(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6342303
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20180604BHJP
H01R 13/648 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
H01R12/71
H01R13/648
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-228581(P2014-228581)
(22)【出願日】2014年11月11日
(65)【公開番号】特開2015-135806(P2015-135806A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2017年7月19日
(31)【優先権主張番号】61/928,537
(32)【優先日】2014年1月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/283,732
(32)【優先日】2014年5月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513049697
【氏名又は名称】ジェイエイイイ エレクトロニクス インク
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】竹永 悠一
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 一史
【審査官】
板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−297485(JP,A)
【文献】
特開2008−218095(JP,A)
【文献】
特開2003−282167(JP,A)
【文献】
特開2012−252785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに整列保持されたコンタクトと、
前記ハウジングの回りに取り付けられたシェルとよりなり、
前記シェルは板材よりなり、前記ハウジングの側壁に沿って延びる延伸部と、相手方コネクタの接地コンタクトと接触するバネ片とを具備し、
前記バネ片は、前記延伸部の延伸方向と直交する方向に前記延伸部から突出形成されて先端が前記側壁の内側に位置するように折り返された基部と、前記基部の先端から前記延伸方向に延長形成された中間部と、前記中間部の先端から前記延伸方向と直交する方向に延長形成された接片部とを有し、
前記中間部は前記側壁の内面と離間され、
前記接片部は前記内面に対し、前記中間部よりさらに内側に位置して先端が前記相手方コネクタが挿入されてくる側に向いていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記バネ片は展開形状がクランク形状をなすものとされていることを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記接片部の先端は前記内面側に曲げられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項2記載のコネクタにおいて、
前記接片部の先端は前記内面側に曲げられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
請求項3記載のコネクタにおいて、
前記相手方コネクタの接地コンタクトと接触して前記バネ片が変形しても前記接片部の先端は前記バネ片の他の部位と接触しない構成とされていることを特徴とするコネクタ。
【請求項6】
請求項4記載のコネクタにおいて、
前記相手方コネクタの接地コンタクトと接触して前記バネ片が変形しても前記接片部の先端は前記バネ片の他の部位と接触しない構成とされていることを特徴とするコネクタ。
【請求項7】
請求項1乃至6記載のいずれかのコネクタにおいて、
前記バネ片は前記延伸部の延伸方向両端にそれぞれ設けられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
請求項1乃至6記載のいずれかのコネクタにおいて、
前記ハウジングは外形が長方形形状をなし、
前記シェルは前記延伸部の両端から同じ向きに直角に曲げられてそれぞれ延長形成された延長部を有し、
一対の前記シェルによって前記ハウジングが囲まれていることを特徴とするコネクタ。
