(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記問合せ手段による問合せに対してリカバリー処理が可能である応答を返した発券機から何れか1つの発券機を指定するための選択画面を表示する表示手段を有し、
前記選択手段は、前記表示手段により表示した選択画面において指定される発券機を選択する、
請求項1に記載の発券機。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る自動券売機(発券機)を含む種々の駅務機器で構成される駅務システム(発券システム)の構成例を示す図である。
本実施形態に係る駅務システムは、鉄道などの交通機関における種々の駅務処理を行う種々の駅務機器から構成されるシステムである。上記駅務システムでは、乗車券、定期券、特急券、精算券、および、カード(例えば、プリペイドカード或いはポストペイカード等)などの乗車券媒体により鉄道などの交通機関の利用を可能するものである。
【0008】
駅務システムは、
図1に示すように、自動券売機1(1A、1B、…、1N)、自動改札機2(2A、2B、…、2N)、係員処理機3、自動精算機4、および、定期券発行機5などにより構成される。例えば、
図1に示すような自動券売機1、自動改札機2、係員処理機3、自動精算機4、および定期券発行機5などの駅務機器は、各駅に設置される。
【0009】
自動改札機2は、利用者が所持する乗車券媒体に記憶されている情報に基づいて当該利用者に対して通行を制御(改札処理)するものである。自動改札機2は、たとえば、駅の改札口などに設置される。自動改札機2は、乗車券媒体としての磁気券あるいはICカードなどを処理する処理機能を有する。すなわち、自動改札機2は、利用者が所持する乗車券媒体に記憶されている情報を読取り、乗車券媒体から読取った情報に基づいて当該利用者の通行(入場或いは出場)の可否を判定し、その判定結果に基づいて当該利用者の通行を制御する。
【0010】
自動券売機1、係員処理機3、自動精算機4および定期券発行機5などの駅務機器は、乗車券媒体の発券処理、利用者が所持する乗車券媒体の処理、および、精算処理などの駅務処理を行う機能を有する発券機である。また、自動券売機1、自動精算機4、および、定期券発行機5は、利用者の操作に応じて処理を行う自動発券機である。また、係員処理機3は、係員の操作に応じて、処理を行う自動発券機である。本実施形態に係る発券機は、少なくとも発券処理、乗車券媒体の処理、あるいは、精算処理の何れの機能を有するものであれば良い。また、自動券売機1、係員処理機3、自動精算機4および定期券発行機5などの発券機は、他の発券機において障害の発生により中断した処理の続きを復旧処理(リカバリー処理)として他の発券機で実行する機能を有するものである。
【0011】
自動券売機1は、たとえば、各駅などに設置される。自動券売機1は、利用者自身により操作される自動発券機としての機能を有する。たとえば、自動券売機1は、利用者から受領した金額に応じて、乗車券、回数券あるいは特急券などの乗車券媒体を発券する。また、自動券売機1は、利用者から受領した金額に応じて、電子マネーとして利用可能な金額情報を書込んだカード(例えば、ICカード)を新規に発券したり、利用者が所持しているカードに記録されている電子マネーとして利用可能な金額情報を更新したりする機能を具備しても良い。
【0012】
自動精算機4は、たとえば、各駅の構内に設置される。自動精算機4は、利用者自身により操作される自動発券機としての機能を有する。自動精算機4は、乗り越し運賃などの精算処理を行う装置である。例えば、自動精算機4は、乗車券、回数券或いは定期券などの乗車券媒体に対して精算処理を行う。たとえば、自動精算機4は、利用者が所持している乗車券媒体で出場するのに不足している金額を精算し、精算完了後に精算券を発券する。また、自動精算機4は、利用者が所持しているカードに電子マネーとして利用可能な金額情報を更新する機能を具備しても良い。
【0013】
定期券発行機5は、たとえば、各駅などに設置される。定期券発行機5は、利用者自身により操作される自動発券機としての機能を有する。定期券発行機5は、利用者から金額を受領して、定期券情報を書込んだ乗車券媒体(例えば、ICカード又は磁気券)を新規に発券したり、定期券として利用されている乗車券媒体に記録されている定期券情報を更新したりする機能を有する。
【0014】
係員処理機3は、たとえば、各駅の係員窓口内に設置される。係員処理機3は、駅の係員により操作される自動発券機としての機能を有する。係員処理機3は、利用者からの申し出に応じて利用者が提示する乗車券媒体を処理する機能を有する。たとえば、係員処理機3は、利用者からの申し出を受けた係員の操作によって、乗車券媒体(乗車券、あるいは、精算券など)を発券する。
【0015】
次に、自動券売機1の構成について説明する。
図2は、実施の形態に係わる自動券売機1の構成例を示すものである。
図2に示す自動券売機1は、鉄道の各駅などに設置され、乗車券、回数券、特急券、ありは座席指定券などの券を発券する。たとえば、自動券売機1は、鉄道の各駅などに設置される自動改札機、精算機などの駅務器機で処理される乗車券を利用者自身の操作に応じて発券するものが想定される。
