特許第6342316号(P6342316)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6342316
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/46 20060101AFI20180604BHJP
   A01D 41/12 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
   A01F12/46
   A01D41/12 E
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-250052(P2014-250052)
(22)【出願日】2014年12月10日
(65)【公開番号】特開2016-106602(P2016-106602A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2016年12月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】西田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】永田 哲治
(72)【発明者】
【氏名】井上 喜博
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕明
【審査官】 田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−344093(JP,A)
【文献】 実公平08−003252(JP,Y2)
【文献】 特開平11−266683(JP,A)
【文献】 特開2011−177079(JP,A)
【文献】 実開平03−114927(JP,U)
【文献】 米国特許第08827782(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/00−12/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走機体の前部に位置する運転部と、
該運転部の後方に位置するグレンタンクと、
そのグレンタンクの穀粒を排出するアンローダとを備え、
前記アンローダは、前記グレンタンクの後方側に位置する縦搬送筒と、その縦搬送筒の上下方向軸心回りで旋回揺動するとともに、その搬送終端部に排出口部を備える横搬送筒とを備え、
前記運転部において、運転座席が前記自走機体の横一側端寄り位置に配設されたコンバインであって、
前記アンローダは、前記横一側端よりも前記自走機体の内方側で、かつ前記運転座席よりも横外方側の位置に前記排出口部が位置する格納姿勢と、前記自走機体の外方側に前記排出口部が位置する排出姿勢とに姿勢切換自在に構成され、
前記横搬送筒に、前記縦搬送筒の上端部から延出された中継筒部と、前記中継筒部に対して屈曲する状態で前記中継筒部の延出端から延出され、遊端部に前記排出口部を有し、かつ、伸縮しない形態の本体筒部とが備えられ、
前記アンローダは、前記上下方向軸心から前記排出口部に至る旋回半径が、前記上下方向軸心から前記運転座席の前端までの距離よりも短い長さに設定され、
前記横搬送筒の旋回揺動可能な範囲が、前記排出口部を前記運転座席から離れる横外方側に旋回移動させて前記排出姿勢となり、前記排出口部を前記排出姿勢から前記横一側端を経て前記運転座席に近づける横内方側に旋回移動させて前記格納姿勢となるように設定され、
前記格納姿勢において、前記横搬送筒が、前記中継筒部が前記自走機体の内方側に向けて延びる状態となるとともに前記本体筒部が前方かつ前記横一側端に向けて斜め方向に延びる状態となるように、前記グレンタンクの上方に位置し、かつ、前記排出口部が、平面視で前記運転座席と重複しない状態で、前記運転部の前記横一側端側の後部に位置するコンバイン。
【請求項2】
前記アンローダは、前記格納姿勢で前記グレンタンクよりも前方側に前記排出口部が位置するように構成されたものである請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記アンローダは、前記横搬送筒が前記排出姿勢のうち、前記格納姿勢とは反対側の揺動端部に位置する姿勢のときに、前記排出口部が前記自走機体の後方側における左右方向での中央位置に位置するように構成されている請求項1又は2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記横搬送筒が、前記排出姿勢において、前記格納姿勢にある位置よりも下方側に揺動可能に構成されている請求項1〜3のいずれか1項記載のコンバイン。
【請求項5】
前記横搬送筒を前記格納姿勢で支持する受け部材が、前記グレンタンクの前部側の上部に取り付けられている請求項1〜4のいずれか1項記載のコンバイン。
【請求項6】
前記運転座席が原動部の上側に配置され、その原動部の横外側に、横外方側からの吸気経路を備えた防塵ケースを設けてあり、