【請求項9】
請求項1乃至6記載のいずれかのコネクタにおいて、
前記コネクタは基板に表面実装されるものとされ、
前記基板の接地パターンと接続される基板接続部が前記シェルに形成されていることを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電気的接続を担うコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
基板の面同士を対向させ、基板同士を電気的に接続するためのコネクタ(基板対基板コネクタ)が従来より用いられている。
図1及び2はこのようなコネクタの従来例として特許文献1に記載されている構成を示したものである。
図1及び2中、10は図示しない基板上に実装されるコネクタ(レセプタクルコネクタ)を示し、20は図示しない他の基板上に実装されてコネクタ10に嵌合される相手側コネクタ(プラグコネクタ)を示す。
図2はコネクタ10と相手側コネクタ20が嵌合された状態の断面構造を示している。
【0003】
コネクタ10はハウジング11と、ハウジング11に保持されたコンタクト12a,12bと、ハウジング11及びコンタクト12a,12bを囲むようにハウジング11の側壁部に設けられ、図示しない基板に接地される一対のシェル13a,13bを有している。
【0004】
相手側コネクタ20は本体21と、本体21の下面から互いに平行に突出された一対の相手側嵌合部22a,22bと、相手側嵌合部22a,22bの長手方向に所定のピッチで設けられ、コネクタ10のコンタクト12a,12bと接続される複数の相手側コンタクト23a,23bと、相手側嵌合部22a,22bの両端に設けられ、シェル13a,13bと接続される接地端子24a,24bを有している。
【0005】
コネクタ10のハウジング11は、コンタクト12a,12bのピッチ方向に長手方向を有し、対向する一対の第1側壁部14a,14bと、一対の第1側壁部14a,14bのそれぞれの端部間を連結して対向する一対の第2側壁部14c,14dとを有している。
【0006】
ハウジング11の上面には相手側コネクタ20の相手側嵌合部22a,22bが挿入される溝部15a,15bが設けられており、溝部15a,15bを跨ぐようにしてコンタクト挿入穴16a,16bが長手方向に所定のピッチで設けられている。溝部15a,15bの端部は連結溝17a,17bによって連結され、中央部分にはブロック状の凸部18が形成されている。
【0007】
シェル13aは
図3に示すように、ハウジング11の第2側壁部14cに沿って配置される連結本体部31と、第1側壁部14bに沿って配置される短辺本体部32と、第1側壁部14aに沿って配置される長辺本体部33を有している。連結本体部31は屈曲部34を有し、屈曲部34からはシェル13aの内側に向けて突出し、相手側コネクタ20の接地端子24aと接触するシェル側接地部35が設けられている。
【0008】
短辺本体部32にはシェル13aのハウジング11への係合、固定及び基板の接地端子との接続のための短辺係止部32aが設けられており、長辺本体部33には基板の接地端子との接続のための端部係止部33a、長辺係止部33cが設けられ、さらにシェル13aのハウジングへの係合、固定のための長辺係止部33bが設けられている。なお、シェル13bはシェル13aと同一形状をなすものとされている。
【0009】
コネクタ10はハウジング11のコンタクト挿入穴16a,16bにコンタクト12a,12bが圧入され、さらにハウジング11の側壁部に設けられている各圧入部にシェル13a,13bの上述した各係止部が係合、固定されて組み立てられる。
【0010】
コネクタ10への相手側コネクタ20の嵌合は、コネクタ10の溝部15a,15b内に相手側コネクタ20の相手側嵌合部22a,22bを挿入することによって行われる。これにより、相手側コネクタ20の相手側コンタクト23a,23bはコネクタ10のコンタクト12a,12bに挟み込まれるようにして両者が接続される。
【0011】
一方、
図2に示すように、相手側コネクタ20の接地端子24a,24bはコネクタ10の連結溝17a,17bに挿入され、シェル13a,13bのシェル側接地部35と接触して接地される。
【0012】
このようにして、コネクタ10に相手側コネクタ20が嵌合され、電気的に接続される。
【0013】
図4は特許文献1に記載されているシェルの他の形状例を示したものであり、