【0016】
自動券売機1は、
図2に示すように、制御部10、接客用表示部11、係員用表示部12、運賃メモリ13、データメモリ14、通信部15、カード処理部16、紙幣処理部17、硬貨処理部18、および発券部19を有する。
【0017】
制御部10は、当該自動券売機1全体の制御を司るものである。制御部10は、CPUなどのプロセッサ10a、RAM、ROMなどのメモリ10b、及び、各種のインターフェースなどを有する。プロセッサ10aは、プログラムを実行するCPUなどである。メモリ10bは、RAM、ROM、及び、書換え可能な不揮発性メモリ(例えば、EEPORM、FROM等)などを含む。制御部10は、プロセッサ10aがメモリ10bに記憶したプログラムを実行することにより種々の機能を実現する。たとえば、制御部10は、自動券売機1内の各部にインターフェースを介して接続され、自動券売機1内の各部を制御する。また、制御部10は、プロセッサ10aがメモリ10bに記憶したプログラムを実行することにより種々の演算処理を実行する。
【0018】
接客用表示部11は、利用者に対して種々の案内などを表示する表示装置である。接客用表示部11は、たとえば、操作手段としてのタッチパネル11aを内蔵する液晶表示装置などにより構成される。この場合、接客用表示部11には、所望の乗車券を選択するための金額ボタンなどが表示され、金額ボタンの表示部位にタッチすることにより所望の金額の乗車券を利用者が選択するようになっている。
【0019】
係員用表示部12は、係員に対して種々の案内などを表示する表示装置である。係員用表示部12は、操作手段としてのタッチパネル12aを内蔵する液晶表示装置などにより構成される。係員用表示部12には、係員による操作を受付けるための種々のキーが表示され、それらのキーの表示部位をタッチすることにより係員による種々の操作を受付けるようになっている。たとえば、係員対応によって、他の自動券売機のリカバリー処理を実行する場合、係員は、係員用表示部12のタッチパネル12aによりリカバリー処理の実行を指示する。
【0020】
また、制御部10は、表示部11および表示部12を制御する機能を有している。すなわち、表示部11あるいは表示部12に表示する内容は、制御部10が制御する。また、表示部11のタッチパネル11aあるいは表示部12のタッチパネル12aへの入力は、制御部10が検出するようになっている。
【0021】
運賃メモリ13は、運賃データなどを記憶する。制御部10は、運賃メモリ13に記憶されている運賃データに基づいて乗車券の料金などを算出する機能を有する。
データメモリ14は、各種のデータを記憶する。たとえば、制御部10は、他の自動券売機1などからのリカバリー処理の要求(リカバリー要求)を受けた場合、リカバリーすべき処理内容を示す情報(リカバリー情報)をデータメモリ14に保存する。制御部10は、リカバリー処理の実行を判断した場合、データメモリ14に保存したリカバリー情報に基づいてリカバリー処理を実行する。また、制御部10は、リカバリー処理が完了した場合、当該リカバリー情報をデータメモリ14から削除する機能を有する。
【0022】
通信部15は、他の駅務機器(例えば、他の自動券売機1、係員処理機3、自動精算機4あるいは定期券発行機5)とのデータ通信を行なうための外部通信ユニットである。例えば、通信部15は、ネットワークインターフェースである。
【0023】
カード処理部16は、カード口16aに接続されている。カード処理部16は、カード口16aに挿入されたカードを処理し、処理済みのカードをカード口16aから排出する。カード処理部16は、取り扱うカードとして記憶媒体の種類に応じた処理ユニットを有している。たとえば、非接触式のICカードを取り扱う場合、カード処理部16には、非接触式のICカードとの通信を行うためのリーダライタが具備される。また、磁気情報が記憶される磁気カードを取り扱う場合、カード処理部16には、磁気情報の読取り及び書込みを行うための磁気ヘッドなどが具備される。例えば、カード処理部16が取り扱うカードの形態としては、たとえば、ストアードフェア(SF)カード、定期券、クレジットカードあるいは電子マネーカードなどの機能を有するカードが想定される。
【0024】
紙幣処理部17及び硬貨処理部18は、現金処理部として機能する。
紙幣処理部17は、紙幣口17aに接続されている。紙幣処理部17は、紙幣口17aに挿入された紙幣を処理したり、紙幣処理部17内で処理された釣銭としての紙幣などの紙幣口17aより排出したりするようなっている。紙幣処理部17は、紙幣の券種を判定したり、紙幣の真偽を検査したりする機能を有している。
【0025】
硬貨処理部18は、硬貨投入口18aおよび硬貨放出口18bに接続されている。すなわち、硬貨処理部18は、硬貨投入口18aに挿入された硬貨を処理したり、図示しない貯留部に貯留された硬貨を釣銭として硬貨放出口18bから放出したりするようなっている。硬貨処理部18は、投入された硬貨の種類を判定したり、硬貨を検査したり、検査済みの硬貨を図示しない貯留部に貯留したり、貯留部から制御部10により指示された金額の硬貨を放出したりする機能を有している。