前記防塵ケースの前部上向き面に、前記アンローダの旋回作動又は上下揺動作動を行わせるための操作具を装備させてある請求項1〜5のいずれか1項記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走機体の前部に位置する運転部と、運転部の後方に位置するグレンタンクと、そのグレンタンクの穀粒を排出するアンローダとを備えるとともに、アンローダは、グレンタンクの後方側に位置する縦搬送筒と、その縦搬送筒の上下方向軸心回りで旋回揺動する横搬送筒とを備え、運転部では、運転座席が自走機体の横一側端寄り位置に配設されたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンバインとしては、例えば、下記の特許文献1に示すものが知られている。
この構造のものでは、グレンタンクの後方側に設定された上下方向の旋回軸心回りで回動する横搬送筒の長さを、コンバイン全体の対角線方向に沿う方向の長さ程度に設定してある。これにより、穀粒排出作業時には、排出口ができるだけ遠くに届き、かつ、格納時にはアンローダが自走機体から大きくはみ出さないようにして、比較的コンパクトに格納し得るように構成されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008‐11716号公報(段落「0011」、「0012」、及び図面の「図1,2」参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたコンバインでは、アンローダの旋回軸心が存在する自走機体の右後方位置から、自走機体の左前方位置に向けて横搬送筒が自走機体の対角線に沿う状態でアンローダの格納位置が設定されている。そして、横搬送筒は、その格納位置から左旋回、及び右旋回の各方向へ旋回可能に構成されている。
したがって、自走機体の右側及び後方側では、コンバインから大きく離れた畦道上等に位置する運搬車に対しての穀粒供給が可能であり、また、自走機体の左右方向幅よりも長い横搬送筒を用いて機体の左側にも穀粒を排出することが可能で、多様な排出形態を現出することができる点で有用である。
しかしながら、自走機体の運転座席が配設されている右側に穀粒を排出しようとする場合には、格納位置から右方向に旋回する横搬送筒が、格納位置の右側に存在する運転座席を越えて旋回する必要があるため、次のような問題がある。つまり、コンバインの場合、アンローダの旋回時に運転者が運転座席に搭座しているとは限らず、運転部の床に立って刈取部を覗いている場合などがあり、旋回時には、その運転者に接触しないように横搬送筒を持ち上げながら旋回させるとか、運転者自身が横搬送筒に接触しないように注意を払うなどの煩わしさがある。
また、運転者との接触を回避し得るように、運転座席上方における横搬送筒の旋回移動軌跡を予め旋回制御装置にインプットして回避軌跡を描くように自動制御する、もしくは、右旋回ではなく、左旋回をさせて機体の右側に移動させることも考えられるが、何れにしても、目的箇所に到達するまでの横搬送筒の移動時間が長くなるという不具合がある点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、穀粒排出箇所へ向けてアンローダを旋回移動させる際、運転座席が配置されている側の自走機体の横側方への旋回頻度が高いことに着目し、その運転座席が配置されている側の横側方への旋回を短い距離で、かつ短時間で行い易い構造のコンバインを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンバインにおける技術手段は、次の点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
【0007】
〔解決手段1〕
上記課題を解決するために講じた本発明の技術手段は、自走機体の前部に位置する運転部と、該運転部の後方に位置するグレンタンクと、そのグレンタンクの穀粒を排出するアンローダとを備え、前記アンローダは、前記グレンタンクの後方側に位置する縦搬送筒と、その縦搬送筒の上下方向軸心回りで旋回揺動するとともに、その搬送終端部に排出口部を備える横搬送筒とを備え、前記運転部において、運転座席が前記自走機体の横一側端寄り位置に配設されたコンバインであって、前記アンローダは、前記横一側端よりも前記自走機体の内方側で、かつ前記運転座席よりも横外方側の位置に前記排出口部が位置する格納姿勢と、前記自走機体の外方側に前記排出口部が位置する排出姿勢とに姿勢切換自在に構成され、前記横搬送筒に、前記縦搬送筒の上端部から延出された中継筒部と、前記中継筒部に対して屈曲する状態で前記中継筒部の延出端から延出され、遊端部に前記排出口部を有し、かつ、伸縮しない形態の本体筒部とが備えられ、前記アンローダは、前記上下方向軸心から前記排出口部に至る旋回半径が、前記上下方向軸心から前記運転座席の前端までの距離よりも短い長さに設定され、前記横搬送筒の旋回揺動可能な範囲が、前記排出口部を前記運転座席から離れる横外方側に旋回移動させて前記排出姿勢となり、前記排出口部を前記排出姿勢から前記横一側端を経て前記運転座席に近づける横内方側に旋回移動させて前記格納姿勢となるように設定され、前記格納姿勢において、前記横搬送筒が、前記中継筒部が前記自走機体の内方側に向けて延びる状態となるとともに前記本体筒部が前方かつ前記横一側端に向けて斜め方向に延びる状態となるように、前記グレンタンクの上方に位置し、かつ、前記排出口部が、平面視で前記運転座席と重複しない状態で、前記運転部の前記横一側端側の後部に位置することである。
【0008】
