(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1管材は、前記第1出口ポートに設けられた第1接続具と、前記制御バルブの入口ポートに設けられた接続管と、前記第1接続具と前記接続管とを接続する管継手とを有している、請求項2に記載の作業機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る作業機について、適宜図面を参照しながら説明する。
図17は本発明に係る作業機1の全体構成を示す概略図であり、旋回作業機であるバックホーが例示されている。
作業機1は、下部の走行装置2と、上部の機体(旋回体)3とを有している。
機体3上にはキャビン12が搭載されている。
図16に示すように、キャビン12内には運転席4が設けられている。本発明の実施形態において、作業機1の運転席4に着座した運転者の前側(
図17の左側)を前方、運転者の後側(
図17の右側)を後方、運転者の左側(
図17の手前側)を左方、運転者の右側(
図17の奥側)を右方として説明する。また、前後方向K1に直交する方向である水平方向K2(
図16参照)を機体幅方向として説明する。また、機体2の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体2から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって、機体2に近づく方向である。
【0013】
走行装置2は、機体3の左側と右側に設けられたクローラ式走行装置から構成されている。左側の走行装置2は、左側の走行モータMLにより駆動される。右側の走行装置2は、右側の走行モータMRにより駆動される。
走行装置2の前部には、ドーザ装置7が装着されている。ドーザ装置7は、支持腕8とブレード9とドーザシリンダC1とを有している。ドーザシリンダC1は、走行装置2の前部と支持腕8とを連結している。ブレード9は支持腕8の前部に装着されている。ドーザ装置7は、ドーザシリンダC1を伸縮することによって、支持腕8及びブレード9を昇降させることができる。
【0014】
機体3は、走行装置2上に旋回ベアリングを介して縦軸回りに旋回自在に支持された旋回台5を備えている。旋回台5は、旋回モータMTによって旋回駆動される。旋回台5の後部上方は、ボンネット10によって覆われている。旋回台5の右側の上方は、側部カバー11によって覆われている。
旋回台5上の左部には、キャビン12が搭載されている。旋回台5は、機体幅方向中央のやや右寄りの前部に支持ブラケット13を備えている。支持ブラケット13には、掘削装置6が取り付けられている。
【0015】
掘削装置6は、スイングブラケット14と、ブーム15と、アーム16と、バケット17とを有している。スイングブラケット14は、支持ブラケット13に縦軸回りに揺動自
在に支持されている。ブーム15の基部は、スイングブラケット14に横軸回りに回動自在に枢着されて、上下に揺動自在に支持されている。アーム16は、ブーム15の先端側に横軸回りに回動自在に枢着されて前後に揺動自在に支持されている。バケット17は、アーム16の先端側にスクイ・ダンプ動作可能に設けられている。作業機1は、バケット17に代えて或いは加えて、油圧により駆動可能な他の作業具(以下、油圧アタッチメントという)を装着することができるように構成されている。油圧アタッチメントとしては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等が例示できる。
【0016】
スイングブラケット14は、旋回台5内に備えられたスイングシリンダC2の伸縮によって揺動自在とされている。ブーム15は、該ブーム15とスイングブラケット14との間に介装されたブームシリンダC3の伸縮によって揺動自在とされている。アーム16は、該アーム16とブーム15との間に介装されたアームシリンダC4の伸縮によって揺動自在とされている。バケット17は、該バケット17とアーム16との間に介装されたバケットシリンダC5の伸縮によってスクイ・ダンプ動作自在とされている。ドーザシリンダC1、スイングシリンダC2、ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5は、油圧シリンダ(油圧機器)によって構成されている。
【0017】
尚、ブーム15及びドーザ装置7については、異なる仕様に変更することができる。
ブーム15は、ツーピース仕様に変更することができる。ツーピース仕様とは、ブーム15を前ブームと後ブームの2部材で構成し、前ブームと後ブームの連結部で折り曲げ可能とした仕様である。ツーピース仕様の場合は、ブームシリンダC3とは別に、ブーム15を中途部で折り曲げる動作を行うためのブームシリンダ(第2ブームシリンダという)が追加で装着される。
【0018】
ドーザ装置7は、A/D(アングルドーザ)仕様に変更することができる。A/D仕様とは、ドーザ装置7のアングル動作(左方及び右方への揺動)を可能とした仕様である。A/D仕様の場合は、ドーザシリンダC1とは別に、アングル動作のためのアングルシリンダが追加で装着される。
旋回台5は、旋回基板30と、ステップ20とを有している。旋回基板30は、旋回ベアリングに連結される厚板からなる。ステップ20は、旋回基板30の上方に間隔をおいて配置されている。ステップ20上には、運転席4が配置されている。
【0019】
図3、