【0026】
発券部19は、発券口19aに接続されている。発券部19は、乗車券を作成し、作成した乗車券を発券口19aから排出することにより乗車券の発券処理を行う。たとえば、発券部19は、券紙挿入部、姿勢制御部、カッター部、印字部、回収部、搬送部、パンチ部、エンコード部、保留部、放出口部(何れも図示しない)などを有する。これらの構成により、発券部19では、ロール紙状の媒体(例えば、磁気記録媒体)を所定のサイズにカットし、カットした券紙に券面印刷および磁気情報の記録などを施して乗車券として発券口19aから放出するようになっている。
【0027】
次に、自動券売機1以外の自動発券機の一例としての係員処理機3の構成について詳細に説明する。
図3は、係員処理機3の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、係員処理機3は、制御部30、表示部31、操作部32、運賃メモリ33、データメモリ34、通信部35、カード処理部36、現金処理部37、および発券部39などを有する。
【0028】
制御部30は、発券機全体の制御を司るものである。制御部30は、プロセッサ30a、メモリ30b、及び各種インターフェースなどを有する。プロセッサ30aは、プログラムを実行するCPUなどである。メモリ30bは、RAM、ROM、及び、書換え可能な不揮発性メモリ(例えば、EEPORM、FROM等)などを含む。メモリ30bは、データを一時的に格納するバッファメモリ、および、プロセッサ30aが実行する種々のプログラムや制御データなどを記憶するプログラムメモリなどを含む。制御部30では、プロセッサ30aがメモリ30bに記憶したプログラムを実行することにより種々の機能を実現する。
【0029】
表示部31は、表示装置により構成される。表示部31は、例えば、案内表示などを表示する。表示部31に表示される案内は、制御部30により制御される。操作部32は、表示装置に内蔵されるタッチパネルあるいは各種の操作キーなどにより構成される。操作部32は、係員により操作されるものである。例えば、表示部31および操作部32は、たとえば、タッチパネル内蔵の表示装置などにより構成しても良い。
【0030】
運賃メモリ33は、運賃情報などを記憶する。データメモリ34は、制御データなどを記憶するものである。データメモリ34は、たとえば、他の駅務機器(例えば、自動券売機1など)から配信される情報あるいはサーバ6から配信される情報などを記憶する。
通信部35は、他の駅務機器(例えば、自動券売機1)あるいはサーバ6とのデータ通信を行なう為の外部通信ユニットである。たとえば、通信部35は、ネットワークインターフェースである。
【0031】
カード処理部36は、利用者が所持する乗車券媒体のうちカード(例えば、ICカード)を処理するユニットである。乗車券媒体が非接触ICカードである場合、カード処理部36は、乗車券媒体としての非接触ICカードと近距離無線通信を行うためのアンテナおよび通信制御部などにより構成される。カード処理部36は、非接触ICカードに記憶されている情報を読み出す場合、データの読出しを要求するコマンドを非接触ICカードへ送信し、そのコマンドに対するレスポンスを非接触ICカードから受信する。また、非接触ICカードにデータを書き込む場合、カード処理部36は、データの書き込みを要求するコマンドを非接触ICカードへ送信し、そのコマンドに対するレスポンスを非接触ICカードから受信する。
【0032】
現金処理部37は、現金を処理するユニットである。例えば、現金処理部37は、現金を鑑査する鑑査部、現金投入口(図示しない)に投入された現金を鑑査部へ搬送する搬送部、鑑査部により正常と判定された現金を貯留する保管部、保管部に貯留されている現金をつり銭或いは払戻金などとして放出口から放出するための放出部などにより構成される。なお、現金処理部37は、
図2に示す紙幣処理部17および硬貨処理部18と同様なユニットにより実現できる。
【0033】
発券部39は、乗車券を作成し、作成した乗車券を排出することにより乗車券の発券処理を行う。たとえば、発券部39は、券紙挿入部、姿勢制御部、カッター部、印字部、回収部、搬送部、パンチ部、エンコード部、保留部、放出口部(何れも図示しない)などを有する。これらの構成により、発券部39では、ロール紙状の媒体(例えば、磁気記録媒体)を所定のサイズにカットし、カットした券紙に券面印刷および磁気情報の記録などを施して乗車券として放出するようになっている。
なお、自動精算機4および定期券発行機5は、例えば、
図3に示すような構成を有することにより自動発券機として機能するものとする。
【0034】
次に、第1の実施形態に係る障害機としての自動券売機1の動作について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る自動券売機1において障害発生した場合の動作例を説明するためのフローチャートである。
