特許第6342324号(P6342324)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6342324
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】クリーナ
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/04 20060101AFI20180604BHJP
   A47L 9/24 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
   A47L9/04 A
   A47L9/24 C
   A47L9/24 Z
【請求項の数】4
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-262864(P2014-262864)
(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公開番号】特開2016-120153(P2016-120153A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2017年6月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 晃
【審査官】 村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−073198(JP,A)
【文献】 特開2013−094939(JP,A)
【文献】 特開2013−202079(JP,A)
【文献】 特開2000−093366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/04
A47L 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーナとして機能させるにあたって設定される吸込み口に補助器具としてのパワーノズルが取り付けられるクリーナであって、
前記パワーノズルは、前記吸込み口に連結されるパイプ形の連結部と、該連結部に対して該パイプ形の周方向に相対的に回転可能に結合されるヘッド部と、を有し、
前記ヘッド部は、電力供給により回転駆動するモータと、該モータの回転駆動を受けて回転される回転ブラシと、を有し、
前記モータは、前記ヘッド部が前記連結部と連結される箇所に対して一側に配置されており、且つ、前記吸込み口に前記連結部を連結した場合に電気的に接続されるコネクタ部と結線される電線を介して電力が供給されており、
前記モータに結線される電線の第1の電線は、前記連結部のパイプ形の前記一側の周面に沿って配線されており、
前記モータに結線される電線の第2の電線は、前記一側の周面とは反対側の周面となる前記連結部のパイプ形の他側の周面に沿って配線されており、
前記コネクタ部から引き出される前記第1の電線および前記第2の電線の引出し位置は、前記連結部のパイプ形の周面の上側に設定されており、
前記モータに送り出される前記第1の電線および前記第2の電線の送出し位置は、前記連結部のパイプ形の周面のうち該モータの対面側となる前記一側に設定されている、クリーナ。
【請求項2】
請求項1に記載のクリーナにおいて、
前記一側の周面に沿って配線される前記第1の電線を、前記コネクタ部で前記一側に結線される電線で設定し、
前記他側の周面に沿って配線される前記第2の電線を、前記コネクタ部で前記他側に結線される電線で設定する、クリーナ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のクリーナにおいて、
前記コネクタ部と前記引出し位置との間には、前記コネクタ部から引き出される前記電線の位置を固定支持する支持リブが設けられている、クリーナ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載したクリーナにおいて、
前記引出し位置の周辺には、前記連結部のパイプ形の周面上を周方向で前記電線を移動可能とする空間設定部が設けられている、クリーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、クリーナに関する。
【背景技術】
【0002】
クリーナにあっては、クリーナ本体の前端に取り付けられるノズルが、パワーノズルと称されるノズルで構成されるものが知られている(例えば特許文献1参照)。パワーノズルは、電動モータ(以下「ノズルモータ」)と回転ブラシとを内蔵し、回転ブラシを回転させることによりクリーナとして吸込み機能を高める。ノズルモータにあっては、軽量化の観点からクリーナ本体側から送られる電力が利用される。つまり、ノズルモータを駆動させる電力は、クリーナ本体に内蔵される電動モータ(以下「本体モータ」)を駆動させる電力と共用されている。このため、クリーナ本体からパワーノズルには電線が結線されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−202079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、パワーノズルにあっては、吸い込む方向を変えることができるように連結部分に対してヘッド部分が相対的に回転可能に設定されている。このようにヘッド部分が回転可能に設定されていると、パワーノズルを狭いところまで侵入させることができて細かな掃除の利便性を高める。このため、ヘッド部分の回転角度は、クリーナの利便性に鑑み、なるべく拡げられるように設定したい。他方、ヘッド部分にはノズルモータが内蔵されている。このため、連結部分に対するヘッド部分の相対的な回転は、ノズルモータに結線される電線を屈曲させることとなる。