(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
非接触給電トランスの送電コイルが内蔵された送電コイルケースと、非接触給電トランスの受電コイルが内蔵された受電コイルケースとを備え、前記受電コイルケースが車両側に設置され、前記送電コイルケースと前記受電コイルケースとが間隔を空けて対向する状態で非接触給電が行われる非接触給電装置であって、
前記受電コイルケースに対向する前記送電コイルケースの側に複数の異物検知センサーが配置され、
前記異物検知センサーが、同一平面上に離間して配置された検出電極及び接地電極を有し、前記検出電極と前記接地電極との間の容量の変化に基づいて、前記送電コイルケースと前記受電コイルケースとの間の異物の有無が検知され、
前記送電コイルケースの複数の異物検知センサーが配置された配置面が、前記送電コイルの内蔵位置に対応する第一領域と、該第一領域を除く第二領域とに区分けされ、前記第一領域に配置された前記異物検知センサーによる異物の検知が非接触給電の開始前にのみ行われ、前記第二領域に配置された前記異物検知センサーによる異物の検知が非接触給電の開始前及び給電中に行われる、
ことを特徴とする異物検知機能を備えた非接触給電装置。
請求項3に記載の非接触給電装置であって、前記異物検知センサーの複数個が並列接続された系に対して、周波数を可変した交流を供給する可変周波数電源と、前記可変周波数電源から前記系に供給される電流を検出して、異物の有無と異物の位置とを判定する異物判定部とを備える、
ことを特徴とする異物検知機能を備えた非接触給電装置。
請求項4に記載の非接触給電装置であって、前記送電コイルケースの複数の異物検知センサーが配置された配置面が、前記送電コイルの内蔵位置に対応する第一領域と、該第一領域を除く第二領域とに区分けされ、給電中に検知された異物の位置が、前記第一領域であるときは給電が停止され、前記第二領域であるときは給電が停止されない、
ことを特徴とする異物検知機能を備えた非接触給電装置。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やプラグインハイブリッド車に搭載されたバッテリーの充電には、電気ケーブルとコネクタを用いる方式が採用されているが、近年、利便性や安全性の向上を図るために、ケーブル接続が不要な非接触給電方式による充電の研究が各国で盛んに行われている。
この方式では、
図18に示すように、車両の床裏面に搭載された非接触給電トランスの二次側コイル(受電コイル)102と、地上側に設置された一次側コイル(送電コイル)202とを対向させて、地上側から停車中の車両に非接触で給電が行われる。
【0003】
この充電方式では、送電コイル202と受電コイル102との隙間に、コインや缶等の異物が入り込む虞がある。これらの異物は、非接触給電時の磁束で発熱して事故の原因になり、また、非接触給電の効率を低下させる。
そのため、異物を検知する方法が種々検討されている。
例えば、下記特許文献1には、金物異物の有無により給電効率等の特性が変化することを利用して金物異物を検知する方法が開示されている。また、温度変化を検出して金物異物を検知する方法も知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この車両用の非接触給電装置では、車両側の受電コイルと地上側の送電コイルとの隙間にペット等の小動物が入り込む虞がある。
しかし、従来の異物検知の方式では、金物異物は検知できても、生物は検知できない、と言う問題がある。
【0006】
本発明は、こうした事情を考慮して創案したものであり、金物異物だけでなく、生物も検知可能な非接触給電装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、非接触給電トランスの送電コイルが内蔵された送電コイルケースと、非接触給電トランスの受電コイルが内蔵された受電コイルケースとを備え、受電コイルケースが車両側に設置され、送電コイルケースと受電コイルケースとが間隔を空けて対向する状態で非接触給電が行われる非接触給電装置であって、受電コイルケースに対向する送電コイルケースの側に複数の異物検知センサーが配置され、この異物検知センサーが、同一平面上に離間して配置された検出電極及び接地電極を有し、検出電極と接地電極との間の容量の変化に基づいて、送電コイルケースと受電コイルケースとの間の異物の有無が検知される。
