(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記付勢部材は、障害物が前記キャリッジ部材の移動に干渉しない場合に前記キャリッジ部材を伸長位置に向けて引っ張るために充分な付勢力を発生させるためのばね定数を有し、かつ、
前記アクチュエータ機構の最大関節結合長さ(Xmax)のための前記付勢部材の最大付勢力(Fspringmax)が、前記アクチュエータ機構の最大作動力(Factuator)を越えない、
ことを特徴とする請求項1に記載の固定機構。
前記キャリッジ部材は、前記キャリッジ部材が前記伸長位置に伸長することを障害物が阻止する時に、前記付勢部材によって加えられる付勢に逆らって前記制限位置を保持するように構成されており、かつ、
前記キャリッジ部材は、前記第1の構造と前記第2の構造との間の相対的移動によって形成される間隙に関して、前記制限位置から前記伸長位置に移動するように構成されている、
ことを特徴とする請求項11に記載の重機械の一部分。
前記付勢部材は、障害物が前記キャリッジ部材の移動に干渉しない場合に前記伸長位置に向かって前記キャリッジ部材を引っ張るのに充分な付勢力を生じさせるためのばね定数を有し、かつ、
前記アクチュエータ機構の最大関節結合長さ(Xmax)のための前記付勢部材の最大付勢力(Fspringmax)が、前記アクチュエータ機構の最大作動力(Factuator)を越えることがない、
ことを特徴とする請求項11に記載の重機械の一部分。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1Aは、第1の位置における第1の例示的な実施形態による固定機構100の正面図を示し、
図1Bと
図1Cは、第1の位置における第1の例示的な実施形態による固定機構100の斜視図である。
図1A〜
図1Cを参照すると、固定機構100は、下部ハウジング105と、キャリッジ部材110と、1つ又は複数の付勢部材115と、上部ハウジング120と、アクチュエータ機構125とを含む。
上部ハウジング102は、さらに、「第1のハウジング」とも呼称され、及び、下部ハウジング105は「第2のハウジング」とも呼称されることもあり、又は、これとは逆に呼称されることもある。
【0011】
この例示的な実施形態では、下部ハウジング105と上部ハウジング120は、互いに別個の部品として形成されることが可能であり、かつ、上部ハウジング120を下部ハウジング105に連結する機能を果たすために公知の構造によって互いに締め付け固定されている。
例えば、ボルト140が使用されることがある。
しかし、本出願の例示的な実施形態は、こうした構成に特に限定されず、単体構造のハウジング、又は、3つ以上の部品から形成されるハウジングを含むことが可能である。
さらに、上部ハウジング120と下部ハウジング105は必ずしも互いに一体にボルト留めされる必要はなく、例えばプレス嵌め、溶接、背着剤等を非限定的に含む、当業者には公知である任意の締め付け固定機構によって連結されることが可能である。
【0012】
図1A〜
図1Cに示されているように、下部ハウジング105は、キャリッジ部材110が中に収容されることが可能な開口部135を含む。
この開口部135は、下部ハウジング105の高さ全体にわたって延びる。
幾つかの例示的な実施形態では、下部ハウジング105は、キャリッジ部材110の移動をガイドし、且つ、後述する伸長位置においてキャリッジ部材110に対して構造的支持を提供する働きをするだろう。
しかし、下部ハウジング105の例示的な実施形態は、下部ハウジング105の高さ全体にわたって延びる開口部135を有することを必ずしも必要とはしない。
さらに、下部ハウジング105の例示的な実施形態は、キャリッジ部材110の移動をガイドするか、又は、キャリッジ部材110に対して構造的支持を提供する機能を果たすことを必ずしも必要としない。
【0013】
幾つかの例示的な実施形態では、上部ハウジング120は、上部構造物に対してアクチュエータ125の一部分を固定するか又は取り付ける働きをするだろう。
例えば、
図1A〜
図1Cと
図2A〜
図2Cと
図3A〜
図3Cの例示的な実施形態では、アクチュエータ機構125は、上部ハウジング120の上部端部(例えば、第1の端部)に取り付けられている。
この例示的な実施形態では、アクチュエータ機構125の上部端部(例えば、第1の端部)は上部ハウジング120上に垂直方向に取り付けられている。
アクチュエータ機構125は、
図1A〜
図1Cに示されている引込み位置の形に上方に引っ込むように、かつ、
図2A〜
図3Cに示されている後述する展開位置の形に下方に伸長するように方向配置されている。
【0014】
アクチュエータ機構125は、油圧によって上方及び下方に作動させられるように構成されている油圧式アクチュエータであるだろう。