このような電線の屈曲が局所的に集中してしまうと、電線の断線原因にもなりかねず、なるべく取り除いておきたい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、パワーノズルのノズルモータにクリーナ本体から電線が結線されるクリーナにおいて、ノズルモータに結線される電線の屈曲が局所的に集中してしまうのを無くして、電線の断線原因を取り除くようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するにあたって、本発明に係るクリーナは次の手段をとる。すなわち、本発明の第1の発明に係るクリーナは、クリーナとして機能させるにあたって設定される吸込み口に補助器具としてのパワーノズルが取り付けられるクリーナであって、前記パワーノズルは、前記吸込み口に連結されるパイプ形の連結部と、該連結部に対して該パイプ形の周方向に相対的に回転可能に結合されるヘッド部と、を有し、前記ヘッド部は、電力供給により回転駆動するモータと、該モータの回転駆動を受けて回転される回転ブラシと、を有し、前記モータは、前記ヘッド部が前記連結部と連結される箇所に対して一側に配置されており、且つ、前記吸込み口に前記連結部を連結した場合に電気的に接続されるコネクタ部と結線される電線を介して電力が供給されており、前記モータに結線される電線の第1の電線は、前記連結部のパイプ形の前記一側の周面に沿って配線されており、前記モータに結線される電線の第2の電線は、前記一側の周面とは反対側の周面となる前記連結部のパイプ形の他側の周面に沿って配線されている、という構成である。
【0007】
この第1の発明に係るクリーナによれば、第1の電線は連結部のパイプ形の一側の周面に沿って配線され、第2の電線は連結部のパイプ形の他側の周面に沿って配線される。これによって、電線を2方向に回して配線することができるので電線の重なりを防ぐことができる。したがって、電線が重なることにより生じてしまう電線の屈曲を防止することができる。つまり、電線の屈曲が局所的に集中してしまうのを無くして、電線の断線原因を取り除くことができる。さらに言えば、第1の電線と第2の電線のそれぞれが、互いに相反する方向に引き回して配線されるので、部材を組み付ける際の電線の収容を確実に行うことができる。これによって、収容した電線を覆うように別部材を組み付けるに際しての組付け作業の容易化かつ確実化を図ることができる。
【0008】
本発明の第2の発明に係るクリーナは、前記第1の発明に係るクリーナにおいて、前記一側の周面に沿って配線される前記第1の電線を、前記コネクタ部で前記一側に結線される電線で設定し、前記他側の周面に沿って配線される前記第2の電線を、前記コネクタ部で前記他側に結線される電線で設定する、という構成である。
【0009】
この第2の発明に係るクリーナによれば、一側の周面に沿って配線される第1の電線を一側のコネクタ部に結線される電線で設定し、他側の周面に沿って配線される第2の電線を他側のコネクタ部に結線される電線で設定している。これによって、電線は引き出される箇所から重なることなく分けられる。したがって、電線が重なることにより生じる電線の屈曲を更に防止すると共に、部材を組み付ける際の電線の収容を更に確実に行うことができる。
【0010】
本発明の第3の発明に係るクリーナは、前記第1または前記第2の発明に係るクリーナにおいて、前記コネクタ部から引き出される前記第1の電線および前記第2の電線の引出し位置は、前記連結部のパイプ形の周面の上側に設定されており、前記モータに送り出される前記第1の電線および前記第2の電線の送出し位置は、前記連結部のパイプ形の周面のうち該モータの対面側となる前記一側に設定されている、という構成である。ここで「該モータの対面側」としては、前記連結部のパイプ形の周面の左側もしくは右側のいずれかである。
【0011】
この第3の発明に係るクリーナによれば、電線の引出し位置はパイプ形の周面の上側に設定されており、電線の送出し位置はパイプ形の周面の一側に設定されている。これによって、一側の周面に沿って配線される第1の電線の長さと、他側の周面に沿って配線される第2の電線の長さとを不等長となる長さにすることができる。したがって、ヘッド部を連結部に対して周方向に相対的に回転させるにあたって、第1の電線と第2の電線とが撓む互いの撓み量を相対的に相違したものにできる。このようにして、第1の電線と第2の電線との互いの電線同士の重なりをより高く防ぐことができて、電線同士の屈曲をより防止することができる。なお、電線の引出し位置と電線の送出し位置との相対位置関係は、適宜に選択変更することが可能である。つまり、一側の周面に沿って配線される第1の電線の長さと、他側の周面に沿って配線される第2の電線の長さとが、互いに不等長な長さに設定されることを条件に、引出し位置と送出し位置とは適宜に設定することができる。
【0012】
本発明の第4の発明に係るクリーナは、前記第3の発明に係るクリーナにおいて、前記コネクタ部と前記引出し位置との間には、前記コネクタ部から引き出される前記電線の位置を支持する支持リブが設けられている、という構成である。この第4の発明に係るクリーナによれば、支持リブがコネクタ部から引き出される電線の位置を固定支持するので、このコネクタ部にて負荷がかかることがあっても、引き出される電線を撓ませることがなくなる。したがって、電線の局所的な屈曲をより防止して、より電線の断線原因を取り除くことができる。
【0013】
