(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、図中において同じ符号は、対応するまたは実質同一の構成を示している。
【0016】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1に係る工作機械管理システム100の概略構成を示す図である。
【0017】
図1に示すように、工作機械管理システム100は、工作機械2、NC(Numerical Control)装置3、および管理装置4を、備えている。
【0018】
工作機械2は、
図1に示すように、基台1、工具主軸台2aを有する往復台2A、およびワーク主軸台2Bを備えている。
【0019】
基台1には、往復台2A、ワーク主軸台2B、およびNC装置3が配置されている。往復台2Aは、基台1上面に、移動可能に設置されている。ワーク主軸台2Bは、基台1上面に固定設置されている。また、工具主軸台2aは、往復台2Aの側壁上に、移動可能に配置されている。これにより、工具主軸台2aは、ワーク主軸台2Bに対して、移動可能となる。
【0020】
工作機械2は、ワーク10に対して加工を行う。以下、工作機械2の構成について説明する。
【0021】
図1に示すように、工具主軸台2aにおいて、工具主軸2a1が、回転可能に配設されている。また、当該工具主軸2a1には、工具15が取り付けられる。ワーク主軸台2Bにおいて、ワーク主軸2B1が、回転可能に配設されている。また、ワーク主軸2B1には、ワーク(加工対象)10が取り付けられる。
【0022】
ワーク10を加工するときには、工作機械2は、工具主軸2a1および/またはワーク主軸2B1を回転させることで、工具15および/またはワーク10を回転させる。たとえば、回転中の工具主軸2a1等が、ワーク10と接触することにより、ワーク10に対して、所望の切削加工等が施される。
【0023】
また、工作機械管理システム100は、工作機械2について(工作機械2よる加工中および加工停止中に)、少なくとも一つ以上の物理量を検出する検出部を、備えている。たとえば、
図1に示すように、工作機械管理システム100は、当該検出部として、工具センサユニット21、ワークセンサユニット22、および基台センサユニット23を備えている。
【0024】
工具センサユニット21は、工具主軸台2aに配設されている。工具センサユニット21は、複数のセンサを含む。そして、工具センサユニット21の各センサは、工具側において生じる、各物理量を測定・検出する。たとえば、工具センサユニット21は、工具主軸2a1において生じる振動値(たとえば、振動加速度、振動変位、振動速度など)、工具主軸2a1において生じる工具側主軸負荷、工具主軸2a1の主軸回転数、および工具主軸2a1側において生じる送り軸負荷などを、測定・検出する。
【0025】
工具センサユニット21は、一例として、下記の各センサを有している。
【0026】
工具センサユニット21は、振動を測定する加速度センサ、工具主軸2a1/送り軸の回転角度や回転速度を検出するロータリーエンコーダ、工具主軸台2a/往復台2Aの位置を検出するリニアエンコーダを、有する。なお、送り軸のロータリーエンコーダで位置を算出し、リニアエンコーダを用いず、工具主軸台2a/往復台2Aの位置を検出することも可能である。
【0027】
また、工具センサユニット21は、工具主軸2a1/送り軸モータの温度を測定する温度センサ、工具主軸台2a/往復台2A/送り軸の温度を測定する温度センサ等をも、有する。前者の温度センサは、たとえば、モータに内蔵される。また、後者の温度センサは、たとえば、熱電対等を、工具主軸台2a/往復台2A/送り軸の所望の場所に埋め込むことにより、設置される。
【0028】
また、工具センサユニット21は、各モータを制御する各々のアンプに流れる電流値を測定するセンサを有している。測定された電流値に基づいて、主軸負荷、および送り軸負荷を検出することができる。
【0029】
ワークセンサユニット22は、ワーク主軸台2Bに配設されている。ワークセンサユニット22は、複数のセンサを含む。そして、ワークセンサユニット22の各センサは、ワーク側において生じる、各物理量を測定・検出する。たとえば、ワークセンサユニット22は、ワーク主軸2B1において生じる振動値(たとえば、振動加速度、振動変位、振動速度など)、ワーク主軸2B1において生じるワーク側主軸負荷、ワーク主軸2B1の主軸回転数、およびワーク主軸2B1側において生じる送り軸負荷などを、測定・検出する。
【0030】
ワークセンサユニット22は、一例として、下記の各センサを有している。
【0031】
ワークセンサユニット22は、振動を測定する加速度センサ、ワーク主軸2B1の回転角度や回転速度を検出するロータリーエンコーダを、有する。
【0032】
また、ワークセンサユニット22は、主軸モータの温度を測定する温度センサ、ワーク主軸台2Bの温度を測定する温度センサ等をも、有する。前者の温度センサは、たとえば、モータに内蔵される。また、後者の温度センサは、たとえば、熱電対等を、ワーク主軸台2Bの所望の場所に埋め込むことにより、設置される。
【0033】
また、ワークセンサユニット22は、ワーク主軸モータを制御するアンプに流れる電流値を測定するセンサを有している。測定された電流値に基づいて、主軸負荷を検出することができる。
【0034】
基台センサユニット23は、基台1に配設されている。基台センサユニット23は、複数のセンサを含む。そして、基台センサユニット23の各センサは、基台側において生じる、各物理量を測定・検出する。たとえば、基台センサユニット23は、基台1において生じる振動値(たとえば、振動加速度、振動変位、振動速度など)、液体等の流量値、および基台1において生じる温度などを、測定・検出する。
【0035】
基台センサユニット23は、一例として、下記の各センサを有している。
【0036】
基台センサユニット23は、基台1の振動を測定する加速度センサ、基台1の温度、冷却液の温度、工場環境温度等を測定する各温度センサ、冷却液の流量を測定する流量センサ、作動油の圧力を測定する圧力センサ等を有する。温度センサは、たとえば、熱電対等を、所望の場所に埋め込むことにより、設置される。
【0037】
各センサユニット21,22,23は、管理装置4と、通信可能に接続されている。これにより、各センサユニット21,22,23が検出した各検出結果は、管理装置4に送信される。なお、各センサユニット21,22,23は、NC装置3と、通信可能に接続されている。よって、各検出結果は、NC装置3に送信させることもできる。また、当該検出結果は、データとして、後述する検出情報に含まれる。
【0038】
次に、NC装置3の構成について説明する。
【0039】
NC装置3は、基台1に対して配設されている。NC装置3は、工作機械2と通信可能に接続されている。また、上述したように、NC装置3は、各センサユニット21,22,23と通信可能に接続されている。
【0040】
NC装置3は、工作機械2を制御する。NC装置3には、工作機械2の加工に関する複数の情報が設定・登録されている。また、NC装置3には、複数の加工プログラムが設定される。たとえば、加工プログラムは、加工対象に応じて、ユーザにより作成され、NC装置3に登録できる。なお、たとえば加工対象が決まっている場合は、所定の加工プログラムを、NC装置3に、初期設定しておいても良い。
【0041】
当該加工プログラムに従い、NC装置3は、工作機械2の加工動作を制御する。当該加工プログラムには、工作機械2によるワーク10に対する加工の仕方(たとえば、使用する工具15の種類、加工の手順、工具主軸2a1の移動位置や移動経路、およびワーク主軸2B1に取り付けられたワーク10の加工位置や加工経路など)が、規定されている。
【0042】
図1に示すように、NC装置3は、RAMおよびROMを含むメモリ3Aを、有している。当該メモリ3Aには、各種データが記憶される。たとえば、メモリ3Aには、複数の加工プログラムを含む、各種設定・登録データが記憶される。また、メモリ3Aにおいて、各センサユニット21,22,23から送信される、各検出結果を、記憶させても良い。
【0043】
また、
図1に示すように、NC装置3は、制御回路(CPU)3Bを有している。当該制御回路3Bは、メモリ3Aと接続されている。制御回路3Bは、メモリ3Aに記憶されている加工プログラムを読み込み、当該加工プログラムに従った制御を、工作機械2に対して実施する。
【0044】
また、
図1に示すように、NC装置3は、表示部3CおよびNIC(Network Interface Card)3Dを有している。そして、メモリ3A、制御回路3B、表示部3CおよびNIC3Dは、バス3Lを介して、相互に通信可能に接続されている。なお、表示部3C自身が、タッチパネル式で、所定の表示を行ってもよく、
図1に例示するように、表示部3Cに接続されたモニタM1に、所定の表示をしても良い。
【0045】
たとえば、タッチパネル式の表示部3Cまたは、NC装置3に接続された操作ボタン等に対して、ユーザが操作を施すことにより、加工プログラムの作成、各種設定の変更を行うこともできる。また、当該タッチパネル式の表示部3Cまたは、NC装置3に接続された操作ボタン等を通して、直接、工作機械2の操作も行うこともできる。
【0046】
NC装置3は、工作機械2について(工作機械2よる加工中および加工停止中に)、アラームを発するアラーム発生装置としても機能する。換言すれば、NC装置3は、アラーム発生装置を含む、制御装置である。
【0047】
アラーム発生装置であるNC装置3において、制御回路3Bは、たとえば、工作機械2を用いた加工処理において、異常が生じているかを判断する。つまり、NC装置3は、工作機械2において異常が発生したことを、検出できる。制御回路3Bは、工作機械2、各センサユニット21,22,23から送信される、各物理量に基づいて、当該異常の有無を判断・検出する。換言すれば、NC装置3は、当該異常について、アラームを発する必要があるか否かを判断する。
【0048】