しかし、このアクチュエータ機構125は油圧式アクチュエータに特に限定されることはなく、電子サーボ、スクリューアクチュエータ(screw actuator)等を含む、当業者には明らかである、引込み位置と展開位置との間で作動する働きをすることが可能な任意の構造であることが可能である。
【0015】
プレート145がアクチュエータ125の下部端部(例えば、第2の端部)に取り付けられている。
このプレート145は、アクチュエータ機構125の下部端部(例えば、第2の端部)を複数の付勢部材115の下部端部(例えば、第2の端部)に機械的に連結する。
明確に述べると、プレート145はアクチュエータ機構125の下部端部に取り付けられており、かつ、アクチュエータ機構125が
図2A〜
図3Cに示されている展開位置に移動させられる時に付勢部材115の下部端部に下向きの力を加える。
この例示的な実施形態では、付勢部材115の各々はコイルばねである。
しかし、付勢部材115はコイルばねに限定されず、当業者には明らかであるように、付勢の機能を果たすことが可能な構造であるだろう。
【0016】
アクチュエータ機構125が
図2A〜
図2Cと
図3A〜
図3Cとに示されている展開位置に移動させられる時に、プレート145によって加えられる下向きの力を付勢部材115がキャリッジ部材110に移動させるように、付勢部材115の上部端部(例えば、第1の端部)が、キャリッジ部材110の上部端部(例えば、第1の端部)に機械的に連結されている。
この例示的な実施形態では、付勢部材115は、障害物がキャリッジ部材の移動を妨害しない場合に展開位置に向かってキャリッジ部材を引っ張るのに充分なばね力を生じさせるのに十分なばね定数(spring value)を有するだろう。
本明細書で使用される術語「ばね定数」は、ばね剛性、又は、フックの法則からのk値(即ち、F=kX)を意味し、このばね定数は、付勢部材を比例距離(proportional distance)(X)だけ変形させるために必要とされる力(F)を定義する。
幾つかの実施形態では、複数(n=ばねの個数)の付勢部材115をアクチュエータ機構125の最大作動長さ(X
max)に引き延ばすために必要とされる下記の式1によって定義される最大合計力(F
springmax)が、アクチュエータ機構125の最大作動力(F
actuator)よりも小さいように、付勢部材の「ばね定数」(k)が選択されるだろう。
F
springmax= k × X
max (式1)
【0017】
図2Aは、第2の位置にある第1の例示的な実施形態による固定機構100の正面図であり、
図2Bと
図2Cは、第2の位置にある第1の例示的な実施形態による固定機構100の斜視図である。
図1A〜
図1Cに関連して上述した構造のさらに詳しい説明は、簡潔性のために省略する。
【0018】
図2A〜
図2Cは、固定機構の展開位置を示す。
この展開位置では、アクチュエータ機構125の中央シリンダ130は展開位置にある。
この展開位置では、アクチュエータ機構125の中央シリンダ130は、プレート145と付勢部材115の下部端部(例えば、第2の端部)とをより低い位置に移動させる。
付勢部材115は下向きの力をキャリッジ部材110に加え、この下向きの力は、キャリッジ部材110が伸長位置に移動して(例えば、
図3A〜
図3Cに示されているような、固定機構の下方の伸長部分または特徴要素900)、キャリッジ部材110が伸長位置に達することを制限する障害物が存在しない場合にキャリッジ部材110が下部ハウジング105の開口部135を通って突き出すことを生じさせる。
この伸長位置では、キャリッジ部材110は、
図4と
図5とに関連して後述する受け部材に係合するだろう。
【0019】
図3Aは、第3の位置にある第1の例示的な実施形態による固定機構100の正面図であり、
図3Bと
図3Cは、第3の位置にある第1の例示的な実施形態による固定機構100の斜視図である。
この例示的な実施形態では、付勢部材115は、障害物がキャリッジ部材の移動に干渉しない場合に、展開位置に向かってキャリッジ部材を引っ張るのに充分なばね力を生じさせるのに十分なばね定数を有するだろう。
本明細書で使用される術語「ばね定数」は、ばね剛性、又は、フックの法則からのk値(即ち、F=kX)を意味し、このばね定数は、付勢部材を比例距離(X)だけ変形させるために必要とされる力(F)を定義する。
幾つかの実施形態では、複数(n=ばねの個数)の付勢部材115をアクチュエータ機構125の最大作動長さ(X
max)に引き延ばすために必要とされる下記の式1によって定義される最大合計力(F
springmax)が、アクチュエータ機構125の最大作動力(F
actuator)よりも小さいように、付勢部材の「ばね定数」(k)が選択されるだろう。
F
