特許第6342334号(P6342334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6342334
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】経皮ホルモン補充療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/57 20060101AFI20180604BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20180604BHJP
   A61P 5/34 20060101ALI20180604BHJP
   A61K 31/565 20060101ALI20180604BHJP
   A61P 5/30 20060101ALI20180604BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180604BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
   A61K31/57
   A61K47/14
   A61P5/34
   A61K31/565
   A61P5/30
   A61P43/00 121
   A61K9/70 401
【請求項の数】23
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-554892(P2014-554892)
(86)(22)【出願日】2013年1月25日
(65)【公表番号】特表2015-504924(P2015-504924A)
(43)【公表日】2015年2月16日
(86)【国際出願番号】US2013023309
(87)【国際公開番号】WO2013112947
(87)【国際公開日】20130801
【審査請求日】2016年1月22日
(31)【優先権主張番号】61/661,302
(32)【優先日】2012年6月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/662,265
(32)【優先日】2012年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/684,002
(32)【優先日】2012年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/590,927
(32)【優先日】2012年1月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514127596
【氏名又は名称】セラピューティックスエムディー インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】THERAPEUTICSMD, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100136858
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100193437
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 義和
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン エー バーニック
(72)【発明者】
【氏名】ジュリア エム アマディオ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター エイチ アール ペルシカナー
(72)【発明者】
【氏名】ジャニス ルイーズ カカセ
(72)【発明者】
【氏名】ネダ イラニ
【審査官】 伊藤 清子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−225318(JP,A)
【文献】 特表2001−508070(JP,A)
【文献】 国際公開第01/091757(WO,A1)
【文献】 特開平02−264725(JP,A)
【文献】 特表平04−503810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/57
A61K 9/70
A61K 31/565
A61K 47/14
A61P 5/30
A61P 5/34
A61P 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロゲステロン及び可溶化剤を含む経皮医薬製剤であって、前記プロゲステロンが可溶化され、前記可溶化されたプロゲステロンが経皮パッチ中に存在し、前記可溶化剤が油を含み、前記油が、C6〜C12脂肪酸を含有するモノグリセリド、ジグリセリド、又はトリグリセリド、及びそれらの組み合わせを含み、
前記可溶化剤が、Capmul(登録商標) MCM;Capmul(登録商標) MCM及び非イオン性界面活性剤;Capmul(登録商標) PG8;Transcutol(登録商標)及びMiglyol(登録商標);Transcutol(登録商標)、Miglyol(登録商標)及びCapmul(登録商標) PG8;Transcutol(登録商標)、Miglyol(登録商標)及びCapmul(登録商標) PG10;Capmul(登録商標) MCM及びGelucire(登録商標);Miglyol(登録商標)及びGelucire(登録商標);並びにMiglyol(登録商標)及びTefose(登録商標) 63からなる群から選択される、経皮医薬製剤。
【請求項2】
前記可溶化剤が、Transcutol(登録商標)及びMiglyol(登録商標);Transcutol(登録商標)、Miglyol(登録商標)及びCapmul(登録商標) MCM;Transcutol(登録商標)、Miglyol(登録商標)及びCapmul(登録商標) PG8;Transcutol(登録商標)、Miglyol(登録商標)及びCapmul(登録商標) PG10;Capmul(登録商標) MCM;並びにCapmul(登録商標) MCM及びGelucire(登録商標)からなる群から選択される、請求項1に記載の経皮医薬製剤。
【請求項3】
前記可溶化剤が、Capmul(登録商標) MCM及び非イオン性界面活性剤である、請求項1に記載の経皮医薬製剤。
【請求項4】
前記可溶化剤が、Miglyol(登録商標)及びGelucire(登録商標)である、請求項1に記載の経皮医薬製剤。
【請求項5】
プロゲステロンの1日用量が、パッチ当たり約10mg〜約100mgである、請求項1に記載の経皮医薬製剤。
【請求項6】
プロゲステロンの1日用量が、パッチ当たり約20mg〜約80mgである、請求項1に記載の経皮医薬製剤。
【請求項7】
プロゲステロンの1日用量が、パッチ当たり約20mg〜約30mgである、請求項1に記載の経皮医薬製剤。
【請求項8】
前記経皮パッチの表面積が、約9cm〜約16cmである、請求項1に記載の経皮医薬製剤。
【請求項9】
17β−エストラジオールを更に含む、請求項1に記載の経皮医薬製剤。
【請求項10】
前記17β−エストラジオールが可溶化される、請求項9に記載の経皮医薬製剤。
【請求項11】
17β−エストラジオールの1日用量が、パッチ当たり約0.01mg〜約0.1mgである、請求項9に記載の経皮医薬製剤。
【請求項12】