自動券売機1の制御部10は、利用者の操作に応じて発券処理などの処理を行う。処理中に障害が発生すると(ステップS10、YES)、制御部10は、発生した障害の内容が、他の機器でのリカバリーが可能な障害であるか否かを判断する(ステップS11)。
【0035】
他の機器でのリカバリー処理が可能な障害であると判断した場合(ステップS11、YES)、制御部10は、他の機器へ発生した障害に対するリカバリー処理が可能な状態であるか否か(リカバリーの可否)を問い合わせる(ステップS12)。自動券売機1などの各発券機には、予めリカバリーの可否を問合せる機器を予め設定しておくものとする。たとえば、リカバリーの可否を問い合わせる機器は、隣接する自動券売機だけを設定しても良いし、当該自動券売機と並んで設置されている各自動券売機を設定しても良いし、他の自動券売機と係員処理機とを設定しても良いし、当該改札口に設置されている発券処理が可能な全ての機器(自動券売機、係員処理機、定期券発行機、及び自動精算器)を設定しても良い。また、各発券機は、発生した障害の種類ごとに、リカバリーの可否を問い合わせる機器を設定しても良い。
【0036】
他の機器へリカバリーの可否を問い合わせた後、制御部10は、問合せ先の各機器からの応答を受信する。たとえば、リカバリーの可否の問合せに対して、待機状態の機器は、リカバリー処理が可能である旨の応答を返し、発券処理などの処理中(接客中)の機器は、リカバリー処理が可能な状態でない旨の応答を返す。また、問合せ先の各機器は、リカバリー処理の内容に応じて実行可能か否かを判断しても良い。
【0037】
問合せ先の何れかの機器からリカバリー処理が可能である旨の応答があった場合(ステップS13、YES)、制御部10は、リカバリー処理を実行する機器(リカバリー機)を選択するための選択画面(リカバリー処理の選択画面)を接客用表示部11または係員用表示部12に表示する(ステップS14)。たとえば、複数の機器からリカバリー処理が可能である旨の応答を受けた場合、制御部10は、リカバリー処理の選択画面として、リカバリー処理が可能である旨を応答した各機器をそれぞれ選択ボタンとして一覧表示する。また、制御部10は、リカバリー処理の選択画面において、リカバリー機の選択ボタンとともに、係員対応を選択する選択ボタンを表示しても良い。
【0038】
図5は、リカバリー処理の選択画面の表示例である。
図5は、両隣の自動券売機と係員処理機とがリカバリー可能な状態である場合に、接客用表示部11に表示されるリカバリー処理の選択画面の例である。すなわち、
図5に示すリカバリー処理の選択画面として、制御部10は、リカバリー処理の選択画面として、右隣の自動券売機でのリカバリー処理を選択する選択ボタン41と、左隣の自動券売機でのリカバリー処理を選択する選択ボタン42と、係員処理機(係員窓口でのリカバリー処理)を選択する選択ボタン43と、係員対応(例えば、係員呼び出し)を選択する選択ボタン44とを接客用表示部11に表示する。各選択ボタン41乃至44は、タッチパネル11aにより選択可能である。
【0039】
また、係員用表示部12にリカバリー処理の選択画面を表示した場合、係員がタッチパネル12aによりリカバリー機を選択する。係員用表示部12のタッチパネル12aによりリカバリー機が選択された場合、制御部10は、係員が選択したリカバリー機を接客用表示11に表示案内する。これにより、係員がリカバリー機を選択し、係員が選択したリカバリー機を利用者に案内することができる。 リカバリー処理の選択画面においてリカバリー機が選択された場合(ステップS15、YES)、制御部10は、選択されたリカバリー機へリカバリー情報を送信する(ステップS16)。リカバリー情報は、発生した障害の続きの処理をリカバリー機が実行するための情報である。たとえば、リカバリー情報は、発券異常(券詰まり等)であれば、発券内容を示す情報を含む情報であり、つり銭の放出異常であれば、未支払のつり銭の金額を示す情報を含む情報である。
【0040】
リカバリー情報を送信する場合、制御部10は、選択されたリカバリー機で障害発生時点からの処理の続き(リカバリー処理)を実行する旨を案内する(ステップS17)。たとえば、利用者が
図5の選択ボタン41を選択した場合、制御部10は、右隣の自動券売機へリカバリー情報を送信し、右隣の自動券売機で障害発生した時点からの続きの処理(リカバリー処理)を実行することを案内する。また、利用者が
図5の選択ボタン42を選択した場合、制御部10は、左隣の自動券売機へリカバリー情報を送信し、左隣の自動券売機で障害が発生した時点からの続きの処理(リカバリー処理)を実行することを案内する。利用者が
図5の選択ボタン43を選択した場合、制御部10は、係員処理機へリカバリー情報を送信し、係員窓口へ行って障害が発生した時点からの続きの処理(リカバリー処理)を実行することを案内する。
【0041】
リカバリー機へリカバリー情報を送信した後、制御部10は、リカバリー機からのリカバリー処理の実行結果を示す情報の受信待ち状態となる(ステップS18)。たとえば、リカバリー処理が正常終了した場合、制御部10は、リカバリー機から対処済み情報を受信する。対処済み情報は、発生した障害に対するリカバリー処理が完了したことを示す情報である。リカバリー情報を送信したリカバリー機から対処済み情報を受信すると(ステップS18、YES)、制御部10は、発生した障害への対処がリカバリー機で完了したものと認識する。