図16に示す如く、旋回基板30上には、左側の縦リブ31Lと右側の縦リブ31Rが設けられている。縦リブ31L、31Rは、機体幅方向ほぼ中途部を前部から後部に向けて延びている。縦リブ31L、31Rの前端部は、旋回基板30の前端部より前方に突出している。縦リブ31L、31Rの前端部の間には支持ブラケット13が設けられている。左側の縦リブ31Lは、機体3の回転中心を前後方向に通過して旋回基板30上を前後方向に延びている。右側の縦リブ31Rは、旋回基板30の前方の機体幅方向やや右寄りから右斜め後方に向けて延びている。右側の縦リブ31Rは、支持ブラケット13の後方に、上縁部が下方に向けて切り欠かれた切欠部32を有している。
【0020】
旋回基板30の右寄り前部には、スイングシリンダC2の一端部が連結されている。スイングシリンダC2の他端部は、スイングブラケット14と連結されている。
図16に示すように、旋回台5上には、エンジンルームS1とタンクルームS2が形成されている。エンジンルームS1はボンネット10により覆われている。タンクルームS2は側部カバー11により覆われている。
【0021】
エンジンルーム内S1には、エンジンEが配置されている。エンジンEは、旋回基板30上にクランク軸を機体幅方向に向けて設けられている。エンジンEの右側には、ラジエータ18が配置されている。ラジエータ18の右側には、オイルクーラ19が配置されている。エンジンEの左側には、油圧ポンプ21が配置されている。油圧ポンプ21は、エンジンEにより駆動される。油圧ポンプ21は、前記油圧機器を作動させる作動油の供給用の第1ポンプと、パイロット油の供給用の第2ポンプとを有している。
【0022】
タンクルームS2内であって、ラジエータ18及びオイルクーラ19の前方には、作動油タンク22が配置されている。作動油タンク22は、前記油圧機器に供給する作動油を
貯留する。
図2、
図3に示すように、作動油タンク22は、上下方向に長い直方体形状の本体部22aと、この本体部22aの前下部から前方に延出した延出部22bとを有し、側面視でL字状に形成されている。作動油タンク22の前方には、燃料タンク23が配置されている。燃料タンク23は、エンジンEに供給するための燃料を貯留する。作動油タンク22の左部及び燃料タンク23の左部は、右側の縦リブ31Rに形成された切欠部32の上方に位置している。
【0023】
作動油タンク22の前部の右側且つ燃料タンク23の後部の右側には、バッテリ24が配置されている。バッテリ24の上方には、バルブユニットVUが配置されている。
図8、
図11に示すように、バルブユニットVUは、前記油圧機器に供給する作動油を制御する制御バルブV1〜V13、圧油取入れ用のインレットブロックB2、圧油排出用の第1アウトレットブロックB1及び第2アウトレットブロックB3を一体化している。制御バルブV1〜V13、インレットブロックB2、第1アウトレットブロックB1及び第2アウトレットブロックB3は、水平方向に並んで配置されている。即ち、バルブユニットVUは横置きに配置されている。制御バルブV1〜V13は、長手方向(スプールの操作方向)に直交する方向(前後方向)に並んでいる。
【0024】
本実施形態では、制御バルブV1は、スイングシリンダC2を制御するスイング用制御バルブである。制御バルブV2は、前記油圧アタッチメントを制御するSP用第1制御バルブである。制御バルブV3は、旋回モータMTを制御する旋回用制御バルブである。制御バルブV4は、ブームシリンダC3を制御するブーム用制御バルブである。制御バルブV5は、前記第2ブームシリンダを制御するツーピース仕様用制御バルブである。制御バルブV6は、バケットシリンダC5を制御するバケット用制御バルブである。制御バルブV7は、アームシリンダC4を制御するアーム用制御バルブである。制御バルブV8は、前記油圧アタッチメントを制御するSP用第2制御バルブである。制御バルブV9は、ドーザシリンダを制御するドーザ用第2制御バルブである。制御バルブV10は、右側の走行装置5の走行モータMRを制御する走行右用制御バルブである。制御バルブV11は、PPS(Pressure of Pump Sensing)信号圧及びPLS(Pressure of Load Sensing)信号圧用のPPS/PLS用制御バルブである。制御バルブV12は、左側の走行装置5の走行モータMRを制御する走行左用制御バルブである。制御バルブV13は、ドーザシリンダを制御するドーザ用第1制御バルブである。
【0025】
本実施形態では、前方から順に、第1アウトレットブロックB1、スイング用制御バルブV1、SP用第1制御バルブV2、旋回用制御バルブV3、ブーム用制御バルブV4、ツーピース仕様用制御バルブV5、バケット用制御バルブV6、アーム用制御バルブV7、SP用第2制御バルブV8、ドーザ用第2制御バルブV9、走行右用制御バルブV10、インレットブロックB2、PPS/PLS用制御バルブV11、走行左用制御バルブV12、ドーザ用第1制御バルブV13、第2アウトレットブロックB3の順に並んでいる。
【0026】
尚、バルブユニットVUを構成する制御バルブの数や種類は、作業機1の仕様によって変更可能である。ツーピース仕様用制御バルブV5は、前記ツーピース仕様の場合に用いられるバルブであって標準仕様の場合には用いられない。つまり、標準仕様の場合は、制御バルブの連数(セクション数)が1つ少なくなる。また、前記A/D仕様の場合は、ツーピース仕様用制御バルブV5に代えて、前記アングルシリンダを制御するA/D仕様用制御バルブが用いられる。
【0027】
スイング用制御バルブV1、SP用第1制御バルブV2、旋回用制御バルブV3、ブーム用制御バルブV4、ツーピース仕様用制御バルブV5、バケット用制御バルブV6、SP用第2制御バルブV8、走行右用制御バルブV10、走行左用制御バルブV12、ドーザ用第1制御バルブV13、第2アウトレットブロックB3には、それぞれ機体外方側(右側)に接続部が設けられている。
図4、