治療を必要とする哺乳動物における少なくとも1つのプロゲステロン欠乏状態の治療に用いられる請求項1〜8のいずれか一項に記載の経皮医薬製剤であって、前記治療が、有効量の経皮医薬製剤を投与することを含む、経皮医薬製剤。
【請求項13】
治療を必要とする哺乳動物における少なくとも1つのプロゲステロン欠乏状態及び少なくとも1つのエストロゲン欠乏状態の治療に用いられる請求項9〜11のいずれか一項に記載の経皮医薬製剤であって、前記治療が、有効量の経皮医薬製剤を投与することを含む、経皮医薬製剤。
【請求項14】
前記プロゲステロン及び前記17β−エストラジオールが、周期的順次法で投与される、請求項13に記載の経皮医薬製剤。
【請求項15】
前記プロゲステロン及び前記17β−エストラジオールが、連続併用法で投与される、請求項13に記載の経皮医薬製剤。
【請求項16】
治療を必要とする哺乳動物における少なくとも1つのプロゲステロン欠乏状態及び少なくとも1つのエストロゲン欠乏状態の治療に用いられる請求項1〜8のいずれか一項に記載の経皮医薬製剤であって、前記治療が、有効量の経皮医薬製剤及び有効量の少なくとも1つのエストロゲンを投与することを含み、前記エストロゲンが、前記経皮医薬製剤でのプロゲステロンの投与から独立した方法によって投与される、経皮医薬製剤。
【請求項17】
前記プロゲステロン及び前記エストロゲンが、周期的順次法で投与される、請求項16に記載の経皮医薬製剤。
【請求項18】
前記プロゲステロン及び前記エストロゲンが、連続併用法で投与される、請求項17に記載の経皮医薬製剤。
【請求項19】
前記エストロゲンが、経口投与によって投与されるエストラジオールである、請求項17に記載の経皮医薬製剤。
【請求項20】
哺乳動物における少なくとも1つのプロゲステロン欠乏状態を治療するための請求項1〜8のいずれか一項に記載の経皮医薬製剤。
【請求項21】
哺乳動物における少なくとも1つのプロゲステロン欠乏状態及び少なくとも1つのエストロゲン欠乏状態を治療するための請求項9〜11のいずれか一項に記載の経皮医薬製剤。
【請求項22】
有効量の少なくとも1つのエストロゲンと使用される、哺乳動物における少なくとも1つのプロゲステロン欠乏状態及び少なくとも1つのエストロゲン欠乏状態を治療するための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の有効量の経皮医薬製剤であって、前記エストロゲンが、前記経皮パッチでのプロゲステロンの投与から独立した方法による投与に好適である、経皮医薬製剤。
【請求項23】
前記エストロゲンが、経口投与によって投与されるエストラジオールである、請求項22に記載の経皮医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は下記:2012年1月26日に出願された米国仮特許出願第61/590,927号「経皮複合ホルモン補充療法」;2012年6月18日に出願された米国仮特許出願第61/661,302号「エストラジオール製剤」;2012年6月20日に出願された米国仮特許出願第61/662,265号「プロゲステロン製剤」;および2012年11月21日に出願された米国特許出願第13/684,002号「天然複合ホルモン補充製剤および療法」の優先権を主張する。前記出願のすべてはこれによりその全開示を本明細書に参照により組み入れる。
【0002】
本開示は、それぞれ本明細書において以下で定義される、エストロゲンおよびプロゲステロン欠乏状態の治療に関する閉経前、閉経周辺期、閉経期および閉経後の女性の治療のためにエストロゲンおよびプロゲステロンがそれぞれ単独でおよび組み合わせて提供される経皮製剤を用いる、天然エストロゲンおよびプロゲステロン補充療法に関する。
【背景技術】
【0003】
ホルモン補充療法(HRT)は、十分なホルモンが生成されない女性においてホルモンレベルを増加させるように設計された薬剤の群の1つ以上の使用を含む医学的処置である。HRTは、対象が閉経前、閉経周辺期、閉経期または閉経後であるかにかかわらず、少なくなった循環エストロゲンおよびプロゲステロンホルモンにより引き起こされる症状を鎮静および予防することができる。しかしながら、閉経期進行の各段階には特定の病態が存在し得る。
【0004】
経皮投与によるHRTは現在さまざまな形態で利用可能である。1つの療法は1つ以上のエストロゲンの投与を含む。別の療法はプロゲスチンと呼ばれる天然発生プロゲステロンの化学類似体の投与を含む。プロゲステロン投与は、他の病態の治療に加え、例えば、子宮内膜増殖症(肥厚)を含む、エストロゲン投与からの特定の望ましくない副作用を減少させるように作用し、子宮内膜癌の発生率を低減する。
【0005】
天然発生および生物学的同等の両方のプロゲステロンは、一般的には本明細書では集合的に「プロゲステロン」と称される。
【0006】
さまざまな参考文献は一般的には、経皮療法に含める、一般的にはエストロゲンと組み合わせた、ホルモンのプロゲストゲンクラスの使用を提案する。こうした参考文献内の教示は一般的には、しかしながら、プロゲスチンに限定される。プロゲスチンは文献において一般的にはプロゲステロンまたはプロゲストゲンと混同されることがある。しかしプロゲスチンはプロゲストゲンの異なるサブクラス;プロゲステロンと同様のプロゲステロン効果を有する合成プロゲストゲンである。一般的には、合成プロゲスチンは天然プロゲステロンと比較してより高い活性を有し、顕著により低い用量で投与される。
【0007】
「プロゲストゲン」の語は、本明細書において用いられる場合、天然発生および生物学的同等プロゲステロンならびにすべての合成プロゲスチンを含む。「生物学的同等」ホルモンの語は、本明細書において用いられる場合、ヒトを含む哺乳類により天然に生成されるホルモンと化学構造が同等であるホルモンを指し、これは用いることができ、天然ホルモン補充療法、または「NHRT」とよく称される。
【0008】
普及している経皮パッチ技術は、プロゲステロンよりプロゲスチンを用いる。これはとりわけ、とくに高用量で、比較的不溶性である天然プロゲステロンを可溶化する難しさのためである。可溶化した原薬は、さまざまなパッチ製造技術、とくにマトリックスおよびリザーバー技術において好ましい。合成プロゲスチンは一般的にはより大きな有効性、および従ってより低い必要用量を有する。所定の量の薬剤製品に対して低減した量のプロゲスチン原薬は、一般的には比較的により容易な製剤可溶性をもたらす。例えば、2.7mgの酢酸ノルエチンドロンの薬剤充填量は9平方cmの丸いCombiPatch(登録商標)製品内;4.8mgの酢酸ノルエチンドロンの薬剤充填量は16平方cmのパッチ製品内で提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
プロゲステロンは、一方で、より低い有効性、および従ってより高い必要用量により定義される。パッチ製品中に、かなりより大きな量、最大200mgのプロゲステロン原薬が必要である。プロゲステロンのより高い必要用量および比較的不溶性のため、天然プロゲステロン原薬を用いる経皮パッチは成功裏に市販されていない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
とくにヒトホルモンを含む、天然および生物学的同等製品の現在の傾向を考慮すると、本開示は、他の態様のなかでも、経皮パッチ技術で用いることができる可溶化プロゲステロン、ならびにプロゲステロンを単独でまたは、限定なしに、エストラジオール、および当技術分野において周知であるエストラジオールまたはエストラジオール様生物学的活性を有する他の原薬を含む、少なくとも1つのエストロゲン原薬と組み合わせて含む経皮パッチを提供する。