【0042】
なお、リカバリー機からリカバリー処理の完了通知(或いは対処済み情報)を受信した場合、制御部10は、発生した障害に対する対処済み情報を他の機器へ配信するようにしても良い。例えば、制御部10は、リカバリー処理の可否を問合せした各機器へ対処済み情報を配信しても良いし、当該システム内の各機器へ発生した障害に対する対処済み情報を配信しても良い。障害機から対処済み情報を配信する場合、リカバリー機は、他の機器へ対処済み情報を配信する必要がなく、障害機にリカバリー処理の完了を通知するだけで良い。
【0043】
また、対処済み情報が所定時間内に受信できない場合、制御部10は、当該リカバリー処理を強制的にキャンセルして係員対応としても良い。また、対処済み情報が所定時間内に受信できない場合、制御部10は、リカバリー機へリカバリー処理の進捗状況を問合せるようにしても良い。この場合、制御部10は、リカバリー機でのリカバリー処理の進捗状況に応じて当該リカバリー処理をキャンセルしたりするようにしても良い。
【0044】
また、リカバリー処理の選択画面においてリカバリー機が選択されなかった場合(ステップS15、NO)、或いは、リカバリー可能な機器がない場合(ステップS13、NO)、或いは、リカバリー処理が可能な障害でない場合(ステップS11、NO)、制御部10は、係員対応とする旨を案内し、係員対応処理を行う(ステップS19)。
【0045】
たとえば、利用者が
図5の選択ボタン44を選択した場合、制御部10は、係員対応とする旨の案内を接客用表示部11に表示し、係員へ係員対応が必要である旨を報知する。係員対応が必要である旨の報知は、警告表示であっても良いし、警報であっても良いし、図示しない監視盤に通知するものであっても良い。係員対応が必要である旨の報知を受けた係員は、個別に利用者に対応し、発生した障害に人的な操作によって対処する。
【0046】
次に、第1の実施形態に係るリカバリー機としての自動券売機1の動作について説明する。
図6は、第1の実施形態に係る自動券売機においてリカバリー処理を実行する場合の動作例を説明するためのフローチャートである。
自動券売機1の制御部10は、他の機器からのリカバリー処理が可能な状態であるか否かの問合せを受け付けている。他の機器からのリカバリー処理が可能な状態であるか否かの問合せを受けた場合(ステップS21、YES)、制御部10は、当該機器がリカバリー可能な状態であるか否かを判断する(ステップS22)。例えば、当該機器が待機状態である場合、制御部10は、リカバリー処理が可能であると判断する。また、発券処理などの処理中(接客中)である場合、制御部10は、リカバリー処理が可能な状態でないと判断する。
【0047】
リカバリー処理が可能であると判断した場合(ステップS22、YES)、制御部10は、リカバリー処理が可能である旨の応答を問い合わせ元へ通知する(ステップS23)。また、リカバリー処理が可能な状態ではないと判断した場合(ステップS22、NO)、制御部10は、リカバリー処理が不可能な状態である旨の応答を問い合わせ元へ通知する(ステップS24)。
【0048】
リカバリー処理が可能である旨の応答を通知した場合、制御部10は、問合せ元からのリカバリー情報の受信待ちとなる。なお、他の機器にリカバリー情報が送信された場合、制御部10は、リカバリー情報の受信待ちを解除して通常の待機状態とするようにしても良い。また、リカバリー情報の受信待ち状態において通常の処理要求が発生した場合、制御部10は、リカバリー情報の受信待ちを解除し、処理要求に応じた処理を実行するようにしても良い。
【0049】
リカバリー処理の問合せ元からリカバリー情報を受信した場合(ステップS25、YES)、制御部10は、リカバリー処理の実行指示待ちの状態となる(ステップS26)。例えば、制御部10は、リカバリー処理の実行を指示する指示ボタンを接客用表示部11に表示し、利用者からの実行指示を待つ。また、リカバリー処理は、係員が実行指示を行うようにしても良い。この場合、制御部10は、リカバリー処理の実行を指示する指示ボタンを係員用表示部12に表示し、係員からの実行指示を待つようにすればよい。
【0050】
リカバリー処理の実行が指示されると(ステップS26、YES)、制御部10は、受信したリカバリー情報に基づくリカバリー処理を実行する(ステップS27)。たとえば、発券異常(券詰まり等)に伴うリカバリー情報を受信した場合、制御部10は、リカバリー情報に含まれる発券すべき券(リカバリー処理として発券する券)を示す情報に基づく発券処理をリカバリー処理として実行する。また、つり銭の放出異常に伴うリカバリー情報を受信した場合、制御部10は、リカバリー情報に含まれる未支払のつり銭の金額を示す情報に基づいて未支払のつり銭を放出する処理をリカバリー処理として実行する。
【0051】
上述のようなリカバリー処理が完了すると、制御部10は、リカバリー処理に用いたリカバリー情報を削除(或いは無効化)し(ステップS28)、リカバリー処理が完了した事を示す対処済み情報を配信する(ステップS29)。
