特許第6342790号(P6342790)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6342790
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】農用トラクタのヒッチ装置
(51)【国際特許分類】
   A01B 59/043 20060101AFI20180604BHJP
【FI】
   A01B59/043 B
   A01B59/043 A
   A01B59/043 C
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-256870(P2014-256870)
(22)【出願日】2014年12月19日
(65)【公開番号】特開2016-116456(P2016-116456A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2017年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】安部 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 秀樹
【審査官】 田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−256511(JP,A)
【文献】 実開昭62−053606(JP,U)
【文献】 実開平02−070609(JP,U)
【文献】 実開平06−075103(JP,U)
【文献】 特開2004−041037(JP,A)
【文献】 実開平03−016806(JP,U)
【文献】 米国特許第5816339(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 59/00−59/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
農用トラクタの昇降リンク機構に装着される略逆U字状のヒッチフレームと、
ヒッチフレームの上部左右中央に設けられ、作業機のトップピンが上方から嵌入する連結溝が形成されたトップフックと、
ヒッチフレームの下部左右両側に設けられ、作業機のロワピンが後方から嵌入する連結溝が形成された左右一対のロワフックと、
ロワフックに上下回動自在に設けられ、上方回動位置ではロワフックの連結溝を開放する一方、下方回動位置ではロワフックの連結溝を閉鎖してロワピンの抜けをロックするロックプレートと、
下端部がロックプレートに連係され、その上方操作に応じてロックプレートを上方回動位置に回動させるロック解除レバーと、
トップフックに形成され、ロック解除レバーの上端部に係合するレバーガイド溝と、
ロック解除レバーの上端部を所定方向に付勢するスプリングと、を備えるヒッチ装置であって、
前記レバーガイド溝は、
ロック解除レバーの上方操作を許容する縦溝部と、
縦溝部の下端から後方又は前方に向けて延長形成され、ロック解除レバーの上動を規制する横溝部と、を有し、
前記スプリングは、ロック解除レバーの上端部を横溝部の終端部に向けて付勢することにより、ロック解除レバーを介してロックプレートの上方への回動を規制し、
前記ロックプレートは、下方回動位置において所定の範囲でロワピンの前後移動を許容するようにロワフックの連結溝を閉鎖し、作業時には、作業機の牽引負荷によってロワピンを連結溝の後端側に位置させる一方、ロック解除操作時には、作業機の自重によってロワピンを連結溝の前端側に位置させ、
さらに、ロックプレートの連結溝閉鎖部には、ロワピンが連結溝の後端側に位置するとき、ロワピンに下側から係合してロックプレートの上方への回動を規制する一方、ロワピンが連結溝の前端側に位置するとき、ロワピンから離間してロックプレートの上方への回動を許容する突起部が設けられていることを特徴とする農用トラクタのヒッチ装置。
【請求項2】
前記レバーガイド溝は、横溝部の終端から上方に向けて延長形成され、作業中に上動したロック解除レバーの上端部を係合保持する係合溝を有することを特徴とする請求項1に記載の農用トラクタのヒッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農用トラクタの昇降リンク機構に装着されるヒッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