【0011】
HRT用量投与のタイミングは周期的に変えることが多く、エストロゲンは毎日摂取し、プロゲステロンは毎月約2週間摂取し;方法は「周期間欠」または「間欠併用」HRTとよく称される。この方法は自然な月経周期を模倣することを意図し、一般的にはプロゲステロンが止まった後の月経と同様の月経を引き起こす。このレジームは不正出血を引き起こすことが多い連続方法の代替として、閉経周辺期または閉経期に入ったばかりの女性においてもっとも一般的に用いられる。エストロゲンおよびプロゲステロンの両方の毎日の一定用量の投与を含む代替方法は「連続併用HRT」と呼ばれる。この方法は通常は無月経を引き起こし、女性が閉経期に入ってしばらくした後に用いられることがもっとも多い。
【0012】
周期間欠または連続併用方法のそれぞれでは、エストロゲンおよびプロゲステロンのそれぞれは、本明細書において用いられる場合、同じまたは異なる剤形で投与してもよい。同じ剤形で用いられる場合、本開示は経皮パッチ中のエストロゲンおよびプロゲステロンのそれぞれを含む。異なる剤形で投与される場合、本開示は経皮パッチで投与されるプロゲステロンを提供する。
【0013】
複合エストロゲンおよびプロゲステロンを含む予め包装された周期HRTの必要性もある。例として、周期HRTを処方することを所望する医師は、2つの別々の製品、すなわち、エストロゲンパッチおよび複合エストロゲン/プロゲステロンパッチまたは経口もしくは局所を含む別の形態のプロゲステロンとともにエストロゲンパッチを処方する必要がある。こうした別々の投与レジームは、とくに、処方された治療期間を通して薬のそれぞれをどのようにいつ摂取するかについての混乱のため、乏しい患者コンプライアンスをもたらすことが多い。患者の罹患率は増加し得る。
【発明の効果】
【0014】
本開示のさまざまな実施形態によると、可溶化プロゲステロンを単独でおよび任意でエストロゲンとともに含み、周期/間欠および連続複合投与レジーム、経皮HRT投与システムによって投与される、ホルモン補充療法が提供される。可溶化プロゲステロンが単独で経皮パッチによって投与される場合、1つ以上のエストロゲン化合物は同じ経皮パッチ上で、またはいずれかの他の既知の投与方法によって併用投与してもよい。
【0015】
経皮パッチの28日または1ヶ月のレジームは、コンプライアンスを向上および最適化するため投与日が記載された単一のパッケージに包装することができる。それぞれ本発明によるこうしたHRT経皮投与システムおよびその使用のさまざまな例は以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
添付の図面は、本開示のさらなる理解をもたらすために含め、本開示の実施形態を例示し、本明細書とともに本開示の原理を説明するのに役立つために本明細書に組み入れられ、その一部を構成する。
図1】本開示による経皮パッチのある実施形態の断面図を示す。
図2】本開示による経皮パッチの別の実施形態の断面図を示す。
図3】本開示による経皮リザーバーのある実施形態の断面図を示す。
図4】本開示による周期/間欠ホルモン補充療法レジームの異なる順序制御デバイスを示す。
図5】本開示による周期/間欠ホルモン補充療法レジームの異なる順序制御デバイスを示す。
図6】本開示による周期/間欠ホルモン補充療法レジームの異なる順序制御デバイスを示す。
図7】本開示による周期/間欠ホルモン補充療法レジームの異なる順序制御デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(定義)
「賦形剤」の語は、本明細書において用いられる場合、医薬製品を製剤するのに用いられる担体、溶媒、油、潤滑剤等のような非活性医薬成分を指す。それらは一般的には、米国食品医薬品局より公表されているものを含む、構築された政府基準によると、ヒトを含む哺乳類への投与に安全である。
【0018】
「中鎖」の語は、本明細書において用いられる場合、C4〜C18、とくにC6〜C12物質、グリセロールの脂肪酸エステル、脂肪酸、ならびにこうした物質のモノ、ジ、およびトリグリセリドを含む、いずれかの中鎖炭素含有物質を意味する。
【0019】
「微粒子化プロゲステロン」の語は、本明細書において用いられる場合、約15ミクロン未満のX50粒径値を有する、および/または約25ミクロン未満のX90粒径値を有する微粒子化プロゲステロンを含む。
【0020】
「微粒子化エストラジオール」の語は、本明細書において用いられる場合、約7ミクロン未満のX90粒径値を有する微粒子化エストラジオールを含む。
【0021】
とくに指定のない限り、「天然」とは、本明細書において本明細書で議論される特定のホルモンを指して用いられる場合、ヒトを含む、哺乳類の体内で天然発生する(すなわち、内因性の)ものの化学構造および効果と一致するように調製された生物学的同等ホルモンを意味する。例となる天然エストロゲンはエストラジオール(17β−エストラジオールおよびE2とも記載される)であり、天然プロゲトゲンはプロゲステロンである。
【0022】
「油」の語は、本明細書において用いられる場合、本明細書に記載されるような微粒子化プロゲステロンを含む、プロゲステロン、出発材料、または前躯体を含む、いずれかの適切なプロゲストゲンを懸濁および/または可溶化する、ピーナッツ油以外の、いずれかの医薬的に許容可能な物質であってもよい。より具体的には、油は、例えば限定なしに、一般的には少なくとも1つのモノ、ジ、およびトリグリセリド、これらの誘導体、またはこれらの組み合わせからなる中鎖脂肪酸として知られる群の中鎖脂肪酸を含み得る。
【0023】
「医薬的に許容可能な」の語は、指定された担体、希釈剤、賦形剤、および/または塩ならびに他の誘導体が一般的には、製剤を構成する他の成分と化学的および/または物理的に適合性であり、そのレシピエントと生理学的に適合性であることを示す。「可溶化剤」の語は、本明細書において用いられる場合、例えば限定なしに、溶媒、共溶媒、界面活性剤、乳化剤、油および担体のような、適切な医薬的に許容可能な賦形剤を含む、エストロゲンおよびプロゲステロンの可溶性を向上させるのに用いてもよいいずれかの物質または物質の混合物を意味する。
【0024】
「経皮パッチ」の語は、本明細書において用いられる場合、哺乳類の皮膚に接着し、1つ以上の原薬のなかでも、生理学的に効果的な量の可溶化プロゲステロンを、例えば限定なしに、ヒトを含む、哺乳類の皮膚を通して投与するのに適したいずれかの接着構造体を指す。構造体は、所望の量の可溶化プロゲステロン、およびエストロゲンを含む1つ以上の任意の追加原薬を含む、柔軟なストリップの形態であってもよい。
【0025】
本明細書において用いられる場合、「治療」の語、またはその派生語は、本明細書に記載されるような製剤が予防的にまたはこうした製剤が投与される病態の発症後に投与される場合の病態の部分または完全抑制と考える。本開示の目的のため、「予防」とは、本明細書に記載される障害のいずれか、およびその他から哺乳類を保護するための原薬のヒトを含む哺乳類への投与を指す。
【0026】
「薬剤充填量」の語は、本明細書において用いられる場合、本明細書に記載されるような所定の製剤中の原薬の量を意味する。
【0027】
「1日用量」の語は、本明細書において用いられる場合、原薬の基準経皮投与量(1日当たりmg);例えば、平均的な透過性の皮膚を通した原薬の投与量を意味する。