図8に示すように、各接続部には、油圧管としてのパイロットホース(パイロット圧用の油圧ホース)を接続するための接続管J1〜J6,J8,J10,J12,J13,JB3が接続されている。各接続管は、各接続部から下方に屈曲されてからバルブユニットVUの下方を機体内方(左方)に向けて延びてい
る。接続管J1〜J6,J8,J10のバルブユニットVUの下方部分は、機体幅方向と平行に延びている。接続管J12,J13,JB3のバルブユニットVUの下方部分は、後述する第2ブラケット36と略平行に、機体内方に向かうにつれて前方に向かうように斜めに延びている。
【0028】
図4に示すように、スイング用制御バルブV1に接続された接続管J1には、スイング用パイロットバルブと接続するためのパイロットホースH1が接続される。SP用第1制御バルブV2に接続された接続管J2には、SP用パイロットバルブと接続するためのパイロットホースH2が接続される。旋回用制御バルブV3に接続された接続管J3には、旋回・アーム用パイロットバルブと接続するためのパイロットホースH3が接続される。ブーム用制御バルブV4に接続された接続管J4には、ブーム・バケット用パイロットバルブと接続するためのパイロットホースH4が接続される。ツーピース仕様用制御バルブV5に接続された接続管J5には、ブーム・バケット用パイロットバルブと接続するためのパイロットホースH5が接続される。バケット用制御バルブV6に接続された接続管J6には、ブーム・バケット用パイロットバルブと接続するためのパイロットホースH6が接続される。SP用第2制御バルブV8に接続された接続管J8には、SP用パイロットバルブと接続するためのパイロットホースH8が接続される。走行右用制御バルブV10には、走行用パイロットバルブと接続するためのパイロットホースH10が接続される。走行左用制御バルブV12には、走行用パイロットバルブと接続するためのパイロットホースH12が接続される。ドーザ用第1制御バルブV13には、ドーザ用パイロットバルブと接続するためのパイロットホースH13が接続される。第2アウトレットブロックB3には、パイロットホースHB3が接続される。
【0029】
図16に示すように、運転席4の左側及び右側には、操作レバー25L,25Rが設けられている。各操作レバー25L,25Rは、当該操作レバーによって操作されるパイロットバルブ(図示略)と接続されている。
左側の操作レバー25Lに取り付けられたパイロットバルブは、旋回・アーム用パイロットバルブである。旋回・アーム用パイロットバルブは、パイロットホースH3,H7を介して、旋回用制御バルブV3及びアーム用制御バルブV7と接続されている。旋回・アーム用パイロットバルブは、左側の操作レバー25Lによって操作されることで、旋回用制御バルブV3及びアーム用制御バルブV7を操作する。
【0030】
右側の操作レバー25Rに取り付けられたパイロットバルブは、ブーム・バケット用パイロットバルブである。ブーム・バケット用パイロットバルブは、パイロットホースH4,H6を介して、ブーム用制御バルブV4及びバケット用制御バルブV6と接続されている。ブーム・バケット用パイロットバルブは、右側の操作レバー25Rによって操作されることで、ブーム用制御バルブV4及びバケット用制御バルブV6を操作する。
【0031】
運転席4の右側には、ドーザレバー26が設けられている。ドーザレバー26は、ドーザ装置7を操作するレバーである。ドーザレバー26は、当該レバーによって操作されるドーザ用パイロットバルブと接続されている。ドーザ用パイロットバルブは、パイロットホースH13を介してドーザ用第1制御バルブV13と接続されている。
運転席4の前方には、走行レバー54L,54R、スイングペダル56及びSPペダル57が設けられている。左側の走行レバー54Lは、左側の走行装置2を操作するレバーである。右側の走行レバー54Rは、右側の走行装置2を操作するレバーである。スイングペダル56は、スイングブラケット17を揺動操作するペダルである。SPペダル57は、バケット20の代わりに装着される油圧アタッチメントを操作するペダルである。
【0032】
走行レバー54L,54Rは、運転席4の前方に配置されている。走行レバー54L,54Rは、ステップ20の下方にある走行用パイロットバルブと接続されている。走行用パイロットバルブは、パイロットホースH10,H12を介して、走行右用制御バルブV10及び走行左用制御バルブV12と接続されている。走行用パイロットバルブは、左右の走行レバー54L,54Rによって操作されることで、走行右用制御バルブV10及び走行左用制御バルブV12を制御する。運転席4の前方には、走行ペダル55L,55Rが設けられており、走行ペダル55L,55Rによっても走行装置2を操作できるように
なっている。
【0033】
スイングペダル56は、走行レバー54L,54Rの右方に配置されている。スイングペダル56は、ステップ20の下方にあるスイング用パイロットバルブと接続されている。スイング用パイロットバルブは、パイロットホースH1を介して、スイング用制御バルブV1と接続されている。スイング用パイロットバルブは、スイングペダル56によって操作されることでスイング用制御バルブV1を制御する。
【0034】
SPペダル57は、走行レバー54L,54Rの左方に配置されている。SPペダル57は、ステップ20の下方にあるSP用パイロットバルブ(図示略)と接続されている。SP用パイロットバルブは、パイロットホースH2、H8を介して、SP用第1制御バルブV2及びSP用第2制御バルブV8と接続されている。SP用パイロットバルブは、SPペダル57によって操作されることで、SP用第1制御バルブV2及びSP用第2制御バルブV8を制御する。
【0035】
図2,