農用トラクタの昇降リンク機構に装着され、該昇降リンク機構に対する作業機の着脱を簡易にするヒッチ装置が知られている。例えば、特許文献1のヒッチ装置では、トップフックの連結溝に作業機のトップピンを嵌入させた後、昇降リンク機構を上昇操作すると、作業機のロワピンがロワフックの連結溝に自動的に嵌入するとともに、ロックプレートが自動的に回動してロワピンの抜けをロックし、作業機の装着が完了する。一方、作業機を切り離す場合は、昇降リンク機構を上昇させた状態で運転席側からロック解除レバーを操作した後、昇降リンク機構を下降操作すると、接地に伴って作業機が切り離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−256511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種のヒッチ装置では、圃場の起伏や障害物の影響で作業機が地面から突き上げられた場合に、ロックプレートが作業機のロワピンによって上方に押し上げられるので、ロワフックからロワピンが外れ、作業機の脱落や破損に繋がる虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、農用トラクタの昇降リンク機構に装着される略逆U字状のヒッチフレームと、ヒッチフレームの上部左右中央に設けられ、作業機のトップピンが上方から嵌入する連結溝が形成されたトップフックと、ヒッチフレームの下部左右両側に設けられ、作業機のロワピンが後方から嵌入する連結溝が形成された左右一対のロワフックと、ロワフックに上下回動自在に設けられ、上方回動位置ではロワフックの連結溝を開放する一方、下方回動位置ではロワフックの連結溝を閉鎖してロワピンの抜けをロックするロックプレートと、下端部がロックプレートに連係され、その上方操作に応じてロックプレートを上方回動位置に回動させるロック解除レバーと、トップフックに形成され、ロック解除レバーの上端部に係合するレバーガイド溝と、ロック解除レバーの上端部を所定方向に付勢するスプリングと、を備えるヒッチ装置であって、前記レバーガイド溝は、ロック解除レバーの上方操作を許容する縦溝部と、縦溝部の下端から後方又は前方に向けて延長形成され、ロック解除レバーの上動を規制する横溝部と、を有し、前記スプリングは、ロック解除レバーの上端部を横溝部の終端部に向けて付勢することにより、ロック解除レバーを介してロックプレートの上方への回動を規制し、前記ロックプレートは、下方回動位置において所定の範囲でロワピンの前後移動を許容するようにロワフックの連結溝を閉鎖し、作業時には、作業機の牽引負荷によってロワピンを連結溝の後端側に位置させる一方、ロック解除操作時には、作業機の自重によってロワピンを連結溝の前端側に位置させ、さらに、ロックプレートの連結溝閉鎖部には、ロワピンが連結溝の後端側に位置するとき、ロワピンに下側から係合してロックプレートの上方への回動を規制する一方、ロワピンが連結溝の前端側に位置するとき、ロワピンから離間してロックプレートの上方への回動を許容する突起部が設けられていることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の農用トラクタのヒッチ装置において、前記レバーガイド溝は、横溝部の終端から上方に向けて延長形成され、作業中に上動したロック解除レバーの上端部を係合保持する係合溝を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、ロックプレートの連結溝閉鎖部には、ロワピンに下側から係合してロックプレートの上方への回動を規制する突起部が設けられているので、圃場の起伏や障害物の影響で作業機が地面から突き上げられても、ロックプレートの上方への回動を規制することができ、その結果、ロワフック及びロックプレートでロワピンを確実に連結保持し、作業機の脱落や破損を防止することができる。しかも、ロック解除操作時には、突起部がロワピンから離間しているので、ロックプレートのロック解除操作が阻害される不都合もない。