【0052】
対処済み情報は、少なくとも当該リカバリー情報を保持する機器へ配信する。たとえば、対処済み情報は、少なくともリカバリー処理の問い合わせ元(障害機)へ配信する。また、対処済み情報は、障害機だけでなく、障害機がリカバリー処理の可否を問い合わせた各機器に配信しても良いし、当該駅務システムの各機器に配信しても良い。また、障害機以外の機器へは、障害機から対処済み情報を配信するようにして良い。
【0053】
なお、上述した動作例は、リカバリー機が自動券売機である場合の動作例として説明したが、上述した動作を行うリカバリー機は、リカバリー処理が実行可能な機能を有する機器であれば良く、例えば、係員処理機、自動精算機或いは定期券発行機などの機器であっても良い。
【0054】
上記のような第1の実施形態によれば、発券処理などの処理中に障害が発生した券売機が、発生した障害に対するリカバリー処理が可能であるかを他の券売機に問合せ、その問合せに対してリカバリー処理が可能であると応答した券売機にリカバリー情報を送信する。リカバリー情報を受信した券売機は、リカバリー情報に基づいて障害機が障害により中止(停止)した処理の続きの処理としてのリカバリー処理を実行する。これにより、障害が発生した券売機に代わって、他の券売機が障害によって中断された処理の続きを行うことができ、障害に対して迅速な対応が可能となる。
【0055】
また、リカバリー処理が完了すると、リカバリー機としての券売機は、当該リカバリー情報に対する対処済み情報を配信する。これにより、1つのリカバリー情報を用いて複数のリカバリー処理が行われる事を防止でき、1つの障害に対して複数回のリカバリー処理が行われないようにできる。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係る自動券売機(自動発券機)を含む種々の駅務機器で構成される駅務システム(発券システム)の構成例を示す図である。
第2の実施形態に係る駅務システムは、
図7に示すように、自動券売機1(1A、1B、…、1N)、自動改札機2(2A、2B、…、2N)、係員処理機3、自動精算機4、および、定期券発行機5などにより構成される。
図7に示す第2の実施形態に係る駅務システムは、
図1に示す第1の実施形態に係る駅務システムにサーバ6が追加された構成を有する。
【0056】
サーバ6は、たとえば、一般的なサーバ装置として用いられるコンピュータなどにより構成される。サーバ6は、各駅務機器との通信機能を有する。サーバ6は、各駅務機器に対して情報を配信したり、各駅務機器からの情報を収集したりする。サーバ6は、駅ごとに設け、各駅の各駅務機器を接続する。また、サーバ6は、複数の駅に対して1つ設け、複数の駅の各駅務機器を接続しても良い。
【0057】
なお、
図7に示す自動券売機1、自動改札機2、係員処理機3、自動精算機4、および、定期券発行機5の構成については、第1の実施形態で説明したもので実現できるため、詳細な説明は省略する。また、自動券売機1の構成は、
図2に示す構成ものであるものとして説明する。また、係員処理機3、自動精算機4、および、定期券発行機5の構成は、
図3に示す構成を有するものであるとして説明するものとする。
【0058】
図8は、サーバ6の構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、サーバ6は、制御部60、データメモリ61、および通信部62などを有する。
制御部60は、サーバ6の制御を司る。制御部60は、プロセッサ60a、メモリ60b、及び各種インターフェースなどを有する。プロセッサ60aは、CPUなどである。メモリ60bは、RAM、ROM、及び、書換え可能な不揮発性メモリ(例えば、EEPORM、FROM等)などである。メモリ60bは、データを一時的に格納するバッファメモリ、および、プロセッサ60aが実行する種々のプログラムや制御データなどを記憶するプログラムメモリなどを含む。制御部60では、プロセッサ60aがメモリ60bに記憶したプログラムを実行することにより種々の機能を実現する。
【0059】
データメモリ61は、データを記憶する記憶装置である。データメモリ61は、たとえば、障害が発生した駅務機器(例えば、自動券売機1)から送信されるリカバリー情報を記憶する。通信部62は、各駅務機器とのデータ通信を行なう為の外部通信ユニットである。たとえば、通信部35は、ネットワークインターフェースである。
【0060】
制御部60は、通信部35により障害が発生した駅務機器(例えば、自動券売機1)からのリカバリー情報を受信する。制御部60は、受信したリカバリー情報をデータメモリ記憶する。制御部60は、リカバリー処理を実行する機器に対してリカバリー情報を送信する。制御部60は、リカバリー処理が完了したリカバリー情報をデータメモリ61から削除する。
【0061】
次に、第2の実施形態に係る障害機としての自動券売機1(障害が発生した自動券売機)の動作について説明する。
図9は、第2の実施形態に係る自動券売機1における障害が発生した場合の動作例を説明するためのフローチャートである。