図8等に示すように、バッテリ24は、支持台27により旋回基板30上に支持されている。支持台27は、前脚部27A、後脚部27B、下板部27C、前板部27D、後板部27E、背板部27F、前上板部27G、後上板部27Hを有している。前脚部27Aと後脚部27Bとは前後に離間して配置されており、下端部が旋回基板30上に固定されている。下板部27Cは、バッテリ24が載置される部分であって、前脚部27Aと後脚部27Bとにわたって旋回基板30と平行に設けられている。前板部27Dは、前脚部27Aの上方であってバッテリ24の前方に設けられている。後板部27Eは、後脚部27Bの上方であってバッテリ24の後方に設けられている。背板部27Fは、バッテリ24の左方(機体内方)に設けられており、前板部27D、後板部27E及び下板部27Cの左縁を繋いでいる。背板部27Fには、略U字状の切欠き27Iが形成されている。前上板部27Gは、前板部27Fの上端部と背板部27Fの上端部に固着され、前板部27Fの前方及び後方に延びている。この前方に延びた部分は燃料タンク23の上方に位置し、後方に延びた部分はバッテリ24の上方に位置している。後上板部27Hは、後板部27Eの上端部から屈曲されて前方に延びており、バッテリ24の上方に位置している。
【0036】
図1、
図16に示すように、バルブユニットVUは、機体3の幅方向の一方側(右側)に設けられている。バルブユニットVUは、支持部材33によりバッテリ24の上方に支持されている。バルブユニットVUの前部は、燃料タンク23の上方に位置している。バルブユニットVUの後部は、作動油タンク22の延出部22bの上方に位置している。
支持部材33は、支持板34、第1ブラケット35、第2ブラケット36、第3ブラケット37、第4ブラケット38を有している。
【0037】
図4,
図8等に示すように、支持板34はバルブユニットVUの下面を支持している。
図2〜
図6に示すように、支持板34は、平面視にて長方形状の平板であって、長辺を前後方向に向けて、短辺を機体幅方向に向けて配置されている。支持板34とバルブユニットVUとは、ボルトにより固定されている。支持板34は、作動油タンク22の延出部22b、燃料タンク23の後部及びバッテリ24の上方であって、支持台27の前上板部27G及び後上板部27Hの左方(機体内方)に配置されている。
図5,
図6に示すように、支持板34の底面の後部には、第1プレート39が固着されている。第1プレート39は、支持板34の左方且つ後方に向けて延びており、上面にアイボルトからなる吊り金具40が取り付けられている。また、支持板34の前部には、前後方向に長く延びる一対の長穴41が形成されている。一対の長穴41は、機体幅方向に並んで配置されている。これらの長穴41は、後述する第4ブラケット38の第1取付孔38Aの下方に設けられている。
【0038】
図4〜
図6、
図8等に示すように、第1ブラケット35、第2ブラケット36、第3ブラケット37は、支持板34の下面を支持している。
図4〜
図6に示すように、第1ブラケット35は、機体内方側に位置する内側ブラケット35Aと、機体外方側に位置する外側ブラケット35Bとを有している。内側ブラケット35Aと外側ブラケット35Bは、横板部35aと一対の縦板部35bとを有している
。横板部35aの上面は、支持板34の下面に当接している。一対の縦板部35bは、横板部35aの一方の側縁と他方の側縁からそれぞれ下向きに延びている。
【0039】
内側ブラケット35Aと外側ブラケット35Bは、制御バルブV1〜V13の並列方向に対する直交方向(機体幅方向)に延びており、機体幅方向に隙間G1をあけて配置されている。
図6等に示すように、この隙間G1は、支持板34に形成された一方(機体内方側)の長穴41と重なる位置に設けられている。内側ブラケット35Aと外側ブラケット35Bは、当該ブラケット35A,35Bの前方に配置された前連結部材42により連結されている。
【0040】
内側ブラケット35Aは、機体内方側(左側)の端部が支持板34の左側縁から突出し、機体外方側(右側)の端部が支持板34の下方に位置している。外側ブラケット35Aは、機体内方側(左側)の端部が支持板34の下方であって内側ブラケット35Aの右方に位置し、機体外方側(右側)の端部が支持板34の右側縁から突出している。
図3に示すように、内側ブラケット35Aの機体内方側の端部は、旋回台5の前部に設けられた支持ブラケット13の右部上方に位置しており、当該支持ブラケット13とボルトBL1により連結されている。内側ブラケット35Aと支持ブラケット13との間には、円筒状のスペーサ43が介装されている。
【0041】
図4〜
図6に示すように、内側ブラケット35Aには、前後方向に延びる長穴35cが形成されている。長穴35cは、支持板34に形成された他方(機体外方側)の長穴41と重なる位置に設けられている。
図2,
図3に示すように、外側ブラケット35Bの機体外方側の端部は、支持台27の前上板27Gの前部上方に位置しており、当該前上板27GとボルトBL2により連結されている。外側ブラケット35Bと前上板27Gとの間には、円筒状のスペーサ44が介装されている。
【0042】
図5等に示すように、内側ブラケット35Aの左方(機体内方)側の端部には、アイボルトからなる吊り金具45が取り付けられている。内側ブラケット35Aは、剛性材により上記形状に形成されているため、高い剛性を有している。高い剛性を有する内側ブラケット35A(第1ブラケット35)に吊り金具45を取り付けることで、重量物であるバルブユニットVUを吊り上げる際に吊り金具45の取付部が破損することが防がれる。また、吊り金具45を取り付けるための部材を別に設ける必要がないため、部品点数の削減と軽量化を図ることができる。また、バルブユニットVUを第1ブラケット35に組み付けた状態で吊り金具45を取り付けることができるため作業性に優れる。
【0043】
図5、