springmax= k × X
max (式1)
【0020】
特に、
図3A〜
図3Cは、キャリッジ部材10が開口部135の中を通って伸長することを障害物900が妨害する、固定機構の拘束位置又は制限位置を示す。
アクチュエータ機構125の中央シリンダ130は下方に移動又は伸長させられ終わっており、このことがプレート145と付勢部材115の下部端部(例えば、第2の端部)とをより低い位置に移動させる。
【0021】
付勢部材115は、再び、下向きの力をキャリッジ部材110に与える。
障害物900が、キャリッジ部材110が開口部135の中を通って伸長することを妨害し、付勢部材115の長さが増大することを生じさせ、このことが、付勢部材115の長さの増大に比例して付勢力が増大することを生じさせる。
障害物が付勢力の増大に耐えるのに充分なだけ強固である場合には、
図3A〜
図3Cに示されているように、キャリッジ部材110は引き上げ位置又は制限位置に留まるだろう。
この引き上げ位置又は制限位置では、キャリッジ部材110は、
図4と
図5に関連して後述する受け部材に係合することを妨げられる。
【0022】
図4は、(例えば、
図1A〜
図1Cに関して上述した)引込み位置における第1の例示的な実施形態による固定機構100を伴う重機械400
の一部分の斜視図である。
図5は、(例えば、
図2A〜
図2Cに関して上述した)伸長位置における第1の例示的な実施形態による固定機構100を伴う重機械400
の一部分の斜視図である。
図6は、(例えば、
図3A〜
図3Cに関して上述した)制限位置又は妨害位置における第1の例示的な実施形態による固定機構を伴う重機械400
の一部分の斜視図である。
この例示的な実施形態を不明瞭にすることを避けるために、上部ハウジング120が示されていない。
重機械400は、互いに相対的に移動可能な上部構造物又は構造200と下部構造物又は構造300とを有する
重機械の任意の一部分でよい。
例えば、この重機械400は、下部構造300に対して相対的に回転するように構成されている上部構造200を有する建設用クレーンであるだろうが、これに限定されることはない。
【0023】
図4と
図5に示されている例示的な実施形態では、固定機構100は、上部構造物200上に取り付けられており、受け部材305は下部構造物300上に取り付けられている。
しかし、本出願の例示的な実施形態はこの構成に特に限定されることはなく、固定機構100と受け部材305の配置は、他の例示的な実施形態では逆にされることもある。
【0024】
図4と
図5では、受け部材305は、空隙315と、この空隙315から遠ざかるように延びる、空隙315に隣接した1対の傾斜区域305とを含む。
しかし、本出願の例示的な実施形態は、この構成に特に限定されることはなく、当業者には明らかであるように、代替案の構成が採用可能である。
【0025】
図4では、アクチュエータ機構125は上方位置又は引込み位置にあり、上述したように、キャリッジ部材110をその引き上げ位置又は制限位置に保持する。
この引き上げ位置では、キャリッジ部材110は、下部ハウジング105(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されており、照合番号は
図4では図の明瞭化のために省略されている)の開口部135(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されており、照合番号は
図4では図の明瞭化のために省略されている)内に保持されており、下部構造物300上の受け部材305には係合していない。
したがって、上部構造物200と下部構造物300は互いに対して相対的に回転することが可能である。
【0026】
図5では、アクチュエータ機構125の中央シリンダ130は、展開位置に移動させられ終わっているか又は伸長させられ終わっている。
中央シリンダ130が引き下げられているので、下向きの力がキャリッジ部材110にすでに加えられており、この力が、キャリッジ部材110をその伸長位置に移動させ、かつ、下部ハウジング105(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されており、照合番号は
図5では図の明瞭化のために省略されている)の開口部135(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されており、照合番号は
図5では図の明瞭化のために省略されている)の中を通って突き出すことを生じさせている。
【0027】
図6に示されているように、上部構造物200と下部構造物300とが整合しておらず、したがって、下部ハウジング105(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されており、照合番号は