【0028】
「X50」の語は、本明細書において用いられる場合、試料中の粒子の1/2の直径が所定の数より小さいことを意味する。例えば、15ミクロンのX50を有する微粒子化プロゲステロンは、微粒子化プロゲステロンの所定の試料について、粒子の1/2が15ミクロン未満の直径を有することを意味する。同様に、「X90」の語は、試料中の粒子の90パーセント(%)の直径が所定の数より小さいことを意味する。
【0029】
(説明)
本明細書では、可溶化プロゲステロンを含む経皮医薬製剤ならびに可溶化プロゲステロンおよび少なくとも1つのエストロゲン化合物を含む経皮医薬製剤が提供される。一般的には、経皮パッチは当技術分野において周知の方法により調製され、各技術の薬剤充填量によってのみ限定される。
【0030】
例えば、1つの一般的な経皮技術は、ポリマーマトリックスが、例えば限定なしに、セルロース誘導体、ゼイン、ゼラチン、シェラック、ワックス、タンパク質、ガムおよびそれらの誘導体、天然ゴム、デンプン等を含む天然ポリマー;例えば限定なしに、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ヒドリンゴム、ポリシロキサンおよびDow Corning(ケンタッキー州エリザベスタウン)から入手可能な他のシリコーン感圧接着剤、シリコーンゴム、ニトリル含有化合物、アクリロニトリル、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ネオプレン等を含む合成エラストマー;ならびに/または、例えば限定なしに、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレア、ポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート、エポキシ、ポリエチレン/酢酸ビニル、等を含む合成ホモポリマーもしくはコポリマーを用いて調製することができる、ポリマーマトリックス設計を含む。このマトリックスには、少なくとも1つの原薬ならびに、しばしば、浸透促進剤、一般的に用いられる1つ以上の溶媒および/または1つ以上の界面活性剤が適用/導入される。接着剤は経皮パッチを付着させるために用いられる。こうした接着剤は層として原薬含有マトリックスに、またはマトリックスを調製するのに用いられる成分の1つとして付着させることができる。他のマトリックス技術としては、結晶化阻害剤および他の医薬的に許容可能な賦形剤を挙げることができる。マトリックス技術は単層または多層パッチに展開することもできる。例えば、それぞれ本明細書に参照により組み入れる、米国特許第5,474,783号、第5,958,446号、および第6,440,454号、ならびにPCT出願公開第WO97/43989号を参照されたい。
【0031】
経皮医薬投与技術分野では、一般的には剥離ライナーとは別の異なる、リザーバー:可溶化または懸濁化原薬を含有するコンパートメントを含むことを特徴とする、リザーバーシステムも周知である。リザーバー型システムにはさまざまな接着システムも利用可能である。リザーバーシステムはしばしば、かなりの薬剤充填量が必要な場合選択されるシステムである。例えば、それぞれ本明細書に参照により組み入れる、米国特許第7,387,789号、第5,656,286号、第8,114,434号、第6,024,976号、ならびに米国特許公開第2012/0269878号、および第2012/0283671号を参照されたい。
【0032】
他の経皮パッチ技術としては、例えば限定なしに、イオン泳動、電気穿孔、超音波/音波泳動、および顕微鏡投影(例えば、マイクロニードル)が挙げられる(例えば、Patel,D.,et al.,The Pharma Innovation,Transdermal Drug Delivery System:A Review,Vol.1,No.4,pg.66−75(2012)参照)。
【0033】
本明細書に記載されるようなこうした経皮システムは、少なくとも1つのエストロゲン原薬または他の適合性原薬を添加した、または添加していない、可溶化プロゲステロン経皮パッチの調製に用いることができる。
【0034】
本開示の他の態様は、本明細書に記載されるような製剤であって、治療に効果的な量の可溶化プロゲステロンが、ヒトを含む哺乳類:子宮内膜増殖症;続発性無月経;前記哺乳類が短い子宮頸部を有する場合、早産;および補充プロゲステロンで治療される他の病態または病状(集合的に、「プロゲステロン欠乏状態」)を治療するための前記製剤における少なくとも1つの原薬であり、エストロゲン原薬が前記製剤に任意で含まれる、製剤の使用を含む。
【0035】
本開示の追加の態様は、本明細書に記載されるような製剤の使用を含み、該製剤には可溶化プロゲステロンおよび少なくとも1つの可溶化エストロゲン原薬、一般的にはエストラジオールの治療に効果的な量が含まれ、前記製剤はプロゲステロンの投与により治療される病態、血管運動症状等を含む閉経期関連症状;例えば限定なしに、顔面紅潮および寝汗(血管運動症状)、睡眠障害、気分変動および外陰膣萎縮を含む、低エストロゲン症関連症状の治療に関するもの;ならびに補充エストロゲンで治療される骨粗鬆症および他の非閉経期病態または症状(集合的に、「エストロゲン欠乏状態」)を有するヒトを含む哺乳類の治療のための製剤である。このようなものとして、プロゲステロンおよびエストロゲン原薬の両方を含有する本明細書に記載される経皮パッチは、1つ以上のプロゲステロン欠乏状態および1つ以上のエストロゲン欠乏状態の治療に用いることができる。
【0036】
本明細書に記載される製剤について、各原薬は治療が必要なヒトを含む哺乳類に投与される。
【0037】
例となる周期/間欠レジームは、約0.01mg〜約2.0mgのエストラジオールの14〜18日間毎日の投与後、1日当たり約0.01mg〜約2.0mgのエストラジオール、および約10mg〜約200mgのプロゲステロンの10〜14日間毎日の投与を含む。周期/間欠レジームは閉経期の女性にとくに有用であり得る。
【0038】
他の例となる投与用量としては、限定なしに、1日当たり0.01mg、0.025mg、0.05mg、0.0625mg、0.1mg、0.125mg、0.25mg、0.375mg、0.50mg、0.625mg、0.75mg、1.0mg、1.125mg、1.25mg、1.375mg、1.50mg、1.625mg、1.75mgおよび2.0mgの、本明細書に記載される製剤において用いられる、1つ以上のエストロゲン原薬、一般的にはエストラジオール(すなわち、17β−エストラジオール)が挙げられる。さらなる実施形態では、エストラジオールの1日の投与用量は、1日当たり約0.01mg〜約0.1mg、約0.05mg〜約0.5mg、約0.1mg〜約1.0mg、約0.625mg〜約2.0mg、約0.5mg〜約2.0mg、および約0.01mg〜、および約0.05mg〜である。
【0039】
本明細書に記載される製剤に用いられるプロゲステロンの他の例となる投与用量としては、限定なしに、1日当たり10mg、12.5mg、20mg、25mg、30mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mgおよび200mgが挙げられる。さらなる実施形態では、プロゲステロンの1日の投与用量は、1日当たり約10mg〜約100mg、約20mg〜約80mg、約20mg〜約30mg、約20mg〜約50mg、約25mg〜約75mg、約100mg〜約150mg、約100mg〜約125mg、約125mg〜約150mg、約10mg〜、約20mg〜、および約30mg〜である。