そして、送電コイルケースの複数の異物検知センサーが配置された配置面
が、送電コイルの内蔵位置に対応する第一領域と、この第一領域を除く第二領域とに区分け
され、第一領域に配置された異物検知センサーによる異物の検知
が非接触給電の開始前にのみ行
われ、第二領域に配置された異物検知センサーによる異物の検知が非接触給電の開始前及び給電中に行
われる。
異物検知センサーの検出電極と接地電極との間の静電容量は、金属や水分の有無により変化するため、金属だけでなく、送電コイルケースと受電コイルケースとの間に侵入した生物も検知できる。
送電コイルが内蔵された位置は、非接触給電時に磁束密度が高くなる。そのため、異物が存在すると、高温になり危険であるから、給電開始前に、この位置(第一領域)に異物が存在しないことを確認する必要がある。しかし、給電中は、送電コイルの周辺エリア(第二領域)を通って異物が侵入するので、第二領域における検知だけで、有効に異物が検出できる。
【0012】
また、本発明の非接触給電装置では、異物検知センサーの検出電極及び接地電極を、変化する磁場で各電極内に相反する方向の誘導電流が生まれ、それらが互に打ち消し合う形状(無誘導コイル形状)に形成しても良い。
こうすることで、非接触給電時に、検出電極及び接地電極が誘導電流により発熱することを回避できる。
【0013】
また、本発明の非接触給電装置では、検出電極及び接地電極を無誘導コイル形状に形成した場合、異物検知センサーによる異物の検知を、非接触給電時にも行うことが可能である。
給電中に異物検知を行っても、検出電極及び接地電極の温度上昇が回避できる。
【0014】
また、本発明の非接触給電装置では、無誘導コイル形状の検出電極及び接地電極を備える異物検知センサーの複数個が並列接続された系に対して、周波数を可変した交流を供給する可変周波数電源と、可変周波数電源から前記系に供給される電流を検出して、異物の有無と異物の位置とを判定する異物判定部とを設けても良い。
こうすることで、簡単な構成により、異物の有無と異物の位置とを識別することができる。
【0015】
また、本発明の非接触給電装置では、送電コイルケースの複数の異物検知センサーが配置された配置面を、送電コイルの内蔵位置に対応する第一領域と、第一領域を除く第二領域とに区分けし、非接触給電時にも異物の検知が行われる場合に、給電中に検知された異物の位置が、第一領域であるときは給電を停止し、第二領域であるときは給電を停止しないようにしても良い。
こうすることで、給電の過剰な中断を回避することができる。
また、本発明の非接触給電装置では、検出電極と接地電極との間の容量の変化に応じて発振周波数が変化する発振器を設け、発振器の発振周波数の変化に基づいて異物の有無を検知するようにしても良い。
検出電極−接地電極間の静電容量の変化を発振周波数の変化に換えることで、簡単に計測することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の非接触給電装置は、送電コイルケースと受電コイルケースとの隙間に、金物異物だけでなく、生物が侵入した場合も検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、非接触給電トランスの送電コイルが内蔵された送電コイルケース10を示している。このケース10は樹脂製であり、その中に送電コイル20が収納されている。送電コイル20は、
図2に示すように、磁極を構成するフェライトコア21と、この磁極間を接続するコア部分に巻回されたコイル22とを有している。
【0019】
図3は、本発明で使用する異物検知センサー30の一例を示している。
この異物検知センサー30は、正方形の基板の中央に形成された円形状の検出電極31と、検出電極31と同心円状の内周縁を有し、検出電極31の外周に、検出電極31から離間して形成された接地電極32と、検出電極31に接続するリード線33と、接地電極32に接続するリード線34とを有している。
基板は、10mm〜20mm程度の大きさである。ここでは、検出電極31及び接地電極32を銅泊パターンで形成しているが、銀ペーストやカーボンペースト等の導電ペーストでパターン形成しても良い。
基板上の検出電極31と接地電極32とは、コンデンサを構成しており、電極間に金属や水分(生物に保有されている水分)が接近すると、コンデンサの容量が増加する。このコンデンサの容量の変化により金属や生物等の異物の有無が検出される。