また、請求項2の発明によれば、レバーガイド溝は、作業中に上動したロック解除レバーの上端部を係合保持する係合溝を有するので、圃場の起伏や障害物の影響で作業機が地面から突き上げられても、ロック解除レバーの上端部がレバーガイド溝の縦溝部側に移動することを阻止でき、その結果、ロックプレートの突起部とレバーガイド溝の係合溝によって作業機の脱落や破損を二重に防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】農用トラクタの側面図である。
図2】作業機連結部の側面図である。
図3】作業機連結部の要部拡大側面図である。
図4】ヒッチ装置の側面図である。
図5】ヒッチ装置の斜視図である。
図6】ヒッチ装置の要部拡大斜視図である。
図7】ロックプレートの斜視図である。
図8】(A)はロックプレートの平面図、(B)はロックプレートの側面図、(C)はロックプレートの後面図である。
図9】突起部の作用を示す要部拡大側面図である。
図10】(A)は従来例に係るヒッチ装置の作用説明図、(B)は本発明の実施形態に係るヒッチ装置の作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は農用トラクタの走行機体であって、該走行機体1の後部には、作業機3を昇降自在に連結するための昇降リンク機構2が設けられている。昇降リンク機構2は、単一のトップリンク4と、左右一対のロワリンク5とを備える3点リンク機構であり、トップリンク4に作業機3のトップピン6を連結し、ロワリンク5に作業機3のロワピン7を連結すれば、作業機3を直接装着することが可能であるが、本発明の実施形態に係る農用トラクタにおいては、予め昇降リンク機構2にヒッチ装置8を装着し、該ヒッチ装置8を介して昇降リンク機構2に作業機3が装着される。
【0009】
ヒッチ装置8は、昇降リンク機構2に装着される略逆U字状のヒッチフレーム9と、ヒッチフレーム9の上部左右中央に設けられるトップフック10と、ヒッチフレーム9の下部左右両側に設けられる左右一対のロワフック11と、ロワフック11に上下回動自在に設けられるロックプレート12と、下端部がロックプレート12に連係され、その上方操作に応じてロックプレート12を上方回動位置に回動させるロック解除レバー13と、トップフック10に形成され、ロック解除レバー13の上端部に係合するレバーガイド溝10aと、ロック解除レバー13の上端部を所定方向に付勢する第1スプリング14(スプリング)とを備えて構成されている。
【0010】
本実施形態のヒッチフレーム9は、丸パイプからなり、丸パイプを逆U字状に曲げ加工して形成されたメインフレーム9aと、その下端部同士を連結する連結フレーム9bとを備えて構成されている。
【0011】
トップフック10の前端部には、昇降リンク機構2のトップリンク4に連結ピン4aを介して連結される連結孔10bが形成される一方、トップフック10の後端部には、作業機3を装着する際に作業機3のトップピン6が上方から嵌入する連結溝10cが形成されている。また、前述したガイド溝10aは、連結孔10bと連結溝10cとの間に形成されている。
【0012】
ロワフック11の左右外側面部には、昇降リンク機構2のロワリンク5に連結される連結ピン11aが突設される一方、ロワフック11の後端部には、作業機3を装着する際に作業機3のロワピン7が後方から嵌入する連結溝11bが形成されている。ロワフック11における連結溝11bの前方位置には、ロックプレート12の回動支軸12aが設けられ、該回動支軸12aの中心Oを支点としてロックプレート12が上下回動される。
【0013】
ロックプレート12は、連結ピン11aを迂回するように略逆U字状に形成され、その後側下端部に連結溝閉鎖部12bを有している。そして、ロックプレート12は、上方回動位置ではロワフック11の連結溝11bを開放するが、下方回動位置では連結溝閉鎖部12bがロワフック11の連結溝11bを後方から閉鎖することにより、ロワピン7の抜けをロックするようになっている。
【0014】
また、ロックプレート12における連結溝閉鎖部12bの上方位置には、レバー連結孔12cが形成されており、このレバー連結孔12cに、ロック解除レバー13の下端部が回動自在に連結されるが、さらに、レバー連結孔12cを貫通したロック解除レバー13の下端部には、ねじりバネからなる第2スプリング15が取付けられている。
【0015】