本発明の第5の発明に係るクリーナは、前記第3または前記第4の発明に係るクリーナにおいて、前記引出し位置の周辺には、前記連結部のパイプ形の周面上を周方向で前記電線を移動可能とする空間設定部が設けられている、という構成である。この第5の発明に係るクリーナによれば、引出し位置の周辺に設けられる空間設定部により、パイプ形の周面上を周方向で電線を移動させ易くする。これによって、引出し位置の周辺で電線の局所的な屈曲をより防ぐことができて、より電線の断線原因を取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】クリーナの斜視外観を示す斜視図である。
図2】クリーナの側面視外観を示す平面図である。
図3】クリーナの上面視外観を示す平面図である。
図4】パワーノズルの斜視外観を示す斜視図である。
図5】パワーノズルの上面視外観を示す平面図である。
図6】パワーノズルの側面視外観を示す平面図である。
図7】パワーノズルの後面視外観を示す平面図である。
図8】パワーノズルの下面視外観を示す平面図である。
図9】パワーノズルの内部構造を示す分解斜視図である。
図10】パワーノズルの内部構造を示す分解側面視図である。
図11図10の左右中央縦断面を示す断面図である。
図12】上ハウジングを取り外したパワーノズルの上面視を示す平面図である。
図13図11に示す各部材を組み付けたパワーノズルを示す断面図である。
図14図6の(XIV)-(XIV)断面矢視を示す断面図である。
図15図6の(XV)-(XV)断面矢視を示す断面図である。
図16】パイプ部材におけるリード線の配線を示す斜視図である。
図17図16においてリード線の配線を正面視により示す正面視図である。
図18図16においてリード線の配線を上面視により示す上面視図である。
図19】パイプ部材が左90度に回転したリード線を示す正面視図である。
図20】パイプ部材が左90度に回転したリード線を示す左側面視図である。
図21】パイプ部材が右90度に回転したリード線を示す正面視図である。
図22】パイプ部材が右90度に回転したリード線を示す右側面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るクリーナを実施するための実施の形態について説明する。この実施の形態にて説明するクリーナは、充電式バッテリが内蔵される手持ち式のクリーナである。図1の斜視図はクリーナ10の斜視外観を示す。図2の平面図はクリーナ10の側面視外観を示す。図3の平面図はクリーナ10の上面視外観を示す。なお、このクリーナ10を説明するにあたっては、図示に記載のとおり上下前後左右の方向に基づいて説明するものとする。図1図3に示すクリーナ10は、概略、クリーナ本体11と、延長パイプ30と、パワーノズル40とを有する。クリーナ本体11は、周知のクリーナの構造が採用されている。すなわち、クリーナ本体11は、左右2つ割りの本体ハウジング12に本体モータ13を内蔵して構成される。
【0016】
本体モータ13は、電力が供給されることにより回転軸を回転駆動させる電動モータである。本体モータ13の図示省略の回転軸には、吸引風を発生させるファン14が取り付けられる。また、本体ハウジング12の内部には、本体モータ13の駆動の制御を行う図示省略の基板が設けられる。また、本体ハウジング12の下部には、本体モータ13に電力を供給する充電式バッテリ15が設けられる。また、本体ハウジング12の内部には、吸引風により吸引された塵埃を除去するためのフィルタ16が設けられており、溜まった塵埃を除去するために開け閉めされる開閉カバー17が設けられる。また、クリーナ本体11の後部には、ハンドル部18が設けられている。ハンドル部18の上部には、操作入力部19が設けられる。つまり、操作入力部19は、使用者の操作入力に応じて基板に操作信号を送る。基板は、充電式バッテリ15から電力を供給するための信号を本体モータ13に出力し、本体モータ13は充電式バッテリ15から電力が供給される。
【0017】
上記したクリーナ本体11の前端には吸込み口22が設けられる。この吸込み口22は、前側へとパイプ形に突出された突出パイプ部21の前端開口部分により設定される。なお、この突出パイプ部21には、延長パイプ30の後端部分を連結するための連結機構23が設けられる。連結機構23は、図示省略する係止フックとコネクタ端子232とを有する。係止フックは、延長パイプ30の後端部分に設けられる雌フック部(図示符号562と同様の構成)に係止するフック形状を有して形成される。この係止フックは、解除ボタン231の押下により、延長パイプ30の後端部分に設定される雌フック部への係止を解除する。
【0018】
コネクタ端子232は、充電式バッテリ15から電力が供給される基板と電気的に接続され、延長パイプ30のコネクタ部(図示符号54と同様の構成)と電気的に接続可能に設定される。つまり、延長パイプ30の後端部分を突出パイプ部21に連結することにより、コネクタ端子232は延長パイプ30のコネクタ部と電気的に接続される。このような延長パイプ30の後端側は、突出パイプ部21に連結可能とする被連結部33が設定される。被連結部33は、上記した突出パイプ部21に連結可能に構成される。具体的には、被連結部33は、突出パイプ部21に設定される連結機構23に対応する構造が設けられる。なお、被連結部33は、後に詳述するパワーノズル40に設定される被連結部56と同様に構成される。このため、この被連結部33の構造については、後に詳述するパワーノズル40の被連結部56の構成を参照にされたい。
【0019】
これに対して、延長パイプ30の前端側には突出パイプ部35が設けられる。突出パイプ部35は、上記したクリーナ本体11の突出パイプ部21と同様に構成される。この延長パイプ30の突出パイプ部35には、上記した突出パイプ部21と同様の係止フックとコネクタ端子372とを有する連結機構37が設けられている。この連結機構37は、上記した連結機構23と同様に構成される。つまり、この連結機構37にも、上記した解除ボタン231と同様の解除ボタン371が設けられている。なお、突出パイプ部35の前端には吸込み口36が設けられている。この吸込み口36が本発明に係るクリーナ本体11に設定される吸込み口に相当する。この吸込み口36は、パイプ形にて前側に突出された突出パイプ部35の前端開口部分により設定される。なお、この延長パイプ30の後端から前端にかけての中間範囲は長く延びるパイプ形に設定される。また、図1図3に示す延長パイプ30には、連結リング38を介してスキマノズル39が保持されている。