【0020】
この異物検知センサー30は、
図4に示すように、発振器50に、発振用コンデンサとして接続される。検出電極31及び接地電極32間の容量増加は、発振器50の発振周波数の減少として検出される。
この異物検知センサー30は、その複数個が、
図1の送電コイルケース10の上面(即ち、受電コイルを収容して車両の床裏面に取り付けられた受電コイルケースに対向する樹脂カバー表面)に並べて配置される。なお、異物検知センサー30は、この樹脂カバーの内側の面に配置しても良い。
【0021】
送電コイルケース10に配置された異物検知センサー30の中で、送電コイル20の内蔵位置に相当する送電コイルケース10の上面領域(第一領域200)に配置された異物検知センサー30は、送電コイル20と受電コイルとの間で非接触給電が開始される前の段階で異物の検出を行い、非接触給電が始まると異物検出動作を停止する。
一方、送電コイルケース10の第一領域200を除く上面領域(第二領域100)に配置された異物検知センサー30は、非接触給電の開始前だけでなく、給電中も異物検出動作を行う。
【0022】
このように、異物検出動作の時期を分けるのは、次のような理由による。
送電コイル20の内蔵位置に相当する第一領域200は、非接触給電時に磁束密度が高くなる。そのため、異物が存在すると、高温になり危険であるから、給電開始前に、この位置に異物が存在しないことを確認する必要がある。
しかし、給電中は、送電コイル20の周辺エリア(第二領域100)を通って第一領域200に異物が侵入することになるので、第二領域100の異物検知だけで、足りると考えられる。
【0023】
また、非接触給電時に、第一領域200の異物検知センサー30の検出電極31及び接地電極32は、高密度の磁束に晒されて渦電流が発生し、温度が上昇する。そのため、検出精度が低下する虞がある。それも、第一領域200での検出を非接触給電時に停止する理由の一つである。なお、この渦電流を抑える方策については後述する。
【0024】
図5は、この異物検知センサー30を用いて異物検出を行う機構のブロック図を示している。
この機構は、非接触給電が行われていないときに、第一領域200及び第二領域100の異物検知センサー30(非給電時検出エリア異物検知センサー51)を発振用コンデンサに用いて発振する発振器55と、発振器55を非給電時検出エリア異物検知センサー51に順次接続するマルチプレクサ53と、非接触給電が行われているときに、第二領域100の異物検知センサー30(給電時検出エリア異物検知センサー52)を発振用コンデンサに用いて発振する発振器56と、発振器56を給電時検出エリア異物検知センサー52に順次接続するマルチプレクサ54と、発振器55及び発振器56の発振周波数の変化から異物の有無及び異物の位置を判定する異物有無判定回路57と、非接触給電開始前に発振器55に電源を供給し、非接触給電中に発振器56に電源を供給する高周波電源コントローラ58とを備えている。
【0025】
異物有無判定回路57は、発振器55及び発振器56の発振周波数を観察し、発振周波数の変化が現れた異物検知センサーの位置を識別し、異物の有無を判定する。異物が存在すると判定した異物有無判定回路57は、その情報を高周波電源コントローラ58に伝える。それを受けて、高周波電源コントローラ58は、非接触給電装置の高周波電源59(
図18のインバータ203)を停止させる。
【0026】
図6は、この機構の動作フローを示している。
非給電時(St.1でYes)には、第一領域200の異物検知センサー30を順番に発振器55に接続するとともに、第二領域100の異物検知センサー30を順番に発振器56に接続して、第一領域200及び第二領域100の異物検知を行う(St.2)。異物有無判定回路57は、発振器55及び発振器56の発振周波数の変化をチェックし(St.3)、設定値以上の発振周波数の変化を検出した場合に、高周波電源59の停止状態を維持し、警報表示装置(不図示)から異物検知警報を表示させる(St.4)。
また、給電時(St.1でNo)には、第一領域200の異物検知を停止し(St.5)、第二領域100の異物検知センサー30を順番に発振器56に接続して第二領域100の異物検知を行う(St.6)。異物有無判定回路57は、発振器56の発振周波数の変化をチェックし(St.7)、設定値以上の発振周波数の変化を検出した場合に、高周波電源コントローラ58を通じて高周波電源59を停止させ、警報表示装置(不図示)から異物検知警報を表示させる(St.8)。