たとえば、基台1を含む工作機械2において検出した各種検出結果(たとえば、電流値、温度、流量値など)と、予めメモリ3Aに設定されている、アラーム閾値(たとえば、アラーム閾値電流値、アラーム閾値温度、アラーム閾値流量値など)とを、制御回路3Bが比較する。
【0049】
そして、当該比較の結果、制御回路3Bが、検出結果がアラーム閾値を超えていると判断したとき、「異常」を検出し、アラームなどの警報を通知する必要ありと判断する。たとえば、制御回路3Bは、工作機械2側において、異常な負荷による過大な電流値、異常な温度上昇、流体の漏れ等を検出したとき、異常ありと判断し、アラームを発する。
【0051】
たとえば、
図1に示すように、管理装置4は、工作機械2等が設定されている場所とは、離れた場所に設置されている。なお、
図1とは異なり、管理装置4とNC装置3とは、同一装置として構成しても良い。
【0052】
図1の構成例では、管理装置4は、通信線W1を介して、NC装置3と、通信可能に接続されている。しかし、
図1の構成と異なり、管理装置4とNC装置3とは、無線により、通信可能に接続されていてもよい。また、
図1の構成例では、管理装置4は、通信線W2を介して、工作機械2および各センサユニット21,22,23と、通信可能に接続されている。なお、管理装置4は、各センサユニット21,22,23と、NC装置3を介して、通信可能に接続されていても良い。
【0053】
また、管理装置4に格納されているデータは、LAN(Local Area Network)やインターネット等を介して、大容量サーバに移し、当該大容量サーバに保存することも可能である。
【0054】
管理装置4は、工作機械2の加工中および加工停止中に検出される、複数の検出情報を取得し、管理する。また、管理装置4は、当該検出情報の解析を行う。また、管理装置4は、当該解析の結果を含む、各種情報の表示も行う。なお、検出情報について、後述する。
【0055】
本実施の形態に係る工作機械管理システム100において、管理装置4は、
図2に示す構成を有する。
図2は、管理装置4の内部構成を示す図である。
【0056】
図2に示すように、管理装置4は、通信部(NIC)4A、ディスプレイ4B、制御回路(CPU)4C、操作部4D、およびメモリ4Eを有する。管理装置4内において、システムバス4Lを介して、通信部4A、ディスプレイ4B、制御回路4C、操作部4D、およびメモリ4Eは、相互に、通信可能に接続されている。
【0057】
たとえば、システムバス4L、通信部4A、ディスプレイ4B、制御回路4C、操作部4D、およびメモリ4Eなどは、基板上に電気的に搭載されている。システムバス4L、通信部4A、ディスプレイ4B、制御回路4C、操作部4D、メモリ4E、および基板は、管理装置4の機能を実現するための回路を構成している。
【0058】
通信部4Aは、制御回路4Cにより制御される。通信部4Aは、通信線W1を介して、NC装置3と接続される。また、通信部4Aは、通信線W2を介して、工作機械2および各センサユニット21,22,23と、接続されている。よって、通信部4Aは、工作機械2、NC装置3および各センサユニット21,22,23との間で、データの送受信を行うことができる。
【0059】
ディスプレイ4Bは、制御回路4Cにより制御される。ディスプレイ4Bには、たとえばモニタM2の画面等を利用して、様々な情報が表示される。
【0060】
操作部4Dは、制御回路4Cにより制御される。また、操作部4Dは、たとえば、マウスOP1やキーボードOP2を利用して、ユーザ等からの操作(命令の入力、設定情報の入力、選択情報の入力等)を受け付ける。なお、タッチパネル方式のディスプレイ4Bを設けることにより、操作部4Dをディスプレイ4Bに配設させてもよい。
【0061】
制御回路4Cは、中央制御装置(CPU)およびメモリコントローラを有している。
【0062】
メモリ4Eは、リードオンリーメモリ(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)を有している。ROMは一時的でない記録媒体を有している。RAMは一時的な記録媒体を有している。メモリ4Eは、アドレスをそれぞれ有する複数の記憶領域R1,R2を有している。
【0063】
制御回路4Cは、メモリ4Eの記憶領域R1,R2にデータを記憶するように、メモリ4Eを制御する。また、制御回路4Cは、メモリ4Eの記憶領域R1,R2からデータを読みだすように、メモリ4Eを制御する。
【0064】
メモリ4E内の記憶領域R1には、工作機械2について(工作機械2よる加工中および加工停止中に)検出される、複数の検出情報が記録される。各検出情報は、当該検出情報が検出された時点(たとえば、日付および時間)と関連付けて、メモリ4E内の記憶領域R1に記録される。
【0065】
また、メモリ4E内の記憶領域R2には、複数の選択検出情報が記録される。各選択検出情報は、当該選択検出情報が検出された時点(たとえば、日付および時間)と関連付けて、メモリ4E内の記憶領域R2に記録される。なお、選択検出情報とは、所定の判定条件を満たす検出情報のことである。
【0066】
ここで、検出情報について、説明する。
【0067】
工作機械2による加工中および加工停止中、各センサユニット21,22,23が、少なくとも1つ以上の物理量を、検出する。管理装置4は、当該センサユニット21,22,23により検出された物理量を、検出情報の一部として取得する。したがって、管理装置4において取得される検出情報には、当該センサユニット21,22,23により検出された物理量が、データとして、含まれる。
【0068】
また、工作機械2による加工中および加工停止中に、アラーム発生装置として機能するNC装置3は、NC装置3でのアラームの有無を検出する。さらに、当該NC装置3は、アラームが発生されたときには、アラームの種類も自身で検出する。管理装置4は、当該NC装置3により検出されたアラームに関するアラーム情報(アラームの有無、アラームの種類等)を、検出情報の一部として取得する。したがって、管理装置4において取得される検出情報には、当該NC装置3により検出されたアラームに関するアラーム情報が、データとして、含まれる。
【0069】
また、NC装置3は、加工プログラムを実行し、工作機械2の加工動作を制御する。NC装置3は、実行中の加工プログラムに規定されている各加工条件情報を検出する。管理装置4は、NC装置3が検出した各加工条件情報を、検出情報の一部として取得する。したがって、管理装置4において取得される検出情報には、当該NC装置3により検出された当該各加工条件情報が、データとして、含まれる。
【0070】
図3は、検出情報の構成例を概念的に示した図である。
【0071】
図3に示すように、検出情報D1は、複数の物理量データd1、アラームデータ(アラーム情報)d2、加工条件データ(加工条件情報)d3などから構成されている。
【0072】
ここで、
図3に例示する検出情報D1は、たとえば、工作機械2による加工中において、時点T1に検出(取得)された情報である。なお、検出情報D1を構成する各データd1−d3は、上記のものに限らず、当該検出情報D1が検出された時点において検出(取得)された、他のデータが含まれていても良い。
【0073】
図3に例示した各物理量データd1は、工作機械2が加工を行っている間の時点T1において、センサユニット21,22,23が検出した、加工に関連する各物理量を示すデータである。
【0074】
たとえば、物理量データd1は、工具主軸2a1において生じる、各物理量(たとえば、工具センサユニット21により、時点T1において検出された、振動加速度、振動変位、振動速度、工具側主軸負荷、主軸回転数など)を示すデータ、ワーク主軸2B1において生じる、各物理量(たとえば、ワークセンサユニット22により、時点T1において検出された、振動加速度、振動変位、振動速度、ワーク側主軸負荷、主軸回転数など)を示すデータ、その他の物理量(たとえば、基台センサユニット23により、時点T1において検出された、振動加速度、振動変位、および振動速度、時点T1において検出された、基台1において生じる各種液体等の流量値、および時点T1において検出された、基台1において生じる温度など)を示すデータである。
【0075】
なお、検出情報D1に含まれる物理量データd1の数および種類は、ユーザによって、任意に選択できるようにしてもよい。
【0076】
図3に例示したアラームデータd2は、工作機械2が加工を行っている間の時点T1において、アラーム発生装置として機能を有するNC装置3が検出した、アラームに関する情報等で構成されるデータである。
【0077】
たとえば、アラームデータd2は、時点T1において検出された、アラーム発生の有無を示すデータを含む。また、アラームデータd2は、時点T1にアラームが発せられていた場合においては、発せられたアラームの種類を示すデータ(たとえば、アラーム発信の原因が、工作機械管理システム100のどの場所で、どのような理由によるものかを特定するデータ)、も含む。
【0078】
図3に例示した加工条件データd3は、工作機械2が加工を行っている間の時点T1において、NC装置3が、当該NC装置3において実行している加工プログラムから検出(取得)された、加工条件に関するデータである。
【0079】
たとえば、加工条件データd3は、時点T1において実行中の加工プログラムを識別するためのプログラム識別データを含む。また、加工条件データd3は、時点T1において工作機械2が使用する工具15の種類を示す工具識別データを含む。また、加工条件データd3は、時点T1において工作機械2が加工するワーク10の種類を示すワーク識別データを含む。また、加工条件データd3は、時点T1において工作機械2が実行しているブロックの種類を示す実効ブロック識別データを含む。
【0080】
次に、工作機械の管理方法(つまり、工作機械管理システム100を用いた管理方法)を、説明する。
【0081】
まず、工作機械管理システム100における、検出情報および選択検出情報の記憶処理について、
図4のフローチャートを用いて、説明する。
【0082】
管理装置4に対して、検出情報取得処理の開始が指示される。すると、制御回路4Cは、メモリ4Eに記憶されているデータ取得閲覧ソフトウェアを読み込む。そして、制御回路4Cは、当該データ取得ソフトウェアに従った制御を、実施する(