【0020】
次に、パワーノズル40について説明する。このパワーノズル40は、本発明に係る補助器具に相当する部材である。パワーノズル40は、上記した突出パイプ部35の吸込み口36に取り付けられる。なお、吸込み口36には、このようなパワーノズル40のほか、不図示の通常ノズルや上記したスキマノズル39が取り付けられる。パワーノズル40は、図4図15に示すとおりに構成される。すなわち、図4の斜視図はパワーノズル40の斜視外観を示す。図5の平面図はパワーノズル40の上面視外観を示す。図6の平面図はパワーノズル40の側面視外観を示す。図7の平面図はパワーノズル40の後面視外観を示す。図8の平面図はパワーノズル40の下面視外観を示す。図9の斜視図はパワーノズル40の内部構造の分解斜視を示す。図10の平面図はパワーノズル40の内部構造の分解側面視を示す。図11の断面図は図10の左右中央縦断面を示す。図11の断面図は図10の左右中央縦断面を示す。
【0021】
図示されるパワーノズル40は、大まかに、連結部50とヘッド部80とを有して構成される。連結部50は、パイプ形に設定されて上記した吸込み口36に連結可能となっている。ヘッド部80は、電動モータ85および回転ブラシ87を有して構成される。ヘッド部80は、後に詳述するが、連結部50に対してパイプ形の周方向で相対的に回転可能に結合される。なお、図12の平面図は上ハウジング812を取り外したパワーノズル40の上面視を示す。図13の断面図は図11に示す各部材を組み付けたパワーノズル40を示す。図14の断面図は図6の(XIV)-(XIV)断面矢視を示す。図15の断面図は図6の(XV)-(XV)断面矢視を示す。以下に、連結部50とヘッド部80を詳細に説明する。
【0022】
連結部50は、概略、パイプ部材51と支持リング70とを有する。パイプ部材51は、パイプ本体52とカバー部材60とを有する。パイプ本体52は、中間部分を一部屈曲させた筒形をなして形成される。具体的には、パイプ本体52は、側面視した場合に「へ」字をなすようにへ字形屈曲部53が設けられている。すなわち、パイプ本体52は、へ字形屈曲部53を境界にして、後側部分が本体連結部55として設定されており、前側部分がヘッド連結部65として設定されている。逆に言えば、略筒形に延びる本体連結部55と略筒形に延びるヘッド連結部65とは、「へ」字をなすように屈曲されるへ字形屈曲部53を境界にして互いが連接されて成形されている。このようにして、本体連結部55とヘッド連結部65とのそれぞれの筒形の延びる方向は、互いに交差する相違する方向に設定される。
【0023】
本体連結部55は、上記した延長パイプ30の突出パイプ部35に連結される。この本体連結部55は、被連結部56と、保持リブ部57と、カバー支持部58と、螺子留めボス59とを有する。被連結部56は、上記した突出パイプ部21に設定される被連結部33と同様に構成される。すなわち、被連結部56は、結合部561と雌フック部562とを有する。結合部561は、延長パイプ30の突出パイプ部35と連結可能に縮径された円筒形状に形成される。つまり、結合部561の外周径は、突出パイプ部35の内周径よりも小さく設定されており、突出パイプ部35の内周側に収容させることができる。この結合部561の外周面には、雌フック部562が設けられている。この雌フック部562は、この結合部561が突出パイプ部35内に収容された場合に、図示省略される係止フックが係止される。
【0024】
保持リブ部57は、後に説明する接続端子42を保持するリブである。保持リブ部57は、上記した結合部561の前端位置に設定される。この接続端子42は、後に説明する電動モータ85に電力を供給するリード線45に接続される端子である。このため、この接続端子42は、電動モータ85に電力を供給する閉回路をなす2つ設けられるものとなっている。この接続端子42は、コネクタ部43と被保持部44とを有して構成される。コネクタ部43は、突出パイプ部35のコネクタ端子372と電気的に接続される部分である。具体的には、吸込み口36に本体連結部65を連結した場合に、コネクタ部43は、コネクタ端子372と電気的に結線される。つまり、リード線45を介して電動モータ85に電力を供給することができる。被保持部44は、保持リブ部57に保持される部分である。このように設定される接続端子42は、2つのコネクタ部43を同時に接続できるように、並列配置されて保持リブ部57により支持される。
【0025】
保持リブ部57は、パイプ本体52の周面から外側に突出されるようにして設けられている。保持リブ部57の前側には、接続端子42の被保持部44を保持するための嵌合保持部571が隣接して設けられている。この嵌合保持部571は、接続端子42の一部を嵌合させる適宜の凹形状を有して設定される。嵌合保持部571に保持された被保持部44は、カバー部材60の螺子留めにより保持リブ部57に対して固定される。つまり、図示省略しているが、カバー部材60の裏面には保持リブ部57を抑える適宜の凸形状が設けられている。このように保持リブ部57に対して固定支持される被保持部44は、コネクタ部43を含む接続端子42のパイプ本体52に対する相対的な位置関係を固定する。なお、コネクタ部43は、保持リブ部57にて支持されて結合部561側に露出される部分で設定される。
【0026】