自動券売機1の制御部10は、利用者の操作に応じて発券処理などの処理を行う。処理中に障害が発生すると(ステップS30、YES)、制御部10は、他の機器でのリカバリー処理が可能な障害であるか否かを判断する(ステップS31)。
【0062】
他の機器でのリカバリー処理が可能な障害であると判断した場合(ステップS31、YES)、制御部10は、他の機器によるリカバリー処理の要求とともに、リカバリー情報をサーバ6へ送信する(ステップS32)。リカバリー処理の要求を送信した後、制御部10は、サーバ6からのリカバリー機として選択可能な機器を示す情報を受信する(ステップS33)。
【0063】
リカバリー機として選択可能な機器を示す情報を受信すると、制御部10は、リカバリー処理が可能な機器があるか否かを確認する(ステップS34)。リカバリー処理が可能な機器がある場合(ステップS34、YES)、制御部10は、リカバリー処理を実行する機器(リカバリー機)を選択するための選択画面(リカバリー処理の選択画面)を接客用表示部11または係員表示部12に表示する(ステップS35)。たとえば、制御部10は、
図5に示すようなリカバリー処理の選択画面を接客用表示部11に表示する。
【0064】
また、係員用表示部12にリカバリー処理の選択画面を表示した場合、係員がタッチパネル12aによりリカバリー機を選択する。係員用表示部12のタッチパネル12aによりリカバリー機が選択された場合、制御部10は、係員が選択したリカバリー機を接客用表示11に表示案内する。これにより、係員がリカバリー機を選択し、係員が選択したリカバリー機を利用者に案内することができる。
【0065】
リカバリー処理の選択画面においてリカバリー機が選択された場合(ステップS36、YES)、制御部10は、選択されたリカバリー機を示す情報をサーバ6へ通知する(ステップS37)。選択されたリカバリー機を示す情報をサーバ6へ通知すると、制御部10は、選択されたリカバリー機でリカバリー処理を実行することを案内する(ステップS38)。
【0066】
サーバ6へ選択したリカバリー機を示す情報を送信した後、制御部10は、サーバ6からのリカバリー情報(リカバリー処理)に対する対処済み情報の受信待ち状態となる(ステップS39)。対処済み情報は、発生した障害に対する他の機器でのリカバリー処理が完了したことを示す情報である。すなわち、リカバリー情報を送信したサーバ6から対処済み情報を受信すると(ステップS39、YES)、制御部10は、発生した障害への対処(リカバリー処理)が完了したものとする。
【0067】
なお、選択したリカバリー機でのリカバリー処理が完了できなかった場合、制御部10は、サーバ6から当該リカバリー処理が完了しなかった旨の通知を受けて、当該リカバリー処理を強制的にキャンセルして係員対応としても良い。また、サーバ6から選択したリカバリー機でのリカバリー処理が完了しなかった旨の通知を受けた場合、制御部10は、ステップ32からの処理を再度実行することにより他の券売機でのリカバリー処理をリトライするようにしても良い。
【0068】
また、リカバリー処理の選択画面においてリカバリー機が選択されなかった場合(ステップS36、NO)、或いは、リカバリー処理が可能な機器がない場合(ステップS34、NO)、或いは、リカバリー処理が可能な障害でない場合(ステップ31、NO)、制御部10は、係員対応とする旨の案内し、係員対応処理を行う(ステップS40)。たとえば、利用者が
図5の選択ボタン44を選択した場合、制御部10は、係員対応とする旨をサーバ6へ通知するとともに、係員対応とする旨の案内を接客用表示部11に表示し、係員に対応を促す報知を行うようにしても良い。
【0069】
次に、第2の実施形態に係るサーバ6の動作について説明する。
図10は、第2の実施形態に係るサーバ6の動作例を説明するためのフローチャートである。
サーバ6の制御部60は、他の機器からのリカバリー処理の要求を受け付けている。他の機器からのリカバリー処理の要求を受信した場合(ステップS50、YES)、制御部10は、リカバリー要求とともに受信するリカバリー情報をデータメモリ61に記憶する(ステップS51)。リカバリー情報を記憶すると、制御部10は、各機器へリカバリー処理が可能な状態であるか否かの問合せを送信する(ステップS52)。
【0070】
リカバリー処理の可否を問い合わせる機器は、各障害機に対応づけて設定しておくものとする。たとえば、リカバリー処理の可否を問い合わせる機器は、障害機に隣接する券売機だけとして設定しても良いし、障害機と並んで設置されている複数の券売機を設定しても良いし、障害機の設置されている改札口における発券処理が可能な全ての機器を設定しても良い。また、サーバ6は、受信するリカバリー情報を解析し、発生した障害の種類に応じてリカバリー処理の可否を問い合わせる機器を選別するようにしても良い。
【0071】