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段1にかかる発明による作用及び効果は次の通りである。
つまり、アンローダは、上下方向軸心から排出口部に至る旋回半径が、上下方向軸心から運転座席の前端までの距離よりも短い長さに設定されていて、その格納位置が、自走機体の内方側ではあるが運転座席よりも横外方側の位置に排出口部が位置するように設定されている。
したがって、自走機体の運転座席が存在する側の横一側端よりも横外側へ横搬送筒を旋回させる際に、運転座席の上方空間を通過させる必要なく、そのまま上下方向軸心回りで旋回揺動させて、最短距離で短時間で目的の位置まで移動させることができる。そして、アンローダの旋回半径は上下方向軸心から運転座席の前端までの距離よりも短い長さに設定されているので、圃場外の畦道等の遠くに位置する運搬車等に対しての穀粒供給は困難であるが、自走機体の横側部に近接して位置させられる運搬車等に対しては、アンローダを素早く穀粒排出態勢に切り換えて迅速に供給することができる利点がある。
また、アンローダの格納位置への復帰動作も、排出姿勢から自走機体の運転座席が存在する側の横一側端を経て排出口部を運転座席に近づける横内方側に旋回移動させて格納姿勢とすることができる。したがって、格納姿勢に復帰させる際に、アンローダの横搬送筒が運転座席の上方を通過せずに済み、復帰の際の揺動作動も最短距離で短時間で能率良く行える利点がある。
さらにまた、アンローダの旋回半径は上下方向軸心から運転座席の前端までの距離よりも短い長さに設定されているので、格納姿勢にあるアンローダの先端部が運転座席よりも前方側へはみ出すことがない。したがって、例えば、アンローダの先端部が格納姿勢で運転座席よりも前方側に突出する状態で設けられている場合に比べて、コンバインの運転部に対して運転者が乗降する際、運転座席に搭座しようとする運転者が、運転座席の前端よりも前方側へ突出している横搬送筒のさらに先端側を回り込んで、あるいは、横搬送筒の下側をくぐって運転座席に搭座するというような、不便な動作を要しない点で有利である。
加えて、上記の解決手段1にかかる発明によると、格納姿勢にある横搬送筒が平面視で運転座席と重複しないように設けられるので、その格納姿勢の横搬送筒によって運転座席の上方側空間を狭められることを回避できる。したがって、横搬送筒が存在することで運転座席に搭座する運転者が窮屈になったり、座席から立ち上がる際に横搬送筒と接触することを避けやすいという利点がある。
【0009】
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記アンローダは、前記格納姿勢で前記グレンタンクよりも前方側に前記排出口部が位置するように構成されたものであるということである。
【0010】
〔解決手段2にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段2にかかる発明によると、下向きとなる排出口部がグレンタンクよりも前方側に位置するので、アンローダの横搬送筒をグレンタンクの上側に配設する場合に、格納姿勢の横搬送筒をグレンタンクの上面に近づけた状態に配設することができる。
したがって、アンローダを格納姿勢にしたときに、例えば排出口部がグレンタンクの上面に平面視で重複する状態である場合に比べて、横搬送筒の高さを低く設定することができ、アンローダを含むコンバイン全体の小型化を図る上で有効である。
【0011】
【0012】
【0013】
〔解決手段4〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記アンローダは、前記横搬送筒が前記排出姿勢のうち、前記格納姿勢とは反対側の揺動端部に位置する姿勢のときに、前記排出口部が前記自走機体の後方側における左右方向での中央位置に位置するように構成されているということである。
【0014】
〔解決手段4にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段4にかかる発明によると、自走機体の後方側でも排出口部からの穀粒排出を行うことができる。
そして、横搬送筒の旋回揺動範囲は、自走機体上で運転座席の横外方側に位置する格納位置と、その運転座席が位置する側の自走機体の一端部から、自走機体の後方側における左右方向での中央位置にわたる範囲という、全周を揺動可能なものに比べれば比較的狭い揺動範囲で穀粒の排出を行うようにしてある。
したがって、アンローダを、長さが短く、揺動範囲も狭い小型のもので構成しながら、自走機体の横外側方と後方側とにわたる使用頻度の高い範囲で便利に用いることができる利点がある。
【0015】
〔解決手段5〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記横搬送筒が、前記排出姿勢において、前記格納姿勢にある位置よりも下方側に揺動可能に構成されているということである。
【0016】
〔解決手段5にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段5にかかる発明によると、横搬送筒が格納姿勢にある位置よりも排出姿勢で下方側に揺動可能であることにより、圃場に位置して籾袋に対して穀粒を供給する際に便利に用いることができるという利点がある。
【0017】