第2スプリング15は、ロック解除レバー13の下端部に外嵌する環状部15aと、環状部15aから下方後方に延出する後側スプリング片15bと、環状部15aから下方前方に延出する前側スプリング片15cと、該前側スプリング片15cの先端部に形成される折曲げ部15dとを有している。後側スプリング15bは、連結溝閉鎖部12bの後側に設けられるスプリング係合突起12dに後方から当接し、前側スプリング片15cは、連結溝閉鎖部12bの上側に設けられるスプリング係合溝12eに前方から係合している。
【0016】
図3及び図4に示すように、ロワフック11の連結溝11bに作業機3のロワピン7が嵌入している状態において、第2スプリング15の前側スプリング片15cは、ロワピン7に前方から弾性的に当接している。ここで、作業機3を取り外すべくロック解除レバー13を上方に操作すると、ロックプレート12の上方回動に応じて、第2スプリング15の折曲げ部15dがロワピン7に乗り上げることにより、第1スプリング14の付勢力に抗してロック解除レバー13が上方操作位置に保持される。その後、作業機3の取り外しに伴って連結溝11bからロワピン7が分離されると、連結溝11bの下縁に沿って形成されるスプリング係合突起11cに第2スプリング15の折曲げ部15dが上方から係合することにより、ロックプレート12が連結待機位置である中間回動位置に保持される。また、その後の作業機3の装着に際し、ロワフック11の連結溝11bに後方からロワピン7が嵌入すると、第2スプリング15の前側スプリング片15cがロワピン7に押されるのに伴い、スプリング係合突起11cと折曲げ部15dの係合が解除されることにより、ロッププレート12が下方に自動的に回動し、ロワピン7の抜けがロックされる。
【0017】
ロック解除レバー13は、ヒッチフレーム9のメインフレーム9aに沿うように略逆U字状に形成され、その上端部がトップフック10のレバーガイド溝10aを左右に貫通するとともに、左右両下端部に左右のロックプレート12が連結される。レバーガイド溝10aは、ロック解除レバー13の上方操作を許容する縦溝部10dと、縦溝部10dの下端から後方向けて延長形成され、ロック解除レバー13の上動を規制する横溝部eとを有するL字状のガイド溝であり、第1スプリング14は、ロック解除レバー13の上端部を横溝部10eの終端部に向けて付勢することにより、ロック解除レバー13を介してロックプレート12の上方への回動を規制している。また、作業機3を取り外す場合は、第1スプリング14の付勢力に抗して、ロック解除レバー13の上端部を横溝部10eから縦溝部10dに動かすとともに、縦溝部10dに沿って上方へ操作することにより、ロックプレート12がロック解除位置である上方回動位置へ回動し、作業機3の取り外しが可能になる。
【0018】
つぎに、本発明の実施形態に係るヒッチ装置8の特徴的な構成について、図4図9及び図10を参照して説明する。
【0019】
上記のように構成されたヒッチ装置8では、トップフック10の連結溝10cに作業機3のトップピン6を嵌入させた後、昇降リンク機構2を上昇操作すると、作業機3のロワピン7がロワフック11の連結溝11bに自動的に嵌入するとともに、ロックプレート12が自動的に回動してロワピン7の抜けをロックし、作業機3の装着が完了する。一方、作業機3を切り離す場合は、昇降リンク機構2を上昇させた状態で走行機体1の運転席1a側からロック解除レバー13を操作した後、昇降リンク機構2を下降操作すると、接地に伴って作業機3が切り離される。しかしながら、この種のヒッチ装置8では、圃場の起伏や障害物の影響で作業機3が地面から突き上げられた場合に、ロックプレート12が作業機3のロワピン7によって上方に押し上げられるのに伴い、ロワフック11からロワピン7が外れ、作業機3の脱落や破損に繋がる可能性がある。
【0020】
そこで、本発明の実施形態に係るヒッチ装置8のロックプレート12は、まず、下方回動位置において所定の範囲でロワピン7の前後移動を許容するようにロワフック11の連結溝11bを閉鎖するように形成される。これにより、作業時には、作業機3の牽引負荷によってロワピン7を連結溝11bの後端側に位置させる一方、作業機3を上昇させるロック解除操作時には、作業機3の自重によってロワピン7を連結溝11bの前端側に位置させる(図9参照)。
【0021】
さらに、ロックプレート12の連結溝閉鎖部12bには、ロワピン7が連結溝11bの後端側に位置するとき、ロワピン7に下側から係合してロックプレート12の上方への回動を規制する突起部12fを設ける。これにより、圃場の起伏や障害物の影響で作業機3が地面から突き上げられても、ロックプレート12の上方への回動が規制される。また、ロワピン7が連結溝11bの前端側に位置するときは、突起部12fがロワピン7から離間してロックプレート12の上方への回動を許容するので、ロックプレート12のロック解除操作も阻害されない。