図8等に示すように、外側ブラケット35Bの上面には、第2プレート46が固着されている。第2プレート46は、支持板34より右方(機体外方)側において、前方に向けて延びている。第2プレート46の前部の上面には、吊り金具47が取り付けられている。
図5、
図6等に示すように、第2ブラケット36は、横板部36aと一対の縦板部36bとを有している。横板部36aの上面は、支持板34の下面に当接している。一対の縦板部36bは、横板部36aの一方の側縁と他方の側縁からそれぞれ下向きに延びている。第2ブラケット36は、第1ブラケット35に対して斜めに配置されている。具体的には、第2ブラケット36は、前記直交方向(機体幅方向)に対して斜めに延設されている。より具体的には、第2ブラケット36は、機体内方に向かうにつれて前方に向かうように斜めに延設されている。
【0044】
第2ブラケット36は、機体外方側(右側)の端部が支持板34の右側縁から突出し、機体内方側(左側)の端部が支持板34の左側縁から突出している。
図2に示すように、第2ブラケット36の機体外方側の端部は、支持台27の後上板27Hの上方に位置しており、当該後上板27HとボルトBL3により連結されている。
図8に示すように、第2ブラケット36と後上板27Hとの間には、円筒状のスペーサ48が介装されている。
図2、
図3に示すように、第2ブラケット36の機体内方側の端部は、ボルトBL4により支持柱48と連結されている。支持柱48は、下端部が旋回台5上に固定されており、上端部が第2ブラケット36に固定されている。支持柱48は、縦リブ31Rの左方であっ
て作動油タンク22の前方に立設されている。第2ブラケット36が機体内方に向かうにつれて前方に向かうように斜めに延設されていることにより、支持柱48を作動油タンク22との干渉を回避して作動油タンク22の前方に立設することができる。
【0045】
第1ブラケット35は、制御バルブV1〜V13の並列方向の一方側(前側)に配置されている。第2ブラケット36は、制御バルブV1〜V13の並列方向の他方側(後側)に配置されている。つまり、第1ブラケット35と第2ブラケット36は、制御バルブV1〜V13の並列方向において前後方向に離間している。
第1ブラケット35と第2ブラケット36は、制御バルブの下方に油圧管(パイロットホース)を通すためのスペースSを形成している。具体的には、
図8、
図4に示すように、第1ブラケット35と第2ブラケット36は、支持板34の下方であって、第1ブラケット35と第2ブラケット36の間にスペースSを形成している。そのため、このスペースSに、パイロットホースH1〜H6,H8,H10,H12,H13,HB3を通して配策することができ、当該パイロットホースをバルブユニットVUを迂回させて配策する必要がない。
【0046】
また、上述の通り、第1ブラケット35に対して斜めに配置されている。具体的には、第1ブラケット35は機体幅方向に向けて延設され、第2ブラケット36は機体内方に向かうにつれて前方に向かうように斜めに延設されている。これにより、機体外方に向かうにつれて、第1ブラケット35と第2ブラケット36は次第に離反し、スペースSは次第に広くなっている。つまり、第1ブラケット35と第2ブラケット36とで形成されるスペースSの幅は、機体3の幅方向の内側よりも外側が大きく設定されている。そのため、機体外方側(機体の幅方向の外側)から機体内方側(機体の幅方向の内側)に向けて、複数本のパイロットホースH1〜H6,H8,H10,H12,H13,HB3を、スペースSに容易に通すことができる。
【0047】
また、
図4に示すように、前記複数本のパイロットホースを第2ブラケット36に沿わせて機体内方側に向けてスペースS内を通すことで、当該ホースの向きを斜め前方に向けることができる。つまり、第2ブラケット36が、パイロットホースの方向を定めるガイドの機能を果たす。その結果、スペースSを通った複数本のパイロットホースは、互いに接近した状態で且つ機体内方側の斜め前方に向けて取り出される。これにより、スペースSから取り出された複数本のパイロットホースをパイロットバルブに接続する組み付け作業を容易に行うことが可能となる。
【0048】
図5、
図6等に示すように、第1ブラケット35と第2ブラケット36とは、第1連結部材49及び第2連結部材50により連結されている。
第1連結部材49は、第1ブラケット35の左端部(機体内方端)と第2ブラケット36の左端部とを連結している。第1連結部材49は、棒状の部材であって、前後方向に延びている。
【0049】
第2連結部材50は、第1ブラケット35の長さ方向(延設方向)の中途部と第2ブラケット36の長さ方向(延設方向)の中途部とを連結している。第2連結部材50は、横板部50aと一対の縦板部50bとを有している。
図6、
図7に示すように、横板部50aは、支持板34の下面の下方に当該下面と隙間G2をあけて設けられている。一対の縦板部50bは、横板部50aの前端部と後端部からそれぞれ上向きに延びている。一対の縦板部50bの一方は第1ブラケット35に接続され、他方は第2ブラケット36に接続されている。第2連結部材50の横板部50aと支持板34の下面との隙間G2には、パイロットホースH1〜H6,H8,H10,H12,H13,HB3を通すことができる。
【0050】
第1連結部材49及び第2連結部材50は、金属等の剛性材から形成されている。
図4〜
図6等に示すように、第3ブラケット37は、第1ブラケット35と第2ブラケット36との間に配置されている。具体的には、第3ブラケット37は、第1ブラケット35の内側ブラケット35Aの後方であって、且つ、第2ブラケット36の機体内方側の前方に配置されている。
【0051】
第3ブラケット37は、横板部37aと一対の縦板部37bとを有している。横板部3