【0040】
エストラジオールおよびプロゲステロンのそれぞれのこれらの有効性成分含量は、本明細書に記載される製剤中で単独でまたは組み合わせて投与することができる。これらの有効性成分含量は、本明細書において経皮投与システムに用いられる場合、各技術の薬剤充填量によってのみ限定される。本経皮製剤には、エストラジオール以外のエストロゲン原薬も、指示されたラベル用量またはそうでなければ医師により処方されたとおりに用いられ得る。
【0041】
従って、本経皮医薬製剤の薬剤充填量は、1日1部分、1日1枚、1日複数枚のパッチが、本明細書に記載される用量例を含む、1日に必要な用量を提供するのに必要ないずれかの量を含有することができる。
【0042】
可溶化プロゲステロンについての本開示のパッチの薬剤充填量としては、例えば限定なしに、パッチ当たり約10mg、12.5mg、20mg、25mg、30mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、および700mgが挙げられる。さらなる実施形態では、プロゲステロンの薬剤充填量は、1日当たり約10mg、20mg、30mg、100mg、200mg、300mg、400mg、および600mg以上である。
【0043】
さらなる実施形態では、1つ以上のエストロゲン原薬、一般的にはエストラジオール(すなわち、17β−エストラジオール)の薬剤充填量としては、例えば限定なしに、約0.01mg、0.025mg、0.05mg、0.0625mg、0.1mg、0.125mg、0.25mg、0.375mg、0.50mg、0.625mg、0.75mg、1.0mg、1.125mg、1.25mg、1.375mg、1.50mg、1.625mg、1.75mgおよび2.0mgが挙げられる。さらなる実施形態では、1つ以上のエストロゲン原薬の薬剤充填量は、1日当たり約0.01mg〜約0.1mg、約0.05mg〜約0.5mg、約0.1mg〜約1.0mg、約0.625mg〜約2.0mg、約0.5mg〜約2.0mg、約0.5mg〜約0.6mg、約0.01mg〜、および約0.05mg〜である。
【0044】
本開示のプロゲステロン製剤は、医薬的に許容可能な油とのブレンドによってプロゲステロン原薬を可溶化することにより調製され;一般的には、油は少なくとも1つの中鎖脂肪酸、例えば少なくとも1つのモノ、ジ、もしくはトリグリセリド、これらの誘導体、またはこれらの組み合わせからなる中鎖脂肪酸を含む。可溶化プロゲステロンを形成するには十分な油が用いられる。例えば限定なしに、抗酸化剤、透過性向上剤、結晶化阻害剤等を含む、他の賦形剤が任意で添加される。
【0045】
別の実施形態では、本開示によるパッチは閉経後の女性に3〜4日毎に投与され、エストラジオールおよびプロゲステロンについて下記の目標の吸収プロファイルをもたらし得る。エストラジオールについて、約30〜60pg/mLの目標の定常状態血清濃度が達成され得る。別の実施形態では、約45〜50pg/mLの目標の平均定常状態血清濃度が達成され得、これは閉経前の女性の初期卵胞期に見られる正常範囲に当たる。これらの濃度はパッチ投与後12〜24時間以内に達成され得る。パッチは、パッチ適用後、適用間隔にわたる一定のホルモン投与を示す、血清エストラジオール濃度の最小変動が達成されるように構成され得る。プロゲステロンについて、目標の平均定常状態血清濃度はパッチ投与システム後12〜24時間以内に達成され得る。
【0046】
他の態様および実施形態では、プロゲステロンは、例えば限定なしに、十分な量の:トランスクトールおよびミグリオール;トランスクトール、ミグリオール、ならびにキャプムルPG8および/またはPG10;キャプムルMCM;キャプムルMCMおよび非イオン性界面活性剤;ならびにキャプムルMCMおよびゲルシールを用いて完全に可溶化される。
【0047】
プロゲステロンの完全可溶化にはさまざまな比のこれらの油を用いることができる。キャプムルMCMおよび非イオン性界面活性剤は、例えば限定なしに:65:35、70:30、75:25、80:20、85:15および90:10を含む比で用いることができる。キャプムルMCMおよびゲルシールは、例えば限定なしに、6:4、7:3、8:2および9:1を含む比で用いることができる。他の組み合わせのなかでも、本明細書において定義されるような、これらの油および/または可溶化剤、ならびにこれらの組み合わせを用い、本開示のエストラジオールおよびプロゲステロンの複合製剤を形成することができる。ピーナッツ油を含まないことでピーナッツ系アレルギーを有する対象が負うリスクを排除する。
【0048】
医薬的に許容可能な油としては、限定なしに、カプロン脂肪酸;カプリル脂肪酸;カプリン脂肪酸;タウリン酸;ミリスチン酸;リノレン酸;コハク酸;グリセリン;モノ、ジ、またはトリグリセリド、これらの組み合わせおよび誘導体;ポリエチレングリコール;ポリエチレングリコールグリセリド(Gelucire(登録商標);GATTEFOSSE SAS、サン=プリースト、フランス);プロピレングリコール;カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(Miglyol(登録商標);SASOL Germany GMBH、ハンブルグ;ミグリオールとしてはミグリオール810、812、816および829が挙げられる);カプロン酸/カプリル酸/カプリン酸/ラウリン酸トリグリセリド;カプリル酸/カプリン酸/リノレン酸トリグリセリド;カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド;プロピレングリコールモノカプリレート;プロピレングリコールモノカプレート:(Capmul(登録商標)PG−8および10;キャプムルブランドはABITEC(オハイオ州コロンバス)が所有);プロピレングリコールジカプリレート;プロピレングリコールジカプレート;中鎖モノおよびジグリセリド(キャプムルMCM);ジエチレングリコールモノエステル(2−(2−エトキシエトキシ)エタノール:トランスクトールを含む);ジエチレングリコールモノエチルエーテル;飽和ココナッツおよびパーム核油のエステルおよびこれらの誘導体;分留植物脂肪酸のトリグリセリド、これらの組み合わせおよび誘導体の少なくとも1つの使用が挙げられる。
【0049】
プロゲステロンおよびエストロゲン、とくにエストラジオールは、可溶化を促進するため微粒子化してもよい。プロゲステロンおよびエストロゲンは、当業者により一般的に用いられる複数の方法のいずれか1つにより微粒子化してもよい。さまざまな実施形態では、微粒子化プロゲステロンは約15ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、および/または約3ミクロン未満のX50粒径値を有する。さまざまな実施形態では、微粒子化プロゲステロンは約25ミクロン未満、約20ミクロン未満、および/または約15ミクロン未満のX90粒径値を有する。さまざまな実施形態では、微粒子化エストラジオールは約10ミクロン未満、約8ミクロン未満、および/または約7ミクロン未満のX90粒径値を有する。
【0050】
粒径はいずれかの適切な方法で測定してもよい。例えば、ベックマン・コールターLS13320レーザー回析式粒度分布測定装置(「ベックマン装置」)を用いて粒径を測定してもよい。上述したように、粒径はさまざまなメトリクス、例えば、X50粒径、および/もしくはX90粒径、または同様の粒径の記載によって表され得る。
