾値以上、且つ、上限閾値以下である場合、システム異常なしと判定し、第1管理値が、下限閾値より小さく、または、上限閾値より大きい場合、システム異常ありと判定した。条件1〜3の場合の第1〜第3管理値の判定結果は、
図12(a)〜(c)の下側の表に示す結果となった。
図12(a)〜(c)の下側の表において、管理値が、下限閾値以上、且つ、上限閾値以下である場合、判定は“G”となり、管理値が、下限閾値より小さく、または、上限閾値より大きい場合、判定は“NG”となる。
【0088】
4.実験結果
図12(a)〜(c)の下側の表に示すように、露光保存することにより意図的に劣化させた試薬41を用いた場合、すなわち、条件1、2の場合は、第3管理値が下限閾値を下回り、第3管理値の判定は“NG”となった。光検出器56の感度を意図的に上げた場合、すなわち、条件2、3の場合は、第2管理値が上限閾値を上回り、第2管理値の判定は“NG”となった。
【0089】
以上の実験により、露光保存した試薬41を用いた条件1では、第1管理値と第2管理値の判定が“G”、すなわちシステムと検出に異常がないことが示されても、第3管理値の判定が“NG”、すなわち、染色に異常があることが示された。これは第1コントロール粒子12aの蛍光量(第1管理値)および第2コントロール粒子12bの蛍光量(第2管理値)のみに着目する特許文献1の手法では発見できなった異常である。
【0090】
この点、実施形態1および2の手法によれば、染色の状態を表す第3管理値を、第1管理値とは別に求めることで、従来は把握できなかった染色工程の異常を発見できる。オペレータは、第3管理値を基準範囲内に戻すべく試薬交換を行うことで、適切なDNA量の解析が可能となるようにメンテナンスできる。
【0091】
また、条件2、3において、第1管理値の判定は互いに同じであり、第2管理値の判定は互いに同じである。しかしながら、露光保存した試薬41を用いた条件2では、第3管理値の判定が“NG”、すなわち、染色に異常があることが示された。遮光保存した試薬41を用いた条件3では、第3管理値の判定が“G”、すなわち、染色に異常がないことが示された。条件2と条件3の違いも、第1コントロール粒子12aの蛍光量(第1管理値)および第2コントロール粒子12bの蛍光量(第2管理値)のみに着目する特許文献1の手法では発見できなった異常である。
【0092】
特許文献1の手法では、第2管理値が異常である場合、すなわち光学検出部に異常がある場合、さらに染色工程にも異常があるかどうかを判定する指標は提供されていなかった。光学検出部と染色工程の両方に異常がある場合、オペレータは光学検出部の感度調整に加えて試薬交換を行うが、従来の手法では、試薬交換を伴う異常か否かがわからなかった。
【0093】
この点、実施形態1および2の手法によれば、第1管理値と第2管理値との比の値である第3管理値に基づき、検出異常と染色異常を別々に判定できるため、第1管理値と第2管理値からでは判定できない染色異常を、第3管理値を用いて判定できることが分かる。したがって、本発明によれば、光学検出部50と試料調製部40の両方に異常があるような場合でも、検出異常と試薬異常が個別にかつ確実に報知できることが分かる。