7aの上面は、支持板34の下面に当接している。一対の縦板部37bは、横板部37aの一方の側縁と他方の側縁からそれぞれ下向きに延びている。第3ブラケット37は、制御バルブV1〜V13の並列方向に対する直交方向(機体幅方向)に延設されている。
図2、
図3に示すように、第3ブラケット37の機体外方側(右側)の端部は、支持板34の右側縁から突出している。第3ブラケット37の機体外方側の端部は、ボルトBL5により、支持台27の前上板27Gと連結されている。
図8に示すように、第3ブラケット37と前上板27Gとの間には、スペーサ51が介装されている。
【0052】
図4、
図6に示すように、第3ブラケット37の機体内方側(左側)の端部は、支持板34の下方であって第2連結部材50の左方に位置している。当該端部は、第2ブラケット36と略平行に斜めに切り欠かれている。これにより、パイロットホースH1〜H6,H8,H10,H12,H13,HB3をスペースSに通す際に、第3ブラケット37が妨げにならない。
【0053】
図4、
図8に示すように、第3ブラケット37は、支持板34の下方にある部分(機体内方側の端部)で、バルブユニットVUの並列方向の中央付近を支持している。これにより、バルブユニットVUは、前部が第1ブラケット35により支持され、後部が第2ブラケット36により支持され、中央付近(重心付近)が第3ブラケット37により支持される。仮に、バルブユニットVUを前部と後部のみで支持した場合、前記並列方向の中央付近で支持板34とバルブユニットVUが変形して油漏れが生じる虞がある。この変形を防ぐためには、ブラケットの剛性を高くするために、ブラケットの板厚を増加させる等の対策が必要となる。しかし、ブラケットの板厚を増加させると、前記スペースSが減少するため、全てのパイロットホースをスペースSに通すことが困難となる。これに対して、本発明では、バルブユニットVUの並列方向の中央付近を第3ブラケット37で支持するため、バルブユニットVUを前部及び後部に加えて重心付近で支持することが可能となり、前記変形が生じることが防がれる。
【0054】
具体的には、第3ブラケット37は、バルブユニットVUを構成する制御バルブV1〜V13のうち、ドーザ用第2制御バルブV9の下方付近を支持している。バルブユニットVUにある2つのドーザセクション(ドーザ用第1制御バルブV13、ドーザ用第2制御バルブV9)は、1つのドーザ用パイロットバルブから出た信号を2つのセクションV13,V9に分配していることから、ドーザ用パイロットバルブ側に向けて2本のパイロットホースを配策する必要はない。そのため、
図4に示すように、バルブユニットVUの中央付近にあるドーザ用第2制御バルブV9の下方には、パイロットホースを通す必要がなく、第3ブラケット37を配置しても邪魔にならない。つまり、第3ブラケット37を、ドーザ用第2制御バルブV9の下方付近を支持する位置に配置しているため、第3ブラケット37がパイロットホースをスペースSに通す妨げになることを防ぎつつ、バルブユニットVUの変形を防止することが可能となる。
【0055】
図8に示すように、第4ブラケット38は、バルブユニットVUと第1ブラケット35との間に介装されている。詳しくは、第4ブラケット38は、バルブユニットVUの前部にある第1アウトレットブロックB1及びスイング用制御バルブV1の下面と、第1ブラケット35の上面との間に介装されている。
図5、
図8に示すように、第4ブラケット38と第1ブラケット35との間には、筒状のスペーサ52が介装されている。
【0056】
図9に示すように、第4ブラケット38は、細長い平板状の部材であって、第1取付部38Aと一対の第2取付部38Bとを有している。第1取付部38Aは、バルブユニットVUに対して取り付けられる。第2取付部38Bは、第1ブラケット35に対して取り付けられる。
第1取付部38Aは、前記直交方向(機体幅方向)に延びており、一対の第1取付孔38aを有している。一対の第1取付孔38aは、バルブユニットVUをボルトで固定するための円形孔であって、前記直交方向に間隔をあけて形成されている。
【0057】
一対の第2取付部38Bは、第1取付部38Aの両端部から前記並列方向に延びている。また一対の第2取付部38Bは、同方向(
図9の場合は前方向)に延びている。一対の第2取付部38Bは、それぞれ第1ブラケット35に取り付けるための第2取付孔38b
を有している。第2取付孔38bは、前記並列方向(前後方向)に延びる長穴からなる。第2取付孔38bと第1取付孔38aとは前記並列方向(前後方向)にずれた位置にある。
【0058】
第4ブラケット38上にバルブユニットVUを配置し、第1取付孔38aに下方からボルトBL6(
図4参照)を挿着することにより、第4ブラケット38とバルブユニットVUとが固定される。このボルトBL6の挿着は、長穴41、長穴35c及び隙間G1を利用して支持板34の下方から行うことができる。また、
図9に示すように、第1ブラケット35(内側ブラケット35A、外側ブラケット35B)に形成されたボルト挿着孔35dと第2取付孔38bとを重ねて、第2取付孔38bの上方からボルトを挿着することにより、第4ブラケット38と第1ブラケット35とが固定される。
【0059】
第1ブラケット35、第2ブラケット36、第3ブラケット37、第4ブラケット38は、金属等の剛性材により形成されている。
バルブユニットVUは、作業機1の仕様の違いにより、セクション(制御バルブ)の数や大きさが変更される。作業機1の仕様としては、例えば、標準仕様、ツーピース仕様、A/D(アングルドーザ)仕様の3種類があり、各仕様によりバルブユニットVUのセクションの数や大きさが異なる。
【0060】