【0051】
さまざまな実施形態では、少なくとも1つのエストロゲン原薬、一般的にはエストラジオールは可溶化した後、可溶化プロゲステロンと組み合わされ、または本明細書において教示されるようにプロゲステロンと共可溶化してもよい。
【0052】
さまざまな実施形態では、エストロゲン原薬、一般的にはエストラジオールの可溶化剤は、溶媒または共溶媒の少なくとも1つから選択される。適切な溶媒および共溶媒としては、いずれかのモノ、ジまたはトリグリセリドおよびグリコール、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。より具体的に、他の可溶化剤としては、例えば限定なしに、グリセリルモノおよびジカプリレート、プロピレングリコールならびに1,2,3−プロパントリオール(グリセロール、グリセリン)が挙げられる。
【0053】
可溶化プロゲステロンまたはこうしたプロゲステロンおよび少なくとも1つの可溶化エストロゲン原薬の組み合わせを含有する現在開示されている製剤の他の実施形態には、アニオン性および/または非イオン性界面活性剤を用いることができる。特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤が用いられる。例となる非イオン性界面活性剤としては、例えば限定なしに、オレイン酸、リノレン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸の1つ以上が挙げられ得る。さらなる実施形態では、非イオン性界面活性剤は、商標TWEEN80(登録商標)で市販されるポリソルベート80(Sigma Aldrich、ミズーリ州セントルイス)を含む、ポリエチレンソルビトールエステルを含み得る。ポリソルベート80は約60%〜70%のオレイン酸を含み、残部は主にリノレン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸を含む。ポリソルベート80は製剤総質量の約5〜50%の範囲内、特定の実施形態では約30%の量で用いてもよい。
【0054】
さまざまな他の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、長鎖脂肪酸のグリセロールおよびポリエチレングリコールエステル、例えば、ゲルシール39/01、43/01、44/11および50/13を含む、ゲルシールとして市販される、例えば、ラウロイルマクロゴール−32グリセリドおよび/またはラウロイルポリオキシル−32グリセリドの1つ以上から選択される。これらの界面活性剤は約0.01%より大きな濃度で、いくつかの実施形態では約0.01%〜10.0%、10.1%〜20%、および20.1%〜30%の量で用いてもよい。
【0055】
他の例となる非イオン性界面活性剤としては、PEG−6パルミトステアレートおよびTEFOSE63(登録商標)(「テフォス63」)(GATTEFOSSE SAS、サン=プリースト、フランス)として市販され、例えば、キャプムルMCMと、例えば、8:2および9:1のMCM:テフォス63の比で用いることができるエチレングリコールパルミトステアレートが挙げられる。可溶化剤と非イオン性界面活性剤の追加の例としては、例えば、ミグリオール:ゲルシール50/13およびミグリオール:テフォス63が挙げられる。
【0056】
アニオン性界面活性剤は周知であり、例えば限定なしに:ラウリル硫酸アンモニウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ペルフルオロオクタン硫酸、ラウリル硫酸カリウムおよびステアリン酸ナトリウムを挙げることができる。
【0057】
このようなものとして、非イオン性および/またはアニオン性界面活性剤は単独でもしくは少なくとも1つの可溶化剤と用いることができ、または他の界面活性剤と組み合わせて用いることができる。従って、可溶化プロゲステロン原薬;可溶化エストロゲン原薬;または任意で可溶化プロゲステロン原薬と少なくとも1つのエストロゲン原薬を、本開示の経皮パッチからの放出後、可溶化プロゲステロン原薬および可溶化エストロゲン原薬、または任意で可溶化プロゲステロン原薬とエストロゲン原薬の経皮吸収を促進する一貫した溶解および/または送達によって提供するのに、こうした界面活性剤、または本明細書に記載されるようないずれかの他の賦形剤が用いられるべきである。
【0058】
追加の実施形態では、抗酸化剤が用いられる。例えば限定なしにブチル化ヒドロキシトルエンのような、いずれかの適切な抗酸化剤を用いてもよい。
【0059】
透過性向上剤は、皮膚を通した原薬の流動を増加させる化学物質である。これらの物質としては、例えば、ジプロピレンまたはプロピレングリコールのようなさまざまなグリコール、オリーブ油、スクアレンまたはラノリンのような油、長鎖エーテルおよびエステル、尿素およびさまざまな尿素誘導体、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびジメチルホルムアミド(DMF)のような溶媒、サリチル酸、さまざまなアミノ酸、ビタミンC、ビタミンA、およびビタミンE、等が挙げられ得る。
【0060】
中間製剤(例えば、製造中、可溶化中)および本明細書に記載の得られた経皮薬剤製品の製造中に用いられる、すべての油、可溶化剤、賦形剤、抗酸化剤、透過性向上剤、結晶化阻害剤およびいずれかの他の添加剤について、それぞれは医薬的に許容可能であるべきである。
【0061】
本明細書における実施形態は、可溶化プロゲステロン経皮パッチの調製および使用を提供する。こうしたパッチは、単独で、またはさまざまな剤形によっておよびさまざまな投与経路によって投与することができる、エストロゲン原薬との併用投与として用いることができる。こうしたパッチは、可溶化プロゲステロンおよび少なくとも1つの可溶化エストロゲン原薬を共投与することもできる。
【0062】
本開示による経皮パッチのパッチ表面積は、所望の放出時間に必要な用量濃度、実際の放出機構、および形状に応じて変わるだろう。経皮パッチ表面積は、例えば限定なしに、約10cm未満〜約100cm超の範囲とすることができる。例えば、経皮パッチは約2.0cm、2.5cm、3.0cm、3.5cm、4.0cm、4.5cm、5.0cm、5.5cm、6.0cm、6.5cm、7.0cm、7.5cm、8.0cm、8.5cm、9.0cm、9.5cm、または約10cmであってもよい。さまざまな実施形態では、パッチの表面積は約9cm〜約16cmであってもよい。
【0063】
本開示の経皮パッチは、例えば、接着剤マトリックス、ポリマーマトリックス、リザーバーパッチ、マトリックスもしくはモノリス型積層構造、または当技術分野において知られる他の放出速度調節機構のような、いずれかの従来の形態を含むことができ、一般的には1つ以上のバッキング層、接着剤、透過促進剤、任意の速度制御膜および適用前に接着剤を露出するため取り外される剥離ライナーで構成される。ポリマーマトリックスパッチはポリマーマトリックス形成材料も含む。
【0064】
本開示の製剤を投与するのに、例えば、リポソーム、マイクロバブル、エマルジョン、マイクロ粒子、マイクロカプセル、ナノ粒子、マイクロニードル等への封入を含む、さまざまな送達システムを用いることができる。
【0065】