上記したように固定された接続端子42は、ヘッド部80に向けてリード線45が延ばされる。具体的には、リード線45は、上記した嵌合保持部571に保持された被保持部44から引き出される。このリード線45は、本発明に係る電線に相当する。このコネクタ部43から引き出される2本のリード線45のうち、左側(図9等の図面上では図示右側)に配置されるの第1リード線451であり、右側(図9等の図面上では図示左側)に配置されるの第2リード線452である。ここで、第1リード線451は本発明に係る第1の電線に相当し、第2リード線452は本発明に係る第2の電線に相当する。これら第1リード線451および第2リード線452は、連結部50のパイプ形の周面の上側に設定される。
【0027】
カバー部材60には、螺子留め孔601が設けられている。螺子留め孔601は、螺子留めボス59に螺子留めする螺子部材595を挿し通す孔である。カバー部材60には、支持縁部581に当接支持される外周端縁602が設けられている。また、カバー部材60は、カバー支持部58の係止凹部582に係止する係止鉤部603が設けられている。カバー部材60は、係止凹部582に係止鉤部603を係止させながら支持縁部581に当接支持させることにより、パイプ本体52に対する相対的な位置関係が固定される。ここで、カバー部材60には、外側に張り出されるドーム形部605が設けられている。ドーム形部605は、カバー部材60をパイプ本体52に固定した場合に、リード線45を移動可能とする引出し空間(S1)を設定する。
【0028】
引出し空間(S1)は、連結部50のパイプ形の周面上を周方向(略左右方向)でリード線45を移動可能とする。この引出し空間(S1)は、引出し位置(P1)として設定されるへ字形屈曲部53の周辺に亘って設定される。この引出し空間(S1)は、カバー部材60に対面するパイプ本体52の上側周面521がカバー部材60から離間されるように、カバー部材60を支持する保持リブ部57が設定されることにより設けられる。つまり、この保持リブ部57とカバー部材60とは、本発明に係る空間設定部に相当する。このように設けられる引出し空間(S1)は、リード線45が連結部50のパイプ形の周面上を周方向(略左右方向)に移動可能にすることができる。具体的には、リード線45は、この引出し空間(S1)の内部で、適宜に撓むことができる。なお、この引出し空間(S1)は、本体連結部55からヘッド連結部65に亘って設けられている。また、後に詳述するが、引出し空間(S1)は、後に説明する周回配線空間(S2)に対して互いの空間範囲が連なるように設定されている。
【0029】
リード線45の引出し位置(P1)は、リード線45が上下方向で折れ曲がることが要されるへ字形屈曲部53の位置で設定されている。ここで、コネクタ部43と引出し位置(P1)との間には、コネクタ部43から引き出されるリード線45(451,452)を支持する支持リブ63が設けられている。図16図22に示すように、支持リブ63は、パイプ本体52の周面から外側に突出されるようにして設けられている。支持リブ63は、パイプ本体52の周面の略周方向に板形に延びるように設けられる。支持リブ63には、上下方向で切り込まれるスリット状の支持溝631,632が2つ並列して設けられる。支持溝63のうち左側の第1支持溝631は、差し込まれた第1リード線451を支持する。支持溝63のうち右側の第2支持溝632は、差し込まれた第2リード線452を支持する。
【0030】
支持リブ63の中間位置には、折曲部633が設けられている。この折曲部633は、第1支持溝631に差し込まれた第1リード線451と、第2支持溝632に差し込まれた第2リード線452とが前側に向かう方向で、互いに接近するようにガイドするためのものである。このため、折曲部633は、第1支持溝631と第2支持溝632とが支持リング70に向かう方向で互いに対面する方向で傾くように作用している。つまり、この支持リブ63は、第1リード線451および第2リード線452を支持する機能を有するほか、第1リード線451と第2リード線452とをガイドする機能も有している。このようにガイドされた第1リード線451と第2リード線452とは、引出し位置(P1)で接近するように案内されている。
【0031】
ヘッド連結部65は、パイプ本体52に対して支持リング70が取り付けられる。この支持リング70は、パイプ本体52の円環周面522に外嵌されるように取り付けられる。円環周面522の後端には、抜け留めリブ523が設けられている。抜け留めリブ523は、支持リング70の円環周面522に対する後側への相対移動を規制する。この支持リング70にあっては、パイプ本体52に対しては、支持リング70の周方向のみで相対的に回転できるように取り付けられている。つまり、支持リング70は、パイプ本体52に対して、支持リング70の周方向のみに相対的に回転できるように取り付けられている。なお、ヘッド部80のハウジング81に対する支持リング70の周方向の相対的な回転は規制されている。このため、ヘッド部80は、パイプ本体52に対して支持リング70の周方向に相対的に回転可能となっている。
【0032】
支持リング70は、ヘッド部80のハウジング81に対しては、相対的に前後に揺動回転可能に取り付けられている。すなわち、支持リング70の左右両端には、対をなす円筒リブ74が設けられている。円筒リブ74は、支持リング70の径方向外側へリブ形にて突出して形成される。この対をなす円筒リブ74は、支持リング70の揺動回転軸として、次に説明するヘッド部80のハウジング81に支持される。このため、支持リング70は、円筒リブ74を回転軸とするように、ヘッド部80のハウジング81に対して相対的に前後に揺動回転することができる。なお、パイプ本体52に対する支持リング70の前後の相対的な揺動回転は規制されている。このため、パイプ本体52は、ヘッド部80に対して支持リング70の前後の相対的な揺動回転可能となっている。