〔解決手段6〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記横搬送筒を前記格納姿勢で支持する受け部材が、前記グレンタンクの前部側の上部に取り付けられているということである。
【0018】
〔解決手段6にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段6にかかる発明によると、グレンタンク自体を、横搬送筒を格納姿勢で支持する支持手段の一部として活用することができ、部品の兼用による構造の簡素化、小型化を図りやすいという利点がある。
【0019】
〔解決手段7〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記運転座席が原動部の上側に配置され、その原動部の横外側に、横外方側からの吸気経路を備えた防塵ケースを設けてあり、前記防塵ケースの前部上向き面に、前記アンローダの旋回作動又は上下揺動作動を行わせるための操作具を装備させてあるということである。
【0020】
〔解決手段7にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段7にかかる発明によると、アンローダの旋回作動又は上下揺動作動を行わせるための操作具が、原動部の横外方側からの吸気経路を備えた防塵ケースに設けられているので、運転座席の横外側に前記操作具が位置している。したがって、運転座席に搭座した運転者が、横外方側の後方を振り返ってアンローダの動作位置などを確かめながらの操作を行い易いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】自脱型コンバインの全体右側面図である。
図2】自脱型コンバインの全体平面図である。
図3】運転部を含む自走機体の右半側を示し、(a)はその平面図、(b)は排出操作部の拡大平面図である。
図4】原動部を示す右側面図である。
図5】原動部におけるオイルクーラーとラジエータとの位置関係を示す正面視での断面図である。
図6】アンローダの縦搬送筒部分を示す右側面図である。
図7】アンローダの昇降作動装置部分を示す平面図である。
図8】アンローダの昇降作動装置部分を示す右側面図である。
図9】アンローダの使用形態を示す説明図である。
図10】アンローダの受け部材を示す斜視図である。
図11】アンローダの受け部材を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
尚、以下の実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。つまり、機体の作業走行時における前進側の進行方向が「前」、後進側への進行方向が「後」、その前後方向に対して、前向きを基準としての右側に相当する方向が「右」、同様に左側に相当する方向が「左」である。
〔全体構成〕
図1及び図2に、本発明におけるコンバインの一例である自脱型コンバインが示されている。このコンバインは、機体フレーム10を左右一対のクローラ走行装置11で支持した自走機体1を備え、クローラ走行装置11の駆動によって走行可能に構成されている。
機体フレーム10上には、運転部2、原動部3、脱穀装置4、グレンタンク5が搭載され、グレンタンク5の後部に穀粒排出用のアンローダ6が設置され、脱穀装置4の後部に排ワラ処理装置7が配備されている。また、機体フレーム10の前方側には、植立穀稈を刈り取って後方搬送する刈取部8が昇降自在に備えられている。
上記の各装置を備えるコンバインは、走行しながら圃場の稲、麦などの植立穀稈を刈取部8で刈り取って後方搬送し、脱穀装置4で脱穀選別処理し、グレンタンク5に貯留し、アンローダ6で穀粒を機外へ排出するように構成されている。
【0023】
刈取部8には、4条分の植立穀稈を掻き込んで引き起こし可能な引き起こし装置80と、引き起こし状態で植立穀稈を刈り取るバリカン型の刈取装置81と、刈り取られた穀稈を後方の脱穀装置4へ向けて挟持搬送する縦搬送装置82等が備えられ、刈取穀稈を脱穀装置4に供給するように構成されている。
この引き起こし装置80、刈取装置81、縦搬送装置82の全体が機体フレーム10に対して後方側の揺動支点(図示せず)回りで上下昇降揺動可能に支持され、昇降用の油圧シリンダ(図示せず)等で刈り高さ調節可能に構成されている。
【0024】
脱穀装置4は刈取部8の後方側で左横側部に備えられている。この脱穀装置4には、前後方向の回転軸心(図示せず)回りで駆動される扱胴40、及び、縦搬送装置82の終端側から送り込まれた穀稈の株元側を挟持して後方搬送するフィードチェーン41が備えられている。刈取部8から受け継いだ穀稈を後方搬送しながら脱穀処理してさらに後方側の排ワラ処理装置7側へ向けて、脱穀処理後の排ワラを排出する。排ワラ処理装置7では、詳述しないが、排ワラを所定長さに細断して圃場に散布したり、細断せずに長ワラのままで機体後方に落下放出したりするように、処理形態を切換可能に構成されている。
扱胴40で穂先側を扱き処理された被処理物は、脱穀装置4内の下部で選別処理装置(図示せず)により選別処理され、一番物の穀粒が揚穀装置42を介してグレンタンク5に送り込まれる。
【0025】
グレンタンク5は、脱穀装置4の右横側部で、原動部3及び運転部2の後方側に配備されている。