図4のSTART参照)。
【0083】
メモリ4Eには、予め設定されている各種閾値が記録されている。制御回路4Cは、メモリ4Eに記録されている各種閾値を読み込む(
図4のステップS1)。
【0084】
次に、管理装置4は、工作機械2側およびNC装置3側で検出された、検出情報の取得処理を実施する(
図4のステップS2)。
【0085】
具体的に、制御回路4Cは、通信部4Aを制御し、検出情報の取得を命じる。そして、通信部4Aは、センサユニット21,22,23により、検出情報取得命令のときに検出された物理量を、当該センサユニット21,22,23から、検出情報として取得する。また、通信部4Aは、NC装置3により、検出情報取得命令のときに検出されたアラーム情報を、当該NC装置3から、検出情報として取得する。さらに、NC装置3により、検出情報取得命令のときに検出された各加工条件情報を、当該NC装置3から、検出情報として取得する。
【0086】
次に、制御回路4Cは、取得した物理量、取得したアラーム情報、および取得した各加工条件情報などを構成要素とする、検出情報D1を作成する(
図3参照)。そして、制御回路4Cは、当該検出情報D1を、当該検出情報D1が検出された時点と、関連付ける(
図4のステップS3)。ここで、当該検出情報D1に含まれる、物理量データd1、アラーム情報d2および各加工条件情報d3は、ほぼ同時点で検出されている。
【0087】
次に、制御回路4Cは、ステップS2で取得した検出情報D1が、予め定められた判定条件を満足する選択検出情報であるか否かを判定する(
図4のステップS4)。
【0088】
ここで、判定条件は、たとえば、少なくとも1以上の異常判定閾値および/またはアラームの発生の有無を判断する情報、を含む。たとえば、各異常判定閾値は、検出情報に含まれる各物理量に対応して、設けられる。
【0089】
たとえば、工作機械2について、何らかの異常(工作機械2において検出される異常振動、工作機械2において検出される異常負荷、工作機械2において検出される異常回転数、工作機械2による加工中、加工停止中に検出される異常温度、アラームの発生等)が発生することもあり得る。当該異常の発生時に検出された検出情報には、異常の発生を示すデータが含まれる。
【0090】
そこで、一例として、当該判定条件は、検出情報D1が、当該異常の発生を示すデータを有する否かを識別するための、条件としても良い。この場合には、ステップS4では、制御回路4Cは、ステップS2で取得した検出情報が、異常の発生を示すデータを有する選択検出情報であるか否かを判定する。
【0091】
ステップS4における、選択検出情報の判定処理を、例を用いて具体的に説明する。
【0092】
まず、制御回路4Cは、検出情報D1に含まれる物理量データd1と、異常判定閾値とを、比較する。
【0093】
図3に例示したように、検出情報D1には、複数の物理量データd1が含まれている。そこで、たとえば、管理装置4のメモリ4Eには、複数の異常判定閾値が、予め設定されている。なお、当該異常判定閾値は、たとえば、ユーザによる操作部4Dに対する操作により、任意の値に変更することが可能である。
【0094】
ここで、検出情報D1に含まれる各物理量データd1と、各異常判定閾値とは、1対1に対応している。そこで、制御回路4Cは、検出情報D1に含まれる各物理量データd1について、当該物理量データd1と、当該物理量データd1に対応する異常判定閾値とを、比較する。
【0095】
また、制御回路4Cは、検出情報D1に含まれるアラームデータd2が、NC装置3におけるアラームの発生有りを示すものであるか否かを、判断する。
【0096】
図5は、制御回路4Cが、ステップS2で取得した検出情報D1に対して、上記比較および上記判断を実施している様子を示す、概念例である。
【0097】
図5に示す例では、制御回路4Cは、第一の物理量データd1−1と、第一の異常判定閾値th1とを、比較する。また、制御回路4Cは、第二の物理量データd1−2と、第二の異常判定閾値th2とを、比較する。また、制御回路4Cは、第三の物理量データd1−3と、第三の異常判定閾値th3とを、比較する。また、制御回路4Cは、第Nの物理量データd1−Nと、第Nの異常判定閾値thNとを、比較する。さらに、制御回路4Cは、アラームデータd2が、アラームの発生を示すものであるかを判断する。
【0098】
ステップS4において、検出情報D1について、制御回路4Cは、異常判定閾値を用いた、複数の上記比較処理を実施する。当該複数の比較処理の結果、少なくとも一つの比較において、異常判定閾値を超えた物理量データd1を、制御回路4Cが検出したとする。この場合には、制御回路4Cは、異常判定閾値を超えた物理量データd1を有する検出情報D1を、選択検出情報として判定し、選択する(
図4のステップS4で、「Yes」)。
【0099】
また、ステップS4において、アラームに関する上記判断が実施された結果、制御回路4Cが、検出情報D1に含まれるアラームデータd2が、アラームの発生を示すものであると判断したとする。この場合には、制御回路4Cは、当該アラーム発生を示すアラームデータd2を有する検出情報D1を、選択検出情報として判定し、選択する(
図4のステップS4で、「Yes」)。
【0100】
ステップS4において、制御回路4Cは、ステップS2で取得した検出情報D1が、予め定められた判定条件を満足する選択検出情報であると判定したとする。この場合、
図4のステップS4で、「Yes」となり、
図4のステップS5へと移行する。
【0101】
ステップS5では、制御回路4Cは、ステップS4で判定選択された選択検出情報を、選択検出情報が検出された時点と関連付けて(つまり、ステップS3で関連付けられた時点とともに)、メモリ4Eの記憶領域R2に記録する。そして、ステップS6に移行する。
【0102】
他方、ステップS4において、制御回路4Cは、ステップS2で取得した検出情報D1が、予め定められた判定条件を満足しないと判定したとする。この場合、
図4のステップS4で、「No」となり、
図4のステップS6へと移行する。
【0103】
次に、ステップS6では、制御回路4Cは、ステップS2で取得した検出情報D1を、当該検出情報D1が検出された時点と関連付けて(つまり、ステップS3で関連付けられた時点とともに)、メモリ4Eの記憶領域R1に記録する。つまり、ステップS6では、ステップS2で取得された検出情報D1は、ステップS4の判定にかかわらず、メモリ4Eの記憶領域R1に記録される。
【0104】
その後、制御回路4Cは、検出情報取得処理の終了が、たとえば操作部4Dにおいて、入力されたか否かを判断する(
図4のステップS7)。
【0105】
ここで、検出情報取得処理の終了が入力されたと、制御回路4Cが判断したときには、
図4のステップS7で「Yes」となり、検出情報取得処理が終了する。
【0106】
これに対して、検出情報取得処理の終了が入力されなかったと、制御回路4Cが判断したときには、
図4のステップS7で「No」となり、ステップS2に戻り、即時、または所定の時間経過後に、ステップS2以降の動作を再度実施する。
【0107】
図4に示した検出情報取得処理は、終了が命令されるまで、繰り返し実行される。なお、当該検出情報取得処理の繰り返しは、予め設定した所定のタイミングで、実行しても良い。
【0108】
図6は、メモリ4Eにおける記憶領域R1に記録されている、複数の検出情報を、模式的に例示した図である。
【0109】
図6に示すように、記憶領域R1には、複数の検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNが、記録されている。記憶領域R1において、各検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNは、当該検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNが検出された時点T1,T2,T3,T4,・・・,TN−1,TNと関連付けて、記録されている。
図6に示す例では、検出情報D1は、時点T1と関連付けられて、記憶領域R1に記録されている。検出情報D2は、時点T2と関連付けられて、記憶領域R1に記録されている。また、検出情報DNは、時点TNと関連付けられて、記憶領域R1に記録されている。
【0110】
なお、時点T1,T2,T3,T4,・・・,TN−1,TNは、たとえば、日付と時間とからなる情報である。たとえば、検出情報D1が、2017年4月20日の12時30分10秒に検出されたものであるとする。この場合、検出情報D1に関連付けられている時点T1の情報は、2017年4月20日の12時30分10秒を示す。
【0111】
また、メモリ4E内に検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNが記録されるとき、制御回路4Cは、時点T1,T2,T3,T4,・・・,TN−1,TNに基づいて(つまり、時点T1,T2,T3,T4,・・・,TN−1,TNの順)に、検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNを配列させる。この場合、
図6に示す例では、検出情報D2は、検出情報D1よりも後に検出された情報である。また、検出情報D3は、検出情報D2よりも後に検出された情報である。また、検出情報DNは、検出情報DN−1よりも後に検出された情報である。
【0112】
また、
図7は、メモリ4Eにおける記憶領域R2に記録されている、複数の選択検出情報を、模式的に例示した図である。
【0113】
図7に示す例では、
図6に示した複数の検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DN中から、検出情報D1,D3,・・・,Diが、選択検出情報として判定選択され、記憶領域R2に、記録されている。また、
図7に示すように、各選択検出情報D1,D3,・・・,Diは、当該選択検出情報D1,D3,・・・,Diが検出された時点T1,T3,・・・,Tiと関連付けられて、各々、メモリ4E内の記憶領域R2に格納いる。