【0033】
支持リング70の外周面71は、球面の一部をなすように設定される。また、支持リング70が収められるヘッド部80のリング収容部82は、この球面の一部の形状に対応した凹球面形状をなしている。このため、支持リング70は、周方向と揺動回転方向との2方向で回転が可能となっている。なお、支持リング70とパイプ本体52との間には、適宜の回転規制リブが設けられている。これにより、ヘッド部80のパイプ本体52に対する周方向に相対的に回転可動範囲は、略180度に亘る角度範囲にて設定される。また、支持リング70とリング収容部82との間には、適宜の回転規制リブが設けられている。これにより、ヘッド部80のパイプ本体52に対する前後の相対的な揺動回転可動範囲は、略90度以下となる角度範囲にて設定される。
【0034】
支持リング70の左端(図9等の図面上では図示右端)に設定される円筒リブ74の筒状内部は、支持リング70の内外を貫通する送出し孔73が設けられている。この送出し孔73は、側面視円形に開口されている。なお、この送出し孔73が設けられる支持リング70の左側(図9等の図面上では図示右側)が、本発明に係る一側に相当する。つまり、この送出し孔73が設けられる支持リング70の左側は、ヘッド連結部65のパイプ形の周面のうち電動モータ85が対面する側となっている。これとは逆に、支持リング70の右側(図9等の図面上では図示左側)が、本発明に係る他側に相当する。つまり、本発明に係る一側の周面とは左側(図9等の図面上では図示右側)の周面であり、本発明に係る他側の周面とは右側(図9等の図面上では図示左側)の周面である。
【0035】
なお、この送出し孔73からは、後に詳述する第1リード線451および第2リード線452が送り出される。つまり、この送出し孔73の位置は、コネクタ部43と電気的に接続されて電動モータ85に送り出される第1リード線451および第2リード線452の送出し位置(P2)となっている。これら第1リード線451および第2リード線452は、送出し位置(P2)を通じて、この送出し位置(P2)と対面する電動モータ85まで結線されている。
【0036】
図示符号68は、支持リング70が円環周面522に対面配置されるように、支持リング70の前側への相対移動を規制する留めリング68である。この留めリング68は、パイプ本体52にカチ込まれることによりパイプ本体52と一体となる。この留めリング68は、支持リング70の円環周面522に対する前側への相対移動を規制する。また、図示符号69は、ヘッド部80の気密性を高めるための介装部材である。この介装部材69は、パッキンで構成される。この介装部材69は、ヘッド部80にヘッド連結部65を連結するにあたって、ヘッド部80のハウジング81の内部で生ずる吸引風を損なわないようにヘッド部80内部の気密性を高めている。このようにして支持される支持リング70の内周面75と円環周面522との間には、図13等に示すようなリード線45(451,452)を配線させるための周回配線空間(S2)が設けられることとなる。なお、この周回配線空間(S2)を設定するパイプ本体52と支持リング70とにあっても、本発明に係る空間設定部に相当する。
【0037】
ヘッド部80について説明する。ヘッド部80は、概略、ハウジング81と、電動モータ85と、回転ブラシ87とを有する。ハウジング81は、左右方向に延びる直方体形状の略箱形をなす。このハウジング81は、下ハウジング811と上ハウジング812とを合体させることにより形成される。このハウジング81の内部は、この内部で生ずる吸引風を損なわないように構成されると共に、各種部材の収容するための構造が設けられる。具体的には、ハウジング81の内部には、リング収容部82と、モータ収容部83と、ブラシ収容部84とが設けられている。リング収容部82は、上記した支持リング70が収められる部分である。リング収容部82は、凹球面形状をなす凹球面部821と、円筒リブ74を軸受けする軸受け部822とを有する。このリング収容部82は、左右方向に延ばされたハウジング81の左右中間位置に設定されている。
【0038】
モータ収容部83は、ハウジング81の内部において、リング収容部82に対して相対的に左側に配置されている。モータ収容部83には、電動モータ85を収容支持する適宜の収容凹形状および支持形状が設けられている。なお、ブラシ収容部84にも、回転ブラシ87を収容支持する適宜の収容凹形状および支持形状が設けられている。モータ収容部83は、リング収容部82に対して相対的に左側に配置されている。このため、このモータ収容部83に収容される電動モータ85も、リング収容部82に対して相対的に左側(一側)に配置されている。つまり、電動モータ85は、ヘッド部80のヘッド連結部65と連結される箇所に対して一側となる左側に配置される。この電動モータ85は、広く利用されるブラシモータにて構成され、電力が供給されることにより回転駆動する。電動モータ85には第1リード線451と第2リード線452とが結線される。このように電動モータ85にリード線45が結線されることにより電動モータ85に電力が供給される。
【0039】
電動モータ85の回転軸851には、ベルト88が巻き回されている。このベルト88は、回転ブラシの伝達部872にも巻き回されている。このため、ベルト88は回転軸851の回転を受けて周回すると共に、周回するベルト88は回転ブラシ87の伝達部872を回転させる。つまり、回転ブラシ87は、電動モータ85の回転駆動を受けて回転される。回転ブラシ87は、ハウジング81のブラシ収容部84に収容されて支持される。この回転ブラシ87は、左右方向に延びるブラシ本体871と、ブラシ本体871の左端に設定される伝達部872とを有する。ブラシ本体871は、ハウジング81の下面の開口部813に亘る範囲に設定される。