グレンタンク5は、揚穀装置42から投入された穀粒を貯留するタンク本体50と、その貯留された穀粒をアンローダ6側へ送り出すように、タンク本体50の底部側の内部に設けた底スクリュー51とを備えている。
タンク本体50は、図2に実線で示すように、横外側面を前後方向に沿わせた格納姿勢位置と、同図に仮想線で示すように、その後方側に設けた上下方向軸心Y回りで、前部側を機体外方側へ向けた開放姿勢位置とに姿勢変更可能に構成されている。この姿勢変更構造については後述する。
【0026】
〔搭乗運転部〕
刈取部8の後方側で、機体フレーム10上の右前方位置に運転部2が設けられている。
この運転部2では、運転者が搭乗する運転部フロア20の前部に操縦塔21を備え、左横側部にサイドパネル部22を備え、運転部フロア20を挟んで操縦塔21の後方側に運転座席23を備えている。
操縦塔21の上面側には操向操作用の操縦レバー21a等の操作具が配備され、サイドパネル部22の上面側には、主変速レバー22a、副変速レバー22b等の操作具が配備されている。
【0027】
運転座席23は、原動部3の原動部カバー30の上面側に設置されており、原動部カバー30が運転座席23の支持台として用いられている。
原動部カバー30の横外側部には吸気用の防塵ケース31が設けられ、この防塵ケース31の前部が平面視で運転座席23の右横側方に位置する状態に配置されている。
防塵ケース31は、右横外方側に向く面に、冷却風を吸気するための防塵網が張設された吸気部31Aが形成されている。そして、防塵ケース31の外周枠体となる外周面31Bのうち、前面側の上部が上方側ほど後傾する傾斜面に形成されていて、その傾斜面の下部近くに、アンローダ6を操作するための排出操作部24が設けられている。
【0028】
図2及び図3に示すように、排出操作部24には、アンローダ6を上下方向軸心Y回りに旋回させて、アンローダ6を格納姿勢と、排出姿勢とに切換操作可能な旋回操作スイッチ25(操作具に相当する)と、アンローダ6を水平方向の軸心X回りに回動させて、排出口部68の高さを上下に位置変更可能な昇降操作スイッチ26(操作具に相当する)とが設けられている。
【0029】
旋回操作スイッチ25は、左右何れかの方向にスイッチ操作可能な中立復帰型のスイッチであり、左右何れか一方に操作されている間だけ、アンローダ6を操作された方向に旋回させ、手を離せば中立に復帰して、その位置でアンローダ6の旋回を停止させるように構成されている。
つまり、旋回操作スイッチ25が左右方向での右側(機体外方側)に操作されると、後述するアンローダ6の旋回用モータ64を一方向に駆動してアンローダ6を排出姿勢側に旋回作動させるように、図示しない制御装置に排出姿勢方向への旋回指令が出力される。
また、旋回操作スイッチ25が左右方向での左側(機体内方側)に操作されると、アンローダ6の旋回用モータ64を前記一方向とは逆方向に駆動してアンローダ6を格納姿勢側に旋回作動させるように、図示しない制御装置に格納姿勢方向への旋回指令が出力される。
【0030】
昇降操作スイッチ26は、上下何れかの方向にスイッチ操作可能な中立復帰型のスイッチであり、上下何れか一方に操作されている間だけ、アンローダ6を操作された方向に昇降作動させ、手を離せば中立に復帰して、その位置でアンローダ6の昇降作動を停止させるように構成されている。
つまり、昇降操作スイッチ26が上下方向での上側に操作されると、後述するアンローダ6の昇降作動装置67を伸長方向に駆動してアンローダ6の排出口部68を上昇させるように、図示しない制御装置に上昇方向への作動指令が出力される。また、昇降操作スイッチ26が下側に操作されると、アンローダ6の昇降作動装置67を収縮方向に駆動してアンローダ6の排出口部68を下降させるように、図示しない制御装置に下降方向への作動指令が出力される。
【0031】
このように排出操作部24が運転座席23の機体外方側の横外側に配備されているので、運転座席23に搭座する運転者が、右横後方側を振り返って、アンローダ6の作動状態を目視しながら操作する際に、操作し易い状態でアンローダ6の姿勢変更を行えるという利点がある。
【0032】
〔原動部〕
原動部3には、エンジン32、冷却用のラジエータ33、及びラジエータファン34を覆う原動部カバー30と、その原動部カバー30の横外側に位置する防塵ケース31とが設けられている。
原動部カバー30内には、エンジン32、ラジエータファン34、及び冷却用のラジエータ33が、この順で機体内方側から横外方側へ向けて順に設けられている。そして、最外側のラジエータ33よりもさらに外側で、防塵ケース31の下部に入り込む位置に、ラジエータ33の取り付け枠36に固定された状態でオイルクーラー35が取り付けられている。
【0033】
原動部カバー30の横外側部に設けられる防塵ケース31は、原動部カバー30の上面よりも上方側へ延出された箱状の上部ケース部37と、原動部カバー30の横外側部で原動部カバー30の上面よりも下方側に設けられた下部ケース部38とを備え、その上部ケース部37及び下部ケース部38の内部に吸気経路を備えている。
上部ケース部37では、外周面31B側を除く機体内方側と外方側との両側に、防塵網で構成された吸気面からなる吸気部31Aが設けられている。