【0114】
なお、制御回路4Cは、メモリ4Eの記憶領域R2において、複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diを、選択検出情報D1,D3,・・・,Diと関連付けられた(つまり、当該選択検出情報が検出された)時点に基づいて、各々配列させる。つまり、複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diは、当該時点T1,T3,・・・,Tiに基づいて、検出の時系列順に配列されている。
【0115】
次に、メモリ4Eの記憶領域R2に記録されているデータを用いて、所定の画像を、ディスプレイ4Bに表示する。当該動作を、
図8に示すフローチャートを用いて、具体的に説明する。
【0116】
制御回路4Cは、メモリ4Eに記憶されているデータ閲覧ソフトウェアを読み込む。そして、制御回路4Cは、当該データ閲覧ソフトウェアに従った制御を、実施する(
図8のSTART参照)。
【0117】
制御回路4Cは、記憶領域R2に記憶されている複数の選択検出情報を、ディスプレイ4Bにおいて、表示する(
図8のステップS31)。
【0118】
ここで、ディスプレイ4Bにおいて、選択検出情報は、各選択検出情報を示す所定の表示項目を用いて、一覧表示される。たとえば、所定の表示項目として、選択検出情報に関連付けられている時点を、採用することができる。
【0119】
図9は、
図7に示した複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diが、所定の表示項目を用いて、ディスプレイ4Bに表示された様子を示す図である。
図9では、所定の表示項目は、選択検出情報に関連付けられている時点T1,T3,・・・,Tiである。各時点T1,T3,・・・,Tiは、年/月/日と時/分/秒として、表示される。
【0120】
ディスプレイ4Bに
図9が表示された場合には、時点T1の表示は、選択検出情報D1を示しており、時点T3の表示は、選択検出情報D3を示しており、時点Tiの表示は、選択検出情報Diを示している。
【0121】
したがって、
図9の表示例では、所定の表示項目である時点T1は、記憶領域R2に格納されている選択検出情報D1と、リンクしている。また、所定の表示項目である時点T3は、記憶領域R2に格納されている選択検出情報D3と、リンクしている。また、所定の表示項目である時点Tiは、記憶領域R2に格納されている選択検出情報Diと、リンクしている。
【0122】
なお、
図9では、各所定の表示項目は、時点T1,T3,・・・,Tiに基づいて、時系列順に配列され、ディスプレイ4Bに表示されている。ここで、所定の表示項目の数が多いときは、一画面に表示される数が限定される。そこで、このような場合には、所定の表示項目の少なくとも一部が、ディスプレイ4Bに表示される。そして、他の所定の表示項目は、スクロールバー等を用いて、ディスプレイ4Bに表示させる。
【0123】
次に、ディスプレイ4Bに一覧表示されている複数の所定の表示項目のうち、一つの所定の表示項目が選択される(
図8のステップS32)。以下、ステップS32の動作を、詳述する。
【0124】
たとえば、ディスプレイ4Bに、
図9の表示がされている状態を想定する。そして、ユーザが、操作部4Dに対して、所定の表示項目として、時点T3を選択する。そして、ユーザが、操作部4Dに対して、グラフ化を行う、という操作を施した場合を想定する。この場合には、制御回路4Cは、操作部4Dが上記選択および上記操作を受け付けたことを認識し、次の動作を実施する。
【0125】
制御回路4Cは、メモリ4Eの記憶領域R1に記憶されている複数の検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNの中から、次の検出情報を、抽出する。つまり、制御回路4Cは、選択された所定の表示項目(時点T3)に対応する選択検出情報D3を含む、複数の検出情報を、メモリ4Eから抽出する。
【0126】
ここで、抽出される複数の検出情報は、選択された時点T3を含む所定時間内に、検出された検出情報である。当該所定時間の範囲は、ユーザにより、任意に変更可能であってもよい。また、所定時間内における、選択された時点T3の時系列的位置は、任意に設定可能であってもよい。たとえば、所定時間内の中心に、選択された時点T3が位置するように設定しても良い。
【0127】
次に、制御回路4Cは、抽出した複数の検出情報に含まれているデータを用いて、当該データの時間的変化を示すグラフを作成する。その後、制御回路4Cは、作成したグラフを、ディスプレイ4Bに、表示させる(
図8のステップS33)。
【0128】
図10は、ディスプレイ4Bに表示される、グラフの例を示す図である。
【0129】
図10の例では、ディスプレイ4Bには、作成されたグラフと、
図9に示した複数の所定の表示項目(時点T1,T3,・・・,Ti)とが、並列表示されている。
【0130】
前述したように、時点T3が選択されると、当該時点T3を含む所定時間内に検出された複数の検出情報が、メモリ4Eから抽出され、グラフ化される。
図10の例では、抽出した各検出情報に含まれる、工具主軸2a1において生じる振動加速度を示す物理量データd1を用いて、グラフが作成されている。換言すれば、
図10では、時点T3を含む所定時間内に検出された、工具主軸2a1において生じる振動加速度の時間的変化が、グラフとして、ディスプレイ4Bに表示される。
【0131】
ここで、ディスプレイ4Bに表示させるグラフの種類は、ユーザにより、任意に設定できる。上記したように、各検出情報には、複数の物理量データd1が含まれている。したがって、複数の物理量データd1のうち、どの物理量データd1の時間的変化をグラフ化して、表示させるかは、ユーザにより選択できる。
【0132】
ここで、上記したように、ユーザによる操作部4Dに対する操作により、複数の所定の表示項目の中から、表示項目(時点T3)が選択される。つまり、ユーザにより、複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diの中から、時点T3に対応する選択検出情報D3が、選択される。そこで、たとえば、
図10に示すように、制御回路4Cは、ユーザにより選択された選択検出情報D3に含まれるデータ(選択データと称する)の位置を、グラフ上で視認可能に表示する。
【0133】
換言すると、制御回路4Cは、ディスプレイ4Bに表示されるグラフにおいて、選択データに対応する位置を、強調して、他のグラフの位置(選択データでないデータの位置)と差別的に表示する。
図10の例では、グラフにおいて、選択データに対応する位置は、黒丸で、表示されている。
【0134】
なお、
図10の例では、選択された時点T3が所定時間内の中心以外の場所に位置するように、所定時間が設定されている。
【0135】
以上が、
図8に示した、グラフ表示までの動作である。一方、管理装置4は、以下の表示を行うこともできる。
【0136】
ユーザは、操作部4Dに対して、グラフ切替を指示する操作を施したとする。たとえば、
図10に示すように、ディスプレイ4Bに、グラフ切替を示す「切替」のアイコンが表示されており、ユーザは、操作部4Dを操作して、当該「切替」アイコンをクリックする。この場合には、制御回路4Cは、操作部4Dが当該操作を受け付けたことを認識し、複数種類のグラフを、ディスプレイ4Bに表示する。
【0137】
図11は、グラフ切替が実施された後の様子を例示する図である。
【0138】
上記したように、たとえば、時点T3が選択されると、当該時点T3を含む所定時間内に検出された複数の検出情報が、メモリ4Eから抽出され、グラフ化される。グラフ切替え処理後を例示する
図11では、抽出した各検出情報に含まれる、いくつかの物理量データd1を用いて、複数のグラフが作成されている。つまり、
図11では、時点T3を含む所定時間内に検出された、いくつかの物理量(たとえば、各種加速度、工具側主軸負荷、複数の物理量を用いて得られる波形等)の時間的変化が、グラフとして、ディスプレイ4Bに表示されている。
【0139】
複数のグラフが表示されることにより、複数の物理量の時系列変化を、同時に確認することができ、加工不良の原因特定が容易となる。また、
図10では、振動加速度の時間的変化が、グラフとして、ディスプレイ4Bに表示されていた。
図11に示すように、他の物理量の時間的変化も示すことにより、たとえば、振動以外の理由で加工不良が生じた場合においても、当該加工不良の原因の特定を、容易に行うことができる。
【0140】
また、
図11では、選択された時点T3の情報(日付・時間)、および、時点T3に関連付けられた検出情報D3に含まれる複数のデータ(たとえば、検出情報D3に含まれる加工条件データd3の少なくとも一部)が、機械情報として、視認可能に、ディスプレイ4Bに表示されている。
【0141】
また、たとえば、
図10に示すように、ディスプレイ4Bに、「出力」のアイコンが表示されており、ユーザは、操作部4Dを操作して、当該「出力」アイコンをクリックする。この場合には、制御回路4Cは、操作部4Dが当該操作を受け付けたことを認識し、複数のデータ用いて表形式のファイルを構成し、当該ファイルをメモリ4E内に格納する。ここで、表形式のファイルを構成する各データは、時点T3を含む所定時間内に検出された複数の検出情報が有するデータである。当該表形式のファイルを、ディスプレイ4Bに表示することもできる。
【0142】
図12は、当該表形式のファイルが、ディスプレイ4Bに表示された様子を例示する図である。
【0143】
上記したように、たとえば、時点T3が選択されると、当該時点T3を含む所定時間内に検出された複数の検出情報が、メモリ4Eから抽出され、グラフ化される。出力された表形式を例示する
図12では、抽出した各検出情報に含まれる、複数の物理量データd1−1〜d1―Nを用いて、表が作成されている。つまり、
図12では、時点T3を含む所定時間内に検出された、複数の物理量の時間的変化が、表として、数値化して、ディスプレイ4Bに表示されている。
【0144】