【0040】
次に、上記した第1リード線451および第2リード線452の配線について説明する。図16の斜視図は、パイプ部材51におけるリード線45の配線を示す。図17の正面視図は、図16においてリード線45の配線を正面視により示す。図18の上面視図は、図16においてリード線45の配線を上面視により示す。図16図18に示すように、コネクタ部43と結線される第1リード線451および第2リード線452は、上記した周回配線空間(S2)を通じて送出し位置(P2)となる送出し孔73へ配線されている。ここで、第1リード線451は、円環周面522のうち一側の周面となる左側周面77(図17等の図面上では図示右側)に沿って配線されている。これに対して、第2リード線452は、円環周面522のうち他側の周面となる右側周面78(図17等の図面上では図示左側)に沿って配線されている。つまり、第2リード線452は、送出し位置(P2)となる送出し孔73が設けられる左側周面77とは反対側の右側周面78に沿って配線されている。
【0041】
上記したように、第1リード線451と第2リード線452とは、略同位置の引出し位置(P1)で引き出され、略同位置の送出し位置(P2)に送り出される。ここで、第1リード線451は円環周面522の左側周面77に沿って配線され、第2リード線452は円環周面522の左側周面78に沿って配線される。このため、第2リード線452は、第1リード線451よりも長く設定されている。ただ、これら第1リード線451と第2リード線452とは、パイプ部材51を支持リング70に対して、左90度で相対的に回転させた場合や右90度で相対的に回転させた場合でも、テンションが上がらずに配線される十分の長さ量が確保されている。なお、支持リング70に対してパイプ部材51を回転させていない中間位置にある場合でも、引出し空間(S1)と周回配線空間(S2)とは、互いの空間範囲が連なるように設定される。つまり、第1リード線451と第2リード線452とは、引出し空間(S1)と周回配線空間(S2)との互いの空間の間でストレスなく動けるようになっている。この場合にも、第1リード線451と第2リード線452とは、互いに重なることなく配置されるようになっている。
【0042】
図19および図20では、パイプ部材51を、支持リング70(ヘッド部80)に対して左90度に相対的に回転した場合の第1リード線451および第2リード線452を示す。このようにパイプ部材51を左90度に相対的に回転した場合でも、引出し空間(S1)と周回配線空間(S2)とは、互いの空間範囲が連なるように設定される。つまり、左90度に相対的に回転した場合でも、第1リード線451と第2リード線452とは、引出し空間(S1)と周回配線空間(S2)との互いの空間をストレスなく動けるようになっている。このような左90度で回転している場合、引出し位置(P1)と送出し位置(P2)とは、互いに重なり合うような略同位置に配置される。このような場合では、第1リード線451は、第1リード線451の余す長さを引出し空間(S1)において撓ませることにより吸収させるものとなっている。また、第2リード線452は、第2リード線452が通る経路上でテンションがかかることなく十分に配線されるように、それまでの撓みが延ばされるようになっている。つまり、第1リード線451と第2リード線452とは、互いに重なることなく配置させることができる。
【0043】
これに対し、図21および図22では、パイプ部材51を、支持リング70(ヘッド部80)に対して右90度に相対的に回転した場合の第1リード線451および第2リード線452を示す。このようにパイプ部材51を右90度に相対的に回転した場合でも、引出し空間(S1)と周回配線空間(S2)とは、互いの空間範囲が連なるように設定される。つまり、右90度に相対的に回転した場合でも、第1リード線451と第2リード線452とは、引出し空間(S1)と周回配線空間(S2)との互いの空間をストレスなく動けるようになっている。このような右90度で回転している場合、引出し位置(P1)と送出し位置(P2)とは、支持リング70において互いに反対側となる位置に配置される。このような場合では、第1リード線451は、第1リード線451が通る経路上でテンションがかかることなく十分に配線されるように、それまでの撓みが延ばされるようになっている。また、第2リード線452は、第2リード線452の余す長さを引出し空間(S1)において撓ませることにより吸収させるものとなっている。つまり、第1リード線451と第2リード線452とは、互いに重なることなく配置させることができる。
【0044】
上記したクリーナ10によれば、次のような作用効果を奏することができる。すなわち、上記したクリーナ10によれば、第1リード線451はパイプ連結部65のパイプ形の左側周面77に沿って配線され、第2リード線はパイプ連結部65のパイプ形の右側周面78に沿って配線される。これによって、第1リード線451と第2リード線452とを2方向に回して配線することができるので、これらのリード線451,452の重なりを防ぐことができる。したがって、リード線451,452が重なることにより生じてしまうリード線451,452の屈曲を防止することができる。つまり、リード線451,452の屈曲が局所的に集中してしまうのを無くして、リード線451,452の断線原因を取り除くことができる。さらに言えば、第1リード線451と第2リード線452のそれぞれが、互いに相反する方向に引き回して配線されるので、部材を組み付ける際リード線451,452の収容を確実に行うことができる。これによって、収容したリード線451,452を覆うように支持リング70を組み付けるに際しての組付け作業の容易化かつ確実化を図ることができる。