下部ケース部38では、上部ケース部37の機体外方側の吸気部31Aに連なる状態で設けられた吸気部31A(図5参照)と、その下方側に連なり、下方側ほど機体内方側に偏倚するように傾斜した傾斜壁部38Aとを備えている。傾斜壁部38Aの前後は、上部ケース部37の前後の外周面31Bに連なる下部ケース部38の外周面31Bに連なるように構成されている。
この傾斜壁部38Aは、ラジエータファン34で吸引導入される外気のうち、特に上部ケース部37から導入されて下向きに流れる外気が、オイルクーラー35やラジエータ33の吸気側の面に向かうように案内する役割を有している。
【0034】
オイルクーラー35は、図4及び図5に示すように、前記ラジエータ33の吸気側の面に対して、その上側の領域で、かつ機体進行方向での前側の領域に対向して位置するように配置されている。つまり、オイルクーラー35は、上縁35aがラジエータ33の吸気側の面の上端と同程度の高さ位置で、かつ、オイルクーラー35の前縁35bがラジエータ33の吸気側の面の前端と同程度の位置にある。そして、そのオイルクーラー35の下縁35cが前記ラジエータファン34の回転軸心Zよりも下側に位置し、オイルクーラー35の後縁35dがラジエータファン34の回転軸心Zよりも後側に位置するように配設されている。
またオイルクーラー35は、その下縁35cが、下部ケース部38の傾斜壁部38Aの上端よりも下方側に位置する状態で設けられている。
【0035】
したがって、防塵ケース31の防塵網が張設された吸気部31A側からラジエータファン34による外気の吸い込み方向で、ラジエータ33の吸気側の面のうち、吸い込み方向での上手側にオイルクーラー35が位置する箇所では、上手側に位置するオイルクーラー35の吸気面を経て、ラジエータ33の吸気側の面に外気が取り込まれる。
ラジエータ33の吸気側の面のうち、吸い込み方向での上手側にオイルクーラー35が存在していない領域では、吸気部31A側から直接的にラジエータ33の吸気側の面に外気が取り込まれる。
【0036】
また、オイルクーラー35は、ラジエータ33の吸気側の面の機体外方側、つまり吸気方向での前面側に位置しているが、ラジエータ33の吸気側の面との間には、外気を取り込み可能な、ある程度の間隔を有した間隙s1が設けられている。
したがって、防塵ケース31の吸気部31Aから、ラジエータファン34による外気の吸い込み方向で、ラジエータ33の吸気側の面が存在する側に流動する外気のうち、オイルクーラー35の周辺付近を流動する外気は、オイルクーラー35の周辺を回り込んで前記間隙s1に流れ込むことになる。
つまり、オイルクーラー35の周辺付近を流動する外気は、より通気抵抗が大きくなるオイルクーラー35の吸気面を通過せずに、オイルクーラー35の外側を迂回して直接的にラジエータ33の吸気側の面に取り込まれる傾向がある。その結果、比較的大きな面積の吸気面を有したオイルクーラー35をラジエータ33の吸気側の面の前面側に設けながら、ラジエータ33の吸気側の面における吸気量を大きく確保し易い。
【0037】
このように、オイルクーラー35の吸気面とラジエータ33の吸気側の面との両方を通過する外気の量と、ラジエータ33の吸気側の面だけを通過する外気の量との割合は、オイルクーラー35の吸気面の大きさの割には後者の割合を大きくすることができる。これにより、オイルクーラー35とラジエータ33との全体における吸気抵抗をあまり大きくしない状態で、オイルクーラー35とラジエータ33とを冷却することができる。
【0038】
図示はしないが、上記のラジエータ33には冷却水温度の検出器が設けてあり、その検出器での検出温度が所定温度に達するとオーバーヒート状態であることを報知する警報装置(図示せず)が運転部2に設けられている。
これにより、防塵ケース31の吸気部31Aで防塵網に多量のワラ屑が付着するなどして、ラジエータ33への吸気量が不足した場合に生じる虞があるオーバーヒート状態での運転を回避できるようにしてある。
ラジエータ33で検出器がオーバーヒート状態であるとして検出する冷却水の所定温度としては、例えば118℃が設定される。このとき、ラジエータ33の吸気側の面のとの間の間隙s1を隔てて外気導入方向の上手側に位置するオイルクーラー35の油温が、それよりも低い温度の95℃を越えないように設定されている。
【0039】
つまり、オイルクーラー35の吸気面の面積や、オイルクーラー35とラジエータ33の吸気側の面のとの間の間隙s1を適度に設定して、ラジエータ33がオーバーヒート状態であることの警報時にも、オイルクーラー35の内部の油温は95℃を越えないように構成してある。これによって、オイルクーラー35の内部の油の劣化を生じ難いように工夫されたものである。
そして、このように、ラジエータ33の警報時の検出温度よりも、同時点のオイルクーラー35の内部の油温が低くなるように構成しておくことにより、オイルクーラー35側には、油温検出器を設けなくとも、油温が所定温度を越えないように管理することができる。
【0040】
〔アンローダ〕
図1,2、及び図6に示すように、グレンタンク5の底スクリュー51から送り出される穀粒を、タンク本体50の外部へ排出するためのアンローダ6が、タンク本体50の後部側に設けられている。
このアンローダ6は、底スクリュー51から送り出される穀粒を受け継いで上向きに持ち上げ搬送する縦搬送筒60と、その縦搬送筒60の上端側で、持ち上げられた穀粒を水平方向に沿う方向へ向けて搬送する横搬送筒61とを備えて構成されている。