【0027】
次に、この異物検知センサー30の特性について測定した結果を説明する。
図7は、大きさが異なる異物検知センサーを用いて、異物の検出感度を測定した結果について示している。異物検知センサーには、
図8に示す4つのタイプ(タイプ1、タイプ2、タイプ3、タイプ4)のものを使用した(
図8のL、S、Tは、
図3に示す寸法を表している。)。検出対象の異物には、一円、十円、百円硬貨及び生物代替として水風船(水容量25ml)を用いた。これらの異物を検出電極31の上に置いた時の容量をLCRメーターで測定した。異物のない状態での容量をC
0、異物のある状態での容量をC
dとした時の容量変化率を(C
d−C
0) /C
0×100[%]として算出した。
図7の結果から、タイプ3及びタイプ4では、4種類の異物に対する容量変化率が15%以上であり、安定して検出できることが分かる。
【0028】
図9は、
図4のように、異物検知センサー30を発振器50に接続し、異物による容量変化を発振器50の発振周波数の変化として検出した結果を示している。ここでは、異物検知センサーとしてタイプ4を使用し、異物として日本・米国・欧州の硬貨5種類(一円、十円、百円、1セント、0.5ユーロ)、煙草の銀紙及び生物代替として水風船(水容量25ml)を用いた。また、
図9では、発振周波数から算出した容量を併せて示している。この結果は、LCRメーターでの測定結果と略同一であり、容量変化を発振器50の発振周波数の変化として捉えることの有効性が確認できた。
【0029】
また、
図10は、送電コイルに対する異物の位置を変えて容量変化を測定した結果について示している。ここでは、異物として
図9に示す7種類を使用し、
図2に示すx=50mm、100mm、及びy=50mm、100mmの位置に異物を置き、
図4の装置により発振周波数の変化を測定し、容量変化を求めている。
図10が示すように、7種類の異物による容量変化率は約20%以上であり、異物の有無が安定して検出できることが分かる。
【0030】
次に、非接触給電時に、異物検知センサー30の検出電極31及び接地電極32に発生する渦電流を抑制する構成について説明する。
図11は、この渦電流の発生を抑えるため、メッシュ状に形成した検出電極311及び接地電極321を示している。
このように、検出電極及び接地電極をメッシュ状に成形することで、非接触給電時の異物検知センサー30の温度上昇は最大5℃を超えないことが確認できた。また、検出電極及び接地電極をメッシュ状にしても、非接触給電開始前の異物検知特性の劣化は見られない。
【0031】
次に、非接触給電時にも容量変化の検知が可能な異物検知センサー30の検出電極及び接地電極について説明する。
図12(a)に示すように、この異物検知センサーの検出電極312及び接地電極322は、各電極内で、非接触給電時の磁束により相反する方向の誘導電流が生起され、それらが互いに打ち消し合って誘導電流がゼロになるパターン(無誘導コイル形状)を有している。また、検出電極312のパターンの開放端部は、閉回路を構成するように抵抗313で接続され、接地電極322の開放端部は、閉回路を構成するように抵抗323で接続されている。なお、検出電極312及び接地電極322のパターンを銅泊では無く、銀ペーストやカーボンペーストで形成する場合は、抵抗を介さずに閉回路を形成することができる。
図13は、非接触給電時に、この無誘導コイルの開放端部に現れる誘起電圧V
ab及びV
cd(
図13(a))を、給電電力を変えて測定した結果について示している(
図13(b))。この結果から、無誘導コイルの効果が確認できる。
【0032】
また、
図12(b)は、
図12(a)の異物検知センサーにより3kW給電中に異物検出を行ったときの異物の種類と発振周波数の変化幅との関係を示している。なお、このとき、異物検知センサーは、
図12(c)の×位置に配置した。
図12(b)から、無誘導コイル形状の検出電極312及び接地電極322を備える異物検知センサーは、非接触給電時の異物検出が可能であることが分かる。
【0033】
また、
図14は、無誘導コイル形状の検出電極及び接地電極を備える異物検知センサーの複数個を用いて、簡単な構成で異物検出ができる機構を示している。