セクションの数について述べると、ツーピース仕様及びA/D仕様は、標準仕様に比べてセクションが1連多い。具体的には、ツーピース仕様では、標準仕様に対して、前記第2ブームシリンダを制御するための制御バルブ(上記実施形態では、ツーピース仕様用制御バルブV5)が追加される。A/D仕様では、標準仕様に対して、前記アングルシリンダを制御するための制御バルブが追加される。
【0061】
セクションの大きさについて述べると、ツーピース仕様はA/D仕様に比べてセクションが大きい。具体的には、第2ブームシリンダを制御するための制御バルブは、アングルシリンダを制御するための制御バルブに比べて大きい。
上述したように、バルブユニットVUのセクションの数や大きさは、各仕様によって異なる。そのため、従来は、上記した3種類の仕様に対応するために、バルブユニットVUと第1ブラケット35との間に介装されるブラケットを、3種類用意する必要があった。これに対して、本発明では、上記構成からなる第4ブラケット38を使用することにより、1種類のブラケットで3つの仕様に対応することが可能となる。
【0062】
標準仕様に対応する場合、
図10に示すように、第2取付部38Bが前方に延びるように配置して、第2取付孔38bを第1取付孔38aより前方に位置させる。これにより、バルブユニットVUに対する取付位置(第1取付孔38a)が、第1ブラケット35に対する取付位置(第2取付孔38b)より後方となる。
ツーピース仕様及びA/D仕様に対応する場合、
図9に示すように、第4ブラケット38を
図10の状態から裏返すことで、第2取付部38Bが後方に延びるように配置して、第2取付孔38bを第1取付孔38aより後方に位置させる。これにより、バルブユニットVUに対する取付位置(第1取付孔38a)が、第1ブラケット35に対する取付位置(第2取付孔38b)より前方となる。そのため、標準仕様に比べてセクションが1連多いツーピース仕様とA/D仕様に対応することができる。
【0063】
ツーピース仕様への対応とA/D仕様への対応の使い分けは、第2取付孔38bを利用して、第1ブラケット35に対する第4ブラケット38の前後位置を変更することで行うことができる。第2取付孔38bは前後方向に延びる長穴であるため、第2取付孔38bに対するボルト挿着孔35dの位置を前後方向にずらすことができる。
具体的には、ツーピース仕様に対応する場合は、
図9に示すように、ボルト挿着孔35dを第2取付孔38の後方に位置させる。A/D仕様に対応する場合は、
図9に示す状態から第4ブラケット38を後方にずらして、ボルト挿着孔35dを第2取付孔38bの前方に位置させる。このように、第1ブラケット35に対する第4ブラケット38の前後位置を調整することで、セクション数は同じであるが、セクションが大きいツーピース仕様と、セクションが小さいA/D仕様の両方に対応することができる。
【0064】
また、第1ブラケット35に対する第4ブラケット38の前後位置が変更された場合で
も、長穴41、長穴35c及び隙間G1が設けられていることで、支持板34の下方から第1取付孔38aにボルトを挿着することができる。
バルブユニットVUの上方には、当該バルブユニットVUを構成する制御バルブに接続可能な切換バルブ60が配置されている。切換バルブ60は三方切換弁からなる。切換バルブ60は、入口ポート61と、第1出口ポート62と、第2出口ポート63と、操作ハンドル64とを有している。切換バルブ60は、操作ハンドル64を切り換え操作することにより、入口ポート61から導入された作動油の行先を、第1出口ポート62又は第2出口ポート63に切り換えることができる。
【0065】
入口ポート61には戻り油路65が接続されている。第1出口ポート62には第1油路66が接続されている。第2出口ポート63には第2油路67が接続されている。これにより、切換バルブ60は、戻り油路65の接続先を、第1油路66と第2油路67のいずれか一方に切り換え可能となっている。
戻り油路65は、前記油圧機器からの作動油を作動油タンク22に戻すための油路であって、接続具65Aと管継手65Bと油圧ホース65Cとを有している。接続具65Aは、切換バルブ60の入口ポート61に接続されている。管継手65Bは、接続具65Aと油圧ホース65Cとを接続している。油圧ホース65Cは、管継手65Bと前記油圧機器とを接続している。
【0066】
第1油路66は、第1管材により構成されている。第1管材は、第1接続具66Aと接続管66Bと管継手66Cとを有している。管継手66C及び接続管66Bは、中心軸が上下方向に配置されている。第1接続具66Aは、切換バルブ60の第1出口ポート62に接続されている。管継手66Cは、一端部(上端部)が第1接続具66Aの下部に接続され、他端部(下端部)が接続管66Bの一端部(上端部)に接続されている。接続管66Bは、一端部(上端部)が管継手66Cの他端部(下端部)と接続され、他端部(下端部)が制御バルブV8の上部の入口ポートに接続されている。第1接続具66A、接続管66B及び管継手66Cは、金属等の剛性材から形成されている。
【0067】
第2油路67は、第2管材により構成されている。第2管材は、第2接続具67Aと第3接続具67Bとパイプ67Cとを有している。第2接続具67Aは、切換バルブ60の第2出口ポート63に接続されている。第3接続具67Bは、制御バルブV4の出口ポートから作動油タンク31に戻る油路に設けられている。パイプ67Cは、第2接続具67Aと第3接続具67Bとを接続している。第2接続具67A、第3接続具67B及びパイプ67Cは、金属等の剛性材から形成されている。パイプ67Cは、略L字状に形成されており、第2接続具67Aから機体内方側に延びる水平部分と、当該水平部分から屈曲して第3接続具67Bまで下方に延びる垂直部分とを有している。
【0068】