図4に示したシェル13cはシェル側接地部35が長辺本体部33の内側に設けられたものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2012−252785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、この種のコネクタ(基板対基板コネクタ)においては、実装スペース削減のために小型化が要求され、また接続すべき基板間の間隔の狭小化に伴い、低背化が強く要求されている。
【0016】
このような状況において、特に上述したコネクタ10のように、シェルを備え、シェルに相手側コネクタの接地端子と接触する接地部としてバネ片が形成されているコネクタ(レセプタクルコネクタ)では、柔らかく、信頼性、耐久性に優れたバネ片を設ける必要があるものの、バネ片の板厚や板幅はすでに限界に達しており、またバネ片を長くすることはコネクタの小型化、低背化を阻害することになり、それゆえ柔らかく、信頼性、耐久性に優れたバネ片を設けるのは困難な状況となっている。
【0017】
この発明の目的はこのような問題に鑑み、バネ片を有するシェルを備えたコネクタにおいて、コネクタの小型化、低背化を可能とし、かつバネ片を柔らかく、信頼性、耐久性があるものとしたコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この発明によれば、コネクタはハウジングと、ハウジングに整列保持されたコンタクトと、ハウジングの回りに取り付けられたシェルとよりなり、シェルは板材よりなり、ハウジングの側壁に沿って延びる延伸部と、相手方コネクタの接地コンタクトと接触するバネ片とを具備する。バネ片は、前記延伸部の延伸方向と直交する方向に前記延伸部から突出形成されて先端が前記側壁の内側に位置するように折り返された基部と、基部の先端から前記延伸方向に延長形成された中間部と、中間部の先端から前記延伸方向と直交する方向に延長形成された接片部とを有し、中間部は前記側壁の内面と離間され、接片部は前記内面に対し、中間部よりさらに内側に位置して先端が相手方コネクタが挿入されてくる側に向いているものとされる。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、コネクタを低背としても、相手方コネクタの接地コンタクトと接触するシェルのバネ片を柔らかく、信頼性、耐久性のあるものとすることができ、よってコネクタの小型化、低背化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】基板同士を電気的に接続するコネクタの従来例を示す斜視図。
【
図2】
図1に示した両コネクタが嵌合された状態を示す断面図。
【
図5】Aはこの発明によるコネクタの一実施例を示す平面図、Bはその正面図、CはAの5C−5C線拡大断面図、DはAの5D−5D線拡大断面図。
【
図6】Aは
図5に示したコネクタの上方から見た斜視図、Bは
図5に示したコネクタの下方から見た斜視図。
【
図7】Aは
図5におけるハウジングの平面図、Bはその正面図。
【
図8】Aは
図7に示したハウジングの上方から見た斜視図、Bは
図7に示したハウジングの下方から見た斜視図。
【
図9】Aは
図5におけるコンタクトの斜視図、Bはその正面図。
【
図10】Aは
図5におけるシェルの平面図、Bはその正面図、Cはその展開図。
【
図11】Aは
図10に示したシェルの正面側から見た斜視図、Bは
図10に示したシェルの背面側から見た斜視図、CはBのD部拡大図。
【
図12】Aは
図5に示したコネクタと嵌合される相手方コネクタを示す斜視図、BはAの12B−12B線拡大断面図、CはAの12C−12C線拡大断面図。
【
図13】Aは
図5に示したコネクタと
図12に示した相手方コネクタの嵌合前の状態を示す斜視図、Bはその嵌合後の状態を示す斜視図。
【
図15】シェルのバネ片の寸法がばらついた場合の相手方コネクタとの嵌合状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図5、
図6はこの発明によるコネクタの一実施例を示したものであり、このコネクタ100は基板の面同士を対向させ、基板同士を電気的に接続するために用いられるコネクタ(基板対基板コネクタ)においてレセプタクルコネクタをなすコネクタである。
【0023】
コネクタ100はハウジング40と、ハウジング40に整列保時された多数のコンタクト50と、ハウジング40の回りに取り付けられた一対のシェル60とによって構成されている。まず、各部の構成について説明する。
【0024】
ハウジング40は