この機構は、並列接続された複数の異物検知センサー301、302、303と、各異物検知センサー301、302、303に対し、定電圧または定電流の交流であって時間的に周波数を変えた交流を供給する可変周波数電源61と、可変周波数電源61から供給される電流を観測して、異物の有無と異物の位置とを識別する異物判定部62と、可変周波数電源61と異物検知センサー301との間に接続されたインダクタンス63とを備えている。
【0034】
図15は、この機構の等価回路を示している。符号63は、可変周波数電源61と異物検知センサー301との間に接続されたインダクタンスLを表し、符号64は、異物検知センサー301のコンデンサCを表し、符号65は、異物検知センサー301の検出電極のパターンにより生成されるインダクタンスlを表している。また、符合66は、2番目の異物検知センサー302のコンデンサCを表し、符号67は、n番目の異物検知センサー303の手前(n−1)の異物検知センサーのインダクタンスlを表し、符号68は、n番目の異物検知センサー303のコンデンサCを表している。各異物検知センサーのコンデンサ及びインダクタンスの値は同じである。
【0035】
この等価回路から、異物検知センサー301は、周波数f
1=1/{2π(LC)
1/2}で共振し、2番目の異物検知センサー302は、周波数f
2=1/[2π{(L+l)C}
1/2]で共振し、n番目の異物検知センサー303は、周波数f
n=1/[2π{(L+l(n−1))C}
1/2]で共振することが分かる。
可変周波数電源61は、各異物検知センサー301、302、303の共振周波数を順番に出力する。
【0036】
このとき、各異物検知センサー301、302、303は、コンデンサの値に変化が無いとき(即ち、異物が存在しないとき)は、自己の共振周波数が可変周波数電源61から出力されたときに共振する。そのため、異物検知センサー301、302、303が接続する全体の系のインピーダンスは小さくなる。
しかし、いずれかの異物検知センサーの位置に異物が存在すると、その異物検知センサーのコンデンサ容量が増加し、その異物検知センサーの共振周波数での共振条件が成立しなくなる。そのため、全体の系のインピーダンスが大きくなる。
インピーダンスが大きくなると、可変周波数電源61から系に供給される電流が小さくなる。
【0037】
異物判定部62は、可変周波数電源61から供給される電流を観察し、異物の有無や異物の位置を識別する。
図16は、異物の有無により、共振周波数とインピーダンスとの関係がどのように変わるかを示している。この場合、周波数f
1においてインピーダンスが急激に増加しており、周波数f
1に共振周波数を持つ異物検知センサー301の位置に異物が存在することが分かる。
この機構は、
図5の構成に比べて、マルチプレクサ53、54を必要としないため、低コストで構成できる。
【0038】
図17は、この機構の動作フローを示している。
非給電時(St.10でYes)には、可変周波数電源61から第一領域200及び第二領域100に在る異物検知センサー30の共振周波数を順次出力し、異物判定部62がインピーダンスの変化を監視する(St.11)。インピーダンスの変化量が設定値以上あるときは(St.12でYes)、高周波電源59の停止状態を維持し、警報表示装置(不図示)から異物検知警報を表示する(St.13)。
【0039】
また、給電時(St.10でNo)には、可変周波数電源61から第一領域200に在る異物検知センサー30の共振周波数を順次出力し、異物判定部62がインピーダンスの変化を監視する(St.14)。インピーダンスの変化量が設定値以上あるときは(St.15でYes)、高周波電源59を停止して、警報表示装置(不図示)から異物検知警報を表示する(St.16)。
同時に、可変周波数電源61から第二領域100に在る異物検知センサー30の共振周波数も順次出力し、異物判定部62がインピーダンスの変化を監視する(St.17)。インピーダンスの変化量が設定値以上あるときは(St.18でYes)、警報表示装置(不図示)から異物検知警報を表示する(St.19)。
このように、ここでは、給電時に検知した異物の位置が、給電への影響が少ない第二領域100であるときは、注意を喚起するものの、給電は停止せずに、異物が第一領域200に達した時点で給電を停止するようにしている。こうすることで、給電の過剰な中断を回避することができる。