図5では図の明瞭化のために省略されている)の開口部135(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されており、照合番号は
図5では図の明瞭化のために省略されている)が受け部材305の空隙315と整合していない場合には、キャリッジ部材110はその伸長位置(例えば、
図2A〜
図2Cを参照されたい)に移動することを妨げられるだろうし、キャリッジ部材110が、例えば傾斜区域310によって、完全に又は部分的に妨害されるだろう。
こうした構成では、キャリッジ部材110は、この障害によって、付勢部材115の下向きの付勢力に逆らって、上向きに押し動かされるだろう。
この状況では、キャリッジ部材110は、図に示されている部分的に持ち上げられた位置又は制限された位置に残留し、上部構造物200と下部構造物300との間の相対的な移動が可能にされるだろう。
【0028】
(例えば、
図6で矢印Mで示されているように)上部構造物200と下部構造物300が互いに対して相対的に移動させられるので、キャリッジ部材110は傾斜区域315の斜面を上昇し、例えば
図3A〜
図3Cに示されているように、制限位置へとさらに上方に押し進められるだろう。
キャリッジ部材110が妨害される場合にさえ、付勢部材115は、下向きの力がキャリッジ部材110に対して加えられ続けることを生じさせる。
【0029】
上部構造物200と下部構造物300が互いに対して相対的にさらに移動させられるのにつれて、下部ハウジング105(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されており、照合番号は
図5では図の明瞭化のために省略されている)の開口部135(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されており、照合番号は
図5では図の明瞭化のために省略されている)が、空隙315に対して整合し始めるだろう。
上部構造物200と下部構造物300との間の相対的移動が、上部構造物200上に取り付けられている下部ハウジング105(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されている)の開口部135(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されている)と、下部構造物300上に取り付けられている受け部材305の空隙315との間の整合を生じさせると、傾斜区域305はキャリッジ部材100を妨害しなくなるだろう。
【0030】
妨害物が存在しないので、付勢部材115によって与えられる付勢力がキャリッジ部材110を押し動かし、その結果として、キャリッジ部材110は、空隙315の中に延びて、例えば
図5に示されているように「ピンと穴」の構成の形で受け部材305の傾斜区域310によって両側から囲まれるだろう。
図示されているように、キャリッジ部材110が受け部材305の空隙315と係合し終わると、上部構造物200と下部構造物300との間の相対的な移動が実質的に阻止される。
【0031】
図7は、引込み位置における第2の例示的な実施形態による固定機構600を伴う重機械
700
の一部分の斜視図である。
図8は、係合位置における第2の例示的な実施形態による固定機構600を伴う重機械700
の一部分の斜視図である。
図9は、制限位置における第2の例示的な実施形態による固定機構600を伴う重機械700
の一部分の斜視図である。
この例示的な実施形態では、重機械700は、互いに対して相対的に移動可能である上部構造物又は構造200と下部構造物又は構造300とを有する
重機械の任意の一部分であるだろう。
例えば、この重機械700は、下部構造300に対して相対的に回転するように構成されている上部構造200を有する建設用クレーンであるだろう。
【0032】
図7から
図9の例示的な実施形態は、
図1から
図5に関連して上述した特徴要素と同じ特徴要素を含む。同じ特徴要素には同じ照合番号が付与されている。
【0033】
図示されているように、固定機構600は上部構造物200上に取り付けられており、複数の歯330を有する歯付き区域320が、固定機構によって係合されるように下部構造物300上に備えられている。
例えば、歯付き区域320は、遊星歯車装置又は旋回装置(slewing gear)として形成されるだろう。
しかし、本出願の例示的な実施形態はこの構成に限定されず、固定機構600と歯付き区域320との配置は、他の例示的な実施形態では、逆にされるか又は変更されることがある。
【0034】
この例示的な実施形態では、キャリッジ部材610は、下部構造物300の歯付き区域320の歯330と整合して係合するように構成されている複数の歯650を含む。