【0022】
さらに、本実施形態に係るヒッチ装置8のレバーガイド溝10aは、横溝部10eの終端から上方に向けて延長形成された係合溝10fを有している。この係合溝10fは、作業中に上動したロック解除レバー13の上端部を係合保持することにより、ロック解除レバー13の上端部が意に反して縦溝部10d側に移動することを防止できる。
【0023】
叙述の如く構成された本実施形態によれば、農用トラクタの昇降リンク機構2に装着される略逆U字状のヒッチフレーム9と、ヒッチフレーム9の上部左右中央に設けられ、作業機3のトップピン6が上方から嵌入する連結溝10cが形成されたトップフック10と、ヒッチフレーム9の下部左右両側に設けられ、作業機3のロワピン7が後方から嵌入する連結溝11bが形成された左右一対のロワフック11と、ロワフック11に上下回動自在に設けられ、上方回動位置ではロワフック11の連結溝11bを開放する一方、下方回動位置ではロワフック11の連結溝11bを閉鎖してロワピン7の抜けをロックするロックプレート12と、下端部がロックプレート12に連係され、その上方操作に応じてロックプレート12を上方回動位置に回動させるロック解除レバー13と、トップフック10に形成され、ロック解除レバー13の上端部に係合するレバーガイド溝10aと、ロック解除レバー13の上端部を所定方向に付勢する第1スプリング14とを備えるヒッチ装置8であって、レバーガイド溝10aは、ロック解除レバー13の上方操作を許容する縦溝部10dと、縦溝部10dの下端から後方に向けて延長形成され、ロック解除レバー13の上動を規制する横溝部10eとを有し、第1スプリング14は、ロック解除レバー13の上端部を横溝部10eの終端部に向けて付勢することにより、ロック解除レバー13を介してロックプレート12の上方への回動を規制し、ロックプレート12は、下方回動位置において所定の範囲でロワピン7の前後移動を許容するようにロワフック11の連結溝11bを閉鎖し、作業時には、作業機3の牽引負荷によってロワピン7を連結溝11bの後端側に位置させる一方、ロック解除操作時には、作業機3の自重によってロワピン7を連結溝11bの前端側に位置させ、さらに、ロックプレート12の連結溝閉鎖部12bには、ロワピン7が連結溝11bの後端側に位置するとき、ロワピン7に下側から係合してロックプレート12の上方への回動を規制する一方、ロワピン7が連結溝11bの前端側に位置するとき、ロワピン7から離間してロックプレート12の上方への回動を許容する突起部12fが設けられているので、圃場の起伏や障害物の影響で作業機3が地面から突き上げられても、ロックプレート12の上方への回動を規制することができ、その結果、ロワフック11及びロックプレート12でロワピン7を確実に連結保持し、作業機3の脱落や破損を防止することができる。しかも、ロック解除操作時には、突起部12fがロワピン7から離間しているので、ロックプレート12のロック解除操作が阻害される不都合もない。
【0024】
また、レバーガイド溝10aは、横溝部10eの終端から上方に向けて延長形成され、作業中に上動したロック解除レバー13の上端部を係合保持する係合溝10fを有するので、圃場の起伏や障害物の影響で作業機3が地面から突き上げられても、ロック解除レバー13の上端部がレバーガイド溝10aの縦溝部10d側に移動することを阻止でき、その結果、ロックプレート12の突起部12fとレバーガイド溝10aの係合溝10fによって作業機3の脱落や破損を二重に防止することが可能になる。
【符号の説明】
【0025】
1 走行機体
2 昇降リンク機構
3 作業機
4 トップリンク軌跡
5 ロワリンク
6 トップピン
7 ロワピン
8 ヒッチ装置
9 ヒッチフレーム
10 トップフック
10a レバーガイド溝
10c 連結溝
10d 縦溝部
10e 横溝部
10f 係合溝
11 ロワフック
11b 連結溝
12 ロックプレート
12a 回動支軸
12b 連結溝閉鎖部
12f 突起部
13 ロック解除レバー
14 第1スプリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10