第3接続具67Bと制御バルブV4の出口ポートとは、第1接続管68、管継手69、第2接続管70及び接続具71により接続されている。第1接続管68は、一端部が制御バルブV4の出口ポートと接続され、他端部が管継手69と接続されている。管継手69は、第1接続管68の他端部と接続具71とを接続している。第2接続管70は、一端部が接続具71に接続され、他端部が第3接続具67Bに接続されている。
【0069】
第3接続具67Bには、管継手72を介して油圧ホース73が接続されている。油圧ホース73は、作動油タンク22と接続されている。切換バルブ60が、戻り油路65と第2油路67とを接続している場合、戻り油路65を通った作動油は、バルブユニットVUに入ることなく、第2油路67を通って油圧ホース73に入り、作動油タンク22に戻される。切換バルブ60が、戻り油路65と第1油路66とを接続している場合、戻り油路65を通った作動油は、制御バルブV8の入口ポートに入る。
【0070】
切換バルブ60は、第1油路66を形成する第1管材によって、バルブユニットVUの上方に支持されている。第1油路66を形成する第1管材(第1接続具66A、接続管66B及び管継手66C)は、剛性材から形成されているため、特別な支持部材を必要とせずに、切換バルブ60をバルブユニットVUを構成する制御弁の上方(本実施形態の場合は、制御バルブV8の上方)に支持することができる。また、第2油路67を形成する第2管材(第2接続具67A、第3接続具67B及びパイプ67C)も剛性材から形成され
ているため、第1油路66を形成する第1管材と共に、切換バルブ60をバルブユニットVUの上方に支持することができる。
【0071】
図13に示すように、切換バルブ60の操作ハンドル64の回転軸64aは、上下方向に配置されている。
切換バルブの操作ハンドルの回転軸を水平方向に配置した場合(例えば、特許文献1の
図7参照)、操作ハンドルの自重によりバルブが切り換わることを防ぐために、切り換え力(切り換えに要する力)を大きくする設定する必要がある。そのため、操作者が切り換え操作をする際に必要な力が大きくなってしまう。これに対して、本発明では、切換バルブ60の操作ハンドル64の回転軸64aが上下方向に配置されているため、操作ハンドルの自重によりバルブが切り換わることがない。そのため、切換バルブの切り換え力を大きく設定する必要がなく、操作者が切り換え操作を容易に行うことができる。
【0072】
また、切換バルブ60の操作ハンドル64の回転軸64aを上下方向に配置した場合、操作ハンドル64の操作方向と、管継手66Bのねじの方向とが同一となり、操作ハンドル64の操作(回転)によって管継手66Bのねじの緩みが生じる可能性がある。しかし本発明では、第2油路67を構成する第2管材(特にパイプ67C)が剛性材により構成されているため、操作ハンドル64を回転しても、当該回転が管継手66Bに伝わることがなく、管継手66Bのねじの緩みが生じることがない。
【0073】
切換バルブ60の上方は、上部カバー(図示略)で覆うことができる。この場合、操作ハンドル64の回転軸を水平方向に配置すると、操作ハンドル64と上部カバーとが干渉するおそれがある。そのため、この干渉を防ぐためにハンドルを短く形成しなければならず、操作に必要な力が大きくなる。これに対して、本発明では、切換バルブ60の操作ハンドル64の回転軸64aが上下方向に配置されていることで、操作ハンドル64が上部カバーに干渉することを回避しつつ、十分な操作力が得られるハンドル長さを確保することができる。また、
図13に示すように、操作ハンドル64の先端部を下向きに傾斜させることで、上部カバーへの干渉回避とハンドル長さの確保を、より確実に達成することができる。
<第二実施形態>
図14、
図15は、本発明の第二実施形態を示している。以下、この第二実施形態について、上述した実施形態に対する主要な変更点を説明する。上述した実施形態と共通する構成には同じ符号を付して説明を省略する。
【0074】
第二実施形態は、第1ブラケット35が1つの部材で形成されている。すなわち、上述の実施形態(
図5、
図6参照)の内側ブラケット35Aと外側ブラケット35Bとを一体化した構成である。第1ブラケット35は、制御バルブV1〜V13の並列方向に対する直交方向(機体幅方向)に延設されている。
第1ブラケット35は、機体外方側の端部が支持板34の右側縁から突出し、機体内方側の端部が支持板34の左側縁から突出している。第1ブラケット35の機体外方側の端部は、支持台27の前上板27Fと連結される。第1ブラケット35の機体内方側の端部は、支持ブラケット13と連結される。
【0075】
第1ブラケット35の機体内方側の端部と機体外方側の端部には、それぞれ吊り金具を取り付けるための穴が設けられている。このように、第1ブラケット35の両端部に吊り金具を取り付け可能な構成とすることで、上述の実施形態の吊り金具を取り付けるための第2プレート46を省略することができる。また、機体外方側においても、高い剛性を有する第1ブラケット35に吊り金具を取り付けることで、重量物であるバルブユニットVUを吊り上げる際に吊り金具の取付部が破損することが、より確実に防止できる。
【0076】
また上述した実施形態では、内側ブラケット35Aに長穴35cが形成されていたが、この変更形態では、長穴35cに代えて矩形穴35eが形成されている。また上述した実施形態では、支持板34に一対の長穴41が形成されていたが、この変更形態では、一対の長穴41に代えて1つの矩形穴41aが形成されている。矩形穴35eと矩形穴41aとは重なる位置に設けられており、第4ブラケット38の第1取付孔38aの下方に位置している。
【0077】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。