【0035】
図7では、アクチュエータ機構625は上部位置又は引込み位置であり、上述のキャリッジ部材110と同じ引き上げ位置又は制限位置にキャリッジ部材610を保持する。
この引き上げ位置では、キャリッジ部材625は、下部ハウジング(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されており、照合番号は
図7では図の明瞭化のために省略されている)の開口部(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されており、照合番号は
図7では図の明瞭化のために省略されている)内に保持されており、下部構造物300上に備えられている歯付き区域320とは係合していない。
【0036】
図8では、アクチュエータ機構625の中央シリンダ630は、展開位置に移動又は伸長させられ終わっている。
中央シリンダ630が引き下げられているので、下向きの力がキャリッジ部材610にすでに加えられており、この力が、キャリッジ部材610をその伸長位置に移動させ、下部ハウジング(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されており、照合番号は
図8では図の明瞭化のために省略されている)の開口部(
図1A〜
図1C、
図2A〜
図2C、及び、
図3A〜
図3Cに示されており、照合番号は
図8では図の明瞭化のために省略されている)の中を通って突き出すことを生じさせている。
【0037】
この例示的な実施形態では、キャリッジ部材610の複数の歯650は下部構造物300の歯付き区域320の歯330に整合し且つ係合する。
キャリッジ部材610の歯650が下部構造物300の歯付き区域320の歯330と係合すると、上部構造物200と下部構造物300との間の相対的な移動が阻止される。
【0038】
しかし、
図9に示されているように、キャリッジ部材610の複数の歯650が下部構造物300の歯付き区域320の歯330と整合していない場合には、歯付き区域320の歯330はキャリッジ部材610が完全に伸長することを妨害する。
この状況では、キャリッジ部材110は、
図3A〜
図3Cに示されている第1の例示的な実施形態の位置と同じ持ち上げ位置又は制限位置に留まる。
この位置では、上部構造物200と下部構造物300との間の相対的な移動が可能にされる。
【0039】
上部構造物200と下部構造物300とが互いに対して相対的に移動する時に、付勢部材615は、キャリッジ部材610が妨害されている場合にさえ、キャリッジ部材610に対して下向きの力が加えられることを生じさせる。
したがって、上部構造物200と下部構造物300との間の相対的な移動が、キャリッジ部材610の複数の歯650が下部構造物300の歯付き区域320の歯330と整合することを生じさせると、キャリッジ部材610は伸長位置に移動し、上部構造物200と下部構造物300との間のさらなる相対的な移動が阻止される。
【0040】
上述の実施形態では、単一の固定機構が示された。
しかし、本出願の実施形態は、唯一の固定機構を有することに限定されない。
例えば、一実施形態が、
図1〜
図5に示されている第1の実施形態で説明されている固定機構のような複数の固定機構を含むことがある。
別の例では、一実施形態が、
図7〜
図9に示されている第2の実施形態で説明されている固定機構のような複数の固定機構を含むことがある。
【0041】
さらに、一実施形態が、
図7〜
図9に示されている第2の実施形態で説明されている固定機構のような1つ又は複数の固定機構との組合せの形で、
図1〜
図5で説明されているような1つ又は複数の固定機構を含むことがある。
【0042】
さらに、幾つかの実施形態では、
図1〜
図5に示されている第1の実施形態に説明されている固定機構のような1つ又は複数の固定機構が、上部構造物200と下部構造物300との間の大まかな固定を実現するために使用されるだろう(例えば、北向き、西向き、南向き、又は、東向きのような、下部構造物300に対する4つの方向の1つにおいて上部構造物200が固定されることを可能にする)。
幾つかの実施形態では、
図7〜
図9に示されている第2の実施形態に説明されている固定機構のような1つ又は複数の固定機構が、上部構造物200と下部構造物300との間の精密な固定を実現するために使用されるだろう(例えば、キャリッジ部材610の歯650と歯付き区域320の歯330との番号付けと間隔開けとに基づいて下部構造物300に対する様々な方向に上部構造物200が固定されることを可能にする)。
当然であるが、他の実施形態も、本明細書に含まれている教示内容に基づいて当業者にとって容易に明らかだろう。