図7,8に示すように、外形が長方形形状をなす厚板状とされ、樹脂製とされる。ハウジング40の上面には長方形の長辺に沿って一対の溝41が形成されており、溝41を横断するようにしてコンタクト挿入穴42が溝41の延伸方向に所定のピッチで配列されて形成されている。溝41の両端は長方形の短辺に沿って形成された溝43によって他方の溝41の両端とそれぞれ連結されており、これら溝41,43によって囲まれた中央部分はブロック状をなす凸部44となっている。上記のような溝41,43を備えたハウジング40は溝41,43の回りに側壁を有するものとなっており、側壁は長方形の一対の長辺部分に位置する一対の側壁45と、長方形の一対の短辺部分に位置する一対の側壁46とによって構成されている。
【0025】
ハウジング40の側壁45,46の外面の4つの角部には角枠47がそれぞれ形成されており、コンタクト挿入穴42の配列形成部分に対応する側壁45の外面には側枠48がそれぞれ形成されている。側枠48と角枠47との間には所定の隙間が設けられている。なお、一対の側壁46の上面にはそれぞれ2つの凹部49が形成されている。
【0026】
コンタクト50は
図9に示したような形状を有するものとされ、L字形の外部接続部51と、略U字形の接触部52と、それら外部接続部51の一端と接触部52の一端とをつなぐ連結部53とよりなる。接触部52の他端(先端)はU字の内側に位置するように折り返されている。なお、外部接続部51の、連結部53寄りの幅方向両端には互いに外向きに爪54が突出形成されている。
【0027】
次に、シェル60の構造について
図10、
図11を参照して説明する。
【0028】
シェル60は金属板が所要の形状に切断され、曲げ加工されて形成されており、ハウジング40の側壁45に沿って配置される細く延びた延伸部61と、延伸部61の両端から同じ向きに直角に曲げられてそれぞれ延長形成された延長部62を有している。これら延長部62はハウジング40の一対の側壁46の各半部に側壁46に沿って配置される。
【0029】
延伸部61の延伸方向両端にはそれぞれバネ片63が突出形成され、さらに基板接続部64がそれぞれ突出形成されている。
【0030】
バネ片63は延伸部61の延伸方向と直交する方向に延伸部61から上方に突出形成されて先端がシェル60の内側(延長部62が曲げられている側)に位置するように下方に折り返された基部63aと、基部63aの先端から延伸部61の延伸方向に延長形成された中間部63bと、中間部63bの先端から延伸部61の延伸方向と直交する方向に延長形成された接片部63cとよりなる。
【0031】
接片部63cは中間部63bの先端から下方に突出形成された後、上方に折り返された形状となっており、中間部61よりさらにシェル60の内側に位置するように設けられている。なお、接片部63cの先端は延伸部61側に向くように曲げられている。
【0032】
上記のような形状を有するバネ片63は
図10Cに示したように曲げ加工される前の形状(展開形状)がクランク形状をなすものとされている。
【0033】
基板接続部64はバネ片63とは反対に延伸部61から下方に突出形成されており、コネクタ100が表面実装される基板の接地パターンとの接続のために用いられる。
【0034】
一方、各延長部62には係止片65が突出形成されている。係止片65は延長部62から上方に突出形成された後、先端がシェル60の内側に位置するように下方に折り返された形状とされ、その先端の幅方向の一方の側には爪65aが突出形成されている。なお、各延長部62には下方に突出する突部66が形成されており、この突部66と基板接続部64との間に位置する延伸部61と延長部62の連結部分は上方にずらされて1段高くされている。
【0035】
コネクタ100はハウジング40にコンタクト50及びシェル60がそれぞれ圧入されて組み立てられる。
【0036】
コンタクト50はハウジング40のコンタクト挿入穴42にハウジング40の下面から圧入されて取り付けられる。コンタクト50の接触部52はハウジング40の溝41に配置され、外部接続部51の先端は側壁45からわずかに突出される。
【0037】
シェル60は一対の係止片65がハウジング40の側壁46に設けられている凹部49に圧入されてハウジング40に取り付けられる。延伸部61の下面は側枠48に突き当てられ、また1段高くされている延伸部61と延長部62の連結部分の下面は角枠47に突き当てられる。基板接続部64は側枠48と角枠47との間の隙間に挿入位置される。
【0038】