本明細書に記載される追加の実施形態によると、経皮パッチの28日または1ヶ月のレジームは、とりわけ、コンプライアンスを向上し、関連症状を低減するため、投与日を記載した単一のキットに包装することができる。経皮パッチの1つ以上は、例えば、エストラジオール、および/またはプロゲステロンを含有しない場合があり得る。エストロゲンまたはプロゲステロン原薬を含まない経皮パッチはプラセボと称され得る。
【0066】
可溶化プロゲステロンを含有する本開示の経皮投与製剤は、子宮内膜増殖症、続発性無月経および補充プロゲステロンで治療される他の病態の治療に用いられる。一般的には、本明細書に記載されるプロゲステロン含有製剤は、単独でまたは本開示の可溶化エストラジオールもしくは他のエストロゲン含有製剤と組み合わせて投与されるかにかかわらず、補充エストロゲンの投与の効果に対処するのに用いられる。
【0067】
可溶化エストラジオールを含有する本開示の経皮投与製剤は、血管運動症状、例えば限定なしに、顔面紅潮および寝汗(血管運動症状)、睡眠障害、気分変動、外陰膣萎縮を含む、例えば、低エストロゲン症関連症状、ならびに骨粗鬆症および補充エストロゲンで治療される他の非閉経期病態を含む、エストロゲン欠乏状態を治療するのに用いられる。
【0068】
本開示のさまざまな目的は、プロゲステロンおよびエストラジオールの両方を有する単一の製品キットにおける使いやすさにより患者コンプライアンスの向上を提供すること、ならびに例えば、脳卒中、心臓発作、血栓および乳癌を含む、複合HRT(酢酸ノルエチンドロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、等)における一般的に用いられる合成プロゲスチンの代謝および血管副作用を低減することである。
【0069】
図1は、バッキング層13、活性ホルモンを含有する接着剤マトリックス11、および取り外し可能な剥離層12を含むパッチ10の断面図を示す。図1における矢印は原薬の移動方向を示す。
【0070】
図2は、切り取り線または切り口42に沿って分割可能な剥離層4、ならびに活性接着剤層1および2を含むパッチの別の実施形態を示す。
【0071】
図3は、液体リザーバー型経皮送達デバイスのある実施形態の断面図を示す。デバイスはハウジング2、多孔質層3、取り外し可能な封止フィルム4、および活性ホルモンを含有する液体組成物1を含む。図3における矢印5は原薬の移動方向を示す。
【0072】
さまざまな実施形態では、システムは1週間着用することができ、他のものは3〜4日間(例えば、1週間当たり約2システム)着用することができる。また他のものは3〜4日より短い(例えば、1日)、または1週間より長い(例えば、2〜4週間)、他の期間着用されるように構成することができる。
【0073】
さまざまな実施形態によると、複数の経皮システムは、周期/間欠または連続併用にかかわらず、一緒に包装することができる。包装は、意図したサイクルを通して;例えば意図した投与サイクル内での適用日および/または週を通して、経皮システムの適用を指導するようにさらに構成された包装システム(「順序制御デバイス」)を含んでもよい。こうした順序制御デバイスは、他の利点のなかでも、患者コンプライアンスの向上を提供し、関連症状を低減する。例として、さまざまな実施形態によると、経皮システムの28日または1ヶ月のレジームは、適用日および/または週が記載された順序制御デバイスに包装することができる。他の実施形態によると、経皮システムの28日または1ヶ月のレジームは、複数の、例えば、2つまたは4つの順序制御デバイスに包装することができる。
【0074】
さまざまな順序制御デバイスを経皮システムとともに用い、キットを構築してもよい。例となる順序制御デバイスは、複数の保存エレメントを含み、各保存エレメントは1日以上の期間に対応し、各保存エレメントはその中に対応する期間(例えば、対応する期間の第1日目)の適用のための1つ以上の経皮システムを封入する。保存エレメントは、その中に1つ以上の経皮システムを封入するための、ブリスター、ラミネート、または別の気密構成を含んでもよい。
【0075】
例となる順序制御デバイスは、保存エレメント間に配置された複数のスペーサーエレメントも任意で含むことができ、各スペーサーエレメントは新しい経皮システムの適用が処方されていない1日以上に対応する。スペーサーエレメントはプラセボ経皮システムまたは経皮システムの非存在に対応し得る。スペーサーエレメントは、1つの保存エレメントが1日に対応し、封入された経皮システムが1日以上の期間着用されるように構成された実施形態にとくに有用であり得る。
【0076】
例となる順序制御デバイスは、共通の基質に間欠的に連結され、その上で横および/または縦に隣接するように配置された保存エレメント、(および任意のスペーサーエレメント)を含むことができる。
【0077】
さらに、またはあるいは、例となる順序制御デバイスは、間欠的に積み重ねられた保存エレメント(および任意のスペーサーエレメント)を含むことができる。こうした積み重ねられたエレメントの順序はさまざまな方法で維持することができ、例えば、積み重ねられたエレメントのそれぞれはその縁部の1つで共通の基質に連結され、または積み重ねられたエレメントは、一度に単一の保存またはスペーサーエレメントを分配するのに十分なだけ開くように構成された分配縁部を有する容器内に含まれる。こうした実施形態では、積み重ねられたエレメントは、例えば、機械的に、または分配縁部が順序制御デバイスの底部にある場合は重力の影響下で単純に、分配縁部に向かって偏っている。
【0078】
例えば、図4は、順序制御デバイスに包装された経皮システムの28日周期/間欠エストロゲン(「E」)プロゲステロン(「P」)レジームを示し、保存エレメントは共通の基質上で横および縦にさまざまに隣接するように間欠的に配置される。基質は隣接エレメント間に複数の切り込み、切り取り線または仕切りを含むことができる。この実施形態では、経皮システムは3〜4日間着用されるように構成され、各保存エレメントは場合に応じて3〜4日の期間に対応する。
【0079】
図4と同様に、図5は、順序制御デバイスに包装された経皮システムの別の28日周期/間欠エストロゲン(「E」)プロゲステロン(「P」)レジームを示し、保存およびスペーサーエレメントは共通の基質上で横および縦にさまざまに隣接するように間欠的に配置される。上記のように、基質は隣接エレメント間に複数の切り込み、切り取り線または仕切りを含むことができる。この実施形態では、経皮システムは3〜4日間着用されるように構成され、各保存エレメントは1日に対応する。
【0080】
図6は、順序制御デバイスに包装された経皮システムの28日周期/間欠エストロゲン(「E」)プロゲステロン(「P」)レジームの別の実施形態を示し、保存およびスペーサーエレメントは間欠的に積み重ねられ、積み重ねられたエレメントは一度に単一の保存またはスペーサーエレメントを分配するのに十分なだけ底部が開くように構成された分配縁部を有する容器内に含まれる。この実施形態では、積み重ねられたエレメントは重力の影響下で分配縁部に向かって偏っている。上記のように、この実施形態では、経皮システムは3〜4日間着用されるように構成され、各保存エレメントは1日に対応する。
【0081】
図7は、順序制御デバイスに包装された経皮システムの28日周期/間欠エストロゲン(「E」)プロゲステロン(「P」)レジームの別の実施形態を示し、保存エレメントは間欠的に積み重ねられ、積み重ねられたエレメントのそれぞれはその縁部の1つで共通の基質に連結される。この実施形態では、経皮システムは1週間着用されるように構成され、各保存エレメントは1日に対応する。