さらに、本出願の一実施形態では、制御システムが、本出願の実施形態のいずれかに説明されている固定機構を制御するプロセスを実行するように構成されている。
一例としては、非限定的に、
図1〜
図5に示されている第1の実施形態に説明されている固定機構100が、実施形態の後続の説明のために、固定機構を制御するプロセス、使用されるだろう。
しかし、固定機構の他の実施形態も、本明細書に説明されている制御システムによって使用又は制御されるだろう。
【0043】
この制御システムは、ボタン、スイッチ、ダイヤル、タッチ式インタフェース、又は、当業者には明らかな任意の他の入力装置のような、ユーザ入力装置を含むだろう。
図10は、本出願の一実施形態による固定機構100を制御するプロセス1000を示す流れ図を提供する。
1005では、重機械のコントロールパネル上に取り付けられているか又はコントロールパネル上で使用可能にされているユーザ入力装置のようなユーザ入力装置が、重機械のオペレータに提供される。
1010では、ユーザ入力信号が、ユーザ入力装置の使用によってオペレータから受け取られる。
例えば、非限定的に、オペレータは、ボタンを押すか、スイッチを入れるか、ダイヤルを回すか、コンピュータインタフェースを起動させるか、タッチ式インタフェースにタッチするか、又は、様々な操作を行うだろう。
【0044】
1015において、制御システムは、ユーザ入力信号に応答して、固定機構100のアクチュエータ機構110に制御信号を送るだろう。
1020において、アクチュエータ機構は、引込み位置から展開位置に移行するだろう。
【0045】
固定機構100のアクチュエータ機構110が展開位置に移行すると、アクチュエータ機構110に機械的に連結されている付勢部材115の端部が、1025において移動させられ、制御プロセスが終了する。
【0046】
上述したように、付勢部材115の端部を移動させることが、付勢力がキャリッジ部材110に加えられることを生じさせ、障害物が無ければ、キャリッジ部材110は、例えば
図2A〜
図2Cに示されているように、伸長位置に移動させられるだろう。
しかし、障害物が存在する場合には、この障害物は、例えば
図3A〜
図3Cに示されているように、キャリッジ部材110が引込み位置又は制限位置に残ることを生じさせるだろう。
【0047】
図10に示されている制御プロセス1000の例示的な実施形態は、例えば
図2A〜
図2Cに示されているような伸長位置又は固定位置に固定機構100が配備されることを生じさせるためのプロセスを説明する。
さらに、当業者には明らかであるように、同じプロセスが、例えば
図1A〜
図1Cに示されているような引込み位置又は退去位置に固定機構100を遠隔的に退去させるために使用されることがある。
【0048】
さらに、本明細書で説明している構造及びプロセスの幾つかの例示的な実施形態が、固定機構100を恐らくは見ることが不可能なオペレータに対して、操作中に、フィードバックを提供するように構成されているセンサをさらに含むこともある。
例えば、近接センサ、接触スイッチ、カメラ、又は、当業者には明らかである任意の他のフィードバック提供機構が、例えば重機械400の操作中に、アクチュエータの位置(完全に伸長した位置/完全に引っ込んだ位置/これらの中間のあらゆる位置)及び/又はキャリッジ位置(完全に制限された位置/完全に展開された位置/これらの中間のあらゆる位置)のような、任意の種類の想定可能な情報をオペレータにフィードバックするために、固定機構内に又は固定機構の付近に備えられるだろう。
【0049】
本出願の一実施形態による固定機構を提供することによって、第2の作業員を固定機構に従事させる必要性が有利な形で取り除かれるだろう。
第2の作業員が不要なので、重機械に関連した運転コストが低減させられるだろう。
さらに、重機械の操作に関連した安全性が向上するだろう。
【0050】
上述した詳細な説明は、ブロック図、略図、及び、具体例を使用して、装置及び/又はプロセスの様々な例示的な実施形態に言及してきた。
こうしたブロック図と略図と具体例とが1つ又は複数の機能及び/又は動作を含むので、こうしたブロック図、流れ図、又は、具体例に含まれる各々の機能及び/又は動作は、広範囲のハードウェアによって個別的に及び/又は集合的に具体化されることが可能である。
【0051】
幾つかの例示的な実施形態が説明されてきたが、これらの例示的な実施形態は、単なる例示のために示されているに過ぎず、また、保護の範囲を限定することは意図されていない。
実際に、本明細書で説明されている新規性のある装置は、様々な他の形態で具体化されるだろう。
さらに、本明細書で説明するシステムの形態における様々な省略と置換と変更とを、発明の精神から逸脱することなく行うことが可能である。
特許請求の範囲とその等価物とは、発明の範囲と精神の範囲内に含まれるであろうこうした形態又は変形を含むことを意図している。