なお、メモリ4Eから表形式のファイルを取り出し、管理装置4とは別に用意されているPC等を用いて、当該PCが有するモニタ上に、
図12に例示した表を表示させても良い。
【0145】
また、ディスプレイ4B上に
図10の表示がされている状態で、ユーザは、操作部4Dに対して操作を行い、表示されているグラフにおいて、所定の位置を選択したとする。たとえば、
図13に示すように、ディスプレイ4Bに、グラフが表示されており、ユーザは、操作部4Dを操作して、グラフの所定の位置(矢印の先の位置)を選択する。
【0146】
この場合には、制御回路4Cは、操作部4Dが当該操作を受け付けたことを認識し、当該選択された所定の位置に対応する検出情報(以下、ポイント検出情報と称する)に含まれるデータを、ディスプレイ4Bに表示する。
【0147】
図14は、グラフの所定の位置を選択した後の様子を例示する図である。
【0148】
上記したように、たとえば、時点T3が選択されると、当該時点T3を含む所定時間内に検出された複数の検出情報が、メモリ4Eから抽出され、グラフ化される。グラフの所定の位置を選択した後を例示する
図14では、ポイント検出情報に含まれる、データMaが、ディスプレイ4Bに表示される。また、
図14に例示する表示には、
図10に例示した内容も含まれている。
【0149】
図14の例では、表示されるデータMaの項目としては、たとえば、ポイント検出情報に含まれるいくつかの物理量データd1、ポイント検出情報に含まれる加工条件データd3(たとえば、加工条件データd3の一部である、ワーク識別番号、主軸識別番号など)などである。なお、ポイント検出情報に含まれる複数のデータの中で、どのデータを、データMaとして表示させるかは、ユーザにより任意に選択できるようにしてもよい。
【0150】
グラフとともに、データMaが表示されることにより、ユーザが要する情報が、ディスプレイ4Bに表示される。よって、加工不良の原因特定が容易となる。
【0151】
図15は、グラフの所定の位置を選択した後の他の表示例を示す図である。
【0152】
図15では、ポイント検出情報に含まれる、データMa(
図14で示したデータMaと同種)が、ディスプレイ4Bに表示され、さらに、ポイント検出情報の加工条件データd3に含まれる加工プログラムPDの内容が、ディスプレイ4Bに、表示される。ここで、
図15では、具体的なデータMaの表示例は、省略している。また、
図15に例示する表示には、
図10に例示した内容も含まれている。
【0153】
なお、ポイント検出情報が検出された時点において実施されていた、加工プログラムの位置が、加工プログラムPD内で強調されるように表示されても良い(
図15において、加工プログラムPD内の下線部参照)。
【0154】
以上のように、本実施の形態に係る工作機械管理システム100は、工作機械2、メモリ4E、および制御回路4Cを、備えている。そして、制御回路4Cは、検出情報が、予め定められた判定条件を満足する選択検出情報であるか否かを判定している。さらに、制御回路4Cは、複数の選択検出情報を、当該選択検出情報が検出された時点と関連付けて、各々メモリ4Eに記録している。
【0155】
したがって、多くの検出情報の中から、自動的に、判定条件を満たす複数の選択検出情報を、抽出することができる。よって、膨大な数の検出情報の中から、たとえば、異常と思われるデータを含む検出情報を、ユーザが自ら検索して抽出する必要がなく、労力の低減が可能となる。したがって、結果として、加工不良の原因を容易に特定できる。
【0156】
なお、工作機械2による加工において、加工環境の変化、工具15の摩耗、加工プログラムの変化等で、加工条件が変化する。これにより、ビビリ振動や工具破損等が生じて、上記加工不良が生じる場合がある。
【0157】
また、本実施の形態に係る工作機械管理システム100では、制御回路4Cは、複数の選択検出情報を、当該選択検出情報と関連付けられた時点に基づいて、配列している。たとえば、上記で説明したように、選択検出情報は、時点に基づいて、時系列に、メモリ4E内に配列されている。
【0158】
このように、メモリ4Eにおいて、時系列に複数の選択検出情報が配列されるので、ユーザは、検索条件を満たす複数の選択検出情報が、いつ検出された検出情報であるかを、容易に認識できる。
【0159】
また、本実施の形態に係る工作機械管理システム100は、センサユニット21,22,23を備えている。そして、検出情報には、センサユニット21,22,23により検出された物理量(振動値、負荷、回転数、温度等)が含まれている。また、制御回路4Cは、検出情報に含まれる物理量と、異常判定閾値とを比較している。そして、制御回路4Cは、異常判定閾値を超えた物理量を有する検出情報を、選択検出情報として選択している。
【0160】
したがって、膨大な数の検出情報の中から、異常と判断できる物理量を含む検出情報を、自動的に、選択検出情報として、抽出することができる。よって、ユーザは、膨大な数の検出情報の中から、センサユニット21,22,23により検出された異常な値の物理量を含む検出情報を、検索して抽出する手間を省くことができる。
【0161】
また、本実施の形態に係る工作機械管理システム100は、アラームを発するアラーム発生装置(NC装置3)を、さらに備えている。そして、検出情報は、当該NC装置3により検出されたアラームに関するアラーム情報を、含んでいる。また、制御回路4Cは、アラームの発生を示すアラーム情報を有する検出情報を、選択検出情報として選択している。
【0162】
したがって、膨大な数の検出情報の中から、NC装置3によりアラームが発せられた時点の検出情報を、自動的に、選択検出情報として、抽出することができる。よって、ユーザは、膨大な数の検出情報の中から、何らかの異常によりアラームが発せられた時点の検出情報を、検索して抽出する手間を省くことができる。
【0163】
また、本実施の形態に係る工作機械管理システム100は、複数の選択検出情報の少なくとも1部を、所定の表示項目(たとえば、日付・時間から成る時点)を用いて、一覧として表示するディスプレイ4Bを、さらに備えている。
【0164】
したがって、ユーザは、抽出された選択検出情報(たとえば、異常発生時に検出された検出情報)を、容易に視認することができる。また、各選択検出情報は、ディスプレイ4Bにおいて、時点として表示されている。よって、表示された一覧から、加工不良の原因等が生じた時を容易に特定できる。
【0165】
また、ディスプレイ4Bに一覧表示されている複数の所定の表示項目のうち、一つの所定の表示項目が、選択されたとする。この場合、本実施の形態に係る制御回路4Cは、当該選択された所定の表示項目に対応する選択検出情報を含む、複数の検出情報を、メモリ4Eから抽出する。そして、制御回路4Cは、抽出された複数の検出情報に含まれているデータを用いて、当該データの時間的変化を示すグラフを作成する。そして、制御回路4Cは、当該グラフを、ディスプレイ4Bに表示する。
【0166】
したがって、ユーザは、表示されたグラフの解析を、ディスプレイ4B上で容易に行うことができる。よって、たとえば、加工不良等の異常の原因を、ユーザは、容易に特定することができる。
【0167】
また、本実施の形態に係る工作機械管理システム100では、制御回路4Cは、グラフにおいて、選択検出情報に含まれるデータに対応する位置を、他の位置と差別的に表示する。
【0168】
したがって、ユーザは、表示されたグラフにおける、異常を示すデータを含む選択検出情報の時点を、容易に認識することができる。よって、ユーザは、異常の原因の特定を、より迅速に行うことができる。
【0169】
また、表示されているグラフにおいて、所定の位置が選択されたとする。この場合、本実施の形態に係る制御回路4Cは、当該選択された所定の位置に対応する検出情報に含まれるデータを、ディスプレイ4Bに表示する。
【0170】
したがって、表示されたグラフに対する解析の利便性が向上し、ユーザによる異常の原因の解析が、より促進する。
【0171】
<実施の形態2>
実施の形態1では、制御回路4Cは、複数の検出情報を、メモリ4Eの記憶領域R1に格納している(
図6参照)。他方、判定条件を満たす検出情報を、選択検出情報と判定し、複数の選択検出情報を、メモリ4Eの記憶領域R2に、別途格納している(
図7参照)。そして、記憶領域R2に格納されている複数の選択検出情報を、所定の表示項目を用いて、一覧表示している(
図9参照)。また、ディスプレイ4Bに、グラフが表示されることについても、説明した(
図10等参照)。
【0172】
本実施の形態では、複数の選択検出情報から、検索条件を満たす選択検出情報(以下、検索選択検出情報と称する)を、選択する。
【0173】
ここで、検索条件としては、たとえば、加工プログラムの識別情報、アラームの識別情報、工具の識別情報、およびワークの識別情報などが、採用できる。
【0174】
本実施の形態2に係る工作機械管理システムの構成は、
図1,2で示した、実施の形態1に係る工作機械管理システム100の構成と、実質的に同じである。したがって、本実施の形態2に係る工作機械管理システムの構成の説明は、ここでは省略する。よって、以下では、本実施の形態2に係る工作機械管理システムの動作を、
図1,2で示した概略構成図を用いて、具体的に説明する。
【0175】
図16は、本実施の形態2に係る工作機械管理システムの動作を示す、フローチャートである。
【0176】
図2を参照して、制御回路4Cは、メモリ4Eに記憶されているデータ閲覧ソフトウェアを読み込む。そして、制御回路4Cは、当該データ閲覧ソフトウェアに従った制御を、実施する(
図16のSTART参照)。
【0177】
実施の形態1で説明したように、複数の選択検出情報が、ディスプレイ4Bに、所定の表示項目を用いて、一覧表示される(
図16のステップS41)。当該表示されるまでの動作は、
図8のステップS31で説明した内容と、実質的に同じである。
【0178】
図17は、ステップS41後に、ディスプレイ4Bに表示される内容を示す図である。
図17を参照して、
図9と同様に、選択検出情報を示す所定の表示項目が、ディスプレイ4Bに表示されている。ただし、本実施の形態では、