図2図3及び図7に示すように、横搬送筒61は、縦搬送筒60の上端部から延出された中継筒部61Aと、中継筒部61Aに対して屈曲する状態で中継筒部61Aの延出端から延出され、遊端部に排出口部68を有する本体筒部61Bと、を有する。
【0041】
縦搬送筒60は、円筒状の縦筒ケース62の内部に上下方向軸心Yと同軸心を有するように設けられた縦スクリュー63を内蔵している。そして、縦筒ケース62は、その下端部が、タンク本体50と一体に後方側へ延出された送出筒部52に連結され、送出筒部52を通して底スクリュー51側から受け継いだ穀粒を、縦スクリュー63の回転によって揚送するように構成されている。
縦搬送筒60の縦筒ケース62は、グレンタンク5側の送出筒部52とともに、下端部を機体フレーム10に対して上下方向軸心Y周りで回動自在に支持されている。縦筒ケース62の上下方向の中間部が、機体フレーム10に固定された矩形柱状の固定支柱12に対して回動自在に支持されている。
【0042】
図6に示すように、縦搬送筒60の縦筒ケース62は、グレンタンク5側の送出筒部52に対して一体的に連結される下部筒ケース62Aと、その下部筒ケース62Aに外嵌する上部筒ケース62Bとを備えて構成されている。そして、下部筒ケース62Aと上部筒ケース62Bとの嵌合箇所が、前記固定支柱12から前方へ向けて延出された支持具13によって、外側から抱き込み状態で回動可能に支持されている。
上部筒ケース62Bには、その外周部に旋回用ギヤ62Cが形成されている。この旋回用ギヤ62Cに対して、電動モータで構成される旋回用モータ64の駆動ピニオン64aが噛合している。旋回用モータ64は固定支柱12から延出された支持具13上に取り付けられている。
この旋回用モータ64は、前記防塵ケース31の前面側に設けられた旋回操作スイッチ25のスイッチ操作により、正逆方向に駆動回転し、アンローダ6を後述する旋回揺動可能な範囲内で右又は左に旋回可能に構成されている。
【0043】
また、上部筒ケース62Bのうち、下部筒ケース62Aとの嵌合箇所と、横搬送筒61が接続される上端部との中間位置が、グレンタンク5のタンク本体50に前端側を固定されて後ろ向きに延出された連結支持具53によって、抱き込み状態で相対回動可能に接続支持されている。
したがって、図2に仮想線で示すように、グレンタンク5を上下方向軸心Y回りで回動させるとき、グレンタンク5と、そのグレンタンク5の送出筒部52に連結された下部筒ケース62Aとが上下方向軸心Y回りで回動する。このグレンタンク5の回動操作は、特に駆動手段は用いずに人為操作で行われる。
【0044】
縦搬送筒60の上端部に、水平方向の横軸心X回りで、水平面よりも上方側と下方側とにわたって起伏揺動可能な横搬送筒61が接続されている。
横搬送筒61は、縦スクリュー63と同期して駆動される横スクリュー66と、その横スクリュー66を内装する横筒ケース65とを備え、前記上部筒ケース62Bの上下方向軸心Y周りでの回動に伴って、横搬送筒61が上下方向軸心Y周りで旋回されるように構成してある。
この横搬送筒61は、図7及び図8に示されているように、電動シリンダからなる昇降作動装置67を用いて、前記水平方向の横軸心X回りで起伏揺動するように構成されている。この昇降作動装置67は、シリンダ内部の油室に対して、その横側部に配置されている電動モータで駆動されるポンプを用いて圧油を給排することにより、伸縮作動するように構成された周知のものである。
この昇降作動装置67は、縦搬送筒60の上端部側のブラケット部分62Dに設けた支点軸62Eと、横搬送筒61の横筒ケース65に設けた支持ブラケット65A、及び支持部材65Bを介して連結されている連結ロッド65Cとにわたって設けられている。
【0045】
昇降作動装置67を伸長側に操作することにより、横搬送筒61の遊端側に備えた排出口部68が上方側に揺動し、昇降作動装置67を収縮側に操作することにより、横搬送筒61の遊端側に備えた排出口部68が下方側に揺動する。
図9に示すように、横搬送筒61が実線で示す水平姿勢にある状態から、昇降作動装置67を最大限伸長させると、水平姿勢よりも約22.5度上向きに傾斜した姿勢となり、排出口部68の位置が高くなって、図2に仮想線で示すように運搬車両の荷台などに供給し易くなる。
また、昇降作動装置67を最大限収縮させると、水平姿勢よりも約18.4度下向きに傾斜した姿勢となり、排出口部68の位置が低くなって、図示しないが圃場で籾袋に供給する場合に便利に用い易くなる。
【0046】
また、横搬送筒61は、図1乃至図3に示すように、縦搬送筒60の上下方向軸心Yから排出口部68に至る旋回半径Rが、前記上下方向軸心Yから運転座席23の前端に至る長さよりも短い長さに設定されている。
この横搬送筒61は、アンローダ6の格納姿勢で、排出口部68がグレンタンク5の前端部を越えて前方側に位置し、かつ運転座席23よりも右横外方側で、自走機体1の右外側端よりも機体内方側に位置するように前記旋回半径Rが設定されている。そして、その格納姿勢における横搬送筒61の遊端側をほぼ水平姿勢で支持するように、グレンタンク5の前端側の上部に受け部材9が取り付けられている。
【0047】
受け部材9は、図3及び図10,11に示すように、グレンタンク5に固定される支持体90と、その支持体90に取り付けられる帯状体91とで構成されている。