【実施例】
【0082】
下記の実施例は、経皮HRT、とくにNHRTのための、可溶化プロゲステロンおよびエストラジオールの製剤、接着剤の組成物、液体マトリックス組成物、ならびに可溶化プロゲステロンおよびエストラジオールを組み入れる、リザーバー技術を示す。実施例は、経皮パッチの調製のための接着剤組成物のさまざまなサイズの剥離層上への目標の充填を示す。実施例は、任意でエストラジオールを含む、可溶化プロゲステロンの液体組成物の、液体経皮送達システムに使用可能なリザーバーへの例となる充填をさらに示す。本明細書に記載されるマトリックスのいずれかから送達された皮膚を通るプロゲステロンおよびエストラジオールの流動はさまざまな範囲内;1つの実施形態では、約0.1〜約20μg/cm/時間の範囲内であり得る。流動はマトリックスのタイプ、すなわち、接着剤または液体組成物、非活性成分、透過促進剤、放出速度調節機構、結晶化阻害剤の含包、および哺乳類、一般的にはヒト対象の生理機能によって決まる。
【0083】
(実施例1−任意のエストラジオールを含む可溶化プロゲステロンのマスターバッチ)
表Aは例となる可溶化プロゲステロン製剤を示す。例となる配合は、さまざまな可溶化剤を加熱した後、微粒子化プロゲステロンおよび任意でエストラジオールを加熱された混合物に添加することにより調製される。例えば、キャプムルMCMを30℃〜50℃、より好適には35℃〜45℃、より好適には40℃±2℃まで加熱する。ゲルシール44/14をキャプムルMCMに添加し、溶解するまで混合する。添加はすべて一度で行い、時間をかけて部分に分けてもよい。熱は必要な可溶化剤の混合中に連続的に加える。加熱および混合は不活性または比較的不活性なガス雰囲気下で行う。この実施例では、窒素ガス(N)が用いられる。混合および/または加熱はいずれかの適切な水中ミキサーを備えたステンレス鋼容器のようないずれかの適切な容器において行い、任意で真空を加えても加えなくてもよい。
【0084】
【表A】
【0085】
(実施例2−パッチ接着剤送達マトリックス)
表Bは、適切なポリマーを混合した後、表Aからの可溶化プロゲステロン配合にゆっくり混合することにより調製された接着剤マトリックスを示す。シリコーン流体、低分子量アルコール、グリコールまたはエーテルのような揮発性溶媒を添加し、接着剤組成物の粘度および乾燥接着剤の粘着性を調節する。エストラジオールのようないずれかの追加の原薬を混合物に添加する。原薬を含有する得られた接着剤混合物を用い、さまざまな経皮製品を製造する。
【0086】
適切なポリマーのなかでも、可溶化エストラジオールおよびプロゲステロンを含む、感圧接着剤(PSA)マトリックスに好適なポリマーは、Dow Corning Corporation(ミシガン州ミッドランド)からのポリシロキサンPSA、ポリアクリレート、ポリイソブチレン、ポリビニルピロリドン、およびポリエチレン/酢酸ビニルコポリマーを含む。適切な接着剤マトリックスは、追加のポリマーの必要性のない医療シリコーンPSAから形成される。
【0087】
【表B】
【0088】
なお、表Aの組成物は予め添加されたエストラジオールを有するので、追加のエストラジオールは上記接着剤マトリックスには添加されない。
【0089】
(実施例3−経皮パッチ)
表Cは、表Bに例示された接着剤マトリックスをベースとする経皮送達システムを示す。これらの例となる経皮パッチを調製するため、表Bからの例となる組成物を剥離ライナー上に塗布する。得られた製品を必要に応じて乾燥させ、いずれかの揮発性物質を除去する。最後に、適切なバッキング材料を、接着剤マトリックスが剥離ライナーとバッキング材料との間に挟まれるように適用する。適切な剥離ライナーはDow Chemical Co.(ルイジアナ州プラクミン)および3M(ミネソタ州セントポール)から入手可能である。適切なバッキング材料は、ポリエチレンのプラスチックフィルム、酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、等、または金属箔、不織布織物、布、およびさまざまなラミネートフィルムを含んでいてもよい。
【0090】
得られたパッチシステムは、単独のプロゲステロン、プロゲステロンおよびエストラジオールの組み合わせ、または単独のエストラジオールを送達する。
【0091】
【表C】
【0092】
(実施例4−液体経皮送達マトリックス)
表Dは、液体経皮リザーバーに使用可能な例となる組成物を示す。例示された組成物は、表Aの可溶化プロゲステロンおよびエストラジオールの製剤を示されたとおり組み入れる。メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、デンプン、カラゲナン、およびペクチンのような1つ以上の糖類を用いる。組成物は、キサンタンまたはグアーのようなガム、低分子量グリコール、および防腐剤をさらに含む。
【0093】
表Dの実施例は、図3において一般化された実施形態のような送達システムに組み入れることができる。
【0094】
【表D】
【0095】
(実施例5−粒径分析)
微粒子化エストラジオールの粒径分析を、ベックマン・コールターLS13320レーザー回析粒径分析装置(「ベックマン装置」)を用いて行った。ベックマン装置はレーザー回析および偏光強度微分散乱(PIDS)技術を用い、外挿なしで単一のスキャンにおいて0.04μm〜2000μmの全体的なサイズ範囲を有する材料の粒径分布を測定した。分析は、試料が2.652ミクロンのX50値および6.031ミクロンのX90値を有するという結果をもたらす。
【0096】
約0.01gの試料をコールター1B分散剤で分散させた後、約10mlの脱イオン水で希釈した。試料希釈物を次に15秒間超音波処理し、ベックマン装置に添加し、90秒間分析した。粒径分布をフラウンホーファー光学モデルを用いて測定した。
【0097】
(実施例6−粒径分析)
微粒子化プロゲステロンの粒径分析を同様にベックマン装置を用いて行った。試料を調製し、分析した。ベックマン装置粒子センサーは、試料が6.67ミクロンのX50、14.78ミクロンのX75、および2.193ミクロンのX25を有するという結果をもたらす。
【0098】
本開示の精神または範囲を逸脱することなく、本開示にさまざまな変更および変形を行うことができることは、当業者には明らかであるだろう。すなわち、本開示は、それらが添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲に該当する場合、本開示の変更および変形を含むことを意図している。
【0099】
同様に、製剤、デバイスおよび/または方法の構造および機能の詳細とともにさまざまな代替物を含む、多数の特徴および利点が本明細書に記載された。本開示は例示的であることのみを意図し、そのようなものとして包括的であることを意図しない。とくに本開示の原理内での組み合わせを含む部分の構造、材料、エレメント、コンポーネント、形状、サイズおよび配置の事項において、添付の特許請求の範囲が表される用語の広い一般的な意味により示される最大限の程度まで、さまざまな変更を行ってもよいことは、当業者には明らかであるだろう。これらのさまざまな変更が添付の特許請求の範囲の精神および範囲を逸脱しない程度まで、それらはその中に含まれることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7