図17に示すように、ディスプレイ4Bに、検索条件を入力する「検索」欄も、表示される。
【0179】
図17に示すように、ディスプレイ4Bに、「検索」欄が表示されている状態において、ユーザは、操作部4Dに対して、当該「検索」欄に、検索条件を入力する(
図16のステップS42)。なお、「検索」欄に、プルダウンマーク(▽)を表示させ、予め設定された検索条件を、プルダウンメニューから選択し、検索条件を入力することもできる。検索条件が入力されると、制御回路4Cは、操作部4Dが当該検索条件を受け付けたことを認識し、次の動作を行う。
【0180】
図4のステップS4、S5で説明したように、複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diが選択され、メモリ4E内に記憶されている。そこで、制御回路4Cは、メモリ4Eに格納されている選択検出情報D1,D3,・・・,Diが、入力された検索条件を満たすデータを有するかを、判断する。
【0181】
制御回路4Cによる当該判断は、メモリ4Eに格納されている複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diの、各選択検出情報について、実施される。そして、制御回路4Cは、複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diの中から、入力された検索条件を満たすデータを有する選択検出情報を、検索選択検出情報として、選択する(
図16のステップS43)。
【0182】
たとえば、「検索」欄に、所望の加工プログラムを示す、検索条件が入力されたとする。この場合には、制御回路4Cは、記憶領域R2に格納されている各選択検出情報D1,D3,・・・,Diにおいて、加工条件データd3を参照する。そして、制御回路4Cは、加工条件データd3内に、所望の加工プログラムを示す識別データが含まれているか否かを判断する。
【0183】
そして、制御回路4Cが、ある選択検出情報において、所望の加工プログラムの識別データが含まれている加工条件データd3を検出したとする。この場合、制御回路4Cは、複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diの中から、当該検出した加工条件データd3を有する選択検出情報を、検索選択検出情報として選択する。
【0184】
なお、検索条件としては、加工プログラムの識別情報の他に、アラームの識別情報、工具の識別情報、およびワークの識別情報などが、採用できる。
【0185】
よって、たとえば、検索条件として、工具識別番号が入力されたときには、制御回路4Cは、複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diの中から、当該工具識別番号を有する選択検出情報を、検索選択検出情報として選択する。
【0186】
また、検索条件として、アラーム識別番号が入力されたときには、制御回路4Cは、複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diの中から、当該アラーム識別番号を有する選択検出情報を、検索選択検出情報として選択する。
【0187】
また、検索条件として、ワーク識別番号が入力されたときには、制御回路4Cは、複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diの中から、当該ワーク識別番号を有する選択検出情報を、検索選択検出情報として選択する。
【0188】
次に、制御回路4Cは、選択された検索選択検出情報を、検索選択検出情報が検出された時点と関連付けて、たとえば、メモリ4Eの記憶領域R2に記録する。この場合、記憶領域R2には、複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diに加えて、これとは別区画において、検索選択検出情報が記録される。
【0189】
ここで、ステップS43において、複数の検索選択検出情報が選択された場合には、制御回路4Cは、記憶領域R2において、複数の検索選択検出情報を、検索選択検出情報と関連付けられた時点に基づいて、時系列に配列させる。
【0190】
そして、制御回路4Cは、ディスプレイ4Bを制御し、当該ディスプレイ4B上に、選択した検索選択検出情報を、所定の表示項目(時点など)を用いて、表示する(
図16のステップS44)。
【0191】
ここで、ステップS43において、複数の検索選択検出情報が選択された場合には、制御回路4Cは、ディスプレイ4B上に、選択した複数の検索選択検出情報を、所定の表示項目(時点など)を用いて、一覧として、表示する。
【0192】
図18は、複数の検索選択検出情報が、所定の表示項目(検索選択検出情報に関連付けられている時点)を用いて、ディスプレイ4Bに表示された様子を例示する図である。
【0193】
図18に例示するように、ディスプレイ4Bには、「検索結果」の欄において、検索選択検出情報に対応する各所定の表示項目(時点)が、時点に基づいて、時系列順に、配列されている。また、ディスプレイ4Bには、「選択検出情報」の欄において、選択検出情報に対応する各所定の表示項目(時点)が、時点に基づいて、時系列順に、配列されている。
【0194】
上記から分かるように、記憶領域R2に格納されている検索選択検出情報は、記憶領域R2に格納されている複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diを、検索条件を用いて、絞り込んだ結果である。同様に、「検索結果」の欄に表示されている所定の表示項目は、「選択検出情報」の欄に表示されている複数の所定の表示項目を、検索条件を用いて、絞り込んだ結果である。
【0195】
ここで、
図18に示すように、ディスプレイ4Bの「検索結果」において、複数の所定の表示項目が一覧表示されている。この状態において、当該複数の所定の表示項目の中から、一つの所定の表示項目が選択される(
図16のステップS45)。
図18では、時点T3が選択されている。一つの所定の表示項目が選択されると、実施の形態1でも説明したように、制御回路4Cは、グラフ化を行う。
【0196】
つまり、制御回路4Cは、メモリ4Eの記憶領域R1に記憶されている複数の検出情報の中から、選択された所定の表示項目(時点)に対応する検索選択検出情報を含む、複数の検出情報を、メモリ4Eから抽出する。ここで、抽出される複数の検出情報は、選択された時点を含む所定時間内に、検出された検出情報である。
【0197】
そして、制御回路4Cは、抽出した複数の検出情報に含まれているデータを用いて、当該データの時間的変化を示すグラフを作成する。検出情報には、複数のデータが含まれている。
【0198】
たとえば、工具主軸2a1の振動加速度の時間変化を示すグラフを表示させたいとする。この場合には、制御回路4Cは、各検出情報に含まれる「工具主軸2a1の振動加速度」の値を示す物理量データd1を各々抽出する。そして、制御回路4Cは、当該抽出した「工具主軸2a1の振動加速度」の値を示す物理量データd1を用いて、時間変化を示すグラフを作成する。
【0199】
その後、制御回路4Cは、ディスプレイ4Bに、作成したグラフを表示させる(
図16のステップS46)。
【0200】
図19は、ディスプレイ4Bに、
図18に表示されていた内容に加えて、作成されたグラフが表示される様子を示す図である。
【0201】
実施の形態1でも説明したように、制御回路4Cは、ディスプレイ4Bに表示されるグラフにおいて、ユーザにより選択された検索選択検出情報に含まれるデータの位置を、強調して、他のグラフの位置と差別的に表示しても良い。
図19の例では、実施の形態1と同様に、黒丸印により、グラフにおいて、ユーザにより選択された検索選択検出情報に含まれるデータの位置を、強調している。
【0202】
以上が、
図16に示した、グラフ表示までの動作である。一方、管理装置4は、以下の表示を行うこともできる。
【0203】
実施の形態1で説明したように、ユーザが、操作部4Dに対して、グラフ切替を指示する操作を施しても良い。この場合には、制御回路4Cは、選択された検索選択検出情報を含む複数の検出情報に含まれているデータを用いて、複数種類のグラフを、ディスプレイ4Bに表示する。ここで、上記から分かるように、当該複数の検出情報は、選択された検索検出情報に関連づけられている時点を含む上記所定時間内に、検出された検出情報である。
【0204】
上記の通り、検索選択検出情報は、複数の選択検出情報を、検索条件を用いて、絞り込んだ結果である。よって、当該複数種類のグラフの表示例は、たとえば既に説明した
図11を参照することで、理解できる。なお、表示させるグラフの数、種類は、ユーザにより任意に選択できるようにしてもよい。
【0205】
また、実施の形態1で説明したように、ユーザは、操作部4Dに対して、「出力」のアイコンをクリックしても良い。この場合には、制御回路4Cは、実施の形態1でも説明したように、所定のデータを用いて表形式のファイルを作成し、当該表形式のファイルをメモリ4Eに格納する。また、当該表形式のファイルを、表として、ディスプレイ4Bや他のモニタ等に表示しても良い。
【0206】
ここで、上記の通り、検索選択検出情報は、複数の選択検出情報を、検索条件を用いて、絞り込んだ結果である。よって、当該表の表示例は、たとえば既に説明した
図12を参照することで、理解できる。実施の形態1で説明したように、当該表は、所定時間内に検出された複数の検出情報(選択された検索選択検出情報を含む)に含まれる、データを用いて、作成される。
【0207】
また、実施の形態1で説明したように、ユーザは、操作部4Dに対して操作を行い、表示されているグラフにおいて、所定の位置を選択しても良い。この場合には、制御回路4Cは、当該選択された所定の位置に対応する検出情報に含まれるデータを、ディスプレイ4Bに表示する。
【0208】
ここで、上記の通り、検索選択検出情報は、複数の選択検出情報を、検索条件を用いて、絞り込んだ結果である。よって、当該データの表示例は、たとえば既に説明した