【0045】
また、上記したクリーナ10によれば、左側周面77に沿って配線される第1リード線77を、左側のコネクタ部43に結線されるリード線451で設定し、右側周面78に沿って配線される第2リード線452を、右側のコネクタ部43に結線されるリード線452で設定している。これによって、リード線451,452は引き出される箇所から重なることなく分けられる。したがって、リード線451,452が重なることにより生じるリード線451,452の屈曲を更に防止すると共に、支持リング70を組み付ける際のリード線451,452の収容を更に確実に行うことができる。
【0046】
また、上記したクリーナ10によれば、リード線451,452の引出し位置(P1)はパイプ形の周面の上側に設定されており、リード線451,452の送出し位置(P2)は、パイプ形の円環周面522の左側周面77に設定されている。これによって、左側周面77に沿って配線される第1リード線451の長さと、右側周面78に沿って配線される第2リード線452の長さとを不等長となる長さにすることができる。したがって、パイプ連結部65(パイプ本体52)を支持リング70に対して周方向に相対的に回転させた場合に、第1リード線451と第2リード線452とが撓む互いの撓み量を相対的に相違したものにすることができる。このようにして、第1リード線451と第2リード線452との互いリード線45同士の重なりをより高く防ぐことができて、リード線45同士の屈曲をより防止することができる。
【0047】
また、上記したクリーナ10によれば、支持リブ63がコネクタ部43から引き出されるリード線451,452の位置を支持するので、このコネクタ部43にて負荷がかかることがあっても、引き出されるリード線451,452を撓ませることがなくなる。したがって、リード線451,452の局所的な屈曲をより防止して、よりリード線451,452の断線原因を取り除くことができる。また、上記したクリーナ10によれば、支持リブ63が、引出し位置(P1)の周辺におけるリード線451,452を案内することができるので、リード線451,452の局所的な屈曲をより防止することができる。また、上記したクリーナ10によれば、引出し位置(P1)の周辺にリード線45を移動可能とする引出し空間(S1)を設定しているので、パイプ形の円環周面522上を周方向でリード線451,452を移動させ易くする。これによって、引出し位置(P1)の周辺でリード線451,452の局所的な屈曲をより防ぐことができて、より電線の断線原因を取り除くことができる。
【0048】
なお、本発明に係るクリーナにあっては、上記した実施の形態のクリーナの構成に限定されるものではなく、適宜変更が加えられて構成されるものであってもよい。すなわち、上記した実施の形態のクリーナ本体11の構成にあっては、上記した実施の形態の構成を適宜に変更して構成されるものであってもよい。また、本発明に係るパワーノズルにあっては吸込み口に連結されるものであればよく、この吸込み口としては延長パイプ30の吸込み口36に限られず、クリーナ本体11の吸込み口22であってもよい。また、電動モータ85の配置位置としてはハウジング81の右側に設定されるものであってもよく、このような場合には、送出し位置(P2)を設定する送出し孔73の位置については支持リング70の右側に設定されることとなる。
【符号の説明】
【0049】
10 クリーナ
11 クリーナ本体
12 本体ハウジング
13 本体モータ
14 ファン
15 充電式バッテリ
16 フィルタ
17 開閉カバー
18 ハンドル部
19 操作入力部
21 突出パイプ部
22 吸込み口
23 連結機構
231 解除ボタン
232 コネクタ端子
30 延長パイプ
33 被連結部
35 突出パイプ部
36 吸込み口
37 連結機構
371 解除ボタン
372 コネクタ端子
38 連結リング
39 スキマノズル
40 パワーノズル
42 接続端子
43 コネクタ部
44 被保持部
45 リード線(電線)
451 第1リード線
452 第2リード線
50 連結部
51 パイプ部材
52 パイプ本体
521 上側周面
522 円環周面
523 抜け留めリブ
53 へ字形屈曲部
55 本体連結部
56 被連結部
561 結合部
562 雌フック部
57 保持リブ部
571 嵌合保持部
58 カバー支持部
581 支持縁部
582 係止凹部
59 螺子留めボス
595 螺子部材
60 カバー部材
601 螺子留め孔
602 外周端縁
603 係止鉤部
605 ドーム形部
63 支持リブ
65 ヘッド連結部
68 留めリング
69 介装部材
70 支持リング
71 外周面
73 送出し孔
74 円筒リブ
75 内周面
77 左側周面(一側の周面)
78 右側周面(他側の周面)
80 ヘッド部
81 ハウジング
811 下ハウジング
812 上ハウジング
813 開口部
82 リング収容部
821 凹球面部
822 軸受け部
83 モータ収容部
84 ブラシ収容部
85 電動モータ
851 回転軸
87 回転ブラシ
871 ブラシ本体
872 伝達部
88 ベルト
P1 引出し位置
P2 送出し位置
S1 引出し空間
S2 周回配線空間
図1
図2
図3
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図5
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図10
図11
図12
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図16
図17
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図19
図20
図21
図22