バネ片63の基部63aは側壁45の上面を回り込む形となり、先端は側壁45の内側に位置される。中間部63bは側壁45の内面と離間され、接片部63cは側壁45の内面に対し、中間部63bよりさらに内側に位置して先端が上方に、即ち相手方コネクタが挿入されてくる側に向く状態となる。
【0039】
ハウジング40には一対のシェル60が取り付けられ、一対のシェル60によってハウジング40は囲まれた状態となる。
【0040】
上記のようにコンタクト50及びシェル60が取り付けられて
図5、
図6に示したコネクタ100が完成する。
【0041】
図12はコネクタ100に嵌合される相手方コネクタ(プラグコネクタ)200を示したものであり、相手方コネクタ200は長方形形状をなす厚板状のハウジング70と、ハウジング70に整列保持された多数のコンタクト80とによって構成されている。ハウジング70は樹脂製とされ、コンタクト80はインサート成形されてハウジング70に配置されている。
【0042】
ハウジング70の上面にはコネクタ100の凸部44と係合する凹部71が形成されており、この凹部71の回りにコネクタ100の溝41,43に挿入、嵌合される嵌合部72が枠状に構成されている。コンタクト80は嵌合部72の一対の長辺に所定のピッチでそれぞれ配列されており、嵌合部72を囲むように設けられて嵌合部72の外面、内面及び上面に露出されている。コンタクト80の一端は外部接続用としてハウジング70の下面側から側方に突出されている。なお、この例では嵌合部72の一対の長辺の各両端に位置するコンタクト80’はコネクタ100のシェル60のバネ片63と接触する接地コンタクトとされている。
【0043】
図13Aは基板(図示省略)に表面実装されたコネクタ100と他の基板(図示省略)に表面実装された相手方コネクタ200を嵌合すべく、対向させた状態を示したものであり、
図13Bはコネクタ100と相手方コネクタ200が嵌合された状態を示したものである。また、
図14はコネクタ100と相手方コネクタ200が嵌合された状態の断面を示したものである。
【0044】
コネクタ100と相手方コネクタ200の嵌合はコネクタ100の溝41,43に相手方コネクタ200の嵌合部72を挿入することによって行われる。これにより、
図14Aに示したように相手方コネクタ200のコンタクト80がコネクタ100のコンタクト50の接触部52に挟み込まれるようにして両者が接触し、接続される。
【0045】
一方、相手方コネクタ200の接地コンタクト80’は
図14Bに示したようにコネクタ100のシェル60のバネ片63の接片部63cと接触し、両者が接続される。
【0046】
このようにしてコネクタ100と相手方コネクタ200とが電気的に接続される。
【0047】
上述したコネクタ100では従来と同様に、シェル60は相手方コネクタ200の接地コンタクト80’と接触するバネ片63を有するものとなっているが、バネ片63はシェル60の延伸部61の延伸方向に、即ちハウジング40の側壁45の、高さ方向と直交する長さ方向に延長形成された中間部63bを有するものとなっている。この中間部63bは側壁45の内面と離間されて弾性変形可能とされており、よってこのような中間部63bを有することにより、この例ではバネ片63の長さを大幅に長くすることができる。加えて、側壁45の上面を回り込む形状とされたバネ片63の基部63aも曲げ半径が大きく、バネとして機能するため、この基部63aもバネ片63の長さに寄与するものとなっている。
【0048】
従って、上記のような構成を有するコネクタ100によれば、コネクタ100を低背としても、シェル60のバネ片63を柔らかく、信頼性、耐久性のあるものとすることができ、よってコネクタの小型化、低背が可能となる。
【0049】
なお、バネ片63は中間部63bの存在により、相手方コネクタ200の接地コンタクト80’と接触して変形しても、バネ片63の接片部63cの先端がバネ片63の他の部位と接触しない構成とされている。これにより、例えばバネ片63の寸法・加工ばらつきや相手方コネクタ200との嵌合状態のばらつき等によってバネ片63が大きな変形を余儀なくされる場合であっても不測の変形を生じることなく、良好な変形状態が得られるものとなっている。
【0050】
図15はこのような状態の一例として、寸法ばらつきにより、側壁45の内面側に曲げられている接片部63cの先端部分(曲げ部分)の長さが長くなっているバネ片63’の接地コンタクト80’との接触時の状態を示したものであり、バネ片63’の接片部63cの先端はバネ片63’の他の部位と接触することなく、良好な変形状態が得られていることがわかる。