図14,15を参照することで、理解できる。
【0209】
なお、上記の説明では、
図17に示すように、検索条件は、一つだけ入力できた。しかし、検索条件は、複数入力できるようにしても良い。
図20の例では、二つの検索条件を入力できる画面が、ディスプレイ4Bに表示されている。
【0210】
なお、
図20の例では、ディスプレイ4Bに、「検索条件追加」の項目が表示されている。検索条件を増やしたい場合には、ユーザは、操作部4Dを操作して、当該「検索条件追加」の項目をクリックする。これにより、ディスプレイ4Bに、検索条件を入力できる欄が、追加表示される。
【0211】
複数の検索条件が入力された場合には、制御回路4Cは、記憶領域R2に格納されている複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diを対象に、入力された複数の検索条件を満たす(具体的に、複数の検索条件に関するAND条件、または、複数の検索条件に関するOR条件)データを有する選択検出情報を、検索選択検出情報として、選択する。
【0212】
以上のように、本実施の形態2に係る工作機械管理システムは、検索条件を受け付ける操作部4Dを、さらに備えている。そして、制御回路4Cは、複数の選択検出情報から、検索条件を満たす検索選択検出情報を、選択している。
【0213】
したがって、ユーザは、複数の選択検出情報の中から、所望の選択検出情報を、検索選択検出情報として、選択することができる。よって、たとえば、工作機械2における異常等の解析、異常原因の特定等において、工作機械管理システムの利便性を向上させることができる。
【0214】
なお、
図16のステップS42の後に、ユーザは、操作部4Dに対して、検索日付範囲を入力しても良い。この場合には、制御回路4Cは、複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diの中から、入力された検索条件を満たす選択検出情報を選択する。さらに、制御回路4Cは、検索条件を満たす選択検出情報に関連付けられている時点を参照する。そして、制御回路4Cは、当該時点と入力された検索日付範囲とを比較し、選択された選択検出情報の中から、入力された検索日付範囲以内のものを、検索選択検出情報として選択する。
【0215】
<実施の形態3>
実施の形態2では、制御回路4Cは、
図4のステップS4で選択された複数の選択検出情報D1,D3,・・・,Diを対象に、入力された検索条件を満たすデータを有する選択検出情報を、検索選択検出情報として、選択していた。
【0216】
本実施の形態3では、記憶領域R1に格納されている複数の検出情報の中から、操作部4Dが受け付けた検索条件を満足する検出情報を、検索検出情報として、選択する。
【0217】
ここで、検索条件としては、実施の形態2で説明したように、たとえば、加工プログラムの識別情報、アラームの識別情報、工具の識別情報、およびワークの識別情報などが、採用できる。
【0218】
本実施の形態3に係る工作機械管理システムの構成は、
図1,2で示した、実施の形態1に係る工作機械管理システム100の構成と、実質的に同じである。したがって、本実施の形態3に係る工作機械管理システムの構成の説明は、ここでは省略する。よって、以下では、本実施の形態3に係る工作機械管理システムの動作を、
図1,2で示した概略構成図を用いて、具体的に説明する。
【0219】
また、実施の形態1で説明した、メモリ4Eの記憶領域R1に、複数の検出情報を格納するまでの動作は、本実施の形態3においても、実質的に同じである(
図6参照)。
【0220】
図21は、本実施の形態3に係る工作機械管理システムの動作を示す、フローチャートである。
【0221】
制御回路4Cは、メモリ4Eに記憶されているデータ閲覧ソフトウェアを読み込む。そして、制御回路4Cは、当該データ閲覧ソフトウェアに従った制御を、実施する(
図21のSTART参照)。
【0222】
本実施の形態では、制御回路4Cは、メモリ4Eの記憶領域R1に格納されている、複数の検出情報を読み出す。そして、所定の項目を用いて、読み出した複数の検出情報を、ディスプレイ4Bに、一覧表示する(
図21のステップS51)。
【0223】
たとえば、
図6を用いて説明したように、複数の検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNが、当該検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNが検出された時点T1,T2,T3,T4,・・・,TN−1,TNと関連付けて、メモリ4Eの記憶領域R1に、格納されているとする。この場合には、制御回路4Cは、記憶領域R1に格納されている、複数の検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNを読み出す。
【0224】
そして、制御回路4Cは、読み出した複数の検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNを、ディスプレイ4Bにおいて、表示する。ここで、ディスプレイ4Bにおいて、検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNは、各検出情報を示す所定の表示項目を用いて、一覧表示される。たとえば、所定の表示項目として、検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNに関連付けられている時点T1,T2,T3,T4,・・・,TN−1,TNを、採用することができる。
【0225】
図22は、複数の検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNが、所定の表示項目を用いて、ディスプレイ4Bに表示された様子を示す図である。
【0226】
図22では、所定の表示項目は、検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNに関連付けられている時点T1,T2,T3,T4,・・・,TN−1,TNである。実施の形態1でも説明したように、各時点は、日付・時間とから成る情報である。
【0227】
ディスプレイ4Bに
図22が表示された場合には、時点T1の表示は、検出情報D1を示しており、時点T2の表示は、検出情報D2を示しており、時点TNの表示は、検出情報DNを示している。
【0228】
したがって、
図22の表示例では、表示項目である時点T1は、記憶領域R1に格納されている検出情報D1と、リンクしている。また、表示項目である時点T2は、記憶領域R1に格納されている検出情報D2と、リンクしている。また、表示項目である時点TNは、記憶領域R1に格納されている検出情報DNと、リンクしている。
【0229】
さて、
図22に示すように、ディスプレイ4Bには、検索条件を入力する「検索」欄が、表示されている。ディスプレイ4Bに、「検索」欄が表示されている状態において、ユーザは、操作部4Dに対して、当該「検索」欄に、検索条件を入力する(
図21のステップS52)。なお、「検索」欄に、プルダウンマーク(▽)を表示させ、予め設定された検索条件を、プルダウンメニューから選択し、検索条件を入力することもできる。
【0230】
ここで、検索条件としては、実施の形態2で説明したように、加工プログラムの識別情報、アラームの識別情報、工具の識別情報、およびワークの識別情報などが、採用できる。制御回路4Cは、操作部4Dが当該検索条件を受け付けたことを認識し、次の動作を行う。
【0231】
制御回路4Cは、記憶領域R1に格納されている検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNが、入力された検索条件を満たすデータを有するか否かを、判断する。
【0232】
制御回路4Cによる当該判断は、記憶領域R1に格納されている複数の検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNの、各検出情報について、実施される。そして、制御回路4Cは、複数の検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNの中から、入力された検索条件を満たすデータを有する検出情報を、検索検出情報として、選択する(
図21のステップS53)。
【0233】
たとえば、「検索」欄に、所望の加工プログラムを示す、検索条件が入力されたとする。この場合には、制御回路4Cは、記憶領域R1に格納された各検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNにおいて、加工条件データd3内に、所望の加工プログラムを示す識別データが含まれているか否かを判断する。
【0234】
そして、制御回路4Cが、所望の加工プログラムの識別データが含まれている加工条件データd3を検出したとする。この場合、当該制御回路4Cは、複数の検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNの中から、当該検出した加工条件データd3を有する検出情報を、検索検出情報として選択する。
【0235】
なお、検索条件としては、加工プログラムの識別情報の他に、アラームの識別情報、工具の識別情報、およびワークの識別情報などが、採用できる。
【0236】
よって、たとえば、検索条件として、工具識別番号が入力されたときには、制御回路4Cは、複数の検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNの中から、当該工具識別番号を有する検出情報を、検索検出情報として選択する。
【0237】
また、検索条件として、アラーム識別番号が入力されたときには、制御回路4Cは、複数の検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNの中から、当該アラーム識別番号を有する検出情報を、検索検出情報として選択する。
【0238】