支持体90は、横搬送筒61の下半側を受け止めるように上向き開放のU字状に形成された凹状部材92と、その凹状部材92の下部に連設された棒状の支持体93とを備えている。そして、支持体93にタンク本体50の上面側に当接する面を備えた上部ブラケット94と、タンク本体50の前面側に当接する面を備えた前部ブラケット95とが溶接固定され、この上部ブラケット94と前部ブラケット95とのそれぞれをタンク本体50にボルト連結することにより、取り付けられるようにしてある。
帯状体91は、凹状部材92の両端部にわたって設けたゴムバンドなどの弾性帯状部材で構成してあり、凹状部材92に横搬送筒61の下半側が搭載された状態で、その横搬送筒61の上半側を締め付け固定するためのものである。
【0048】
このように構成されているアンローダ6の旋回時の揺動作動範囲は次のように設定されている。
図2に実線で示されるように、アンローダ6の格納姿勢では、アンローダ6は、運転座席23よりも右横外方側で、自走機体1の右外側端よりも機体内方側に排出口部68が位置して、横搬送筒61が受け部材9に支持されている。
この格納姿勢に位置する状態が、アンローダ6の揺動作動範囲のうちの、一方側の揺動端部に排出口部68が位置した状態である。
そして、同図に仮想線で示されるように、自走機体1の外方側に排出口部68が位置する排出姿勢のうちで、格納姿勢とは反対側の揺動端部に排出口部68が位置する姿勢が、アンローダ6を最も右後方側へ旋回させた最大旋回排出姿勢である。
この最大旋回排出姿勢では、排出口部68が自走機体1の左右方向での中央位置CLの後方側に位置している。この実施形態において、格納姿勢と最大旋回排出姿勢との間での旋回角度θ(旋回揺動可能な範囲に相当する)は約200度に設定されている。
【0049】
〔別実施形態の1〕
上記の実施形態では、アンローダ6の旋回半径Rとして、アンローダ6の旋回中心となる上下方向軸心Yから排出口部68の横搬送筒61の先端までの距離が、上下方向軸心Yからグレンタンク5の前端よりも前で、運転座席23の後端よりも後方側であるように設けた構造のものを示したが、これに限られるものではない。
例えば、アンローダ6の旋回半径Rを、上下方向軸心Yから運転座席23の前端よりも後方側であるように設定してもよい。また、上下方向軸心Yからグレンタンク5の前端よりも後方側であるように設定してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0050】
〔別実施形態の2〕
上記の実施形態では、アンローダ6の揺動作動範囲として、格納姿勢から、排出口部68が自走機体1の左右方向での中央位置CLの後方側に位置する最大旋回排出姿勢となる位置にわたって、約200度の旋回角度θで旋回可能であるように構成したが、これに限られるものではない。
例えば、揺動作動範囲を、格納姿勢にある位置から、横搬送筒61が自走機体1の前後方向に対してほぼ直交する横向き姿勢となるような、旋回角度θとしては、ほぼ90度程度で旋回可能であるように構成してもよい。あるいは、200度以上の大きな旋回角度θを有するように構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0051】
〔別実施形態の3〕
上記の実施形態では、アンローダ6の上下方向での揺動作動範囲を、水平よりも上方側に22.5度、下方側に18.4度の角度を有した範囲で揺動作動するようにした構造のものを例示したが、これに限られるものではない。
例えば、上方側及び下方側の揺動角度を、前記以外の適宜角度範囲で揺動可能であるように設定してもよい。また、上下両側に限らず、水平から上方側のみ、あるいは下方側のみの範囲で揺動可能であるように構成してもよい。
さらに、格納姿勢における横搬送筒61の姿勢が水平であるものに限らず、格納姿勢で前上がり、あるいは前下がりに傾斜姿勢に受け止め支持される構造のものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【0052】
〔別実施形態の4〕
上記の実施形態では、アンローダ6の揺動作動範囲を、格納姿勢から右方向への旋回を行わせる構造のものを例示したがこれに限られるものではない。
例えば、運転座席23が自走機体1の左側に装備されたものである場合、次のように構成してもよい。
アンローダ6は、格納姿勢において、運転座席23よりも左横外方側で、自走機体1の左外側端よりも機体内方側に排出口部68が位置し、アンローダ6を左後方側へ旋回させて自走機体1の外方側に排出口部68が位置する排出姿勢となるように構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、自脱型のコンバインに限らず、普通型のコンバインにも適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 自走機体
2 運転部
3 原動部
5 グレンタンク
6 アンローダ
9 受け部材
23 運転座席
25,26 操作具
31 防塵ケース
60 縦搬送筒
61 横搬送筒
61A 中継筒部
61B 本体筒部
68 排出口部
R 旋回半径
Y 上下方向軸心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11