リカバリー処理の可否を問い合わせた後、制御部60は、問合せ先の各機器からの応答を受信する(ステップS53)。たとえば、リカバリー処理が可能であるかの問合せに対して、待機状態の機器は、リカバリー処理が可能である旨の応答を返し、発券処理などの処理中(接客中)の機器は、リカバリー処理が可能な状態でない旨の応答を返す。制御部60は、問合せ先の各機器からの応答に基づいてリカバリー処理が可能な機器を示す情報を作成し、作成した情報をリカバリー情報の発信元である障害機へ送信する(ステップS54)。なお、リカバリー処理が観桜な機器がない場合、制御部60は、リカバリー処理が可能な機器が存在しない旨の情報を障害機へ送信する。
【0072】
リカバリー処理が可能な機器を示す情報を送信した後、制御部60は、障害機からのリカバリー機の選択通知の受信待ちとなる(ステップS55)。リカバリー機の選択があった場合(ステップS55、YES)、制御部10は、選択されたリカバリー機へリカバリー情報を送信する(ステップS56)。
【0073】
リカバリー情報を送信すると、制御部60は、リカバリー情報を送信した機器(リカバリー機)からのリカバリー処理の完了通知を待つ(ステップS57)。リカバリー機からのリカバリー処理の完了通知を受信すると(ステップS57、YES)、制御部60は、リカバリー情報を削除(或いは無効化)し(ステップS58)、リカバリー処理が完了した事を示す対処済み情報を各機器へ配信する(ステップS59)。対処済み情報は、少なくとも当該リカバリー情報を保持する各機器へ配信する。たとえば、対処済み情報は、少なくともリカバリー情報の発信元(障害機)へ配信する。また、対処済み情報は、障害機だけでなく、リカバリー処理の可否を問い合わせた各機器に配信しても良いし、当該駅務システムの各機器に配信しても良い。
【0074】
また、障害機においてリカバリー機が選択されなかった場合(例えば、係員対応が選択された場合)(ステップS55、NO)、制御部60は、当該障害器から受信したリカバリー情報を削除し(ステップS58)、処理を終了する。
【0075】
次に、第2の実施形態に係るリカバリー機としての自動券売機1の動作について説明する。
図11は、第2の実施形態に係る自動券売機1において、他の機器で障害発生した場合の動作例を説明するためのフローチャートである。
自動券売機1の制御部10は、サーバ6から他の機器で発生した障害に対するリカバリー処理が可能な状態であるか否かの問合せを受け付けている(ステップS60)。リカバリー処理が可能な状態であるか否かの問合せを受けた場合(ステップS60、YES)、制御部10は、当該機器がリカバリー可能な状態であるか否かを判断する(ステップS61)。例えば、当該機器が待機状態である場合、制御部10は、リカバリー処理が可能であると判断する。また、発券処理などの処理中(接客中)である場合、制御部10は、リカバリー処理が可能な状態でないと判断する。
【0076】
リカバリー処理が可能であると判断した場合(ステップS61、YES)、制御部10は、リカバリー処理が可能である旨の応答をサーバ6へ通知する(ステップS62)。また、リカバリー処理が可能な状態ではないと判断した場合(ステップS61、NO)、制御部10は、リカバリー処理が不可能な状態である旨の応答をサーバ6へ通知する(ステップS63)。
【0077】
リカバリー処理が可能である旨の応答を通知した場合、制御部10は、サーバ6からのリカバリー情報の受信待ちとなる。なお、サーバ6からのリカバリー情報の送信が無ければ、制御部10は、通常の待機状態として通常の処理要求を受け付けるようにしても良い。サーバ6からリカバリー情報を受信した場合(ステップS64、YES)、制御部10は、リカバリー処理の実行指示待ちの状態となる(ステップS65)。例えば、制御部10は、リカバリー処理の実行を指示する指示ボタンを接客用表示部11に表示し、利用者からの実行指示を待つ。また、リカバリー処理は、係員が実行指示を行うようにしても良い。この場合、制御部10は、リカバリー処理の実行を指示する指示ボタンを係員用表示部12に表示し、係員からの実行指示を待つようにすればよい。
【0078】
リカバリー処理の実行が指示されると(ステップS65、YES)、制御部10は、サーバ6から受信したリカバリー情報に基づくリカバリー処理を実行する(ステップS66)。リカバリー処理が完了すると、制御部10は、リカバリー処理に用いたリカバリー情報を削除し(ステップS67)、リカバリー処理が完了した事をサーバ6へ通知する(ステップS68)。
【0079】
なお、上記動作例は、リカバリー機が自動券売機である場合の動作例について説明したが、リカバリー機は、係員処理機、自動精算機或いは定期券発行機などの券売機であっても良い。
【0080】
上記のような第2の実施形態によれば、サーバがリカバリー要求を受け付け、サーバがリカバリー機へリカバリー情報を配信する。また、サーバは、リカバリー処理が完了すると、リカバリー情報を削除する。上記のように、障害に対するリカバリー処理をサーバが管理することにより、各券売機では、他の機器と個別に通信する必要がなく、システム全体として柔軟な運用が可能となる。また、リカバリー処理が完了した後にサーバがリカバリー情報を削除することにより、1つの障害に対して複数回のリカバリー処理が行われないような制御をサーバで実現できる。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。