また、検索条件として、ワーク識別番号が入力されたときには、制御回路4Cは、複数の検出情報D1,D2,D3,D4,・・・,DN−1,DNの中から、当該ワーク識別番号を有する検出情報を、検索検出情報として選択する。
【0239】
次に、制御回路4Cは、選択された検索検出情報を、検索検出情報が検出された時点と関連付けて、たとえば、メモリ4Eの記憶領域R2に記録する。ここで、複数の検索検出情報が選択された場合には、制御回路4Cは、記憶領域R2において、複数の検索検出情報を、検索検出情報と関連付けられた時点に基づいて、時系列に、各々配列させる。
【0240】
そして、制御回路4Cは、ディスプレイ4Bを制御し、当該ディスプレイ4B上に、選択した検索検出情報を、所定の表示項目(時点など)を用いて、表示する(
図21のステップS54)。
【0241】
ここで、複数の検索検出情報が選択された場合には、当該制御回路4Cは、選択した複数の検索検出情報を、所定の表示項目(時点など)を用いて、一覧として、時系列に、ディスプレイ4B上に表示する。
【0242】
図23は、複数の検索検出情報が、所定の表示項目(検索検出情報に関連付けられている時点)を用いて、ディスプレイ4Bに表示された様子を示す図である。
【0243】
図23に例示するように、ディスプレイ4Bには、「検索検出情報」の欄において、検索検出情報に対応する各所定の表示項目(時点)が、当該時点に基づいて、時系列順に配列されている。また、ディスプレイ4Bには、「検出情報」の欄において、検出情報に対応する各所定の表示項目(時点)が、時点に基づいて、時系列順に配列されている。
【0244】
ここで、
図23に示したディスプレイ4Bの「検索検出情報」の欄において、複数の所定の表示項目の中から、一つの所定の表示項目が選択される(
図21のステップS55)。
【0245】
たとえば、
図23において、時点Tfが選択されたとする。この場合には、実施の形態1でも説明したように、制御回路4Cは、グラフ化を行う。
【0246】
つまり、制御回路4Cは、記憶領域R1に記憶されている複数の検出情報の中から、選択された所定の表示項目(時点Tf)に対応する検索検出情報を含む、複数の検出情報を、メモリ4Eから抽出する。ここで、抽出される複数の検出情報は、選択された時点Tfを含む所定時間内に、検出された検出情報である。
【0247】
そして、制御回路4Cは、抽出した複数の検出情報に含まれているデータを用いて、当該データの時間的変化を示すグラフを作成する。検出情報には、複数のデータが含まれている。
【0248】
たとえば、工具主軸2a1の振動加速度の時間変化を示すグラフを表示させたいとする。この場合には、制御回路4Cは、各検出情報に含まれる「工具主軸2a1の振動加速度」の値を示す物理量データd1を各々抽出する。そして、制御回路4Cは、当該抽出した「工具主軸2a1の振動加速度」の値を示す物理量データd1を用いて、時間変化を示すグラフを作成する。
【0249】
その後、制御回路4Cは、ディスプレイ4Bに、作成したグラフを表示させる(
図21のステップS56)。
図24は、ディスプレイ4Bに、グラフが表示されている様子を例示する図である。
図24には、グラフの他に、
図23で表示されていた内容も、含まれている。
【0250】
ここで、実施の形態1と同様に、制御回路4Cは、ディスプレイ4Bに表示されるグラフにおいて、ユーザにより、ステップS55で選択された検索検出情報に含まれるデータの位置を、強調して、他のグラフの位置と差別的に表示しても良い。
【0251】
上記のように、時点Tfが選択されたときには、当該時点Tfに関連付けられている検索検出情報に含まれるデータの位置が、強調される。
図24に例示したグラフ上において、時点Tfに対応する位置が、黒丸で表示されている。
【0252】
以上が、
図21に示した、グラフ表示までの動作である。一方、管理装置4は、以下の表示を行うこともできる。
【0253】
実施の形態1で説明したように、ユーザが、操作部4Dに対して、グラフ切替を指示する操作を施しても良い(たとえば、
図24に表示されている「切替」のアイコンをクリックしたとする)。この場合には、制御回路4Cは、ステップS55で選択された検索検出情報を含む複数の検出情報に含まれているデータを用いて、複数種類のグラフを、ディスプレイ4Bに表示する(
図25参照)。ここで、上記から分かるように、当該複数の検出情報は、ステップS55で選択された検索検出情報に関連づけられている時点を含む上記所定時間内に、検出された検出情報である。
【0254】
図25の例では、時点Tfに関連付けられている検索検出情報が選択されており、当該時点を含む所定の時間内に、検出された複数の検出情報が抽出されている。そして、各検出情報に含まれるデータを用いて、時間変化を示す複数のグラフGh1,Gh2,Gh3,Gh4が作成され、表示されている。なお、表示されるグラフの数、種類は、ユーザにより任意に選択できるようにしてもよい。また、
図25の例では、各グラフGh1−Gh4の形状の図示は省略している。
【0255】
また、実施の形態1で説明したように、ユーザは、操作部4Dに対して、たとえば
図24に表示されている「出力」のアイコンをクリックしたとする。この場合には、制御回路4Cは、実施の形態1でも説明したように、所定のデータを用いて表形式のファイルを作成し、当該表形式のファイルをメモリ4Eに格納する。また、当該表形式のファイルを、表として、ディスプレイ4Bや他のモニタ等に表示しても良い。当該表は、ステップS55で選択された検索検出情報を含む、上記所定時間内に検出された複数の検出情報に含まれる、データを用いて作成される。当該表の表示例は、たとえば既に説明した
図12を参照することで、理解できる。
【0256】
また、実施の形態1で説明したように、ユーザは、操作部4Dに対して操作を行い、表示されているグラフにおいて、所定の位置を選択しても良い。ここで、本実施の形態では、グラフは、ステップS55で選択された検索検出情報を含み、さらに所定時間内に検出された複数の検出情報に含まれるデータを用いて、作成されている。
【0257】
この場合には、実施の形態1で説明したように、制御回路4Cは、当該選択された所定の位置に対応する検出情報に含まれるデータを、ディスプレイ4Bに表示する。
図26は、グラフの所定の位置を選択した後の様子を例示する図である。
【0258】
図26において、グラフに対する矢印は、ユーザにより選択された位置を示す。グラフの所定の位置を選択した後を例示する
図26では、当該矢印の位置のデータを有する検出情報(ポイント検出情報)に含まれる、データMaが、ディスプレイ4Bに表示される。また、
図26に例示する表示には、
図23に例示した内容も含まれている。
【0259】
図26の例では、表示されるデータMaの項目としては、たとえば、ポイント検出情報に含まれるいくつかの物理量データd1、ポイント検出情報に含まれる加工条件データd3(たとえば、加工条件データd3の一部である、ワーク識別番号、主軸識別番号など)などである。なお、ポイント検出情報に含まれる複数のデータの中で、どのデータを、データMaとして表示させるかは、ユーザにより任意に選択できるようにしてもよい。
【0260】
また、実施の形態1で、
図15を用いて説明したように、ポイント検出情報に含まれる、データMaに加えて、ポイント検出情報の加工条件データd3に含まれる加工プログラムの内容が、ディスプレイ4Bに、表示されても良い。
【0261】
以上のように、本実施の形態3に係る工作機械管理システムは、工作機械2、メモリ4E、および制御回路4Cを、備えている。また、工作機械管理システムは、検索条件を受け付ける操作部4Dを、さらに備えている。そして、制御回路4Cは、メモリ4Eに格納されている複数の検出情報の中から、検索条件を満足する検索検出情報を選択する。さらに、制御回路4Cは、複数の検索検出情報を、当該検索検出情報が検出された時点と関連付けて、各々メモリ4Eに記録する。
【0262】
したがって、ユーザは、膨大な数の検出情報の中から、所望の検出情報を、検索検出情報として、選択することができる。よって、たとえば、工作機械2における異常等の解析、異常原因の特定等において、工作機械管理システムの利便性を向上させることができる。つまり、結果として、加工不良の原因を容易に特定できる。
【0263】
なお、上記の説明では、検索条件は、一つだけ入力できた。しかし、実施の形態2と同様に、検索条件は、複数入力できるようにしても良い。複数の検索条件が入力された場合には、制御回路4Cは、記憶領域R1に格納されている複数の検出情報を対象に、入力された複数の検索条件を満たす(具体的に、複数の検索条件に関するAND条件、または、複数の検索条件に関するOR条件)データを有する検出情報を、検索検出情報として、選択する。
【0264】
また、
図21のステップS52の後に、ユーザは、操作部4Dに対して、検索日付範囲を入力しても良い。この場合には、制御回路4Cは、複数の検出情報の中から、入力された検索条件を満たす検出情報を選択する。さらに、制御回路4Cは、検索条件を満たす検出情報に関連付けられている時点を参照する。そして、制御回路4Cは、当該時点と入力された検索日付範囲とを比較し、選択された検出情報の中から、入力された検索日付範囲以内のものを、検索検出情報として選択する。
【0265】
工作機械2としては、上記実施の形態で例示したものに限らない。旋盤、フライス盤、マシニングセンタ、レーザ加工機、付加製造装置、摩擦攪拌接合装置等または、これらを組み合わせた、各種工作機械2であってもよい。
【0266】
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
工作機械管理システム(100)は、工作機械(2)と、メモリ(4E)と、制御回路(4C)とを、備えている。工作機械(2)は、ワーク(10)を加工する。メモリ(4E)は、工作機械について検出される検出情報を、検出情報が検出された時点と関連付けて記録する。制御回路(4C)は、メモリ(4E)に接続されている。制御回路(4C)は、検出情報が、予め定められた判定条件を満足する選択検出情報であるか否かを判定する。制御回路(4C)は、複数の選択検出情報を、選択検出情報が検出された時点と関連付けて、各々メモリ(4E)に記録する。